JP6701857B2 - 発泡壁紙用原反及び発泡壁紙 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡壁紙用原反及び発泡壁紙に関する。
屋内装飾に用いられている壁紙は、その意匠性の高さから、紙基材上に発泡させた樹脂が積層され、さらには、エンボス加工によって凹凸意匠を持たせたものが主流になっている。
ところで、壁紙の主たる性能の一つに施工性が挙げられる。
ハンドリングし易く、貼り易い壁紙は、単位時間(例えば一日当たり等)に貼る面積が広くなる。そのため、能率が向上することから施工業者に喜ばれている。
一方、いくつかある施工性の指標の中で、カール問題は大きな割合を占めている。このカール問題とは、施工時に糊付機で壁紙の紙基材側、例えば裏打紙基材等に糊付けを行った場合に、糊に含まれる水分で裏打紙基材等が僅かに膨張してしまう。その一方で、壁紙の、裏打紙基材とは逆側、例えば発泡樹脂層側は膨張しないため、発泡樹脂層側を内側にして壁紙が丸くなってしまうという問題である。
このカール問題の解決策として、従来、以下の対策が取られている。
(1)壁紙の紙基材を製造する際に、ポリエステル等の樹脂成分を混抄する。
(2)発泡後のエンボス工程において、エンボス圧を調整してエンボス凹陥部にも発泡層の厚みを残す。
しかしながら、(1)に示す樹脂成分を混抄する方法では、特殊な紙基材を使用することになるため、コストアップに繋がる。また、(2)に示すエンボス圧を調整する方法では、エンボス形状の再現性や、左右差が生じ易い。すなわち、平面部に2枚の壁紙を突き合わせながら貼り合わせた場合に、突き合わせの左右差が生じやすい。つまり、突き合わせの左右、すなわち反物状態の壁紙の左右で形状や艶差等といった、左右差が生じ易い。
これに対し、水性エマルジョン系樹脂と熱分解型発泡剤を含む発泡樹脂層と、水性エマルジョン系樹脂と熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を含む表面樹脂層とをこの順に紙基材上に積層することで、耐カール性の向上、また、発泡時のガス抜けに伴うエンボス加工による意匠性の低下を抑制するようにした発泡壁紙等も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−94312号公報
上記特許文献1に記載の技術において、耐カール性の向上を図ることができるものの、意匠性の点については改善が望まれていた。
本発明は、耐カール性及び意匠性の向上を図ることの可能な発泡壁紙用原反及び発泡壁紙を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、熱可塑性樹脂と、アゾジカルボンアミド発泡剤と、熱膨張型カプセル発泡剤と、二酸化チタンと、を構成要素として含む発泡剤含有樹脂層を裏打紙基材上に有し、発泡剤含有樹脂層は、発泡剤含有樹脂層の構成要素のうち少なくとも熱膨張型カプセル発泡剤を含む第1発泡剤含有樹脂層と、構成要素のうち熱膨張型カプセル発泡剤を除く構成要素を含む第2発泡剤含有樹脂層とが、裏打紙基材側からこの順に積層されてなり、アゾジカルボンアミド発泡剤と熱膨張型カプセル発泡剤との重量比率(アゾジカルボンアミド発泡剤/熱膨張型カプセル発泡剤)は、95/5より大きく50/50より小さい範囲であり、且つ熱膨張型カプセル発泡剤はシェル構造を有し、シェル構造は、アクリロニトリル/メタクリロニトリル/メチルメタクリレートの共重合体からなり、メチルメタクリレートの割合は0%より大きく10% よりも小さい発泡壁紙用原反が提供される。
本発明の一態様によれば、発泡壁紙用原反の意匠性を低下させることなく、耐カール性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る発泡壁紙の一例を示す模式断面図である。 本発明の動作説明に供する説明図である。 耐カール性の評価方法を説明するための説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の一実施形態における発泡壁紙の一例を示す模式断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態における発泡壁紙1は、裏打紙基材2と、裏打紙基材2の一方の面上に積層された発泡剤含有樹脂層3とを備え、発泡剤含有樹脂層3の表面に、適宜絵柄模様4及び凹凸模様(エンボス加工層)5を備えてなる。裏打紙基材2と発泡剤含有樹脂層3とで、発泡壁紙用原反6を構成している。
(裏打紙基材)
本発明の一実施形態における発泡壁紙1において、裏打紙基材2としては、発泡壁紙1の裏打紙基材として適した機械強度や耐熱性等を備えていれば、特に限定されない。裏打紙基材2は、例えば、樹脂シート、繊維質シート(紙等)等からなる。裏打紙基材2としては、特に、紙等の繊維質シートが好ましい。
繊維質シートとしては、例えば、普通紙、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙、上質紙、薄用紙等を用いることができる。
裏打紙基材2としては、例えば、坪量が50[g/m2]以上100[g/m2]以下の範囲内であり、厚さが80[μm]以上150[μm]以下の範囲内のものを用いることが可能である。裏打紙基材2として、坪量及び厚さが上述した範囲内のものを用いることにより、発泡壁紙1が、壁装材として求められる剛性を確保することが可能となる。
(発泡剤含有樹脂層)
本発明の一実施形態における発泡壁紙1において、発泡剤含有樹脂層3は、第1発泡剤含有樹脂層3aと第2発泡剤含有樹脂層3bとを備え、この順に、裏打紙基材2の上に積層されている。
第1発泡剤含有樹脂層3aは、熱可塑性樹脂と、熱膨張型カプセル発泡剤と、を少なくとも含む。第2発泡剤含有樹脂層3bは、熱可塑性樹脂と、ADCA系(アゾジカルボンアミド)発泡剤(以下、ADCA系発泡剤という。)と、二酸化チタンと、を少なくとも含む。
第1発泡剤含有樹脂層3aにおいて、熱膨張型カプセル発泡剤はシェル構造を有する。このシェル構造は、アクリロニトリル(AN)/メタクリロニトリル(MAN)/メチルメタリレート(MMA)の共重合体からなり、メチルメタリレート(MMA)の割合は0%より大きく10%よりも小さい。MMAの割合が少ないほど耐圧性が向上するが、耐圧性が高すぎると、エンボス形状の再現性が低下するため、1%より大きく10%よりも小さい範囲が好ましい。
ADCA系発泡剤と、熱膨張型カプセル発泡剤との比率(ADCA系発泡剤/熱膨張型カプセル発泡剤)は、95/5以上50/50以下の範囲である。
また、第1発泡剤含有樹脂層3aと、第2発泡剤含有樹脂層3bとのうち、少なくとも第1発泡剤含有樹脂層3aが架橋されている。つまり、ADCA系発泡剤を含む発泡剤含有樹脂層が架橋されている。架橋は、電子線照射により成されてもよく、またシラン架橋性樹脂の反応により成されてもよい。シラン架橋性樹脂の反応により架橋をなすことによって、第1発泡剤含有樹脂層3aの下層に相当する裏打紙基材2が変色することを回避することができる。シラン架橋性樹脂の反応による架橋処理としては、例えば、過熱蒸気処理、水架橋処理を用いることができる。
(絵柄模様)
絵柄模様4は設けなくてもよく、また裏打紙基材2の他方の面に設けてもよく、また、第1発泡剤含有樹脂層3a及び第2発泡剤含有樹脂層3bのいずれか一方の表面に設けてもよい。
絵柄模様4としては、印刷インキ(非発泡性インキ)及び/又は水性エマルジョン系樹脂を主成分とした発泡性インキ、塩化ビニルペースト樹脂を主成分とした発泡性インキ等を用いて、カレンダー成形法、コーティング法、スクリーン印刷法等にて形成することができる。
(凹凸模様)
凹凸模様5は、発泡と同時にエンボス加工により設けても良く、エンボス賦型シート積層後に剥離してもよく、任意の方法により一部を発泡させたり、発泡抑制インキを用いて一部の発泡を抑制したりする等の方法により設けることができる。また、エンボスロールの圧接によるメカニカルエンボスにより凹凸模様5を設けても良い。
(本発明の一実施形態の効果)
本発明の一実施形態に係る発明は、以下の効果を奏する。
(1)本発明の一実施形態に係る発泡壁紙用原反6は、熱膨張型カプセル発泡剤を含む発泡剤含有樹脂層3を備える。そのため、熱膨張型カプセル発泡剤の耐圧性により熱膨張型カプセル発泡剤を潰れにくくすることができ、図2(a)に示すように、発泡壁紙用原反を発泡させエンボス加工を行った後の、エンボス加工により凹部が形成されたエンボス凹陥部5aにおいて、熱膨張型カプセル発泡剤を比較的潰れの少ない状態に維持することができる。
熱膨張型カプセル発泡剤の耐圧性が低いと、エンボス加工を行うことにより、図2(b)に示すように、熱膨張型カプセル発泡剤が潰れた状態となる可能性がある。
このように、本発明の一実施形態に係る発泡壁紙用原反6は、エンボス凹陥部5aに熱膨張型カプセル発泡剤が比較的潰れることなく存在し、そのためエンボス加工後も、エンボス凹陥部5aに比較的厚みが残る。つまり、発泡壁紙1全体に厚みが存在し、この厚みはばらつきが比較的小さい。このように、発泡壁紙1に厚みが存在し且つそのばらつきが比較的小さいため、発泡壁紙1において裏打紙基材2に糊を塗布した後も、カールが生じにくい。つまり、熱膨張型カプセル発泡剤は、自身がシェル構造を持つため、ADCA系発泡剤等の化学発泡剤に比較して、発泡セルの耐圧性が高い。そのため、エンボス凹陥部5aの発泡セルが潰れにくく、結果的に、発泡壁紙においてカールが生じにくくなる。
(2)本発明の一実施形態に係る発泡壁紙用原反6では、発泡剤含有樹脂層3を、熱膨張型カプセル発泡剤を含む第1発泡剤含有樹脂層3aと熱膨張型カプセル発泡剤を含まない第2発泡剤含有樹脂層3bとの積層構造とし、熱膨張型カプセル発泡剤を含まない第2発泡剤含有樹脂層3bの上に、印刷を行うようにしている。
ここで、カプセル発泡剤は、発泡前からある程度の粒径を持っていないと発泡後にも十分なカール抑制効果を得ることができない。一方、印刷時に、粒径の大きなカプセル発泡剤が表層近傍にあると、印刷実行時に異物として作用してしまい、印刷抜け等の原因となる。本発明の一実施形態では、熱膨張型カプセル発泡剤を含む第1発泡剤含有樹脂層3aの上に、熱膨張型カプセル発泡剤を含まない第2発泡剤含有樹脂層3bを積層しているため、熱膨張型カプセル発泡剤は、発泡剤含有樹脂層3の表層近傍に存在しない。そのため、発泡剤含有樹脂層3の表層に印刷を行ったとしても、熱膨張型カプセル発泡剤が異物として作用することはなく、印刷抜けの発生を回避することができる。
(3)本発明の一実施形態に係る発泡壁紙用原反6は、ADCA系発泡剤と、熱膨張型カプセル発泡剤との比率(ADCA系発泡剤/熱膨張型カプセル発泡剤)を、95/5以上50/50以下の範囲とすることで、耐カール性とエンボス再現性とを共に実現することができる。つまり、熱膨張型カプセル発泡剤の割合が多くなるほど発泡剤含有樹脂層3の耐圧性が高くなり、熱膨張型カプセル発泡剤の割合が、ADCA系発泡剤の割合よりも多くなると、耐圧性が過多気味となる。そのため、耐カール性はより良好になるが、その一方でエンボス再現性が低下する可能性がある。本発明の一実施形態における発泡壁紙用原反では、ADCA系発泡剤と、熱膨張型カプセル発泡剤との比率を、95/5以上50/50以下の範囲としているため、エンボス再現性が低下することなく、耐カール性を実現することができる。
(4)本発明の一実施形態に係る発泡壁紙用原反6では、熱膨張型カプセル発泡剤は、アクリロニトリル(AN)/メタクリロニトリル(MAN)/メチルメタリレート(MMA)の共重合体からなるシェル構造を有しており、MMAの割合は、0%より大きく10%よりも小さい範囲としている。MMAの割合が少ないほど耐圧性が向上するため、MMAの割合を0%より大きく10%よりも小さい範囲とすることによって、シェル構造の耐圧性を向上させることができ、その結果、発泡壁紙用原反6のカールの発生をより抑制することができる。特に、MMAの割合を、1%より大きく10%よりも小さい範囲とすることによって、エンボス形状の再現性の低下を抑制し、耐カール性の向上と、エンボス再現性の低下の抑制との両立を図ることができる。
(5)本発明の一実施形態に係る発泡壁紙用原反6では、第2発泡剤含有樹脂層3bを、熱可塑性樹脂と、ADCA系発泡剤と、を少なくとも含む構成としている。そのため、ADCA系発泡剤が発泡することにより生じたガスが、熱可塑性樹脂によって保持されるため、ADCA系発泡剤の発泡により、微細な発泡セルを得ることができ、その結果、第2発泡剤含有樹脂層3bの表面、すなわち、発泡剤含有樹脂層3の表面が平滑となり、高意匠な壁紙を得ることができる。
以下に、本発明の壁紙用原反の具体的な実施例について説明する。
表1に示す成分を含む発泡剤含有樹脂層(第1発泡剤含有樹脂層3aと第2発泡剤含有樹脂層3bとの積層構造をもたない)を備えた実施例1〜8及び比較例に示す発泡壁紙と、表3に示す成分を含む発泡剤含有樹脂層(第1発泡剤含有樹脂層3aと第2発泡剤含有樹脂層3bとの積層構造をもつ)3を備えた実施例9及び10に示す発泡壁紙と、を作成した。
(実施例1)
実施例1の発泡剤含有樹脂層3は、ポリエチレン1としてペトロセン(登録商標)209(東ソー株式会社製 密度0.924)を40重量部、ポリエチレン2としてタフマー(登録商標)DF7350(三井化学株式会社製 密度0.870)を20重量部、炭酸カルシウムとしてソフトン(登録商標)1200(備北粉化工業株式会社製 粉状品)を15重量部、二酸化チタンとしてタイペーク(登録商標)CR60(石原産業株式会社製 粉状品)を15重量部、ADCA系発泡剤としてビニホール(登録商標AC♯3C−K2(永和化成工業株式会社製 粉状品)を4重量部、カプセル発泡剤としてカプセル発泡剤1を5重量部、及びステアリン酸亜鉛としてZn−St(日東化成工業株式会社製 粉状品)を1重量部、含む層からなる。カプセル発泡剤1は、表2に示すように、シェル構造の重合割合がAN/MAN/MMA=40/60/0であり、内部ガスとしてイソペンタンを用い、カプセルの粒径(中央値)は20μmである。
(実施例2)
実施例2の発泡剤含有樹脂層3は、実施例1において、炭酸カルシウムとしてのソフトン1200の量を16重量部に変更し、カプセル発泡剤1の量を4重量部に変更したものである。
(実施例3)
実施例3の発泡剤含有樹脂層3は、実施例1において、炭酸カルシウムとしてのソフトン1200の量を17重量部に変更し、カプセル発泡剤1の量を3重量部に変更したものである。
(実施例4)
実施例4の発泡剤含有樹脂層3は、実施例1において、炭酸カルシウムとしてのソフトン1200の量を18重量部に変更し、カプセル発泡剤1の量を2重量部に変更したものである。
(実施例5)
実施例5の発泡剤含有樹脂層3は、実施例1において、炭酸カルシウムとしてのソフトン1200の量を19重量部に変更し、カプセル発泡剤1の量を1重量部に変更したものである。
(実施例6)
実施例6の発泡剤含有樹脂層3は、実施例1において、炭酸カルシウムとしてのソフトン1200の量を16重量部に変更し、カプセル発泡剤をカプセル発泡剤2に変更し、その量を4重量部としたものである。カプセル発泡剤2は、表2に示すように、カプセル発泡剤1において、シェル構造の重合割合をAN/MAN/MMA=40/55/5に変更したものである。
(実施例7)
実施例7の発泡剤含有樹脂層3は、実施例6において、カプセル発泡剤をカプセル発泡剤3に変更し、その量を4重量部としたものである。カプセル発泡剤3は、表2に示すように、カプセル発泡剤1において、シェルの重合割合をAN/MAN/MMA=40/50/10に変更したものである。
(実施例8)
実施例8の発泡剤含有樹脂層3は、実施例6において、カプセル発泡剤をカプセル発泡剤4に変更し、その量を4重量部としたものである。カプセル発泡剤4は、表2に示すように、カプセル発泡剤1において、シェルの重合割合をAN/MAN/MMA=40/45/15に変更したものである。
(比較例)
比較例の発泡剤含有樹脂層3は、実施例1において、炭酸カルシウムとしてのソフトン1200の量を20重量部に変更し、カプセル発泡剤を含まない。
(実施例9)
実施例9の発泡剤含有樹脂層3は、表3に示すように、カプセル発泡剤を含む第1発泡剤含有樹脂層3aと、カプセル発泡剤を含まない第2発泡剤含有樹脂層3bとの積層構造を備え、第1発泡剤含有樹脂層3aは厚みが30μmであり、ポリエチレン1としてペトロセン209を40重量部、ポリエチレン2としてタフマーDF7350を20重量部、炭酸カルシウムとしてソフトン1200を16重量部、カプセル発泡剤として表2に示すカプセル発泡剤1を4重量部、含む。
一方、第2発泡剤含有樹脂層3bは厚みが70μmであり、ポリエチレン1としてペトロセン209を34重量部、ポリエチレン2としてタフマーDF7350を20重量部、炭酸カルシウムとしてソフトン1200を10重量部、二酸化チタンとしてタイペークCR60を20重量部、ADCA系発泡剤としてビニホールAC♯3C−K2を4重量部、ステアリン酸亜鉛としてZn−Stを1重量部、シラン架橋性樹脂としてリンクロン(登録商標)XCF710(三菱化学株式会社製 ポリエチレンベース)を10重量部、架橋触媒としてリンクロンLZD13(三菱化学株式会社製 ポリエチレンベース)を1重量部、含む層からなる。
(実施例10)
実施例10の発泡剤含有樹脂層3は、表3に示すように、第1発泡剤含有樹脂層3aは実施例9と同一であり、第2発泡剤含有樹脂層3bは、厚みが70μmであり、ポリエチレン1としてペトロセン209を45重量部、ポリエチレン2としてタフマーDF7350を20重量部、炭酸カルシウムとしてソフトン1200を10重量部、二酸化チタンとしてタイペークCR60を20重量部、ADCA系発泡剤としてビニホールAC♯3C−K2を4重量部、ステアリン酸亜鉛としてZn−Stを1重量部、含む層からなる。なお、シラン架橋性樹脂及び架橋触媒は含まない。
(作成方法)
実施例1〜8及び比較に示す発泡壁紙は、次の手順で作成した。
まず、同方向噛み合い型2軸押出機を用いて表1に示す配合で事前配合した、発泡剤含有樹脂ペレットを、Tダイ押出機を用いて押出温度130℃で、厚み100μmのシートに製膜した。
製膜したシートを裏打紙基材2(KJ特殊紙株式会社製 WK−665IHT 重量65g/m)上に載置し、110℃で加熱した熱プレス機で熱融着させた。その後、加速電圧200kV、照射線量60kGyで電子線照射を行った。
その後、発泡剤含有樹脂層の表層にコロナ処理を施し、黄/赤=70/30の割合で調色した水性インキ(大日精化工業株式会社製 ハイドリック)を、グラビア印刷で1g/m塗工し、さらに、艶消し表面コート剤(日信化学工業株式会社製 HD−065)をグラビアコーティングで2g/m塗工した。
その後、オーブンを用いて220℃で40秒間加熱して、発泡剤含有樹脂層を発泡させた後、表層を250℃で炙りながら冷却水を循環させたエンボスロールを用いて、布目形のエンボス加工を行い、表1に示す実施例1〜8及び比較例に示す発泡壁紙を作成した。
一方、実施例9及び10に示す発泡壁紙は、次の手順で作成した。
まず、同方向噛み合い型2軸押出機を用いて表3に示す配合で事前配合した、発泡剤含有樹脂ペレットを、Tダイ押出機を用いて押出温度130℃で、厚みが第1発泡剤含有樹脂層3a/第2発泡剤含有樹脂層3b=30μm/70μmとなるように共押出製膜した。
製膜したシートを、裏打紙基材2(KJ特殊紙株式会社製 WK−665IHT 重量65g/m)上に第1発泡剤含有樹脂層3aと裏打紙基材2とが接するように載置し、110℃で加熱した熱プレス機で熱融着させた。
その後、シラン架橋性樹脂含有の樹脂を使用したシートは、40℃90%の環境下で3日間のエージングにより架橋を進行させた。
一方シラン架橋性樹脂未含有のシートは加速電圧200kV、照射線量60kGyで電子線照射を行った。その後は、実施例1〜8と同様の手順で実施例9及び実施例10に示す発泡壁紙を作成した。
(評価方法)
このようにして形成した実施例1〜10及び比較例の各発泡壁紙について、耐カール性の評価、印刷抜けの評価、及び裏打紙基材2の変色の評価を行った。評価結果を、表4に示す。
(耐カール性の評価)
作成した実施例1〜実施例10及び比較例の発泡壁紙を100mm角にカットし、裏打紙基材2側に霧吹きを使って水を噴射した。
一分後に、裏打紙基材2を下として、発泡壁紙を鉄板上に載置し、カールの状態を確認した。
評価方法としては、図3(a)に示すように、軽微なカールに対しては、正方形の四辺のうち、鉄板からの高さが最も高い辺の高さ、つまり、鉄板11から辺までの高さHをカールの大きさとして測定した。また、図3(b)に示すように、シート端部が内側に向くまでカールしたものについては「△」、図3(c)に示すように、完全にカールしたものについては「×」とした。
(印刷抜けの評価)
グラビア印刷抜けの有無を目視で確認した。
(裏打紙基材2の変色の評価)
裏打紙基材2の変色の有無及び変色度合を、目視で確認した。
表4から、カプセル発泡剤を持たない比較例は、完全にカールし、印刷抜け及び裏打紙基材の変色が若干生じているのに対し、カプセル発泡剤を有する実施例1〜実施例10は、若干の色抜けや、若干の変色が生じてはいるものの、シート端部が完全にカールすることはなく、耐カール性が向上していることが確認された。
さらに、発泡剤含有樹脂層3を、第1発泡剤含有樹脂層3aと第2発泡剤含有樹脂層3bとの積層構造とすることによって、さらに、印刷抜けを低減することができると共にカールの大きさが全般的にみて小さくなることが確認された。
また、実施例1〜実施例5に示すように、カプセル発泡剤1の含有量が少なくなるほど、耐カール性が低下していることがわかる。また、実施例2、実施例6〜実施例8に示すように、カプセル発泡剤のシェル構造においてMMAの割合が多くなるほど、耐カール性が低下していることがわかる。
さらに、第1発泡剤含有樹脂層3a及び第2発泡剤含有樹脂層3bを共に備えた場合であっても、実施例10に比較して、さらに、シラン架橋性樹脂を用いた実施例9の方が、裏打紙基材2の変色はないことが確認された。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
1 発泡壁紙
2 裏打紙基材
3 発泡剤含有樹脂層
3a 第1発泡剤含有樹脂層
3b 第2発泡剤含有樹脂層
4 絵柄模様
5 凹凸模様
5a エンボス凹陥部
6 発泡壁紙用原反

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂と、アゾジカルボンアミド発泡剤と、熱膨張型カプセル発泡剤と、二酸化チタンと、を構成要素として含む発泡剤含有樹脂層を裏打紙基材上に有し、
    前記発泡剤含有樹脂層は、
    前記構成要素のうち少なくとも前記熱膨張型カプセル発泡剤を含む第1発泡剤含有樹脂層と、
    前記構成要素のうち前記熱膨張型カプセル発泡剤を除く構成要素を含む第2発泡剤含有樹脂層とが、前記裏打紙基材側からこの順に積層されてなり、
    前記アゾジカルボンアミド発泡剤と前記熱膨張型カプセル発泡剤との重量比率(アゾジカルボンアミド発泡剤/熱膨張型カプセル発泡剤)は、95/5より大きく50/50より小さい範囲であり、
    且つ前記熱膨張型カプセル発泡剤はシェル構造を有し、
    前記シェル構造は、アクリロニトリル/メタクリロニトリル/メチルメタクリレートの共重合体からなり、メチルメタクリレートの割合は0%より大きく10%よりも小さいことを特徴とする発泡壁紙用原反。
  2. 前記第1発泡剤含有樹脂層は、前記熱可塑性樹脂と前記熱膨張型カプセル発泡剤とを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の発泡壁紙用原反。
  3. 前記アゾジカルボンアミド発泡剤を含む層が、架橋されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発泡壁紙用原反。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の発泡壁紙用原反を発泡させてなる壁紙用原反を備え、
    当該壁紙用減反の表面にエンボス加工を施したことを特徴とする発泡壁紙。
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