JP6817886B2 - 加飾成形体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
触感としては、例えば、表面に指を滑らせたときに、若干の抵抗を感じるしっとり感、抵抗少なく滑らせることが可能なつるつるした触感、あるいはざらざらした触感等が挙げられる。なお、これらのうちのしっとり感によって、例えばすべり止め効果を発揮させることができる。
見た目としては、色調の濃淡、色彩、あるいは光沢の強弱等が挙げられる。
この場合、基材の表面側に金属層が配設されているので、メタリック感を発現させることが可能になり、装飾性を確実に高めることができる。
この場合、基材の表面と印刷層との間にラベルが配設されているので、ラベルの材質を選択することによって、基材および印刷層の各材質によらず、印刷層を基材の表面側に容易に配設することができる。
この場合、ラベルの表面に金属層が配設されているので、ラベルの材質を選択することによって、基材および金属層の各材質によらず、金属層を基材の表面側に容易に配設することができる。
この発明によれば、表面側に印刷層が配設されたラベルをキャビティ内に配置した後に、表面が複数のパネル部に区画された基材を形成するので、ラベルを、基材の表面形状によらず、基材の表面に容易かつ精度よく配設することができる。
この場合、基材の表面側に金属層が配設された加飾成形体を容易かつ精度よく形成することができる。
本実施形態に係る加飾成形体1は、図1に示されるように、表面が複数のパネル部11、12に区画された平板状に形成されている。図示の例では、加飾成形体1は、図2〜図4に示されるように、コンパクト容器51の蓋体52が備える天板となっている。
コンパクト容器51は、内容物が充填された中皿53および塗布具54a、54bが内側に収容される容器本体55を備え、蓋体52は、容器本体55にヒンジ部56を介して連結されている。
容器本体55は、偏平な有底筒状に形成されている。
以下、容器本体55の中心軸線Oに沿う軸方向の蓋体52側を上側といい、容器本体55の底部側を下側という。軸方向から見た平面視において、中心軸線Oに対してヒンジ部56が位置する側を後方といい、その逆向きを前方という。前記平面視において、前後方向に直交する方向を左右方向という。
中皿53および塗布具54a、54bは、容器本体55の内側に後方から前方に向けてこの順に並べられて配設されている。図示の例では、塗布具54a、54bは2本の刷毛となっている。
複数のパネル部11、12のうちの一部は、前記平面視で矩形状を呈する第1パネル部11とされ、残部は、前記平面視で三角形状を呈する第2パネル部12となっている。互いに隣り合う第1パネル部11同士、第2パネル部12同士、並びに第1パネル部11および第2パネル部12は、重複、あるいは隙間をあけたりすることなく、角部の頂点同士、若しくは辺部同士が一致している。
図示の例では、第2パネル部12の平面視形状は、底辺が他の2辺より長い二等辺三角形状となっている。
以上より、基材13の表面は、4つの第1パネル部11、および8つの第2パネル部12により全域にわたって区画されている。
図1〜図4に示されるように、第1パネル部11は、凸部15の上端部(凸端部)15aから第1パネル部11の外周縁に向かうに従い漸次、下方に向けて延びるように全体が凸状に形成されている。第2パネル部12は、凸部15の上端部15aから第2パネル部12の外周縁に向かうに従い漸次、下方に向けて延びるように全体が凸状に形成されている。つまり、凸部15は、第1パネル部11および第2パネル部12それぞれにおける全域にわたって1つ形成されている。これにより、基材13の表面全体が、第1パネル部11および第2パネル部12の各外周縁が溝状となる凹凸形状となっている。
第1パネル部11および第2パネル部12はそれぞれ、上方に向けて突の曲面状に形成されている。なお、これに代えて例えば、第1パネル部11および第2パネル部12を、上方に向けて突の錘状に形成してもよい。
なお、第1パネル部11および第2パネル部12に、凸部15に代えて、あるいは凸部15とともに凹部を形成してもよい。第1パネル部11および第2パネル部12に、凸部15に代えて凹部を形成した場合、第1、第2パネル部11、12の全体を、凹部の下端部(凹端部)から第1、第2パネル部11、12の外周縁に向かうに従い漸次、上方に向けて延びる凹状に形成してもよい。
基材13の表面と印刷層16、17との間にラベル22が配設されている。ラベル22は、例えば無色透明なポリエステル系樹脂となっている。ラベル22の厚さは例えば0.2mmとなっている。ラベル22の厚さは、金属層21および印刷層16、17の各厚さより厚くなっている。
なおこれに限らず、ラベル22の表面に、金属層21および印刷層16、17を水平方向に並べて配設してもよい。
本実施形態では、図6に示されるように、印刷層16、17は、複数の第1、第2パネル部11、12のうち、2組の左右一対の第2パネル部12を除く全ての第1、第2パネル部11、12の表面側に配設されている。印刷層16、17、ラベル22、および金属層21は、基材13の表面において溝状となっている、第1、第2パネル部11、12の表面側の各外周縁にも配設されている。
複数の第1、第2パネル部11、12のうち、2組の左右一対の第2パネル部12では、金属層21が外部に露呈していて光沢のあるメタリック調を呈し、その他の部分は光沢が抑えられたマットなメタリック調を呈する。
そして、金属層21、第1印刷層16、および第2印刷層17が配設されたラベル22を、成形金型のキャビティ内に配置する。この際、ラベル22の表面側を、バキュームによりキャビティの内面に吸着する。その後、キャビティ内に溶融樹脂を射出して、表面が第1、第2パネル部11、12に区画された基材13を成形するとともに、ラベル22の裏面を基材13の表面に接着することで、加飾成形体1が得られる。
なお、本実施形態のように、ラベル22をキャビティ内に配置した後に、キャビティ内に溶融樹脂を射出して供給し基材13を成形するのに代えて、例えば、ラベル22をキャビティ内に配置した後に、キャビティ内に供給した合成樹脂材料をブロー成形等して基材13を形成してもよい。
また、基材13の表面側に金属層21が配設されているので、メタリック感を発現させることが可能になり、装飾性を確実に高めることができる。
また、基材13の表面と第1、第2印刷層16、17との間にラベル22が配設されているので、ラベル22の材質を選択することによって、基材13および第1、第2印刷層16、17の各材質によらず、第1、第2印刷層16、17を基材13の表面側に容易に配設することができる。
また、ラベル22の表面に金属層21が配設されているので、ラベル22の材質を選択することによって、基材13および金属層21の各材質によらず、金属層21を基材13の表面側に容易に配設することができる。
また、基材13の表面全体が凹凸形状となっているので、基材13の表面側に金属層21が配設されていることと相俟って、見る角度等によって、加飾成形体1の表面が発現する、例えば色調等の見た目を変化させることもできる。
また、ラベル22をキャビティ内に配置する前に、ラベル22の表面に金属層21を配設するので、基材13の表面側に金属層21が配設された加飾成形体1を容易かつ精度よく形成することができる。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
複数の印刷層16、31のうちの一部は、第1印刷層16とされ、図7に破線で示されるように、左右一対の第1パネル部11の表面側に配設され、残りの第3印刷層31は、図7に点線で示されるように、前後一対の第1パネル部11の表面側に配設されている。
図示の例では、複数の第1、第2パネル部11、12のうち、第1印刷層16が配設された部分は、第3印刷層31が配設された部分より色彩が濃くなっている。複数の第1、第2パネル部11、12のうち、第3印刷層31が配設された部分では、指を滑らせたときに、若干の抵抗を感じ、かつざらざらした触感が得られる。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図示の例では、複数の第1、第2パネル部11、12のうち、第4印刷層32が配設された部分は、多数のしわを有してきらきらしたメタリック調を呈し、第2実施形態における第3印刷層31が配設された部分より強いざらつき感が得られる。
なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
複数の印刷層16、31、32のうちの一部は、第1印刷層16とされ、第1実施形態と同様に、左右一対の第1パネル部11、および2組の前後一対の第2パネル部12それぞれの表面側に一体に配設され、他の一部は、第3印刷層31とされ、第2実施形態と同様に、前後一対の第1パネル部11の表面側に配設され、残りの第5印刷層33は、図9に破線で示されるように、左右一対の第1パネル部11の表面側に配設されている。第5印刷層33は、第1印刷層16の裏面に配設されている。つまり、左右一対の第1パネル部11の表面には、ラベル22、金属層21、第5印刷層33、および第1印刷層16が上方に向けてこの順に配設されている。
図示の例では、複数の第1、第2パネル部11、12のうち、第5印刷層33が配設された部分では、第3実施形態における第4印刷層32が配設された部分と比べて、きめの細かいしわを有し、かつ光沢の抑えられたメタリック調を呈するとともに、指を滑らせたときに大きな抵抗を感じる触感が得られる。
なお、この第5実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図示の例では、容器本体55の内側に1つの塗布具54cが収容されている。
また、第1、第2パネル部11、12の全体が、平坦面であってもよいし、下方に向けて窪んでもよい。また、第1、第2パネル部11、12の表面に、複数の凸部若しくは凹部を形成してもよい。
また、加飾成形体1〜5は、容器に限らず例えば、装飾品および壁体等に適用してもよい。
また、基材13の表面側に、金属層21を配設しなくてもよい。なお、基材13の表面側に金属層21を配設しない場合は、基材13を、透明な樹脂材料である、例えばAS樹脂、若しくはポリエチレンテレフタレート等により形成するのが好ましい。この場合、加飾成形体に良好な装飾性を具備させることができる。
また、基材13の表面側に、金属層21に代えて他の材質からなる層を配設し、この層と印刷層とを組み合わせることで、加飾効果を発揮させるようにしてもよい。
また、前記実施形態に対して、さらに装飾性を高めるために、例えば塗装等の公知の加飾技術を適用してもよい。例えば、金属層21の表面に塗装を施し着色してもよい。
11 第1パネル部
12 第2パネル部
13 基材
15 凸部
15a 上端部(凸端部)
16 第1印刷層(印刷層)
17 第2印刷層(印刷層)
21 金属層
22 ラベル
31 第3印刷層(印刷層)
32 第4印刷層(印刷層)
33 第5印刷層(印刷層)
Claims (6)
- 表面が複数のパネル部に区画されるとともに、合成樹脂材料により形成された基材と、
前記基材の表面側に配設された印刷層と、を備え、
複数の前記パネル部のうちの少なくとも1つには、他の前記パネル部に配設された前記印刷層とは、性状の異なる前記印刷層が配設され、
前記パネル部に、凹部若しくは凸部が形成され、
前記パネル部は、凹端部若しくは凸端部からこのパネル部の外周縁に向かうに従い漸次、前記基材の厚さ方向の位置が異なるように全体が凹状若しくは凸状に形成されていることを特徴とする加飾成形体。 - 表面が複数のパネル部に区画されるとともに、合成樹脂材料により形成された基材と、
前記基材の表面側に配設された印刷層と、を備え、
複数の前記パネル部のうちの少なくとも1つには、他の前記パネル部に配設された前記印刷層とは、性状の異なる前記印刷層が配設され、
前記基材の表面側に金属層が配設されていることを特徴とする加飾成形体。 - 表面が複数のパネル部に区画されるとともに、合成樹脂材料により形成された基材と、
前記基材の表面側に配設された印刷層と、を備え、
複数の前記パネル部のうちの少なくとも1つには、他の前記パネル部に配設された前記印刷層とは、性状の異なる前記印刷層が配設され、
前記基材の表面と前記印刷層との間にラベルが配設されていることを特徴とする加飾成形体。 - 前記ラベルの表面に金属層が配設されていることを特徴とする請求項3に記載の加飾成形体。
- 表面側に印刷層が配設されたラベルをキャビティ内に配置した後、前記キャビティ内に合成樹脂材料を前記ラベルの裏面に向けて供給することで、表面が複数のパネル部に区画され、かつ表面に前記ラベルの裏面が接着された基材を形成することを特徴とする加飾成形体の製造方法。
- 前記ラベルを前記キャビティ内に配置する前に、前記ラベルの表面に金属層を配設することを特徴とする請求項5に記載の加飾成形体の製造方法。
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JP2017088241A JP6817886B2 (ja) | 2017-04-27 | 2017-04-27 | 加飾成形体およびその製造方法 |
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