JP6703714B2 - 眼鏡レンズ素材 - Google Patents

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本発明は、近赤外線遮蔽剤を含有する眼鏡レンズ素材に係る発明である。
近赤外線は、眼に入ると水晶体に吸収され、白内障を引き起こすおそれがある。このため、眼鏡レンズ素材は、眼に入る近赤外線の透過を低減することのできるものが好ましい。近赤外線の透過を低減することができる眼鏡レンズ素材として、多層の金属蒸着膜を備えた眼鏡レンズ素材、近赤外線遮蔽剤を含有する眼鏡レンズ素材などがある。
特許文献1に記載された光学要素では、多層の金属蒸着膜の一つの層に銀(Ag)蒸着膜を備えることにより近赤外線の透過を低減可能なものとしている。特許文献2に記載された光選択透過フィルターでは、多層膜の一つの層に近赤外線遮蔽剤としてフタロシアニン系色素を含有させることにより近赤外線の透過を低減可能なものとしている。また、特許文献3に記載されたポリカーボネート樹脂組成物では、ポリカーボネート樹脂に近赤外線遮蔽剤として複合タングステン酸化物粒子を含有させることにより近赤外線の透過を低減可能なものとしている。
特開2013−11711号公報 特開2016−81056号公報 特開2011−168636号公報
しかしながら、特許文献1に記載された光学要素では、銀が反応性に富むため、多層膜形成の際の工程管理がシビアとなり、簡便に製造することができないという問題があった。特許文献2に記載された光選択透過フィルターでは、有機化合物であるフタロシアニン系色素が耐候性に劣るため、耐久性が劣るという問題があった。また、特許文献3に記載された樹脂組成物では、低屈折率のポリカーボネート樹脂への複合タングステン酸化物粒子の分散可能性は確認されているものの、高屈折率のチオウレタン樹脂への分散可能性まで確認されているものではなく、視力矯正を目的とする眼鏡レンズ素材として適するものではなかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、近赤外線の透過を低減することができ、簡便に製造することができ、耐久性を有し、視力矯正が可能な眼鏡レンズ素材を提供することを目的とする。
本発明の眼鏡レンズ素材は、イソシアネート組成物とチオール組成物とが熱硬化したチオウレタン樹脂からなる眼鏡レンズ素材であって、該イソシアネート組成物が複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤を含有することを特徴とする。
複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤は、耐久性を有するものの、合成樹脂への分散性が悪く、合成樹脂に混合した際に分散しない所謂“ままこ”が生じやすいものであった。これに対して、本願発明者らは、高屈折率のチオウレタン樹脂を構成するイソシアネート組成物が複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤の分散性を有することを見出し、これにより、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤を含有する眼鏡レンズ素材を簡便に製造することができることを見出したものである。本発明の眼鏡レンズ素材によれば、近赤外線の透過を低減することができ、簡便に製造することができ、耐久性を有し、視力矯正が可能な眼鏡レンズ素材を提供することができる。
ここで、前記イソシアネート組成物が紫外線吸収剤を含有するものとすることができる。これによれば、眼鏡レンズ素材は、近赤外線の透過を低減することができることに加え、人体に有害な紫外線の透過を低減することができる。
また、本発明の眼鏡レンズ素材は、前記複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤が、有機溶媒に分散されて前記イソシアネート組成物に含有されているものとすることができる。これによれば、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤が有機溶媒に分散されているためイソシアネート組成物への分散性に優れ、眼鏡レンズ素材は、より簡便に製造することができる。
また、本発明の眼鏡レンズ素材は、前記有機溶媒の比誘電率(εr)が10〜20であるものとすることができる。これによれば、有機溶媒がチオウレタン樹脂の硬化を阻害することなく揮発するため、眼鏡レンズ素材は、生産効率に優れるものとすることができる。
また、本発明の眼鏡レンズ素材は、780〜2500nmにおける日射透過率が40%以下であり、視感透過率が70%以上であるものとすることができる。これによれば、眼鏡レンズ素材は、視感透過率が70%以上であるため視界が妨げられることがないものでありながら、780〜2500nmにおける日射透過率が40%以下であるため近赤外線の透過を低減することができる。
また、本発明の眼鏡レンズ素材は、780〜2500nmにおける日射透過率が40%以下であり、視感透過率が70%以上であり、380〜400nmにおける平均分光透過率が10%以下であるものとすることができる。これによれば、眼鏡レンズ素材は、視感透過率が70%以上であるため視界が妨げられることがないものでありながら、780〜2500nmにおける日射透過率が40%以下であるため近赤外線の透過を低減することができ、380〜400nmにおける平均分光透過率が10%以下であるため紫外線の透過を低減することができる。
本発明の眼鏡レンズ素材によれば、近赤外線の透過を低減することができ、簡便に製造することができ、耐久性を有し、視力矯正が可能な眼鏡レンズ素材を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。実施形態の眼鏡レンズ素材は、イソシアネート組成物とチオール組成物とが熱硬化したチオウレタン樹脂からなる眼鏡レンズ素材であって、該イソシアネート組成物が複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤を含有することを特徴とする眼鏡レンズ素材である。
複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤は、Aabcで表わされる複合酸化物であり、近赤外線に対して吸収及び遮蔽効果を有しつつ、可視光線に対して高い透過率を有する特定波長吸収剤である。Wはタングステンであり、Oは酸素であり、Aは、アルカリ金属、アルカリ土類金属のうちから選択される元素である。より好ましくは、Aは、アルカリ金属から選択される元素であり、さらに好ましくは、セシウム(Cs)である。近赤外線に対して好適に吸収及び遮蔽効果を発揮することができるためである。a,b,cは、0.001≦a/b≦1、2≦c/b≦4の関係を満たす。より好ましくは、a,b,cの関係は、0.01≦a/b≦0.6、2.5≦c/b≦3.5であり、さらに好ましくは、0.1≦a/b≦0.4、2.8≦c/b≦3.2である。近赤外線に対して好適に吸収及び遮蔽効果を発揮することができるためである。
複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤の平均粒子径(メジアン径d50)は、0.1〜500nmであることが好ましい。イソシアネート組成物への分散性により優れるためである。平均粒子径が0.1nm未満だと、イソシアネート組成物への分散性が劣るおそれがある。一方、500nmを超えると、眼鏡レンズ素材の可視光透過が阻害されるおそれがある。より好ましくは、平均粒子径は、0.5〜200nmであり、さらに好ましくは、0.8〜100nmである。
複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤のチオウレタン樹脂(眼鏡レンズ素材)への添加量は、チオウレタン樹脂に対して0.001〜1.0質量%が好ましい。近赤外線を効率よく遮蔽することができるためである。複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤の添加量が0.001質量%未満である場合には、近赤外線を十分に遮蔽することができないおそれがある。一方、1.0質量%を超えると、過剰な添加量となり、近赤外線ばかりか可視光までも遮蔽してしまい、視感透過率が劣るおそれがある。より好ましくは、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤のチオウレタン樹脂への添加量は、0.002〜0.5質量%であり、さらに好ましくは、0.01〜0.2質量%である。
複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤は、イソシアネート組成物に分散可能であるものの、僅かながら分散しない“ままこ”が残ることがあるため、有機溶媒に分散されていることがより好ましい。複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤が有機溶媒に分散されることによって、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤の粒子を粒子ごとに確実にイソシアネート組成物に分散させることができるためである。なお、分散には、ビーズミルなどの液中分散機を使用することができる。
複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤を分散させる有機溶媒は、比誘電率(εr)が10〜20である有機溶媒が好ましい。有機溶媒がチオウレタン樹脂の硬化を阻害することなく揮発するため、生産効率に優れるものとすることができるからである。比誘電率が10未満の有機溶媒は、イソシアネート組成物又はチオウレタン樹脂組成物との相溶性が高いために揮発しにくく、チオウレタン樹脂(眼鏡レンズ素材)に残存するおそれがある。一方、比誘電率が20を超える有機溶媒は、親水基が多くなり、チオウレタン樹脂組成物の硬化阻害を招くおそれがある。比誘電率(εr)が10〜20である有機溶媒として、メチルエチルケトン(εr=18.4)、メチルイソブチルケトン(εr=13.1)、ブチルメチルケトン(εr=16.4)、メチルフェニルケトン(εr=17.4)、メチルジクロライド(εr=12.9)、ブチルジクロライド(εr=15.5)などを好適に使用することができる。これらの中でもカルボニル基を有する、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、メチルフェニルケトンを、より好んで使用することができる。なお、有機溶媒は、混合溶液であっても複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤を分散させる有機溶媒として使用することができる。混合溶液の比誘電率は、既知の混合溶液の比誘電率の求め方によって得ることができる。
複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤を有機溶媒に分散させた溶液(以下、近赤外線遮蔽剤分散液とすることがある。)の有機溶媒と複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤の混合比率は、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤1質量部に対して、有機溶媒が2〜6質量部であることが好ましい。近赤外線遮蔽剤分散液が、沈降し難く、有機溶媒が過剰とならないためである。複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤1質量部に対して、有機溶媒が2質量部未満の混合比率である場合には、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤が有機溶媒に分散しても、経時的に沈降するおそれがある。一方、有機溶媒が6質量部を超える混合比率である場合には、有機溶媒が過剰となる。より好ましくは、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤1質量部に対して、有機溶媒が4〜5質量部である。また、近赤外線遮蔽剤分散液には、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤の分散安定性を改善する粘性調整剤、分散剤、界面活性剤などを必要に応じて配合させることができる。
イソシアネート組成物には、紫外線吸収剤を含有させることができる。これによれば、眼鏡レンズ素材は、近赤外線の透過を低減することができることに加え、人体に有害な紫外線の透過を低減することができるものとなる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレート系、立体障害アミン系、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレート系、ヒドロキシフェニルトリアジン系等を挙げることができる。これらの内で、吸収ピーク波長が近紫外線域にある280〜400nmのものを得易いベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の分子量は、300〜550であるものをより好んで使用することができる。分子量が300〜550であることによって、樹脂への相溶性に優れるものとなるからである。分子量が300未満だと、チオウレタン樹脂の加熱硬化時に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が蒸散するおそれがある。一方、分子量が550を超えると、チオウレタン樹脂(眼鏡レンズ素材)への分散性が劣るおそれがある。より好ましくは、分子量は400〜530であり、さらに好ましくは、分子量は440〜510である。
具体的な上記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6'−t−ブチル−4'−メチル−2,2'−メチレンビスフェノール、2,2'-メチレンビス[6-(ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを使用することができる。
紫外線吸収剤のチオウレタン樹脂(眼鏡レンズ素材)に対する含有量は、0.1〜3.0質量%であることが好ましい。紫外線を十分にカットすることができるためである。紫外線吸収剤の含有量が0.1質量%未満の場合には、紫外線を十分にカットすることができないおそれがある。一方、3.0質量%を超えると、紫外線を十分にカットすることができるものの、カットする効果が頭打ちとなり、過剰な添加量となるおそれがある。より好ましくは、紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜2.0質量%であり、さらに好ましくは、0.8〜1.5質量%である。
チオウレタン樹脂とは、ポリウレタン結合(-NHCOO-)の酸素原子の少なくとも1個が硫黄原子に入れ替わった結合(-NHCOS-、-NHCSO-、-NHCSS-)を有するポリマー(樹脂)を意味する。該樹脂材料としては、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、ポリイソチオシアネートチオイソシアネートより選ばれる1種または2種以上とイソシアネート成分と、ポリチオールおよび適宜ポリオールより選ばれる1種または2種以上の公知の活性水素化合物成分とを組み合わせた重合性成分を好適に使用できる。チオウレタン樹脂は、高屈折率(1.6以上)であるため、視力矯正を目的とした眼鏡レンズ素材の基材の使用に適しているものである。
ここでポリイソシアネートとしては、脂肪族系、脂環式系、芳香族系及びそれらの誘導体さらにはそれらの炭素鎖の一部に硫黄を導入したスルフィド・ポリスルフィド・チオカルボニル(チオケトン)誘導体を母体化合物とするものを挙げることができる。これらのうちで、耐紫外線劣化の見地から、脂肪族系又は脂環式系のポリイソシアネートが望ましい。イソシアネートとして、2,5(又は2,6)-ビシクロ[2,2,1]ヘプタンビス(メチルイソシアネート)、m-キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4,1シクロヘキシレン)ジイソシアネートなどを使用することができる。
ポリチオールとしては、同様に脂肪族系、脂環式系、芳香族系及びそれらの誘導体さらにはそれらの炭素鎖の一部に硫黄を導入したスルフィド・ポリスルフィド・チオカルボニル(チオケトン)誘導体を母体化合物とするものを挙げることができる。ポリチオールとして、4,7(5,7又は4,8)-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチオ-1,11-ウンデカンジチオール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネ−ト)などを使用することができる。
なお、チオウレタン樹脂には、市販品(イソシアネート組成物及びチオール組成物のセット)を使用することができる。また、チオウレタン樹脂には、その他添加剤として、劣化防止剤、内部離型剤、硬化触媒などを添加することができる。
劣化防止剤とは、チオウレタン樹脂(眼鏡レンズ素材)が分解・劣化し易い280〜320nmの光を吸収しつつ、チオウレタン樹脂が光や熱によって分解・劣化する際に生じるアルキルラジカル(R・:Rはアルキル鎖)やパーオキシラジカル(ROO・)、過酸化物(ROOH)を捕捉または分解することで、樹脂の劣化が加速度的に進行するのを抑制するものである。劣化防止剤としては、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレート系、立体障害アミン系、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレート系、ヒドロキシフェニルトリアジン系等を挙げることができる。劣化防止剤は、樹脂の種類に応じて適したものを添加することができる。
内部離型剤とは、成形型を用いて、チオウレタン樹脂から有機ガラス基材(眼鏡レンズ素材)を成形した後の脱型の際に、成形型からの抜けを良くするために加える添加剤であり、内部離型剤として汎用品を使用することができる。
硬化触媒(硬化剤)とは、有機ガラス基材を成形するチオウレタン樹脂を硬化(重合)させる添加剤であり、過酸化物系の重合開始剤など、チオウレタン樹脂の硬化に適したものを使用することができる。
チオウレタン樹脂は、イソシアネート組成物に、近赤外線遮蔽剤(及び紫外線吸収剤)並びにその他添加剤を規定量添加し、十分に撹拌されることによって、チオウレタン樹脂の原液となる。このとき、イソシアネート組成物が複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤の分散性を有するため、容易に撹拌することができる。なお、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤が有機溶媒に分散された近赤外線遮蔽剤分散液を使用することにより、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤の分散性を優れたものとすることができる。
眼鏡レンズ素材となる有機ガラス基材の成形は、研磨法、注型成形法などの一般的な成形方法を使用することができる。研磨法は、有機ガラス基材を成形するチオウレタン樹脂の原液を適した条件によりブロック状の樹脂に成形させた後に、ブロック状の樹脂を求めるレンズ設計に合わせて研磨する方法である。注型成形法は、凹凸レンズを例に採ると、凹面側モールドと凸面側モールドとを必要とする間隔をおいて、モールドの周面をテーピングやガスケットを用いてシールしキャビティを形成し、キャビティに有機ガラス基材を成形するチオウレタン樹脂の原液を注入・硬化させ、必要に応じて、有機ガラス基材を研磨する方法である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例において使用した、近赤外線遮蔽剤の詳細を表1に記載し、紫外線吸収剤の詳細を表2に記載する。実施例(試験例)となるチオウレタン樹脂(眼鏡レンズ素材)の配合を表3に記載する。
Figure 0006703714
表1に記載の平均粒子径は、メジアン径(d50)である。表1に記載の分散媒は、MIBKがメチルイソブチルケトン、MeOHがメタノールである。
Figure 0006703714
Figure 0006703714
表3に記載の有機ガラス基材(眼鏡レンズ素材)は、樹脂A,Bごとに以下のように調整した。なお、調整の際に近赤外線遮蔽剤の分散性を目視で確認した。
樹脂Aは、2,5(又は2,6)-ビシクロ[2,2,1]ヘプタンビス(メチルイソシアネート)を含有するポリイソシアネート組成物49.7質量部に、硬化触媒としてジブチルチンジクロライド0.05質量部、内部離型剤としてアルキルリン酸エステル(アルコールC8〜C12)塩0.1質量部に、調色のためソルベントブルー33を30ppm、ソルベントレッド117を1.5ppm加え、表3に記載の近赤外線遮蔽剤と紫外線吸収剤を規定量添加し、液温20℃、窒素ガス雰囲気下で1時間充分に撹拌した。その後に4,7(5,7又は4,8)-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチオ-1,11-ウンデカンジチオールを含有するポリチオール組成物25.9質量部と、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)24.4質量部を添加し、液温20℃、窒素ガス雰囲気下で1時間充分に撹拌した。そして、真空ポンプを用いて液温20℃、1.33×102 Pa (1 Torr)で撹拌しながら1時間脱気し、5μmフィルターでろ過して屈折率1.60のポリチオウレタン系レンズ樹脂Aを調製した。
樹脂Bは、m-キシリレンジイソシアネート50.6質量部に、硬化触媒としてジブチルチンジクロライド0.003質量部、内部離型剤としてアルキルリン酸エステル(アルコールC8〜C12)塩0.1質量部に、調色のためソルベントブルー33を65ppm、ソルベントレッド117を3ppm加え、表3に記載の近赤外線遮蔽剤と紫外線吸収剤を規定量添加し、液温20℃、窒素ガス雰囲気下で1時間充分に撹拌した。その後に4,7(5,7又は4,8)-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチオ-1,11-ウンデカンジチオールを含有するポリチオール組成物49.4質量部添加し、液温20℃、窒素ガス雰囲気下で30分間充分に撹拌した。そして、真空ポンプを用いて液温20℃、1.33×102 Pa (1 Torr)で撹拌しながら30分脱気し、5μmフィルターでろ過して屈折率1.67のポリチオウレタン系レンズ樹脂Bを調製した。
有機ガラス基材の成形は、注型成形法で行い、成形型は、凸面側モールドと凹面側モールドとをレンズの中心の間隔が2.0mmとなるように粘着テープ(PET)でテーピングをして、有機ガラス基材成形用のキャビティを有する成形型を作成した。
眼鏡レンズ素材となるチオウレタン樹脂は、表3の配合で混合されたものが成形型に注入され、加熱硬化させることによって成形した。加熱条件は、樹脂Aが25℃から130℃まで16時間かけて昇温させ130℃で2時間保持した後に室温まで冷却する、樹脂Bが25℃から120℃まで16時間かけて昇温させ120℃で4時間保持した後に室温まで冷却するとした。
脱型した後、有機ガラス基材は、凹面と外周とが切削・研磨され、直径70mmのSPH(球面(D))が−8.00の眼鏡用素材(眼鏡レンズ)とした。これらについて、光学特性評価性能として、視感透過率(380〜780nm)、平均分光透過率(380〜400nm)及び日射透過率(780〜2500nm)を測定し、耐久性の評価として、耐熱性試験及び耐UV性試験による評価を行った。これらの評価方法と近赤外線遮蔽剤の分散性の評価方法を以下に記載する。
<分散性>
分散性は、近赤外線遮蔽剤の分散性を目視で確認し、以下のように評価した。○:全ての粒子が均一に分散している、△:分散していない“ままこ”が存在(20%以下)し、“ままこ”の全てがフィルターでろ過できる、×:分散していない“ままこ”が存在(20%を超える)し、“ままこ”がフィルターでろ過できない。
<視感透過率(380〜780nm)>
分光透過率測定値(眼鏡レンズ素材の波長ごとの光に対する透過率)を以下の装置で測定し、以下の規格に準拠して求めた。なお、測定位置は、光学特性の測定であることから、眼鏡レンズ素材の幾何中心とした。
・装置:分光光度計U−4100(株式会社日立ハイテクサイエンス製)
・規格:屈折補正用眼鏡レンズの透過率の仕様及び試験方法(JIS T 7333:2005)
そして、視感透過率(380〜780nm)は、以下のように評価した。○:80%以上、△:70%以上80%未満、×:70%未満。視感透過率は、低いと視界が悪くなるため、視感透過率は、その数値が高い方が良い評価となる。
<平均分光透過率(380〜400nm)>
上記の装置と規格を用いて、380〜400nm間の各波長の分光透過率測定し、その平均値を求めた。そして、平均分光透過率(380〜400nm)は、以下のように評価した。○:5%以下、△:5%を超え10%以下、×:10%を超える。紫外線は、目に入ると白内障や黄斑変性症を引き起こすおそれがあるため、平均分光透過率(380〜400nm)は、その数値が低い方が良い評価となる。
<日射透過率(780〜2500nm)>
780〜2500nm間の各波長の分光透過率を以下の装置で測定し、以下の規格に準拠して求めた。
・装置:分光光度計U−4100(株式会社日立ハイテクサイエンス製)
・規格:板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法(JIS R 3106:1998)
そして、日射透過率(780〜2500nm)は、以下のように評価した。○:30%以下、△:30%を超え40%以下、×:40%を超える。近赤外線は、目に入ると白内障を引き起こすおそれがあるため、日射透過率(780〜2500nm)は、その数値が低い方が良い評価となる。
<耐熱性試験>
有機ガラス基材を130℃で1時間加熱し、加熱前後の色差(ΔE)を以下の規格に準拠して測定した。
・規格:色の表示方法−XYZ表色系及びX101010表色系(JIS Z 8701:1999)
そして、色差(ΔE)は、以下のように評価した。○:2以下、△:2を超え5以下、×:5を超える。色差(ΔE)は、その数値が大きいほど加熱前後の色の差が大きくなるため、その数値が低い方が良い評価となる。
<耐UV性試験>
有機ガラス基材をUV照射(退色試験用水銀ランプ(400W)から300mmの距離で24時間照射)し、照射前後の日射透過率(780〜2500nm)を測定し、その変化率(%)を求めた。
そして、変化率(%)は、以下のように評価した。○:10%以下、△:10%を超え20%以下、×:20%を超える。変化率(%)は、その数値が大きいほどUV照射前後の日射透過率(780〜2500nm)の差が大きくなるため、その数値が低い方が良い評価となる。
以下に、試験例の結果を記載する。なお、試験例1〜6が実施例であり、試験例7〜9が比較例である。
(試験例1)
試験例1は、ベストモードとなる実施例であり、樹脂A(チオウレタン系熱硬化性樹脂)に、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤をMIBKに分散させたIRS1とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であるUVA1を添加したものである。近赤外線遮蔽剤分散液のIRS1は、MIBKに分散されているため、イソシアネート組成物に均一に分散させることができた。眼鏡レンズ素材は、視感透過率が高いため視界が確保されており、紫外線平均分光透過率が低く紫外線が十分にカットされ、日射透過率が低く近赤外線が十分に遮蔽されていた。また、耐熱性試験の加熱前後の色差は小さく、耐UV性試験にて照射後の近赤外線遮蔽効果に遜色は見られなかった。
(試験例2)
試験例2は、試験例1と比較して、樹脂を樹脂B(チオウレタン系熱硬化性樹脂)に変更し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤をUVA2に変更したものである。分散性、視感透過率、紫外線平均分光透過率、日射透過率及び耐熱性試験は、試験例1同様に良好であったものの、耐UV性試験の照射後の近赤外線遮蔽効果が僅かながら劣るものであった。
(試験例3)
試験例3は、試験例1と比較して、紫外線吸収剤を添加しなかったものである。分散性、視感透過率、日射透過率及び耐熱性試験及び耐UV性試験は、試験例1同様に良好であったものの、紫外線吸収剤が含有されていないため、紫外線平均分光透過率がやや高く紫外線が十分にカットされなかった。
(試験例4)
試験例4は、試験例1と比較して、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤をトルエンに分散させたIRS2に変更したものである。分散性、視感透過率、紫外線平均分光透過率及び日射透過率は、試験例1同様に良好であったものの、トルエンが全て揮発しなかったためか、耐熱性試験の加熱前後の色差がやや大きく、耐UV性試験の照射後の近赤外線遮蔽効果が僅かながら劣るものであった。なお、表中には記載しなかったが、トルエンが全て揮発しなかったためか、試験例4の眼鏡レンズ素材は、耐衝撃性試験などの評価による強度がやや劣るものであった。
(試験例5)
試験例5は、試験例1と比較して、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤をメタノールに分散させたIRS3に変更したものである。分散性、視感透過率、紫外線平均分光透過率及び日射透過率は、試験例1同様に良好であったものの、メタノールに起因する硬化不良が僅かに確認でき、耐熱性試験の加熱前後の色差がやや大きく、耐UV性試験の照射後の近赤外線遮蔽効果が僅かながら劣るものであった。
(試験例6)
試験例6は、試験例1と比較して、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤を粉体状のIRS4に変更したものである。IRS4は、イソシアネート組成物に分散可能であるものの、分散性がやや劣り、分散しない“ままこ”が確認できた。なお、“ままこ”の量は少なく、フィルターで除去が可能な量であった。視感透過率及び紫外線平均分光透過率は、試験例1同様に良好であったものの、日射透過率がやや大きく、耐熱性試験の加熱前後の色差がやや大きく、耐UV性試験の照射後の近赤外線遮蔽効果が僅かながら劣るものであった。未分散の複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤が除去されたことにより、眼鏡レンズ素材に規定量の複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤が含有されなかったことが原因と考えられる。
(試験例7)
試験例7は、試験例1と比較して、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤に替えて粉体状の酸化チタンのIRS5を用いたものである。分散性、視感透過率、紫外線平均分光透過率及び日射透過率は、試験例1同様に良好であったものの、耐熱性試験の加熱前後の色差が大きく、耐UV性試験の照射後の近赤外線遮蔽効果が劣るものであった。複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤と比較して、酸化チタンの近赤外線遮蔽効果が劣ることが原因と考えられる。
(試験例8)
試験例8は、試験例1と比較して、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤に替えて粉体状のアミニウム塩系化合物のIRS6を用いたものである。分散性、視感透過率及び紫外線平均分光透過率は、試験例1同様に良好であったものの、日射透過率が大きく、耐熱性試験の加熱前後の色差が大きく、耐UV性試験の照射後の近赤外線遮蔽効果が劣るものであった。複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤と比較して、アミニウム塩系化合物の近赤外線遮蔽効果と耐久性が劣ることが原因と考えられる。なお、アミニウム塩系化合物は、テトラキス(アミノフェニル)フェニレンジアミンの誘導体の一つである。
(試験例9)
試験例9は、試験例1と比較して、複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤に替えて粉体状のフタロシアニン系化合物のIRS7を用いたものである。分散性、視感透過率及び紫外線平均分光透過率は、試験例1同様に良好であったものの、日射透過率が大きく、耐熱性試験の加熱前後の色差が大きく、耐UV性試験の照射後の近赤外線遮蔽効果が劣るものであった。複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤と比較して、フタロシアニン系化合物の近赤外線遮蔽効果と耐久性が劣ることが原因と考えられる。

Claims (6)

  1. イソシアネート組成物とチオール組成物とが熱硬化したチオウレタン樹脂からなる眼鏡レンズ素材であって、
    該イソシアネート組成物が複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤を含有することを特徴とする眼鏡レンズ素材。
  2. 前記イソシアネート組成物が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズ素材。
  3. 前記複合タングステン酸化物近赤外線遮蔽剤が、有機溶媒に分散されて前記イソシアネート組成物に含有されていることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズ素材。
  4. 前記有機溶媒の比誘電率(εr)が10〜20であることを特徴とする請求項3に記載の眼鏡レンズ素材。
  5. 780〜2500nmにおける日射透過率が40%以下であり、視感透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡レンズ素材。
  6. 780〜2500nmにおける日射透過率が40%以下であり、視感透過率が70%以上であり、380〜400nmにおける平均分光透過率が10%以下であることを特徴とする請求項2に記載の眼鏡レンズ素材。
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