JP2018024900A - 無電解めっき装置および無電解めっき方法 - Google Patents

無電解めっき装置および無電解めっき方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無電解めっき液中に生成された金属粉による望ましくないめっき反応を抑制する。
【解決手段】第1の形態によれば、無電解めっき装置が提供され、かかる無電解めっき装置は、無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽と、前記めっき槽から無電解めっき液を排出するための、前記めっき槽に設けられる出口と、前記めっき槽へ無電解めっき液を供給するための、めっき槽に設けられる入口と、前記出口および前記入口を接続する循環流路と、を有し、前記入口は、第1入口と第2入口と、を有し、前記循環流路は、前記第1入口に接続される第1流路と、前記第2入口に接続される第2流路と、を有し、前記無電解めっき装置は、前記第2流路に配置される、無電解めっき液を冷却するための冷却装置を有する。
【選択図】図5

Description

本願は、無電解めっき装置および無電解めっき方法に関する。
無電解めっきは、加熱された無電解めっき液にめっき対象物である基板を浸漬させるだけで、置換反応あるいは自己触媒反応といった静的還元反応により基板をめっきすることができる。また、無電解めっきでは、電解めっきでは必要とされる下地電極膜が不要となるという利点がある。一方で、電解めっきの場合は、めっき膜およびその下地膜の電位を操作することで、めっき反応を開始させたりめっき膜析出速度を制御したりできるが、無電解めっきの場合は、このような操作を行うことでの制御ができないプロセスである。
特許第3376820号
無電解めっき液は、めっき析出反応が自発的に起こるように反応性が高い性質を持っている。そのため、無電解めっき液は化学的安定性に乏しく、無電解めっき液の自然分解が進行しやすい。そのため、無電解めっき液の建浴後は、時間の経過とともに自然分解により発生した微細な金属粉が徐々に発生する。これらの金属粉は、めっき反応の起点となるため、金属粉が付着した場所に意図しないめっき析出が起こるという問題が発生する。たとえば、図1は、めっき槽10内の無電解めっき液200に金属粉が発生していない正常な状態を示している。一方、図2は、めっき槽10内の無電解めっき液200に金属粉100が発生した状態を示している。
無電解めっき工程の前には、基板の活性化工程が行われる。この活性化工程では、めっき対象物である基板は活性化液に浸漬され、基板表面にめっき反応の核となる触媒が付与される。この活性化処理の後に、基板は洗浄処理され、活性化液が基板から除去される。しかし、基板に洗浄処理を実施しても、活性化液が基板表面に残留していることがある。活性化液が残留している基板を無電解めっき液に浸漬させると、基板に残留していた活性化液に含まれる触媒が無電解めっき液中に拡散する。そして、拡散した触媒はめっき反応の核となる金属粉100の発生を促進する。発生した金属粉100も同様に、めっき対象物である基板以外の領域でめっき反応の起点となるため、場合によってはめっきの異常析出という問題が発生する。
無電解めっき液200中に生成された金属粉100の表面では、めっき反応が進行するため、基板のめっきに必要なめっき液の成分が消耗する。そのため、無電解めっき液中の金属濃度バランスが崩れ、めっき液の安定性が悪化し、めっき液の分解がさらに促進される。それらの金属粉100は、無電解めっき液200中を沈降し、めっき槽10の底に堆積し続けてしまえば(図2参照)、これがめっき液の分解を促進させる要因となる。
従来は、めっき槽の底部に沈降した金属粉についてはめっき処理中に除去できなかった。そのため、めっき液をめっき槽から排出させた後に、酸などの金属を溶解する薬液をめっき槽に投入し、金属除去を実施していた。そのため、無電解めっき液を頻繁に交換する必要があった。
他の方策として、めっき槽の循環ラインにフィルタを取り付け、金属粉をフィルタリングすることがある。しかし、金属粉はフィルタに捕獲されるが、捕獲された金属粉はめっき反応の核となり、フィルタ表面でめっき反応が進行する。そのため、無電解めっき液中の金属、安定剤、還元剤などの成分が消耗し、無電解めっき液中の各種成分の濃度バランスが崩れ、無電解めっき液の安定性が悪化する。無電解めっき液の分解が促進されないようにするためには、頻繁にフィルタを交換する必要がある。
また、めっき槽内に残留した金属粉は、基板をめっき処理している間に基板に付着し、これが原因で不具合が発生することが分かってきた。たとえば、図3は、正常にめっき処理がなされた基板の断面を示す概略図である。図4は、無電解めっき液200中に金属粉100が発生したことにより不具合の発生した基板の断面を示す概略図である。図3に示されるように、正常なめっき処理においては、基板150上のめっき対象領域である下地金属膜152上にめっきによりバンプ154が生成される。図3に示されるように、正常なめっき処理では、絶縁膜156により電気的に離間されるようにバンプ154が形成される。一方、図4に示されるように、バンプ154の間にある絶縁膜156の露出面上に金属粉100が堆積して、隣接するバンプ154を電気的に短絡させてしまうことがある。また、無電解めっきにより形成されたバンプ154上に金属粉100が付着することで、めっき形状異常が発生することがある。
本発明は、これらの問題の少なくとも一部を解決ないし緩和することを目的としている。
第1の形態によれば、無電解めっき装置が提供され、かかる無電解めっき装置は、無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽と、前記めっき槽から無電解めっき液を排出するための、前記めっき槽に設けられる出口と、前記めっき槽へ無電解めっき液を供給するための、めっき槽に設けられる入口と、前記出口および前記入口を接続する循環流路と、を有し、前記入口は、第1入口と第2入口と、を有し、前記循環流路は、前記第1入口に接続される第1流路と、前記第2入口に接続される第2流路と、を有し、前記無電解めっき装置は、前記第2流路に配置される、無電解めっき液を冷却するための冷却装置を有する。第1の形態による無電解めっき装置によれば、めっき槽内に、無電解めっき反応を生じさせる高温度の領域と、無電解めっき反応を生じさせない低温度の領域とからなる温度成層を形成することができる。そのため、高温度の領域において発生した金属粉は、低温度の領域に沈降するので、発生した金属粉が無電解めっき液の分解を促進しないようにすることができる。
第2の形態によれば、第1の形態による無電解めっき装置において、前記冷却装置は、前記第2入口から前記めっき槽へ流入する無電解めっき液の温度が、前記第1入口から前記めっき槽へ流入する無電解めっき液の温度よりも、10℃以上低くなるように制御される。
第3の形態によれば、第2の形態による無電解めっき装置において、前記無電解めっき装置は、前記めっき槽の前記第1入口付近に配置される第1温度計と、前記めっき槽の前記第2入口付近に配置される第2温度計と、前記冷却装置、前記第1温度計、および前記第2温度計のそれぞれと連絡可能な制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記第2入口から前記めっき槽へ流入する無電解めっき液の温度が、前記第1入口から前記めっき槽へ流入する無電解めっき液の温度よりも、10℃以上低くなるように前記冷却装置を制御するように構成される。
第4の形態によれば、第1の形態から第3の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、前記第1入口は、前記第2入口よりも高い位置に配置される。
第5の形態によれば、第1の形態から第3の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、前記めっき槽は、底面と、前記底面よりも高い位置に配置される底上げ面と、前記底上げ面から上方に延びる、少なくとも1つのノズルと、を有し、前記ノズルは、前記底面と前記底上げ面との間の空間と、前記底上げ面の上方の空間とを流体連通させ、前記第1入口は、前記底面と前記底上げ面との間の空間に無電解めっき液を供給するように配置され、前記第2入口は、前記底上げ面と前記ノズルの排出口との間の空間に無電解めっき液を供給するように配置される。第5の形態によれば、底上げ面の上に、低温度の領域を形成することができる。また、高温度の無電解めっき液をめっき槽の底面から供給することでめっき液に緩やかな上昇流を形成しつつ、めっき液中に形成された温度成層を維持することができる。
第6の形態によれば、第1の形態から第5の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、さらに、前記第1流路に配置される、無電解めっき液を加熱するための加熱装置を有する。
第7の形態によれば、第1の形態から第6の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、前記めっき槽は、めっき対象物が浸漬される主めっき槽と、前記主めっき槽から溢れる無電解めっき液を受け取るオーバーフロー槽と、を有する。
第8の形態によれば、第7の形態による無電解めっき装置において、前記出口は前記オーバーフロー槽に設けられる。
第9の形態によれば、第7の形態による無電解めっき装置において、前記出口は、前記主めっき槽に設けられる第1出口と、前記オーバーフロー槽に設けられる第2出口と、を有する。
第10の形態によれば、第1の形態から第9の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、さらに、前記循環流路の途中に配置される、無電解めっき液を貯留するためのタンクと、前記タンクから無電解めっき液を排出するためのタンク出口と、
前記タンクへ無電解めっき液を供給するためのタンク入口と、を有し、前記タンク入口は、第1タンク入口と、第2タンク入口と、を有し、前記循環流路は、前記第1タンク入口に接続される第3流路と、前記第2タンク入口に接続される第4流路と、を有し、前記無電解めっき装置は、前記第4流路に配置される、無電解めっき液を冷却するための第2冷却装置を有する。
第11の形態によれば、第10の形態の無電解めっき装置において、前記タンクは、複数のタンクを含み、前記複数のタンクの各々は、各々のタンクへ無電解めっき液を供給するための第1タンク入口および第2タンク入口、および、前記複数のタンクの各々から無電解めっき液を排出するためのタンク出口を有し、前記複数のタンクの各々の前記第2タンク入口の一方に接続される流路に冷却装置を有する。
第12の形態によれば、無電解めっき装置が提供され、かかる無電解めっき装置は、無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽と、前記めっき槽から無電解めっき液を排出するための出口と、前記めっき槽へ無電解めっき液を供給するための入口と、前記出口および前記入口を接続する循環流路と、前記循環流路の途中に配置される、無電解めっき液を貯留するためのタンクと、前記タンクから無電解めっき液を排出するためのタンク出口と、前記タンクへ無電解めっき液を供給するためのタンク入口と、を有し、前記タンク入口は、第1タンク入口と、第2タンク入口と、を有し、前記循環流路は、前記第1タンク入口に接続される第1流路と、前記第2タンク入口に接続さ
れる第2流路と、を有し、前記無電解めっき装置は、前記第2流路に配置される、無電解めっき液を冷却するための冷却装置を有する。第12の形態によれば、第1の形態の無電解めっき装置と類似の効果が生じる。第12の形態においては、無電解めっき液の温度成層は、めっき槽ではなくタンクに形成される。
第13の形態によれば、第12の形態による無電解めっき装置において、前記冷却装置は、前記第2タンク入口から前記タンクへ流入する無電解めっき液の温度が、前記第1タンク入口から前記タンクへ流入する無電解めっき液の温度よりも、10℃以上低くなるように制御される。
第14の形態によれば、第13の形態による無電解めっき装置において、前記無電解めっき装置は、前記タンクの前記第1タンク入口付近に配置される第1温度計と、前記タンクの前記第2タンク入口付近に配置される第2温度計と、前記冷却装置、前記第1温度計、および前記第2温度計のそれぞれと連絡可能な制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記第2タンク入口から前記タンクへ流入する無電解めっき液の温度が、前記第1タンク入口から前記タンクへ流入する無電解めっき液の温度よりも、10℃以上低くなるように前記冷却装置を制御するように構成される。
第15の形態によれば、第12の形態から第14の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、前記第1タンク入口は、前記第2タンク入口よりも高い位置に配置される。
第16の形態によれば、第12の形態から第15の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、さらに、前記入口から前記めっき槽へ供給される無電解めっき液を加熱するための加熱装置を有する。
第17の形態によれば、第12の形態から第16の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、前記めっき槽は、めっき対象物が浸漬される主めっき槽と、前記主めっき槽から溢れる無電解めっき液を受け取るオーバーフロー槽と、を有する。
第18の形態によれば、第17の形態による無電解めっき装置において、前記めっき槽の前記出口は前記オーバーフロー槽に設けられる。
第19の形態によれば、第12の形態から第18の形態のいずれか1つの形態による無電解めっき装置において、前記タンクは、複数のタンクを含み、前記複数のタンクの各々は、各々のタンクへ無電解めっき液を供給するための第1タンク入口および第2タンク入口、および、前記複数のタンクの各々から無電解めっき液を排出するためのタンク出口を有し、前記複数のタンクの各々の前記第2タンク入口の一方に接続される流路に冷却装置を有する。
第20の形態によれば、無電解めっき方法が提供され、かかる無電解めっき方法は、無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽に無電解めっき液を供給するステップと、前記めっき槽内の無電解めっき液に、相対的に温度の高い領域と温度の低い領域とからなる温度成層を形成するステップと、を有する。第29の形態による無電解めっき方法によれば、無電解めっき液に、無電解めっき反応を生じさせる高温度の領域と、無電解めっき反応を生じさせない低温度の領域とからなる温度成層を形成することができる。そのため、高温度の領域において発生した金属粉は、低温度の領域に沈降するので、発生した金属粉が無電解めっき液の分解を促進しないようにすることができる。
第21の形態によれば、第20の形態の無電解めっき方法において、前記温度成層を形成するステップは、めっき槽に相対的に温度の高い無電解めっき液を供給するステップと、めっき槽に相対的に温度の低い無電解めっき液を供給するステップと、を有する。
第22の形態によれば、第20の形態または第21の形態の無電解めっき方法において、無電解めっき液の相対的に温度の高い領域と温度の低い領域との温度差が10℃以上である。
第23の形態によれば、無電解めっき方法が提供され、かかる無電解めっき方法は、無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽に無電解めっき液を供給するステップと、前記めっき槽から無電解めっき液を貯留するためのタンクに無電解めっき液を供給するステップと、前記タンク内の無電解めっき液に、相対的に温度の高い領域と温度の低い領域とからなる温度成層を形成するステップと、を有する。
第24の形態によれば、第23の形態の無電解めっき方法において、前記温度成層を形成するステップは、タンクに相対的に温度の高い無電解めっき液を供給するステップと、タンクに相対的に温度の低い無電解めっき液を供給するステップと、を有する。
第25の形態によれば、第23の形態または第24の形態の無電解めっき方法において、無電解めっき液の相対的に温度の高い領域と温度の低い領域との温度差が10℃以上である。
めっき槽内の無電解めっき液に金属粉が発生していない正常な状態を示す図である。 めっき槽内の無電解めっき液に金属粉が発生した状態を示す図である。 正常にめっき処理がなされた基板の断面を示す概略図である。 無電解めっき液中に金属粉が発生したことにより不具合の発生した基板の断面を示す概略図である。 一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。 一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。 一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。 一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。 図8の実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す斜視図である。 一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。 一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。 一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。 一実施形態による無電解めっき処理の流れを示すフローチャートである。 図13に示される無電解めっき処理の流れの一例を示すフローチャートである。 一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。 一実施形態によるタンクを示す概略図である。
以下に、本発明に係る無電解めっき装置の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
まず、本開示による無電解めっき装置および無電解めっき方法の概要を簡単に説明する。上述したように、無電解めっき液は化学的安定性に乏しい。そのため、無電解めっき処理中に微細な金属粉が発生することがある。無電解めっき処理中に発生した金属粉がめっき反応の起点となり、望まないめっき反応によりめっき液が分解されて無電解めっき液の安定性を害することがある。一方で、無電解めっき反応を生じさせるには所定の温度が必要になる。本開示による無電解めっき装置および無電解めっき方法においては、無電解めっき液中に、無電解めっき反応が可能な高温側の層と、めっき反応が生じない低温側の層とを形成する。本開示の基本的な考え方は、高温側の層で発生した金属粉を低温側の層に沈降させることで、金属粉を核とする自発的なめっき反応を停止させることにある。以下、このような考え方に基づいた無電解めっき装置および無電解めっき方法の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態では、本開示による無電解めっき装置および無電解めっき方法の特徴的な部分のみを説明するものである。したがって、実際に無電解めっき装置を製造する場合、本開示で説明する構成以外にも、めっき対象物を搬送および保持するための機構、めっき対象物を洗浄および乾燥させるための機構などが必要になる。本開示による無電解めっき装置および無電解めっき方法は、たとえば半導体基板のようなめっき対象物に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タングステン(W)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、鉛(Pb)、銅(Cu)などを無電解めっきするのに利用することができる。ただし、本発明において、めっき対象物およびめっき金属はこれらに限定されない。
図5は、一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。図5に示されるように、本実施形態による無電解めっき装置は、無電解めっき液200を貯留するためのめっき槽10を備える。無電解めっき処理を行う際は、めっき槽10内の無電解めっき液200にめっき対象物を浸漬させる。めっき対象物は、たとえば半導体基板などである。一例として、半導体基板の表面が無電解めっき液200の液面に垂直になるように、複数の半導体基板をめっき槽10内に平行に配置してめっき処理を行うことができる。あるいは、半導体基板の表面が無電解めっき液200の液面に平行になるように、複数の半導体基板をめっき槽10内に平行に配置してめっき処理を行ってもよい。
めっき槽10には無電解めっき液200を排出するための出口12が設けられる。出口12の位置は、無電解めっき液200を排出できる位置であれば任意であり、たとえば、めっき槽10の底部に設けることができる。めっき槽10は、無電解めっき液200をめっき槽10に供給するための2つの入口、すなわち第1入口14aおよび第2入口14bを備える。第1入口14aおよび第2入口14bと出口12とは、循環流路16で接続される。循環流路16にはポンプ18が配置される。ポンプ18で無電解めっき液200を移送することで、めっき槽10内の無電解めっき液200を循環流路16を通じて循環させることができる。循環流路16には、フィルタ28を設けることができる。フィルタ28により、めっき槽10内に発生した金属粉100などの異物をフィルタリングすることができる。
図5の実施形態による無電解めっき装置においては、循環流路16は、第1流路16aおよび第2流路16bの2つに分岐する。第1流路16aは第1入口14aに連結され、第2流路16bは第2入口14bに連結される。第1流路16aには加熱装置20が配置され、第1流路16aを通る無電解めっき液200を所望の温度に加熱することができる。第2流路16bには冷却装置22が配置され、第2流路16bを通る無電解めっき液200を所望の温度に冷却することができる。また、第2流路16bには流量調整弁24が設けられ、第2流路16bを通る無電解めっき液200の流量を調整することができる。第1入口14aは、第2入口14bよりも高い位置に配置される。これは、めっき槽10内の無電解めっき液200に後述する温度成層を形成するのに有利である。
図5の実施形態において、めっき槽10は、第1入口14a付近に配置される第1温度計26aと、第2入口14b付近に配置される第2温度計26bとを備える。第1温度計26aにより、第1入口14aから供給される無電解めっき液200の温度を測定することができる。第2温度計26bにより、第2入口14bから供給される無電解めっき液200の温度を測定することができる。なお、他の実施形態として、第1温度計26aおよび第2温度計26bは、それぞれ第1流路16aおよび第2流路16bに設けてもよい。加熱装置20、冷却装置22、第1温度計26a、および第2温度計26bは、制御装置50と有線/無線により連絡可能である。制御装置50は、第1温度計26aでの温度測定結果に基づいて、第1流路16aを通る無電解めっき液200を予め設定した第1温度になるように加熱装置20を制御する。また、制御装置50は、第2温度計での温度測定結果に基づいて、第2流路16bを通る無電解めっき液200を予め設定した第2温度になるように冷却装置22を制御する。
一実施形態において、第1温度は、無電解めっき処理を実行するのに適切な温度である。たとえば、半導体基板にニッケル(Ni)を無電解めっきする場合、第1温度は約80℃とすることができる。一方、第2温度は、無電解めっき処理が進行しない温度、あるいは低速度でしか無電解めっき処理が進行しない温度とすることができる。たとえば、第1温度よりも10℃以上低い温度に設定することができる。本実施形態による無電解めっき装置においては、めっき槽10の上方には、第1入口14aから、無電解めっき処理を進行させるための高温度の無電解めっき液200が供給され、めっき槽10の下方には、第2入口14bから、無電解めっき処理が進行しない低温度の無電解めっき液200が供給される。これにより、めっき槽10には、無電解めっき液の温度差に伴う比重差から、温度差のある無電解めっき液が混ざりあわず、境界層が生じる。つまり、高温側の無電解めっき液の層200aと低温側の無電解めっき液の層200bによる温度成層が形成される。かかる温度成層は、無電解めっき液200の流れを乱さなければ継続的に維持される。めっき槽10内で無電解めっきを行う場合、めっき対象物を高温側の層200aに浸漬させる。上述したように、高温側の層200aでは、めっき処理中に金属粉100が発生し、発生した金属粉100が核となり、望まない場所でめっき処理が進行することがある。本実施形態によれば、高温側の層200aで発生した金属粉100は、重力の作用によりめっき槽10内を沈降し、低温側の層200bに到達する。低温側の層200bは無電解めっき処理が進行しない、あるいは低速でしか進行しないので、金属粉100を核とした自発的なめっき反応を停止または抑制することができる。
図6は、一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。図6に示される無電解めっき装置は、図5の実施形態とは異なり、めっき槽10が、主めっき槽10aおよびオーバーフロー槽10bを備える。主めっき槽10aは、めっき対象物が浸漬される槽である。オーバーフロー槽10bは、主めっき槽10aから溢れる無電解めっき液200を受け取る槽である。図6の無電解めっき装置においては、めっき槽10から無電解めっき液200を排出するための出口は2つ設けられ、主めっき槽10aに設けられる第1出口12aと、オーバーフロー槽に設けられる第2出口12bとが設けられる。第1出口12aから排出される無電解めっき液は流量調整弁24を介して、第2出口12bから排出される無電解めっき液と合流する。それ以外の構成は、図5に示される無電解めっき装置と同様に構成することができる。
図7は、一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。図7に示される無電解めっき装置は、図6に示される実施形態と同様に、めっき槽10が、主めっき槽10aおよびオーバーフロー槽10bから構成される。図7の実施形態においては、第1出口12aから排出される無電解めっき液は、第2出口12bから排出される無電解めっき液と合流させられることなく、第2入口14bへ移送され、第2出口12bから排出さ
れる無電解めっき液は、第1入口14aへ移送される。図7の実施形態による無電解めっき装置においては、低温層200bの無電解めっき液が、循環流路16において高温層200aの無電解めっき液と混合されないので、図6の実施形態による無電解めっき装置の場合と比べて、加熱装置20および冷却装置22で消費されるエネルギーが小さくなる。ただし、それぞれの流路に無電解めっき液を移送するためのポンプ18が必要になる。
図8は、一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。図9は、図8の実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す斜視図である。なお、図9においては、主めっき槽10aの底部付近の構造のみを示しており、他の構成は省略して図示している。図8、9に示される無電解めっき装置は、図6、7に示される実施形態と同様に、めっき槽10が、主めっき槽10aおよびオーバーフロー槽10bから構成される。図8、9に示される実施形態による無電解めっき装置においては、主めっき槽10aは、底面30と、底面30よりも高い位置に配置される底上げ面32と、を有する。主めっき槽10aの底上げ面32には、上方に延びるノズル34が設けられる。ノズル34は、底面30と底上げ面32との間の空間と、底上げ面32の上方の空間とを流体連通させる。そのため、底面30と底上げ面32との間の空間に存在する無電解めっき液200は、ノズル34を通じて、底上げ面32の上方の空間へ移動することができる。本実施形態において、第2入口14bは、底上げ面32とノズル34の上部開口部との間に配置される。そのため、冷却装置22で冷却された無電解めっき液200は底上げ面32とノズル34の上部開口部との間に供給され、ここに無電解めっき液の低温層200bが形成される。一方、第1入口14aは、主めっき槽10aの底部に配置される。そのため、加熱装置20で加熱された無電解めっき液200は、主めっき槽10aの底部から供給される。主めっき槽10aの底部から供給された無電解めっき液200は、ノズル34を通って主めっき槽10aの上方へ流れる。そのため、無電解めっき液200の高温層200aと低温層200bとの温度成層を維持したまま、高温層200aにおいて主めっき槽10aの下から上に向かう緩やかな流れを形成することができる。なお、図示の明瞭化のために、図8、図9には示していないが、図5〜図7の実施形態と同様に、無電解めっき装置は、第1入口a付近に配置される第1温度計26a、および第2入口14b付近に配置される第2温度計26bとを備えることができる。
図10は、一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。図10に示される無電解めっき装置は、図6に示される無電解めっき装置と同様に、主めっき槽10aおよびオーバーフロー槽10bを備える。オーバーフロー槽10bには、無電解めっき液200を排出するための出口12が設けられる。主めっき槽10aには、無電解めっき液200を供給するための入口14が設けられる。本実施形態においては、図5〜図9の実施形態とは異なり、主めっき槽10aの入口は1つである。主めっき槽10aの出口12および入口14は、循環流路16で接続される。本実施形態による無電解めっき装置は、循環流路16の途中に、無電解めっき液200を貯留するためのタンク40を備える。タンク40には、タンク40から無電解めっき液200を排出するためのタンク出口42が設けられる。また、タンク40は、無電解めっき液200をタンク40に供給するための2つのタンク入口、すなわち第1タンク入口44aおよび第2タンク入口44bを備える。図10に示される実施形態においては、オーバーフロー槽10bの出口12からの循環流路16は、第3流路16cおよび第4流路16dの2つに分岐する。第3流路16cは、タンク入口44aに連結され、第4流路16dはタンク入口44bに連結される。第4流路16dには、冷却装置22が配置され、第4流路16dを通る無電解めっき液200を所望の温度に冷却することができる。また、第4流路16dには流量調整弁24が設けられ、第4流路16dを通る無電解めっき液200の流量を調整することができる。第1タンク入口44aは、第2タンク入口44bよりも高い位置に配置される。これは、タンク40内の無電解めっき液200に、上述した高温層200aおよび低温層200bからなる温度成層を形成するのに有利である。また、タンク出口42は、高温層200aの
無電解めっき液200を排出できるように、高い位置に配置することが有利である。
図10の実施形態において、タンク40は、第1タンク入口44a付近に配置される第1温度計26aと、第2タンク入口44b付近に配置される第2温度計26bとを備える。第1温度計26aにより、第1タンク入口44aから供給される無電解めっき液200の温度を測定することができる。第2温度計26bにより、第2タンク入口44bから供給される無電解めっき液200の温度を測定することができる。なお、他の実施形態として、第1温度計26aおよび第2温度計26bは、それぞれ第3流路16cおよび第4流路16dに設けてもよい。加熱装置20、冷却装置22、第1温度計26a、および第2温度計26bは、制御装置50と有線/無線により連絡可能である。制御装置50は、第1温度計26aでの温度測定結果に基づいて、第3流路16cを通る無電解めっき液200を予め設定した第1温度になるように加熱装置20を制御する。また、制御装置50は、第2温度計での温度測定結果に基づいて、第4流路16dを通る無電解めっき液200を予め設定した第2温度になるように冷却装置22を制御する。なお、図10においては、加熱装置20は第3流路16cおよびタンク出口42と主めっき槽10aの入口14とを連結する流路の両方に設けているが、一方を省略してもよい。また、主めっき槽10aの入口14付近に温度計を設置してもよい。
図10の実施形態においては、図5〜図9までの実施形態とは異なり、無電解めっき液200の温度成層をめっき槽10あるいは主めっき槽10aに形成するのではなく、循環流路16の途中に別途設けたタンク40内で無電解めっき液200の温度成層を形成するようにしている。そのため、無電解めっき液に温度成層を形成する機能を持たない従来のめっき槽自体を変更することなく、外付けのタンク40を設けて、このタンク40内に温度成層を形成させるようにするだけで、望まないめっき反応が進行することを防止することができる。また、めっき槽に温度成層を形成せずに上述のようなタンク40もない場合、たとえば配管中でめっき液とともに移動する粒子を核としてめっき反応が進行する可能性も想定される。しかし、図10の実施形態においては、配管中に温度成層を形成するタンク40を設けることで、望まないめっき反応を停止させて粒子を捕集でき、めっき槽以外の部分で望まないめっき反応が進行するのを防止することができる。また、めっき槽に温度成層を形成することができない場合に、本実施形態のように外付けのタンク40を設けることで、温度成層を形成するのに最適な条件(タンク40の大きさ、タンク40への流入するめっき液の流速など)を達成することができる。
図11は、一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。図11に示される無電解めっき装置は、図6に示される無電解めっき装置に、図10に示されるタンク40の特徴を組み合わせたものである。
図12は、一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。図12に示される無電解めっき装置は、図8、図9に示される無電解めっき装置に、図10に示されるタンク40の特徴を組み合わせたものである。
図15は、一実施形態による無電解めっき装置の概略構成を示す図である。図15に示される無電解めっき装置は、図11に示される無電解めっき装置に、さらに無電解めっき液に温度成層を形成するためのタンク40が追加されたものである。2つのタンク40は直列に接続されている。他の実施形態として、無電解めっき液に温度成層を形成するための2つ以上のタンク40を直列に接続した構成を採用してもよい。また、無電解めっき液に温度成層を形成するための2つ以上のタンク40を設ける構成は、任意のめっき槽10と組み合わせることができ、たとえば、図5、図10、図12に示されるめっき槽10と組み合わせてもよい。無電解めっき液に温度成層を形成するための2つ以上のタンク40を直列に接続することにより、めっき反応の核となる金属粉100の捕集効率を向上させ
ることができる。
図5〜図12、図15に示される実施形態においては、冷却装置22により無電解めっき液200の温度を下げてからめっき槽10またはタンク40に供給しているが、他の実施形態として、タンク40に無電解めっき液200を供給してからタンク40内の一部の無電解めっき液200の温度を下げるようにしてもよい。たとえば、図16は、一実施形態によるタンク40を示す概略図である。図16のタンク40は、1つのタンク入口44および1つのタンク出口44を備える。図16のタンク40は、底部に冷却装置22を備える。冷却装置22は、タンク40の底部から無電解めっき液200を冷却することができる。冷却装置22は、たとえばペルチェ素子を備えることができる。冷却装置22はタンク40内に配置されて、無電解めっき液200を冷却するものとしてもよく、タンク40の外側に配置されて、タンク40の壁面(たとえば底面)を介してタンク40内の無電解めっき液200を冷却するものとしてもよい。あるいは、タンク40の底面付近からタンク40内に冷却媒体を流す配管を設けて、タンク40の底面付近の無電解めっき液200を冷却するようにしてもよい。無電解めっき液200は1つのタンク入口からタンク40内に供給される。タンク40内に供給された無電解めっき液200は、タンク40の底部付近で冷却装置22により冷却されて、温度成層が形成される。図16に示されるタンク40は、図10〜図12、図15に示される任意のタンク40に採用することができる。また、図示しないが、一実施形態として、めっき槽10の底部に図16で説明したような冷却装置22を設けて、めっき槽10に無電解めっき液を供給した後に冷却装置22でめっき液を冷却するように構成してもよい。
本実施形態による無電解めっき装置を利用した無電解めっき方法の例を説明する。一例として、半導体基板をめっき処理する場合を説明する。なお、以下で説明される無電解めっき方法には、上述の任意の実施形態による無電解めっき装置を使用することができる。
図13は、一実施形態による無電解めっき処理の流れを示すフローチャートである。基板を無電解めっきする場合、基板の活性化処理が行われる(S10)。この活性化処理では、めっき対象物である基板は活性化液に浸漬され、基板表面にめっき反応の核となる触媒が付与される。活性化処理の後には、基板は洗浄処理され、活性化液が除去される(S12)。基板の洗浄が終了すると、基板はめっき槽10に搬送されて、無電解めっき処理が行われる(S14)。無電解めっき処理が終了すると、基板は洗浄される(S16)。その後は、半導体デバイス製造の次の工程に基板を移動させる。
図14は、図13に示される無電解めっき処理(S14)のより詳細な処理の流れの一例を示すフローチャートである。無電解めっき処理を始めるには、めっき槽10に無電解めっき液200を建浴する(S14−2)。無電解めっき液200を建浴する際に、加熱装置20および冷却装置22を用いて、無電解めっき液200に温度成層が形成されるように建浴する。たとえば、図5〜図9、図11、図12、図15に示される無電解めっき装置を使用する場合、無電解めっき処理を行うのに最適な第1温度のめっき液200aを第1入口14aからめっき槽10に供給し、無電解めっき処理が進行しない第2温度のめっき液200bを第2入口14bからめっき槽10に供給する。あるいは、めっき槽10に供給されためっき液を図16で説明したような冷却装置22を用いて無電解めっき液200に温度成層を形成してもよい。また、図10に示される無電解めっき装置を使用する場合、高温である第1温度の無電解めっき液200を主めっき槽10aの入口14およびタンク40の第1タンク入口44aから主めっき槽10aおよびタンク40に供給し、低温の第2温度の無電解めっき液200bを第2タンク入口44bからタンク40へ供給する。図11および図12に示される無電解めっき装置を用いる場合、主めっき槽10aおよびタンク40の両方に無電解めっき液200の温度成層が形成されるように建浴する。一実施形態として、上記の第2温度は、第1温度よりも10℃以上低い温度とすることが
できる。また、図16に示されるタンク40を使用する実施形態においては、タンク40に無電解めっき液を供給するとともに、タンク40内のめっき液の一部を冷却して温度成層を形成してもよい。
無電解めっき液200の建浴ができたら、めっき対象物である半導体基板を無電解めっき液200へ浸漬させる(S14−4)。このとき、半導体基板の表面が無電解めっき液200の液面に垂直になるように、複数の半導体基板をめっき槽10内に平行に配置して無電解めっき処理を行うことができる。あるいは、半導体基板の表面が無電解めっき液200の液面に平行になるように、複数の半導体基板をめっき槽10内に平行に配置してめっき処理を行ってもよい。このとき、図5〜図9、図11、図12、図15に示される実施形態においては、めっき槽10または主めっき槽10aの下方は低温の層200bであり、めっき槽10の上部は高温の層200aとなる温度成層が形成されている。無電解めっき処理を行う高温の層200aに温度グラデーションが存在する場合、温度が高い上部の方がめっきの析出速度が速くなる。そのため、基板をめっき液面に垂直に浸漬させた場合、基板の上方と下方とでめっき速度が変わり、めっき膜にムラができる可能性がある。基板をめっき液面に平行に浸漬させることで、基板の面内ではめっき膜にムラが生じないようにすることができる。複数の半導体基板間のめっき処理速度の違いは、浸漬時間を変更することで調整可能である。
少なくとも無電解めっき処理を行っている間は、めっき槽10内の無電解めっき液200を循環させる(S14−6)。無電解めっき液200の循環は、ポンプ18により循環流路16内で無電解めっき液200を移送することで行われる。また、このとき、制御装置50により、加熱装置20および冷却装置22を制御することで、無電解めっき液200の温度管理を行う。
基板に無電解めっき処理が終了したら、基板をめっき槽10から引き上げる(S14−8)。基板をめっき槽10から引き上げたら、基板を洗浄する(S16)。
以上のように本願発明の実施形態を説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。また、上述の実施形態のそれぞれの特徴は互いに矛盾しない限り組み合わせまたは交換することができる。
10…めっき槽
10a…主めっき槽
10b…オーバーフロー槽
12…出口
14…入口
16…循環流路
18…ポンプ
20…加熱装置
22…冷却装置
24…流量調整弁
26a…温度計
26b…温度計
28…フィルタ
30…底面
32…底上げ面
34…ノズル
40…タンク
42…タンク出口
44a…タンク入口
44b…タンク入口
50…制御装置
100…金属粉
200…無電解めっき液
200a…高温層
200b…低温層

Claims (25)

  1. 無電解めっき装置であって、
    無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽と、
    前記めっき槽から無電解めっき液を排出するための、前記めっき槽に設けられる出口と、
    前記めっき槽へ無電解めっき液を供給するための、めっき槽に設けられる入口と、
    前記出口および前記入口を接続する循環流路と、を有し、
    前記入口は、第1入口と第2入口と、を有し、
    前記循環流路は、前記第1入口に接続される第1流路と、前記第2入口に接続される第2流路と、を有し、
    前記無電解めっき装置は、前記第2流路に配置される、無電解めっき液を冷却するための冷却装置を有する、無電解めっき装置。
  2. 請求項1に記載の無電解めっき装置であって、
    前記冷却装置は、前記第2入口から前記めっき槽へ流入する無電解めっき液の温度が、前記第1入口から前記めっき槽へ流入する無電解めっき液の温度よりも、10℃以上低くなるように制御される、無電解めっき装置。
  3. 請求項2に記載の無電解めっき装置であって、前記無電解めっき装置は、
    前記めっき槽の前記第1入口付近に配置される第1温度計と、
    前記めっき槽の前記第2入口付近に配置される第2温度計と、
    前記冷却装置、前記第1温度計、および前記第2温度計のそれぞれと連絡可能な制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記第2入口から前記めっき槽へ流入する無電解めっき液の温度が、前記第1入口から前記めっき槽へ流入する無電解めっき液の温度よりも、10℃以上低くなるように前記冷却装置を制御するように構成される、無電解めっき装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、
    前記第1入口は、前記第2入口よりも高い位置に配置される、無電解めっき装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、
    前記めっき槽は、
    底面と、
    前記底面よりも高い位置に配置される底上げ面と、
    前記底上げ面から上方に延びる、少なくとも1つのノズルと、を有し、前記ノズルは、前記底面と前記底上げ面との間の空間と、前記底上げ面の上方の空間とを流体連通させ、
    前記第1入口は、前記底面と前記底上げ面との間の空間に無電解めっき液を供給するように配置され、
    前記第2入口は、前記底上げ面と前記ノズルの排出口との間の空間に無電解めっき液を供給するように配置される、無電解めっき装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、さらに、
    前記第1流路に配置される、無電解めっき液を加熱するための加熱装置を有する、無電解めっき装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、
    前記めっき槽は、めっき対象物が浸漬される主めっき槽と、前記主めっき槽から溢れる無電解めっき液を受け取るオーバーフロー槽と、を有する、無電解めっき装置。
  8. 請求項7に記載の無電解めっき装置であって、
    前記出口は前記オーバーフロー槽に設けられる、無電解めっき装置。
  9. 請求項7に記載の無電解めっき装置であって、
    前記出口は、前記主めっき槽に設けられる第1出口と、前記オーバーフロー槽に設けられる第2出口と、を有する、無電解めっき装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、
    前記循環流路の途中に配置される、無電解めっき液を貯留するためのタンクと、
    前記タンクから無電解めっき液を排出するためのタンク出口と、
    前記タンクへ無電解めっき液を供給するためのタンク入口と、を有し、
    前記タンク入口は、第1タンク入口と、第2タンク入口と、を有し、
    前記循環流路は、前記第1タンク入口に接続される第3流路と、前記第2タンク入口に接続される第4流路と、を有し、
    前記無電解めっき装置は、前記第4流路に配置される、無電解めっき液を冷却するための第2冷却装置を有する、無電解めっき装置。
  11. 請求項10に記載の無電解めっき装置であって、
    前記タンクは、複数のタンクを含み、前記複数のタンクの各々は、各々のタンクへ無電解めっき液を供給するための第1タンク入口および第2タンク入口、および、前記複数のタンクの各々から無電解めっき液を排出するためのタンク出口を有し、前記複数のタンクの各々の前記第2タンク入口の一方に接続される流路に冷却装置を有する、無電解めっき装置。
  12. 無電解めっき装置であって、
    無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽と、
    前記めっき槽から無電解めっき液を排出するための出口と、
    前記めっき槽へ無電解めっき液を供給するための入口と、
    前記出口および前記入口を接続する循環流路と、
    前記循環流路の途中に配置される、無電解めっき液を貯留するためのタンクと、
    前記タンクから無電解めっき液を排出するためのタンク出口と、
    前記タンクへ無電解めっき液を供給するためのタンク入口と、を有し、
    前記タンク入口は、第1タンク入口と、第2タンク入口と、を有し、
    前記循環流路は、前記第1タンク入口に接続される第1流路と、前記第2タンク入口に接続される第2流路と、を有し、
    前記無電解めっき装置は、前記第2流路に配置される、無電解めっき液を冷却するための冷却装置を有する、無電解めっき装置。
  13. 請求項12に記載の無電解めっき装置であって、
    前記冷却装置は、前記第2タンク入口から前記タンクへ流入する無電解めっき液の温度が、前記第1タンク入口から前記タンクへ流入する無電解めっき液の温度よりも、10℃以上低くなるように制御される、無電解めっき装置。
  14. 請求項13に記載の無電解めっき装置であって、前記無電解めっき装置は、
    前記タンクの前記第1タンク入口付近に配置される第1温度計と、
    前記タンクの前記第2タンク入口付近に配置される第2温度計と、
    前記冷却装置、前記第1温度計、および前記第2温度計のそれぞれと連絡可能な制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記第2タンク入口から前記タンクへ流入する無電解めっき液の温度が、前記第1タンク入口から前記タンクへ流入する無電解めっき液の温度よりも、10℃以上低くなるように前記冷却装置を制御するように構成される、無電解めっ
    き装置。
  15. 請求項12乃至14のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、
    前記第1タンク入口は、前記第2タンク入口よりも高い位置に配置される、無電解めっき装置。
  16. 請求項12乃至15のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、さらに、
    前記入口から前記めっき槽へ供給される無電解めっき液を加熱するための加熱装置を有する、無電解めっき装置。
  17. 請求項12乃至16のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、
    前記めっき槽は、めっき対象物が浸漬される主めっき槽と、前記主めっき槽から溢れる無電解めっき液を受け取るオーバーフロー槽と、を有する、無電解めっき装置。
  18. 請求項17に記載の無電解めっき装置であって、
    前記めっき槽の前記出口は前記オーバーフロー槽に設けられる、無電解めっき装置。
  19. 請求項12乃至18のいずれか一項に記載の無電解めっき装置であって、
    前記タンクは、複数のタンクを含み、前記複数のタンクの各々は、各々のタンクへ無電解めっき液を供給するための第1タンク入口および第2タンク入口、および、前記複数のタンクの各々から無電解めっき液を排出するためのタンク出口を有し、前記複数のタンクの各々の前記第2タンク入口の一方に接続される流路に冷却装置を有する、無電解めっき装置。
  20. 無電解めっき方法であって、
    無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽に無電解めっき液を供給するステップと、
    前記めっき槽内の無電解めっき液に、相対的に温度の高い領域と温度の低い領域とからなる温度成層を形成するステップと、
    を有する、無電解めっき方法。
  21. 請求項20に記載の無電解めっき方法であって、前記温度成層を形成するステップは、
    めっき槽に相対的に温度の高い無電解めっき液を供給するステップと、
    めっき槽に相対的に温度の低い無電解めっき液を供給するステップと、
    を有する、無電解めっき方法。
  22. 請求項20または21に記載の無電解めっき方法であって、
    無電解めっき液の相対的に温度の高い領域と温度の低い領域との温度差が10℃以上である、無電解めっき方法。
  23. 無電解めっき方法であって、
    無電解めっき液を貯留してめっき対象物にめっき処理を行うためのめっき槽に無電解めっき液を供給するステップと、
    前記めっき槽から無電解めっき液を貯留するためのタンクに無電解めっき液を供給するステップと、
    前記タンク内の無電解めっき液に、相対的に温度の高い領域と温度の低い領域とからなる温度成層を形成するステップと、
    を有する、無電解めっき方法。
  24. 請求項23に記載の無電解めっき方法であって、前記温度成層を形成するステップは、
    タンクに相対的に温度の高い無電解めっき液を供給するステップと、
    タンクに相対的に温度の低い無電解めっき液を供給するステップと、
    を有する、無電解めっき方法。
  25. 請求項23または24に記載の無電解めっき方法であって、
    無電解めっき液の相対的に温度の高い領域と温度の低い領域との温度差が10℃以上である、無電解めっき方法。
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