JP6702613B2 - 加飾合成樹脂成形品及びその成形方法 - Google Patents

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本発明は、インサートラベルによって表面を加飾した合成樹脂成形品及びその成型方法に関するものである。
パッケージにおける装飾が、消費者への購買意欲を増大させたり商品力の大きな部分を占める化粧料用等の容器においては、塗装、印刷等によりさまざまな加飾性を発揮させて商品イメージを大きく向上させることが望まれている。このような加飾性を付与する方法の一つとして、インサートラベルをインサート材として予め金型内にセットし、成形品の成形と同時にこの成形品と一体化させ表面に貼着する方法が用いられている。
このインサートラベル(以下、単にラベルと記す場合がある)による加飾法は、成形品の成形と同時にラベルの貼着が達成され、専用の別工程の貼着作業を必要としないこと、成形品の表面とラベルとの間に段差が生じないので成形品とラベルを一体化したように見せることができること、成形品に対するラベルの強固で安定した貼着を確実に得ることができること、と云う優れた作用効果が発揮される。
しかしながら、成形時の金型キャビティ内に合成樹脂を射出したゲート跡が成形品の上面や裏面などの消費者の目に付き易い場所に設けると、外観上好ましくないため、化粧用のコンパクト容器においては容器側面の蝶番部側からサイドゲートにて成形する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このサイドゲート成形法によりゲート跡は目立たなくなったものの、図6に示されるように、側方からの射出時の合成樹脂の流動圧力によってインサートラベル130の端縁部分が捲れ上がりラベル全体が所定の位置からズレてしまい、不良品となることがあった。そのため、バキューム孔146を用いてインサートラベル130を吸引保持してやることで、ゲート144から合成樹脂の射出流動圧力による位置ズレを防止する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
このバキュームの吸引作用を用いた方法であっても、特にゲート144に近い箇所などのインサートラベルが合成樹脂の流動圧力に負け、ラベルの端縁部分が捲くれ上がるとか、インサートラベルが所定位置から微妙にズレてしまうことがあった。
特開2016−55622号公報 特開2005−28833号公報
本発明の目的は、上記した従来技術における問題点を解消することであり、インサートラベルを所定の場所に確実に固定して加飾性を高めた加飾合成樹脂成形品、及びサイドゲートにおける射出成形時にインサートラベルが受ける合成樹脂の流動圧力を低減させ、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がるとか、インサートラベルが所定位置からズレることを防止した加飾合成樹脂成形品の成形方法を提供することである。
記課題を解決するため、本発明の主たる構成は、
インサートラベルにより表面を加飾した合成樹脂成型品であって、
該合成樹脂成型品は、透明性を有し、容器側面にゲート跡を有しているものであり、
該インサートラベルが貼着された合成樹脂成型品の内側は、少なくとも該ゲート側の該インサートラベルの端縁部に隣接する外側の位置にスリット溝が形成されており、
該スリット溝の深さが0.25mm以上である
ことを特徴とする
上記主たる構成からなる加飾合成樹脂成形品では、少なくともゲート側のインサートラベルの端縁部に深さ0.25mm以上のスリット溝が形成されているため、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がることを防止することができ、インサートラベルを所定の場所に確実に固定でき、加飾性を高めることが達成される。
また、本発明の他の構成は、スリット溝はゲート側の後方スリット溝とゲートの逆側に前方スリット溝を有しているものである。
スリット溝を前方と後方に有するため、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がることを防止することができ、またインサートラベルは前後方向にズレ難くなる。
また、本発明の他の構成は、スリット溝がインサートラベルの端縁部の全周を覆うように形成されている。
インサートラベルの端縁部の全周を覆うようにスリット溝が形成されているため、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がることを確実に防止でき、更には、インサートラベルが前後左右方向にズレ難くなり、所定の場所に確実に固定することができる。
また、本発明の他の構成は、後方スリット溝の溝深さは前方スリット溝の溝深さに比べて深くなっているものである。
射出樹脂の流動圧力が高いゲート側の後方スリット溝の溝深さが深いため、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がることを防止することができる。
更に、本発明の他の構成は、スリット溝の深さが0.30mm以上であることが好ましい。
スリット溝の深さが0.30mm以上であることによって、インサートラベルをより確実に固定することが可能となる。
上記課題を解決するため、本発明の別の主たる構成の加飾合成樹脂成形品の成形方法は、インサートラベルをインサート材としたインサート成形により表面を加飾した合成樹脂成型品の成形方法であって、
該インサートラベルは、少なくとも合成樹脂を射出するゲート側の端縁部に隣接する外側の位置にインサートラベル面よりも0.25mm以上高い有効高さを有する金型周壁を備えたコア金型の型面部分に配置され、
配置された該インサートラベルを、バキューム孔を介して吸引保持しつつ、
該合成樹脂成型品の側面のゲートから透明性を有する合成樹脂を射出成形する
ことを特徴とする。
上記主たる構成からなる加飾合成樹脂成形品の成形方法は、端縁部の全周に亘ってインサートラベル面よりも0.25mm以上高い有効高さを有する金型周壁を備えたコア金型を用いることで、射出樹脂の流動圧力をインサートラベルの端縁部分が直接受けるのを防止でき及び流動圧力を低減できるため、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がるとか、インサートラベルが所定位置からズレることを防止することができる。
また、本発明の他の構成は、金型周壁がゲート側とゲートの逆側に形成されている。
金型周壁をゲート側とその逆側に形成しているため、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がることを防止することができる。
また、本発明の他の構成は、金型周壁がインサートラベルの端縁部の全周を覆うように形成されている。
インサートラベルの端縁部の全周を覆うように金型周壁が形成されているため、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がることを確実に防止でき、更には、インサートラベルが前後左右方向にズレ難くなり、所定の場所に確実に固定できる。
また、本発明の他の構成は、金型周壁の有効高さはゲートの逆側に比べゲート側の方が高い。
射出樹脂の流動圧力が高いゲート側の金型周壁の有効高さを高くしているため、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がることを防止することができる。
また、本発明の他の構成は、金型周壁の有効高さが0.30mm以上であることが好ましい。
金型周壁の有効高さが0.30mm以上であることによって、インサートラベルの端縁部分が受ける射出樹脂の流動圧力を更に低減でき、より確実に固定することが可能である。
また、本発明の他の構成は、インサートラベルを固定するコア金型は、該インサートラベルの設置する型面部分を、射出樹脂の流動方向に対して直交するように粗面化加工している。
射出樹脂の流動方向に対して直交するように粗面化加工を施しているため、インサートラベルが所定位置からのズレ防止効果を発揮することができる。
更に、本発明の他の構成は、バキューム孔の金型クリアランスが0.05mm以上であることが好ましい。
バキューム孔の金型クリアランスが0.05mm以上であることで、射出樹脂の流動圧力によってズレないようにするバキュームによる吸引保持がより強固となる。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成においては、インサートラベルを所定の場所に確実に固定して加飾性を高めた加飾合成樹脂成形品を提供することが可能となった。
また、本発明の別の構成においては、サイドゲートにおける射出成形時にインサートラベルが受ける合成樹脂の流動圧力を低減させことができ、インサートラベルの端縁部分が捲くれ上がるとか、インサートラベルが所定位置からズレることを防止した加飾合成樹脂成形品の成形方法が達成される。
本発明の加飾合成樹脂成形品の一実施形例を示す斜視図である。 図1の加飾合成樹脂成形品の上面図である。 加飾合成樹脂成形品である上蓋の図2のI−I線での断面図、及びインサートラベル端部の拡大断面図である。 本発明の加飾合成樹脂成形品のインサート成形方法を概略的に示す説明図、及びゲート側のインサートラベル端部の拡大断面図である。 上蓋を内側から見た平面図である。 従来のインサート成形方法を概略的に示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の加飾合成樹脂成形品の一実施形例を示す斜視図であり、図2は図1の加飾合成樹脂成形品の上面図であり、図3は加飾合成樹脂成形品である上蓋の図2のI−I線での断面図及びインサートラベル端部の拡大断面図である。
以下の説明において、後方又は後端部とは後述の蝶番部25を有する側を意味し、前方又は前端部とはその逆側(操作ボタン18を有する側)を意味する。また、左右方向又は側面とは前方と後方とを結ぶ縦方向に対して平面的に直交する方向を意味する。
本実施形態の加飾容器1は合成樹脂製であり、図1に示すように、陥没形成された複数の収容部16を上面側に備えた容器本体10と、この容器本体10の上面を覆う上蓋20とを備える。なお、容器本体10の収容部16内には図示しない化粧料、パフや化粧用具等を収納することが可能である。
容器本体10は上面視で矩形板状の底壁部11と、底壁部11の外周縁から上方に向けて延設している容器周壁12と、を有する。これら底壁部11及び容器周壁12は、上方に開口する収容部16を画成している。容器周壁12は、上面視で矩形環状に形成された壁部であり、前方の前壁部13と、その中間部に蝶番部25を構成する蝶番凹部14aが形成された後方の後壁部14と、左右の側壁15、15と、を有する。前壁部13の中間部には、凹状の切欠部13aが形成されている。この切欠部13aには、後述する上蓋20側に設けられた係止片24を係止する公知のフック機構17と、このフック機構17による係止を解除するための操作ボタン18が設けられている。なお、フック機構17については、開閉可能な構造であればどのような形態でもよく、形成位置も問わない。
フック機構17は切欠部13aの前面(収容部16の前面でもある。)には、上部側の位置に係止突起17aが突設され、その下端の位置に傾斜部が突設されている。操作ボタン18は、切欠部13a内で前後方向に沿って進退自在に設けられている。操作ボタン18の内側の中段近傍には、後方に向けて突出する押上片18aが設けられており、この押上片18aの先端部の上端は係止片24に当接可能にあり、下端は傾斜部に接している。
上蓋20を閉じると、上蓋20側の係止片24が容器本体10側のフック機構17を構成する係止突起17aを下方に乗り越えて係止することにより、容器本体10の収容部16の上面を覆う閉状態を維持することができるようになっている。なお、この閉状態では、操作ボタン18は、係止片24によって押上片18aが傾斜部に沿って押し下げられた前方の位置にある。
また、加飾容器1の開放動作として操作ボタン18を押し込むと、押上片18aの下端が傾斜部の斜面に沿って上方に摺動し、押上片18aの上端が係止片24を上方に押し上げる。これにより係止片24が係止突起17aを乗り越え、フック機構17の係止突起17aと係止片24との係止を解除することが可能となっている。そして、上蓋20を引き上げると、上蓋20は蝶番部25の軸部25b回りに回動し、加飾容器1が開放される。
上蓋20は上面視で矩形板状の天壁部22と、天壁部22の外周縁から下方に向けて延設している矩形環状の上蓋周壁23と、を有する。天壁部22は、上蓋20の閉状態において容器本体10の底壁部11の上方で対向して配置されている。上蓋周壁23は、上面視で矩形環状に形成された壁部であり、前方の前壁部23aと、蝶番部25を構成する蝶番軸壁部25aが設けられた後方の後壁部23bと、左右の側壁23c、23cと、を有する。蝶番軸壁部25aは、蝶番凹部14aの左右方向の内側に設けられており、蝶番軸壁部25aの左右方向の両端部と蝶番凹部14aとは、軸部25bを介して連結されている。これによって、容器本体10に対して上蓋20を回動可能に支持する蝶番部25が構成される。
上蓋20は、図3に示されるような断面構成であり、上蓋20の天壁部22は上蓋裏面22a側にインサートラベル30を有し、そして透明性を有する合成樹脂製から形成されている。上蓋20が透明性を有することで、上蓋表面21を通して加飾性を施されたインサートラベル30が現出され、消費者に視覚効果を訴えることができる。本実施形態では、上蓋20及び容器本体10に無色透明なアクリロニトリルスチレン(AS)樹脂を用いた。
インサート材であるインサートラベル30は、その加飾目的に合せて基材フィルムに、印刷層、金属薄膜層、塗膜層、或いは印刷層と金属薄膜層を積層したもの等から適宜選択することができる。そして、加飾目的に応じて、絵柄、模様、文字、図案等を適宜選択することができる。
インサートラベル30の基材フィルムは、インサート成形で成形品の凹凸部を被覆可能な易延伸性を有するもの等が挙げられる。基材フィルムとしては、射出成形、ブロー成形、熱成形等の成形方法や、成形品の形状、凸部の形状を考慮し、インサート成形に際し高温の溶融樹脂により軟化し、さらに成形圧力によりキャビティ金型面の凹凸部の形状に沿うように延伸変形して成形品の凸凹部を被覆可能な易延伸性を有するものが適宜選択される。
具体的な基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製の2軸延伸フィルムや、ポリプロピレン(PP)樹脂製延伸フィルムをはじめ、ポリエステル系、ポリエチレン系、スチレン系、ポリアミド系等、種々のフィルムを使用することができる。
本実施形態で使用されるインサートラベル30は、PET樹脂製の基材フィルムの上に金属薄膜層としてホログラム柄を蒸着させ、その上にウレタン樹脂系及び塩化ビニル系の2液型のアンカー層と、ポリエステル系の接着層と、が積層されている。更に、基材フィルムの裏側には、ウレタン系の印刷層と、エチレン−酢酸ビニル共重合(EVA)系の密着層と、が積層されている。つまり、上蓋20の上面側から、接着層/アンカー層/金属薄膜層/基材フィルム/印刷層/密着層の層構成となっている。なお、本実施形態で使用用いられたインサートラベル全体の肉厚は、0.05mmである。
次に、図4は本発明の加飾合成樹脂成形品のインサート成形方法を概略的に示す説明図及びゲート側のインサートラベル端部の拡大断面図である。
金型40はコア金型41とキャビティ金型42から構成され、インサートラベル30を固着させたいコア金型41の所定の型面部分に、予め固着させようとしているインサートラベル30の大きさ及び形状に合わせたバキューム孔46を形成配置する。そしてコア金型41は、インサートラベル30の端縁部の全周に亘って金型周壁45が形成されている。このコア金型41の型面部分にインサートラベル30を、バキューム孔46を介して吸引保持した状態のまま、上蓋20の蝶番部25側のゲート44からアクリロニトリルスチレン樹脂を射出する。このアクリロニトリルスチレン樹脂の流動圧力をインサートラベル30の端縁部分が直接受けるのを防止するため、本発明では少なくともゲート44側のインサートラベル30に形成した金型周壁45が防御壁又は流動圧力を低減させる役割を果たすことになる。図4においては、ゲート44側の後方とゲート44の逆側の前方に金型周壁45が形成されているが、本発明においては、射出樹脂の流動圧力が高いゲート44側に金型周壁45は必須で、少なくともゲート44側の後方に金型周壁45が形成されていれば構わない。
金型周壁45は、インサートラベル30面よりも0.25mm以上高い有効高さhを有することが必須であり、有効高さhは好ましくは0.30mm以上であり、より好ましくは0.45mm以上である。これによって流動圧力をより低減できインサートラベル30を所定の場所に確実に固定することができる。有効高さhが0.25mm未満であると、射出樹脂の流動圧力を金型周壁45が低減させることが難しく、金型周壁45を乗り越えた射出樹脂の流動圧力に負けて端縁部分が捲れ上がる。なお、金型周壁45の厚みは流動圧力に負ければ薄くても構わないが、加工性の観点から0.20mmが好ましい。
このようなインサート成形方法によって得られた上蓋20は、図3に示されるように、有効高さhを有する金型周壁45を転写した、インサートラベル30の端端部に深さdのスリット溝26が前方と後方に形成されている。金型周壁45の有効高さhは、射出樹脂の流動圧力が高いゲート44側の後方を高くして、ゲート44から離れるにつれて流動圧力は低下するため、前方の有効高さhを低くすることが好ましい。詳しくは、図3に示されるように、ゲート44側に近い金型周壁45によって転写形成される後方スリット溝26bの溝深さdbは、前方スリット溝26fの溝深さdfに比べ大きく(深く)なることが好ましい。
インサートラベル30を固着させたいコア金型41の表面は、射出樹脂の流動方向に対して直交方向(本実施形態では左右方向の横方向)にヘアーライン加工により粗面化加工で微細な凹凸を形成しておくと、インサートラベル30が流動圧力に対して位置ズレし難くなり好ましい。
インサートラベル30をコア金型41に予め固着させ、射出樹脂の流動圧力によってズレないようにするバキュームによる吸引保持をより強固にするため、バキューム孔46の金型クリアランスwを0.05mm以上とすることが好ましい。なお、バキューム孔46は、インサートラベル30の全周縁又は周縁部の一部に設けることができる。
次に、本発明により得られた加飾合成樹脂成形品の上蓋を内側から見た平面図を図5に示す。
本実施形態においては、コア金型41からの全高さが0.5mmである金型周壁45をインサートラベル30の端縁部の全周を覆うように有する金型40を用い、インサートラベル30に全体の肉厚が0.05mm、つまり金型周壁45の有効高さhが0.45mm(転写されるスリット溝の深さdは同様に0.45mm)となるインサートラベル30を所定位置に設置し、バキューム孔46の金型クリアランスwが0.08mmのバキュームによる吸引保持しつつ、蝶番部25側のゲート44からアクリロニトリルスチレン樹脂を射出した。これにより、容器側方となる蝶番部25側にゲート跡を有する。
図5に示されるように、得られた上蓋裏面22aはインサートラベル30の全周に亘ってスリット溝26が形成されており、そしてインサートラベル30にはバキュームによる吸引保持によるバキューム跡27が前後方向の中間部を除く周縁部の一部に残る。
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、透明性を有する合成樹脂製としてアクリロニトリルスチレン(AS)樹脂を用いたが、AS樹脂以外のポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アイオノマー系樹脂等も用いてもよい。なお、透明性を有する合成樹脂製は、無色透明に限定されるものではなく、目的に応じて着色透明又は半透明であっても構わない。
以上説明したように、本発明の加飾合成樹脂成形品及びその成形方法は、インサートラベルを所定の場所に確実に固定して加飾性を高めることができるため、加飾合成樹脂成形品の分野における用途展開をさらに広い領域で図ることができる。
1 ; 加飾容器
10 ; 容器本体
11 ; 底部
12 ; 容器周壁
13 ; 前壁部
13a; 切欠部
14 ; 後壁部
14a; 蝶番凹部
15 ; 側壁部
16 ; 収容部
17 ; フック機構
17a; 係止突起
18 ; 操作ボタン
18a; 押上片
20 ; 上蓋
21 ; 上蓋表面
22 ; 上蓋裏面
23 ; 上蓋周壁
23a; 前壁部
23b; 後壁部
23c; 側壁部
24 ; 係止片
25 ; 蝶番部
25a; 蝶番軸壁部
25b; 軸部
26 ; スリット溝
26f; 前方スリット溝
26b; 後方スリット溝
27 ; バキューム跡
30、130 ; インサートラベル
40、140 ; 金型
41、141 ; コア金型
42、142 ; キャビティ金型
43、143 ; キャビティ
44、144 ; ゲート
45 ; 金型周壁
46、146 ; バキューム孔
h ; (周壁の)有効高さ
d ; (スリット溝の)深さ
df ; 前方スリット溝深さ
db ; 後方スリット溝深さ
w ; 金型クリアランス

Claims (12)

  1. インサートラベル(30)により表面を加飾した合成樹脂成型品であって、
    該合成樹脂成型品は、透明性を有し、成型品の側面にゲート(44)跡を有しているものであり、
    該インサートラベル(30)が貼着された合成樹脂成型品の内側は、少なくとも該ゲート(44)側の該インサートラベル(30)の端縁部に隣接する外側の位置にスリット溝(26)が形成されており、
    該スリット溝(26)の深さ(d)が0.25mm以上であることを特徴とする加飾合成樹脂成形品。
  2. 前記スリット溝は、前記ゲート(44)側の後方スリット溝(26b)と前記ゲート(44)の逆側に前方スリット溝(26f)を有している請求項1記載の加飾合成樹脂成形品。
  3. 前記スリット溝が、前記インサートラベル(30)の端縁部の全周を覆うように形成されている請求項1又は2のいずれかに記載の加飾合成樹脂成形品。
  4. 前記後方スリット溝(26b)の溝深さ(db)は、前記前方スリット溝(26f)の溝深さ(df)に比べ、深くなっている請求項1〜3のいずれかに記載の加飾合成樹脂成形品。
  5. 前記スリット溝(26)の深さ(d)が0.30mm以上である請求項1〜4のいずれかに記載の加飾合成樹脂成形品。
  6. インサートラベル(30)をインサート材としたインサート成形により表面を加飾した合成樹脂成型品の成形方法であって、
    該インサートラベル(30)は、少なくとも合成樹脂を射出するゲート(44)側の端縁部に隣接する外側の位置にインサートラベル(30)面よりも0.25mm以上高い有効高さ(h)を有する金型周壁(45)を備えたコア金型(41)の型面部分に配置され、
    配置された該インサートラベル(30)を、バキューム孔(46)を介して吸引保持しつつ、
    該合成樹脂成型品の側面のゲート(44)から透明性を有する合成樹脂を射出成形することを特徴とする加飾合成樹脂成形品の成形方法。
  7. 前記金型周壁(45)が、前記ゲート(44)側と前記ゲート(44)の逆側に形成されている請求項6に記載の加飾合成樹脂成形品の成形方法。
  8. 前記金型周壁(45)が、前記インサートラベル(30)の端縁部の全周を覆うように形成されている請求項6又は7に記載の加飾合成樹脂成形品の成形方法。
  9. 前記金型周壁(45)の有効高さ(h)は、前記ゲート(44)の逆側に比べ前記ゲート(44)側の方が高い請求項6〜8のいずれかに記載の加飾合成樹脂成形品の成形方法。
  10. 前記金型周壁(45)の有効高さ(h)が0.30mm以上である請求項6〜9のいずれかに記載の加飾合成樹脂成形品の成形方法。
  11. 前記インサートラベル(30)を固定するコア金型(41)は、該インサートラベル(30)の設置する型面部分を、射出樹脂の流動方向に対して直交するように粗面化加工している請求項6〜10のいずれかに記載の加飾合成樹脂成形品の成形方法。
  12. 前記バキューム孔(46)の金型クリアランス(w)が0.05mm以上である請求項6〜11のいずれかに記載の加飾合成樹脂成形品の成形方法。
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