JP6163518B2 - 冷却装置 - Google Patents
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Description
一方、冷却媒体の冷却性能を向上するためには、ラジエタを大型化することも考えられるが、車両のレイアウト上、大型のラジエタを搭載することは困難な場合もある。
そのため、冷却媒体の冷却性能を向上することが望まれていた。
請求項2に記載した発明は、前記シュラウド(50)は、前記二重構造として、筒状のインナー部(51)と、前記インナー部(51)の径方向外側に設けられる筒状のアウター部(52)と、を備え、前記内部空間(S10)は、前記インナー部(51)と前記アウター部(52)との間に形成されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記隔壁部(54a,54b,54c)は、前記内部空間(S10)を上下に分割し、前記第二内部空間(S12)は、前記第一内部空間(S11)の下側に配置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記シュラウド(50)において前記冷却風が導かれる導風空間(A10)に臨む表面には、前記冷却媒体の熱を放熱する放熱フィン(53)が設けられることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記ラジエタ(30)は、前記車両(1)としての鞍乗型車両(1)に搭載され、前記鞍乗型車両(1)の前部には、前記ラジエタ(30)と共通の前記冷却媒体を循環する第二ラジエタ(20)が設けられることを特徴とすることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記冷却風の流れ方向において、前記ファン(40)は、前記ラジエタ(30)よりも上流側に配置されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、内部空間はインナー部とアウター部との間に形成されることで、内部空間を通過する冷却媒体を、インナー部において導風空間に臨む表面(径方向内側面)又はアウター部において導風空間に臨む表面(径方向外側面)で冷却風によって冷却することができる。従って、二重構造としてインナー部とアウター部とを備える簡素な構造で、シュラウドに冷却機能を持たせ、冷却媒体の冷却性能を向上することができる。
請求項3に記載した発明によれば、隔壁部は内部空間を上下に分割し、第二内部空間は第一内部空間の下側に配置されることで、重力を利用して第一内部空間から第二内部空間へと冷却媒体を流すことができるため、第一内部空間から第二内部空間に向けて冷却媒体を効率良く流すことができる。
請求項4に記載した発明によれば、シュラウドにおいて冷却風が導かれる導風空間に臨む表面には冷却媒体の熱を放熱する放熱フィンが設けられることで、シュラウドにおいて導風空間に臨む表面の表面積が増加するため、冷却媒体の放熱効果を向上することができる。
請求項5に記載した発明によれば、ラジエタは鞍乗型車両に搭載され、車両前部にはラジエタと共通の冷却媒体を循環する第二ラジエタが設けられることで、ラジエタを一つのみ設ける場合と比較して、第二ラジエタのサイズを小さくすることができるため、車両前部をコンパクト化し易くなり、外観性の向上を図ることができる。
請求項6に記載した発明によれば、冷却風の流れにおいて、ファンはラジエタよりも上流側に配置されることで、内部空間を通過する冷却媒体を、ラジエタを通過する前(ラジエタの通過により温まる前)の冷却風によって冷却することができるため、冷却媒体の冷却性能をより一層向上することができる。
図1は、鞍乗型車両の一例として、実施形態に係る冷却装置100を搭載する自動二輪車1を示す。図1においては、冷却装置100を見易くするため、燃料タンク、シート及びカウル等の図示を省略している。
図1を参照し、自動二輪車1は、バーハンドル2と、バーハンドル2によって操向される前輪3と、エンジンを含むパワーユニット5によって駆動される後輪4とを備える。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
尚、図1において、符号25はフロントフェンダ、符号26はリヤフェンダをそれぞれ示す。
リヤフェンダ26前部とクッションユニット7との間で且つスイングアーム6の上方であって、左右一対のシートフレーム15の車幅方向間(車両後部)には、冷却装置100が設けられる。冷却装置100は、ブラケット28及び支持部材29等を介して車体フレーム10に取り付けられる。
ここで、リヤラジエタ30は、請求項に記載の「ラジエタ」に相当する。
又、図中矢印Wは冷却風の流れ、矢印Kは冷却水の流れをそれぞれ示す。
ファン40は、軸線CLを車両前後方向に沿わせるように配置される。冷却風の流れ方向において、ファン40は、リヤラジエタ30よりも上流側に配置される。ファン40は、リヤラジエタ30の前方に配置され、リヤラジエタ30に向けて冷却風を送るように構成される。図4の側面視で、ファン40は、軸線方向CLに沿う後方に冷却風を発生させる。リヤラジエタ30に向けて送風された冷却風は、リヤラジエタ30のコア(例えばコアを構成するチューブ間及びフィン間)を通過して後方に流れる。
プロペラ42は、モータ41の軸部に固定される円筒状のハブ42aと、ハブ42aの外周部に周方向に並んで設けられる複数(例えば本実施形態では6つ)のブレード42bと、ハブ42aとの間で環状流路40sを形成するケーシング44と、モータ41とケーシング44とを固定する固定部材43とを備える。
尚、図2においては、便宜上、プロペラ42及び固定部材43の図示を省略する。
図4の側面視で、各脚部43bは、固定部本体43aの外周部から径方向外側に延びた後に、径方向外側ほど後方に位置するように傾斜して延び、その後、径方向外側に屈曲して延びてケーシング44のフランジ部46に至る。各脚部43bの径方向外端部は、ボルト等の締結部材でフランジ部46に締結固定される。
図4の側面視で、連結壁の左右側部には、フランジ部46の左右外周部46c,46dに沿うように上下に直線状に延びる左右平坦部47c,47d(右平坦部47dは図2参照)が形成される。
図2〜図4を併せて参照し、リヤラジエタ30は、直方体状をなし、リヤフェンダ26の前傾斜部26a(図1参照)と対向するように、短辺を車幅方向に沿わせると共に、長辺を軸線CLに対し傾斜(具体的には車両上下方向に対し後傾)させるように配置される。
上下プレート32,33は、コア31の短辺に沿うように車幅方向に延びると共に、コア31を構成するチューブ及びフィン(何れも不図示)を固定する。上プレート32は、コア31の上端部とアッパタンク34とを連結する。下プレート33は、コア31の下端部とロアタンク35とを連結する。
アッパタンク34及びロアタンク35は、それぞれ上下プレート32,33に沿うように車幅方向に延びる。
左右プレート36,37は、それぞれコア31の長辺に沿うように延びて、アッパタンク34とロアタンク35とを連結すると共に、上プレート32と下プレート33とを連結する。
図5〜図7を併せて参照し、シュラウド50は、内部空間S10を有する二重構造を有する。内部空間S10は、エンジンのウオータジャケット(不図示)、フロントラジエタ20、リヤラジエタ30、及びこれらの間に配索される各配管内を冷却水が循環する際に、冷却水を通過させる。
図7の断面視で、インナー部51は、上方に凸をなすように湾曲する(逆U字状をなす)インナー上壁51aと、インナー上壁51aよりも小さい曲率で下方に凸をなすように湾曲する(U字状をなす)インナー下壁51bと、上下に直線状に延びてインナー上下壁51a,51bの左右端部をそれぞれ連結するインナー左右壁51c,51dとを備える。
図6の断面視で、インナー左右壁51c,51dは、後側ほど車幅方向外側に位置するように傾斜して延びる。これにより、冷却風が導かれる導風空間A10が後側ほど広がる。
図4〜図6を併せて参照し、インナー部51において導風空間A10に臨む表面(シュラウド50において導風空間A10に臨む表面)には、内部空間S10を通過する冷却水の熱を放熱する放熱フィン53が設けられる。放熱フィン53は、インナー部51において導風空間A10に臨む表面から径方向内側に突出すると共に、ファン40の側からリヤラジエタ30の側に向けて広がるように直線状をなして複数設けられる。
図7の断面視で、アウター部52は、インナー上壁51aの径方向外側に配置されると共に上方に凸をなすように湾曲する(逆U字状をなす)アウター上壁52aと、インナー下壁51bの径方向外側に配置されると共にアウター上壁52aよりも小さい曲率で下方に凸をなすように湾曲する(U字状をなす)アウター下壁52bと、インナー左右壁51c,51dのそれぞれ径方向外側に配置されると共に上下に直線状に延びてアウター上下壁52a,52bの左右端部をそれぞれ連結するアウター左右壁52c,52dとを備える。
図7の断面視で、各隔壁54a,54b,54cは、インナー左右壁51c,51dとアウター左右壁52c,52dとの間に設けられる。
ここで、各隔壁54a,54b,54cは、請求項に記載の「隔壁部」に相当する。
アウター部52の各壁とインナー部51の各壁とは略均等な間隔を空けて対向し、これらの間が内部空間S10となる。
図2〜図4を併せて参照し、アウター左右壁52c,52dには、複数(例えば本実施形態では左右2つずつ計4つ)のブラケット支持部59が設けられる。図4の側面視で、左右の各ブラケット支持部59は、リヤラジエタ30の長辺に沿う長方形状をなすと共に、前記長辺に沿う方向に離反する。
図2〜図4を併せて参照し、各ブラケット支持部59には、それぞれブラケット28が取り付けられる。
図4の側面視で、ブラケット28は、リヤラジエタ30の左右プレート36,37の長手方向に沿う長方形状をなすと共に、左右プレート36,37に固定されるブラケット本体28aと、ブラケット本体28aの前長辺部から前上方に屈曲して延びてブラケット支持部59に取り付けられる前延出部28bと、ブラケット本体28aの後長辺部から後下方に屈曲して延びて支持部材29(図1参照)に取り付けられる後延出部28cとを備える。
図2及び図3を併せて参照し、内部空間S10は、冷却水を通過させる第一内部空間S11と、第一内部空間S11を通過した冷却水を通過させる第二内部空間S12とに分割される。内部空間S10は上下に分割されており、第二内部空間S12は、第一内部空間S11の下側に配置される。
図7の断面視で、第一隔壁54a及び第三隔壁54cは、シュラウド50の下部において、第二内部空間S12を区画する。
図2〜図4を併せて参照し、アウター部52には、複数(例えば本実施形態では4つ)の冷却水通過部55,56,57,58(第一冷却水通過部55、第二冷却水通過部56、第三冷却水通過部57及び第四冷却水通過部58)が設けられる。
第一冷却水通過部55は、アウター右壁52dに設けられる。
第二冷却水通過部56は、アウター上壁52aに設けられる。
第三冷却水通過部57は、アウター下壁52bに設けられる。
第四冷却水通過部58は、アウター左壁52cに設けられる。
図3の軸線方向から見て、第四冷却水通過部58は、アウター左壁52cの前部において第一隔壁54a寄りに配置される。これにより、第二内部空間S12における第三冷却水通過部57から第四冷却水通過部58までの流路を長く確保することができるため、第二内部空間S12を冷却水の通過部(循環部)として有効に活用することができる。
以下、エンジンを冷却するための冷却水の循環経路について説明する。
尚、図8において、符号61は第一配管、符号62は第二配管、符号63は第三配管、符号64は第四配管、符号65は第五配管を示す。又、符号66は、第一配管61、第二配管62及び第三配管63を互いに連通するように連結する配管連結部を示す。
第二配管62は、一端部がウオータジャケットの右側部に連結されると共に、他端部が配管連結部66に連結されるように、前後に湾曲しつつ延びる。
第三配管63は、一端部(後端部)が配管連結部66に連結されると共に、他端部(前端部)がフロントラジエタ20の右端部(例えば右側タンク20bのインレットパイプ)に連結されるように、前後に湾曲しつつ延びる。第三配管63は、第一配管61及び第二配管62の合流配管として機能する。
第四配管64は、一端部(前端部)がフロントラジエタ20の左側端部(例えば左側タンク20cのアウトレットパイプ)に連結されると共に、他端部(後端部)が第一冷却水通過部55の前端部に連結されるように、前後に湾曲しつつ延びる。
第五配管65は、一端部(後端部)が第四冷却水通過部58の前端部に連結されると共に、他端部(前端部)が前方のウオータポンプ(不図示)に連結されるように、前後に屈曲しつつ延びる。
右側タンク20b内に流入した冷却水は、フロントラジエタ20のコア20aを構成するチューブを通過して左側タンク20c内に流入する。左側タンク20c内に流入した冷却水は、アウトレットパイプを介して第四配管64内に流入する。
第四配管64内に流入した冷却水は、第四配管64内を流れ、第一冷却水通過部55を介して第一内部空間S11内(図2参照)に流入する。
アッパタンク34内に流入した冷却水は、リヤラジエタ30のコア31を構成するチューブを通過してロアタンク35内に流入する。
ロアタンク35内に流入した冷却水は、ロアタンク35のアウトレット部35a、第三冷却水通過部57の下流通部57aを介して第二内部空間S12内に流入する。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
20 フロントラジエタ(第二ラジエタ)
30 リヤラジエタ(ラジエタ)
40 ファン
50 シュラウド
51 インナー部
52 アウター部
53 放熱フィン
54a,54b,54c 隔壁(隔壁部)
100 冷却装置
A10 導風空間
S10 内部空間
S11 第一内部空間
S12 第二内部空間
Claims (6)
- 車両(1)に搭載され、冷却媒体を循環して前記冷却媒体の熱を放熱するラジエタ(30)と、
前記ラジエタ(30)を冷却する冷却風を発するファン(40)と、
前記ファン(40)と前記ラジエタ(30)との間に設けられ、前記冷却風を導くシュラウド(50)と、を備える冷却装置(100)において、
前記シュラウド(50)は、内部空間(S10)を有する二重構造を有し、
前記内部空間(S10)は、前記冷却媒体が循環する際に、前記冷却媒体を通過させ、
前記シュラウド(50)は、前記内部空間(S10)を、前記冷却媒体を通過させる第一内部空間(S11)と、前記第一内部空間(S11)を通過した前記冷却媒体を通過させる第二内部空間(S12)と、に分割する隔壁部(54a,54b,54c)を備え、
前記第一内部空間(S11)、前記ラジエタ(30)、前記第二内部空間(S12)の順に、前記冷却媒体を流すように構成されることを特徴とする冷却装置。 - 前記シュラウド(50)は、前記二重構造として、
筒状のインナー部(51)と、
前記インナー部(51)の径方向外側に設けられる筒状のアウター部(52)と、を備え、
前記内部空間(S10)は、前記インナー部(51)と前記アウター部(52)との間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。 - 前記隔壁部(54a,54b,54c)は、前記内部空間(S10)を上下に分割し、
前記第二内部空間(S12)は、前記第一内部空間(S11)の下側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却装置。 - 前記シュラウド(50)において前記冷却風が導かれる導風空間(A10)に臨む表面には、前記冷却媒体の熱を放熱する放熱フィン(53)が設けられることを特徴とする請求項1から3までの何れか一項に記載の冷却装置。
- 前記ラジエタ(30)は、前記車両(1)としての鞍乗型車両(1)に搭載され、
前記鞍乗型車両(1)の前部には、前記ラジエタ(30)と共通の前記冷却媒体を循環する第二ラジエタ(20)が設けられることを特徴とすることを特徴とする請求項1から4までの何れか一項に記載の冷却装置。 - 前記冷却風の流れ方向において、前記ファン(40)は、前記ラジエタ(30)よりも上流側に配置されることを特徴とする請求項1から5までの何れか一項に記載の冷却装置。
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