JP2013248766A - インモールド成形用フィルムおよびインモールド成形方法 - Google Patents

インモールド成形用フィルムおよびインモールド成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インモールド成形において、深絞り形状でも、成形品のコーナー部、平面部ともに、表面の光沢感が適度に抑えられ、エンボス模様と絵柄層が相乗的に作用しあう立体感のある加飾表現を実現するインモールド成形方法を提供する。
【解決手段】ベースフィルム(101)上に凸部(12)を有した加飾層(105)を有するインモールド成形用フィルム(110)を金型(1,2)内に配置し、金型(1,2)を型締めして形成されるキャビティ内に射出成形樹脂(8)を注入し、射出成形樹脂(8)の注入圧力により、加飾層(105)の凸部(12)をベースフィルム(101)に埋没させるとともに、ベースフィルム(101)を伸ばし、金型(1,2)を型開きしてベースフィルム(101)を注入した射出成形樹脂(8)の表面より分離することを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、成形品表面を成形と同時に加飾するインモールド成形用フィルム、およびインモールド成形方法に関する。
最近の加飾成形品では、深絞り形状を有し、特に成形品のコーナー部の外観品位が要求されるものが多く、エンボス模様と絵柄層が相乗的に作用し合う立体感のある意匠性が好まれる傾向にある。
特許文献1には、転写フィルムを介して配置することにより、箔切れ防止および加飾成形品表面の凹凸形成による立体感表現を両立する成形方法が紹介されている。
図18は特許文献1のインモールド成形法の製造工程を示す。
図18(a)では、基材層200と剥離層201と加飾層202で構成されている転写フィルム100の基材層200の表面に、凹凸部形成用凸部211を形成する。
図18(b)では、形成した凹凸部形成用凸部211を転写フィルム100の内部に押し込む。これによって、転写フィルム100の加飾層202の表面に凹凸部形成用突出部311が形成される。
図18(c)は成形体製造ステップの前段、図18(d)は成形体製造ステップの後段であって、成形体を形成する成形樹脂を第一金型と第二金型との間のキャビティ空間に射出することにより、図18(b)で形成された凹凸部形成用突出部311を利用して、凹凸部510が形成された成形体410を製造する。
特開2010−269461号公報
特許文献1には、箔切れ防止および加飾成形品表面の凹凸形成による立体感表現の両立が記載されているが、この工法では、特に深絞り品の場合、コーナー部にベースフィルムの破れが発生するという課題がある。
本発明は、深絞り成形品でも、成形品のコーナー部にベースフィルムの破れが発生せずに、平面部と同様の立体感が表現でき、外観的に高品位な加飾成形品を得るための加飾フィルム、加飾成形品の成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のインモールド成形方法は、ベースフィルム上に凸部を有した加飾層を有するインモールド成形用フィルムを金型内に配置し、前記金型を型締めして形成されるキャビティ内に射出成形樹脂を注入し、前記射出成形樹脂の注入圧力により、前記加飾層の前記凸部を前記ベースフィルムに埋没させるとともに、前記ベースフィルムを伸ばし、前記金型を型開きして前記ベースフィルムを前記注入した射出成形樹脂の表面より分離することを特徴とする。
また、本発明のインモールド成形用フィルムは、キャリアフィルムと転写フィルムから構成され、前記キャリアフィルムは、ベースフィルム、剥離層の順に構成され、前記転写フィルムは保護層またはハードコート層、アンカー層、加飾層、隠蔽層、接着層の順に構成されており、前記インモールド成形用フィルムの加飾層にベースフィルムの反対側に凸形状となる凸部が形成されており、この凸部の高さ、幅、奥行、角度、隣り合う凸形状のピッチの少なくとも一部が第1の領域と第2の領域で異なることを特徴とする。
この構成によれば、キャビティ内に射出成形樹脂を注入することによって、加飾層の凸部がベースフィルムに埋没するので、ベースフィルムが弱くなり伸びやすくなる。具体的には、平坦部がより伸びるので、コーナー部が伸びる量が減り、ベースフィルムが破れにくくなるという効果がある。
本発明の実施の形態1におけるインモールド成形用の加飾フィルムの層構成を示す断面図 本発明の実施の形態1におけるインモールド成形品の製造前半の工程図 本発明の実施の形態1におけるインモールド成形品の製造後半の工程図 (a)本発明の実施の形態1におけるインモールド成形品の正面図と(b)要部の拡大断面図 (a)本発明の実施の形態1におけるインモールド成形用の加飾フィルムの平面図と(b)断面図と(c)成形品の平面図および(d)成形品の断面図 本発明の実施の形態1の工程1における成形装置の断面図とインモールド成形用の加飾フィルムの断面図 本発明の実施の形態1の工程2における成形装置の断面図とコーナー部における加飾フィルムの拡大断面図 本発明の実施の形態1の工程3における成形装置の断面図とコーナー部における加飾フィルムの拡大断面図 本発明の実施の形態1の工程4の最初における成形装置の断面図とコーナー部における加飾フィルムの拡大断面図 本発明の実施の形態1の工程4の射出成形完了時における成形装置の断面図とコーナー部における加飾フィルムの拡大断面図 本発明の実施の形態1の工程4の保圧、冷却時における成形装置の断面図 (A1)〜(A4)は一般的な加飾フィルムを用いた場合のインモールド成形時のベースフィルム全体の伸びを示す断面図と、(B1)〜(B4)は図1に示した加飾フィルムを用いた場合のインモールド成形時のベースフィルム全体の伸びを示す断面図 本発明の実施の形態1の工程5における成形装置の断面図とコーナー部における加飾フィルムの断面図 本発明の実施の形態1の工程6における成形装置の断面図とコーナー部における加飾フィルムの断面図 本発明の実施の形態1におけるインモールド成形用の加飾フィルムの断面詳細図 (a)〜(c)はそれぞれ本発明の実施の形態1における加飾フィルムの拡大斜視図 本発明の実施の形態2におけるインモールド成形機にインクジェットヘッドをつけた場合の模式図 従来のインモールド成形方法の工程図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
なお、本発明は、以下の各実施の形態で説明する加飾フィルムに限定されて適用されるものではない。本発明は、以下で説明する加飾フィルムとは層構成が異なる加飾フィルムにも適用できる。
(実施の形態1)
図1〜図16(a)(b)(c)は本発明の実施の形態1を示す。
図1は、インモールド成形に使用する加飾フィルムの層構成を示している。
加飾フィルム110は、キャリアフィルム108の表面に転写フィルム109を貼り付けて構成されている。
キャリアフィルム108は、転写フィルム109を連続的に金型内へ供給する役割を果たすPETやアクリルフィルム等からなるベースフィルム101と、ベースフィルム101から転写フィルム109を剥離させるための剥離層102とで構成される。
成形品の表面に転写される転写フィルム109は、保護層またはハードコート層103と、アンカー層104と、加飾層105と、隠蔽層106と、接着層107とで構成される。
保護層またはハードコート層103は、インモールド成形品の最表面で傷、ゴミ等から転写フィルムを守る役割を果たす。アンカー層104は、保護層またはハードコート層103と加飾層105とを繋ぐ役割を果たす。加飾層105は、成形品の表面に色、絵柄、模様等の意匠を付与する役割を果たす。隠蔽層106は、加飾層105の色彩を際立たせる役割を果たす。接着層107は、射出成形樹脂に転写フィルム109を接着させる役割を果たす。
加飾層105には、微細な凸部12を付けた。この点については後に詳述するが、成形品の平面部とコーナー部の位置に応じて、コーナー部に対応する加飾フィルム110の部分は凸部12が集中し、凸部12の密度が高くなっており、かつ凸部12の高さも高くしてある。一方、加飾フィルム110の中心部にいくほど、凸部12の密度は低くなっており、かつ凸部12の高さも小さくなっている。
加飾フィルム110を用いて、表面が加飾されたインモールド成形品を製造するプロセスを、図2(a)〜図3(c)に示した製造プロセスを説明する。
まず、図2(a)に示した工程1では、加飾層105に形成した凸部12、色、絵柄等の所望の意匠が、固定型1と可動型2との間の所定の位置に配置されるように、箔送り装置3により加飾フィルム110を送った。このとき、加飾フィルム110はベースフィルム101が可動型2を向き、接着層107が固定型1を向くように箔送り装置3により送った。
固定型1と可動型2との間に加飾フィルム110が配置された後、図2(b)に示した工程2では、可動型2のキャビティ面に開口されている吸引穴4から加飾フィルム110を吸引して、可動型2のキャビティ面に加飾フィルム110を装着した。また、このとき、環状の箔押さえ部材5により加飾フィルム110を固定して、加飾フィルム110を位置決めした。
図2(c)に示した工程3では、可動型2を動かして、固定型1と可動型2を型締めした。この際、箔押さえ部材5は、固定型1に形成されている収納凹部6に収納した。
図2(d)に示した工程4では、固定型1のゲート7より加飾フィルム110の接着層に向けて溶融した射出成形樹脂を射出し、固定型1と可動型2を型締めすることによって形成されたキャビティ内に、溶融した射出成形樹脂8を注入した。これにより、溶融した射出成形樹脂8がキャビティ内に充填された。これらの溶融樹脂は、ポリカーボネート、PMMA、ABS、PC+ABS等、通常用いられる射出成形樹脂である。射出温度は290〜230℃であり、金型温度は90℃〜50℃の間で設定した。
溶融した射出成形樹脂8の充填完了後、図3(a)に示した工程5では、溶融した射出成形樹脂8を所定の温度まで冷却して固化させた。
図3(b)に示した工程6では、可動型2を動かして、固定型1と可動型2を型開きした。この際、固化した(成形された)射出成形樹脂8の表面に接着された転写フィルム109をキャリアフィルム108から剥がした。これにより、表面に転写フィルム109のみが転写されたインモールド成形品9を得ることができた。得られたインモールド成形品9は、転写フィルム109の保護層またはハードコート層103で覆われた状態となった。
図3(c)に示した工程7では、固定型1から突き出しピン10(他の工程の図では省略している)を押し出して、インモールド成形品9を取り出した。
インモールド成形品9の取り出し完了後、次の成形に備えて、可動型2の吸引穴4からの吸引による加飾フィルム(キャリアフィルム108)のキャビティ面への吸着を止め、箔送り装置3により加飾フィルム110を送った。これにより、図2(a)と同じように加飾層に施された次の成形に使用する凸部12、色、絵柄等の所望の意匠を、固定型1と可動型2との間の所定の位置に配置した。以上の動作を繰り返して、インモールド成形品9を連続して製造した。
特許文献1にある成形方法では、ベースフィルムの伸びに加飾層のインクの伸びが追随できずに、インク割れ等の外観欠陥を起こし、高品位な加飾は実現できない。特にコーナー部ではこれが顕著になる。
これに対して本発明のように、加飾層105にベースフィルム101の反対側に凸形状となる凸部12を形成し、成形と同時にこの凸部をベースフィルム101に埋没させることにより、コーナー部の伸びに加飾層のインクが追随できるマージンが増え、かつ、絵柄とエンボス模様の位置ずれもない高品位な深絞り外装成形品が実現できる。凸部の形状がベースフィルムに埋没するので、ベースフィルムが弱くなり伸びやすくなる。更に平坦部がより伸びるので、コーナー部が伸びる量が減り、ベースフィルムが破れにくくなる。更に加飾層105の凸部12はアンカー層、ハードコート層、剥離層の順に転写されるため、成形離型時の剥離の良化にも寄与する。
更にインモールド成形品のコーナー部の伸びに応じて、加飾層の凸部の形状の密度が異なる様に形成することもできる。ここで凸部の密度とは、単位面積当たりの凸部12の個数を意味する。つまり、成形品のコーナー部に相当するフィルムの伸びが大きい部位は、凸部12の密度が大きく、成形品の平面部に相当するフィルムの伸びが小さい部位は凸部12の密度が小さい。更に、凸部12の密度が大きい部位の凸部12の形状は、高さ、幅、奥行き、傾斜角度、隣り合う凸部の形状のピッチのうちの少なくとも一つを変えることで、あらゆる形状の深絞り成形品に適用できる。
加飾フィルム110への凸部12には、インクジェット印刷が最適である。インクジェット印刷では所望の位置に所望の形状の凸部12を形成することが可能であり、更に、色、絵柄も形成できるため、凸部12の形状によるエンボス模様と色絵柄の両方が所望の位置に高精度に描ける。本工法ではインクジェット印刷を用いて、インモールド成形フィルムを作製し、これをインモールド成形するため、試作を何度も行わず、一度で高品位な加飾成形品が完成できる。従来行われてきた多数回の試作を繰り返してフィルムの絵柄を形成していくグラビヤ印刷工法とは全く異なる工法である。
この実施の形態1によると、成形品が深絞り形状の場合に、コーナー部、平面部に関わらず、表面の光沢感が適度に抑えられ、エンボス模様と絵柄層が相乗的に作用しあう立体感のある絵柄を表現できる。
(実施例)
ベースフィルム101の膜厚は、一般的には、20μm〜100μmの間から選択する。この実施の形態1では、50μmの膜厚を有するベースフィルム101を使用した。剥離層102は、乾燥後に平均膜厚が0.5μm〜2μm程度となるようにベースフィルム101上に形成した。
転写フィルム109は、一般的に、2μm〜50μmの膜厚を有するように構成した。この実施の形態1では、乾燥後の膜厚の最も厚い箇所が40μm程度となるように転写フィルムを構成した。詳しくは、転写フィルム109を構成する各層の乾燥後の平均膜厚が、保護層またはハードコート層103については5μm、アンカー層104については3μm、加飾層105については10μm〜25μm、隠蔽層106について5μm、接着層107については2μmとなるように、転写フィルム109の各層を形成した。保護層またはハードコート層には、UVアフターキュアタイプを使用した。
この実施の形態1における加飾フィルム110では、転写フィルム109の加飾層105内に微細な凸形状の凸部12を印刷した。
加飾層105内の微細な凸部の高さは0.5μm〜30μmまで任意に形成できた。0.5μm以下、30μm以上の形成も可能であるが、0.5μm以下では、色の濃淡が分からず、色と認識できない場合もあった。また30μm以上では、層内の内部応力により微細なクラックが発生し、インモールド時のような熱的に応力がかかる成形時にインク割れに発展する。よって、インモールドに適用した加飾層105の膜厚は0.5μm〜30μmとした。微細な凸部の形成にはインクジェット印刷機を用いた。絵柄層もインクジェット印刷によって同時に形成できた。
インモールド成形中の加飾フィルム101の挙動を説明する。
図4(a)は本発明の成形品の一例の断面図を示す。図4(b)は図4(a)における平面部からコーナー部にかけての拡大断面図を示している。
成形品におけるコーナー部と平面部の、光沢感が適度に抑えられエンボス模様と絵柄層が相乗的に作用しあう立体感を、同じ表現にするために、成形品における凸部12の形状をコーナー部も平面部も同一のものにする。しかし、コーナー部は平面部よりインモールド成形時にフィルムの伸びが大きくなるため、フィルム作製時に予めその伸びを見越した凸部12の密度にしておく必要がある。
図5(a)は、図5(c)と図5(d)に平面図と拡大断面図を示したインモールド成形品9を製造する場合に用意する加飾フィルム110の平面図である。図5(b)は、図5(a)におけるA−AA断面図である。
加飾フィルム110の中の微細な凸部は、加飾層105の凸部12の形状である。インモールド成形品9において平面部とコーナー部があるが、コーナー部に対応するインモールド成形用フィルム110の部分は凸部12が集中し、凸部12の密度が高くなっており、かつ凸部の高さも高くしてある。一方、インモールド用成形フィルム110の中心部にいくほど、凸部の密度は低くなっており、かつ凸部の高さも小さくなっている。これは、インモールド成形時に成形用フィルム110が伸びるところほど、凸部の密度を高くし、高さを高くしないといけないためである。例えば、コーナー部と平面部のフィルムの伸びの割合を3倍だとして(フィルムの伸びについてコーナー部/平面部=3)、2軸方向に等方的に引っ張る場合、単位面積当たりに9個の高さ1の凸部12があり、平面部に単位面積当たり1個の高さ1/9の凸部を配置させれば、成形時にコーナー部と平面部は異なる伸び量にもかかわらず、同じ絵柄を実現することができる。
図6以降では、インモールド成形工程において加飾フィルム110の加飾層の近傍がどのように変化していくかを示す。各工程における平面部からコーナー部にかけての加飾フィルム110の要部の拡大断面図を111として示した。
図6は図2(a)に示した工程1であって、成形前のこの状態では、インモールド成形品9のコーナー部に相当する加飾フィルム110内の加飾層105に、平面部からコーナー部にかけて拡大断面図111のように凸部を形成した。この凸部の材料はUV硬化樹脂材料であり、伸縮しやすい材質である。コーナー部から遠ざかるほど、平面部になるため、凸部の高さは低くなる。
図7は図2(b)に示した工程2であって、可動型2の吸引孔4より加飾フィルム110を吸引したときの図である。コーナー部の凸部は吸引による変形は無く、形状を維持したまま、可動型2の内側の形状に沿う。
図8は図2(c)に示した工程3であって、型締め時を示している。このとき加飾フィルム110のコーナー部の加飾層105の凸部12の形状は変化しない。
図9は図2(d)に示した工程4の最初の状態であって、ゲート7より成形樹脂をキャビ内に射出しはじめた図である。このときの射出温度は260℃であり成形樹脂としてはABSを用いた。金型温度は可動型2、固定型1ともに80℃であり、サイクルタイムは60秒である。このとき、加飾層105内の凸部12は射出成形樹脂8の圧力により、アンカー層104、ハードコート層103に転写が始まると考えられる。接着層107を樹脂がベースフィルム101の方向に押し、ベースフィルム101は全ての面を可動型2に押し付けられているため逃げられない。
インモールド成形品9の中央部は最初に射出成形樹脂8が入る位置であり、加飾層105の凸部は接着層107からベースフィルム101方向に押し付けられ、加飾層105の凸部によるアンカー層104、ハードコート層103、剥離層102の各々の凸部は中央部からコーナー部へ移動する。つまりベースフィルム101において成形品の中央部のベースフィルム101をコーナー部へ向かって伸ばす働きをする。ベースフィルム101の硬度は凸部の硬度より小さく、かつ弾性が大きいため凸部の押し圧によりベースフィルム101は変形する。この変形こそが、コーナー部でフィルム破れを発生させない理由であり、射出成形の初期には中央部の大きな圧力によるベースフィルム101の変形がコーナー部へ伝播する。
図10は図2(d)に示した工程4の射出成形完了時である。射出成形樹脂8により接着層107は高温かつ高圧でベースフィルム101の方向に押される。前工程で中央部からコーナー部へ変形させられたベースフィルム101は、その後も、射出圧力により接着層107が押され、ベースフィルム101は更に中央部からコーナー部にかけて伸ばされる。
よって、コーナー部のベースフィルム101は破れず、外観品位が維持される。また接着層107の凸部は平坦化され、同様に隠蔽層106も平坦化され加飾層105の凸部はアンカー層104の方向に押し出され、アンカー層104に凸部が転写される。同様に、ハードコート層103、剥離層102の順に凸部の形状が転写される。ベースフィルム101が緩衝の役目を果たし、ベースフィルム101から金型への転写は無い。
次に図11は図2(d)に示した工程4の保圧、冷却時である。この状態になると、射出熱で膨張していたベースフィルム101は矢印のように収縮を開始し、同様に剥離層102、ハードコート層103、アンカー層104は順に収縮する。そして、この収縮により加飾層105の凸部は隠蔽層106側に若干食い込む状況で硬化する。隠蔽層106が再び接着層107側に押し出されないのは、接着層107の変形を成形樹脂が抑えているからである。このように成形品の中央部で凸部12の形状がベースフィルム101に埋没し、ベースフィルムが弱くなり伸びやすくなり、かつ、成形品の平坦部がより伸びるのでコーナー部が伸びる量が減りベースフィルムが破れにくくなるわけである。
インモールド成形時のベースフィルム全体の伸びを、図12に詳細を示す。
図12の(A1)〜(A4)は、一般的な加飾フィルム110を用いた場合である。この場合、(A1)に示すように射出が始まり、(A2)に示すように射出成形樹脂8がベースフィルムを伸ばしていく際に中央部よりもコーナー部に射出成形樹脂8が充填されていくに従って、(A3)に示すようにコーナー部のベースフィルムが薄くなり、(A4)に示すようにフィルム破れにつながってしまう。
これに対して、図12の(B1)〜(B4)は、本発明の加飾フィルム110を用いた場合である。(B1)に示すように射出が始まり、(B2)に示すように射出成形樹脂8が加飾フィルム110に接触し、押し圧がかかると同時に凸部12がベースフィルム101に作用し、(B3)に示すようにベースフィルム101の中央部がコーナー部へ向かって伸ばされる。更に射出成形樹脂8の充填が進んでも、(B4)に示すようにベースフィルム101の破れなく射出成形樹脂8をコーナー部まで充填できる。これが本発明の特徴である。
図13は図3(a)に示した工程5であって、溶融した射出成形樹脂8の充填完了後、溶融した射出成形樹脂8を所定の温度まで冷却して固化させた状態である。コーナー部111の加飾層内の転写状態は維持されている。
図14は図3(b)に示した工程6であって、型開きで凸部の形状が表面に転写されたハードコート層103が現れる。
このような成形品を形成できる図15の断面形状の加飾フィルム110を三次元的に描くと図16(a),図16(b),図16(c)のようになる。矢印13がコーナー部との対応位置である。凸部12の形状は、部位によって任意形状に形成できた。成形品において最もフィルムが伸びる部分の凸部の密度を高くして、更に、この凸部は、以下の因子で決定付けられた。
大きな凸部12の縦ピッチ:105−1−1
大きな凸部12の横ピッチ:105−2−1
大きな凸部12の奥行き:105−3−1
大きな凸部12の角度:105−4−1
大きな凸部12の高さ:105−5−1
大きな凸部12の幅:105−6−1
中程度の凸部12の縦ピッチ:105−1−2
中程度の凸部12の横ピッチ:105−2−2
中程度の凸部12の奥行き:105−3−2
中程度の凸部12の角度:105−4−2
中程度の凸部12の高さ:105−5−2
中程度の凸部12の幅:105−6−2
小さな凸部12の縦ピッチ:105−1−3
小さな凸部12の横ピッチ:105−2−3
小さな凸部12の奥行き:105−3−3
小さな凸部12の角度:105−4−3
小さな凸部12の高さ:105−5−3
小さな凸部12の幅:105−6−3
(実施の形態2)
図17は、本発明の実施の形態2におけるインモールド成形機の構成を示す図である。本工法はインクジェット印刷によるものであるが、インモールド成形機に加飾層形成用インクジェットヘッド112,隠蔽層形成用インクジェットヘッド113,接着層形成用インクジェットヘッド114を取り付けて、その場で印刷しても良い。インクジェットインクはUVインクであり、速乾性があるからである。UVインクはUVランプ115の積算照射量で硬化する材料であり、加飾層を形成するヘッド112だけでなく、隠蔽層や接着層を形成するヘッド113,114についても隠蔽インクや接着層内のバインダーの粘性調整によりインクジェットヘッド113,114からそれぞれ隠蔽インクや接着材を吐出し隠蔽層や接着層を形成することも可能である。矢印は箔送り装置3による加飾フィルム110の移送方向である。
隠蔽層や接着層には高精細化の機能は必要ないため、スプレーガンのような塗布方法でも構わない。
なお、インクジェット印刷の場合、ベースフィルムの場所による伸縮の差違にも対応できる。すなわち、ベースフィルムは通常5〜6m幅で作製されるが、中央部と端部では結晶配向性の違いから伸び量そのものに差があるだけでなく、2軸延伸PETや高易成形PETはTD方向(フィルム幅方向)、MD方向(フィルム搬送方向)の伸び方に若干の違いがある。インクジェット印刷を利用すれば、この僅かな伸びの差があっても凸部12の形状の形成を適宜変更することで、これらベースフィルムの延伸による結晶配向ばらつきの差にも適応できる。
本発明は、平板形状のテレビやオーディオなどのAV機器はもちろん、深絞り形状であるクリーナー、冷蔵庫、エアコンなどの機器、スマートフォン、携帯電話装置等の外装の成形品に展開かつ適用できる。
1 固定型
2 可動型
3 箔送り装置
4 吸引穴
5 箔押さえ部材
6 収納凹部
7 ゲート
8 射出成形樹脂
9 インモールド成形品
10 突き出しピン
12 加飾層の凸部
101 ベースフィルム
102 剥離層
103 保護層またはハードコート層
104 アンカー層
105 加飾層
105−1−1 大きな凸部12の縦ピッチ
105−1−2 中程度の凸部12の縦ピッチ
105−1−3 小さな凸部12の縦ピッチ
105−2−1 大きな凸部12の横ピッチ
105−2−2 中程度の凸部12の横ピッチ
105−2−3 小さな凸部12の横ピッチ
105−3−1 大きな凸部12の奥行き
105−3−2 中程度の凸部12の奥行き
105−3−3 小さな凸部12の奥行き
105−4−1 大きな凸部12の角度
105−4−2 中程度の凸部12の角度
105−4−3 小さな凸部12の角度
105−5−1 大きな凸部12の高さ
105−5−2 中程度の凸部12の高さ
105−5−3 小さな凸部12の高さ
105−6−1 大きな凸部12の幅
105−6−2 中程度の凸部12の幅
105−6−3 小さな凸部12の幅
106 隠蔽層
107 接着層
108 キャリアフィルム
109 転写フィルム
110 加飾フィルム
112 インクジェットヘッド(加飾層形成用)
113 インクジェットヘッド(隠蔽層形成用)
114 インクジェットヘッド(接着層形成用)
115 UVランプ

Claims (6)

  1. ベースフィルム上に凸部を有した加飾層を有するインモールド成形用フィルムを金型内に配置し、
    前記金型を型締めして形成されるキャビティ内に射出成形樹脂を注入し、
    前記射出成形樹脂の注入圧力により、前記加飾層の前記凸部を前記ベースフィルムに埋没させるとともに、前記ベースフィルムを伸ばし、
    前記金型を型開きして前記ベースフィルムを前記注入した射出成形樹脂の表面より分離することを特徴とする
    インモールド成形方法。
  2. 前記インモールド成形用フィルムは、
    前記インモールド成形用フィルムの前記加飾層の第1領域に前記ベースフィルムの反対側に凸形状となる第1の凸部を有し、前記インモールド成形用フィルムの前記加飾層の第1領域とは異なる第2領域に、前記ベースフィルムの反対側に凸形状で前記第1領域より単位面積当たりの個数が多い第2の凸部を有することを特徴とする
    請求項1記載のインモールド成形方法。
  3. 前記インモールド成形用フィルムの第2の凸部の高さは、第1の凸部よりも高いことを特徴とする
    請求項2記載のインモールド成形方法。
  4. キャリアフィルムと転写フィルムから構成され、
    前記キャリアフィルムは、ベースフィルム、剥離層の順に構成され、
    前記転写フィルムは保護層またはハードコート層、アンカー層、加飾層、隠蔽層、接着層の順に構成されており、
    前記インモールド成形用フィルムの加飾層にベースフィルムの反対側に凸形状となる凸部が形成されており、この凸部の高さ、幅、奥行、角度、隣り合う凸形状のピッチの少なくとも一部が第1の領域と第2の領域で異なることを特徴とする
    インモールド成形用フィルム。
  5. 前記インモールド成形用フィルムの加飾層の凸部がインクジェット印刷で形成されていることを特徴とする
    請求項4に記載のインモールド成形用フィルム。
  6. 請求項1〜請求項3に記載の何れかのインモールド成形方法によって製造されたことを特徴とするインモールド成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017159524A (ja) * 2016-03-09 2017-09-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 インモールド成形用フィルム、インモールド成形品の製造方法および製造装置
JP2021112830A (ja) * 2020-01-16 2021-08-05 星雲電腦股▲ふん▼有限公司 Uvインクジェットプリンターで使用される印刷後の箔押しを実施可能な印字方法

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