JP6702771B2 - ズームレンズ及びそれを有する撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明はズームレンズ及びそれを有する撮像装置に関し、例えばビデオカメラ、電子スチルカメラ、放送用カメラ、監視カメラ等のように撮像素子を用いた撮像装置、或いは銀塩フィルムを用いたカメラ等の撮像装置に用いる撮像光学系に好適なものである。
近年、撮像装置に用いる撮像光学系には、全系が小型でありながら高ズーム比で全ズーム範囲にわたり高い性能を有するズームレンズであることが要求されている。またフォーカシングに際して収差変動が少なく、全物体距離にわたり高い光学性能を有すること等が要望されている。
高ズーム比を実現しやすいズームレンズとして、最も物体側に正の屈折力のレンズ群が配置されたポジティブリードタイプのズームレンズが知られている。ポジティブリードタイプでフォーカシングに際しての収差変動が少なく、全物体距離にわたり高い光学性能を得るために、フォーカシングに際して2つのレンズ群を移動するようにしたフローティング方式を用いたズームレンズが知られている(特許文献1、2)。
特許文献1では物体側から像側へ順に、正、負、負、正、負の屈折力の第1レンズ群乃至第5レンズ群よりなる5群ズームレンズにおいて、第3レンズ群と第5レンズ群を互いに逆方向へ移動させてフォーカシングを行っている。また特許文献1では物体側から像側へ順に、正、負、正、負、正、負の屈折力の第1レンズ群乃至第6レンズ群よりなる6群ズームレンズにおいて、第4レンズ群と第6レンズ群を互いに逆方向へ移動させてフォーカシングを行っている。
特許文献2では物体側から像側へ順に、正、負、正、正、負、正、負の屈折力の第1レンズ群乃至第7レンズ群よりなる7群ズームレンズにおいて、第5レンズ群と第6レンズ群を互いに逆方向へ移動させてフォーカシングを行っている。また特許文献2では物体側から像側へ順に、正、負、正、正、負、正、正、負の屈折力の第1レンズ群乃至第8レンズ群よりなる8群ズームレンズにおいて、第5レンズ群と第7レンズ群を互いに逆方向へ移動させてフォーカシングを行っている。
特開2011−180218号公報 特開2013−109013号公報
フォーカシングによる収差変動を改善するには、フォーカシングに際して複数のレンズ群を光軸方向に移動させるフローティング方式を用いるのが有効である。フローティング方式を用いると、至近距離にフォーカシングする際、フォーカシングレンズ群の移動量を短くすることができ、レンズ系全体の小型化を図りつつ、収差変動の低減を図ることが容易となる。特にマクロ撮影と同様の至近距離まで収差変動を少なくしつつ、フォーカシングすることが容易になる。
ポジティブリード型のズームレンズにおいて、全系の小型化を図りつつ、高ズーム比で全ズーム範囲及び全物体距離にわたり高い光学性能を得るには、ズームレンズを構成する各要素を適切に設定することが重要となってくる。例えばズームタイプ(レンズ群の数や各レンズ群の屈折力、ズーミングに際しての移動条件等)、フォーカシングに際して移動するレンズ群の選定やフォーカシングに際して移動するレンズ群のレンズ構成等を適切に設定することが重要になってくる。
例えばフォーカシングに際して2つのレンズ群を移動させるフローティング方式を用いるときは、フォーカシングに際して移動させる2つのレンズ群の選定や、移動方向そして移動量等を適切に設定することが重要になってくる。
本発明は、高ズーム比で全ズーム範囲及び全物体距離にわたり高い光学性能が容易に得られるズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、1以上の正の屈折力のレンズ群よりなる前群、ズーミングに際して移動する負の屈折力のレンズ群よりなる変倍群、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群より構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群より構成され、該第2レンズ群は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して物体側に移動する第1フォーカスレンズ群であり、前記後群は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して移動する第2フォーカスレンズ群を有し、広角端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第1フォーカスレンズ群の移動量をMaw、望遠端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第1フォーカスレンズ群の移動量をMatとするとき、0.1<Maw/Mat<0.6なる条件式を満足することを特徴としている。
また、本発明の他の側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、1以上の正の屈折力のレンズ群よりなる前群、ズーミングに際して移動する負の屈折力のレンズ群よりなる変倍群、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群より構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、前記前群は、正の屈折力の第1レンズ群より構成され、該第1レンズ群は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して物体側に移動する第1フォーカスレンズ群であり、前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群より構成され、該第6レンズ群は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して移動する第2フォーカスレンズ群であり、広角端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第1フォーカスレンズ群の移動量をMaw、望遠端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第1フォーカスレンズ群の移動量をMatとするとき、0.1<Maw/Mat<0.6なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、高ズーム比で全ズーム範囲及び全物体距離にわたり高い光学性能が容易に得られるズームレンズが得られる。
(A)、(B) 実施例1の広角端、望遠端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例1の無限遠にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B)、(C) 実施例1の至近距離にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B) 実施例2の広角端、望遠端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例2の無限遠にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B)、(C) 実施例2の至近距離にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B) 実施例3の広角端、望遠端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例3の無限遠にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B)、(C) 実施例3の至近距離にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B) 実施例4の広角端、望遠端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例4の無限遠にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B)、(C) 実施例4の至近距離にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B) 実施例5の広角端、望遠端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例5の無限遠にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B)、(C) 実施例5の至近距離にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B) 実施例6の広角端、望遠端におけるレンズ断面図 (A)、(B)、(C) 実施例6の無限遠にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 (A)、(B)、(C) 実施例6の至近距離にフォーカスしているときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図 本発明の撮像装置の要部概略図
以下に本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された正の屈折力のレンズ群のみからなる前群LF、ズーミングに際して移動する負の屈折力のレンズ群よりなる変倍群LV、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群LRより構成されている。そしてズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。
図1(A)、(B)は本発明の実施例1のズームレンズの広角端と望遠端におけるレンズ断面図である。図2(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例1のズームレンズにおいて無限遠距離に合焦したとき(フォーカスしたとき)の広角端、中間のズーム位置、望遠端(長焦点距離端)における収差図である。図3(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例1のズームレンズにおいて最至近距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
ここで、最至近距離は広角端における結像横倍率−0.238、中間のズーム位置における結像横倍率−0.438、望遠端における結像横倍率−0.694である。実施例1はズーム比2.69、開口比(Fナンバー)4.49〜5.86程度のズームレンズである。
図4(A)、(B)は本発明の実施例2のズームレンズの広角端と望遠端におけるレンズ断面図である。図5(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例2のズームレンズにおいて無限遠距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例2のズームレンズにおいて最至近距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
最至近距離は広角端における結像横倍率−0.222、中間のズーム位置における結像横倍率−0.398、望遠端における結像横倍率−0.630である。実施例2はズーム比2.69、開口比4.56〜5.86程度のズームレンズである。
図7(A)、(B)は本発明の実施例3のズームレンズの広角端と望遠端におけるレンズ断面図である。図8(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例3のズームレンズにおいて無限遠距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。図9(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例3のズームレンズにおいて最至近距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
最至近距離は広角端における結像横倍率−0.094、中間のズーム位置における結像横倍率−0.168、望遠端における結像横倍率−0.250である。実施例3はズーム比2.69、開口比2.90のズームレンズである。
図10(A)、(B)は本発明の実施例4のズームレンズの広角端と望遠端におけるレンズ断面図である。図11(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例4のズームレンズにおいて無限遠距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。図12(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例4のズームレンズにおいて最至近距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
最至近距離は広角端における結像横倍率−0.087、中間のズーム位置における結像横倍率−0.182、望遠端における結像横倍率−0.392である。実施例4はズーム比4.00、開口比4.03〜5.80程度のズームレンズである。
図13(A)、(B)は本発明の実施例5のズームレンズの広角端と望遠端におけるレンズ断面図である。図14(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例5のズームレンズにおいて無限遠距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。図15(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例5のズームレンズにおいて最至近距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
最至近距離は広角端における結像横倍率−0.215、中間のズーム位置における結像横倍率−0.421、望遠端における結像横倍率−0.682である。実施例5はズーム比2.69、開口比4.58〜5.86程度のズームレンズである。
図16(A)、(B)は本発明の実施例6のズームレンズの広角端と望遠端におけるレンズ断面図である。図17(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例6のズームレンズにおいて無限遠距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。図18(A)、(B)、(C)はそれぞれ実施例6のズームレンズにおいて至近距離へ合焦したときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における収差図である。
最至近距離は広角端における結像横倍率−0.092、中間のズーム位置における結像横倍率−0.171、望遠端における結像横倍率−0.250である。実施例6はズーム比2.69、開口比2.90〜2.90程度のズームレンズである。
図19は本発明のズームレンズを備えるデジタルスチルカメラ(撮像装置)の要部概略図である。
各実施例のズームレンズはビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、銀塩フィルムカメラ、TVカメラなどの撮像装置に用いられる撮像光学系である。尚、各実施例のズームレンズは投射装置(プロジェクタ)用の投射光学系として用いることもできる。
レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。また、レンズ断面図において、LFは前群であり、1つ以上の正の屈折力のレンズ群を有する。LVは変倍群であり、ズーミングに際して移動する負の屈折力のレンズ群より構成されている。LRは正の屈折力の後群であり、複数のレンズ群を有する。iを物体側からのレンズ群の順番とすると、Liは第iレンズ群を示す。
SPは開口絞りである。IPは像面である。像面IPは、ビデオカメラやデジタルカメラの撮像光学系としてズームレンズを使用する際には、CCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子(光電変換素子)の撮像面に相当する。また像面IPは銀塩フィルムカメラの撮像光学系としてズームレンズを使用する際には、フィルム面に相当する。矢印は広角端から望遠端へのズーミング(変倍)に際して、各レンズ群の移動軌跡を示している。フォーカスに関する矢印は無限遠から近距離にフォーカシングをするときの各レンズ群の移動方向を示す。
収差図のうち、球面収差図において、実線のdはd線(波長587.6nm)、二点鎖線のgはg線(波長435.8nm)、点線のS.Cは正弦条件を示す。非点収差図において、実線のSはd線におけるサジタル像面、点線のMはd線におけるメリディオナル像面である。歪曲収差はd線について示している。倍率色収差図においてgはg線である。尚、以下の各実施例において広角端と望遠端は変倍用のレンズ群が機構上、光軸上を移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。
フォーカス方式として物体側の第1レンズ群(前玉レンズ群)でフォーカシングを行う前玉フォーカス方式は一般的にフォーカシングに際しての収差変動が比較的少ない。また、ポジティブリードタイプのズームレンズにおいて前玉フォーカス方式はフォーカシングに際して変倍レンズ群と第1レンズ群の間隔が増大するため、変倍効果により撮影倍率を上げやすい。
しかしながら、広角端においてフォーカシングに際しての第1レンズ群の移動量が増大するため、広角端において近距離撮影時に周辺光量を確保するのが困難となる。また、周辺光量を十分確保しようとすると前玉有効径(第1レンズ群の有効径)が著しく大きくなってしまう。
前玉フォーカス方式に対して第2レンズ群以降のレンズ群を用いてフォーカスを行うインナーフォーカス方式、又はリアフォーカス方式(以下「リアフォーカス方式」という)がある。このリアフォーカス方式はフォーカシングに際してのレンズ群の移動量を小さくしやすく、全系の小型化に有利である。しかしながら、フォーカシングに際しての収差変動が大きく、フォーカシングに際しての収差変動を軽減することが困難である。また、最大撮影倍率を上げるために、より近距離までフォーカシング出来るようにしようとすると、フォーカスレンズ群の位置敏感度が極めて大きくなってしまう傾向がある。
リアフォーカス方式においてフォーカシングに際しての収差変動を少なくするためにはフォーカシングに際して複数のレンズ群を互いに異なる移動量で動かすフローティング方式を用いることが有効である。フローティング方式は複数のレンズ群のいずれか1つを主たるフォーカシングレンズ群、もう一方が収差補正のレンズ群と解釈される。この時、撮影可能距離の短縮化及び最大撮影倍率の向上を図るためには収差補正のレンズ群にもフォーカス作用を持たせることが重要となってくる。
本発明ではリアフォーカス方式において、フォーカシングに際して1つのレンズ群を主たるフォーカスレンズ群とし、他の1つのレンズ群をフォーカシングに際して変動する収差を補正する収差補正レンズ群とするフローティング方式を採用している。収差補正レンズ群は前玉フォーカス方式における前玉レンズ群又はその一部であるため、フォーカスの作用をもっており、これにより撮影距離の短縮化を容易にしている。
また、前玉フォーカスの特徴より、変倍効果で撮影倍率を上げることが容易となる。また、フォーカシングに際してそれぞれのレンズ群の移動量を適切に設定することで、フォーカシングに伴う収差変動を軽減している。
さらに本発明では、広角端において近距離撮影時の周辺光量を確保するため、広角端において前玉フォーカスのレンズ群の移動量が大きくなり過ぎないように、それぞれのフォーカスレンズ群の移動量を適切に設定している。逆に望遠端においては前玉フォーカス方式の特徴を活かし、出来るだけ撮影倍率を上げるために前玉フォーカスのレンズ群の移動量が大きくなるようにそれぞれのフォーカスレンズ群の移動量を適切に設定している。
次に本発明のズームレンズの構成について詳細に説明する。本発明に係る各実施例のズームレンズにおいて、前群LFに含まれる正の屈折力のレンズ群をフォーカスレンズ群La(第1フォーカスレンズ群)、後群LRに含まれる正の屈折力または負の屈折力のレンズ群をフォーカスレンズ群Lb(第2フォーカスレンズ群)とする。無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しフォーカスレンズ群Laは物体側へ移動し、フォーカスレンズ群Lbは物体側又は像側へ移動する。
広角端において無限遠から至近距離へのフォーカシングにおけるフォーカスレンズ群Laの移動量をMaw、望遠端において無限遠から至近距離へのフォーカシングにおけるフォーカスレンズ群Laの移動量をMatとする。このとき、
0.1<Maw/Mat<0.6 ・・・(1)
なる条件式を満足する。ここで至近距離とは広角端において結像横倍率が−0.238〜−0.087程度、望遠端において結像横倍率が−0.694〜−0.250程度の範囲内にあることをいう。
各実施例のズームレンズでは、変倍レンズ群の物体側又は像側のレンズ群をフォーカスに用いることで、フォーカシングに際しての収差変動を軽減させている。また、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際してフォーカスレンズ群Laを物体側に動かすことでフォーカシングに際して変倍作用が働き、ワーキングディスタンスを確保しつつ撮影倍率を上げている。ここで、ワーキングディスタンスとは最も物体側のレンズの物体側のレンズ面頂点位置から物体面までの光軸上の距離である。
フォーカシングに際しての移動量とは、無限遠合焦時におけるフォーカスレンズ群の光軸上の位置を基準として撮影可能な物体距離全域においてフォーカスレンズ群が最も大きく移動した位置までの光軸方向の距離と定義する。
条件式(1)はフォーカスレンズ群Laの広角端と望遠端におけるフォーカシングに際しての移動量の比を規定している。上限を超えて広角端におけるフォーカスレンズ群Laの移動量が増大すると、広角端における周辺光量の確保が困難になり好ましくない。下限を超えて広角端におけるフォーカスレンズ群Laの移動量が減少すると、フォーカスレンズ群Laによる収差補正の効果が不十分となり、フォーカシングに際しての収差変動が増大するため好ましくない。
更に好ましくは条件式(1)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.15<Maw/Mat<0.45 ・・・(1a)
以上のように本発明によれば望遠端において高い撮影倍率を実現し、ズーム全域でフォーカシングに際しての収差変動が小さく物体距離全般にわたり高い光学性能を有した、小型なズームレンズを得ることができる。
各実施例において好ましくは次の条件式のうち1つ以上を満足するのが良い。広角端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際してのフォーカスレンズ群Lbの移動量をMbw、望遠端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際してのフォーカスレンズ群Lbの移動量をMbtとする。フォーカスレンズ群Laの焦点距離をfa、望遠端における全系の焦点距離をftとする。フォーカスレンズ群Lbの焦点距離をfbとする。広角端における前群LFの焦点距離をffwとする。
変倍群LVの焦点距離をfv、広角端における全系の焦点距離をfwとする。広角端における前群LFと変倍群LVの間隔をLfvw、望遠端における前群LFと変倍群LVの間隔をLfvtとする。広角端における後群LRの焦点距離をfrwとする。広角端において最至近距離に合焦しているときの結像横倍率をβMODw、望遠端において最至近距離に合焦しているときの結像横倍率をβMODtとする。このとき、次の条件式のうち1つ以上を満足するのが良い。
0.15<Mbw/Mbt<0.80 ・・・(2)
0.3<Maw/Mbw<5.0 ・・・(3)
0.5<Mat/Mbt<7.0 ・・・(4)
0.3<fa/ft<1.1 ・・・(5)
0.10<|fb|/ft<0.80 ・・・(6)
0.30<ffw/ft<0.70 ・・・(7)
0.30<|fv|/fw<0.65 ・・・(8)
0.10<(Lfvt−Lfvw)/fw<0.50 ・・・(9)
0.90<fa/ffw<2.00 ・・・(10)
0.5<frw/fw<1.0 ・・・(11)
0.95<(βMODt/βMODw)/(ft/fw)<1.20 ・・・(12)
条件式(2)はフォーカスレンズ群Lbの広角端と望遠端におけるフォーカシングに際しての移動量の比を規定している。上限を超えて広角端におけるフォーカスレンズ群Lbの移動量が増大すると、広角端におけるフォーカシングに際しての収差変動、特に像面湾曲の変動が増大し、好ましくない。下限を超えて広角端におけるフォーカスレンズ群Lbの移動量が減少すると、フォーカスレンズ群Laの移動量が増大し、広角端における周辺光量の確保が困難となり、好ましくない。
条件式(3)は広角端におけるフォーカスレンズ群Laとフォーカスレンズ群Lbのフォーカシングに際しての最大移動量の比を規定している。上限を超えてフォーカスレンズ群Laの移動量が増大すると広角端における周辺光量の確保が困難となり、好ましくない。下限を超えてフォーカスレンズ群Laの移動量が減少すると、広角端におけるフォーカシングに際しての収差変動、特に像面湾曲の変動が増大し、好ましくない。
条件式(4)は望遠端におけるフォーカスレンズ群Laとフォーカスレンズ群Lbのフォーカシングに際しての移動量の比を規定している。上限を超えてフォーカスレンズ群Laの移動量が増大するとメカ機構が複雑化してレンズ系が大型化するため好ましくない。下限を超えてフォーカスレンズ群Laの移動量が減少すると、十分なワーキングディスタンスを確保することが困難となり、好ましくない。
条件式(5)はフォーカスレンズ群Laの焦点距離を規定している。上限を超えてフォーカスレンズ群Laの焦点距離が長くなると、フォーカシングに際してのフォーカスレンズ群Laの移動量が増大し、レンズ系が大型化するため好ましくない。下限を超えてフォーカスレンズ群Laの焦点距離が短くなると、望遠端において諸収差、とくに球面収差、軸上色収差、倍率色収差の補正が困難となり、好ましくない。
条件式(6)はフォーカスレンズ群Lbの焦点距離を規定している。上限を超えてフォーカスレンズ群Lbの焦点距離の絶対値が大きくなると、フォーカシングに際してのフォーカスレンズ群Lbの移動量が増大し、レンズ系が大型化するため好ましくない。下限を超えてフォーカスレンズ群Lbの焦点距離の絶対値が小さくなると、フォーカスレンズ群Lbの位置敏感度が高くなりすぎ、フォーカスレンズ群Lbを駆動するメカ機構に対する要求精度が高くなりすぎるため、好ましくない。
条件式(7)は前群LFの焦点距離を規定している。上限を超えて前群LFの焦点距離が長くなると、望遠端におけるテレ比を十分小さくすることが困難となり、レンズ系が大型化するため好ましくない。下限を超えて前群LFの焦点距離が短くなると、望遠端において諸収差、特にコマ収差と倍率色収差の補正が困難となり、好ましくない。
条件式(8)は変倍群LVの焦点距離を規定している。上限を超えて変倍群LVの焦点距離の絶対値が大きくなると、変倍比を十分確保することが困難となり、好ましくない。下限を超えて変倍群LVの焦点距離の絶対値が小さくなると、諸収差のズーム変動、特に球面収差と歪曲収差のズーム変動を軽減することが困難となり好ましくない。
条件式(9)は前群LFと変倍群LVの変倍時の空気間隔を規定している。上限を超えて空気間隔の変化が増大するとレンズ系が大型化し、好ましくない。下限を超えて空気間隔の変化が小さくなると変倍群LVの変倍分担が少なくなり、十分な変倍比を確保することが困難となるため、好ましくない。
条件式(10)は広角端における前群LFの焦点距離とフォーカスレンズ群Laの焦点距離の比を規定している。上限を超えてフォーカスレンズ群Laの焦点距離が長くなると、フォーカシングに際してのフォーカスレンズ群Laの移動量が増大し、レンズ系が大型化するため好ましくない。下限を超えてフォーカスレンズ群Laの焦点距離が短くなると、フォーカシングに際しての収差変動、特に望遠端における倍率色収差の変動を軽減することが困難となり、好ましくない。
条件式(11)は広角端における後群LRの焦点距離を規定している。上限を超えて後群LRの焦点距離が長くなると広角端において長いバックフォーカスを確保することが困難となり、好ましくない。下限を超えて後群LRの焦点距離が短くなると、レンズ全長が長くなり、レンズ系が大型化するため好ましくない。
条件式(12)は最至近距離(最短撮影距離)における広角端と望遠端の結像横倍率の比に対する広角端と望遠端における全系の焦点距離の比との関係を規定している。最至近距離における広角端と望遠端の結像横倍率の比は近距離側での変倍比に相当する。近距離側と遠距離側で変倍比が異なると、合焦動作に伴いズーミングの範囲が変化してしまい好ましくない。
条件式(12)の上限を超えて至近の結像横倍率の広角端から望遠端にズーミングした際の変化が焦点距離の変化よりも大きくなると、近距離側で撮像画角が大きく変化してしまい、好ましくない。下限を超えて至近の結像横倍率の広角端から望遠端にズーミングした際の変化が焦点距離の変化よりも小さくなると、近距離側で撮像画角の変化が小さくなりすぎ、好ましくない。さらに好ましくは条件式(2)乃至(12)の数値範囲を以下の如く設定するのが良い。
0.20<Mbw/Mbt<0.65 ・・・(2a)
0.55<Maw/Mbw<3.00 ・・・(3a)
0.75<Mat/Mbt<5.00 ・・・(4a)
0.40<fa/ft<0.95 ・・・(5a)
0.18<|fb|/ft<0.75 ・・・(6a)
0.35<ffw/ft<0.68 ・・・(7a)
0.34<|fv|/fw<0.56 ・・・(8a)
0.14<(Lfvt−Lfvw)/fw<0.45 ・・・(9a)
0.99<fa/ffw<1.80 ・・・(10a)
0.60<frw/fw<0.89 ・・・(11a)
0.97<(βMODt/βMODw)/(ft/fw)<1.18・・・(12a)
前述した条件式(1a)乃至(12a)の技術的意味は条件式(1)乃至(12)と同様である。
次に各実施例のレンズ構成について説明する。実施例1において、1つ以上のレンズ群を含む前群LFは物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2より構成されている。フォーカスレンズ群Laは第2レンズ群L2である。変倍群LVは負の屈折力の第3レンズ群L3より構成されている。
複数のレンズ群を含む後群LRは物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群L4、負の屈折力の第5レンズ群L5、正の屈折力の第6レンズ群L6、負の屈折力の第7レンズ群L7より構成されている。フォーカスレンズ群Lbは第7レンズ群L7である。前群LFの一部の正の屈折力のフォーカスレンズ群Laがフローティングレンズ群である。後群LRの最も像側の負の屈折力のフォーカスレンズ群Lbが主フォーカスレンズ群である。
本実施例では、リアフォーカス方式と前玉フォーカス方式を効果的に組み合わせている。開口絞りSPの前後のフォーカスレンズ群Laとフォーカスレンズ群Lbを異なる移動量で互いに反対側へ移動することにより、フォーカシングに際しての収差変動を効果的に軽減している。
レンズ断面図において、第2レンズ群L2に関する実線の曲線2aと点線の曲線2bは各々無限遠物体と近距離物体(至近物体)にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には矢印2cに示す如く、第2レンズ群L2を前方(物体側)に繰り出すことで行っている。
第7レンズ群L7に関する実線の曲線7aと点線の曲線7bは各々無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には、矢印7cに示す如く、第7レンズ群L7を後方(像側)に繰り込むことで行っている。ズーミングに際して隣り合うレンズ群のレンズ群間隔が変化する。
実施例2のレンズ構成は実施例1と同じであり、これによって実施例1と同様の効果を得ている。実施例3において、前群LF、変倍群LVは実施例1と同じである。複数のレンズ群を含む後群LRは物体側から像側へ順に配置された正の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5より構成されている。フォーカスレンズ群Lbは第4レンズ群L4である。前群LFの一部の正の屈折力のフォーカスレンズ群Laがフローティングレンズ群である。後群LRの物体側の正の屈折力のフォーカスレンズ群Lbが主フォーカスレンズ群である。
実施例3ではフォーカスに用いる2つのレンズ群を光軸方向で比較的近傍に配置してメカ機構の単純化を図っている。実施例3においても、リアフォーカス方式と前玉フォーカス方式を効果的に組み合わせている。開口絞りSPの前後のフォーカスレンズ群Laとフォーカスレンズ群Lbを異なる移動量で互いに反対側へ移動することにより、フォーカシングに際しての収差変動を効果的に軽減している。
レンズ断面図において、第2レンズ群L2に関する実線の曲線2aと点線の曲線2bは各々無限遠物体と近距離物体(至近物体)にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には矢印2cに示す如く、第2レンズ群L2を前方(物体側)に繰り出すことで行っている。
第4レンズ群L4に関する実線の曲線4aと点線の曲線4bは各々無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には、矢印4cに示す如く、第4レンズ群L4を後方(像側)に繰り込むことで行っている。ズーミングに際して隣り合うレンズ群のレンズ群間隔が変化する。
実施例4において前群LF、変倍群LVは実施例1と同じである。複数のレンズ群を含む後群LRは物体側から像側へ順に配置された正の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5、負の屈折力の第6レンズ群L6、正の屈折力の第7レンズ群L7より構成されている。フォーカスレンズ群Lbは第4レンズ群L4である。前群LFの一部の正の屈折力のフォーカスレンズ群Laがフローティングレンズ群である。後群LRの物体側の正の屈折力のフォーカスレンズ群Lbが主フォーカスレンズ群である。
実施例4ではフォーカスに用いる2つのレンズ群を光軸方向で比較的近傍に配置してメカ機構の単純化を図っている。実施例4においても、リアフォーカス方式と前玉フォーカス方式を効果的に組み合わせている。開口絞りSPの前後のフォーカスレンズ群Laとフォーカスレンズ群Lbを異なる移動量で互いに反対側へ移動することにより、フォーカシングに際しての収差変動を効果的に軽減している。
レンズ断面図において、第2レンズ群L2に関する実線の曲線2aと点線の曲線2bは各々無限遠物体と近距離物体(至近物体)にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には矢印2cに示す如く、第2レンズ群L2を前方(物体側)に繰り出すことで行っている。
第4レンズ群L4に関する実線の曲線4aと点線の曲線4bは各々無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には、矢印4cに示す如く、第4レンズ群L4を後方(像側)に繰り込むことで行っている。ズーミングに際して隣り合うレンズ群のレンズ群間隔が変化する。
実施例5において前群LFは、正の屈折力の第1レンズ群L1より構成されている。フォーカスレンズ群Laは第1レンズ群L1である。変倍群LVは実施例1と同じである。複数のレンズ群を含む後群LRは物体側から像側へ順に配置された正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5、負の屈折力の第6レンズ群L6より構成されている。フォーカスレンズ群Lbは第6レンズ群L6である。フォーカスレンズ群Laがフローティングレンズ群である。後群LRの最も像側の負の屈折力のフォーカスレンズ群Lbが主フォーカスレンズ群である。
実施例5においても、リアフォーカス方式と前玉フォーカス方式を効果的に組み合わせている。開口絞りSPの前後のフォーカスレンズ群Laとフォーカスレンズ群Lbを異なる移動量で互いに反対側へ移動することにより、フォーカシングに際しての収差変動を効果的に軽減している。
レンズ断面図において、第1レンズ群L1に関する実線の曲線1aと点線の曲線1bは各々無限遠物体と近距離物体(至近物体)にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には矢印1cに示す如く、第1レンズ群L1を前方(物体側)に繰り出すことで行っている。
第6レンズ群L6に関する実線の曲線6aと点線の曲線6bは各々無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には、矢印6cに示す如く、第6レンズ群L6を後方(像側)に繰り込むことで行っている。ズーミングに際して隣り合うレンズ群のレンズ群間隔が変化する。
実施例6のレンズ構成について説明する。実施例6において、1つ以上のレンズ群を含む前群LFは物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2より構成されている。フォーカスレンズ群Laは第2レンズ群L2である。変倍群LVは負の屈折力の第3レンズ群L3より構成されている。
複数のレンズ群を含む後群LRは物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5、正の屈折力の第6レンズ群L6より構成されている。フォーカスレンズ群Lbは第6レンズ群L6である。前群LFの一部の正の屈折力のフォーカスレンズ群Laがフローティングレンズ群である。後群LRの最も像側の正の屈折力のフォーカスレンズ群Lbが主フォーカスレンズ群である。
本実施例では、リアフォーカス方式と前玉フォーカス方式を効果的に組み合わせている。開口絞りSPの前後のフォーカスレンズ群Laとフォーカスレンズ群Lbを異なる移動量で物体側へ移動することにより、フォーカシングに際しての収差変動を効果的に軽減している。
レンズ断面図において、第2レンズ群L2に関する実線の曲線2aと点線の曲線2bは各々無限遠物体と近距離物体(至近物体)にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には矢印2cに示す如く、第2レンズ群L2を前方(物体側)に繰り出すことで行っている。
第6レンズ群L6に関する実線の曲線6aと点線の曲線6bは各々無限遠物体と近距離物体にフォーカスしているときの変倍に伴う像面変動を補正するための移動軌跡である。また望遠端において、無限遠物体から近距離物体へフォーカスを行う場合には、矢印6cに示す如く、第6レンズ群L6を前方(物体側)に移動することで行っている。ズーミングに際して隣り合うレンズ群のレンズ群間隔が変化する。尚、以上の実施例において、主フォーカシングレンズ群をどのレンズ群に設定しても良い。
実施例1乃至4、実施例6は前群LFに含まれる一部のフォーカスレンズ群Laが、フローティングレンズ群であり、実施例5は前群LF全体のフォーカスレンズ群Laがフローティングレンズ群である。前群LFの一部をフローティングレンズ群とすると、フローティングレンズ群の軽量化が容易となる。前群LF全体をフローティングレンズ群とすると、フォーカシングに際しての移動量の削減が容易となる。
無限遠から近距離側へのフォーカスに際してフォーカスレンズ群Laを物体側に、フォーカスレンズ群Lbを物体側又は像側に移動させている。フォーカスレンズ群Laとフォーカスレンズ群Lbを移動させることで、フォーカシングによる重心位置の変化を小さくして、操作性を向上させている。
次に本発明のズームレンズを撮像光学系として用いたデジタルカメラ(撮像装置)の実施形態を図19を用いて説明する。図19において、20はデジタルカメラ本体、21は上述の各実施例のズームレンズによって構成された撮像光学系である。22は撮像光学系21によって被写体像(像)を受光するCCD等の撮像素子(光電変換素子)、23は撮像素子22が受光した被写体像を記録する記録手段である。24は不図示の表示素子に表示された被写体像を観察するためのファインダーである。
上記表示素子は液晶パネル等によって構成され、撮像素子22上に形成された被写体像が表示される。このように本発明のズームレンズをデジタルカメラ等の撮像装置に適用することにより、小型で高い光学性能を有する撮像装置を実現している。
以下に実施例1乃至6に対応する数値データ1乃至6を示す。各数値データにおいてiは物体側からの面の順番を示す。数値データにおいてriは物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径、diは物体側より順に第i番目のレンズ厚及び空気間隔、ndiとνdiは各々物体側より順に第i番目のレンズの材料の屈折率とアッベ数である。
また、焦点距離、Fナンバー等のスペックに加え、半画角は全系の半画角(度)、像高は半画角を決定する最大像高、レンズ全長は第1レンズ面から像面までの距離である。また、各レンズ群データは、各レンズ群の焦点距離を示している。最至近結像横倍率も示す。また、各光学面の間隔dが(可変)となっている部分は、ズーミングやフォーカシングに際して変化するものであり、別表に焦点距離に応じた面間隔を記している。尚、以下に記載する数値データ1乃至5のレンズデータに基づく、各条件式の計算結果を表1に示す。
[数値データ1]
面データ
面番号 r d nd νd
1 126.007 3.40 1.48749 70.2
2 877.317 (可変)
3 59.251 1.25 1.80000 29.8
4 36.447 5.76 1.59522 67.7
5 2051.413 (可変)
6 176.601 1.05 1.77250 49.6
7 30.683 3.76
8 -70.236 1.05 1.58913 61.1
9 34.299 2.95 1.80518 25.4
10 223.604 (可変)
11 44.779 3.36 1.60311 60.6
12 -580.358 0.15
13 47.706 4.58 1.48749 70.2
14 -43.682 1.05 1.90366 31.3
15 -249.132 0.76
16(絞り) ∞ (可変)
17 -49.860 0.90 1.66998 39.3
18 19.067 4.50 1.80000 29.8
19 129.584 (可変)
20 -191.995 2.74 1.80400 46.6
21 -37.633 0.15
22 76.913 4.84 1.60311 60.6
23 -22.273 0.95 1.90366 31.3
24 -153.966 0.15
25 40.977 2.23 1.77250 49.6
26 99.139 (可変)
27 95.597 0.95 1.88300 40.8
28 29.454 2.92
29 -51.644 2.16 1.84666 23.8
30 -31.310 8.97
31 -27.304 1.05 1.70154 41.2
32 289.514 0.28
33 57.032 2.86 1.84666 23.8
34 791.169 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 2.69
広角 中間 望遠
焦点距離 72.10 129.82 193.99
Fナンバー 4.49 5.40 5.86
半画角(度) 16.70 9.46 6.36
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 164.73 184.09 196.00

レンズ群間隔(無限遠合焦時)
d 2 6.15 15.06 18.07
d 5 2.00 12.45 21.35
d10 26.24 10.90 1.20
d16 2.35 6.33 8.63
d19 14.47 10.61 7.62
d26 6.72 4.30 1.17
d34 42.04 59.68 73.20

レンズ群間隔(至近合焦時)
d 2 1.00 6.09 3.55
d 5 7.15 21.42 35.87
d10 26.24 10.90 1.20
d16 2.35 6.33 8.63
d19 14.47 10.61 7.62
d26 10.57 12.45 15.17
d34 38.18 51.53 59.20

最至近結像横倍率
-0.238 -0.438 -0.694

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 301.39
2 3 130.60
3 6 -37.12
4 11 52.42
5 17 -77.59
6 20 34.99
7 27 -40.65
[数値データ2]
面データ
面番号 r d nd νd
1 128.168 3.99 1.51633 64.1
2 2079.248 (可変)
3 59.086 1.25 1.74077 27.8
4 40.709 5.48 1.48749 70.2
5 634.488 (可変)
6 168.826 1.05 1.83481 42.7
7 33.994 3.53
8 -85.182 1.05 1.61405 55.0
9 34.442 4.05 1.84666 23.8
10 180.491 (可変)
11 56.489 3.40 1.72000 50.2
12 -174.468 0.15
13 40.471 4.71 1.48749 70.2
14 -51.917 1.05 1.84666 23.8
15 3352.883 1.02
16(絞り) ∞ (可変)
17 -55.364 0.90 1.72047 34.7
18 18.802 3.96 1.84666 23.8
19 74.828 (可変)
20 -116.452 2.47 1.80400 46.6
21 -38.045 0.15
22 68.055 5.08 1.72916 54.7
23 -22.087 0.95 1.90366 31.3
24 -294.724 0.15
25 44.979 2.06 1.83481 42.7
26 97.580 (可変)
27 93.185 0.95 1.88300 40.8
28 27.071 3.09
29 -51.661 2.08 1.84666 23.8
30 -28.511 6.82
31 -25.450 1.05 1.88300 40.8
32 -949.858 0.67
33 61.889 4.39 1.80000 29.8
34 -137.229 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 2.69
広角 中間 望遠
焦点距離 72.10 129.54 193.98
Fナンバー 4.56 5.42 5.86
半画角(度) 16.70 9.48 6.36
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 174.27 187.86 197.44

レンズ群間隔(無限遠合焦時)
d 2 12.65 12.65 12.65
d 5 2.00 15.60 25.18
d10 27.79 12.43 2.24
d16 2.28 6.64 10.36
d19 14.98 10.62 6.90
d26 6.97 4.04 1.18
d34 42.09 60.38 73.43

レンズ群間隔(至近合焦時)
d 2 10.39 8.11 1.00
d 5 4.26 20.14 36.83
d10 27.79 12.43 2.24
d16 2.28 6.64 10.36
d19 14.98 10.62 6.90
d26 10.86 12.43 16.19
d34 38.20 52.00 58.41

最至近結像横倍率
-0.222 -0.398 -0.630

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 264.35
2 3 177.68
3 6 -39.69
4 11 45.13
5 17 -56.18
6 20 33.05
7 27 -42.84
[数値データ3]
面データ
面番号 r d nd νd
1 260.497 1.80 1.66998 39.3
2 102.643 2.46
3 127.212 9.44 1.49700 81.5
4 -293.060 0.15
5 70.630 7.44 1.49700 81.5
6 176.032 (可変)
7 50.616 1.80 1.84666 23.8
8 41.457 1.34
9 47.563 8.38 1.49700 81.5
10 -2245.257 (可変)
11 406.968 1.20 1.80400 46.6
12 31.902 7.56
13 -84.845 1.26 1.49700 81.5
14 35.177 5.33 1.84666 23.8
15 428.147 3.13
16 -51.892 1.20 1.80400 46.6
17 -1119.967 (可変)
18 302.829 4.41 1.80400 46.6
19 -79.565 0.15
20 271.705 5.79 1.49700 81.5
21 -47.922 1.20 1.83400 37.2
22 -182.549 (可変)
23(絞り) ∞ 0.39
24 57.816 4.12 1.77250 49.6
25 158.490 0.15
26 46.013 3.45 1.77250 49.6
27 64.518 2.70
28 228.641 4.55 1.74000 28.3
29 32.997 6.00 1.49700 81.5
30 -631.865 2.00
31 149.773 4.77 1.80518 25.4
32 -55.853 1.20 1.59551 39.2
33 35.640 4.29
34 -65.840 1.20 1.74400 44.8
35 -236.280 6.58
36 439.133 4.93 1.80610 40.9
37 -65.850 0.28
38 188.617 8.53 1.48749 70.2
39 -31.750 1.50 1.83400 37.2
40 -7114.924 8.76
41 72.198 4.60 1.83400 37.2
42 268.078 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 2.69
広角 中間 望遠
焦点距離 72.00 135.00 194.00
Fナンバー 2.90 2.90 2.90
半画角(度) 16.72 9.10 6.36
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 248.04 248.04 248.04

レンズ群間隔(無限遠合焦時)
d 6 6.07 28.77 35.89
d10 1.58 10.02 13.58
d17 27.81 14.31 1.50
d22 24.28 6.63 8.76
d42 54.26 54.26 54.26

レンズ群間隔(至近合焦時)
d 6 1.00 19.58 23.98
d10 6.65 19.21 25.50
d17 30.38 19.45 8.76
d22 21.71 1.50 1.50
d42 54.26 54.26 54.26

最至近結像横倍率
-0.094 -0.168 -0.250

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 164.77
2 7 139.40
3 11 -24.97
4 18 82.10
5 23 99.06
[数値データ4]
面データ
面番号 r d nd νd
1 254.819 4.56 1.48749 70.2
2 2500.885 (可変)
3 332.224 3.00 1.80610 33.3
4 82.483 0.57
5 91.032 9.08 1.49700 81.5
6 -228.274 0.15
7 72.374 9.20 1.49700 81.5
8 -432.920 (可変)
9 -103.704 4.44 1.90366 31.3
10 -38.888 2.00 1.65160 58.5
11 40.844 2.45
12 428.327 2.00 1.65160 58.5
13 25.410 5.40 1.90366 31.3
14 236.606 2.45
15 -43.184 2.00 1.83481 42.7
16 131.306 (可変)
17 650.491 3.23 1.59282 68.6
18 -91.558 0.15
19 72.460 2.00 1.90366 31.3
20 36.517 6.08 1.49700 81.5
21 -92.081 (可変)
22 -68.057 2.00 1.84666 23.8
23 -89.624 0.15
24 50.636 5.06 1.59282 68.6
25 -178.508 4.02
26(絞り) ∞ (可変)
27 84.033 3.28 1.80610 33.3
28 -289.199 1.57 1.72916 54.7
29 48.375 1.89
30 -481.106 1.50 1.65160 58.5
31 121.273 (可変)
32 158.707 4.63 1.51742 52.4
33 -42.609 0.94
34 -36.715 2.24 1.80610 33.3
35 -70.709 8.22
36 77.395 8.93 1.57501 41.5
37 -30.760 2.00 1.88300 40.8
38 -397.965 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 4.00
広角 中間 望遠
焦点距離 70.98 141.89 283.59
Fナンバー 4.03 5.12 5.80
半画角(度) 16.95 8.67 4.36
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 228.54 263.44 281.60

レンズ群間隔(無限遠合焦時)
d 2 7.02 20.80 20.44
d 8 4.00 16.80 33.97
d16 29.56 15.29 2.00
d21 11.03 6.98 5.28
d26 19.52 25.16 29.64
d31 12.33 4.20 4.02
d38 39.85 68.99 81.04

レンズ群間隔(至近合焦時)
d 2 2.00 12.14 6.95
d 8 9.02 25.47 47.46
d16 31.28 17.55 4.81
d21 9.32 4.72 2.47
d26 19.52 25.16 29.64
d31 12.33 4.20 4.02
d38 39.85 68.99 81.04

最至近結像横倍率
-0.087 -0.182 -0.392

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 581.63
2 3 118.91
3 9 -25.33
4 17 71.38
5 22 81.46
6 27 -87.24
7 32 190.36
[数値データ5]
面データ
面番号 r d nd νd
1 66.176 1.25 1.80000 29.8
2 40.055 6.00 1.59522 67.7
3 -778.361 (可変)
4 67.768 1.05 1.77250 49.6
5 30.919 4.16
6 -71.750 1.05 1.58913 61.1
7 34.394 4.89 1.80518 25.4
8 147.698 (可変)
9 58.600 3.55 1.60311 60.6
10 -295.263 0.15
11 40.085 5.47 1.48749 70.2
12 -54.974 1.05 1.90366 31.3
13 -269.455 0.71
14(絞り) ∞ (可変)
15 -45.707 0.90 1.66998 39.3
16 21.600 6.01 1.80000 29.8
17 83.097 (可変)
18 -404.679 3.52 1.80400 46.6
19 -38.780 0.15
20 86.512 7.85 1.60311 60.6
21 -23.220 0.95 1.90366 31.3
22 -171.263 0.15
23 45.851 2.66 1.77250 49.6
24 943.105 (可変)
25 214.108 0.95 1.88300 40.8
26 30.180 2.76
27 -46.195 5.09 1.84666 23.9
28 -27.280 7.99
29 -24.126 1.05 1.70154 41.2
30 -156.084 0.15
31 50.204 2.27 1.84666 23.9
32 98.403 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 2.69
広角 中間 望遠
焦点距離 72.10 129.94 193.96
Fナンバー 4.58 5.51 5.86
半画角(度) 16.70 9.45 6.36
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 167.80 181.03 192.09

レンズ群間隔(無限遠合焦時)
d 3 2.00 15.23 26.28
d 8 29.24 11.55 1.20
d14 2.41 9.49 16.46
d17 11.59 6.36 2.00
d24 4.70 2.88 1.03
d32 46.09 63.74 73.33

レンズ群間隔(至近合焦時)
d 3 7.57 30.58 53.21
d 8 29.24 11.55 1.20
d14 2.41 9.49 16.46
d17 11.59 6.36 2.00
d24 7.35 8.79 12.60
d32 43.44 57.83 61.77

最至近結像横倍率
-0.215 -0.421 -0.682

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 128.91
2 4 -46.79
3 9 49.07
4 15 -53.85
5 18 30.34
6 25 -35.84
[数値データ6]
面データ
面番号 r d nd νd
1 245.376 1.80 1.66998 39.3
2 105.515 1.23
3 125.813 9.16 1.49700 81.5
4 -298.520 0.15
5 70.351 6.91 1.49700 81.5
6 163.820 (可変)
7 50.753 1.80 1.84666 23.8
8 40.850 1.03
9 45.701 7.79 1.49700 81.5
10 14640.067 (可変)
11 494.770 1.20 1.80400 46.6
12 33.190 6.01
13 -86.852 5.24 1.49700 81.5
14 36.971 5.23 1.84666 23.8
15 511.778 2.86
16 -57.664 1.25 1.80400 46.6
17 1933.632 (可変)
18 257.322 4.28 1.80400 46.6
19 -91.996 0.15
20 412.434 5.58 1.49700 81.5
21 -49.191 1.20 1.83400 37.2
22 -142.777 (可変)
23(絞り) ∞ 0.39
24 56.647 3.93 1.77250 49.6
25 143.379 0.15
26 45.975 4.75 1.77250 49.6
27 63.538 1.84
28 334.076 1.50 1.74000 28.3
29 33.966 5.99 1.49700 81.5
30 -1299.269 2.00
31 119.244 4.97 1.80518 25.4
32 -56.448 1.20 1.59551 39.2
33 34.651 4.39
34 -65.294 1.20 1.74400 44.8
35 -443.105 4.94
36 552.461 5.14 1.83481 42.7
37 -64.237 0.15
38 234.299 7.98 1.53996 59.5
39 -32.344 1.50 1.83400 37.2
40 -540.946 (可変)
41 80.918 4.53 1.77250 49.6
42 294.180 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 2.69
広角 中間 望遠
焦点距離 72.00 135.00 194.00
Fナンバー 2.90 2.90 2.90
画角 16.72 9.10 6.36
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 245.77 245.77 245.77
BF 54.00 54.00 54.00

レンズ群間隔(無限遠合焦時)
d 6 6.18 31.55 39.07
d10 1.58 8.86 12.05
d17 29.79 15.19 1.50
d22 19.56 1.50 4.48
d40 15.23 15.23 15.23
d42 54.00 54.00 54.00

レンズ群間隔(至近合焦時)
d 6 1.00 22.10 27.41
d10 6.76 18.31 23.71
d17 29.79 15.19 1.50
d22 19.56 1.50 4.48
d40 9.83 4.61 1.50
d42 59.40 64.62 67.73

最至近結像横倍率
-0.092 -0.171 -0.250

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 161.99
2 7 142.85
3 11 -25.79
4 18 83.22
5 23 185.55
6 41 143.17
LF 前群 LV 変倍群 LR 後群 La フォーカスレンズ群
Lb フォーカスレンズ群
L1 第1レンズ群 L2 第2レンズ群 L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群 L5 第5レンズ群 L6 第6レンズ群
L7 第7レンズ群

Claims (17)

  1. 物体側から像側へ順に配置された、1以上の正の屈折力のレンズ群よりなる前群、ズーミングに際して移動する負の屈折力のレンズ群よりなる変倍群、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群より構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
    前記前群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群より構成され、該第2レンズ群は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して物体側に移動する第1フォーカスレンズ群であり
    前記後群は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して移動する第2フォーカスレンズ群を有し、
    広角端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第1フォーカスレンズ群の移動量をMaw、望遠端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第1フォーカスレンズ群の移動量をMatとするとき、
    0.1<Maw/Mat<0.6
    なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群、負の屈折力の第7レンズ群より構成され、該第7レンズ群は前記第2フォーカスレンズ群であることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群より構成され、該第4レンズ群は前記第2フォーカスレンズ群であることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  4. 前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群、正の屈折力の第7レンズ群より構成され、該第4レンズ群は前記第2フォーカスレンズ群であることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  5. 物体側から像側へ順に配置された、1以上の正の屈折力のレンズ群よりなる前群、ズーミングに際して移動する負の屈折力のレンズ群よりなる変倍群、複数のレンズ群を含む正の屈折力の後群より構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
    前記前群は、正の屈折力の第1レンズ群より構成され、該第1レンズ群は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して物体側に移動する第1フォーカスレンズ群であり、
    前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群より構成され、該第6レンズ群は、無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して移動する第2フォーカスレンズ群であり、
    広角端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第1フォーカスレンズ群の移動量をMaw、望遠端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第1フォーカスレンズ群の移動量をMatとするとき、
    0.1<Maw/Mat<0.6
    なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
  6. 広角端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第2フォーカスレンズ群の移動量をMbw、望遠端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第2フォーカスレンズ群の移動量をMbtとするとき、
    0.15<Mbw/Mbt<0.80
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のズームレンズ。
  7. 広角端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第2フォーカスレンズ群の移動量をMbwとするとき、
    0.3<Maw/Mbw<5.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のズームレンズ。
  8. 望遠端における無限遠から至近距離へのフォーカシングに際しての前記第2フォーカスレンズ群の移動量をMbtとするとき、
    0.5<Mat/Mbt<7.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のズームレンズ。
  9. 前記第1フォーカスレンズ群の焦点距離をfa、望遠端における前記ズームレンズの焦点距離をftとするとき、
    0.3<fa/ft<1.1
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のズームレンズ。
  10. 前記第2フォーカスレンズ群の焦点距離をfb、望遠端における前記ズームレンズの焦点距離をftとするとき、
    0.10<|fb|/ft<0.80
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のズームレンズ。
  11. 広角端における前記前群の焦点距離をffw、望遠端における前記ズームレンズの焦点距離をftとするとき、
    0.30<ffw/ft<0.70
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のズームレンズ。
  12. 前記変倍群の焦点距離をfv、広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfwとするとき、
    0.30<|fv|/fw<0.65
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のズームレンズ。
  13. 広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfw、広角端における前記前群と前記変倍群の間隔をLfvw、望遠端における前記前群と前記変倍群の間隔をLfvtとするとき、
    0.10<(Lfvt−Lfvw)/fw<0.50
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載のズームレンズ。
  14. 前記第1フォーカスレンズ群の焦点距離をfa、広角端における前記前群の焦点距離をffwとするとき、
    0.90<fa/ffw<2.00
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載のズームレンズ。
  15. 広角端における前記後群の焦点距離をfrw、広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfwとするとき、
    0.5<frw/fw<1.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載のズームレンズ。
  16. 広角端における前記ズームレンズの焦点距離をfw、望遠端における前記ズームレンズの焦点距離をft、広角端において最至近距離の物体に合焦しているときの結像横倍率をβMODw、望遠端において最至近距離の物体に合焦しているときの結像横倍率をβMODtとするとき、
    0.95<(βMODt/βMODw)/(ft/fw)<1.20
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載のズームレンズ。
  17. 請求項1乃至16の何れか一項に記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成される像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
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