JP6707726B1 - ロータ及び該ロータを用いたモータ、並びに、電子機器 - Google Patents

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Abstract

マグネットから生じる磁束を有効に活用することができるロータ及び該ロータを用いたモータ、並びに、電子機器の提供。環状部(33a)、および、環状部(33a)から、一対の連結部(33c,33c)を介して放射状に延在する複数の磁極片(33b)を有するロータコア(33)と、周方向に相互に隣接する磁極片(33b)のそれぞれの間に配置された複数の第1のマグネット(31)と、一対の連結部(33c,33c)の間に配置された複数の第2のマグネット(32)と、を有し、周方向において、第1のマグネット(31)のそれぞれは、隣接する2つの磁極片(33b)の側面(32i,32i)に接触し、径方向において、第2のマグネット(32)は、磁極片(33b)の内面(32g)に接触している。

Description

本発明は、ロータ及び該ロータを用いたモータ、並びに、電子機器に関する。
従来、様々な装置において、その駆動源としてモータが用いられている。モータには、様々な種類があり、その使用目的や場面に応じて、各種のモータが選択されている。その中でも、リラクタンストルクを積極的に活用したIPM(Interior Permanent Magnet)モータは、高効率であり、かつ、高いトルクを実現できる。IPMモータは、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
しかし、特許文献1に記載の技術では、ロータコアにおける放射状に配置された磁極片は、隣接するフラックスバリアの間の細い連結部によってロータコア中心の環状部に支持されている状態であるため、強度が確保しづらく、モータの駆動時に磁極片に作用する力(遠心力や磁気力)によって、振動したり変位したりして、ノイズやロータ破損等の不具合を生じる懸念があった。
また、特許文献2に記載の技術では、剛性をある程度は確保できるものの、マグネットがロータの径方向に長いため、磁極面のうち、ロータの外周から離れた領域では、磁束が外周方向に向かいづらく、磁束を有効に活用できていなかった。そのため、磁極面を大きく取るべく大きめのマグネットを用いたとしても、大きさに見合う効率が得られず、また逆に、より大きな磁極面を確保しなければならないことから、モータの小型化を図ることができていない。
特開2015−177721号公報 特開2015−211623号公報
したがって、本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、マグネットから生じる磁束を有効に活用することができるロータ、及び該ロータを用いたモータ、並びに、電子機器を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により解決される。即ち、本発明のロータは、環状部と、複数の一対の連結部と、当該複数の一対の連結部を介して放射状に延在する複数の磁極片と、有するロータコアと、複数の第1のマグネットと、複数の第2のマグネットと、を有し、前記複数の第1のマグネットのそれぞれは、周方向において、前記複数の磁極片のうち隣接する2つの前記磁極片の間に配置され、前記複数の第2のマグネットのそれぞれは、前記一対の連結部の間に配置され、周方向において、前記複数の第1のマグネットのそれぞれは、前記隣接する2つの磁極片の側面に接触し、前記第1のマグネットにおける前記環状部側の内面と、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部と、で囲まれた領域に、第1の空隙が形成されており、径方向において、前記磁極片の内面側における前記第2のマグネットの磁極と、が同じ磁極である。
本発明のロータは、周方向において、前記磁極片が有する2つの側面のうち、一方の側面側における前記第1のマグネットの磁極と、他方の側面側における前記第1のマグネットの磁極と、径方向において、前記磁極片の内面側における前記第2のマグネットの磁極と、が同じ磁極である。
本発明のロータにおいては、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部は、周方向において、前記磁極片の前記環状部側の端部の両端部と連結するようにすることができる。
本発明のロータにおいては、周方向において、前記第2のマグネットの両側面と、前記一対の連結部の側面との間に第2の空隙が形成されており、周方向において、前記第1の空隙と前記第2の空隙とが前記連結部を介して対向しているようにすることができる。
また、このとき、前記第の空隙の幅が、前記環状部から前記磁極片に向かうにしたがって広くなるようにすることができる。前記第2の空隙が有する複数の角部のうちの前記環状部側における角部と、前記第2のマグネットの角部とが、離間しているようにすることができる。
また、本発明のロータにおいては、径方向において、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部が、前記第1のマグネットと前記環状部との間において交差していることが好ましい。このとき、径方向において、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部が交差する交差部から前記環状部に向けて1つの連結部が延びているものとすることができる。
さらに、本発明のロータにおいては、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部の間であって、前記交差部に対して前記第1マグネット側には、前記第1の空隙が形成され、周方向において、前記交差部と前記第2マグネットとの間には、前記第2の空隙が形成されているものとすることができる。さらにまた、本発明のロータにおいては、周方向において、前記交差部から前記環状部に向けて延びている1つの連結部の幅に対して、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部それぞれの幅は狭いことが好ましい。
一方、本発明のモータは、上記本発明のロータと、前記ロータに固定されたシャフトと、コイル及び該コイルが巻き回された磁性体を有するステータと、を備える。
また、本発明の電子機器は上記本発明のモータを備える。
本発明の一例である実施の形態にかかるロータを用いたモータの縦断面図であり、図2におけるB−B断面図である。 本発明の一例である実施の形態にかかるロータを用いたモータの横断面図であり、図1におけるA−A断面図である。 本発明の一例である実施の形態にかかるロータの部分拡大断面図である。 第2のマグネットを有さない従来のロータにおいて、マグネットからの磁束がロータコア内でどのような磁力線を描くかをシミュレーションした模式図である。 本実施の形態において、マグネットからの磁束がロータコア内でどのような磁力線を描くかをシミュレーションした模式図である。 本発明の一例である実施の形態にかかるロータにおける連結部及びその周辺(図2における領域C)の部分拡大図である。 本発明の一例である第1の変形例にかかるロータの部分拡大断面図である。 本発明の一例である第2の変形例にかかるロータの部分拡大断面図である。 本発明の一例である第3の変形例にかかるロータの部分拡大断面図である。 本発明の一例である第4の変形例にかかるロータの部分拡大断面図である。 本発明の一例である第4の変形例にかかるロータにおける連結部及びその周辺(図10における領域E)の部分拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一例である実施の形態にかかるロータ3を用いたモータ1の縦断面図であり、図2は横断面図である。図1は図2におけるB−B断面図に相当し、図2は図1におけるA−A断面図に相当する。
なお、本実施の形態の説明において、上方乃至下方と云う時は、図1における上下関係を意味し、重力方向における上下関係とは、必ずしも一致しない。
本実施の形態におけるモータ1は、インナーロータタイプのブラシレスモータの一種であり、スポーク型のIPMモータである。
IPMモータとは、ロータにマグネットを埋め込んだものであり、埋込マグネット型モータとも呼ばれる。IPMモータにも種々の形態のものがあるが、断面が長方形のマグネットの長手方向を、ロータコア内に放射状に配置したスポーク型のIPMモータが知られている。このスポーク型のモータでは、長辺側の面が磁極となり、周方向において隣接するマグネットの対向する磁極面が同極になっている。
このIPMモータにおいては、ロータ内部で磁束の短絡が生じると、平均磁束密度が低下してしまい、効率低下に繋がる。そのため、スポーク型のIPMモータでは、ロータコアに空隙を設けることでフラックスバリアを形成し、磁束をなるべく静止部へと向かわせることで動作効率の向上が図られている。
モータ1は、回転軸となるシャフト2と、磁性体で形成されたロータコア33内にマグネット31,32が配置されてなり、シャフト2に固定されて共に回転するロータ3と、磁性体で形成されたステータコア41にコイル42が巻回されてなり、ロータ3を取り囲むように配置されたステータ4と、ステータ4が固定され、モータ1の構成部品の一部又は全部を内部に収容するハウジング5と、を備えてなる。
ハウジング5は、ロータ3やステータ4等のモータ1の構成部品の一部又は全部を内部に収容し、ステータ4が固定されるハウジング本体51と、ハウジング本体51の上部に設けられた開口部を覆うカバー52とを有する。ハウジング本体51は、後述する突出部51aaを有する底部51aと筒部51bと外周部51cを備える。カバー52は、後述する突出部52aaを有する環状の平板部52aと、外周部52cとを備える。カバー5の突出部52aaは、平板部52aに設けられており、シャフト2の長手方向において、ロータ3に向かう方向に突出している。ハウジング本体51の外周部51cとカバー52の外周部52cとが固定(締結)されて、ハウジング5の内部が外部から遮蔽され、モータ1として完成する。
モータ1には、シャフト2をハウジング5に対して回転可能に支持する複数(本実施の形態においては2つ)の軸受61,62が設けられている。ハウジング本体51の底部51aには、複数の軸受61,62のうち一方の軸受61が設けられている。軸受61を支持するハウジング本体51の底部51aには、シャフト2の長手方向において、ロータ3に向かって突出する突出部51aa(以下、軸受ハウジングと呼称する)と孔部51abが設けられており、この軸受ハウジング51aaに、軸受61が圧入などにより固定されている。他方の軸受62は、カバー52の突出部52aa(以下、軸受ハウジングと呼称する)に圧入などされて固定されている。径方向において、一方の軸受61の外径及び内径と他方の軸受62の外径及び内径は、それぞれ略同じとなっている。なお、一方の軸受61の外径及び内径と他方の軸受62の外径及び内径とは略同じであるが、一方の軸受61の外径または内径あるいはその両方より、他方の軸受62の外径または内径あるいはその両方を大きくしても構わない。また、底部51aには孔部51abを設けなくても構わない。
シャフト2は、2つの端部2a,2bを備えており、ハウジング本体51側にある一方の端部2bが一方の軸受61によりハウジング本体51に対して回転可能に支持され、カバー52側にある他方の端部2aが他方の軸受62に回転可能に支持されている。よって、シャフト2は、軸受61を介してハウジング本体51、及び、軸受62を介してカバー52に、それぞれ回転自在に固定されており、カバー52からシャフト2の一方の端部2bが突き出している。シャフト2の一方の端部2aから回転力が外部に取り出すことができるようになっている。シャフト2は、ロータ3に固定され、ステータ4とロータ3との電磁気的作用によってロータ3が回転すると、ロータ3とともに回転するようになっている。
ステータ4は、ティース部43を含むステータコア41と、コイル42とからなる。
ステータコア41は、珪素鋼板等の磁性体の積層体となっており、シャフト2と同軸上に配された環状部(以下、円環部と呼称する)44と、円環部44からシャフト2側へ向かって延びるように形成された複数の磁極部(以下、ティース部と呼称する)43からなる。
コイル42は、複数のティース部43の各々の周囲に巻き回されている。ステータコア41とコイル42とは、絶縁体で形成されたインシュレータ45によって絶縁されている。
次に、本実施の形態にかかるロータ3について、詳細に説明する。図3に、本実施の形態にかかるロータ3の部分拡大断面図を示す。
ロータ3の構成部品の一つであるロータコア33は、複数の磁性体の積層体により形成されており、シャフト2が挿入される孔部34と、孔部34が中央部に設けられた環状部33aと、環状部33aの外面33adから離間した位置を基点Dとしステータ4に向けて放射状に形成された複数の磁極片33bと、複数の磁極片33bのそれぞれにおいて、その基点D側の端部と環状部33aの外面33dとを連結する一対の連結部33c,33cを有する。複数の磁極片33bは、径方向において、環状部33aから一対の連結部33c,33cを介し、外側(ステータ4)に向けて放射状に延在している。なお、環状部33aは、外面33ad、孔部34を形成する内面33aeを備えている。
複数の磁極片33bのそれぞれは、外面33bcと、環状部33a側にある内面33bdと、周方向において後述する第1のマグネットの側面(31e)に対向する2つの側面33beと、複数の突出部33bfと、を備え、径方向において突出部33bfと第1のマグネットとの間には、間隙33gが形成されている。突出部33bfは、周方向において、隣接する他の磁極片33bに向かって延在している。また、周方向において、隣接する2つの磁極片33bのうち、一方の磁極片33bの突出部33bfと、他方の磁極片33bの突出部33bfとが対向し合うとともに、所定の間隙を形成するように離間している。
周方向に相互に隣接する磁極片33b,33bのそれぞれの間には、複数の第1のマグネット31が配置されている。これら複数の第1のマグネット31は、径方向において、環状部33aから放射状に延在している。第1のマグネット31は、周方向と交差する2つの面が磁極面31n,31sとなっており、これら磁極面31n,31sと磁極片33bの側面33beとが接触した状態になっている。
なお、第1のマグネット31は、径方向において磁極片33bの突出部33bfに対向する外面31c、径方向において環状部33a側にある内面31a、周方向において磁極片33bに対向する2つの側面31eを備えており、磁極面31n,31sが2つの側面31eに対応している。
また、一対の連結部33c,33cの間には、複数の第2のマグネット32が配置されている。この第2のマグネット32は、環状部33a側にある内面32g、磁極片33b側にある外面32h、一対の連結部33c,33c側にある2つの側面32i,32iを備える。また、第2のマグネット32は、ロータ3の径方向と交差(直交)する内面32gと外面32hとが磁極面32n,32sとなっており、これら磁極面32n,32sのうちのいずれか一方が外面32hとなって、磁極片33bの環状部33a側の端部(内面33bd)と接触した状態になっている。
図3における複数の磁極片33bのうち、33bn及び33bsの符号を付した2つに注目して説明する。
周方向において、1つの磁極片(33bnまたは33bs)が有する2つの側面33be,33beのうち、一方の側面側における第1のマグネット31の磁極、他方の側面側における第1のマグネット31の磁極、径方向において磁極片(33bnまたは33bs)の内面33bd側における第2マグネット32の磁極が同じ磁極である。
詳細には、磁極片33bnにおいては、周方向における2つの側面33be,33beが接触する第1のマグネット31の2つの磁極面31n,31n、及び、径方向における内面33bdが接触する第2のマグネット32の磁極面32n、の全てがN極になっている。
一方、磁極片33bsにおいては、周方向における2つの側面33be,33beが接触する第1のマグネット31の2つの磁極面31s,31s、及び、径方向における内面33bdが接触する第2のマグネット32の磁極面32s、の全てがS極になっている。
即ち、ある1つの磁極片33bにおいては、周方向における2つの側面33be,33beの第1のマグネット31が接触する2つの磁極面31n,31nまたは31s,31s、及び、第2のマグネット32が接触する磁極面32nまたは32s、の全てが同じ磁極になるように、それぞれのマグネットが配置されている。
磁極片33bには、N極あるいはS極の磁力が印加され、1つの磁束となって径方向において外方に放出される。磁極片33bの磁極は、周方向にN極及びS極が交互に繰り返されるように構成されている。
例えば、磁極片33bnにおいては、ロータ3の径方向に長い第1のマグネット31の2つの磁極面31nから出た磁束が束となって、径方向における内側から外側に向かい、磁極片33bnの基点D側(環状部33a側)とは逆側の端部(外面33bc)から放出され、ステータ4に作用する。
このとき、磁極面31nのうち、ロータ3の外面33bcから離れた(基点D、内面33bdに近い。)領域(例えば、図3における領域X。以下、単に「領域X」と示す。)では、当該領域Xから外面33bcまでの道程が長いため、磁束が外面33bc方向に向かいづらい。しかし、本実施の形態では、磁極面31nと同じN極である磁極面32nが、径方向における外側方向に向いた第2のマグネット32が、磁極片33bnの基点D側の端部(内面33bd)に配置されているため、当該磁極面32nからの磁束とともに、領域Xからの磁束が有効に外面33bc方向に向かう。そのため、ロータ3の径方向に長い第1のマグネット31から生じる磁束を有効に活用することができる。
第1のマグネット31から生じる磁束が第2のマグネット32から生じる磁束とともに有効に外面33bc方向に向かうのは、磁極片33bnのみならず、磁極片33bsを含む全ての磁極片33bにおいても同様である。
図4に、第2のマグネット32を有さない従来のロータ(特許文献2参照)において、マグネット131からの磁束がロータコア内でどのような磁力線を描くかをシミュレーションした模式図を示す。図4から、ロータの径方向に長いマグネット131における長手方向の3分の2程度の領域しか磁力線が磁極片133bの径方向における外側方向には向かっておらず、残りの3分の1程度の領域からの磁力線は、磁路としての連結部133cから環状部133a側へと漏れていることがわかる。
図5に、本実施の形態において、マグネット(31,32)からの磁束がロータコア内でどのような磁力線を描くかをシミュレーションした模式図を示す。図5から、ロータ3の径方向に長い第1のマグネット31を用いているにもかかわらず、長手方向のほとんどの領域からの磁力線が磁極片33bの径方向における外側方向に向かっていることがわかる。そのため、磁路としての連結部33cから環状部33a側へと漏れる磁力線の数は、図4に示す第2のマグネット32を有さない従来のロータに比べて極めて小さくなっており、有効に磁束を活用することが可能であることを示している。
以上のように、本実施の形態によれば、マグネット(マグネット31,マグネット32)から生じる磁束を有効に活用することができるため、マグネットの使用量を減らすことができ、コスト削減やモータ1の軽量化、小型化を実現することができる。本発明者らの研究によれば、従来(図4参照)に比べて、マグネットの使用量(体積基準)をおよそ20%削減しても、モータ1の性能に差がないことが確認されている。
図4と図5を比較すればわかる通り、本実施の形態では、従来に比して、径方向における磁極片33bの長さが短く、径方向における第1のマグネット31の長さも短くなっている。第2のマグネット32の分を計算に入れても、マグネットの使用量(体積基準)はおよそ20%少なくなっている。それでも、図4に示す従来の場合と本実施の形態の場合とで、磁極片33bにおける外周側から放出される磁束の密度は同程度となっている。
あるいは、本実施の形態によれば、マグネットの使用量を減らさず、または、あまり減らさず、従来よりも高効率で高性能なモータを提供することもできる。
連結部33c及びその周辺(図3における領域C)の部分拡大図を図6に示す。なお、図6においては、描かれた3つの連結部33cに、便宜上、時計回りに順に、33c−1,33c−2,33c−3の符号を付している。
図6に示される通り、一対の連結部33cは、周方向において、磁極片33bの環状部33a側の端部の両端部と連結している。環状部33aから隣接する2つの磁極片33bに向かう一対の連結部33c−2,33c−3は放射状に延在しており、磁極片33b側における一対の連結部33c−2,33c−3間の距離(周方向)は、環状部33a側における一対の連結部33c−2,33c−3間の距離(周方向)より大きい。言い換えると、環状部33aから1つの磁極片33bに向かう一対の連結部33c−1,33c−2間の距離は狭まっており、磁極片33b側における一対の連結部33c−1,33c−2間の距離(周方向)は、環状部33a側における一対の連結部33c−1,33c−2間の距離(周方向)より小さい。
また、径方向における一対の連結部33cのそれぞれの幅は、磁極片33b、第1のマグネット31及び第2のマグネット32のいずれの幅より小さく形成されている。このように一対の連結部33cを形成することで、第1のマグネット31や第2のマグネット32に対して非接触の面を設けて、非接触の領域の(表)面積を増やしたり、一対の連結部33cを通過する磁束を飽和させて、ロータ3における磁気効率を向上させたりすることができる。
また、図6に示される通り、第1のマグネット31における環状部33a側の端部である内面31aと、環状部33aの外面33adとの間(内面31aと連結部33c−2,33c−3とで囲まれた領域C)には、第1の空隙35が形成されている。第1のマグネット31近傍の領域Cに第1の空隙35を設けることでいわゆるフラックスバリアを形成し、ロータコア33内部で磁束の短絡を抑制することができる。また、領域Cに第1の空隙35を設けることで、磁路となる連結部33c−2,33c−3が細くなり、磁束の漏れを抑制することができる。
周方向における第1の空隙35の幅としては、環状部33aから磁極片33bに向かうにしたがって広くなるように形成されている。このような形状にすることにより、連結部33cの強度を高めることができる。
第2のマグネット32の側面32i,32iは、周方向において、一対の連結部33cに対して、所定の間隙32jを形成するように、離間している。よって、周方向において、第2のマグネット32における両側部32a,32bと、一対の連結部33c−1,33c−2との間の領域D1,D2には、それぞれ第2の空隙36a,36bが形成されている。領域D1,D2に第2の空隙36a,36bを設けることで、第2のマグネット32の磁束の短絡を抑制することができる。また、領域D1,D2に第2の空隙36a,36bを設けることで、磁路となる連結部33c−1,33c−2が細くなり、磁束の漏れを抑制することができる。
周方向における第2の空隙36a,36bの幅としては、環状部33aから磁極片33bに向かうにしたがって狭くなるように形成されている。このような形状にすることにより、連結部33cの強度を高めることができる。
第2のマグネット32の磁極片33b側の2つの角部32c,32dは、一対の連結部33c−1,33c−2と磁極片33bとが連結した箇所の、第2の空隙36a,36bに面した2つの角部(以下、連結点と称する)37a,37bに接触している。このように、磁極片33bの環状部33a側(基点D側)の端部(内面33bd)において、幅いっぱいに第2のマグネット32を接触させることで、第2のマグネット32の磁極面32nからの磁束を効果的に磁極片33bに注入できるとともに、磁束の漏れを抑制することができる。
一対の連結部33c−1,33c−2と環状部33aとが連結した箇所の、第2の空隙36a,36bに面した2つの角部(以下、連結点と称する)38a,38bと、第2のマグネット32における環状部33a側の2つの角部32e,32fは、離間している。このようにすることで、第2のマグネット32の磁束の短絡を抑制することができる。また、このようにすることで、磁路となる連結部33c−1,33c−2が細くなり、磁束の漏れを抑制することができる。
第2のマグネット32における、磁極片33bが接触する外面32hとは反対側の内面32gは、環状部33aの外面33adと接触している。第2のマグネット32が、径方向において、ロータコア33における磁極片33bと環状部33aの両方と接触し、両者間に介在することで、連結部33cによる連結を補強することができ、ロータコア3の強度向上を図ることができる。
以上の如き、実施の形態にかかるロータ3を用いたモータ1は、電気自動車等の移動体の駆動装置や、空気調和機(エアコン)のコンプレッサー等の家庭で用いられる電子機器、その他各種電子機器の回転駆動装置として、使用することができる。特に、高出力、高トルク、省エネルギー、省スペース等が要求される用途において好適に使用することができる。
以上、本発明のロータ及び該ロータを用いたモータ、並びに、電子機器について、好ましい実施の形態を挙げて説明したが、本発明のロータ及び該ロータを用いたモータ、並びに、電子機器は上記実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態における連結部33cの形状は、他の形状に変更することができる。
(第1の変形例)
図7に、本発明の第1の変形例にかかるロータ73の部分拡大断面図を示す。なお、図7において、上記実施の形態と同一の機能を示す部材については、図3と同じ符号を付して、その機能や構造等についての詳細な説明は省略する。
本変形例のロータ73は、上記実施の形態のロータ3と、連結部(73c,33c)の形状が異なっている。
図7に示されるように、本変形例における連結部73cは、周方向における連結部73cの幅が、環状部33aから離れるにしたがって狭くなる形状となっている。具体的には、径方向において、第1のマグネット31と環状部33aとの間において、一対の連結部73cにおける2つに分かれた連結部73ccが交差部73caで交差しており、交差部73caから環状部33aに向けて1つの連結部73cbが延び、環状部33aの外面33dに連結している。この交差部73caは、径方向において、第1のマグネット31の内面31dと環状部33aの外面33dとの間にある。一対の連結部73cの間であって、交差部73caに対して第1のマグネット31側には前述した第1の間隙35が形成されている。また、周方向において、交差部73caと第2のマグネット32との間には、第2の間隙36a,36bが形成されている。
なお、2つに分かれた連結部73ccが交差部73caで交差し、1つの連結部73cbとなる本例の構成についても、本発明に云う「一対の連結部(73c)」の概念に含まれる。
磁路として機能する連結部73cは、第1のマグネット31や第2のマグネット32からの磁束の漏洩を抑制するために、磁束の通り道が狭くなっていることが望まれる。磁束の通り道が狭い部分では、磁束が飽和し易く、それ以上の磁束が漏れ出さなくなる。
したがって、磁路のいずれかの箇所であっても狭い部位が存在していれば、磁束の漏洩を抑制することができることになる。連結部(73c,33c)であれば、環状部33a側から磁極片33b側までの何れの位置かで、磁路の狭い部分が存在すれば、磁束の漏洩抑止効果が発現すると云える。
しかし、本変形例の連結部73cの如く、磁極片33bにできるだけ近い位置が磁路の狭い部分となるようにすることで、磁束の漏洩抑止効果がより一層高くなるため好ましい。また、連結部(73c,33c)の全体を狭くするのではなく、他は幅を広くすることで、連結強度を高め、ロータ73としての強度を高めることができる。
(第2の変形例)
連結部の形状は、上記実施の形態や上記変形例のものに限定されるものではない。
図8に、本発明の第2の変形例にかかるロータ73の部分拡大断面図を示す。なお、図8においても、上記実施の形態と同一の機能を示す部材については、図3と同じ符号を付して、その機能や構造等についての詳細な説明は省略する。
図8に示されるように、本変形例における一対の連結部83c,83cは、第2のマグネット32の周方向と交差(直交)する面と平行で、かつ、周方向の幅が均一なものとなっている。また、第2のマグネット32の磁極片33b側の2つの角部32c,32dは、一対の連結部83c,83cと磁極片33bとの、第2の空隙86a,86bに面した2つの連結点87a,87bとは、接触していない。
したがって、上記実施の形態や第1の変形例に示すような、特徴的な形状の連結部(73c,33c)に特有の作用乃至効果は期待できないが、本変形例の構成であっても、マグネット(31,32)から生じる磁束を有効に活用することができる本発明の卓越した作用乃至効果が遺憾なく奏される。また、形状が複雑ではないので、製造適性に優れている。
(第3の変形例)
図9に、本発明の第3の変形例にかかるロータ93の部分拡大断面図を示す。なお、図9においても、上記実施の形態と同一の機能を示す部材については、図3と同じ符号を付して、その機能や構造等についての詳細な説明は省略する。
本変形例においては、第2のマグネット92の外形形状が上記実施の形態の第2のマグネット32と異なっている他、対応するロータ93の形状も上記実施の形態のロータ3と異なっている。
本変形例において、第2のマグネット92は、ロータ93の環状部33aの外面33ad及び磁極片93bの内面93d、並びに、一対の連結部33cで囲まれる領域に隙間なく嵌合し、これらで囲まれ、かつ、これらと接触した状態になっている。即ち、上記実施の形態における第2の空隙36a,36bは設けられていない。
第2のマグネット92における、磁極片93bが接触する外面92hは、磁極片33bの内面33dと接触している。第2のマグネット92における外面92hと磁極片93bの内面93dは、ロータ93の孔部34に向かって凸状に湾曲している。このように第2のマグネット92における外面92hと磁極片93bの内面93dとが湾曲していることで、連結部33cに磁束が漏洩することを抑制することができる。
また、第2のマグネット92の湾曲した外面92hにおける接線L1と第1のマグネット31の側面31eとが成す角度の最大値θ1は、上記実施の形態の如く湾曲せず直線状である場合の外面33d(図3参照)を通過する線と第1のマグネット31の内面31nの延長線とが成す角度に対して大きくなっている。このため、連結部33cに磁束が漏洩することを抑制することができる。一方で、連結部33cへの磁束の漏洩の低減の可否にかかわらず、磁極片93b側における第2のマグネット92の外面32hと磁極片33bの内面33dとの接触面積が大きくなるので、ロータ93全体の強度や剛性を向上させることができる。
なお、角度の最大値θ1を検討する際に対象とする角度は、第2のマグネット92の湾曲した外面92hにおける接線L1と、第1のマグネット31の側面31eの延長線と、が成す角度であっても構わない。
(第4の変形例)
図10に、本発明の第4の変形例にかかるロータ103の部分拡大断面図を示す。また、連結部33c及びその周辺(図10における領域E)の部分拡大図を図11に示す。なお、図10及び図11においても、上記実施の形態と同一の機能を示す部材については、図3と同じ符号を付して、その機能や構造等についての詳細な説明は省略する。
本変形例においては、第3の変形例と同様、第2のマグネット102の外形形状が上記実施の形態の第2のマグネット32と異なっている他、対応するロータ103の形状も上記実施の形態のロータ3と異なっている。
本変形例において、第2のマグネット102は、第3の変形例と同様、ロータ103の環状部103aの外面103ad及び磁極片33bの内面33d、並びに、一対の連結部33cで囲まれる領域に隙間なく嵌合し、これらで囲まれ、かつ、これらと接触した状態になっている。即ち、上記実施の形態における第2の空隙36a,36bは設けられていない。
第2のマグネット102における、磁極片33bが接触する外面32hとは反対側の内面102gは、環状部33aの外面103adと接触している。第2のマグネット102における内面102gと環状部103aにおける外面103adは、ロータ103の外側に向かって凸状に湾曲している。このように第2のマグネット102における内面102gと環状部103aにおける外面103adとが湾曲していることで、連結部33cに磁束が漏洩することを抑制することができる。
また、図11に示す通り、第2のマグネット102の湾曲した内面102gにおける接線L2と連結部33c(の中心線)の延長線L3とが成す角度の最小値θ2は、上記実施の形態の如く湾曲せず直線状である内面32g(図3参照)を通過する線と連結部33cの延長線とが成す角度に対して小さくなっている。このため、連結部33cに磁束が漏洩することを抑制することができる。一方で、連結部33cへの磁束の漏洩の低減の可否にかかわらず、環状部103a側における第2のマグネット102の内面92gと環状部103aにおける外面103adとの接触面積が大きくなるので、ロータ103全体の強度や剛性を向上させることができる。
なお、第3の変形例と第4の変形例の両方の特徴を併せ持つ構成であっても構わない。即ち、図9に示されるように第2のマグネット92における外面92hと磁極片93bの内面93dが、ロータ93の孔部34に向かって凸状に湾曲し、かつ、図10に示されるように第2のマグネット102における内面102gと環状部103aにおける外面103adが、ロータ103の外側に向かって凸状に湾曲した形状であっても構わない。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のロータ及び該ロータを用いたモータ、並びに、電子機器を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
1…モータ、2…シャフト、2a,2b…端部、3…ロータ、31…第1のマグネット、31a…内面、31c…外面、31e…側面、31n,31s…磁極面、32…第2のマグネット、32n,32s…磁極面、32a,32b…両側部、32c,32d,32e,32f…角部、32g…内面、32h…外面、32i…側面、32j…間隙、33…ロータコア、33a…環状部、33ad…外面、33ae…内面、33b…磁極片、33bc…外面、33bd…内面、33be…側面、33bf…突出部、33c…連結部、33g…間隙、34…孔部、35…第1の空隙、36a,36b…第2の空隙、4…ステータ、41…ステータコア、42…コイル、43…ティース部、44…円環部、45…インシュレータ、5…ハウジング、51…ハウジング本体、51a…底部、51aa…軸受ハウジング(突出部)、51b…筒部、51c…外周部、52…カバー、52a…平板部、52aa…軸受ハウジング(突出部)、52c…外周部、73…ロータ、73c…連結部(一対の連結部)、73ca…交差部、73cb…連結部(1つの連結部)、73cc…連結部(2つに分かれた連結部)、83…ロータ、83c…連結部、86a,86b…第2の空隙、87a,87b…連結点、92…第2のマグネット、92h…外面、93…ロータ、93b…磁極片、93d…内面、102…第2のマグネット、102g…内面、103…ロータ、103a…環状部、103ad…外面、131…マグネット、133a…環状部、133b…磁極片、133c…連結部、C…領域、D…基点、E…領域、X…領域

Claims (11)

  1. 環状部と、複数の一対の連結部と、当該複数の一対の連結部を介して放射状に延在する複数の磁極片と、を有するロータコアと、
    複数の第1のマグネットと、
    複数の第2のマグネットと、を有し、
    前記複数の第1のマグネットのそれぞれは、周方向において、前記複数の磁極片のうち隣接する2つの前記磁極片の間に配置され、
    前記複数の第2のマグネットのそれぞれは、前記一対の連結部の間に配置され、
    周方向において、前記複数の第1のマグネットのそれぞれは、前記隣接する2つの磁極片の側面に接触し、
    前記第1のマグネットにおける前記環状部側の内面と、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部と、で囲まれた領域に、第1の空隙が形成されており、
    径方向において、前記第2のマグネットは、前記磁極片の内面に接触している、ロータ。
  2. 周方向において、前記磁極片が有する2つの側面のうち、一方の側面側における前記第1のマグネットの磁極と、他方の側面側における前記第1のマグネットの磁極と、径方向において、前記磁極片の内面側における前記第2のマグネットの磁極と、が同じ磁極である、請求項1に記載のロータ。
  3. 前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部は、周方向において、前記磁極片の前記環状部側の端部の両端部と連結している、請求項1または2に記載のロータ。
  4. 周方向において、前記第2のマグネットの両側面と、前記一対の連結部の側面と、の間に第2の空隙が形成されており、
    方向において、前記第1の空隙と前記第2の空隙とが前記連結部を介して対向している、請求項1に記載のロータ。
  5. 周方向における前記第1の空隙の幅が、前記環状部から前記磁極片に向かうにしたがって広くなる、請求項4に記載のロータ。
  6. 方向において、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部が、前記第1のマグネットと前記環状部との間において交差している、請求項1に記載のロータ。
  7. 方向において、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部が交差する交差部から前記環状部に向けて1つの連結部が延びている、請求項6に記載のロータ。
  8. 前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部の間であって、前記交差部に対して前記第1マグネット側には、前記第1の空隙が形成され、
    周方向において、前記交差部と前記第2マグネットとの間には、前記第2の空隙が形成されている、請求項7に記載のロータ。
  9. 周方向において、前記交差部から前記環状部に向けて延びている1つの連結部の幅に対して、前記隣接する2つの磁極片と前記環状部とを連結する2つの連結部それぞれの幅は狭い、請求項8に記載のロータ。
  10. 請求項1に記載のロータと、
    前記ロータに固定されたシャフトと、
    コイル及び該コイルが巻き回された磁性体を有するステータと、
    を備える、モータ。
  11. 請求項10に記載のモータを備える、電子機器。
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