JP5841025B2 - 車両用水冷式内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフトを回転自在に支承するクランクケースと、前記クランクシャフトに連接されるピストンを摺動自在に嵌合させるシリンダボアを有して前記クランクケースに結合されるシリンダブロックと、前記ピストンの頂部を臨ませる燃焼室を前記シリンダブロックとの間に形成して該シリンダブロックに結合されるシリンダヘッドとを有して車体フレームに搭載される機関本体に、ウォータジャケットが形成されるとともに前記ウォータジャケットに冷却水を供給するウォータポンプが配設され、前記ウォータジャケットから導出される冷却水をラジエータに導く状態ならびに前記ラジエータを迂回させる状態を切換え得るサーモスタットが、前記クランクシャフトおよび前記シリンダボアの軸線を含む仮想平面に関して前記ウォータポンプとは反対側で前記シリンダヘッドに取付けられ、前記シリンダヘッドで回転自在に支承される動弁カム軸に前記クランクシャフトからの回転動力を伝達するカムチェーンを走行させるカムチェーン室が、前記クランクケース、前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドに形成される車両用水冷式内燃機関に関する。
ウォータジャケットから導出される冷却水をラジエータに導く状態ならびにラジエータを迂回させる状態を切換え得るサーモスタットが、シリンダボアの軸線よりも後方で機関本体に取付けられ、ウォータジャケットに冷却水を供給するウォータポンプが前記シリンダボアの軸線よりも前方で機関本体に配設されるようにした車両用水冷式内燃機関が、特許文献1で知られている。
特開2010−236484号公報
ところが上記特許文献1で開示されたものでは、ウォータジャケットから導出される冷却水をウォータポンプに導くバイパス水路のうちクランクシャフトの軸線に沿う方向から見てシリンダボアの軸線を横切る部分は、機関本体の外側に配置される管路部材で構成されるので、車両用水冷式内燃機関の外観性が損なわれる可能性がある。また自動二輪車に搭載される水冷式内燃機関の場合、搭乗者の跨ぎ性を良好にするためには内燃機関を車幅方向でコンパクトにすることが求められるが、機関本体の側方に管路部材が配置される構成では内燃機関全体の大型化を招いてしまう。また管路部材の保護を考慮する必要もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、サーモスタットおよびウォータポンプ間を結ぶバイパス水路の一部が、クランクシャフトの軸線に沿う方向から見てシリンダボアの軸線を横切る場合に、外観性が損なわれることを回避するとともに、内燃機関の幅方向大型化を回避し得るようにした車両用水冷式内燃機関を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、クランクシャフトを回転自在に支承するクランクケースと、前記クランクシャフトに連接されるピストンを摺動自在に嵌合させるシリンダボアを有して前記クランクケースに結合されるシリンダブロックと、前記ピストンの頂部を臨ませる燃焼室を前記シリンダブロックとの間に形成して該シリンダブロックに結合されるシリンダヘッドとを有して車体フレームに搭載される機関本体に、ウォータジャケットが形成されるとともに前記ウォータジャケットに冷却水を供給するウォータポンプが配設され、前記ウォータジャケットから導出される冷却水をラジエータに導く状態ならびに前記ラジエータを迂回させる状態を切換え得るサーモスタットが、前記クランクシャフトの軸線および前記シリンダボアの軸線を含む仮想平面に関して前記ウォータポンプとは反対側で前記シリンダヘッドに取付けられ、前記シリンダヘッドで回転自在に支承される動弁カム軸に前記クランクシャフトからの回転動力を伝達するカムチェーンを走行させるカムチェーン室が、前記クランクケース、前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドに形成される車両用水冷式内燃機関において、前記ラジエータを迂回するようにして前記サーモスタットからの冷却水を前記ウォータポンプに導くバイパス水路の一部が、カムチェーン室側水路部を構成するようにして前記カムチェーン室の内壁に形成され、前記カムチェーン室側水路部が、前記クランクシャフトの軸線に沿う方向から見て前記シリンダボアの軸線を横切るように配置されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記カムチェーン室側水路部が、前記バイパス水路のうち前記サーモスタットに連なって前記シリンダヘッドに形成されるシリンダヘッド側水路部に連通するようにして前記シリンダブロックの前記シリンダヘッドへの結合面に一端を開口させて上下方向に延びる縦通路部分と、前後方向に延びて前記縦通路部分の下端に一端が通じるとともに前記仮想平面に関して前記ウォータポンプが配置される側で前記機関本体の側壁に他端を開口する横通路部分とで構成されることを第2の特徴とする。
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記クランクケースが、前記シリンダブロックと一体に形成される上部ケース半体と、下部ケース半体とが上下に分割可能として結合されて成り、前記クランクシャフトの軸線に沿う方向から見て前記縦通路部分の下端が前記シリンダボアの下端よりも下方に配置されるとともに前記ウォータポンプが前記クランクケースと重なる位置に配置されることを第3の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記サーモスタットが前記仮想平面よりも後方に配置され、前記ウォータポンプが前記仮想平面よりも前方に配置されることを第4の特徴とする。
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記サーモスタットおよび前記ウォータポンプが、前記クランクシャフトの軸線に沿う方向で前記シリンダボアを相互間に挟むように配置されることを第5の特徴とする。
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記機関本体が、前記シリンダボアの軸線を前上がりに傾斜させた姿勢で前記車体フレームに搭載され、前記カムチェーン室側水路部のの前記縦通路部分が、前記クランクシャフトの軸線に沿う方向からの側面視で、前記クランクケースを構成するようにして上下に分割可能な上部および下部ケース半体の結合面に直交する方向で上下に延びるように形成されることを第6の特徴とする。
本発明は、第2または第6の特徴の構成に加えて、前記シリンダブロックの上端部に、前記シリンダヘッドを締結するための締結孔が設けられる膨出部が側方に膨出するようにして一体に形成され、前記縦通路部分の一端が前記膨出部に開口されることを第7の特徴とする。
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記シリンダヘッド側水路部が、前記サーモスタットに一端を連ならせて前記クランクシャフトの軸線と平行に延びる第2の横通路部分と、第2の横通路部分の他端に一端を連ならせて上下方向に延びるととも他端を前記カムチェーン室側水路部の前記縦通路部分に連通させるようにして前記シリンダヘッドの前記シリンダブロックへの結合面に開口させた第2の縦通路部分とから成ることを第8の特徴とする。
本発明は、第2または第8の特徴の構成に加えて、前記シリンダヘッドの後側壁に、前記シリンダヘッド側水路部が形成されるとともに、吸気ポートが設けられることを第9の特徴とする。
さらに本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記シリンダヘッドの前側壁に排気ポートが設けられ、前記機関本体の前方から該機関本体の下方を通って後方に延びる排気管の上流端が、前記排気ポートに連なるようにして前記シリンダヘッドの前側壁に接続されることを第10の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、ラジエータを迂回して冷却水をウォータポンプに導くバイパス水路の一部を構成するカムチェーン室側水路部がカムチェーン室の内壁に形成されるので、バイパス水路の一部が、クランクシャフトの軸線に沿う方向から見てシリンダボアの軸線を横切っても、機関本体の側方に管路部材を配置する必要がなく、外観性が損なわれることを回避することができるとともに、バイパス水路のうち管路部材で構成される範囲を小さくすることができ、しかも内燃機関の幅方向大型化を回避することができる。
また本発明の第2の特徴によれば、カムチェーン室側水路部が、シリンダヘッドに形成されるシリンダヘッド側水路部に連通するようにして上下方向に延びる縦通路部分と、前後方向に延びて縦通路部分の下端に一端を通じさせる横通路部分とで構成され、横通路部分の他端が、クランクシャフトおよびシリンダボアの軸線を含む仮想平面に関してウォータポンプが配置される側で機関本体の側壁に開口するので、カムチェーン室側水路部の加工を容易とし、カムチェーン室側水路部およびウォータポンプ間を結ぶ外部の管路部材の長さを短縮することができる。
本発明の第3の特徴によれば、シリンダブロックと一体に形成される上部ケース半体と、下部ケース半体とが上下に分割可能として結合されてクランクケースが構成され、クランクシャフトの軸線に沿う方向から見て、縦通路部分の下端がシリンダボアの下端よりも下方に配置され、ウォータポンプがクランクケースと重なる位置に配置されるので、縦通路部分の下端部に一端部が通じる横通路部分の他端開口部の位置をクランクケース側に近づけるように下げることができ、カムチェーン室側水路部およびウォータポンプ間の距離をより短くすることができる。
本発明の第4の特徴によれば、サーモスタットが後方、ウォータポンプが前方に配置されるので、内燃機関の前方からの外観性を高めるとともに機関本体の背面側の空間を有効に活用してサーモスタットを配置することができる。
本発明の第5の特徴によれば、クランクシャフトの軸線に沿う方向でシリンダボアを相互間に挟むようにサーモスタットおよびウォータポンプが配置されるので、クランクシャフトの軸線に沿う機関本体の両端側にラジエータからの配管が延びることになり、外観性が向上するとともに、冷却装置の重量を車幅方向で均等に配分することができる。
本発明の第6の特徴によれば、シリンダボアの軸線が前上がりに傾斜しているのに対して、カムチェーン室側水路部の縦通路部分が、上部および下部ケース半体の結合面に直交する方向で上下に延びるので、縦通路部分を形成するためにシリンダブロックの後側壁の一部を後方に膨出させる必要がなく、シリンダブロックの後方に車両用部品等を配置するスペースを大きく確保することができる。
本発明の第7の特徴によれば、側方に膨出するようにしてシリンダブロックの上端部に一体に形成される膨出部に、シリンダヘッドを締結するための締結孔が設けられるとともに、カムチェーン室側水路部の縦通路部分の一端が開口されるので、シリンダヘッド側水路部およびカムチェーン室側水路部の接続部の近傍に、シリンダブロックおよびシリンダヘッドの締結箇所が設定されることになり、シリンダヘッド側水路部およびカムチェーン室側水路部の接続部のシール性を高めることができる。
本発明の第8の特徴によれば、シリンダヘッド側水路部が、クランクシャフトの軸線と平行に延びる第2の横通路部分と、上下方向に延びる第2の縦通路部分とから成るので、バイパス水路のうちサーモスタットからカムチェーン室側水路部の横通路部が機関本体の側壁に開口する部分までを機関本体に形成するようにして外部の管路部材で構成される範囲の短縮に寄与することができ、しかもバイパス水路を冷却水が流通する機関冷間時に、冷却水の温度を速やかに上げることができる。
本発明の第9の特徴によれば、シリンダヘッドの後側壁にシリンダヘッド側水路部が形成されるとともに吸気ポートが設けられるので、機関の暖機が終了してバイパス水路を閉じた状態でシリンダヘッド側水路部に溜まった水が機関本体からの熱影響を受けることを抑制することができる。
さらに本発明の第10の特徴によれば、シリンダヘッドの前側壁に接続される排気管が機関本体の前方から機関本体の下方を通って後方に延びるので、バイパス水路およびウォータポンプ間を結ぶ管路部材を排気管で前方および下方から覆うことで外観性を高めるとともに、前輪から巻き上げられた土砂等から前記管路部材や、該管路部材のバイパス水路およびウォータポンプへの接続部を保護することができる。
自動二輪車の一部を示す右側面図である。 図1の2矢視図である。 機関本体を図1と同一方向から見た側面図である。 図3の4矢視図である。 図3の5矢視図である。 図3の6−6線断面図である。 図6の7−7線拡大断面図である。 図3の8−8線拡大断面図である。 図4の9−9線に沿う断面図である。
本発明の実施の形態について、添付の図1〜図9を参照しながら説明するが、以下の説明で前後、左右および上下は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
先ず図1および図2において、車両である自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク11およびバー状の操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13と、該ヘッドパイプ13から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム14…と、該メインフレーム14…よりも急角度で前記ヘッドパイプ13から後下がりに延びる単一のダウンチューブ15と、前記メインフレーム14…の後端部から下方に延びる左右一対のピボットフレーム16…と、前記ダウンチューブ15の下端部および前記ピボットフレーム16…の下端部間を結ぶ左右一対のロアフレーム17…と、前記ピボットフレーム16…の上端部から後上がりに延びる左右一対のシートレール18…と、前記ピボットフレーム16…の中間部および前記シートレール18…の中間部間を結ぶ左右一対のリヤフレーム19…とを備える。
前記車体フレームFには、水冷式内燃機関Eの機関本体21が、前記メインフレーム14…、前記ダウンチューブ15、前記ピボットフレーム16…および前記ロアフレーム17…で囲まれるようにして搭載されるものであり、前記ダウンチューブ15の下部、前記ロアフレーム17…の前部および前記ピボットフレーム16…の上部にそれぞれ設けられるマウントブラケット22,23,24に前記機関本体21が支持されるとともに、前記ピボットフレーム16…の下部に前記機関本体21が支軸25を介して支持されており、後輪WRを後端部で軸支するスイングアーム26の前端部は前記支軸を25介して前記ピボットフレーム16…で上下に揺動可能に支持される。
前記メインフレーム14…上には、前記機関本体21を上方から覆うようにして燃料タンク27が支持されており、この燃料タンク27の後方に配置される乗車用シート28が前記シートレール18…で支持される。
図3〜図7を併せて参照して、前記機関本体21は並列2気筒に構成されるものであり、自動二輪車の車幅方向に延びるクランクシャフト30を回転自在に支承するクランクケース31と、前記クランクシャフト30に連接されるピストン36,36をそれぞれ摺動自在に嵌合させるようにして並列配置される2つのシリンダボア37,37を有して前記クランクケース31の前部に結合されるシリンダブロック32と、前記ピストン36…の頂部を臨ませる燃焼室38,38を前記シリンダブロック32との間に各気筒毎に形成するようにして前記シリンダブロック32の上部に結合されるシリンダヘッド33と、該シリンダヘッド33に結合されるヘッドカバー34とを備え、前記クランクケース31の下端部にはオイルパン35が結合される。
前記クランクケース31は、前記シリンダブロック32と一体に形成される上部ケース半体31aと、下部ケース半体31bとが、分割面39で上下に分割可能として結合されて成り、前記クランクシャフト30が上部および下部ケース半体31a,31b間で回転自在に支承される。
前記シリンダブロック32は、前記シリンダボア37…の軸線Cを前上がりに傾斜させるようにして前記クランクケース31における上部ケース半体31aの前部に一体に形成され、前記機関本体31は、前記シリンダブロック32、前記シリンダヘッド33および前記ヘッドカバー34を前上がりに傾斜させた姿勢で前記機関本体21が車体フレームFに搭載される。
前記シリンダヘッド33の後側壁33aには各気筒毎の吸気ポート40,40が開口されており、このシリンダヘッド33の後側壁33aには、前記各吸気ポート40…に個別に通じる一対の吸気管41…の下流端が接続され、それらの吸気管41…の上流端にはスロットルボディ42…の下流端がそれぞれ接続される。また前記機関本体21の上方には前記燃料タンク27で上方から覆われるようにしてエアクリーナ43が配置されており、前記スロットルボディ42…の上流端は、それらのスロットルボディ42…に個別に対応してコネクティングチューブ44…を介して前記エアクリーナ43に接続される。
前記シリンダヘッド33の前側壁33bには各気筒毎の排気ポート46,46が開口されており、それらの排気ポート46…に個別に連なる一対の排気管47,48の上流端が前記シリンダヘッド33の前側壁33bに接続される。これらの排気管47,48は、前記機関本体21の前方から該機関本体21の下方を通って後方に延出されるものであり、両排気管47,48の下流端は、前記後輪WRの右側に配置される排気マフラー49に接続される。
図7に注目して、前記シリンダヘッド33には、前記吸気ポート40…および前記燃焼室38…間の連通、遮断を切換える吸気弁50,50…が各気筒毎に一対ずつ開閉作動可能に配設されるとともに、前記排気ポート46…および前記燃焼室38…間の連通、遮断を切換える排気弁51…(図3参照)が各気筒毎に一対ずつ開閉作動可能に配設される。
それらの吸気弁50…および排気弁51…は、前記シリンダヘッド33および前記ヘッドカバー34間に結成される動弁室52に収容される動弁機構53で開閉駆動されるものであり、該動弁機構53は、前記吸気弁50…を個別に押圧駆動する複数の吸気側カム54…が設けられる吸気側動弁カム軸55と、前記排気弁51…を個別に押圧駆動する複数の排気側カム56(図3参照)が設けられる排気側動弁カム軸57(図3参照)とを備え、前記吸気側動弁カム軸55および前記排気側動弁カム軸57は、前記クランクシャフト30と平行な軸線を有し、軸線まわりの回転を可能として前記シリンダヘッド33で回転自在に支承される。
前記吸気側動弁カム軸55および前記排気側動弁カム軸57には、前記クランクシャフト30からの回転動力が調時伝動機構58を介して伝達されるものであり、前記調時伝動機構58は、前記クランクケース31の外方で前記クランクシャフト30の右端部に固定される駆動スプロケット59と、前記吸気側動弁カム軸55の右端部に固定される吸気側被動スプロケット60と、前記排気側動弁カム軸57の右端部に固定される排気側被動スプロケット61(図3参照)とに、無端状のカムチェーン62が巻き掛けられて成る。
また機関本体21における前記クランクケース31、前記シリンダブロック32および前記シリンダヘッド33には、前記カムチェーン62を走行させるカムチェーン室63が形成されており、前記シリンダヘッド33の後壁下部の前記カムチェーン室63に対応する部分には、前記カムチェーン62の弛み側に摺接して該カムチェーン62を緊張させるカムチェーンテンショナ(図示せず)を取付けるための取付けボス64が一体に設けられる。
図1および図2に注目して、前記機関本体21の前方には、前記ダウンチューブ15の両側に分かれた左右一対のラジエータ65,66が配置されており、それらのラジエータ65,66は、上部タンク65a,66aおよび下部タンク65b,66b間に冷却コア65c,66cが設けられて成るものであり、両ラジエータ65,66の冷却コア65c,66cを支持する支持板69が前記ダウンチューブ15に固定される。しかも両ラジエータ65,66の上部タンク65a,66a間は上部連結管67で連結され、両ラジエータ65,66の下部タンク65b,66b間は下部連結管68で連結される。
前記機関本体21の前記シリンダブロック32および前記シリンダヘッド33には冷却水を流通させるウォータジャケット70が形成される。また前記クランクケース31の右側面には、その右側面を覆うクランクケースカバー71が複数のボルト72,72…で取付けられており、前記ウォータジャケット70に冷却水を供給するウォータポンプ73が、前記クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向から見て前記クランクケース31と重なる位置に配置されるようにして前記クランクケースカバー71に配設される。
また前記クランクシャフト30の軸線CCおよび前記シリンダボア37…の軸線Cを含む仮想平面PLに関して前記ウォータポンプ73とは反対側で前記シリンダヘッド33には、前記ウォータジャケット70から導出される冷却水を前記ラジエータ65,66に導く状態と、前記ラジエータ65,66を迂回させる状態とを切換え得るサーモスタット74が取付けられ、この実施の形態では、前記サーモスタット74は前記仮想平面PLよりも後方に配置され、前記ウォータポンプ73は前記仮想平面PLよりも前方に配置される。
しかも前記サーモスタット74および前記ウォータポンプ73は、前記クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向で前記シリンダボア37…を相互間に挟むように配置されるものであり、この実施の形態では前記シリンダヘッド33の後側壁33aの左端下部に設けられるサーモハウジング75内に収容されるようにしてサーモスタット74がシリンダヘッド33に取付けられ、クランクケース31の右側面に取付けられるクランクケースカバー71に、並列配置された一対のシリンダボア37…を前記サーモスタット74との間に挟むようにして前記ウォータポンプ73が配設される。
図8を併せて参照して、前記クランクケース31には、前記クランクシャフト30から伝達される動力で駆動されるポンプ駆動軸としてのバランサ軸78が前記クランクシャフト30と平行な軸線を有して回転自在に支承されており、前記バランサ軸78で駆動される前記ウォータポンプ73は、その回転軸線すなわちポンプ軸87の中心軸線CPを前記バランサ軸78の軸線と同軸にして前記クランクケースカバー71に配設される。
ところで前記クランクケース31の外方で前記クランクシャフト30の左端部には、ロータ79が固定されており、そのロータ79と、該ロータ79で囲繞されるステータ80とで発電機81が構成され、該発電機81を覆うようにして前記クランクケース31の左側面には発電機カバー82が締結される。
また前記発電機81および前記クランクケース31間で前記クランクシャフト30には駆動歯車83が固定されており、前記バランサ軸78の左端部には前記駆動歯車83に噛合する被動歯車84が固定される。すなわち前記クランクシャフト30の回転動力が前記駆動歯車83および前記被動歯車84を介して前記バランサ軸78に伝達されることになる。
前記ウォータポンプ73のポンプケース85は、前記クランクケースカバー71と、前記ウォータポンプ73のポンプ軸87を回転自在に支承して前記クランクケースカバー71の内面側に締結されるケース部材86とで構成され、前記ケース部材86の外周および前記クランクケースカバー71の内面間には無端状に連なるシール部材88が介装される。
前記ケース部材86は、前記クランクケースカバー71との間にポンプ室89を形成するようにして、該クランクケースカバー71の内面に複数のボルト90…で前記クランクケースカバー71の内方側から締結されており、前記クランクケースカバー71には、前記ボルト90を螺合せしめる有底のねじ孔92…を有する複数のボス部91が、その一部を前記クランクケースカバー71の外面から突出させるようにして一体に設けられる。
前記ケース部材86には、前記ポンプ軸87を回転自在に貫通させて該ポンプ軸87を回転自在に支承する円筒状の軸支持部86aが一体に設けられており、前記ポンプ軸87および前記軸支持部86a間には、軸方向に並ぶ一対のボールベアリング93,93、環状のシール部材94およびメカニカルシール95が、前記バランサ軸78側から順に介装される。また前記ポンプ室89内で前記ポンプ軸87にはインペラ96が固定される。
前記バランサ軸78の前記ウォータポンプ73側の一端部(この実施の形態では右端部)には突部および凹部の一方が設けられ、該バランサ軸78と同軸である前記ポンプ軸87の前記バランサ軸78の一端部に対向する端面には、前記突部および凹部の一方に係合するようにして前記突部および凹部の他方が設けられるものであり、この実施の形態では、前記バランサ軸78の一端部に突部97が設けられ、前記ポンプ軸87の前記バランサ軸78の一端部に対向する端面には、前記突部97に係合する凹部98が設けられる。
また前記クランクケース31の外方で前記ポンプ軸87に同軸に対向する前記バランサ軸78の一端部には、前記ウォータポンプ73の前記ケース部材86を避ける逃げ凹部100を有するバランサウエイト99が設けられる。
前記ウォータポンプ73のポンプ室89から吐出される冷却水は、供給水路103を介して前記機関本体21のウォータジャケット70に導かれるものであり、この供給水路103の一部である第1の水路部104が前記クランクケースカバー71および前記ケース部材86の合わせ面間に形成される。
すなわちクランクケースカバー71および前記ケース部材86の合わせ面にそれぞれ形成される溝105,106が協働して第1の水路部104を構成する。また前記ケース部材86には、クランクケース31側に向けて突出する接続管部86bが第1の水路部104に通じるようにして一体に設けられる。
図9を併せて参照して、前記クランクケース31およびシリンダブロック32には、前記供給水路103の一部を構成する第2の水路部108が前記ウォータジャケット70に通じるようにして形成されており、この第2の水路部108の一部を構成して前記ケース部材86の接続管部86bと同軸に配置される円筒部107が前記クランクケース31に一体に設けられる。而して前記接続管部86bに圧入されたパイプ部材109が環状のシール部材110を介して前記円筒部108に嵌入されることで、第1の水路部104が第2の水路部108に連通される。
前記サーモスタット74には、前記ウォータジャケット70からの冷却水を前記ラジエータ65,66側に導く外部の管路部材(図示せず)が接続されるとともに、前記ラジエータ65,66を迂回するようにして前記サーモスタット74からの冷却水を前記ウォータポンプ73に導くバイパス水路111が接続されるものであり、このバイパス水路111の一部が、カムチェーン室側水路部112を構成するようにして前記カムチェーン室63の内壁63aに形成され、該カムチェーン室側水路部112は、前記クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向から見て前記シリンダボア37…の軸線Cを横切るように配置されれる。
前記カムチェーン室側水路部112は、前記バイパス水路111のうち前記サーモスタット74に連なって前記シリンダヘッド33に形成されるシリンダヘッド側水路部113に連通するようにして前記シリンダブロック32の前記シリンダヘッド33への結合面に一端を開口させて上下方向に延びる縦通路部分112aと、前後方向に延びて前記縦通路部分112aの下端に一端が通じるとともに前記仮想平面PLに関して前記ウォータポンプ73が配置される側で前記機関本体21の側壁に他端を開口する横通路部分112bとで構成され、前記ウォータポンプ73は前記仮想平面PLよりも前に在るので前記横通路部分112bは前記シリンダブロック32の前側壁32aに開口される。
しかも前記カムチェーン室側水路部112の前記縦通路部分112aは、前記クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向からの側面視で、前記クランクケース31を構成するようにして上下に分割可能な上部および下部ケース半体31a,31bの結合面39に直交する方向で上下に延びるように形成され、前記縦通路部分112aの下端は、図3で明示するように、クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向からの側面視で、前記シリンダボア37…の下端37a…よりも下方に配置される。
またシリンダブロック32の上端部には、前記シリンダヘッド33を締結するための締結孔114が設けられる膨出部32bが側方に膨出するようにして一体に形成され、この膨出部32bに、前記カムチェーン室側水路部112における前記縦通路部分112aの一端が開口される。
ところで前記シリンダブロック32の外周部には、図6で明示するように、該シリンダブロック32を前記クランクケース31との間に挟む前記シリンダヘッド33と、前記シリンダブロック32を前記クランクケース31に結合するための複数のボルト挿通孔115,115…が設けられるのであるが、前記膨出部32bには、それらのボルト挿通孔115,115…とは別に締結孔114が設けられ、その締結孔114に挿通されるボルト116(図5参照)で膨出部32bは前記シリンダヘッド33に締結される。
前記シリンダヘッド側水路部113は、前記サーモスタット74に一端を連ならせて前記クランクシャフト30の軸線CCと平行に延びる第2の横通路部分113aと、第2の横通路部分113aの他端に一端を連ならせて上下方向に延びるとともに他端を前記カムチェーン室側水路部112の前記縦通路部分112aに連通させるようにして前記シリンダヘッド33の前記シリンダブロック32への結合面に開口させた第2の縦通路部分113bとから成るものであり、前記シリンダヘッド33の後側壁33aに、前記シリンダヘッド側水路部113が形成される。
図8に注目して、前記ウォータポンプ73のポンプケース85を前記ケース部材86とともに構成するクランクケースカバー71には、前記ポンプ室89に通じる吸入室117を形成するために、前記ポンプ軸87の中心軸線CPに沿う方向で側方に膨出した有底円筒状の吸入ケース部71aが一体に形成されており、ラジエータ65,66を流通した冷却水を前記ウォータポンプ73の吸入室117内に導入するための第1の冷却水導入管部118と、前記バイパス水路111からの冷却水を前記ウォータポンプ73の吸入室117内に導入するための第2の冷却水導入管部119とが、前記クランクケースカバー71の前記吸入ケース部71aに連設される。
第1および第2の冷却水導入管部118,119は、直線状に延びるように形成されるものであり、第1の冷却水導入管部118は、左右一対のラジエータ65,66のうち右側のラジエータ66側に指向するようにして前記吸入ケース部71aに連設され、右側のラジエータ66の下部タンク66bおよび第1の冷却水導入管部118間がホース等の外部の管路部材120を介して接続される。
また第2の冷却水導入管部119は、前記バイパス水路111の下流端すなわち前記カムチェーン室側水路部112における横通路部分112bの前記シリンダブロック32の前側壁への開口端側に指向するようにして前記吸入ケース部71aに連設され、前記横通路部分112bの他端開口部に連なるホース等の外部の管路部材121を介して前記シリンダブロック32および第2の冷却水導入管部119が接続される。
しかも図3で明示するように、第1および第2の冷却水導入管部118,119の相対配置は、それらの冷却水導入管部118,119の中心軸線C1,C2の延長線を前記ウォータポンプ73の回転軸線すなわちポンプ軸87の中心軸線CP上で交わらせるように設定される。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、ラジエータ65,66を迂回するようにしてサーモスタット74からの冷却水をウォータポンプ73に導くバイパス水路111の一部が、カムチェーン室側水路部112を構成するようにしてカムチェーン室63の内壁63aに形成され、前記カムチェーン室側水路部112が、クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向から見てシリンダボア37…の軸線Cを横切るように配置されるので、バイパス水路111の一部が、クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向から見てシリンダボア37…の軸線Cを横切っても、機関本体21の側方に管路部材を配置する必要がなく、外観性が損なわれることを回避することができるとともに、バイパス水路111のうち管路部材で構成される範囲を小さくすることができ、しかも内燃機関Eの幅方向大型化を回避することができる。
またカムチェーン室側水路部112が、バイパス水路111のうちサーモスタット74に連なってシリンダヘッド33に形成されるシリンダヘッド側水路部113に連通するようにしてシリンダブロック32のシリンダヘッド33への結合面に一端を開口させて上下方向に延びる縦通路部分112aと、前後方向に延びて縦通路部分112aの下端に一端が通じるとともにクランクシャフト30の軸線CCおよび前記シリンダボア37…の軸線Cを含む仮想平面PLに関してウォータポンプ73が配置される側で機関本体21におけるシリンダブロック32の前側壁32aに他端を開口する横通路部分112bとで構成されるので、カムチェーン室側水路部112の加工を容易とし、カムチェーン室側水路部112およびウォータポンプ73間を結ぶ外部の管路部材11の長さを短縮することができる。
またクランクケース31が、シリンダブロック32と一体に形成される上部ケース半体31aと、下部ケース半体31bとが上下に分割可能として結合されて成り、前記クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向から見て前記縦通路部分112aの下端が前記シリンダボア37…の下端37a…よりも下方に配置されるとともに前記ウォータポンプ73がクランクケース31と重なる位置に配置されてクランクケースカバー71に配設されるので、縦通路部分112aの下端部に一端部が通じる横通路部分112bの他端開口部の位置をクランクケース31側に近づけるように下げることができ、カムチェーン室側水路部112およびウォータポンプ73間の距離をより短くすることができる。
またサーモスタット74が前記仮想平面PLよりも後方に配置され、ウォータポンプ73が前記仮想平面PLよりも前方に配置されるので、内燃機関Eの前方からの外観性を高めるとともに機関本体21の背面側の空間を有効に活用してサーモスタット74を配置することができる。
またサーモスタット74およびウォータポンプ73が、クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向で一対のシリンダボア37…を相互間に挟むように配置されるので、クランクシャフト30の軸線CCに沿う機関本体21の両端側にラジエータ65,66からの配管が延びることになり、外観性が向上するとともに、冷却装置の重量を車幅方向で均等に配分することができる。
また機関本体21が、シリンダボア37…の軸線を前上がりに傾斜させた姿勢で前記車体フレームFに搭載され、カムチェーン室側水路部112の縦通路部分112aが、クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向からの側面視で、クランクケース31を構成する上部および下部ケース半体31a,31bの結合面39に直交する方向で上下に延びるように形成されるので、縦通路部分112aを形成するためにシリンダブロック32の後側壁33aの一部を後方に膨出させる必要がなく、シリンダブロック32の後方に車両用部品等を配置するスペースを大きく確保することができる。
またシリンダブロック32の上端部に、シリンダヘッド33を締結するための締結孔114が設けられる膨出部32bが側方に膨出するようにして一体に形成され、縦通路部分112aの一端が膨出部32bに開口されるので、シリンダヘッド側水路部113およびカムチェーン室側水路部112の接続部の近傍に、シリンダブロック32およびシリンダヘッド33の締結箇所が設定されることになり、シリンダヘッド側水路部113およびカムチェーン室側水路部112の接続部のシール性を高めることができる。
またシリンダヘッド側水路部113が、サーモスタット74に一端を連ならせて前記クランクシャフト30の軸線CCと平行に延びる第2の横通路部分113aと、第2の横通路部分113aの他端に一端を連ならせて上下方向に延びるとともに他端をカムチェーン室側水路部112の縦通路部分112aに連通させるようにしてシリンダヘッド33のシリンダブロック32への結合面に開口させた第2の縦通路部分113とから成るので、バイパス水路111のうちサーモスタット74からカムチェーン室側水路部112の横通路部分112bが機関本体21の側壁に開口する部分までを機関本体21に形成するようにして外部の管路部材で構成される範囲の短縮に寄与することができ、しかもバイパス水路111を冷却水が流通する機関冷間時に、冷却水の温度を速やかに上げることができる。
またシリンダヘッド33の後側壁33aに、シリンダヘッド側水路部113が形成されるとともに、吸気ポート40…が設けられるので、機関の暖機が終了してバイパス水路111を閉じた状態でシリンダヘッド側水路部113に溜まった水が機関本体21からの熱影響を受けることを抑制することができる。
またシリンダヘッド33の前側壁33bに排気ポート46…が設けられ、機関本体21の前方から該機関本体21の下方を通って後方に延びる排気管47,48の上流端が、排気ポート46…に連なるようにしてシリンダヘッド33の前側壁33bに接続されるので、バイパス水路111およびウォータポンプ73間を結ぶ管路部材121を排気管46,47で前方および下方から覆うことで外観性を高めるとともに、前輪WFから巻き上げられた土砂等から前記管路部材46や、該管路部材46のバイパス水路111およびウォータポンプ73への接続部を保護することができる。
またクランクケース31の右側面にはクランクケースカバー71が結合されており、ウォータポンプ73のポンプケース85を前記クランクケースカバー71とともに構成して前記ウォータポンプ73のポンプ軸87を回転自在に支承するケース部材86が、前記クランクケースカバー71の内面側に締結されるので、クランクケースカバー71の外面側に締結部材が露出することはなく、外観性が向上するとともに、クランクケースカバー71からポンプカバーが突出することがなく、幅方向で内燃機関Eのコンパクト化を図ることができる。
また機関本体21に形成されるウォータジャケット70にウォータポンプ73から吐出される冷却水を導く供給水路103の一部である第1の水路部104が、クランクケースカバー71およびケース部材86の合わせ面間に形成されるので、ウォータポンプ73からの冷却水を吐出する吐出管部をポンプケース85から突出するようにして該ポンプケース85に設けることが不要であり、内燃機関Eをよりコンパクト化することができる。
また前記供給水路103の一部を構成してクランクケース31に形成される第2の水路部108に第1の水路部104が連通されるので、ウォータポンプ73からクランクケース31に至るまでの水路部を内燃機関Eの内部に収めるようにして部品点数の低減を図ることができるとともに外観性が向上する。
またラジエータ65,66を流通した冷却水をウォータポンプ73内に導入するための第1の冷却水導入管部118と、機関本体21に形成されるウォータジャケット70からラジエータ65,66を迂回して流通する冷却水を導くバイパス水路111からの冷却水をウォータポンプ73内に導入するための第2の冷却水導入管部119とが、クランクケースカバー71に設けられるので、クランクケース31に外方から締結されるポンプカバーに第1および第2の冷却水導入管部が設けられる構造と比べると、内燃機関Eをコンパクト化することができ、またケース部材86をクランクケースカバー71に締結する箇所を避けて第1および第2の冷却水導入管部118,119を配置する必要がないので、第1および第2の冷却水導入管部118,119の配置上の自由度を増すことができる。
また直線状に延びるように形成される第1および第2の冷却水導入管部118,119の相対配置が、それらの冷却水導入管部118,119の中心軸線C1,C2の延長線を前記ウォータポンプ73の回転軸線すなわちポンプ軸87の上中心軸線CP上で交わらせるように設定されるので、第1および第2の冷却水導入管部118,119のクランクケースカバー71からの張出しを抑えて、内燃機関Eをよりコンパクト化することができる。
また前記ウォータポンプ73は、クランクシャフト30に連動、連結されるバランサ軸78で駆動されるので、ウォータポンプ73を駆動する専用のポンプ駆動軸が不要であり、部品点数を低減することができるとともに、専用のポンプ駆動軸を配置するスペースを確保することを不要として内燃機関Eのコンパクト化を図ることができる。
またバランサ軸78の一端部に突部97が設けられ、該バランサ軸78と同軸である前記ポンプ軸87の前記バランサ軸78の一端部に対向する端面に、前記突部97に係合するようにして凹部98が設けられ、バランサ軸78およびポンプ軸87を同軸に凹凸係合することでポンプ軸87を駆動するようにしたので、バランサ軸78およびポンプ軸87を連結するための締結部材等の専用連結部品を不要として部品点数を低減することが可能となるとともに、組立性を高めることができる。
さらにクランクケース31の外方でポンプ軸87に同軸に対向するバランサ軸78の一端部にバランサウエイト99が設けられるので、バランサ軸78およびクランクシャフト30を近接配置することができ、クランクシャフト30の軸線CCに直交する方向で機関本体21のコンパクト化を図ることができる。
しかもバランサウエイト99が、ウォータポンプ73のケース部材86を避ける逃げ凹部100を有するので、バランサ軸78およびケース部材86をクランクシャフト30の軸線方向で近接させることができ、クランクシャフト30の軸線CCに沿う方向で内燃機関Eをよりコンパクト化することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
21・・・機関本体
30・・・クランクシャフト
31・・・クランクケース
31a・・・上部ケース半体
31b・・・下部ケース半体
32・・・シリンダブロック
32b・・・膨出部
33・・・シリンダヘッド
33a・・・シリンダヘッドの後側壁
33b・・・シリンダヘッドの前側壁
36・・・ピストン
37・・・シリンダボア
37a・・・シリンダボアの下端
38・・・燃焼室
39・・・上部および下部ケース半体の結合面
40・・・吸気ポート
46・・・排気ポート
47,48・・・排気管
55・・・吸気側動弁カム軸
57・・・排気側動弁カム軸
62・・・カムチェーン
63・・・カムチェーン室
63a・・・カムチェーン室の内壁
65,66・・・ラジエータ
70・・・ウォータジャケット
73・・・ウォータポンプ
74・・・サーモスタット
111・・・バイパス水路
112・・・カムチェーン室側水路部
112a,113b・・・縦通路部分
112b,113a・・・横通路部分
113・・・シリンダヘッド側水路部
114・・・締結孔
C・・・シリンダボアの軸線
CC・・・クランクシャフトの軸線
F・・・車体フレーム
PL・・・仮想平面

Claims (10)

  1. クランクシャフト(30)を回転自在に支承するクランクケース(31)と、前記クランクシャフト(30)に連接されるピストン(36)を摺動自在に嵌合させるシリンダボア(37)を有して前記クランクケース(31)に結合されるシリンダブロック(32)と、前記ピストン(36)の頂部を臨ませる燃焼室(38)を前記シリンダブロック(32)との間に形成して該シリンダブロック(32)に結合されるシリンダヘッド(33)とを有して車体フレーム(F)に搭載される機関本体(21)に、ウォータジャケット(70)が形成されるとともに前記ウォータジャケット(70)に冷却水を供給するウォータポンプ(73)が配設され、前記ウォータジャケット(70)から導出される冷却水をラジエータ(65,66)に導く状態ならびに前記ラジエータ(65,66)を迂回させる状態を切換え得るサーモスタット(74)が、前記クランクシャフト(30)の軸線(CC)および前記シリンダボア(37)の軸線(C)を含む仮想平面(PL)に関して前記ウォータポンプ(73)とは反対側で前記シリンダヘッド(33)に取付けられ、前記シリンダヘッド(33)で回転自在に支承される動弁カム軸(55,57)に前記クランクシャフト(30)からの回転動力を伝達するカムチェーン(62)を走行させるカムチェーン室(63)が、前記クランクケース(31)、前記シリンダブロック(32)および前記シリンダヘッド(33)に形成される車両用水冷式内燃機関において、前記ラジエータ(65,66)を迂回するようにして前記サーモスタット(74)からの冷却水を前記ウォータポンプ(73)に導くバイパス水路(111)の一部が、カムチェーン室側水路部(112)を構成するようにして前記カムチェーン室(63)の内壁(63a)に形成され、前記カムチェーン室側水路部(112)が、前記クランクシャフト(30)の軸線(CC)に沿う方向から見て前記シリンダボア(37)の軸線(C)を横切るように配置されることを特徴とする車両用水冷式内燃機関。
  2. 前記カムチェーン室側水路部(112)が、前記バイパス水路(111)のうち前記サーモスタット(74)に連なって前記シリンダヘッド(33)に形成されるシリンダヘッド側水路部(113)に連通するようにして前記シリンダブロック(32)の前記シリンダヘッド(33)への結合面に一端を開口させて上下方向に延びる縦通路部分(112a)と、前後方向に延びて前記縦通路部分(112a)の下端に一端が通じるとともに前記仮想平面(PL)に関して前記ウォータポンプ(73)が配置される側で前記機関本体(21)の側壁に他端を開口する横通路部分(112b)とで構成されることを特徴とする請求項1記載の車両用水冷式内燃機関。
  3. 前記クランクケース(31)が、前記シリンダブロック(32)と一体に形成される上部ケース半体(31a)と、下部ケース半体(31b)とが上下に分割可能として結合されて成り、前記クランクシャフト(30)の軸線(CC)に沿う方向から見て前記縦通路部分(112a)の下端が前記シリンダボア(37)の下端(37a)よりも下方に配置されるとともに前記ウォータポンプ(73)が前記クランクケース(31)と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項2記載の車両用水冷式内燃機関。
  4. 前記サーモスタット(74)が前記仮想平面(PL)よりも後方に配置され、前記ウォータポンプ(73)が前記仮想平面(PL)よりも前方に配置されることを特徴とする請求項3記載の車両用水冷式内燃機関。
  5. 前記サーモスタット(74)および前記ウォータポンプ(73)が、前記クランクシャフト(30)の軸線(CC)に沿う方向で前記シリンダボア(37)を相互間に挟むように配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用水冷式内燃機関。
  6. 前記機関本体(21)が、前記シリンダボア(37)の軸線(C)を前上がりに傾斜させた姿勢で前記車体フレーム(F)に搭載され、前記カムチェーン室側水路部(112)の前記縦通路部分(112a)が、前記クランクシャフト(30)の軸線(CC)に沿う方向からの側面視で、前記クランクケース(31)を構成するようにして上下に分割可能な上部および下部ケース半体(31a,31b)の結合面(39)に直交する方向で上下に延びるように形成されることを特徴とする請求項4記載の車両用水冷式内燃機関。
  7. 前記シリンダブロック(32)の上端部に、前記シリンダヘッド(33)を締結するための締結孔(114)が設けられる膨出部(32b)が側方に膨出するようにして一体に形成され、前記縦通路部分(112a)の一端が前記膨出部(32b)に開口されることを特徴とする請求項2または6記載の車両用水冷式内燃機関。
  8. 前記シリンダヘッド側水路部(113)が、前記サーモスタット(74)に一端を連ならせて前記クランクシャフト(30)の軸線と平行に延びる第2の横通路部分(113a)と、第2の横通路部分(113a)の他端に一端を連ならせて上下方向に延びるととも他端を前記カムチェーン室側水路部(112)の前記縦通路部分(112a)に連通させるようにして前記シリンダヘッド(33)の前記シリンダブロック(32)への結合面に開口させた第2の縦通路部分(113b)とから成ることを特徴とする請求項2記載の車両用水冷式内燃機関。
  9. 前記シリンダヘッド(33)の後側壁(33a)に、前記シリンダヘッド側水路部(113)が形成されるとともに、吸気ポート(40)が設けられることを特徴とする請求項2または8記載の車両用水冷式内燃機関。
  10. 前記シリンダヘッド(33)の前側壁(33b)に排気ポート(46)が設けられ、前記機関本体(21)の前方から該機関本体(21)の下方を通って後方に延びる排気管(47,48)の上流端が、前記排気ポート(46)に連なるようにして前記シリンダヘッド(33)の前側壁(33b)に接続されることを特徴とする請求項4記載の車両用水冷式内燃機関。
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