JP6698658B2 - 植物原料由来の炭素前駆体 - Google Patents

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Description

本発明は、導電材、触媒担持体、活性炭等に用いられる炭素質材料の製造に有用な炭素前駆体およびその製造方法に関する。
炭素質材料は、コンデンサー用電極、電解用電極、活性炭、担持体など様々な用途に用いられており、今後更なる開発が期待されている分野および素材である。これらの炭素質材料は従来、椰子殻、石炭コークス、石炭または石油ピッチ、フラン樹脂またはフェノール樹脂等を原料として製造される。近年、化石燃料資源の使用は、地球環境に影響を与え、および埋蔵量の減少による価格高騰にも起因して今後の使用が困難になることが予想されている。
そこで、地球環境に優しい天然素材から製造された炭素質材料が注目されている。しかしながら、天然素材には生物の生命活動維持に必要な種々の金属が含まれており、このような天然素材に由来する炭素質材料が電子材料に用いられた場合には、金属が不純物となり電気的な障害が生じ、および水のろ過等に用いられる活性炭等の吸着剤として用いた場合には、吸着した物質と金属とが反応し、水溶性物質が形成され、水中へ再び放出される等の問題が生じることとなる。また、天然素材の炭化賦活時には金属により孔形成反応が加速され必要以上に多孔化が進行するおそれがあることや、触媒担持体においては、担持する触媒金属と含有不純物金属との反応により、目的とした粒径または組成で触媒成分を担持できないおそれがある。さらに、天然素材に由来する金属元素の含有量は、季節や地域により含有量が異なり、工業原料として平滑化することが難しい等の問題もある。しかしながら、天然素材に由来する金属を積極的に除去するための技術開発はあまり行われていない。
特許文献1には、植物由来の材料を800℃〜1400℃にて炭化した後、得られた炭化物を塩酸のような鉱酸や水酸化ナトリウムのような塩基を用いて精製する方法が提案されている。しかしながら、植物由来の材料中に残存する金属分は、植物由来の材料の炭化の際に炭素と化合する。したがって、この方法では、炭化物中に炭素と化合した金属分を十分に除去することができない。また、上記方法では、炭素と化合後のケイ素を除去するためにフッ化水素酸がケイ素化合物に対して過剰量添加されている。しかしながら、フッ化水素酸は、腐食性が高い毒劇物である上、マグネシウムやカルシウムについての除去効果は十分でない。さらに、上記方法では、個々の植物由来の材料毎に金属分の含有量にバラツキが生じるという問題があった。
特開2008−273816号公報
本発明の目的は、金属元素の含有量が十分に低減された植物原料由来の炭素前駆体を提供することである。また、本発明の目的は、炭素前駆体を有機酸水溶液に浸漬することにより炭素前駆体中の金属元素の含有量を低減する脱灰において、炭素前駆体を構成するチップ毎に含まれる金属元素のバラツキが低減される炭素前駆体を提供することである。
本発明者らは、植物原料に含まれる繊維状物質に金属元素が多く含まれることに着目した結果、植物原料から繊維状物質を除去することにより炭素前駆体中に金属元素の含有量を低減することができることを見出した。また、本発明者らは、上記脱灰はチップの外部から内部にかけて進行し、断面の直径が大きいチップほど金属元素の除去速度が遅くなることから、炭素前駆体を構成するチップの断面寸法の分布が広い場合には内部の脱灰程度が異なるチップが混在し、炭素前駆体中の金属元素の含有量にバラツキが生じることを見出した。これらのことから、本発明者らは、植物原料に含まれる繊維状物質を除去し、平均断面寸法が一定範囲内である炭素前駆体であれば上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1]ふるい分け法により決定された平均断面寸法が4mm以上35mm以下のチップから構成される炭素前駆体であって、長さ5mm以上および幅2mm以下である繊維状物質の含有量が6重量%以下である、植物原料由来の炭素前駆体。
[2]繊維状物質は、植物原料の表層部分に由来する、[1]に記載の炭素前駆体。
[3]金属元素アルミニウムの含有量に対する金属元素カリウムの含有量の比は150以上である、[1]または[2]に記載の炭素前駆体。
[4]断面寸法が40mm以上であるチップを40重量%以下含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の炭素前駆体。
[5]断面寸法が2.5mm以下であるチップを35重量%以下含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の炭素前駆体。
[6]植物原料は椰子殻である、[1]〜[5]のいずれかに記載の炭素前駆体。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の炭素前駆体から得られる炭化物。
[8]炭素前駆体の製造方法であって、
1)植物原料を破砕し、および植物原料の表層を削り取る工程、および
2)工程1)において破砕し、および表層を削り取った植物原料を整粒する工程
3)工程2)において得られた植物原料から微細物質を取り除く工程
を含み、前記工程1)は、せん断力を付与する装置を用いることにより行う、方法。
[9]前記工程1)および2)を同じ装置を用いることにより行う、[8]に記載の方法。
本発明の炭素前駆体は、金属元素および非金属元素が多く含まれる繊維状物質が除去されているため炭素質材料の原料として好適に用いることができる。また、本発明の炭素前駆体は、特定の平均断面寸法を有するチップから構成されるものであるため、上記脱灰工程において、炭素前駆体毎の金属元素の含有量のバラツキが小さく、金属元素の含有量が低減されたものである。このため、本発明の炭素前駆体を炭化した場合には、均質に炭化された炭素質材料が得られる。さらに、炭素前駆体中の金属元素の含有量が低下することにより、炭素前駆体を炭化する際に、金属元素の酸化還元による炭素成分の分解が低減されるため、良好な回収率で炭化物を製造することができる。
本発明では、植物原料由来の炭素前駆体は、炭素質材料の製造に用いる原料であって、植物原料のチップから構成されるものをいう。植物原料としては、特に限定されるものではなく、椰子殻、珈琲豆および籾殻等が挙げられる。
とりわけ、椰子殻は、入手可能性、金属元素の含有量の低減効果の観点から好ましい。また、椰子殻は、組織が緻密であるシェルと呼ばれる部分から主に構成されることから炭素前駆体として好適に用いることができる。椰子殻としては、特に限定されないが、ココ椰子、パーム椰子等の椰子殻を用いることができる。椰子殻を用いる場合、燃料や活性炭等の原料としても一般に用いられる椰子殻チップと呼ばれる椰子殻を破砕したものを用いることが好ましい。
珈琲豆としては、珈琲豆の産地、品種にかかわらず任意の珈琲豆であってよい。珈琲豆は、飲料としての珈琲を抽出する前の珈琲豆であってよく、飲料としての珈琲を抽出した後の一般的に珈琲粕と称される抽出残渣であってもよい。
本発明の植物原料由来の炭素前駆体を構成するチップは、ふるい分け法により決定された平均断面寸法(以下、平均断面寸法という)が4mm以上35mm以下である。これにより、脱灰工程において、チップ毎の外側と内側における金属元素の低減量についてバラツキが少なくなり、炭素前駆体から金属元素および非金属元素を効率的に除去することが可能となる。
本発明では、平均断面寸法とは、炭素前駆体を構成する個々のチップの断面寸法の平均値である。断面寸法とは、ふるい分けにおいてチップがメッシュスクリーンを通過する際のチップのメッシュスクリーンに平行な断面における測定可能な最も長い対角線を測定した場合の寸法をいう。本発明では、平均断面寸法は、ふるい分け法により決定する。ふるい分け法としては、炭素前駆体のチップを所望の寸法に分類することができる方法であれば特に限定されない。ふるい分け法に用いるメッシュスクリーンとしては、ふるい分けする炭素前駆体の種類に応じて適宜選択することが可能であり、例えば開口部の寸法が0.85mm、1.7mm、2.8mm、4mm、6.7mm、9.5mm、15mm、20mm、30mm、40mmであるメッシュスクリーンの組合わせを用いることができる。このようなメッシュスクリーンの組合わせの代表的市販品としては、例えばアズワン株式会社製ステンレスふるい等が挙げられる。また、炭素前駆体をメッシュスクリーンに投入した後、メッシュスクリーンは、手動で振とうさせてもよいし、振とう機を用いて振とうさせてもよい。振とうを行う時間は、炭素前駆体が各メッシュスクリーンにより十分にふるい分けされる時間であれば特に限定されないが、好ましくは0.1分〜30分、さらに好ましくは0.5分〜10分間行う。
平均断面寸法は、具体的には以下の通り決定する。メッシュスクリーンを、開口寸法が小さいものから大きいものへ順に、最下部のメッシュスクリーンの開口寸法が最小となるように受け皿の上に設置する。最上部のメッシュスクリーン上に炭素前駆体を投入し、振とうする。受け皿および各メッシュスクリーン上に得られた炭素前駆体毎の質量を測定する。各質量を、ふるい分けに投入した炭素前駆体の全質量で除して質量割合を求める。ここで、ふるい分けされた炭素前駆体の各平均断面寸法は、受け皿中にふるい分けされた炭素前駆体については最小のメッシュスクリーンの開口寸法とし、各メッシュスクリーン上に残存する炭素前駆体については、各メッシュスクリーンの開口寸法をX、そのメッシュスクリーンの1段上のメッシュスクリーンの開口寸法をYとした場合、XおよびYの平均値[=(X+Y)/2]とする。各質量割合とそれぞれ対応する平均断面寸法を乗じ、それらを合計した値を本発明の炭素前駆体の平均断面寸法とする。
また、本発明では、炭素前駆体の平均断面寸法は好ましくは4mm以上35mm以下、より好ましくは5mm以上30mm以下、さらに好ましくは6mm以上20mm以下である。
本発明の炭素前駆体は好ましくは、断面寸法が40mm以上であるチップの含有量が40重量%以下である。これにより、本発明の炭素前駆体を脱灰した際に、炭素前駆体の内部まで均質に金属元素が除去されることとなる。
また、断面寸法が2.5mm以下であるチップは、植物原料を粉砕する過程において粉化された繊維状物質である場合が多い。したがって、本発明の炭素前駆体は、金属元素含有量を低減する観点から、好ましくは、断面寸法が2.5mm以下であるチップの含有量が35重量%以下である。
本発明では、炭素前駆体を構成する個々のチップの形状は、上記の通り求めることができる平均断面寸法が4mm以上35mm以下である形状であれば特に制限されず、例えば粒状、微粉状、繊維状など種々の形状であってよい。好ましくは、本発明の炭素前駆体を構成する個々のチップは、最大寸法が100mm以下であり、より好ましくは50mm以下である。最大寸法が100mm以下であれば、脱灰工程において有機酸水溶液がよく浸透し、効率的に脱灰することができるため好ましい。最大寸法とは、チップの立体的な形状における寸法の最大値であり、水平の面に置いたチップを上から見た投影面において測定可能な最も長い対角線を測定した場合の寸法をいう。
また、本発明の炭素前駆体は、繊維状物質の含有量が炭素前駆体100重量%に対して6重量%以下である。本発明では、繊維状物質とは、長さ5mm以上および幅2mm以下のものであればその形状は特に限定されず、種々の形状のもの、例えば扁平な形状や粉砕過程で繊維状物質が変形したもの等も含まれる。好ましくは、本発明の炭素前駆体は、長さ5mm以上および幅2mm以下の繊維状物質の含有量が炭素前駆体100重量%に対して5重量%以下、より好ましくは4重量%以下である。炭素前駆体の状態で上記繊維状物質のような異種構造が低減されることにより、残存する金属元素の低減だけでなく、炭素材の品質の向上にも繋がる。
また、植物原料の繊維状物質は、各金属元素の種類に応じて含有量が異なる場合が多く、通常、アルミニウムの含有量は比較的少なく、カリウムの含有量は比較的多い。したがって、本発明による金属元素の含有量の低減についての効果はアルミニウムなどの含有量が少ないものではなくカリウムなどの含有量が多いものについて効果を示すことが好ましい。また、炭素前駆体は、用いる植物原料毎に金属元素の含有量が異なる場合が多い。このような観点から、本発明では、植物原料毎の金属元素の含有量にかかわらず炭素前駆体の金属元素の低減についての効果を示すため、アルミニウムの含有量に対するカリウムの含有量の比を用いる。通常、本発明の炭素前駆体は、金属元素アルミニウムの含有量に対する金属元素カリウムの含有量の比が好ましくは150以上、より好ましくは200以上、さらに好ましくは250以上である。金属元素アルミニウムの含有量に対する金属元素カリウムの含有量の比が150以上であれば、炭素前駆体中の金属元素および非金属元素の含有量が十分に低減されているため、電子部品、活性炭や触媒用担持体等の多孔体などの種々の用途に用いる炭素質材料の原料として好ましく用いることができる。本発明では、金属元素の含有量の測定は、蛍光X線分析装置(例えば株式会社リガク製ZSX Primusμ)を用いて行うことができる。
本発明の炭素前駆体は、植物原料の含水率が10%程度の場合、嵩密度が好ましくは0.4g/cc〜0.63g/cc、0.45g/cc〜0.6g/cc、さらに好ましくは0.5g/cc〜0.55g/ccの範囲である。嵩密度が上記範囲内であれば、炭素前駆体を構成するチップの平均断面寸法が適度なものとなるため好ましい。
本発明の炭素前駆体は、植物原料から上記繊維状物質を取り除くことにより得ることができる。しかしながら、上記繊維状物質は、植物原料の表層部分に密着しているため、例えば手作業による除去では十分に取り除くことができない。したがって、本発明の炭素前駆体は、せん断力を付与する装置を用いることにより表層を削り取り、および破砕した植物原料を整粒することにより製造することができる。
したがって、本発明はまた、
1)植物原料を破砕し、および植物原料の表層を削り取る工程、
2)工程1)において破砕し、および表層を削り取った植物原料を整粒する工程、および
3)工程2)において得られた植物原料から微細物質を取り除く工程
を含み、上記工程1)はせん断力を付与する装置を用いることにより行う炭素前駆体の製造方法にも関する。
本発明では、せん断力を付与する装置を用いることにより、植物原料を破砕すると共に植物原料の表層を削り取ることが可能となる。
せん断力を付与する装置としては、例えば一軸破砕機および二軸破砕機が挙げられる。本発明では、一軸破砕機および二軸破砕機が、回転刃と固定刃との間、および回転刃間に発生するせん断力が植物原料を所望の粒度(断面寸法)へ粉砕する間に植物原料の表層を削り取ることができるため好ましい。例えば、2本のジョーで植物原料を押しつぶす形で破砕し、植物原料の表層にせん断力が発生しないジョークラッシャーのような装置では、植物原料の表層を削り取ることは難しい。
植物原料を破砕し、および植物原料の表層を削り取る時間は、特に限定されず、実施する方法の種類に依存するが、好ましくは1〜120分間、より好ましくは3〜100分間である。繊維質部分を除去する時間が上記範囲内であれば、繊維質部分を除去する時間が適当であるため、経済性の観点から好ましい。
繊維質部分を除去する工程を行う雰囲気としては、特に限定されず、実施する方法に応じて異なっていてよい。本発明では、繊維質部分を除去する工程は通常、大気雰囲気中で行う。
植物原料を破砕し、および植物原料の表層を削り取った後、所定の粒度(断面寸法)の炭素前駆体を得るために整粒を行う。整粒は、破砕し、および表層を削り取った植物原料を所定の開口寸法を有するスクリーンへ投入し、このスクリーンを通過したものを回収し、通過しなかったものは、植物原料を破砕し、および植物原料の表層を削り取る工程へ再び戻すことにより行うことができる。スクリーンの開口寸法は、所望する炭素前駆体の寸法に応じて適宜選択することができる。
一軸破砕機および二軸破砕機としては、粉砕された植物原料が、下部に取り付けられたスクリーンより排出されるタイプであり、スクリーンの開口寸法より大きい植物原料は、スクリーンの開口寸法より小さくなってスクリーンより排出されるまで回転刃により持ち上げられて繰り返し粉砕を受けるものが好ましい。このような一軸破砕機としては、例えば吉田製作所製プラスチック破砕機を用いることができる。
本発明の製造方法は通常、室温において行うことができるが、特に限定されるものではなく、0℃〜40℃の範囲で行うことができる。
植物原料を粉砕し、繊維質部分を除去する工程および/または整粒工程は、好ましくは1回〜5回、より好ましくは1回〜3回繰り返して行うことができる。
通常、整粒工程により得られた植物原料は、粉砕により粉化した繊維状物質や微細に粉砕された植物原料等の微細物質をも含む。粉化した繊維状物質は、金属元素を多く含むため、微細物質は除去することが好ましい。したがって、本発明の方法は、整粒工程により得られた植物原料から、微細物質を取り除く工程を含んでなる。本発明では、微細物質とは、断面寸法が好ましくは1.3mm未満、より好ましくは2.25mm未満、さらに好ましくは3.4mm未満である炭素前駆体をいう。
微細物質を取り除く方法としては、所定の開口寸法を有するメッシュスクリーンに整粒した炭素前駆体を投入し、メッシュスクリーンを振とうした後、メッシュスクリーン上に残存する炭素前駆体を回収する方法が挙げられる。メッシュスクリーンとしては、例えば上述のふるい分け操作に用いたメッシュスクリーンを用いることができる。炭素前駆体をメッシュスクリーンに投入した後、メッシュスクリーンは手動で振とうさせてもよいし、振とう機を用いて振とうさせてもよい。振とうを行う時間は、炭素前駆体がメッシュスクリーンにより十分にふるい分けされる時間であれば特に限定されないが、好ましくは0.1分〜30分、さらに好ましくは0.5分〜10分間行う。
得られた炭素前駆体は、必要に応じて洗浄および/または乾燥することができる。
また、本発明では、必要に応じて、上記の通り得られた炭素前駆体を有機酸水溶液中に浸漬することにより、金属元素の含有量を低下させる脱灰を行うことができる。
上記脱灰に用いる有機酸は、リンや硫黄、ハロゲン等の不純物源となる元素を含まないことが好ましい。有機酸がリンや硫黄、ハロゲン等の元素を含まない場合には、脱灰後の水洗を省略し、有機酸が残存する炭素前駆体を炭化した場合であっても、炭素材として好適に用いることできる炭化物が得られるため有利である。また、使用後の有機酸の廃液処理を特別な装置を用いることなく比較的容易に行うことができるため有利である。
有機酸の例としては、飽和カルボン酸、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、酒石酸、クエン酸等、不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸等、芳香族カルボン酸、例えば安息香酸、フタル酸、ナフトエン酸等が挙げられる。入手可能性、酸性度による腐食および人体への影響の観点から、酢酸、蓚酸およびクエン酸が好ましい。
有機酸は、溶出する金属化合物の溶解度、廃棄物の処理、環境適合性等の観点から、水性溶液と混合して有機酸水溶液として用いる。水性溶液としては、水、水と水溶性有機溶媒との混合物などが挙げられる。水溶性有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロピレングリコール、エチレングリコール等のアルコールが挙げられる。
有機酸水溶液中の酸の濃度としては、特に限定されるものではなく、用いる酸の種類に応じて濃度を調節して用いることができる。本発明では、通常、有機酸水溶液の総量を基準として0.001重量%〜20重量%、より好ましくは0.01重量%〜18重量%、さらに好ましくは0.02重量%〜15重量%の範囲の酸濃度の有機酸水溶液を用いる。酸濃度が上記範囲内であれば、適切な金属元素および/または非金属元素の溶出速度が得られるため実用的な時間で脱灰を行うことが可能となる。また、炭素前駆体における酸の残留量が少なくなるので、その後の製品への影響も少なくなる。
有機酸水溶液のpHは、好ましくは3.5以下、より好ましくは3以下である。有機酸水溶液のpHが上記の値を超えない場合には、金属元素の有機酸水溶液への溶解速度が低下することなく、金属元素の除去を効率的に行うことができる。
炭素前駆体を浸漬する際の有機酸水溶液の温度は、特に限定されないが、好ましくは20℃〜98℃、より好ましくは25℃〜60℃、さらに好ましくは30℃〜40℃の範囲である。炭素前駆体を浸漬する際の有機酸水溶液の温度が、上記範囲であれば、使用する酸の分解が抑制され、実用的な時間での脱灰の実施が可能となる金属元素の溶出速度が得られるため好ましい。また、特別な装置を用いずに脱灰を行うことができるため好ましい。さらに、本発明では、脱灰を室温で行うこともできる。この場合、加熱装置が不要となることおよび安全性の観点から好ましい。
本発明では、脱灰中に有機酸水溶液の更新を少なくとも1回行うことができる。有機酸水溶液の更新を行う方法としては、炭素前駆体に、有機酸水溶液を連続的に添加し、所定の時間滞留させ、抜き取りながら浸漬を行う方法、および炭素前駆体を有機酸水溶液に浸漬し、所定の時間滞留させ、脱液した後、新たに有機酸水溶液を添加して浸漬−脱液を繰り返す方法等が挙げられる。また、有機酸水溶液の全部を更新する方法であってよく、有機酸水溶液の一部を更新する方法であってもよい。
炭素前駆体を有機酸水溶液に浸漬する時間としては、用いる酸に応じて適宜調節することができる。本発明では、浸漬する時間は、経済性および脱灰効率の観点から、通常0.1〜100時間、好ましくは0.2〜80時間、より好ましくは0.5〜50時間の範囲である。
有機酸水溶液の重量に対する浸漬する炭素前駆体の重量の割合は、用いる有機酸水溶液の種類、濃度および温度等に応じて適宜調節することが可能であり、通常0.1重量%〜200重量%、好ましくは1重量%〜150重量%、より好ましくは1.5重量%〜120重量%の範囲である。上記範囲内であれば、有機酸水溶液に溶出した金属元素が有機酸水溶液から析出しにくく、炭素前駆体への再付着が抑制されるため好ましい。また、上記範囲内であれば、容積効率が適切となるため経済的観点から好ましい。
脱灰を行う雰囲気としては、特に限定されず、浸漬に使用する方法に応じて異なっていてよいが、大気雰囲気中で行うことが好ましい。
これらの操作は、好ましくは1回〜5回、より好ましくは1回〜3回繰り返して行うことができる。浸漬−脱液を繰り返す場合は、通常2回〜8回、好ましくは3回〜5回繰り返して行うことができる。本発明では、脱灰後、必要に応じて洗浄工程および/または乾燥工程を行い得る。
また、脱灰後の炭素前駆体は、カリウムの平均含有量が好ましくは680ppm以下、より好ましくは650ppm以下、さらに好ましくは600ppm以下である。また、本発明の脱灰後の炭素前駆体は、カルシウムの平均含有量が好ましくは52ppm以下、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは48ppm以下である。本発明では、金属元素の平均含有量とは、個々の炭素前駆体または炭化物中の金属元素の含有量を平均化した値であり、例えば炭化物中の金属元素の平均含有量は、脱灰処理を行った炭素前駆体を全て回収し、これらを炭化して得られた炭化物を破砕したものについて金属元素の含有量を測定することにより得ることができる。
本発明の炭素前駆体を焼成することで、電子部品、活性炭や触媒用担持体等の多孔体などの種々の用途に用いる炭素質材料に有用な炭化物を得ることができる。
焼成における加熱温度としては、特に限定されるものではなく、250℃〜1000℃の範囲で行うことができる。高すぎる温度では、結晶化により炭素骨格が剛直化し、様々な電子材料に用いる炭素質材料として好ましくない。また、低すぎる温度では、蓄熱発火の可能性が高く、また空気中の酸素により容易に酸化され保存安全性が低くなる問題がある。焼成は、好ましくは270℃〜900℃の範囲、より好ましくは280℃〜800℃の範囲、更に好ましくは400〜750℃の範囲で行う。上記範囲で焼成することは、得られた炭素質材料の酸化等による変質の抑制、保存安定性確保の観点から好ましい。
また、加熱速度としては、特に限定されるものではなく、加熱の方法により異なるが、好ましくは1℃/分〜200℃/分、より好ましくは1℃/分〜100℃/分である。加熱速度が上記範囲内であれば、炭化時の縮合が進行し、良好な炭素質材料の回収率が得られるため好ましい。また、用いる機器の稼働時間が適切なものとなるため、経済的観点から好ましい。
焼成における温度制御のパターンとしては、所望の温度にまで一気に昇温することもできるし、250〜400℃の範囲で一旦温度を維持し、再び昇温して所望の温度まで昇温することもできる。上記範囲内で一旦温度を維持することは、炭化時の縮合を容易に進め、炭化率、炭素密度および炭素質材料の回収率の向上に寄与する場合がある。
焼成における最高温度での保持時間は、特に限定されないが、通常、10分〜300分程度保持すればよく、好ましくは30分〜240分程度保持すればよい。
焼成を行う雰囲気としては、特に限定されないが、不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましく、窒素雰囲気中で行うことがより好ましい。焼成を行う間、酸化による炭素質材料の構造変化および酸化分解助長による炭素質材料の回収率低下を回避し易くするために、酸化性ガス、即ち酸素の存在は、好ましくは1容積%以下、より好ましくは0.5容積%以下である。
焼成を行う際の不活性ガス気流は特に限定されるものではなく、通常0.001メートル/秒〜1メートル/秒の範囲であればよい。
焼成後の取り出し温度としては、空気中の酸素により酸化されない温度であれば特に限定されるものではなく、通常200℃以下、より好ましくは100℃以下で空気中に取り出すことが好ましい。
焼成の方法としては、特に限定されるものではなく、バッチ式および連続式の何れの方式でもよく、外熱式および内熱式の何れの方式でもよい。
炭素質材料を製造した後、必要に応じて、除金属工程、粉砕工程および/またはさらなる焼成工程を実施することができる。しかしながら、本発明の方法により精製した植物原料を用いて炭化物を製造した場合には、精製工程において局所的に高い濃度の金属成分が十分に除去されるため、さらなる除金属工程を省略することができる。
本発明の炭素前駆体から得られた炭素質材料は、電子部品、活性炭や触媒用担持体等の多孔体などの種々の用途に好ましく用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[平均断面寸法]
開口寸法が0.85mm、1.7mm、2.8mm、4mm、6.7mm、9.5mm、15mm、20mm、30mm、40mmであるメッシュスクリーンを、開口寸法が小さいものから大きいものへ順に、最下部のメッシュスクリーンの開口寸法が最小となるように受け皿の上に設置した。最上部のメッシュスクリーン上に炭素前駆体を投入し、3分間手動により振とうした。その後、受け皿および各メッシュスクリーン上に残存する炭素前駆体の質量を測定し、各質量について、ふるい分けに投入した炭素前駆体の全質量に対する割合を求めた。ここで、ふるい分けされた炭素前駆体の各平均断面寸法は、受け皿中に得られた炭素前駆体については0.85mmとし、各メッシュスクリーン上に残存する炭素前駆体については、開口寸法が小さいものから大きいものへ順にそれぞれ、1.3mm[=(0.85+1.7)/2]、2.25mm[=(1.7+2.8)/2]、3.4mm[=(2.8+4)/2]、5.4mm[=(4+6.7)/2]、8.1mm[=(6.7+9.5)/2]、12.25mm[=(9.5+15)/2]、17.5mm[=(15+20)/2]、25mm[=(20+30)/2]、35mm[=(30+40)/2]、60mmとした。上で求めた全質量に対する割合のうち、以下の実施例および比較例においてそれぞれ用いた炭素前駆体に対応するものをその合計値で除した値に、対応する平均断面寸法を乗じ、合計した値を平均断面寸法とした。
[繊維状物質の含有量]
炭素前駆体を精米機(ツインバード製精米御膳NR−E700)に入れ、炭素前駆体を旋回させながら互いに擦り合わせることによって繊維質部分の除去を行った。本操作によって回収した炭素前駆体の重量減少分を繊維状物質の含有量とした。
[金属元素の含有量]
金属元素の含有量は、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製ZSX Primusμ)を用いて評価した。なお、植物原料は、採取季節等に応じて部位により金属元素の含有量についてバラツキが存在するが、金属存在形態(結晶化度)によりX線の強度が異なってくることから、金属元素の含有量は、炭化物中の金属が同等の結晶化度となるように以下の炭化条件にて炭化した後、得られた炭化物中の金属元素および非金属元素の含有量について蛍光X線分析を行うことにより決定した。また、炭素前駆体中の金属元素の含有量については、以下の各実施例および比較例における炭素前駆体から得られた炭化物中の金属元素の含有量について、その炭化物の回収率を100%としたときに算出される炭化物中の金属元素の含有量とした。
また、脱灰後の炭素前駆体および炭化物中の金属元素のバラツキを、以下の式:
金属元素の含有量のバラツキ=(最大含有量−最小含有量)/平均含有量
に従い算出した。上記式において、平均含有量は、脱灰後の炭素前駆体を全て回収し、以下の炭化条件にて炭化後、炭化物を破砕し、測定を行った。脱灰後の炭素前駆体中の金属元素の平均含有量は、炭化物の回収率を100%としたときに算出される炭化物中の金属元素の平均含有量とした。また、最大含有量および最小含有量は、脱灰後の炭素前駆体を任意に10gずつ5点採取し、それぞれ以下の炭化条件にて炭化した後、各炭化物を破砕し、測定を行い、5点測定した値の最大値および最小値を決定した。脱灰後の炭素前駆体中の金属元素の最大含有量および最小含有量は、炭化物の回収率を100%としたときに算出される炭化物中の金属元素の最大含有量および最小含有量とした。
[炭化条件]
回収物を坩堝に入れ、光洋サーモ製KTF1100炉(内径70mmΦ)を用いて、酸素含量15ppmの窒素気流3L/分(0.012メートル/秒)の流量下、10℃/分で500℃まで昇温、60分保持した後、6時間かけて冷却し、50℃以下で取り出した。
[嵩密度]
1000ccメスシリンダーの1000cc目盛りまで炭素前駆体を投入した後、メスシリンダーと炭素前駆体の合計質量とメスシリンダーの質量の差から炭素前駆体の質量を求め、1000ccに対する測定した質量の割合を算出した。この操作を5回行い、その平均値を嵩密度とした。
実施例1
椰子殻(フィリピン、ミンダナオ島産)3kgを、一軸破砕機(吉田製作所製プラスチック破砕機1005)に投入し、破砕すると共に表面層を削り取った。その後、一軸破砕機の排出口に取り付けた直径8mmのスクリーンを通過させることにより整粒した椰子殻(以下、破砕椰子殻という)を回収した。次に破砕椰子殻3kgについて上記平均断面寸法の決定法に従いふるい分けを行って平均断面寸法を決定すると共に、平均断面寸法が3.4mm以上(2.8mmメッシュスクリーン上)の椰子殻を120g回収し、0.04Mクエン酸水溶液280gに浸漬し、95℃にて撹拌しながら4時間脱灰を行った。その後、室温まで冷却し、ろ過により脱液することにより椰子殻を回収した。脱灰した椰子殻(以下、脱灰椰子殻という)を真空1Torr下、80℃にて24時間乾燥した。このようにして得られた脱灰椰子殻を、上記炭化条件に従って炭化した。
実施例2
実施例1において直径8mmのスクリーンの代わりに直径11.5mmのスクリーンを用いたこと以外は実施例1と同様にして炭化物を製造した。
実施例3
実施例1において直径8mmのスクリーンの代わりに直径14.5mmのスクリーンを用いたこと以外は実施例1と同様にして炭化物を製造した。
実施例4
実施例1において直径8mmのスクリーンの代わりに直径20mmのスクリーンを用いたこと以外は実施例1と同様にして炭化物を製造した。
比較例1
実施例1において一軸破砕機の代わりにスクリーンを有さない二軸破砕機(遠藤工業製小型二軸破砕機)を用いたこと、および破砕された椰子殻をふるい分けを行わず全て用いたこと以外は実施例1と同様にして炭化物を製造した。
比較例2
実施例1において一軸破砕機の代わりにスクリーンを有さない二軸破砕機(遠藤工業製小型二軸破砕機)を用いたこと、および二軸破砕機から回収した椰子殻になお付着している繊維状物質を、ステンレスふるい、およびピーラーを用いて分離したこと、および破砕された椰子殻をふるい分けを行わず全て用いたこと以外は実施例1と同様にして炭化物を製造した。
比較例3
実施例1において一軸破砕機の代わりにスクリーンを有さない二軸破砕機(遠藤工業製小型二軸破砕機)を用いたこと、および回収した椰子殻を二軸破砕機へ投入して粉砕、表面層を削り取った後、回収する操作を4回繰り返したこと、および破砕された椰子殻をふるい分けを行わず全て用いたこと以外は実施例1と同様にして炭化物を製造した。
比較例4
実施例1において一軸破砕機の代わりにジョークラッシャー(レッチェ製BB50)を用いたところ、椰子殻の破砕は進行するが、破砕椰子殻の表層には繊維状物質が付着したままであり表層面が削り取られる様子は見られなかった。ジョークラッシャーでの破砕では、椰子殻が2本のジョーがV字型を構成する粉砕室に入り、固定ジョーと楕円運動する駆動ジョーの間で押しつぶされる形で破砕された。この破砕時に、椰子殻の表層に対して一軸破砕機のようなせん断力が発生することがなく、そのため椰子殻の表層を削り取ることができなかった。
各実施例および比較例において得られた破砕椰子殻の各平均断面寸法についての質量割合、平均断面寸法、40mm以上の粒度(断面寸法)を有する破砕椰子殻の質量割合、2.5mm以下の粒度(断面寸法)を有する破砕椰子殻の質量割合、繊維状物質の含有量および嵩密度を表1に示す。また、各実施例および比較例において得られた破砕椰子殻および脱灰椰子殻の金属元素の含有量を以下の表2に示す。
Figure 0006698658
Figure 0006698658
Figure 0006698658
表1乃至表3から本発明の炭素前駆体は、繊維状物質の含有量が少なく、かつ所定の範囲の平均断面寸法を有するため、本発明によらない炭素前駆体に比べ金属元素の含有量が低く、脱灰した場合に金属元素の含有量のバラツキが小さいことがわかる。

Claims (9)

  1. ふるい分け法により決定された平均断面寸法が4mm以上35mm以下のチップから構成される炭素前駆体であって、長さ5mm以上および幅2mm以下である繊維状物質の含有量が6重量%以下である、植物原料由来の炭素前駆体。
  2. 繊維状物質は、植物原料の表層部分に由来する、請求項1に記載の炭素前駆体。
  3. 金属元素アルミニウムの含有量に対する金属元素カリウムの含有量の比は150以上である、請求項1または2に記載の炭素前駆体。
  4. 断面寸法が40mm以上であるチップの含有量は40重量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素前駆体。
  5. 断面寸法が2.5mm以下であるチップの含有量は35重量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の炭素前駆体。
  6. 植物原料は椰子殻である、請求項1〜5のいずれかに記載の炭素前駆体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の炭素前駆体から得られる炭化物。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の炭素前駆体の製造方法であって、
    1)植物原料を破砕し、および植物原料の表層を削り取る工程、
    2)工程1)において破砕し、および表層を削り取った植物原料を整粒する工程、および
    3)工程2)において得られた植物原料から微細物質を取り除く工程
    を含み、前記工程1)は、せん断力を付与する装置を用いることにより行う、方法。
  9. 前記工程1)および2)を同じ装置を用いることにより行う、請求項8に記載の方法。
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