JP5510803B2 - 加飾合成樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、表面をインサートラベルにより加飾した合成樹脂成形品に関する。
パケージにおける装飾が商品力の大きな部分を占める化粧料用等の容器においては、塗装、印刷等によりさまざまな加飾性を発揮させて商品イメージを大きく向上させることが望まれている。たとえば特許文献1には、ホットスタンプ法を用いてメタリック状の加飾が立体的に施された化粧料容器に係る発明が記載されており、金属調の光沢を表面に付与することにより高級なイメージを付与することができるとしている。
また、合成樹脂成形品の表面に、加飾とか商品名や説明文の表示を達成する手段として、装飾模様とか商品名、説明文を印刷表示したラベルを貼着する手段が多用されている。そして、ラベルを貼着する方法の一つとして、インサートラベルをインサート材として予め金型内にセットし、成形品の成形と同時にこの成形品の表面に貼着する加飾法がある。
このインサートラベルによる加飾法は、成形品の成形と同時にラベルの貼着が達成され、専用の別工程の貼着作業を必要としないこと、成形品の表面とインサートラベルとの間に段差が生じないので、この段差による成形品の外観体裁や触感の劣化の恐れが全くないこと、成形品に対するインサートラベルの強固で安定した貼着を確実に得ることができること、と云う優れた作用効果を有する。
例えば、特許文献2には、インサートラベルに関する発明が記載されている。
図8は、従来から一般的に使用されているインサートラベル(以下、単にラベルと記す場合がある。)の層構成の一例を示す縦断面図である。
このラベル111は、合成紙からなる不透明な基材フィルム112の表面に印刷層118を形成し、この印刷層118を静電気の帯電を防止するための帯電防止剤を含有したニスコートによる保護層120で被覆しており、また裏面にはインサート成形により合成樹脂成形品の表面に接着固定するヒートシール層117を積層している。
特開平6−286397 特開平10−63189
ここで、上記したホットスタンプ法による加飾方法は、成形品表面に凸模様を予め形成し、その凸模様の上面にホットスタンプにより金属箔を積層する等の方法であり、加飾のための費用が大きくなり、またその加工方法から細かい、繊細な、あるいは精緻な模様の形成が難しく、高級感という点でも不満が残るものである。
一方、インサートラベルによる加飾法では、その加飾態様が平坦状であり立体的な視覚効果が得がたいと云う問題がある。
そこで本発明は、インサートラベルによる加飾法に立体的で深みのある視覚効果を付与すること主たる技術課題とするものであり、インサートラベルにより高度に加飾された合成樹脂成形品を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決する手段に係る本発明の主たる構成は、
インサートラベルをインサート材としたインサート成形により表面を加飾した合成樹脂成形品において、
成形品は表面に所定の形状の凸部(2)を突出形成したものであり、
インサートラベルの層構成は透明な合成樹脂製の基材フィルムの裏面側に、所定の形状の加飾層を形成する金属薄膜層と、
金属薄膜層を有する基材フィルムの裏面側の全領域に、パール状の光沢が現出するように微粉状のフィラーを分散したパール光沢層と、
金属薄膜層とパール光沢層の間に、パール光沢層のフィラーによる凹凸の、あるいは光学的な影響を遮蔽するための遮蔽層とを積層し、
さらに最裏面側のパール光沢層の全領域に接着層を積層して有するもので、
金属薄膜層が成形品の凸部の形状に合せて、凸部に積層され構成とする、と云うものである。
上記構成の加飾成形品は、
成形品の凸部を形成する凹部を刻設したキャビティ金型面にラベルを、凹部を橋渡し状に覆うようにセットし、成形品を成形することにより成形することができる。ここで、ラベルの肉厚が薄い場合やラベルを成形品の表面の部分的な領域に貼着する場合には吸引等の手段を利用することにより、ラベルをキャビティ金型面に容易にセットすることができる。
そして、ラベルの基材フィルムは、高温の溶融樹脂に接触して軟化し、さらに溶融樹脂の成形圧力により延伸変形して凹部の形状に沿うように変形することができ、その結果ラベルは、成形品の凸部も含めた表面の形状に沿って、接着層を介して表面に接着、積層することができる。
なお、上記構成また以下の説明でたとえば「基材フィルムの裏面側」と云うように、ラベル全体あるいはラベルを構成する各層の積層方向を明確にするために便宜上「表面側」また「裏面側」と云う用語を使用するが、ここで「裏面側」は合成樹脂成形品との貼着面側、「表面側」はその反対側を示す。
また、透明な合成樹脂製の基材フィルムは、半透明なもの、あるいは着色透明なものを含む。
ここで、加飾層はその加飾目的に合せて、印刷層、金属薄膜層、塗膜層、さらには印刷層と金属薄膜層を積層したもの等から適宜選択することができるが、
この加飾層を成形品の凸部の形状に合せた形状として、基材フィルムの裏面側に積層することにより、インサート成形後には加飾層が成形品の凸部の所定の形状に合せて凸部に積層した状態とすることができる。
そして、このような構成の加飾合成樹脂成形品では、加飾層により加飾された凸部により立体的な加飾を実現でき、さらに透明な基材フィルムによって加飾層が浮き上がるような視覚効果が発揮され、深みのある高度な加飾効果を現出させることができる。
なお凸部は、加飾目的に応じて、絵柄、模様、文字、図案等から適宜選択することができる。
そしてまた、上記構成によれば、凸部の形状に合せて加飾層を予め積層したラベルをキャビティ金型面の所定の位置にセットし、インサート成形することにより、成形品の凸部と加飾層の位置あわせを容易に、高い生産性で実現することができる。
また金属薄膜層によれば、成形品の凸部に積層されたに金属光沢を有する金属薄膜層が透明な基材フィルムを通して浮き上がったような視覚効果、またクリスタル状にきらきら光る視覚効果が発揮され高度な加飾性を実現することができる。
ここで、金属薄膜層を所定の形状に積層する方法の一例は次のようなものである。
(1)まず基材フィルム裏面側に全領域にアンカー層を介して真空蒸着法やスパッタリング法により金属薄膜層を形成する。
(2)次にこの金属薄膜層に所定の形状に印刷層等でマスキングをする。
(3)次に、上記のようマスキングした状態でアルカリ洗浄処理により、マスキングした部分を除く金属薄膜層を除去する。
なお、金属薄膜層は上記のように表面側はアンカー層を介して基材フィルム層と密着し、裏面側は印刷層等のマスキング層に密着しており、凸部の突出高さが0.6mm程度であればインサート成形における基材フィルムの延伸変形に十分追従することができ、クラックや皺の発生により金属薄膜層の金属光沢を損なうことはない。
ここで、金属薄膜層は所謂、ハーフ蒸着として半透過性とすることもできるし、着色透明な印刷層等を積層して金属光沢に色合いを付与することもできる。
さらに金属薄膜層の裏面側にパール光沢層が積層する場合には、金属薄膜層を透してフィラーの凹凸やパール光沢が現出し、金属薄膜層の鏡面様の加飾性が損なわれてしまう。
そこで上記構成によれば金属薄膜層とパール光沢層の間に遮蔽層を積層することにより金属薄膜層による鏡面様の加飾性を高品位に保持することができる。
なお、遮蔽層は金属薄膜層と同じ形状に積層するので、主として印刷により形成する。またこの遮蔽層は白色に着色することにより遮蔽効果をより確実に発揮させることができる。
本発明の他の構成は上記主たる構成において、成形品の表面の凸部の突出基端の周辺に周溝が形成され、凸部の突出基端に係る外周輪郭を二重線状とする、と云うものである。
上記構成によれば、凸部に対する加飾層の位置が若干ずれたとしても、加飾層の外周輪郭が、凸部の二重線状の外周輪郭の幅内に収まっていれば、二重線状の外周輪郭の視覚効果により、そのズレが外見上目立たなくなり、高品位な加飾性を損なうことがない。
逆にみれば、上記のように若干のズレが許容されれば、位置合せの精度に係る許容範囲が広がり、生産性を向上させることが可能となる。
本発明のさらに他の構成は主たる構成において、凸部の突出高さは最大で0.6mmとする、と云うものである。
凸部の平面形状、突出高さ等の形状は、加飾効果の他にもインサート成形における、キャビティ金型面に形成された凹部に沿うようなラベルの延伸変形性を考慮して適宜決めることができるものであるが、その凸部の突出高さは最大で0.6mmとするのが好ましい。
0.6mmを超えると、凸部の形状が再現できなくなったり、皺が発生したりしてしまう。
本発明の他の構成は、成形品は平坦状の頂壁を有する蓋状の射出成形品とし、インサートラベルは頂壁の略全域に貼着され、この頂壁の裏面側の中央位置に成形金型のゲート跡が形成されているものとする、と云うものである。
上記構成により、成形品の射出成形の際、頂壁の中央位置からその周縁部に向かって放射状に流動する溶融樹脂により、ラベルを四方に広げるような力が作用した状態となり、ラベルをキャビティ金型面の凹部の形状に沿ってスムーズに変形させることができる。
次に、本発明の加飾成形品で、インサートラベルの層構成は、透明な合成樹脂製の基材フィルムの裏面側に、所定の形状の加飾層さらに最裏面側の全領域に接着層を積層して有する構成(以下、基本層構成と記す。)を基本として、さまざまな態様の層構成とすることができる。
以下、本発明の加飾成形品に使用するインサートラベルの層構成について説明する。
本発明におけるインサートラベルの他の層構成は、上記の基本層構成において、基材フィルムは、インサート成形で成形品の凸部を被覆可能な易延伸性を有するものとする、云うものである。
基材フィルムとしては、射出成形、ブロー成形、熱成形等の成形方法や、成形品の形状、凸部の形状を考慮し、インサート成形に際し高温の溶融樹脂により軟化し、さらに成形圧力によりキャビティ金型面の凹部の形状に沿うように延伸変形して成形品の凸部を被覆可能な易延伸性を有するものが適宜選択される。
透明性を有する基材フィルムとしては、たとえば従来のインサートラベルの基材フィルムとして一般的に使用されているポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製の2軸延伸フィルムや、ポリプロピレン(PP)樹脂製延伸フィルムをはじめ、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、スチレン系、ポリアミド系等、種々の透明性フィルムを使用することができる。
ここで、凸部の突出高さが高い、あるいは形状が複雑である等、さらに十分な易延伸性が要求される場合には、基材フィルムとして、たとえば、モノマー成分であるエチレングリコールやテレフタル酸にシクロヘキサンジメタノール(CHDM)等の共重合成分を加えて柔軟化して易延伸性を増したポリエステル系フィルムを使用する等、目的に応じて、共重合やゴム成分を微分散させる等の手段で、透明性を損なうことなく易延伸化したフィルムを使用することができる。
本発明におけるインサートラベルのさらに他の層構成は、インサートラベルの基材フィルムの肉厚は0.075〜0.2mmの範囲とする、と云うものである。
基材フィルムの肉厚が厚すぎると上述したような、キャビティ金型面の凹部に沿っての延伸変形性が損なわれ、また薄すぎると透明体による光学的な効果が十分に発揮されないので、基材フィルムの肉厚は0.075〜0.2mmの範囲とするのが好ましい。
本発明におけるインサートラベルのさらに他の層構成は、基材フィルムの表面側の、加飾層に対向する位置に同形状の印刷層を積層したものとする、と云うものである。
上記構成によれば、凸部を基材フィルムの裏面側に積層した加飾層と、表面側に積層した印刷層により、より多様に加飾することができる。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、本発明の加飾成形品の主たる構成を有するものにあっては、加飾層により加飾された凸部により立体的な加飾を実現でき、さらに透明な基材フィルムによって加飾層が浮き上がるような視覚効果が発揮され、今までにない深みのある高度な加飾効果を現出させることができる。
そして、加飾層を金属薄膜層とする等、あるいはさらに印刷層等を積層することにより、より高度に、また多様に加飾効果を現出させることができる。
また、凸部の形状に合せて加飾層を予め積層したラベルをキャビティ金型面の所定の位置にセットし、インサート成形することにより、成形品の凸部と加飾層の位置あわせを容易に、高い生産性で実現することができる。
本発明の加飾成形品に使用するインサートラベルの基本的な層構成を示す断面図である。 本発明の加飾成形品に使用するインサートラベルの他の例を示す断面図である。 本発明の加飾成形品の一実施例を示す斜視図である。 図3中に示すA−A線に沿って示す断面図である。 図4の一部を拡大して示す断面図である。 図3中の凸部の近傍を拡大して示す平面図である。 図3の加飾成形品をインサート成形するための金型構成の概略説明図である。 従来のインサートラベルの層構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の加飾合成樹脂成形品に使用するインサートラベルの基本的な層構成を示す断面図であり、このラベル11は透明な基材フィルム12の裏面側に所定の平面形状をした加飾層13を積層し、さらにその裏面側に、接着層17を基材フィルム12の全領域に積層している。
ここで、加飾層13は加飾目的に応じて印刷層、金属薄膜層、印刷層と金属薄膜層を積層したもの等さまざまな態様とすることができる。また、上記のような基本的な構成に加えて、さらに他の層を積層することができる。
なお、擦り傷等が発生しないように通常ラベル11は、最表面側に保護フィルムを剥離可能に積層した状態で供給される。
次に、図3〜6は本発明の加飾合成樹脂成形品の一実施例を示すもので、図3は斜視図、図4は図3中のA−A線に沿って示す断面図、図5はその一部を拡大して示す断面図、図6は図3中の凸部2の近傍を拡大して示す平面図である。
この成形品1は矩形薄皿状の本体にヒンジ部6が配設されたコンパクト容器の蓋材で、白色に着色されたABS樹脂製の射出成形品である。
また、平坦状の頂壁4には大小、数個の「星形」模様が配設されている。この模様は頂壁4に形成された平面形状が「星形」の凸部2を、後述するようにラベル11の加飾層13等で加飾したものである。
また、この凸部2の突出高さは最大で0.4mmとしている。
また、「星形」の凸部2を囲うように突出基端の周囲には断面がU字状の周溝3を形成し、凸部2の外周輪郭が二重線状になるようにしている。
また、頂壁4の中央下面側には射出成形におけるゲート跡5が形成されている。(図4参照)
図4に見られるように、成形品の頂壁4の全面に亘って、凸部2を含めてその表面形状に沿うようにラベル11が、このラベル11をインサート材としたインサート成形により貼着されている。
図2はこの実施例で使用したラベル11の層構成を示す断面図であり、図1のラベル11の基本層構成に、さらに幾つかの層を積層しており、
透明な基材フィルム12の裏面側では加飾層13は金属薄膜層13aとし、この金属薄膜層13aの裏面側には、印刷により、同じ形状の白色に着色した遮蔽層15を積層し、さらに全領域に亘って、パール状の光沢が現出するように透明な樹脂成分の中に微粉状のフィラーを分散したインクを使用したパール光沢層16を積層し、最裏面側には接着層17が積層されている。
また、基材フィルム12の表面側には、金属薄膜層13aに対向する位置に同じ形状で着色透明状の印刷層18が積層されている。
遮蔽層15は、金属薄膜層13aを透してフィラーの凹凸やパール光沢が現出し、金属薄膜層13aの鏡面様の加飾性が低下するのを防ぐ機能を発揮すると共に、アルカリ洗浄で金属薄膜層13aを所定の形状(本実施例では「星形」)に残して、他の部分を除去する際に、マスキング層としての機能を発揮する。
ここで、パール光沢層16、遮蔽層15、印刷層18はそれぞれシルク印刷により印刷したものである。
また本実施例では、基材フィルム12には共重合成分により柔軟性を高めたポリエステル系樹脂製フィルムを使用し、その肉厚は0.125mmである。
また、その他の層の層厚はそれぞれ数ミクロン程度で、ラベル全体の肉厚は0.15mmである。
また接着層17には耐熱性の観点からエチレン・塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂製とし、金属薄膜層13aは例えばポリエチレンイミン、ポリエーテルポリオール・ポリイソシアネート、ポリエステルポリオール・ポリイソシアネート等を水や有機溶剤で希釈したアンカー層を介して基材フィルム12に密着状に積層している。
図5は、成形品1の凸部2の近傍での、図2の層構成のラベル11の積層態様を示す断面図であり、凸部2を除く領域での層構成は図中の拡大図(a)で示されるように、基材フィルム12/パール光沢層16/接着層17であり、凸部2での層構成は拡大図(b)で示されるように、印刷層18/基材フィルム12/金属薄膜層13a/遮蔽層15/パール光沢層16/接着層17である。
そして、上記のラベル11の積層態様により、成形品1の頂壁4の全領域で成形品1の白色を基調して光沢層16によりパール状の光沢が現出されるなかに、
金属蒸着層13aと印刷層18で着色メタリック調に加飾された「星形」の凸部2を配設することにより、立体的で、さらに透明な基材フィル12によって、今までにない深みのある高度な加飾効果を現出させることができた。
また、遮蔽層15のマスキング効果により、パール光沢層16の影響を遮蔽することができ、金属蒸着層13aによるメタリック状の光沢を高品位に発揮させることができた。
また、「星形」の凸部2を囲う周溝3は、凸部2の形状をより彫りの深い形状に見せることができると共に、凸部2とこの凸部2を加飾する金属薄膜層13aや印刷層18との位置のずれが若干ずれたとしてもそのズレが外見上目立たなくなるようにして、高品位な加飾性を損なうことがないようにする機能を発揮するためのものである。
たとえば、図6に示されるようにインサート成形の際に凸部2の位置と金属薄膜層13aと印刷層18の位置に若干ズレが生じたとしても、そのズレが凸部2の二重線状の外周輪郭の幅内に収まっていれば、二重線状の外周輪郭の視覚効果によりそのズレを外見上目立たないものとすることができた。
次に、図7は図3の加飾成形品をインサート成形するための金型構成の概略説明図である。
金型31はキャビティ金型33とコア金型32から構成され、キャビティ金型33の型面には、成形品1の表面に凸部2を形成するための「星形」の凹部33aが形成されている。また凹部33aの周囲には周溝3を形成する周突条33bが形成されている。
上記のような金型31を使用し、バキュームにより吸着する方法により、図中に示されるようにキャビティ金型33の型面にラベル11をセットした状態で、コア金型32の成形品1の頂壁4の中央位置に対応する位置に配設されたセンターゲート36から溶融樹脂を射出する。
そして、凹部33aのある部分では、凹部33aに橋架け状に位置するラベル11部分、特に基材フィルム12部分が高温の溶融樹脂によりその柔軟性が増した状態で、溶融樹脂の充填圧力により、深絞り状に凹部33aの形状に沿って延伸変形し、ラベル11を図5に示したように凸部2形状に沿って積層することができる。
この際、ゲート36から周縁部に向かって放射状に流動する溶融樹脂によりラベル11を四方に引っ張るような作用効果が発揮され、上記した凹部33aに橋架け状に位置するラベル11部分の凹部の形状に沿った延伸変形をスムーズに達成することができる。
また、金属薄膜層13aは基材フィルム12と遮蔽層15で裏表から密着状にサンドイッチされた状態で延伸変形するので、金属薄膜層13aは均一に延伸され、クラックや皺の発生はみられなかた。
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果を説明したが、本発明の加飾合成樹脂成形品はこれら実施例に限定されるものではない。
たとえば、上記実施例では成形品を射出成形品としたが、インサート成形が適用可能なブロー成形や熱成形品とすることもできる。
また、これまで随所で説明したように、基材フィルムが延伸変形できる範囲で凸部の形状はさまざまな形状とすることができ、またラベルの層構成も図1に示した基本的な層構成をベースとして、加飾目的に応じて図2に示すようにさらなる加飾のための層や、必要な機能を有する層を積層することができる。
以上説明したように、本発明の加飾合成樹脂成形品は、加飾層を積層した凸部により立体的な加飾を実現でき、さらに透明な基材フィルムによって加飾層が浮き上がるような視覚効果が発揮され、今までにない深みのある高度な加飾効果を現出するものであり、化粧料容器分野等での幅広い利用展開が期待される。
1 ;成形品
2 ;凸部
3 ;周溝
4 ;頂壁
5 ;ゲート跡
6 ;ヒンジ部
11;インサートラベル
12;基材フィルム
13;加飾層
13a;金属薄膜層
15;遮蔽層
16;パール光沢層
17;接着層
18;印刷層
31;金型
32;コア金型
33;キャビティ金型
33a;凹部
33b;周条部
34;キャビティ
36;センターゲート

Claims (7)

  1. インサートラベルをインサート材としたインサート成形により表面を加飾した合成樹脂成形品であって、前記成形品(1)は表面に所定の形状の凸部(2)を突出形成したものであり、インサートラベル(11)の層構成は、透明な合成樹脂製の基材フィルム(12)の裏面側に所定の形状の加飾層(13)を形成する金属薄膜層(13a)と、前記金属薄膜層(13a)を有する前記基材フィルム(12)の裏面側の全領域に、パール状の光沢が現出するように微粉状のフィラーを分散したパール光沢層(16)と、前記金属薄膜層(13a)と前記パール光沢層(16)の間に、前記パール光沢層(16)のフィラーによる凹凸の、あるいは光学的な影響を遮蔽するための遮蔽層(15)を積層し、さらに最裏面側の前記パール光沢層(16)の全領域に接着層(17)を積層して有するもので、前記金属薄膜層(13a)が成形品の凸部(2)の形状に合せて、該凸部(2)に積層されていることを特徴とする加飾合成樹脂成形品。
  2. 成形品(1)の表面の凸部(2)の突出基端の周辺に周溝(3)が形成され、前記凸部(2)の突出基端に係る外周輪郭を二重線状とした請求項1記載の加飾合成樹脂成形品。
  3. 凸部(2)の突出高さは最大で0.6mmとした請求項1または2記載の加飾合成樹脂成形品。
  4. 成形品(1)は平坦状の頂壁(4)を有する蓋状の射出成形品とし、インサートラベル(11)は前記頂壁(4)の略全域に貼着され、該頂壁(4)の裏面側の中央位置に成形金型のゲート跡(5)が形成されているものとした請求項1、2または3記載の加飾合成樹脂成形品。
  5. インサートラベル(11)の基材フィルム(12)は、インサート成形で成形品(1)の凸部(2)を被覆可能な易延伸性を有するとした請求項1、2、3または4記載の加飾合成樹脂成形品。
  6. インサートラベル(11)の基材フィルム(12)の肉厚は0.075〜0.2mmの範囲とした請求項1、2、3、4または5記載の加飾合成樹脂成形品。
  7. インサートラベル(11)は、基材フィルム(12)の表面側の、金属薄膜層(13a)に対向する位置に同形状の印刷層(18)を積層したものとした請求項1、2、3、4、5または6記載の加飾合成樹脂成形品。
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