JP6706095B2 - 無電解めっき装置および無電解めっき方法 - Google Patents

無電解めっき装置および無電解めっき方法 Download PDF

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本発明は、ウェーハなどの基板をめっきするための無電解めっき装置および無電解めっき方法に関する。
無電解めっきは、加熱されためっき液に基板を浸漬するだけで、置換反応あるいは自己触媒反応といった静的還元反応が起こり、基板をめっきすることができ、また電解めっきでは必要とされる下地電極膜が不要といった利点がある。その半面、無電解めっきは、電解めっきのように、めっき膜およびその下地膜の電位を操作することでめっき反応を開始あるいはめっき膜析出速度を制御できないプロセスである。無電解めっき液は、めっき析出反応が自発的に起こるよう反応性が高い性質を持っている。そのため化学的安定性に乏しく、めっき液の自然分解が進行しやすい。従い、建浴後は時間の経過とともに自然分解により発生した微細な金属粉が徐々に発生する。それらの金属粉は、めっき反応の起点となるため、金属粉が付着した場所に意図しないめっき析出が起こるという問題が発生している。
めっき工程の前には、基板の活性化工程が行われる。この活性化工程では、被めっき基板は活性化液に浸漬され、基板表面にめっき反応の核となる触媒が付与される。この活性化処理の後には、基板は洗浄処理され、活性化液が除去される。しかしながら、洗浄処理を実施しても、活性化液が基板表面に残留していることがある。その基板をめっき液に浸漬すると、基板に残留していた活性化液に含まれる触媒は、めっき液中に拡散する。そして、拡散した触媒はめっき反応の核となる金属粉の発生を促進する。その金属粉も同様に、めっきすべき基板以外の領域で、めっき反応の起点となるため、めっきの異常析出という問題が発生する。
めっき液中に生成した金属粉の表面ではめっき反応が進行するため、基板のめっきに必要なめっき液の成分が消耗する。そのため、めっき液中の金属濃度バランスが崩れ、それによりめっき液の安定性が悪化し、めっき液の分解がさらに促進される。それら金属粉は、めっき液中を沈降し、めっき槽の底に堆積し続けることとなり、めっき液の分解を促進させる要因となる。
特許第3376820号公報
このような問題を解決するために、従来では、めっき槽の底にトラップを置き、あるいは一時的にトラップを挿入し、金属粉を捕獲することで、トラップをめっき槽から取り出して金属粉を除去していた。しかしながら、トラップを動かすとき、あるいは金属粉を捕獲するときに金属粉がめっき液中へ再び分散してしまう。また、基板のめっき中にトラップをめっき槽から引き上げることはできないため、金属粉を除去する作業は、基板のめっきを実施しているときには行えないという制約があった。その結果、めっき槽内に残留した金属粉は、基板をめっきしている間に基板に付着し、これが原因で不具合が発生することが分かってきた。例えば、図6に示すように、下地金属膜40の上にめっきにより形成されたバンプ43の間にある絶縁膜41の露出面上に金属粉50が堆積してしまうことが原因で、隣接するバンプ43を電気的に短絡する不具合が発生する。さらに、めっきにより形成されたバンプ43上に金属粉50が付着してしまうことが原因で、めっき形状異常となる問題も発生する。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、基板のめっき時、非めっき時にかかわりなく、金属粉の堆積を防止し、めっき液の成分濃度を安定に維持することができる無電解めっき装置および無電解めっき方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、無電解めっき液を貯留するためのめっき槽と、基板を保持する基板ホルダと、前記めっき槽の底面に配置されたトラップ陽極と、前記めっき槽内に配置された陰極と、前記トラップ陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源と、前記陰極に接するように設けられた、該陰極の表面を冷却するためのクーラーを備えたことを特徴とする無電解めっき装置である。
本発明の好ましい態様は、前記トラップ陽極は、前記めっき槽の底面と基板との間に配置されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記めっき槽の内部を、無電解めっき液が貯留される処理槽と、前記陰極が内部に配置された陰極槽とに仕切る隔膜をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記隔膜は、陰極浸漬液と、前記無電解めっき液とを互いに隔離するための逆浸透膜または陰イオン交換膜であることを特徴とする
発明の好ましい態様は、前記無電解めっき液を加熱するヒータをさらに備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様は、めっき槽内に貯留された無電解めっき液に基板を浸漬させ、前記めっき槽の底面に配置されたトラップ陽極と、前記めっき槽内に配置された陰極との間に電圧を印加し、基板を前記無電解めっき液に浸漬させている間、前記無電解めっき液を、基板のめっき反応が進行する所定の温度に維持し、前記基板を前記無電解めっき液に浸漬させている間、前記陰極の表面温度を、前記無電解めっき液の前記所定の温度よりも10℃以上低く維持することを特徴とする無電解めっき方法である。
基板を前記無電解めっき液に浸漬する間としない間にかかわらず、前記トラップ陽極と前記陰極との間に電圧を印加することができる。すなわち、本発明の好ましい態様は、基板を前記無電解めっき液に浸漬させている間、前記トラップ陽極と前記陰極との間に電圧を印加することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、第1の基板のめっきを終了した後、第2の基板のめっきを開始する前に、前記トラップ陽極と前記陰極との間に電圧を印加することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、隔膜によって無電解めっき液から隔離された陰極槽内に陰極浸漬液を注入して前記陰極を前記陰極浸漬液中に浸漬する工程をさらに含み、前記陰極浸漬液は、前記無電解めっき液に含まれる全成分のうちめっき金属成分を除いた成分を含有する溶液であるか、またはめっき金属成分を含有せず、かつ錯化剤、還元剤、pH緩衝剤、およびpH調整剤を含有する溶液であることを特徴とする。
本発明の一参考例は、底部に排出口を有する、無電解めっき液を貯留するためのめっき槽と、基板を保持する基板ホルダと、前記めっき槽の排出口から無電解めっき液を排出するための第1の配管と、前記第1の配管により移送された無電解めっき液を収容するためのめっき液処理槽と、前記めっき液処理槽内に配置されたトラップ陽極及び陰極と、前記トラップ陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源と、前記めっき液処理槽内の無電解めっき液を前記めっき槽内に返送する第2の配管と、を備えたことを特徴とする無電解めっき装置である。
本発明の一参考例は、めっき槽内に貯留された無電解めっき液に基板を浸漬させ、前記めっき槽の底部から排出された無電解めっき液を、めっき液処理槽へと移送させ、前記めっき液処理槽内に配置されたトラップ陽極と陰極との間に電圧を印加し、前記めっき液処理槽内の無電解めっき液を前記めっき槽内に返送することを特徴とする無電解めっき方法である。
電源がトラップ陽極と陰極との間に電圧を印加すると、トラップ陽極に堆積した金属粉は、無電解めっき液中に溶解する。溶解した金属は、無電解めっき液中に拡散し、再び金属成分として無電解めっき液に戻り、基板のめっきに供される。それにより無電解めっき液の成分の消耗が防止され、無電解めっき液の寿命を伸ばすことが可能となる。
隔膜等により陰極への金属成分の堆積が防止されていない状態で金属を溶解させるようにしたときに、金属成分が陰極に堆積してしまうことがある。たとえこのように金属成分を陰極に堆積させた場合でも、トラップ陽極に堆積した金属粉を無電解めっき液中に溶解させ、金属が粉体から膜状に形態を変えていくことになる。このことで、たとえ無電解めっき液から同じ量の金属が析出することになったとしても、この場合の陰極に堆積される金属の表面積は、これと同じ質量に相当する金属粉の全表面積に比べて減少させることができる。したがって、たとえ陰極に金属が堆積又は析出したとしても、比較的、相当するめっき反応の進行が抑制されることになり、めっき液中の成分消耗を抑制できる。
さらにトラップ陽極に捕捉された金属粉は、電圧の印加によって溶解除去されるので、トラップ陽極をめっき槽から引き上げることを必要とせずに金属粉除去を持続的に実施できる。従い、無電解めっき液装置は、基板のめっきを連続的に行うことが可能である。
本発明に係る無電解めっき装置の一実施形態を示す模式図である。 本実施形態に係る無電解めっき装置によってめっきされた基板の拡大断面図である。 本発明に係る無電解めっき装置の他の実施形態を示す模式図である。 図4(a)、図4(b)、図4(c)は、陰極、クーラー、および温度センサーの配置の例を示す図である。 本発明に係る無電解めっき装置の他の実施形態を示す模式図である。 従来の無電解めっき装置によってめっきされた基板の拡大断面図である。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る無電解めっき装置の一実施形態を示す模式図である。この無電解めっき装置は、ウェーハなどの基板に形成された下地金属膜の上に金属膜を堆積させるための装置であり、めっきを形成するために好適に使用される。本実施形態の無電解めっき装置によって堆積させることができる金属としては、Ni,Co,W,Sn,Pd,Au,Ag,Pt,Rh,Ru,Pb,Cuなどが挙げられる。
図1に示すように、無電解めっき装置は、無電解めっき液を内部に貯留するためのめっき槽1と、基板Wを保持する基板ホルダ5と、めっき槽1の底面に配置されたトラップ陽極7と、めっき槽1内に配置された陰極8と、トラップ陽極7と陰極8との間に電圧を印加するための電源11とを備えている。本実施形態の無電解めっき装置は、複数の基板ホルダ5を備えているが、1つの基板ホルダ5のみを備えてもよい。
基板Wをめっきするときは、めっき槽1内は無電解めっき液で満たされる。めっき槽1に隣接してオーバーフロー槽14が配置されており、めっき槽1の側壁を越流した無電解めっき液はオーバーフロー槽14に流入する。めっき槽1の底部には戻り導管21の一端が接続され、オーバーフロー槽14の底部には戻り導管21の他端が接続されている。戻り導管21にはポンプ22が取り付けられている。このポンプ22を駆動することによって、オーバーフロー槽14内の無電解めっき液は戻り導管21を通じてめっき槽1に戻される。めっき槽1の底部から流入した無電解めっき液は、めっき槽1内を上昇し、めっき槽1の側壁を越流してオーバーフロー槽14に再び流入する。このように、無電解めっき液は、めっき槽1とオーバーフロー槽14との間を循環している。
戻り導管21にはヒータ24が取り付けられており、戻り導管21をめっき槽1に向かって流れる無電解めっき液はヒータ24によって加熱されるようになっている。基板W上でめっき反応を進行させるために、めっき槽1内の無電解めっき液は、常温よりも高い所定の温度に維持される。例えば、ヒータ24によって加熱された、めっき槽1内の無電解めっき液の温度範囲は、60℃〜90℃である。
基板Wは、基板ホルダ5に保持された状態で、めっき槽1内の加熱された無電解めっき液中に浸漬される。所定の温度に加熱された無電解めっき液に基板Wが浸漬されると、基板Wでめっき反応が開始され、基板W上に金属膜が堆積する。
トラップ陽極7は、めっき槽1の底面に配置されている。このトラップ陽極7は、基板ホルダ5に保持されている基板Wからは離れている。例えばトラップ陽極7は、無電解めっき液中に生成される上述した金属粉50を受け止めるために板状である。金属粉50は、その自重により無電解めっき液中を沈降し、トラップ陽極7上に堆積する。金属粉50をできるだけ広い領域で受け止めるために、トラップ陽極7は、めっき槽1の底面の全体を覆っていることが好ましい。めっき槽1内に形成されている無電解めっき液の上昇流を妨げないように、トラップ陽極7には複数の通孔7aが形成されている。トラップ陽極7は、カーボンまたは金属などの導電材料から構成されており、電源11の正極に接続されている。
陰極8は、電源11の負極に接続されている。めっき槽1内には隔膜30が配置されており、この隔膜30によって、めっき槽1の内部は、無電解めっき液が貯留される処理槽33と、陰極8が内部に配置された陰極槽34とに仕切られている。基板Wを保持した基板ホルダ5は、処理槽33内に配置される。隔膜30は、逆浸透膜または陰イオン交換膜などから構成されており、陽イオン(金属イオン)の通過を許容しない。隔膜30によって仕切られた陰極槽34の内部には陰極浸漬液31が注入されており、陰極槽34内の陰極8は、陰極浸漬液31中に浸漬されている。陰極8および陰極浸漬液31は、隔膜30によって無電解めっき液から隔離されている。
本実施形態では、隔膜30は、陰極8を収容する隔膜バッグとして構成されており、陰極8は隔膜30によって取り囲まれている。一実施形態では、隔膜30は、めっき槽1の幅方向の全体に延びて、めっき槽1の内部を処理槽33と陰極槽34とに仕切ってもよい。隔膜30の一方の面は無電解めっき液に接触しており、他方の面は陰極浸漬液31に接触している。隔膜30の上端は、めっき槽1の上端よりも上方に位置しており、陰極8および陰極浸漬液31は、隔膜30によって無電解めっき液から隔離されている。この隔膜30は、トラップ陽極7と陰極8との間に電圧を印加したときに、無電解めっき液に含まれる金属成分が、陰極8の表面に金属として析出することを防ぐために設けられている。
陰極浸漬液31は、無電解めっき液に含まれる全成分のうちめっき金属成分を除いた成分を含む溶液であるか、またはめっき金属成分を含まず、かつ錯化剤、還元剤、pH緩衝剤、およびpH調整剤を含有する溶液である。
電源11がトラップ陽極7と陰極8との間に電圧を印加すると、トラップ陽極7上に堆積した金属粉50は、無電解めっき液中に溶解する。溶解した金属は、無電解めっき液中に拡散し、再び金属成分として基板Wのめっきに供される。このように、トラップ陽極7に捕捉された金属粉50は、電圧の印加によって溶解するので、トラップ陽極7をめっき槽1から引き上げる必要がない。したがって、無電解めっき液装置は、基板Wのめっきを連続的に行うことが可能である。さらに、金属粉50は、再び金属成分として無電解めっき液に戻されるので、無電解めっき液の成分の消耗が回避され、一般に高価である無電解めっき液の寿命を伸ばすことが可能である。
電源11は、基板Wのめっき中、トラップ陽極7と陰極8との間に電圧を印加するように構成されている。金属粉50の溶解は、基板Wのめっき中でも行うことが可能である。本実施形態によれば、トラップ陽極7をめっき槽1から引き上げる作業が不要であるので、無電解めっき液装置のスループットが向上する。
また、複数の基板へのめっき処理を連続して行う場合、第1の基板W1のめっきが終了した後、トラップ陽極7上に金属粉50がトラップされたままだと、次の第2の基板W2のめっき処理に悪影響が生じるおそれもある。そのような場合、第1の基板W1のめっきが終了した後、次の第2の基板W2のめっき処理が開始される前、例えば、第2の基板W2が無電解めっき液に浸漬される前に、電源11によりトラップ陽極7と陰極8との間に、電圧を印加することで、トラップ陽極7に堆積してしまった金属粉50を無電解めっき液中に溶解させ、無電解めっき液中の成分の消耗を回復させることができる。このように、基板が無電解めっき液中に浸漬されていないときに、トラップ陽極7と陰極8との間に電圧を印加することで、次の第2の基板W2のめっき処理を確実に行うことができる。
さらに、無電解めっき液の成分濃度を維持する目的で、基板が無電解めっき液中に浸漬されているか否かにかかわらず、電源11により、トラップ陽極7と陰極8との間に、電圧を印加するように構成することもできる。これにより、無電解めっき液中の成分濃度を安定に維持することができる。
図2は、本実施形態に係る無電解めっき装置によってめっきされた基板Wの拡大断面図である。図2と図6との対比から分かるように、絶縁膜41上には金属粉50は付着しておらず、かつめっきによって形成されたバンプ43上にも金属粉50は付着していない。よって、電気的短絡や電極形状の不良などの不具合が回避される。
図3は、無電解めっき装置の他の実施形態を示す模式図である。本実施形態は、隔膜30および陰極槽34が設けられていない点で図1に示す実施形態と相違する。したがって、陰極8は、無電解めっき液に接触している。また、陰極8にはクーラー25が固定されている。トラップ陽極7と陰極8との間に電圧が印加されると、トラップ陽極7に堆積した金属粉50は、無電解めっき液中に溶解し、その一方で陰極8上には金属が析出する。
陰極8の表面温度は、めっき液温度よりも、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上低く維持されるようにクーラー25によって制御されている。陰極8の表面温度とめっき液温度との間の温度差が小さすぎると、無電解めっき反応の進行を抑制する効果がないため、このような温度差を設けることが好ましい。ここで、この陰極8の表面温度としては、例えば、陰極8の表面温度を測定する温度センサーが指示する温度、とすることができる。クーラー25としては、例えば、ペルチェ式の冷却装置が使用できる。
このように構成すれば、金属成分を陰極8に堆積させた場合でも、トラップ陽極7に堆積した金属粉を無電解めっき液中に溶解させ、金属が粉体から膜状に形態を変えていることになる。このことで、たとえ無電解めっき液から同じ量の金属が析出することになったとしても、この場合の陰極8に堆積される金属の表面積は、これと同じ質量に相当する金属粉の全表面積に比べて減少させることができる。また、陰極8の表面が冷却されているので、陰極8上での反応の進行を抑制することができる。したがって、たとえ陰極8に金属が堆積又は析出したとしても、陰極8の表面上での無電解めっき反応の進行を抑制でき、めっき液中の成分消耗を抑制できる。
上記のような構成により、陰極8に析出した金属上での無電解めっき反応の進行を抑止する。クーラー25は、陰極8の裏面に接しており、陰極8の表面が所定の温度となるよう、陰極8を冷却する。一実施形態では、図4(a)に示すように、温度センサー26は陰極8の表面に取り付けられる。図4(b)のように、温度センサー26をクーラー25の冷却面25aに取り付けることもできる。図4(c)のように、バッファ容器から構成されるクーラー25と、めっき槽1外に設けたクーラント冷却器27との間を冷媒(クーラント)が循環するようにしてもよい。クーラント冷却器27は、クーラント冷却器27に導入されるクーラントの温度に応じてクーラントを冷却することができる。
図5は、無電解めっき装置の他の実施形態を示す模式図である。本実施形態は、無電解めっき液を内部に貯留するためのめっき槽1とは別に、めっき液処理槽60を設け、無電解めっき液をめっき槽1とめっき液処理槽60との間を循環するように構成した点で、図1などに記載した上述の実施形態とは相違する。
めっき槽1には基板Wを保持する基板ホルダ5が配置され、また、無電解めっき液を排出するための排出口1aがめっき槽1の底部に設けられている。めっき槽1と無電解めっき液処理槽60は、第1の配管61および第2の配管62で互いに接続されている。第1の配管61の一端は、めっき槽1の排出口1aに接続され、第1の配管61の他端はめっき液処理槽60内に位置している。第2の配管62の一端は、めっき槽1の底部に設けられた戻り口1bに接続され、第2の配管62の他端はめっき液処理槽60内に位置している。第2の配管62には、無電解めっき液をめっき液処理槽60からめっき槽1に移送するためのポンプ65が設けられている。なお、めっき液処理槽60は密閉されている。
無電解めっき液は、その重力により第1の配管61を通ってめっき槽1からめっき液処理槽60に移送される。一実施形態では、無電解めっき液をめっき槽1からめっき液処理槽60に移送するためのポンプを第1の配管61に設けてもよい。めっき槽1の底部は、金属粉が発生したとしても無電解めっき液とともに金属粉を排出口1aを通じて排出しやすいように傾斜させておくのが好ましい。また、本実施形態の無電解めっき装置は、複数の基板ホルダ5を備えているが、1つの基板ホルダ5のみを備えてもよい。
めっき液処理槽60には、その底面に配置されたトラップ陽極7と、めっき液処理槽60内に配置された陰極8と、トラップ陽極7と陰極8との間に電圧を印加するための電源11とを備えている。陰極8は隔膜30によって取り囲まれている。陰極8および陰極浸漬液31は、隔膜30によってめっき液処理槽60内の無電解めっき液から隔離されている。
電源11がトラップ陽極7と陰極8との間に電圧を印加すると、トラップ陽極7上に堆積した金属粉50は、無電解めっき液中に溶解する。溶解した金属は、めっき液処理槽60の無電解めっき液中で拡散され、この無電解めっき液が第2の配管62を通ってめっき液処理槽60からめっき槽1へと返送されて、再び金属成分として基板Wのめっきに供される。
また、めっき槽1またはめっき液処理槽60内にある無電解めっき液の金属成分濃度を、例えば、サイクリック・ボルタンメトリー法等の分析手法により定期的に分析・監視し、めっき液中の成分濃度を成分補給により管理してもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。例えば、図5の実施形態の構成を一部変更して、陰極8の周囲に隔膜30を設けないような装置構成とした実施形態も考えられる。このように構成した場合には、さらに、陰極8の表面を冷却するためのクーラー25を陰極8に設けてもよい。クーラー25は、少なくとも基板を無電解めっき液に浸漬させている間、陰極8の表面温度を無電解めっき液の温度よりも、例えば10℃以上低い温度に維持することができる。このような構成にすれば、陰極8に堆積又は析出することになる金属の表面積は、これと同じ質量に相当する金属粉の全表面積に比べて減少させることができる。したがって、たとえこの陰極8に金属が堆積又は析出したとしても、比較的めっき反応の進行を抑制でき、めっき液中の成分消耗を抑制できる。
1 めっき槽
5 基板ホルダ
7 トラップ陽極
8 陰極
11 電源
14 オーバーフロー槽
21 戻り導管
22 ポンプ
24 ヒータ
25 クーラー
26 温度センサー
27 クーラント冷却器
30 隔膜
31 陰極浸漬液
33 処理槽
34 陰極槽
40 下地金属膜
41 絶縁膜
43 バンプ
50 金属粉
60 無電解めっき液処理槽
61 第1の配管
62 第2の配管
65 ポンプ

Claims (9)

  1. 無電解めっき液を貯留するためのめっき槽と、
    基板を保持する基板ホルダと、
    前記めっき槽の底面に配置されたトラップ陽極と、
    前記めっき槽内に配置された陰極と、
    前記トラップ陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電源と、
    前記陰極に接するように設けられた、該陰極の表面を冷却するためのクーラーを備えたことを特徴とする無電解めっき装置。
  2. 前記トラップ陽極は、前記めっき槽の底面と基板との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の無電解めっき装置。
  3. 前記めっき槽の内部を、無電解めっき液が貯留される処理槽と、前記陰極が内部に配置された陰極槽とに仕切る隔膜をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の無電解めっき装置。
  4. 前記隔膜は、陰極浸漬液と、前記無電解めっき液とを互いに隔離するための逆浸透膜または陰イオン交換膜であることを特徴とする請求項3に記載の無電解めっき装置。
  5. 前記無電解めっき液を加熱するヒータをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の無電解めっき装置。
  6. めっき槽内に貯留された無電解めっき液に基板を浸漬させ、
    前記めっき槽の底面に配置されたトラップ陽極と、前記めっき槽内に配置された陰極との間に電圧を印加し、
    基板を前記無電解めっき液に浸漬させている間、前記無電解めっき液を、基板のめっき反応が進行する所定の温度に維持し、
    前記基板を前記無電解めっき液に浸漬させている間、前記陰極の表面温度を、前記無電解めっき液の前記所定の温度よりも10℃以上低く維持することを特徴とする無電解めっき方法。
  7. 基板を前記無電解めっき液に浸漬させている間、前記トラップ陽極と前記陰極との間に電圧を印加することを特徴とする請求項に記載の無電解めっき方法。
  8. 第1の基板のめっきを終了した後、第2の基板のめっきを開始する前に、前記トラップ陽極と前記陰極との間に電圧を印加することを特徴とする請求項に記載の無電解めっき方法。
  9. 隔膜によって無電解めっき液から隔離された陰極槽内に陰極浸漬液を注入して前記陰極を前記陰極浸漬液中に浸漬する工程をさらに含み、
    前記陰極浸漬液は、前記無電解めっき液に含まれる全成分のうちめっき金属成分を除いた成分を含有する溶液であるか、またはめっき金属成分を含有せず、かつ錯化剤、還元剤、pH緩衝剤、およびpH調整剤を含有する溶液であることを特徴とする請求項に記載の無電解めっき方法。
JP2016038726A 2016-03-01 2016-03-01 無電解めっき装置および無電解めっき方法 Expired - Fee Related JP6706095B2 (ja)

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