JP6234846B2 - テトラアザポルフィリン二量体化合物、その製造方法及び用途 - Google Patents
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Description
しかしながらネオジム化合物等の無機希土類金属化合物はガラスレンズには配合が容易であるが、近年では眼鏡レンズの素材としてプラスチックが主に使用される様になっており、無機希土類金属化合物は均一透明に樹脂中に分散混合が出来ないという問題がある。
特許文献5には合わせガラス用中間膜にテトラアザポルフィリン化合物を含有させて560〜635nm付近の光をカットし、防眩性や視認性を高める技術が開示されている。
しかしながら、テトラアザポルフィリン化合物を用いたこれら防眩性物品は耐久性が十分ではなく、特にいずれも太陽光など強い光に対して長時間使用されるものであるため、耐光性、耐熱性などの耐久性の改善が求められている。
なお、特許文献6には、アセチレン結合により連結されたポルフィリン連結体が、また特許文献7には、軸不斉フタロシアニン化合物二量体が開示されているが、いずれも本発明のテトラアザポルフィリン二量体化合物とは基本的構造も、特性も全く異なるものである。
(i)一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物、
[式(1)中、R1〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、アルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、X1、X2はそれぞれ独立に、酸素原子、または硫黄原子を示し、A1、A2はアルキレン基、または置換若しくは非置換のアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはアルキレン基を示し、n、pはそれぞれ独立に0または1の整数を示す。Mは2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
(ii) MがCu、Zn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Mn、Mg、Mn(OH)、Mn(OH)2、VO、またはTiOである、(i)のテトラアザポルフィリン二量体化合物、
[式(2)中、R15〜R21はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、Zはハロゲン原子を示し、Mは2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
[式(3)中、X1、X2はそれぞれ独立に、酸素原子、または硫黄原子を示し、A1、A2はアルキレン基、または置換若しくは非置換のアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはアルキレン基を示し、n、pはそれぞれ独立に0または1の整数を示す。]
(viii)熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリビニルアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、熱硬化性樹脂がポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂およびアリルジグリコールカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種である(vii)の樹脂組成物、
[式(4)中、R22 〜R32はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示す。]
[式(5)中、R33〜R41はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、R38〜R41から選ばれる互いに隣接する基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換若しくは非置換の5員環以上の環を形成していてもよい。]
[式(6)中、R42〜R49はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示す。ただしR42〜R49の少なくとも1つは必ず置換若しくは非置換のアリールチオ基である。]
(xi)防眩用光学物品である、(x)の成形体、
(xii)眼鏡レンズである、(x)または(xi)の成形体、
(xiii)合わせガラス用中間膜である、(x)または(xi)の成形体、
に関する。
また、本発明のテトラアザポルフィリン二量体化合物を用いることにより、眩しさやギラツキを防ぎ、コントラストを高め、また耐久性が高くその効果を長時間維持することができる樹脂組成物およびその成形体である防眩用光学物品を提供することが可能となった。
[テトラアザポルフィリン二量体化合物]
本発明のテトラアザポルフィリン二量体化合物は、一般式(1)で表される。
[式(1)中、R1〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、アルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、X1、X2はそれぞれ独立に、酸素原子、または硫黄原子を示し、A1、A2はアルキレン基、または置換若しくは非置換のアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはアルキレン基を示し、n、pはそれぞれ独立に0または1の整数を示す。Mは2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
R1〜R14はより好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲノアルキル基、炭素数7〜12の非置換のアラルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のハロゲノアルコキシ基、1〜8のアルキルチオ基、炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜12の非置換若しくは置換基としてハロゲン原子を有するアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、または炭素数6〜12のアリールチオ基である。
R1〜R14は最も好ましくは、水素原子または炭素数1〜8の分岐アルキル基であって、かつR2とR3、R4とR5、R6とR7、R9とR10、R11とR12、R13とR14の各ペアにおいて、一方が水素原子であり他方が炭素数1〜8の分岐アルキル基である。
R1〜R14がハロゲン原子であるものとしては塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、臭素原子、フッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
R1〜R14がアルキル基であるものとしては、直鎖、分岐または環状のいずれのアルキル基であっても良い。アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。特に炭素数3〜8のiso-アルキル基、炭素数4〜8のsec−アルキル基、炭素数4〜8のtert-アルキル基或いはシクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、tert-ブチル基がより好ましい。
R1〜R14がハロゲノアルキル基であるものとしては、アルキル部分が直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。
ハロゲノアルキル基の例としてはフルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、6−フルオロヘキシル基、8−フルオロオクチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル基、1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル基、2−ヒドロ−パーフルオロ−2−プロピル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシル基、6−フルオロヘキシル基、4−フルオロシクロヘキシル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−デシル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ドデシル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキサデシル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、ジクロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロシクロヘキシル基、7−クロロヘプチル基、8−クロロオクチル基、2,2,2−トリクロロエチル基などの直鎖、分岐または環状のハロゲノアルキル基が挙げられる。特にパーフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
R1〜R14がアルコキシアルキル基であるものとしては、アルコキシ部分および/またはアルキル基部分のアルキルが、直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。
R1〜R14がハロゲノアルコキシアルキル基であるものとしては、アルコキシ部分および/またはアルキル基部分のアルキルが、直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。
特に炭素数1〜8のハロゲノアルコキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のハロゲノアルコキシアルキル基がより好ましい。
置換若しくは非置換のアラルキル基の例としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−ジメチルフェネチル基、4−メチルフェネチル基、4−メチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−ベンジルベンジル基、4−フェネチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−n−テトラデシルオキシベンジル基、4−n−ヘプタデシルオキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−メトキシメチルベンジル基、4−ビニルオキシメチルベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、4−フェネチルオキシベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル基、4−フルオロベンジル基、3−クロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2−フルフリル基、ジフェニルメチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などが挙げられる。特に炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアラルキル基が好ましく、メチル基またメトキシ基を有するベンジル基がより好ましい。
R1〜R14が置換若しくは非置換のアルコキシ基であるものとしては、アルキル部分が直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。置換アルコキシ基としては、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基を有するものが好ましく、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基を有するものがより好ましい。
ハロゲノアルコキシ基の例としては、フルオロメチルオキシ基、3−フルオロプロピルオキシ基、6−フルオロヘキシルオキシ基、8−フルオロオクチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシ基、1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシ基、2−ヒドロ−パーフルオロ−2−プロピルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ基、6−フルオロヘキシルオキシ基、4−フルオロシクロヘキシルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−デシルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ドデシルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシルオキシ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキサデシルオキシ基、パーフルオロエチルオキシ基、パーフルオロ−n−プロピルオキシ基、パーフルオロ−n−ペンチルオキシ基、パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピルオキシ基、ジクロロメチルオキシ基、2−クロロエチルオキシ基、3−クロロプロピルオキシ基、4−クロロシクロヘキシルオキシ基、7−クロロヘプチルオキシ基、8−クロロオクチルオキシ基、2,2,2−トリクロロエチルオキシ基などが挙げられる。特に炭素数1〜8のハロゲノアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜8のパーフルオロアルコキシ基がより好ましい。
R1〜R14がアルキルチオ基であるものとしては、アルキル部分が直鎖、分岐または環状のいずれであっても良い。置換アルキルチオ基としては、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルアミノ基を有するものが好ましく、置換基としてハロゲン原子、アルコキシ基を有するものがより好ましい。
ハロゲノアルキルチオ基の例としては、フルオロメチルチオ基、3−フルオロプロピルチオ基、6−フルオロヘキシルチオ基、8−フルオロオクチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルチオ基、1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルチオ基、2−ヒドロ−パーフルオロ−2−プロピルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシルチオ基、6−フルオロヘキシルチオ基、4−フルオロシクロヘキシルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−デシルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ドデシルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシルチオ基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキサデシルチオ基、パーフルオロエチルチオ基、パーフルオロ−n−プロピルチオ基、パーフルオロ−n−ペンチルチオ基、パーフルオロ−n−ヘキシルチオ基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピルチオ基、ジクロロメチルチオ基、2−クロロエチルチオ基、3−クロロプロピルチオ基、4−クロロシクロヘキシルチオ基、7−クロロヘプチルチオ基、8−クロロオクチルチオ基、2,2,2−トリクロロエチルチオ基などが挙げられる。特に炭素数1〜8のハロゲノアルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキルチオ基がより好ましい。
置換若しくは非置換のアリール基の例としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−n−ノニルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−n−ヘキサデシルフェニル基、4−n−オクタデシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、5−インダニル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−ノニルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ウンデシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−n−ヘキサデシルオキシフェニル基、4−n−オクタデシルオキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、2−メトキシ−5−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メトキシフェニル基、3−メトキシ−4−フルオロフェニル基、3−メトキシ−4−クロロフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、2−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−エトキシ−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−エトキシ−2−ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、4−アミノフェニル基、3−アミノフェニル基、2−アミノフェニル基、4−(N−メチルアミノ)フェニル基、3−(N−メチルアミノ)フェニル基、4−(N−エチルアミノ)フェニル基、2−(N−イソプロピルアミノ)フェニル基、4−(N−n−ブチルアミノ)フェニル基、2−(N−n−ブチルアミノ)フェニル基、4−(N−n−オクチルアミノ)フェニル基、4−(N−n−ドデシルアミノ)フェニル基、4−N−ベンジルアミノフェニル基、4−N−フェニルアミノフェニル基、
一般式(1)においてA1、A2は好ましくは炭素数1〜16のアルキレン基、または炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリーレン基である。A1、A2はより好ましくは、炭素数1〜12のアルキレン基、または炭素数6〜18の非置換若しくは置換基としてアルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、シアノ基若しくはアシル基を有するアリーレン基である。
A1、A2がアルキレン基であるものとしては、直鎖、分岐または環状のいずれのアルキレン基であっても良い
A1、A2が置換若しくは非置換のアリーレン基であるものとしては、ヘテロアリーレン基を含む。置換アリーレン基としては、置換基としてアルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基を有するが好ましく、置換基としてアルキル基を有するものがより好ましい。
Yが置換若しくは非置換のイミノ基であるもののうち、置換イミノ基は、置換基としてアルキル基、アリール基を有するが好ましく、置換基として炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基を有するものがより好ましい。
アルキル置換イミノ基の例としてはメチルイミノ基、エチルイミノ基、n−プロピルイミノ基、イソプロピルイミノ基、n−ブチルイミノ基、イソブチルイミノ基、sec−ブチルイミノ基が挙げられる。アリール置換イミノ基の例としてはフェニルイミノ基、トルイルイミノ基が挙げられる。特にメチルイミノ基、エチルイミノ基、n−プロピルイミノ基、イソプロピルイミノ基、フェニルイミノ基が好ましく、エチルイミノ基、フェニルイミノ基がより好ましい。
Yがアルキレン基であるものとしては、直鎖、分岐または環状のいずれのアルキレン基であっても良い。
一般式(1)において、nが0または1であり、pが1であるものが好ましい。
一般式(1)においてMはCu、Zn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Mn、Mg、Mn(OH)、Mn(OH)2、VO、またはTiOが好ましく、Cu、Pd、VOがより好ましい。
本発明の一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物の具体例を下記表1に示すが、これらに限定されるものではない。
一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物の製造方法について以下に説明する。
一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物は、一般式(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物と、一般式(3)で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することが出来る。
[式(2)中、R15〜R21はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、Zはハロゲン原子を示し、Mは2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
[式(3)中、X1、X2はそれぞれ独立に、酸素原子、または硫黄原子を示し、A1、A2はアルキレン基、または置換若しくは非置換のアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはアルキレン基を示し、n、pはそれぞれ独立に0または1の整数を示す。]
一般式(3)の化合物の使用量は一般式(2)のテトラアザポルフィリン化合物1モルに対し0.2〜0.7倍モル、好ましくは0.3〜0.5倍モルである。
塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、t−ブトキシカリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどが使用できるが、好ましくは炭酸カリウムである。
塩基の使用量は一般式(2)のテトラアザポルフィリン化合物1モルに対し1〜10倍モル、好ましくは2〜5倍モルである。
反応温度は室温〜200℃であり、好ましくは50〜150℃、より好ましくは50〜100℃である。
反応時間は10分〜200時間、好ましくは1時間〜100時間、より好ましくは5時間〜50時間である。
反応後、反応混合物を貧溶媒、例えばメタノール、水等に排出、析出物をろ取、乾燥して目的物を得る。必要に応じ、シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーなどの公知の精製法で精製し、より高純度品を得ることができる。
本発明の樹脂組成物について以下に説明する。
本発明の樹脂組成物は、一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物と、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを、少なくとも含有する。
なお、以降の説明において、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂を、単に樹脂と略称することもある。
本発明の樹脂組成物における樹脂と一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物の配合量は、用途や樹脂成形体の厚みにより異なるが、透光性、透明性が失われない限度内の濃度にあれば良く、通常成形体の厚み方向に対して可視光線透過率が12〜99%、好ましくは20〜90%となるように調整する。例えば、厚み2.15mmの眼鏡レンズでポリカーボネート樹脂へ混合するのであれば、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物の使用量はポリカーボネート樹脂に対し0.001重量%〜0.1重量%である。一般に、成形体の厚みが0.1mm〜20mmであれば、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物の使用量は樹脂に対し0.0001〜0.2重量%である。
本発明の樹脂組成物には、樹脂と一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物以外に、必要に応じて他の色素、公知の紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、各種樹脂添加剤を配合することができる。各種樹脂添加剤としては、フェノール系酸化防止剤、離型剤、染顔料、リン系熱安定剤、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、難燃剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物と熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を混合することによって得られ、少なくともこれを成型してなる成形体においてはテトラアザポルフィリン二量体化合物と樹脂は相溶状態であることが望ましい。
樹脂組成物の樹脂が熱可塑性樹脂の場合、テトラアザポルフィリン二量体化合物と熱可塑性樹脂の粉末あるいはペレットとを、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を使用して混合することで樹脂組成物が得られ、これを、バンバリーミキサー、加熱ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの公知の溶融混練機で溶融混練することによって、テトラアザポルフィリン二量体化合物と熱可塑性樹脂が均一の樹脂組成物を製造できる。
また、熱可塑性樹脂およびテトラアザポルフィリン二量体化合物を溶解しうる有機溶媒に溶解混合後、有機溶媒を取り去ることにより製造することもできる。その際使用される有機溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられるが、上記樹脂組成物に対して化学反応的に不活性で、かつ適度に低沸点のものであれば特に限定されるものではない。
樹脂組成物の樹脂が熱硬化性樹脂の場合、テトラアザポルフィリン二量体化合物を溶媒に溶解させた後、樹脂または樹脂成形体を接触させてテトラアザポルフィリン二量体化合物を樹脂内に拡散、侵入させる方法、または熱硬化性樹脂の原料モノマーにテトラアザポルフィリン二量体化合物を混合後、これを重合する方法があるが、後者が多く用いられる。後者の方法について以下に説明する。
熱硬化性樹脂の原料モノマーにテトラアザポルフィリン二量体化合物を混合する工程において、テトラアザポルフィリン二量体化合物の混合対象により、モノマー混合物を構成するモノマー群のいずれかに混合させた後にモノマー混合物とする方法、モノマー混合物及びその他の添加剤からなる混合物に混合させた後、触媒を加える方法、あるいはモノマー混合物、触媒、及びその他の添加剤からなる混合物に混合させる方法などがある。
重合硬化に用いられるモノマーおよびテトラアザポルフィリン二量体化合物以外の成分として、重合触媒及びその他の添加剤がある。
その他の添加剤としては、ジブチル錫ジクロライドなどの触媒、紫外線吸収剤、酸性リン酸エステルなどの内部離型剤、光安定剤、酸化防止剤、ラジカル反応開始剤などの反応開始剤、鎖延長剤、架橋剤、充填剤などがあり、さらに必要に応じ添加される、公知の樹脂改質剤、例えばヒドロキシ化合物、チオール化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の原料モノマーにテトラアザポルフィリン二量体化合物を混合するにあたっては、テトラアザポルフィリン二量体化合物を直接混合させてもよいし、あるいは予めテトラアザポルフィリン二量体化合物を低沸点の有機溶媒に溶解させ、この有機溶媒溶液を原料モノマーに混合後、加熱及び/又は減圧等の条件下で前記有機溶媒を蒸発除去してもよい。その際使用される有機溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられるが、原料モノマーに対して化学反応的に不活性で、かつ適度に低沸点のものであれば特に限定されない。
混合に当たっては、樹脂組成物に必要とされるテトラアザポルフィリン二量体化合物濃度に相当する量が樹脂組成物に含有されるように混合させてもよく、また一方の原料モノマーなどいずれかの成分に目的濃度より高濃度でテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させたマスターバッチを調製しておき、必要に応じて配合すべき他成分を加えて希釈させて目的の濃度の樹脂組成物を製造しても良い。またテトラアザポルフィリン二量体化合物の溶解にあたって、樹脂組成物の劣化や可使時間などの点で実施上支障がない範囲で加温することもできる。
重合硬化の条件については、下記成形体の注型重合法において説明する。重合硬化の条件については、下記成形体の注型重合法において説明する。
次に、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂について以下に説明する。
本発明の樹脂組成物に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれであってもよいが、透明樹脂であることが好ましい。また本発明の防眩用光学物品の実用性を阻害しない範囲で、2種以上の樹脂を併用しても良い。
熱可塑性樹脂としては特に制限は無いが、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ノルボルネン樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
上記ジヒドロキシジアリール化合物類としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジクロロフェニル)プロパンのような(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのような(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類などが挙げられる。
これらは単独又は2種類以上から選択されて使用される。これらの他にピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル等と併用して使用してもよい。なお、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は通常10000〜100000、好ましくは10000〜400000である。
更に上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を併用してもよい。3価以上のフェノールとしては、フロログルシン、1、3、5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1、1、1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンなどが挙げられる。
上記ジアミン化合物類としては、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(アミノメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエンなどが挙げられ、これらのジアミン化合物類から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
上記ジカルボン酸化合物類としては、アジピン酸、ドデカンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ビス(ヒドロキシカルボニルメチル)ノルボルナン、ビス(ヒドロキシカルボニルメチル)テトラヒドロジシクロペンタジエンなどが挙げられ、これらのジカルボン酸化合物類から1種又は2種以上を選択して使用することができる。
特に透明性の観点から非結晶性のポリアミド樹脂が好ましく、一般的には透明ナイロンと称され、例えばエムス社のグリルアミドTR−55、グリルアミドTR−90、グリルアミドTR−XE3805、あるいはヒュルス社のトロガミドCX−7323などを例示することができる。
また、メタクリル酸アルキル以外の単量体は、分子内に1個の重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能単量体であってもよいし、分子内に2個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能単量体であってもよいが、特に単官能単量体が好ましく用いられる。その例としては、アクリル酸メチルやアクリル酸エチルのようなアクリル酸アルキル、スチレンやアルキルスチレンのようなスチレン系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのような不飽和ニトリルなどが挙げられる。
アクリル系樹脂としては、単量体が実質的にメタクリル酸アルキルのみからなる重合体であるか、又はメタクリル酸アルキルが単量体組成の例えば70重量%以上、好ましくは90重量%以上を占め、それと、実質的にアクリル酸アルキル、スチレン系単量体及び不飽和ニトリルから選ばれる単量体のみとの共重合体であるのが好ましい。特に、単量体が実質的にメタクリル酸アルキルのみからなる重合体が最も好ましく、代表的にはポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)が挙げられる。ポリメタクリル酸メチル樹脂は綜研化学製MX150、日本触媒製エポスターMA、積水化成品工業製MBXシリーズなど多くの市販品が入手可能である。
また、アクリル樹脂の中で、ガラス転移温度が低く、例えばガラス転移温度が0℃未満、好ましくは−20℃以下のポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は粘着剤、接着剤等として用いられ、例えば薄型ディスプレイ用光学フィルターの各層の張り合わせ、あるいは光学フィルターとディスプレイ画面の接着などに広く使用されている。
このポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の粘着剤に、本発明のテトラアザポルフィリン二量体化合物、あるいはこれと前記一般式(4)のアゾ系化合物、一般式(5)のキノフタロン系化合物および一般式(6)のアントラキノン系化合物から選ばれる少なくとも1種を有機色素として含有した樹脂組成物も、本発明の権利範囲内である。
粘着剤として用いられるポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂としては、単量体として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを50重量%以上使用してなるものが好ましい。
その他、共重合可能な単量体の例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;α−メチルスチレン、ビニルトルエン、スチレンなどに代表されるスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどに代表されるビニルエーテル系単量体;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル、フマル酸のジアルキルエステル;マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル、マレイン酸のジアルキルエステル、イタコン酸、イタコン酸のモノアルキルエステル、イタコン酸のジアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ビニルケトン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾールなどを挙げることができる。
ポリエステル樹脂としては、代表的にはポリC2−4アルキレンテレフタレートやポリC2−4アルキレンナフタレートなどのホモポリエステル、C2−4アルキレンアリレート単位(C2−4アルキレンテレフタレート及び/又はC2−4アルキレンナフタレート単位)を主成分として含むコポリエステルなどが挙げられるが、ポリアリレート系樹脂、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリエステル、ε−カプロラクトンなどのラクトンの単独又は共重合体も含まれる。
コポリエステルとしては、ポリC2−4アルキレンアリレートの構成単位のうち、C2−4アルキレングリコールの一部を、ポリオキシC2−4アルキレングリコール、C6−10アルキレングリコール、脂環式ジオール(シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなど)、芳香環を有するジオール(フルオレノン側鎖を有する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、ビスフェノールA、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体など)などで置換したコポリエステル、芳香族ジカルボン酸の一部を、フタル酸、イソフタル酸などの非対称芳香族ジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族C6−12ジカルボン酸などで置換したコポリエステルが含まれる。
ポリビニルアセタール系樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)とアセトアルデヒドを反応させてアセタール化することにより製造できるが、PVAとホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(PVB)等も含まれる。
ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるPVAは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記PVAのけん化度は、一般に80〜99.8モル%の範囲内であるものが好ましい。さらに、PVAの平均重合度が200〜5000のものが好ましく、より好ましくは500〜2,500である。重合度が低すぎると、強度が弱くなりすぎ、重合度が高すぎると、得られるポリビニルアセタール系樹脂を製膜する際に不具合となることがある。
ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるアルデヒドは、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好ましく、より好ましくはプロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒドである。なお、これらのアルデヒドは、単独で用いられても良いし、2種以上が併用されても良い。
ポリビニルアセタール系樹脂は、水酸基の含有率が15〜40モル%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは18〜35モル%の範囲内である。
アセチル化度については、0.1〜30モル%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20モル%の範囲内である。
アセタール化度については、60〜85モル%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは65〜75モル%の範囲内である。
ポリビニルアセタール系樹脂を可塑化するために用いられる可塑剤としては、従来公知の可塑剤を用いることができる。これら可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種以上が併用されても良い。
熱硬化性樹脂としては、アリルジグリコールカーボネートモノマー、ジアリルフタレートモノマー、イソシアネート系化合物とポリオールやポリチオールなどの混合物、およびアクリルモノマーなどの矯正レンズの製造に使われるモノマー類の硬化物が挙げられるが、イソシアネート系化合物とポリオールとの重合反応で得られるポリウレタン樹脂、イソシアネート系化合物とポリチオール化合物とを重合で得られるポリチオウレタン樹脂、およびアリルジグリコールカーボネートモノマーの硬化であるアリルジグリコールカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、ブロック型ポリイソシアネートとポリオールを主成分とするものであり、ブロック型ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートのそれぞれの数分子を結合させた付加物、イソシアヌレートやアロファネートなどをアセト酢酸やマロン酸でブロックしたもの等が挙げられ、ポリオールとしては、水酸基を有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリカプトラクトン等が挙げられる。
ポリチオウレタン樹脂としては、代表的なものとして、メタキシリレンジイソシアネートとペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)から製造されたポリチオウレタン樹脂が挙げられる。
アリルジグリコールカーボネート樹脂としては、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネートが好ましく、例としてはCR−39樹脂(またはADC樹脂とも称される)が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、不要光カットや調色、無色化等の目的で他の色素を併用することができる。
例えば、380〜470nmの波長領域に極大吸収を有する色素を併用することで、ギラツキの原因となり、目に対して有害でもある短波長の光も同時にカットし、かつ樹脂組成物の着色を低減することができる。
このような色素としては、例えば下記一般式(4)で表されるアゾ系化合物、下記
[式(4)中、R22 〜R32はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示す。]
[式(5)中、R33〜R41はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、R38〜R41から選ばれる互いに隣接する基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換若しくは非置換の5員環以上の環を形成していてもよい。]
[式(6)中、R42〜R49はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示す。ただしR42〜R49の少なくとも1つは必ず置換若しくは非置換のアリールチオ基である。]
R22 〜R32が置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基が置換である場合の置換基としては、それぞれアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基が挙げられる。
またR22〜R32はより好ましくは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のハロゲノアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数2〜12のハロゲノアルコキシアルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数1〜14の置換若しくは非置換のアミノ基、炭素数7〜18の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは非置換のアリールオキシ基、炭素数6〜14の置換若しくは非置換のアリールチオ基である。
R22〜R32がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基である場合の具体例、好ましい例については、前記一般式(1)のテトラアザポルフィリン系化合物のR1〜R14がそれぞれこれらの置換基である場合に挙げた例と同様の例が挙げられる。
一般式(4)のアゾ系化合物の具体例を下記表2に示すが、これらの範囲に限定されるものではない。
R33〜R41 が置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基が置換である場合の置換基としては、それぞれアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基が挙げられる。
さらに好ましくは、R33〜R41はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数2〜12のアルコキシアルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数1〜14の置換若しくは非置換のアミノ基、炭素数1〜14の置換若しくは非置換のアミド基、炭素数7〜18の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素原子数6〜14の置換若しくは非置換のアリールオキシ基、炭素原子数2〜9のアルキルオキシカルボニル基、炭素原子数7〜15の置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数6〜14の置換若しくは非置換のアリールチオ基である。
R33〜R41がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基である場合の具体例、好ましい例については、前記一般式(1)のテトラアザポルフィリン系化合物のR1〜R14がそれぞれこれらの置換基である場合に挙げた例と同様の例が挙げられる。
R33〜R41がアルケニル基、アルコキシアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換若しくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基である場合の具体例、好ましい例については、前記一般式(4)のアゾ系化合物のR22〜R32がそれぞれこれらの置換基である場合に挙げた例と同様の例が挙げられる。
一般式(5)のキノフタロン系化合物の具体例を下記表3に示すが、これらの範囲に限定されるものではない。
さらに好ましくは、R42〜R49はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素原子数6〜12の置換若しくは非置換のフェニルチオ基であり、R42〜R49の少なくとも1つが必ず炭素数6〜12の置換若しくは非置換のフェニルチオ基である。
R42〜R49がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基である場合の具体例、好ましい例については、前記一般式(1)のテトラアザポルフィリン系化合物のR1〜R14がそれぞれこれらの置換基である場合に挙げた例と同様の例が挙げられる。
一般式(6)のキノフタロン系化合物の具体例を下記表4に示すが、これらの範囲に限定されるものではない。
[式(7)中、R50〜R57はそれぞれ独立に、エチニル基または置換基として炭素数1〜12のアルキル基を有するエチニル基を表し、M’は2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
特にR50〜R57がtert-ブチル基を有するエチニル基、すなわち3,3−ジメチル−1−ブチン基であるものが好ましく、M’はNiまたはCuであるものが好ましい。
また熱線遮断目的として、近赤外線吸収色素、例えば下記一般式(8)のフタロシアニン化合物や、一般式(9)のナフタロシアニン化合物を併用しても良い。
一般式(8)において、M1は好ましくはCu、Fe、Co、Pt、Pd、Mn、VOまたはTiOである。
[式(9)中、R74〜R97はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、または置換若しくは非置換のアリールオキシ基を表す。M2は2個の水素原子、2個の1価の金属原子、2価の金属原子、3価の置換金属原子、4価の置換金属原子、または酸化金属原子を示す。]
一般式(9)において、R74〜R97は好ましくはそれぞれ独立に、水素原子、塩素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜12の置換若しくは非置換のアルキル基、炭素数1〜12の置換若しくは非置換のアルコキシ基、炭素数2〜18の置換若しくは非置換のアルコキシアルキル基、炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリール基、または炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリールオキシ基である。
これらその他の色素を一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物と併用する場合、その使用量は併用する目的により様々であり特に制限は無いが、テトラアザポルフィリン二量体化合物を含む色素全体の量が、先に規定した樹脂組成物における樹脂とテトラアザポルフィリン二量体化合物の配合量範囲内であることが好ましい。
すなわち、樹脂成形体の厚みが0.1mm〜20mmであれば、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物とその他の色素の合計量が、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に対し0.0001〜0.2重量%であることが好ましい。
なお、無色化等の目的で380〜470nmの波長領域に極大吸収を有する色素を一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物に併用する場合、その使用割合は、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物:380〜470nmの波長領域に極大吸収を有する色素の比率が重量比で、90:10〜30:70であることが好ましく、80:20〜40:60であることがより好ましい。
以下に、本発明の成形体について説明する。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形してなる。
成形体の態様としては、樹脂組成物からなる光学物品、中間膜または樹脂組成物を部分的に含有する光学物品、中間膜であっても良いし、あるいは粉末やペレット状態など、光学物品、中間膜製造の中間材料であっても良い。
なお、本明細書において、樹脂組成物を部分的に含有する光学物品とは、光学物品の各種部材または膜などの内部に含有された状態、部材または各層の表面にコーティングした、または貼り付けられた状態を含むものである。
光学物品としては、後述する様に、眼鏡レンズ、サンバイザー、ヘルメット用シールド、合わせガラス用中間膜、情報機器の表示装置用防眩コートまたは防眩フィルム、各種フィルター、照明機器用カバーなどの防眩用光学物品が例示できる。
成形の方法としては、製品や使用樹脂の種類によって異なるが、熱可塑性樹脂を用いた樹脂組成物の場合はたとえば圧縮成形法、トランスファー成形法、押出成形法、射出成形法などの公知の方法による成形、熱硬化性樹脂を用いた樹脂組成物の場合はたとえば注型重合法が用いられる。
樹脂組成物を注型用鋳型に注入、内蔵させ、次いで注型用鋳型をオーブン中または水中等の加熱可能装置内で所定の温度プログラムにて数時間から数十時間かけて加熱する。重合硬化の温度および時間は、混合物の組成、触媒の種類、モールドの形状等によって異なるが、およそ−50〜200℃の温度で1〜100時間である。通常、5℃から40℃の範囲の温度で開始し、その後徐々に80℃から130℃の範囲にまで昇温し、その温度で1時間から4時間加熱するのが一般的である。
硬化成形終了後、注型用鋳型から取り出すことで、目的の成形体を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の成形体は、防眩用光学物品として非常に有用である。
防眩用光学物品としては、眼鏡レンズ、サンバイザー、ヘルメット用シールド、合わせガラス用中間膜、自動車や飛行機の風防ガラス用フィルム、自動車ヘッドライト用カバー、スキー用ゴーグル、情報機器の表示装置用防眩コートまたは防眩フィルム、LED照明用フィルターなどが挙げられるが、眩しさを防ぎ、コントラストや自然な色調を確保する目的の用途に限定なく使用できる。
防眩用光学物品の製造方法は、物品の形態や樹脂の種類により異なり、前記した成形体の製造方法が適用できる。
なお、防眩用光学物品に要求される機能に応じて、反射防止機能、ハードコート機能(耐摩擦機能)、帯電防止機能、防汚機能、ガスバリア機能、紫外線カット機能のいずれか一つ以上の機能を設けても構わない。
本発明の樹脂組成物の成形体が眼鏡レンズである場合について以下に説明する。
眼鏡レンズの態様としては、一般式(1)のテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有する樹脂組成物を成形した眼鏡レンズウエハーであって、眼鏡レンズウエハー全体にテトラアザポルフィリン二量体化合物が含まれるものであっても良いし、眼鏡レンズウエハー内の少なくとも片面表面から500μm以下の深さの範囲にテトラアザポルフィリン二量体化合物が局在しているものであってもよい。
また、テトラアザポルフィリン二量体化合物を含まない眼鏡レンズウエハーの片面又は両面に形成されるハードコート層やプライマー層その他の成分層のみにテトラアザポルフィリン二量体化合物が含まれるものであっても良い。成分層が複数層ある場合は、このうちの少なくとも一層にテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させても良い。
更に、眼鏡レンズウエハーと成分層の両方にテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させてもよい。
樹脂組成物の樹脂は、眼鏡レンズの種類や製法、あるいはテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有させる手段により異なり、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であっても良い。
熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、熱硬化性の(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
樹脂に対する上記テトラアザポルフィリン二量体化合物の含有量は、テトラアザポルフィリン二量体化合物を含む樹脂層の厚さによって異なり、例えば、厚み2.15mmの眼鏡レンズでポリカーボネート樹脂へ混合するのであれば、テトラアザポルフィリン二量体化合物の使用量はポリカーボネート樹脂に対し0.001重量%〜0.1重量%である。一般に、テトラアザポルフィリン二量体化合物を含む樹脂層の厚みが0.1mm〜20mmであれば、テトラアザポルフィリン二量体化合物の含有量は樹脂に対し0.0001〜0.2重量%であり、好ましくは0.0002重量%〜0.05重量%である。
また、単層又は多層積層で構成される成分層が眼鏡レンズウエハーの少なくとも片面に施されているとともに、成分層を構成する層のうちの少なくとも一層がテトラアザポルフィリン二量体化合物を含有している態様の場合は、テトラアザポルフィリン二量体化合物の成分層に対する濃度が0.02重量%〜5重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の眼鏡レンズは、本発明の眼鏡レンズは、必要に応じてマルチコート(反射防止層)、防曇処理、撥水処理、あるいは帯電防止処理など、従来の技術範囲で可能な機能処理が施されてもよい。
本発明の樹脂組成物の成形体が合わせガラス用中間膜である場合について以下に説明する。
本発明の樹脂組成物は、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、建築物等に使用される合わせガラス用の中間膜として非常に有用である。
合わせガラスは、少なくとも一対の板ガラスの間に、合わせガラス用中間膜を介在させ、これらを一体化させたものであり、外部衝撃を受けて破損した場合にガラス破片の飛散量を少なくして安全性を向上させるものである。このような合わせガラスにおいて、太陽光、対向車の前照灯等の強い光から内部に位置する人の眼を保護するために、合わせガラス用中間膜に防眩性を付与する要望が増大している。
本発明の樹脂組成物を用いる合わせガラス用中間膜は、樹脂として熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、中間膜用熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、可塑化ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール樹脂の様な水溶性の高分子が好ましい。
熱可塑性樹脂100重量部に対する上記テトラアザポルフィリン二量体化合物の含有量は、0.001〜0.15重量部の範囲内であることが好ましく、0.005〜0.075重量部の範囲内であることがより好ましく、0.01〜0.05重量部の範囲内であることが特に好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の効果を阻害しない範囲でさらに、紫外線吸収剤、熱線遮蔽剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、寸法安定剤、接着力調整用の金属塩、接着力調整用のシリコンオイル、接着力調整用のシランカップリング剤、ブロッキング防止剤、顔料、染料、着色剤、光拡散剤、光拡散性粒子、耐電防止剤、中間膜の吸湿による白化防止に対して効果のある無機微粒子、微粒子系添加剤を分散させるための界面活性剤、遊離金属イオンをトラップするためのキレート剤、低分子化合物の中間膜内での移行を防止するための吸着剤、可塑剤、有機溶剤、可塑剤や有機溶剤の極性を調整するための添加剤、粘着性付与剤、中間膜用樹脂の結晶化によるヘーズ上昇を防ぐための結晶核剤、架橋剤、難燃剤を含有していてもよい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物及びヒンダードアミン系化合物等を使用することができる。特に、ベンゾフェノン系化合物及びベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
合わせガラス用中間膜を作製する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂とテトラアザポルフィリン二量体化合物、さらに必要に応じて上記の他の色素や添加物等を配合し、任意に加熱しながら混錬し、プレス成形、射出成形、カレンダー成形、押出成形等によりシート状に成形ことにより得る事ができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、必要に応じて、プライマー機能、紫外線カット機能、難燃機能、反射防止機能、防眩機能、反射防止防眩機能、帯電防止機能のいずれか一つ以上の機能を有する機能性透明層とあわせた複層構造としても良い。
[実施例1]テトラアザポルフィリン二量体化合物(具体例化合物(1)−5)の製造
下記化合物(2)−1 20g、4,4’−ビフェノール2.74g及び炭酸カリウム12.21gをDMI400mL中、内温100℃にて96時間撹拌した。
冷却後、反応混合物を水200mLに排出、析出物をろ取、水洗乾燥した。
この粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン)にて精製して赤紫色粉末(分解点388℃)5.1gを得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1380(M+)
・元素分析値:実測値(C:66.23%、H:6.31%、N:16.03%);理論値(C:66.02%、H:6.27%、N:16.21%)
[実施例2]テトラアザポルフィリン二量体化合物(具体例化合物(1)−6)の製造
実施例1における4,4’−ジヒドロキシジフェニルの代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3.36gを使用した以外は実施例1と同様に合成、精製を行って赤紫色粉末(分解点401℃)6.3gを得た。得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS:(EI)m/z 1424(M+)
・元素分析値:実測値(C:66.83%、H:6.73%、N:15.55%);理論値(C:66.60%、H:6.51%、N:15.73%)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製H−3000FN)1000重量部とテトラアザポルフィリン二量体化合物として実施例1で製造した具体例化合物(1)−5を0.0148重量部とを、タンブラーによって20分混合した後、単軸押出機によって、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数56rpmの条件下で溶融・混練してペレット化した。
具体例化合物(1)−12を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例5]
具体例化合物(1)−20を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例6]
具体例化合物(1)−27を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
具体例化合物(1)−43を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例8]
具体例化合物(1)−44を0.0148重量部使用した以外は実施例3と同様な操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例9]
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製H−3000FN)1000重量部とテトラアザポルフィリン化合物として具体例化合物(1)−5を0.0068重量部と、アゾ系化合物として具体例化合物(4)−4を0.008重量部とを、タンブラーによって20分混合した後、単軸押出機によって、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数56rpmの条件下で溶融・混練してペレット化した。
テトラアザポルフィリン化合物として具体例化合物(1)−6を0.0068重量部、アゾ系化合物として具体例化合物(4)−2を0.008重量部とを使用した以外は実施例4と同様に操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例11]
テトラアザポルフィリン化合物として具体例化合物(1)−5を0.0068重量部、アゾ系化合物として具体例化合物(4)−13を0.006重量部とキノフタロン系化合物として具体例化合物5−21を0.002重量部使用した以外は実施例4と同様に操作を行って、ペレットを製造した。
テトラアザポルフィリン化合物として具体例化合物(1)−5を0.0068重量部、アゾ系化合物として具体例化合物(4)−13を0.006重量部とキノフタロン系化合物として具体例化合物5−21を0.001重量部とアントラキノン系化合物として具体例6−1を0.001重量部使用した以外は実施例4と同様に操作を行って、ペレットを製造した。
[実施例13] 眼鏡レンズの製造
実施例3で製造したペレットを原料とし、250℃で溶融させ、所定の金型を用いて射出成形機により成形し、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
実施例4で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例15] 眼鏡レンズの製造
実施例5で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
実施例6で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例17] 眼鏡レンズの製造
実施例7で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
実施例8で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例19] 眼鏡レンズの製造
実施例9で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例20] 眼鏡レンズの製造
実施例10で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
実施例11で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
[実施例22]眼鏡レンズの製造
実施例12で製造したペレットを原料とした以外は実施例13と同様な操作を行って、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の長時間の使用においても眩しさを感じることが少なかった。
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製H−3000FN)1000重量部と下記テトラアザポルフィリン化合物(比較例化合物(A))を0.0148重量部とを、タンブラーによって20分混合した後、単軸押出機によって、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数56rpmの条件下で溶融・混練してペレット化した。
このペレットを原料とし、250℃で溶融させ、所定の金型を用いて射出成形機により成形し、外径75mmφ、中心厚2mmのプラスチックレンズを得た。
得られたレンズを装着した眼鏡を通しての観察では、晴天下の使用においても眩しさを感じることが少なかったが、表5に示すように、550W/hの光を2000時間照射した後は防眩効果が低下した。
比較例化合物(A)・・・下記構造のテトラアザポルフィリン化合物の置換基位置異性体混合物
有機エステル可塑剤として、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート40重量部に、テトラアザポルフィリン二量体化合物(具体例(1)−5)0.008重量部を溶解させ、この溶液を、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BH−3、積水化学工業社製)100重量部に添加し、ミキシングロールで充分に溶融混練した後、押出機を用いて押出して、厚み0.76mmの合わせガラス用中間膜を得た。
上記中間膜を、100mm×100mmのサイズに切断し、2枚のフロート板ガラス(縦100mm×横100mm×厚さ2.0mm)で挟み込み、ゴムバック内に入れ、2.6kPaの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブン内に移し、更に90℃で30分間保持して真空プレスした。その後、オートクレーブにて温度130℃、圧力1.3MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスのサンプルを得た。
[実施例24] 合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
テトラアザポルフィリン二量体化合物として具体例化合物(1)−6を0.008g重量部使用した以外は実施例23と同様の操作を行い、合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
テトラアザポルフィリン二量体化合物として具体例化合物(1)−12を0.008g重量部使用した以外は実施例23と同様の操作を行い、合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
[実施例26] 合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
テトラアザポルフィリン二量体化合物として具体例化合物(1)−20を0.008g重量部使用した以外は実施例23と同様の操作を行い、合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
[実施例27] 合わせガラス用中間膜および合わせガラスの製造
テトラアザポルフィリン二量体化合物として具体例化合物(1)−44を0.008g重量部使用した以外は実施例23と同様の操作を行い、合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
実施例13におけるテトラアザポルフィリン二量体化合物の具体例化合物(1)−5を0.008重量部の代わりに、下記テトラアザポルフィリン化合物(比較例化合物(B))0.008重量部を使用した以外は実施例13と同様の操作を行って合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
比較例化合物(B)・・・下記構造のテトラアザポルフィリン化合物の置換基位置異性体混合物
実施例13におけるテトラアザポリフィリン二量体化合物の具体例化合物(1)−5を0.008重量部の代わりに、前記テトラアザポルフィリン化合物(比較例化合物(A))0.008重量部を使用した以外は実施例13と同様の操作を行って合わせガラス用中間膜および合わせガラスを作製した。
実施例8〜14および比較例1〜3で製造した眼鏡レンズを使用した眼鏡レンズ、および合わせガラスを通して、モニター(20名)に、ディスチャージヘッドライトを装着した自動車を3分間観察させた。モニターが眩しさを感じることがないと判断した場合に、防眩性ありとし、防眩性ありと認定した人数により下記の判定とした。
◎:18名以上、○:14〜17名、△:10〜13名、×:9名以下
次いで、上記試験で使用した眼鏡レンズおよび合わせガラスに、キセノン耐光性試験機(東洋精機社製:サンテストXLS+)を用いて550W/hの光を2000時間照射した後、同様に防眩性試験を実施した。結果を下記表5に示す。
キセノンウェザリング装置(ATLAS社製サンテストXLS+II型)を用い、試験対象物に、ブラックスタンダード温度65℃、槽内温度45℃下でキセノンランプを放射照度550W/m2で100時間、200時間、300時間照射した後、各サンプルの550nmから650nmにおける極小値の透過率を測定した。
透過率変化率は以下の式で表される。
耐光性試験n時間における透過率変化率=(耐光性試験n時間後の透過率−試験前の透過率)/試験前の透過率
また、本発明のテトラアザポルフィリン二量体化合物は、青色LED素子と黄色発光の蛍光体から構成される白色LEDを光源とする液晶表示装置や照明装置などに使用される色補正フィルタにも、好適に用いることが出来る。
Claims (12)
- 一般式(1)で表されるテトラアザポルフィリン二量体化合物。
[式(1)中、R1〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、アルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、X1、X2はそれぞれ独立に、酸素原子、または硫黄原子を示し、A1、A2はアルキレン基、または置換若しくは非置換のアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはアルキレン基を示し、n、pはそれぞれ独立に0または1の整数を示す。MはCu、Zn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Mn、Mg、Mn(OH)、Mn(OH) 2 、VO、またはTiOを示す。] - R1〜R14がそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のハロゲノアルキル基、炭素数2〜16のアルコキシアルキル基、炭素数2〜16のハロゲノアルコキシアルキル基、炭素数7〜20の置換若しくは非置換のアラルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のハロゲノアルコキシ基、炭素数2〜16のアルコキシアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリール基、炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールオキシ基または炭素数6〜18の置換若しくは非置換のアリールチオ基であり、A1、A2が炭素数1〜16のアルキレン基、または炭素数6〜24の置換若しくは非置換のアリーレン基であり、Yが酸素原子、硫黄原子、炭素数0〜12の置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、または炭素数1〜16のアルキレン基である、請求項1に記載のテトラアザポルフィリン二量体化合物。
- R1〜R14がそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のハロゲノアルキル基、炭素数7〜12の非置換のアラルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のハロゲノアルコキシ基、1〜8のアルキルチオ基、炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基、炭素数6〜12の非置換若しくは置換基としてハロゲン原子を有するアリール基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、または炭素数6〜12のアリールチオ基であり、A1、A2がそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基、または炭素数6〜18の非置換若しくは置換基としてアルキル基、アルケニル基、ハロゲン原子、シアノ基若しくはアシル基を有するアリーレン基であり、Yが酸素原子、硫黄原子、炭素数0〜12の非置換若しくは置換基としてアルキル基若しくはアリール基を有するイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、または炭素数1〜12のアルキレン基である、請求項1または2に記載のテトラアザポルフィリン二量体化合物。
- R1〜R14がそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜8の分岐アルキル基であって、かつR2とR3、R4とR5、R6とR7、R9とR10、R11とR12、R13とR14の各ペアにおいて、一方が水素原子であり他方が炭素数1〜8の分岐アルキル基であり、X1、X2が酸素原子であり、A1、A2がフェニレン基であり、Yが炭素数1〜8のアルキレン基であり、nが0または1であり、pが1であり、MがCuである、請求項1〜3のいずれかに記載のテトラアザポルフィリン二量体化合物。
- 一般式(2)で表されるテトラアザポルフィリン化合物と、一般式(3)で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のテトラアザポルフィリン二量体化合物の製造方法。
[式(2)中、R15〜R21はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、Zはハロゲン原子を示し、MはCu、Zn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Mn、Mg、Mn(OH)、Mn(OH) 2 、VO、またはTiOを示す。]
[式(3)中、X1、X2はそれぞれ独立に、酸素原子、または硫黄原子を示し、A1、A2はアルキレン基、または置換若しくは非置換のアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、置換若しくは非置換のイミノ基、スルホニル基、カルボニル基、またはアルキレン基を示し、n、pはそれぞれ独立に0または1の整数を示す。] - 請求項1〜4のいずれかに記載のテトラアザポルフィリン二量体化合物と、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂とを、少なくとも含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリビニルアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、熱硬化性樹脂がポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂およびアリルジグリコールカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の樹脂組成物。
- さらに一般式(4)で表されるアゾ系化合物、一般式(5)で表されるキノフタロン系化合物及び一般式(6)で表されるアントラキノン系化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項6または7に記載の樹脂組成物。
[式(4)中、R22 〜R32はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示す。]
[式(5)中、R33〜R41はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルケニル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、ハロゲノアルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、置換若しくは非置換のアミノ基、置換若しくは非置換のアミド基、置換もしくは非置換のアシル基、置換若しくは非置換のアリールオキシ基、置換若しくは非置換のアリールオキシアルキル基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシ基、置換若しくは非置換のアラルキルオキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、置換若しくは非置換のアリールオキシカルボニル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示し、R38〜R41から選ばれる互いに隣接する基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換若しくは非置換の5員環以上の環を形成していてもよい。]
[式(6)中、R42〜R49はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアラルキル基、または置換若しくは非置換のアリールチオ基を示す。ただしR42〜R49の少なくとも1つは必ず置換若しくは非置換のアリールチオ基である。] - 請求項6〜8のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 防眩用光学物品である、請求項9の成形体。
- 眼鏡レンズである、請求項9または10の成形体。
- 合わせガラス用中間膜である、請求項9または10の成形体。
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