JP2003065168A - 筒内噴射式火花点火内燃機関 - Google Patents

筒内噴射式火花点火内燃機関

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JP2003065168A
JP2003065168A JP2001258163A JP2001258163A JP2003065168A JP 2003065168 A JP2003065168 A JP 2003065168A JP 2001258163 A JP2001258163 A JP 2001258163A JP 2001258163 A JP2001258163 A JP 2001258163A JP 2003065168 A JP2003065168 A JP 2003065168A
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fuel
heating space
injection valve
internal combustion
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JP2001258163A
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Tomohiro Shinagawa
知広 品川
Takeshi Okumura
猛 奥村
Mutsumi Kanda
睦美 神田
Hisato Hirooka
久人 広岡
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Toyota Motor Corp
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B75/12Other methods of operation
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒内噴射式火花点火内燃機関において、バッ
テリの大型化を伴うことなく機関始動直後から噴射され
る燃料の加熱を実現可能とすることである。 【解決手段】 気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴
射弁7と、燃料噴射弁内の燃料を加熱するための加熱空
間7cと、気筒内の燃焼ガスを加熱空間内へ流入させる
ための流入通路Aとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射式火花点
火内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴
射弁を具備する筒内噴射式火花点火内燃機関は、吸気ポ
ート等へ燃料を噴射する場合に比較して、必要量の燃料
を確実に気筒内へ供給可能であるために、燃料消費を低
減することができるとされている。
【0003】このような筒内噴射式火花点火内燃機関に
よって吸気行程で燃料を噴射して均質燃焼を実施する場
合に、この均質燃焼を良好なものとするためには、噴射
した燃料を点火までに十分に気化させることが必要であ
るが、単に気筒内へ燃料を噴射するだけでは十分な気化
を保証することができない。それによって、燃料の一部
が未燃燃料として排出されることとなれば、燃料消費を
低減するどころか返って燃料消費を悪化させることとな
る。
【0004】実用新案登録第2514881号公報に
は、燃料噴射弁の先端部回りに機関冷却水通路を形成す
ることを開示している。このような構成によって、燃料
噴射弁の先端部内で噴射以前の燃料が機関冷却水によっ
て加熱されるために、噴射直後において燃料は減圧沸騰
によって十分に気化し、良好な均質燃焼を実現すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術のように燃料の加熱に機関冷却水を使用するも
のでは、機関始動直後のように機関冷却水温度が低い時
には燃料を加熱することができない。また、機関始動直
後から燃料を加熱するために、燃料噴射弁の先端部回り
に機関冷却水通路に代えて電気ヒータ等を設けることも
考えられるが、そのためにはバッテリの大型化等が必要
となる。
【0006】また、筒内噴射式火花点火内燃機関におい
て、圧縮行程で燃料を噴射して点火プラグ近傍に可燃混
合気を形成して成層燃焼を実施する場合にも、良好な成
層燃焼を実現するためには噴射燃料を点火までに確実に
気化させなければならず、燃料加熱は必要とされる。
【0007】従って、本発明の目的は、筒内噴射式火花
点火内燃機関において、バッテリの大型化を伴うことな
く機関始動直後から噴射される燃料の加熱を実現可能と
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1に
記載の筒内噴射式火花点火内燃機関は、気筒内へ直接的
に燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁内の燃
料を加熱するための加熱空間と、気筒内の燃焼ガスを前
記加熱空間内へ流入させるための流入通路とを具備する
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明による請求項2に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項1に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記燃料噴射弁は少なく
とも均質燃焼を実施するために気筒内へ燃料を噴射する
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明による請求項3に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項1又は2に記載の筒
内噴射式火花点火内燃機関において、前記加熱空間は前
記燃料噴射弁本体に形成されていることを特徴とする。
【0011】また、本発明による請求項4に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項3に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記加熱空間内へは前記
燃料噴射弁本体からフィンが延在していることを特徴と
する。
【0012】また、本発明による請求項5に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項1から4のいずれか
に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記流
入通路は他気筒の燃焼ガスを前記加熱空間内へ流入させ
ることを特徴とする。
【0013】また、本発明による請求項6に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項1から5のいずれか
に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関において、前記加
熱空間内の燃焼ガスを吸気行程中に前記燃料噴射弁の噴
孔近傍から気筒内へ流出させる流出通路を具備すること
を特徴とする。
【0014】また、本発明による請求項7に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項6に記載の筒内噴射
式火花点火内燃機関において、前記流入通路と前記流出
通路とは同一通路であることを特徴とする。
【0015】また、本発明による請求項8に記載の筒内
噴射式火花点火内燃機関は、請求項6又は7に記載の筒
内噴射式火花点火内燃機関において、前記流入通路は前
記加熱空間内の燃焼ガスを徐々に前記気筒内へ流出する
ことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による筒内噴射式
火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図で
ある。同図において、1は吸気ポート、2は排気ポート
である。吸気ポート1は吸気弁3を介して、排気ポート
2は排気弁4を介して、それぞれ気筒内へ通じている。
5はピストンであり、6は気筒上部略中心に配置された
点火プラグであり、7は気筒上部周囲から気筒内へ直接
的に燃料を噴射する燃料噴射弁である。
【0017】図2はピストン5の平面図である。図1及
び2に示すように、ピストン5頂面には、凹状のキャビ
ティ8が形成されている。キャビティ8は、ピストン5
頂面の燃料噴射弁7側に偏在している。燃料噴射弁7
は、スリット状の噴孔を有し、燃料を厚さの薄い扇状に
噴射するものである。成層燃焼を実施するためには、図
1及び2に示すように、圧縮行程末期において燃料をピ
ストン5頂面に形成されたキャビティ8内へ噴射する。
斜線で示す噴射直後の燃料は液状であるが、キャビティ
8の底壁8aに沿って進行してキャビティ8の燃料噴射
弁に対向する対向側壁8bによって点火プラグ6近傍に
導かれるまでに気化し、点火時点においては、ドットで
示す着火性の良好な可燃混合気となる。こうして、点火
プラグ6近傍だけに可燃混合気を形成することにより、
気筒内全体としてはリーンな混合気を燃焼可能とする成
層燃焼を実現することが意図されている。
【0018】厚さの薄い扇状の燃料噴霧は、キャビティ
8の底壁8aに沿って進行する際に幅方向に拡がるため
に、キャビティ8の底壁8aの広範囲部分から良好に熱
を吸収することができる。キャビティ8の底壁8a上を
幅方向に拡がった燃料において、燃料中央部は、キャビ
ティ8の対向側壁8bによって上方向に向かう速度成分
が付与され点火プラグ6近傍へ向かい、燃料両側部は、
ピストン平面視において円弧状とされたキャビティ8の
対向側壁8bに対してそれぞれ鋭角に衝突して、上方向
へ向かう速度成分が付与されると共に中央方向へ向かう
速度成分も付与され、点火プラグ6近傍へ向かう。
【0019】こうして、厚さの薄い扇状の燃料噴霧は、
従来の円錐状の燃料噴霧に比較して、点火プラグ6近傍
に気化程度の良好な一塊の可燃混合気を形成することが
できる。それにより、成層燃焼時の燃料噴射量を増加さ
せることが可能となり、成層燃焼を高負荷側へ拡大する
ことができる。成層燃焼は、気筒内全体としてはリーン
な混合気を燃焼可能であり、また、吸気を絞る必要がな
いためにポンピング損失が少ない。それにより、成層燃
焼は燃費効率が高く、こうして成層燃焼運転域を拡大す
ることは燃料消費低減に有効である。しかしながら、本
発明は、このような扇状の燃料噴霧を実現する燃料噴射
弁を必須の構成要素として有するものではなく、円錐状
又は柱状等の燃料噴霧を実現する燃料噴射弁も使用可能
である。
【0020】扇状の燃料噴霧によっても、機関高負荷時
となって多量の燃料が必要とされる時には、圧縮行程末
期だけで燃料を噴射することが難しくなるために、吸気
行程で燃料を噴射して均質燃焼を実施するようにしても
良い。
【0021】良好な成層燃焼を実現するためには、点火
時点において、点火プラグ6近傍に可燃混合気を維持す
ることが必要である。もし、吸気行程において積極的に
タンブル流及びスワール流を生成すると、圧縮行程末期
の点火時点においても気筒内に乱れが存在するために、
この乱れによって可燃混合気の維持が困難となってしま
う。
【0022】それにより、本実施形態のように成層燃焼
と均質燃焼とを切り換えて実施する筒内噴射式火花点火
内燃機関では、一般的に、吸気行程においてタンブル流
及びスワール流のような強い気流を発生させることは好
ましくない。こうして、吸気行程で燃料を噴射して均質
燃焼を実施する際には、噴射燃料の気化に気流を利用す
ることはできず、良好な均質燃焼を実現するためには、
燃料を気化し易い状態で燃料噴射弁から噴射することが
好ましい。
【0023】図3は、本実施形態の燃料噴射弁7近傍の
拡大断面図である。同図に示すように、本実施形態にお
ける燃料噴射弁7は、細長い先端部7aと、この先端部
7aの基端側を取り囲む外筒部7bとを有している。機
関本体、例えば、シリンダヘッドに形成された燃料噴射
弁7の取り付け穴は、燃料噴射弁7の外筒部7bに対し
て適当な嵌め合いを有し、先端部7bに対しては、ある
程度の隙間Aを有している。こうして、取り付け穴は段
部を有し、この段部と燃料噴射弁7の外筒部7b先端と
の間に設けられたシール部材9によって気筒内の気密が
実現される。このシール部材9の外側にも、もう一つの
シール部材10が設けられており、さらに気密性が高め
られている。
【0024】燃料噴射弁7及び取り付け穴のこのような
形状によって、燃料噴射弁7の先端部7aと外筒部7b
との間の比較的大きな容積を有する空間7cは、隙間A
によって気筒内と連通するようになっている。それによ
り、均質燃焼において膨張行程となれば、図3に矢印で
示すように、高温高圧の燃焼ガスが隙間Aを通り空間7
c内へ流入する。その後、排気行程となって気筒内の既
燃ガスは排出されるが、空間7c内には燃焼ガスが比較
的高温度の既燃ガスとして残留し、燃料噴射弁7の先端
部7aを加熱する。先端部7a内には燃料通路が通って
おり、こうして、燃料通路内の燃料が加熱される。
【0025】次いで、吸気行程となってピストンの下降
に伴って気筒内が負圧となれば、空間7c内の既燃ガス
は隙間Aを介して燃料噴射弁7の先端部7a回りから徐
々に気筒内へ噴出される。吸気行程中に燃料噴射弁7か
ら噴射される燃料は、先端部7a内において、前述した
ように、前回の膨張行程前半に空間7c内に流入した燃
焼ガスによって膨張行程後半及び排気行程の間に十分に
加熱されており、噴射されると直ぐに減圧沸騰によって
気化する。また、次いで噴射される燃料は、先端部7a
内の燃料通路を通る間に依然として空間7c内に残留す
る燃焼ガスによって加熱されると共に、噴射直後に隙間
Aを介して気筒内へ噴出する燃焼ガスと接触するため
に、燃料通路を通る間の加熱が多少不十分であっても良
好に気化することができる。
【0026】こうして、均質燃焼において、吸気行程で
燃料噴射弁7から噴射される燃料は、噴射直後に気筒内
で確実に気化し、噴射された全ての燃料を使用する均質
混合気が形成されるために、未燃燃料を殆ど発生させる
ことのない良好な均質燃焼を実現することができる。本
実施形態において、燃料噴射弁本体に形成された空間7
cは、燃料噴射弁内の燃料を加熱するための加熱空間と
して機能し、燃料噴射弁7の先端部7a回りの隙間A
は、気筒内の燃焼ガスを加熱空間7c内へ流入させるた
めの流入通路として機能する。
【0027】ところで、本実施形態の燃料噴射弁7にお
いては、先端部7aと外筒部7bとによって形成される
加熱空間7c内へ円筒状のフィン7dが燃料噴射弁から
延在しており、それにより、加熱空間7c内において燃
料噴射弁7の受熱面積が増大し、燃料噴射弁7内の燃料
は、さらに良好に加熱されるようになっている。もちろ
ん、このような加熱空間7c内のフィンは、円筒形状に
限定されることはなく、任意の形状とすることができ、
また、複数のフィンを設けるようにしても良い。
【0028】本実施形態においては、燃料噴射弁本体に
加熱空間7cが設けられているために、特にフィンを設
けなくても燃料噴射弁の受熱面積を比較的大きくするこ
とができ、すなわち、先端部7aの外周面及び外筒部7
bの内周面を受熱面積として利用することができ、良好
な燃料加熱が可能となる。
【0029】また、隙間Aは、加熱空間7c内に燃焼ガ
スを流入させるための流入通路として機能すると共に、
前述したように、吸気行程において加熱空間7内の燃焼
ガスを燃料噴射弁7の先端部7a回り、すなわち、噴孔
近傍から気筒内へ徐々に噴出させる流出通路としても機
能し、こうして噴出される燃焼ガスは、噴射燃料との接
触によって噴射燃料の気化を促進する。また、こうして
燃焼ガスを流出させることにより、次回の膨張行程にお
いて新たな燃焼ガスを加熱空間内へ流入させることがで
きる。
【0030】図4は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第二実施形態を示す燃料噴射弁71近傍の拡
大断面図である。前述した第一実施形態との違いを以下
に説明する。本実施形態では、燃料噴射弁71の先端部
71a回りには、流入通路及び流出通路としての隙間A
と共に比較的大きな容積を有する加熱空間Bとがシリン
ダヘッドに形成されている。また、加熱空間Bを吸気ポ
ート1へ連通する連通路Cが形成され、この連通路Cに
は吸気ポート1から加熱空間Bへの気体流れのみを許容
する逆止弁Dが設けられている。
【0031】このような構成によって、均質燃焼時にお
いて膨張行程となれば、第一実施形態と同様に隙間Aを
介して加熱空間B内には燃焼ガスが流入し、吸気行程ま
でに燃料噴射弁71内の燃料を加熱する。膨張行程にお
いて加熱空間B内へ流入した燃焼ガスは、逆止弁Dが設
けられているために、連通路Cを介して吸気ポート1へ
は流出しない。
【0032】吸気行程となれば、加熱された燃料が噴射
されて減圧沸騰によって気化すると共に、連通路Cを介
して吸気が加熱空間B内へ流入し、加熱空間B内の燃焼
ガスを隙間Aから気筒内へ高速で噴出させる。こうし
て、燃料噴射弁71の噴孔近傍からは第一実施形態より
高速で燃焼ガスが噴出されるために、噴射燃料は、この
高温高速の気流との接触によってさらに良好に気化する
ことができる。
【0033】本実施形態の変形例として、加熱空間Bを
吸気ポートではなく機関排気系の排気集合部下流に連通
させるようにしても良い。このような構成により、吸気
行程には、加熱空間B内へ排気ガスが流入して加熱空間
内の燃焼ガスを隙間Aから気筒内へ高速で噴出させるこ
とができる。吸気に比較して排気ガスは高温であるため
に、噴射燃料の気化にとっては吸気よりも排気ガスの方
が有利である。また、これは、排気ガス再循環となり、
排気ガスの主成分である不活性ガスの有する大きな熱容
量によって燃焼温度を低下させることができ、NOX
生量の低減に効果的でもある。
【0034】図5は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第三実施形態を示す燃料噴射弁71近傍の拡
大断面図である。前述した第二実施形態との違いを以下
に説明する。本実施形態においては、特に吸気ポート1
への連通路は設けられておらず、加熱空間B’は、拡大
されて第二実施形態よりさらに大きな容積を有してい
る。加熱空間B’は、第二実施形態と同様に、燃料噴射
弁71の先端部71a回りの隙間A’によって気筒内と
連通されているが、この隙間A’は第二実施形態の隙間
Aに比較して小さな断面積を有している。また、加熱空
間B’は、隙間A’より大きな断面積を有する連通路
C’によっても気筒内へ連通している。連通路C’は、
回転弁D’等によって開放及び閉鎖が可能となってい
る。
【0035】このような構成によって、均質燃焼時にお
いて膨張行程となれば、回転弁D’によって連通路C’
が開放され、これまでの実施形態に比較して大きな断面
積を有する連通路C’を介して燃焼ガスが容易に加熱空
間B’内へ流入する。加熱空間B’内に十分に燃焼ガス
が流入すれば、回転弁D’によって連通路C’は閉鎖さ
れる。こうして、第二実施形態と同様に、加熱空間B’
内の燃焼ガスによって吸気行程までに燃料噴射弁71内
の燃料を加熱することができる。
【0036】吸気行程となれば、加熱された燃料が燃料
噴射弁71から噴射されて減圧沸騰によって気化すると
共に、気筒内の圧力低下によって燃料噴射弁71の噴孔
近傍からは隙間A’を介して燃焼ガスが噴出され、この
隙間A’の断面積は小さくされているために、噴出され
る燃焼ガスの流速を第二実施形態と同様に高めることが
できる。噴射燃料は、この高温高速の気流との接触によ
って良好に気化することができる。
【0037】本実施形態は、大きな容積の加熱空間B’
を有するために、多量の燃料が噴射される場合にも、比
較的長い噴射期間中において噴孔近傍に確実に高温高速
の気流を発生させることができ、噴射燃料全ての確実な
気化を保証することができる。また、本実施形態におい
ては、燃料噴射弁71の先端部71a回りの隙間A’
は、主に加熱空間B’からの流出通路として機能するた
めに、断面積を小さくして燃焼ガスを高速で噴出させる
ことが可能となる。連通路C’は、加熱空間B’への流
入通路だけとして機能するために、断面積を比較的大き
くすることができ、大きな容積の加熱空間B’内へ確実
に燃焼ガスを流入させることができる。
【0038】流入通路として機能する連通路C’は、回
転弁D’によって閉鎖可能となっているために、例え
ば、燃料噴射弁71の加熱過剰によって燃料噴射弁71
内で燃料が気化しそうな場合には、膨張行程において連
通路C’を閉鎖することにより加熱空間B’内への燃焼
ガスの流入を防止することができる。この時において、
燃料噴射弁71の先端部71a回りの隙間A’は、断面
積を小さくしているために、この隙間A’からは加熱空
間B’内へ燃焼ガスは殆ど流入することはない。
【0039】図6は、本発明による筒内噴射式火花点火
内燃機関の第四実施形態を示しており、(A)は燃料噴
射弁71近傍の拡大断面図であり、(B)は全体構成図
である。以下、第二実施形態との違いについて説明す
る。本実施形態において、図6(A)に示すように、加
熱空間Bは、吸気ポートへ連通されておらず、燃料噴射
弁71の先端部71a回りの隙間Aによって自身気筒内
へ連通していると共に、連通管C”によって他気筒の加
熱空間Bと連通されている。図6(B)に示されている
ように、直列四気筒エンジンにおいては、一番気筒#1
の加熱空間Bと四番気筒#4の加熱空間Bとが連通管
C”によって互いに連通され、二番気筒#2の加熱空間
Bと三番気筒#3の加熱空間Bとがもう一つの連通管
C”によって互いに連通されている。各連通管C”に
は、連通管C”を開閉することを可能とする制御弁D”
が設けられている。特に、この直列四気筒エンジンの点
火順序は、#1−#3−#4−#2である。
【0040】例えば、一番気筒#1の膨張行程において
は、一番気筒#1の加熱空間Bと四番気筒#4の加熱空
間Bとを連通する連通管C”が制御弁D”によって開放
される。それにより、一番気筒#1内の燃焼ガスは、隙
間Aを介して一番気筒#1の加熱空間B内へ流入する。
この時、四番気筒#4では吸気行程であり、四番気筒#
4内が負圧となるために、連通管C”を介して一番気筒
#1の燃焼ガスが四番気筒#4の加熱空間B内へ流入し
て隙間Aから四番気筒#4内へ噴出される。この燃焼ガ
スの流出速度は、一番気筒#1内が膨張行程のために非
常に高圧である一方で四番気筒#4内が吸気行程のため
に負圧であるので、大きな圧力差によって非常に高くな
る。
【0041】こうして、四番気筒#4において吸気行程
中に噴射される燃料は高温高速の燃焼ガスとの接触によ
って良好に気化することができる。制御弁D”を開弁し
ている間は、一番気筒#1の燃焼ガスを四番気筒#4に
おいて噴出させることができるために、四番気筒#4に
おいて燃料噴射期間が長くなっても噴射燃料を高温高速
の燃焼ガスとの接触によって確実に気化させることがで
きる。四番気筒#4の燃料噴射終了と同時に制御弁C”
は閉弁され、連通管C”は閉鎖される。この時におい
て、一番気筒#1の加熱空間B内には一番気筒#1内の
燃焼ガスによって満たされ、一番気筒#1での吸気行程
噴射に備えて、燃料噴射弁71内の燃料を加熱する。
【0042】このように、これまでの実施形態とは異な
り、加熱空間Bへの燃焼ガスの流入が、自身気筒内の膨
張行程の圧力だけでなく、他気筒の吸気行程の負圧が利
用されるために、加熱空間B内を高温の燃焼ガスだけで
確実に満たすことができ、燃料噴射弁71内の燃料をさ
らに良好に加熱することが可能である。また、このよう
に大きな圧力差が加熱空間Bへの燃焼ガスの流入に利用
されるために、隙間Aの断面積を小さくしても良く、こ
れは、隙間Aを流出通路として使用する際に燃焼ガスの
噴出速度を高めることを可能とする。
【0043】一番気筒#1が吸気行程となれば、制御弁
D”が開弁され、この時には膨張行程である四番気筒#
4の燃焼ガスが連通管C”を介して一番気筒#1の加熱
空間へ供給される。こうして、一番気筒#1において、
燃料噴射弁71からの噴射開始当初の燃料は、燃料噴射
弁71内において良好に加熱されており、噴射と同時に
減圧沸騰によって良好に気化する。その後に噴射される
燃料も噴孔近傍から噴出される高温高速の四番気筒#4
の燃焼ガスとの接触によって良好に気化することができ
る。
【0044】一番気筒#1の燃料噴射が終了すれば、制
御弁D”は閉弁されて連通管C”は閉鎖される。それに
より、一番気筒#1及び四番気筒#4の一方が圧縮行程
である時の混合気が他方の気筒へ流出するようなことは
なく、また、排気行程の排気ガスも同様に他方の気筒へ
流出することはない。二番気筒#2及び三番気筒#3に
おいても、一方が吸気行程の時には他方は膨張行程であ
り、二番気筒#2の加熱空間と三番気筒#3の加熱空間
とを連通する連通管C”に設けられた制御弁D”を前述
同様に制御することにより、一番気筒#1及び四番気筒
#4において説明したと同様に、いずれの気筒において
も噴射燃料を良好に気化させることができる。
【0045】本実施形態においても、各気筒における燃
料噴射弁71の先端部回りの隙間Aの断面積を小さくす
れば、燃料噴射弁71が異常に加熱されそうな場合に制
御弁C”を閉弁し続けることによって、膨張行程の圧力
だけでは隙間Aから加熱空間へ燃焼ガスが流入すること
はなく、異常加熱による燃料噴射弁内での燃料気化を防
止することができる。
【0046】こうして、いずれの実施形態によっても均
質燃焼時において噴射燃料を確実に気化させることがで
き、良好な均質燃焼が実現可能である。一方、成層燃焼
時には、前述したように噴射燃料の貫徹力によって点火
プラグ近傍に可燃混合気を形成するようになっているた
めに、燃料噴射弁から噴射されると同時に燃料が気化す
ることは好ましくない。
【0047】成層燃焼時は、圧縮行程噴射であるため
に、吸気行程に比較して気筒内の圧力は高く、また、成
層燃焼時は燃焼ガス温度もそれほど高くはないために、
加熱空間内に流入させた燃焼ガスによって燃料噴射弁内
の燃料がそれほど高温度に加熱されることなく、噴射直
後の燃料が減圧沸騰するようなことはない。良好な成層
燃焼を実現するためには、噴射燃料は点火時点において
やはり完全に気化していなければならず、このような若
干の燃料加熱は好ましいものである。このように、本発
明は、均質燃焼時だけでなく成層燃焼時にも効果的であ
る。
【0048】前述した実施形態において、筒内噴射式火
花点火内燃機関は、均質燃焼と成層燃焼とを切り換えて
実施するものとしたが、本発明は、均質燃焼及び成層燃
焼のそれぞれに効果的であるために、均質燃焼及び成層
燃焼の一方だけしか実施しないような筒内噴射式火花点
火内燃機関にも適用可能である。
【0049】
【発明の効果】このように本発明による筒内噴射式火花
点火内燃機関によれば、気筒内へ直接的に燃料を噴射す
る燃料噴射弁と、燃料噴射弁内の燃料を加熱するための
加熱空間と、気筒内の燃焼ガスを加熱空間内へ流入させ
るための流入通路とを具備している。それにより、流入
通路を介して加熱空間内へ流入した燃焼ガスの熱を利用
して燃料噴射弁内の燃料を加熱することができ、電気ヒ
ータの熱を利用するようなバッテリの大型化を伴うこと
なく、機関冷却水の熱を利用するような機関暖機後から
ではなく、機関始動直後から噴射される燃料の加熱を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
一実施形態を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の筒内噴射式火花点火内燃機関のピストン
平面図である。
【図3】図1の筒内噴射式火花点火内燃機関における燃
料噴射弁近傍の拡大断面図である。
【図4】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
二実施形態を示す燃料噴射弁近傍の拡大断面図である。
【図5】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
三実施形態を示す燃料噴射弁近傍の拡大断面図である。
【図6】本発明による筒内噴射式火花点火内燃機関の第
四実施形態を示しており、(A)は燃料噴射弁近傍の拡
大図であり、(B)は全体構成図である。
【符号の説明】
1…吸気ポート 2…排気ポート 3…吸気弁 4…排気弁 5…ピストン 6…点火プラグ 7,71…燃料噴射弁 7a,71a…先端部 7c…加熱空間 A,A’…隙間 B,B’…加熱空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 1/42 F02F 1/42 B F02M 31/08 F02M 53/04 J 53/04 61/14 310Z 61/14 310 320P 320 61/16 F 61/16 31/08 311D (72)発明者 神田 睦美 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 広岡 久人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G023 AA07 AB01 AC05 AC09 AD09 AD12 AG01 AG02 3G024 AA09 AA11 BA00 DA01 DA17 FA00 FA04 FA06 3G066 AA02 AB02 AD12 BA03 BA61 CC01 CD22 DB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴
    射弁と、前記燃料噴射弁内の燃料を加熱するための加熱
    空間と、気筒内の燃焼ガスを前記加熱空間内へ流入させ
    るための流入通路とを具備することを特徴とする筒内噴
    射式火花点火内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記燃料噴射弁は少なくとも均質燃焼を
    実施するために気筒内へ燃料を噴射することを特徴とす
    る請求項1に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記加熱空間は前記燃料噴射弁本体に形
    成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    筒内噴射式火花点火内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記加熱空間内へは前記燃料噴射弁本体
    からフィンが延在していることを特徴とする請求項3に
    記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記流入通路は他気筒の燃焼ガスを前記
    加熱空間内へ流入させることを特徴とする請求項1から
    4のいずれかに記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記加熱空間内の燃焼ガスを吸気行程中
    に前記燃料噴射弁の噴孔近傍から気筒内へ流出させる流
    出通路を具備することを特徴とする請求項1から5のい
    ずれかに記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記流入通路と前記流出通路とは同一通
    路であることを特徴とする請求項6に記載の筒内噴射式
    火花点火内燃機関。
  8. 【請求項8】 前記流入通路は前記加熱空間内の燃焼ガ
    スを徐々に前記気筒内へ流出することを特徴とする請求
    項6又は7に記載の筒内噴射式火花点火内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004072471A1 (en) * 2003-02-13 2004-08-26 Vaporate Pty Ltd Fuel delivery system
JP2010038096A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Yamaha Motor Co Ltd エンジン

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