JP6697398B2 - 硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法 - Google Patents

硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6697398B2
JP6697398B2 JP2016564688A JP2016564688A JP6697398B2 JP 6697398 B2 JP6697398 B2 JP 6697398B2 JP 2016564688 A JP2016564688 A JP 2016564688A JP 2016564688 A JP2016564688 A JP 2016564688A JP 6697398 B2 JP6697398 B2 JP 6697398B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
lithium hydroxide
lithium
sulfide
lithium sulfide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016564688A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016098351A1 (ja
Inventor
千賀 実
実 千賀
岩原 昌宏
昌宏 岩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Publication of JPWO2016098351A1 publication Critical patent/JPWO2016098351A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6697398B2 publication Critical patent/JP6697398B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F27/00Mixers with rotary stirring devices in fixed receptacles; Kneaders
    • B01F27/80Mixers with rotary stirring devices in fixed receptacles; Kneaders with stirrers rotating about a substantially vertical axis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B17/00Sulfur; Compounds thereof
    • C01B17/22Alkali metal sulfides or polysulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01DCOMPOUNDS OF ALKALI METALS, i.e. LITHIUM, SODIUM, POTASSIUM, RUBIDIUM, CAESIUM, OR FRANCIUM
    • C01D15/00Lithium compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01DCOMPOUNDS OF ALKALI METALS, i.e. LITHIUM, SODIUM, POTASSIUM, RUBIDIUM, CAESIUM, OR FRANCIUM
    • C01D15/00Lithium compounds
    • C01D15/02Oxides; Hydroxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B17/00Sulfur; Compounds thereof
    • C01B17/16Hydrogen sulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/12Surface area
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2006/00Physical properties of inorganic compounds
    • C01P2006/80Compositional purity
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/056Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes
    • H01M10/0561Accumulators with non-aqueous electrolyte characterised by the materials used as electrolytes, e.g. mixed inorganic/organic electrolytes the electrolyte being constituted of inorganic materials only
    • H01M10/0562Solid materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0017Non-aqueous electrolytes
    • H01M2300/0065Solid electrolytes
    • H01M2300/0068Solid electrolytes inorganic
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)

Description

本発明は、硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法に関する。
硫化リチウムは、例えば、リチウムイオン二次電池で使用される電解質の一種である硫化物固体電解質の原料として用いられる。
従来、硫化リチウムの合成方法として、LiCO又LiSOに硫化水素を反応させる方法が開示されている(特許文献1〜3)。
また、LiOHを原料とする硫化リチウムの合成方法として、溶媒又は水溶液を用いる方法や(特許文献4〜6)、溶媒を用いずに硫化水素と反応させる方法(特許文献7)が開示されている。
特許第4948659号公報 特開2013−075816号公報 特開2013−227180号公報 特開2010−163356号公報 国際公開第2005/040039号パンフレット 特開2011−084438号公報 特開平9−278423号公報
特許文献1〜3に記載の方法は、反応に400℃以上の高い温度が必要という欠点がある。特許文献4〜6に記載の方法は、反応槽の体積効率が低いという欠点や、溶媒や水を蒸留除去もしくは回収する工程が必要という欠点がある。また、特許文献7に記載の方法は、水酸化リチウム粒子同士の凝集や、生成物の反応装置壁面等への付着が生じやすいという欠点がある。
本発明の目的は、出発原料を水酸化リチウムとして、溶媒を用いずに、水酸化リチウム粒子の凝集や生成物の反応容器への付着を生じることなく、高純度の硫化リチウムを製造できる製造装置及び製造方法を提供することである。
本発明者が鋭意検討した結果、出発原料を水酸化リチウムとして、溶媒を用いずに硫化リチウムを製造する場合、水酸化リチウム粒子の凝集や生成物の反応容器への付着は、副生水によって粒子表面が溶融することで発生することを見出した。また、上記付着は、特に比較的多量の水酸化リチウムを原料とした際、即ちスケールアップした際に発生し易いことを見出した。
本発明によれば、以下の硫化リチウム製造用装置等が提供される。
1.水酸化リチウム粉体と硫化水素ガスを接触させる反応容器と、前記反応容器の内部にある撹拌翼と、前記反応容器の内壁のうち、前記粉体と接している内壁の温度を保持する第一加熱装置と、前記反応容器の内壁のうち、前記粉体と接していない内壁の温度を保持する第二加熱装置と、を備える、硫化リチウム製造用装置。
2.前記反応容器の容量が0.1リットル(l)以上100キロリットル(kl)以下である、1に記載の硫化リチウム製造用装置。
3.前記撹拌翼が、前記反応容器の底面から10cm以内の位置にある、1又は2に記載の硫化リチウム製造用装置。
4.前記反応容器の底面部が丸底状である、1〜3のいずれかに記載の硫化リチウム製造用装置。
5.前記撹拌翼が、アンカー翼、ファドラー翼、ヘリカル翼、マックスブレンド翼又はディスク型翼である、1〜4のいずれかに記載の硫化リチウム製造用装置。
6.溶媒不存在下において、反応容器1リットル(l)に対して水酸化リチウムを0.1kg以上投入し、硫化水素の流量を、前記水酸化リチウム1kgに対して5リットル(l)/min以下とし、前記水酸化リチウムを滞留させないように撹拌しながら、前記水酸化リチウムと前記硫化水素を反応させる、硫化リチウムの製造方法。
7.前記水酸化リチウムの粒径が0.1mm以上1.5mm以下である、6に記載の硫化リチウムの製造方法。
8.前記水酸化リチウムが無水物である、6又は7に記載の硫化リチウムの製造方法。
9.前記水酸化リチウムの水分量が10wt%以下である、6〜8のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
10.得られた硫化リチウム中の水酸化リチウムの量が0.2wt%以下である、6〜9のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
11.得られた硫化リチウムの純度が98.0wt%以上である、6〜10のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
12.前記反応の時間が1時間以上60時間以下である、6〜11のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
13.前記反応において、水の発生が確認できなくなった後、さらに0.5時間以上10時間以下前記反応を行う、6〜12のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
14.6〜13のいずれかの製造方法により得られる硫化リチウム。
また、本発明によれば、以下の硫化リチウムの製造方法が提供される。
1.溶媒不存在下において、
水酸化リチウムと硫化水素とを、
140℃以上230℃以下で反応させる、
硫化リチウムの製造方法。
2.前記反応温度が140℃以上220℃以下である1に記載の硫化リチウムの製造方法。
3.前記水酸化リチウムの粒径が0.1mm以上1.5mm以下である1又は2に記載の硫化リチウムの製造方法。
4.前記水酸化リチウムが無水物である1〜3のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
5.前記水酸化リチウムの水分量が10wt%以下である1〜4のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
6.前記水酸化リチウムを撹拌しながら反応させる1〜5のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
7.得られた硫化リチウム中の水酸化リチウムの量が0.2wt%以下である1〜6のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
8.得られた硫化リチウムの純度が98.0wt%以上である1〜7のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
本発明によれば、出発原料を水酸化リチウムとして、溶媒を用いずに、水酸化リチウム粒子の凝集や生成物の反応容器への付着を生じることなく、高純度の硫化リチウムを製造できる製造装置及び製造方法が提供できる。
本発明の一実施形態にかかる硫化リチウム製造用装置を説明するための概略図である。
[硫化リチウム製造用装置]
本発明の硫化リチウム製造用装置は、水酸化リチウム粉体と硫化水素ガスを接触させる反応容器と、反応容器の内部にある撹拌翼と、を有する。そして、反応容器の内壁のうち、粉体と接している内壁の温度を保持する第一加熱装置と、反応容器の内壁のうち、粉体と接していない内壁の温度を保持する第二加熱装置と、を有することを特徴とする。なお、「粉体」は、主に原料である水酸化リチウム及び/又は生成物である硫化リチウムである。
図1は、本発明の一実施形態にかかる硫化リチウム製造用装置を説明するための概略図である。
図1において、硫化リチウム製造用装置1は、反応容器2、第一加熱装置21、第二加熱装置22、撹拌翼23、硫化水素ボンベ3、排出用弁40、凝集器42、及び、窒素ボンベ9等を備えている。この硫化リチウム製造用装置1は、炭化水素系有機溶媒等の溶媒を使用せずに、水酸化リチウム粉体と硫化水素ガスとを反応させ、硫化リチウムを製造する。
反応容器2は、密閉型の容器であり、水酸化リチウムが封入される。なお、反応容器2は、加圧状態でも反応を行えるように、圧力容器としてもよい。
反応容器2はその底部付近に、第一加熱装置21が取り付けられている。第一加熱装置21は主に原料である水酸化リチウム粉体を加熱し、保温する目的で設置される。したがって、第一加熱装置21は熱を粉体に効率よく伝導するため、反応容器2内において粉体と容器内壁が接している箇所(反応容器2内の粉体相と気相間の界面より下部)に設置する。具体的には、反応容器2の底面及びその周辺が好ましい。
また、反応容器2は、その胴部に上記第一加熱装置21とは異なる第二加熱装置22が取り付けられている。第二加熱装置22は水酸化リチウム粉体や生成する硫化リチウム粉体を加熱するためではなく、主に反応容器2の内壁に水が凝縮することを防止するために設置される。したがって反応容器2内の粉体相と気相間の界面より上部に設置する。具体的には、反応容器2の中央部付近よりも上部や蓋部が好ましい。なお、本実施形態では反応容器2の胴部に加熱装置22を設置しているが、これに限られず、反応容器2の蓋部に設置してもよく、胴部及び蓋部の両方に設置してもよい。
第一加熱装置21及び第二加熱装置22は、特に限定されるものではなく、反応容器2の内壁又は粉体を所定の温度に加熱し、保持できるものであればよい。例えば、電気ヒーター、オイルバス、水蒸気等の熱媒体を使用した加熱ジャケットが挙げられる。
反応容器2の大きさの下限は特に制限はないが、例えば、100ミリリットル(ml)以上、300ミリリットル(ml)以上である。また、反応容器の大きさの上限にも特に制限はないが、例えば100キロリットル(kl)以下である。
本実施形態は、特に原料である水酸化リチウムを大量に用いる場合、例えば、0.1kg以上用いる場合に有効である。反応容器2が大きくなるに従い、容器の温度を均一に制御することが困難になる。例えば、反応容器2の上部付近の内壁の温度が低下し、水が凝縮する原因となる。本実施形態では、粉体を加熱するための第一加熱装置21の他に、別途、反応容器2の内壁に水が凝縮することを防止する第二加熱装置22を設置しているため、反応容器2が大きくなっても、水の凝縮を防止することができる。反応容器2の容量は、例えば、0.1リットル(l)以上100キロリットル(kl)以下が好ましく、特に、0.3リットル(l)以上50キロリットル(kl)以下が好ましい。
反応容器2には、その内部を撹拌する撹拌翼23が取り付けられている。なお、本実施形態では、下段に撹拌翼を有する一軸の撹拌翼としてあるが、撹拌翼の形状や数量、及び撹拌軸の数量等は、特に限定されるものではない。
撹拌翼23としては、一般的な翼を用いて行うことができる。具体的には、アンカー翼、ファドラー翼、ヘリカル翼、マックスブレンド翼、ディスク型翼、等の撹拌翼が挙げられる。
反応容器2は、蓋部に水酸化リチウムを供給する供給口24が設けられ、底部に硫化リチウムを取り出す取り出し口25が設けられている。
なお、反応容器2は、圧力センサ、温度センサ、界面計等を設置してもよい。
本実施形態では、反応容器2の内部に硫化水素を吹き込む吹込手段として、硫化水素ボンベ3を備えている。硫化水素ボンベ3は、弁31及び配管等を介して反応容器2と接続されており、反応容器2の内部においては、上記配管と連通するパイプ32と接続されている。このパイプ32は、先端が反応容器2の下部に位置しており、水酸化リチウムの下方に硫化水素が吹き出る構成としてある。これにより、硫化水素が水酸化リチウムと接触する時間が増え、反応が終了するまでの時間を短縮することができる。
排出用弁40は、一方が配管等を介して反応容器2の蓋部と接続されており、他方が配管41等を介して凝縮器42と接続されている。この排出用弁40は、反応中に反応容器2の内部で反応により副生する水を反応容器2の外部へ排出する排出手段として機能する。
反応容器2の内部では、以下の反応式(1)及び反応式(2)の反応により、硫化リチウムが製造される。
LiOH+HS→LiSH+HO (1)
2LiSH→LiS+HS (2)
したがって、上記の排出用弁40からの排出物は、水及び硫化水素を含んでいる。
なお、排出用弁40は、通常、圧力制御弁等であり、反応容器2の内部を所定の圧力に維持する。また、硫化リチウム製造用装置1は、必要に応じて、硫化水素の回収装置を設けてもよい。例えば、凝縮器42で液化しなかった気体を回収装置で回収すればよい。
窒素ボンベ9は、弁91及び配管等を介して反応容器2と接続されており、反応容器2の内部においては、上記配管と連通するパイプ32と接続されている。この窒素ボンベ9は、反応の終了段階等において、不活性ガスとして窒素ガスを反応容器2の内部に供給する。
続いて、硫化リチウム製造用装置1の動作等について説明する。
硫化リチウム製造用装置1では、まず、弁91及び排出用弁40が開かれ、窒素ボンベ9から窒素ガスが注入され、反応容器2内部の空気等が排出され、その後、弁91が閉じられる。
次に、供給口24から所定量の水酸化リチウムを反応容器2に投入する。
製造効率の観点から、反応容器1リットル(l)に対して水酸化リチウムを0.1kg以上投入することが好ましい。水酸化リチウムを0.2kg以上投入することがより好ましく、特に、0.3kg以上投入することが好ましい。水酸化リチウムの投入量の上限は特にないが、好ましくは反応容器1リットル(l)に対して水酸化リチウム0.8kg以下である。
なお、水酸化リチウム粉体の嵩密度は通常0.75g/cm程度から1.00g/cm程度である。したがって、反応容器1リットル(l)に対する水酸化リチウムの投入量は、例えば、0.2リットル(l)以上、0.3リットル(l)以上又は0.4リットル(l)以上である。また、上限は特にないが、粉末の飛散、撹拌効率低下防止という理由から、反応容器1リットル(l)に対する水酸化リチウムの投入量は、0.8リットル(l)以下が好ましい。
加熱装置21、22及び撹拌翼23を作動し、水酸化リチウム及び反応容器内壁を所定の温度に加熱するとともに、水酸化リチウムを反応容器内で滞留しないように均一に混合する。
第二加熱装置22によって、反応容器2の粉体が接触していない内壁の温度を100℃以上に保持する。これにより、副生した水が内壁で凝縮することを防止できる。反応容器2の原料粉体等が接触していない内壁の温度の上限は特に限定しないが、例えば、140℃以下が好ましい。
第一加熱装置21によって、反応容器2の水酸化リチウムを効率よく加熱することができる。加熱温度は140℃以上230℃以下が好ましい。
本実施形態では、2つの加熱装置21及び22を独立して設置しているため、水の凝縮防止を目的とする加熱と原料加熱を目的とする加熱を独立して制御できる。その結果、1つの加熱装置で加熱するよりも使用するエネルギーを低減できる。
撹拌速度は適宜調整すればよいが、例えば50rpm以上2000rpm以下、100rpm以上1000rpm以下である。撹拌により、水酸化リチウムが滞留することなく撹拌するためには、反応容器2の底部の形状を、隅が生じない形状、例えば、曲面状、丸底状とすることが好ましい。
また、撹拌翼はできるだけ反応容器2の底に近づけることが好ましい。撹拌翼と反応容器の底の距離は、例えば、10cm以下、5cm以下、2cm以下、1cm以下である。
次に、弁31が開かれ、硫化水素が反応容器2の内部に供給され、反応を開始する。反応容器2の内部では、上述した反応式(1)及び反応式(2)の反応が進行し、硫化リチウムが生成されるとともに、水及び硫化水素が発生する。
ここで、粉体及び反応容器2は、所定の温度に加熱されているので、発生した水は反応容器内部で凝縮せずに、気体の状態で硫化水素とともに反応容器2から排出される。この排出は、排出用弁40及び配管41等を介して行われ、反応容器2の内部の圧力は、排出用弁40により所定の圧力に制御される。
硫化水素の吹き込み速度は、反応系の規模や反応条件等により適宜調整すればよい。本発明では、反応容器2内に比較的多量の水酸化リチウムを投入できるため、硫化水素の使用効率が向上する。その結果、硫化水素の流量を、投入した水酸化リチウム1kgに対して5リットル(l)/min以下にすることができる。硫化水素の流量は、水酸化リチウム1kgに対して4リットル(l)/min以下であることが好ましく、さらに3リットル(l)/min以下が好ましく、特に、2リットル(l)/min以下が好ましい。硫化水素の流量の下限は、例えば、0.1リットル(l)/minである。
排出された水及び硫化水素は、凝縮器42に供給され、気体の状態の水が液体の状態となる(凝縮される)。なお、気体の硫化水素は凝縮器42において、ほぼ水に溶解する。
発生する水分量と反応時間との関係は、硫化水素の供給量をほぼ一定とすると、反応開始とともに、反応により生成される水によって水分量は増加し、その後、ほぼ一定の値で推移し、その後、原料である水酸化リチウムの減少によって減少する。
水分の発生が止まった後、加熱装置21及び22を停止し、弁91を開き、反応容器2に窒素ガスを吹き込み、硫化水素を排出し、生成された硫化リチウムを取り出し口25から取り出す。
本実施形態では、有機溶媒や水等の溶媒を用いずに反応を行うため、溶媒の蒸留除去や回収を行わずに、得られた硫化リチウムをそのまま用いることができる。
なお、上記実施形態では、縦型の反応容器を使用したが、本発明はこれに限定されない、例えば、ディスク型ドライヤーのような横型の装置も使用できる。ディスク型ドライヤーの場合、気体の排出口付近に粉体と接していない内壁の温度を保持する第二加熱装置を取り付けることが好ましい。
[硫化リチウムの製造方法]
本発明の硫化リチウムの製造方法は、溶媒不存在下において、反応容器1リットルに対して水酸化リチウムを0.1kg以上投入し、硫化水素の流量を、水酸化リチウム1kgに対して5リットル(l)/min以下とし、水酸化リチウムを滞留させないように撹拌しながら、水酸化リチウムと硫化水素を反応させることを特徴とする。
ここで、「溶媒不存在下において」とは、水酸化リチウムと硫化水素を溶媒中で反応させるのではなく、溶媒のない状態で反応させること、即ち、固体の水酸化リチウムに気体の硫化水素を直接接触させて反応させることを意味する。
本発明の製造方法は、例えば、上述した本発明の製造装置により実施できる。この製造装置では、反応容器の内壁に、硫化リチウムの製造時に副生した水が凝縮することを防止できる。その結果、水酸化リチウム粒子の凝集や生成物の反応容器への付着を防止することができるため、反応容器内に比較的多量の水酸化リチウムを投入しても、高純度な硫化リチウムを製造できる。
製造効率の観点から、反応容器1リットル(l)に対して水酸化リチウムを0.2kg以上投入することが好ましく、特に、0.3kg以上投入することが好ましい。水酸化リチウムの投入量の上限は特にないが、好ましくは反応容器1リットル(l)に対して水酸化リチウム0.8kg以下である。
なお、水酸化リチウム粉末の嵩密度は通常0.75g/cm程度から1.00g/cm程度である。したがって、反応容器1リットル(l)に対する水酸化リチウムの投入量は、例えば、0.2リットル(l)以上、0.3リットル(l)以上又は0.4リットル(l)以上である。また、上限は特にないが、粉末の飛散、攪拌効率低下防止という理由から、反応容器1リットル(l)に対する水酸化リチウムの投入量は、0.8リットル(l)以下が好ましい。
本発明の製造方法では、反応容器内に比較的多量の水酸化リチウムを投入できるため、硫化水素の使用効率が向上する。その結果、硫化水素の流量を、投入した水酸化リチウム1kgに対して5リットル(l)/min以下にすることができる。硫化水素の流量は、水酸化リチウム1kgに対して4リットル(l)/min以下であることが好ましく、さらに3リットル(l)/min以下が好ましく、特に、2リットル(l)/min以下が好ましい。生産性の観点から、硫化水素の流量の下限は、例えば、0.1リットル(l)/min以上であることが好ましい。
以下、各原料や反応条件について述べる。
[水酸化リチウム(LiOH)]
水酸化リチウムは、工業的に市販されているものをそのまま用いることができる。本発明においては、後述するように、事前に粉砕して微粒状にしたものを原料として用いる必要がない。したがって、水酸化リチウムの分級や粉砕等の微粒化工程を設ける必要はない。
上記のように水酸化リチウムの粒径は特に制限はない。例えば、0.1mm以上1.5mm以下の粒径範囲を有する工業品であってもよいし、1.5mm超(例えば1.6mm以上2.0mm以下)であってもよい。
粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、Malvern Instruments Ltd製 マスターサイザー2000)を用いて測定する。
水酸化リチウムは水和物でも無水物でもよいが、無水物が好ましい。水酸化リチウム中の不純物である水分量も特に制限はないが、好ましくは10wt%以下であり、例えば8wt%以下、5wt%以下、3wt%以下である。水酸化リチウム中の水分量は、試料を200℃にて2時間乾燥した際の重量減少量によって測定する。
本発明においては、原料である水酸化リチウムの乾燥工程は、設けてもよいし、設けなくてもよい。乾燥工程は、例えば不活性ガス下での乾燥が挙げられる。
[硫化水素(HS)]
硫化水素は、工業的に市販されているものをそのまま用いることができる。
硫化水素は、脱水してもよく、脱水しなくてもよい。得られた硫化リチウムに影響を与えるおそれがあるため、好ましくは水分量が50ppm以下、より好ましくは30ppm以下である。水分量の下限値は、特に限定されないが、通常0.1ppm以上である。水分量は0ppmでもよい。
[反応温度]
反応温度は140℃以上230℃以下が好ましい。より好ましくは140℃以上220℃以下であり、例えば、150℃以上220℃以下、150℃以上210℃以下、160℃以上200℃以下である。
140℃以上230℃以下の範囲であれば、水酸化リチウム粒子同士の凝集が特に生じにくいため好ましい。このため、硫化水素ガスを水酸化リチウム粒子内部まで拡散させることができ、反応を十分に進行することができることから、残留水酸化リチウム量が低減された高純度の硫化リチウムが得られる。また、付着等の発生を抑制できる。
さらに、上述したように、硫化水素ガスを水酸化リチウム粒子内部まで十分に拡散させることができるため、原料の水酸化リチウムを予め粉砕・分級等して微粒化する必要がなく、工業的に市販されている水酸化リチウムをそのまま用いることができる。
また、上記の温度範囲であれば、腐食性も小さくなることから、反応装置の材質の制限が少なくなる。例えば、400℃以上の反応温度の場合、ステンレス製反応装置は硫化水素により腐食してしまう恐れがある。
また、反応温度を230℃以下とすることにより、各種ゴムの耐熱温度の範囲内となり、軸封の設計が容易となるという利点がある。さらに、反応温度を230℃以下とすることにより、熱媒油での加熱が可能であるという利点がある。
[反応]
反応は、通常、大気の流入がない反応容器の中で行う。反応容器の大きさの下限は特に制限はないが、例えば100ミリリットル(ml)以上、300ミリリットル(ml)以上である。
反応容器の大きさの上限にも特に制限はないが、例えば100キロリットル(kl)以下である。
本発明は、特に原料である水酸化リチウムを大量に用いる場合、例えば、0.1kg以上用いる場合に有効である。
反応は、連続式及びバッチ式のいずれにおいても可能である。
本発明の製造方法では、水酸化リチウムを滞留させないように撹拌しながら、水酸化リチウムと硫化水素を反応させる。具体的には、上述した本発明の本発明の製造装置を使用することができる。また、他の装置としては、反応温度範囲で適用可能で、水酸化リチウムを滞留させないように撹拌できる装置であって、ガスを供給ないし排出できる装置であれば、いずれの形式のものを用いてもよい。例えば、反応熱を補うため、高温の硫化水素リッチガスで直接加熱する反応装置(直接加熱式)、又は熱媒で間接的に加熱する反応装置(間接加熱式)を用いることが好ましい。具体的には、直接加熱式の場合は、流動層反応器、ロータリーキルンが好ましい。間接加熱式の場合は、伝熱面積の大きなディスク型ドライヤーが好ましい。ディスク型ドライヤーのディスク構造は、熱伝達速度と撹拌及び搖動効果を高めるように中空でシャフトに対して傾斜した配置のものがよい。ディスクを回転させることにより、シャフト・ケーシングへ付着した原料を自動的に掻きとるセルフクリーニング効果を示すことができる。
ディスク型ドライヤーのより具体的な例として、株式会社栗本鐡工所製CDドライヤー、月島機械株式会社製インクラインドディスクドライヤー、ホソカワミクロン株式会社製ミクロンサーモプロセッサ等が挙げられる。
本発明の製造方法において、水酸化リチウムが投入された反応容器等に硫化水素ガスを吹き込み、水酸化リチウムと硫化水素を反応させる。硫化水素の吹き込み方法は特に制限されない。
撹拌は、例えば、一般的な翼を用いて行うことができる。具体的には、アンカー翼、ファドラー翼、ヘリカル翼、マックスブレンド翼、ディスク型翼等の撹拌翼が挙げられる。撹拌速度は適宜調整すればよいが、例えば50rpm以上2000rpm以下、100rpm以上1000rpm以下である。
水酸化リチウムと硫化水素の反応により水が副生する。副生した水は、反応系から蒸発した水蒸気をコンデンサー等で凝縮することで系外に除去できる。ここで、反応容器の内壁全体を100℃以上に保持することにより、反応容器の内壁に副生した水が凝集することを防止できる。反応容器のうち水酸化リチウムと接触している部分が140℃以上230℃以下であり、反応容器のうち水酸化リチウムと接触していない部分が100℃以上140℃以下となることが好ましい。
反応が進行し、反応系から原料である水酸化リチウムが消失すると、反応による水の発生が止まる。反応系の水が蒸発し、乾燥状態となるまで硫化水素の吹き込みを続けることが好ましい。水分が完全に留去される前に硫化水素の吹き込みを止めると、硫化リチウムの加水分解が進行するおそれがある。
また、乾燥状態となった後も一定時間硫化水素の吹き込みを続けることにより、後述する得られる硫化リチウム中のLiOH量を減らすことができる。吹込みを続ける時間としては、好ましくは0.5時間以上10時間以下であり、さらに好ましくは1時間以上4時間以下であり、例えば2時間以上3時間以下である。このとき、硫化水素の流量は、乾燥状態となる前と同じ流量でもよいし、乾燥状態となる前よりも少ない流量でもよい。
その後、硫化水素の吹込みを止め、硫化リチウムを回収する。本発明においては溶媒を用いずに反応を行うため、溶媒の蒸留除去や回収を行わずに、得られた硫化リチウムをそのまま用いることができる。
反応時間(硫化水素の吹込みを開始した時から吹込みを止めた時までの時間)は、通常、1時間〜60時間、例えば2時間〜30時間、6時間〜20時間である。
[硫化リチウム(LiS)]
本発明によれば、反応を十分に進行することができるため、原料である水酸化リチウム量が低減された高純度の硫化リチウムが得られる。本発明によれば、得られた硫化リチウムの純度を98.0wt%以上、例えば98.2wt%以上とすることができる。
また、得られた硫化リチウム中の水酸化リチウムの量を0.4wt%以下、例えば0.2wt%以下、例えば0.1wt%以下とすることができる。
硫化リチウムの純度、水酸化リチウムの量は、電位差滴定法により測定する。
得られる硫化リチウムのBET法(気体吸着法)で測定した比表面積は、例えば、1.0m/g以上、1.2m/g以上、1.5m/g以上である。BET法は窒素ガスを用いてもよく(窒素法)、クリプトンガスを用いてもよい(クリプトン法)。なお、比表面積が小さい場合は、通常クリプトン法により測定する。例えばAUTOSORB6(シスメックス株式会社製)で測定できる。
得られる硫化リチウムの細孔容積は、例えば、0.002ml/g以上である。細孔容積は比表面積と同じ装置で測定でき、相対圧P/Pが0.99以上の測定点から、0.99に内挿して求めたものを使用できる。装置の測定下限は0.001ml/gである。硫化リチウムの細孔容積は、好ましくは0.003ml/g以上である。
本発明の方法により得られた硫化リチウムを用いて、リチウムイオン二次電池等に用いられる硫化物系固体電解質を製造できる。硫化物系固体電解質は、全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質層や、正極や負極合材に混合する固体電解質等としても使用できる。例えば、正極と、負極と、正極及び負極の間に固体電解質からなる層を形成することで、全固体リチウムイオン二次電池となる。
実施例1
アンカー撹拌翼を装備した500ミリリットル(ml)セパラブルフラスコに、不活性ガス下で乾燥した水酸化リチウム無水物(本荘ケミカル株式会社製、粒径範囲:0.1mm以上1.5mm以下、水分量:1wt%以下)を200g仕込んだ。200rpmで撹拌しながら、窒素気流下にて昇温し、オイルバスを用いて内部温度(粉体)を200℃に保持した。同時に、セパラブルフラスコ上部をリボンヒーターで100℃に保持した。窒素ガスを硫化水素ガス(住友精化株式会社製)に切り替え、500ミリリットル(ml)/minの流量にし、アンカー翼で撹拌しながら水酸化リチウム無水物と硫化水素との反応を行った。
なお、水酸化リチウム無水物の粒径範囲と水分量は、それぞれ上述の方法により測定した。
反応によって発生した水分はコンデンサーにより凝縮して回収した。反応を6時間行った時点で水が144ミリリットル(ml)回収された。さらに硫化水素を500ミリリットル(ml)/minのまま保持して3時間反応を継続したが、水の発生は見られなかった。また、生成物のセパラブルフラスコ等への付着等は見られなかった。
続いて、温度を200℃に保持した状態で、硫化水素ガスを窒素ガスに切り替え、20分窒素ガスを通気し、フラスコ内の硫化水素ガスを窒素ガスに置換した。窒素ガスを流通した状態で内温を下げ、生成物粉体を回収した。
回収した生成物について、LiSの純度測定、LiS中のLiOH量の測定、及びXRD測定を行った。LiSの純度測定及びLiS中のLiOH量の測定は電位差滴定により算出した。結果を表1に示す。また、XRD測定の結果、LiSに対応するピークパターンが確認できた。
なお、LiOH量の「検出限界」は0.1wt%である。
実施例2
実施例1において、硫化水素ガスの流量を500ミリリットル(ml)/minから200ミリリットル(ml)/minに変更し、全反応時間を16時間に変更した以外は、実施例1と同様にして硫化リチウムを製造した。14時間後に水は140ミリリットル(ml)回収された。その後2時間は水の留出は見られなかった。また、生成物のセパラブルフラスコ等への付着等は見られなかった。生成物を回収して、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。また、XRD測定の結果、LiSに対応するピークパターンが確認できた。
実施例3
実施例1において、反応温度を160℃に変更し、反応時間を20時間に変更した以外は、実施例1と同様にして硫化リチウムを製造した。14時間後に水が140ミリリットル(ml)回収された。その後、6時間は水の留出は見られなかった。また、生成物のセパラブルフラスコ等への付着等は殆ど見られなかった。
生成物を回収して、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。また、XRD測定の結果、LiSに対応するピークパターンが確認できた。
Figure 0006697398
実施例4
実施例1において、反応温度を220℃に変更し、反応時間を8時間に変更した以外は、実施例1と同様にして硫化リチウムを製造した。5時間後に水が146ミリリットル(ml)回収された。その後、3時間は水の留出は見られなかった。また、生成物のセパラブルフラスコ等への付着等は殆ど見られなかった。
生成物を回収して、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。また、XRD測定の結果、LiSに対応するピークパターンが確認できた。
実施例5
実施例1において、反応温度を180℃に変更し、反応時間を11時間に変更した以外は、実施例1と同様にして硫化リチウムを製造した。7時間後に水が143ミリリットル(ml)回収された。その後、4時間は水の留出は見られなかった。また、生成物のセパラブルフラスコ等への付着等は殆ど見られなかった。
生成物を回収して、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。また、XRD測定の結果、LiSに対応するピークパターンが確認できた。
実施例6
実施例1において、反応温度を140℃に変更し、反応時間を20時間に変更した以外は、実施例1と同様にして硫化リチウムを製造した。18時間後に水が140ミリリットル(ml)回収された。その後、2時間は水の留出は見られなかった。また、生成物のセパラブルフラスコ等への付着等は殆ど見られなかった。
生成物を回収して、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。また、XRD測定の結果、LiSに対応するピークパターンが確認できた。
実施例6のLiOH量が検出限界以下とならなかった点については、実施例1〜5と比べて反応温度が低いために反応速度が遅くなったこと及び、水の留出が見られなくなってからの反応が完結するまでの時間即ち、検出限界以下となるまでの時間が2時間で短かったことが原因と考えられる。
Figure 0006697398
本発明の硫化リチウム用製造装置は、高純度な硫化リチウムを製造する装置として好適に使用できる。
本発明の製造方法により得られた硫化リチウムは、リチウムイオン二次電池等に用いられる硫化物系固体電解質の原料として用いることができる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。したがって、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

Claims (12)

  1. 水酸化リチウム粉体と硫化水素ガスを接触させる反応容器と、
    前記反応容器の内部にある撹拌翼と、
    前記反応容器の内壁のうち、前記粉体と接している内壁の温度を保持する第一加熱装置と、
    前記反応容器の蓋部の温度を保持する第二加熱装置と、を備え、
    前記反応容器の容量が0.1リットル(l)以上100キロリットル(kl)以下であり、
    前記粉体と接している内壁の温度を140〜230℃に保持し、前記蓋部の温度を100℃以上に保持する、硫化リチウム製造用装置。
  2. 前記撹拌翼が、前記反応容器の底面から10cm以内の位置にある、請求項1に記載の硫化リチウム製造用装置。
  3. 前記反応容器の底面部が丸底状である、請求項1又は2に記載の硫化リチウム製造用装置。
  4. 前記撹拌翼が、アンカー翼、ファドラー翼、ヘリカル翼、マックスブレンド翼又はディスク型翼である、請求項1〜のいずれかに記載の硫化リチウム製造用装置。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の硫化リチウム製造用装置を用い、
    溶媒不存在下において、
    反応容器1リットル(l)に対して水酸化リチウムを0.1kg以上投入し、
    硫化水素の流量を、前記水酸化リチウム1kgに対して5リットル(l)/min以下とし、
    前記粉体と接している内壁の温度を140〜230℃に、及び、前記蓋部の温度を100℃以上に保持し、
    前記水酸化リチウムを滞留させないように撹拌しながら、前記水酸化リチウムと前記硫化水素を反応させる、硫化リチウムの製造方法。
  6. 前記水酸化リチウムの粒径が0.1mm以上1.5mm以下である、請求項に記載の硫化リチウムの製造方法。
  7. 前記水酸化リチウムが無水物である、請求項5又は6に記載の硫化リチウムの製造方法。
  8. 前記水酸化リチウムの水分量が10wt%以下である、請求項5〜7のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
  9. 得られた硫化リチウム中の水酸化リチウムの量が0.2wt%以下である、請求項5〜8のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
  10. 得られた硫化リチウムの純度が98.0wt%以上である、請求項5〜9のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
  11. 前記反応の時間が1時間以上60時間以下である、請求項5〜10のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
  12. 前記反応において、水の発生が確認できなくなった後、さらに0.5時間以上10時間以下前記反応を行う、請求項5〜11のいずれかに記載の硫化リチウムの製造方法。
JP2016564688A 2014-12-16 2015-12-16 硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法 Active JP6697398B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254395 2014-12-16
JP2014254395 2014-12-16
JP2015122168 2015-06-17
JP2015122168 2015-06-17
PCT/JP2015/006273 WO2016098351A1 (ja) 2014-12-16 2015-12-16 硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016098351A1 JPWO2016098351A1 (ja) 2017-11-24
JP6697398B2 true JP6697398B2 (ja) 2020-05-20

Family

ID=56126259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016564688A Active JP6697398B2 (ja) 2014-12-16 2015-12-16 硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10239027B2 (ja)
EP (1) EP3235787B1 (ja)
JP (1) JP6697398B2 (ja)
WO (1) WO2016098351A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102664345B1 (ko) * 2022-11-10 2024-05-09 전북대학교산학협력단 황화 리튬 미분말의 제조방법
KR102666522B1 (ko) * 2022-11-10 2024-05-16 전북대학교산학협력단 황화 리튬의 제조방법

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6508673B2 (ja) * 2015-02-16 2019-05-08 古河機械金属株式会社 硫化リチウムの製造方法
JP6508672B2 (ja) * 2015-02-16 2019-05-08 古河機械金属株式会社 硫化リチウム粒子および硫化物系無機固体電解質材料の製造方法
JP7014496B2 (ja) * 2016-06-14 2022-02-01 出光興産株式会社 硫化リチウム、及びその製造方法
JP7294795B2 (ja) * 2017-11-17 2023-06-20 出光興産株式会社 硫化リチウム粉体、及びその製造方法
CN109012435B (zh) * 2018-08-23 2020-11-24 长江师范学院 一种实验室用锂电池材料混料装置
JP6676204B2 (ja) * 2019-03-27 2020-04-08 古河機械金属株式会社 硫化リチウム粒子、硫化物系無機固体電解質材料の製造方法および硫化物系正極活物質の製造方法
JP6715985B2 (ja) * 2019-03-27 2020-07-01 古河機械金属株式会社 硫化リチウムの製造方法
CN114797658A (zh) * 2021-01-28 2022-07-29 浙江中蓝新能源材料有限公司 一种新型电解液调配装置
WO2022255181A1 (ja) * 2021-05-31 2022-12-08 古河機械金属株式会社 硫化リチウム製造装置および硫化リチウムの製造方法
CN113996260B (zh) * 2021-11-24 2023-08-15 中汽创智科技有限公司 一种硫化物的制备装置和方法及其应用
KR102680726B1 (ko) * 2021-12-09 2024-07-03 주식회사 레이크테크놀로지 황화리튬 제조 장치
KR102707192B1 (ko) * 2022-02-28 2024-09-20 주식회사 레이크테크놀로지 황화리튬 제조 장치
KR102707201B1 (ko) * 2022-02-28 2024-09-20 주식회사 레이크테크놀로지 황화리튬 제조 장치
KR102707194B1 (ko) * 2022-02-28 2024-09-20 주식회사 레이크테크놀로지 황화리튬 제조 장치
WO2023195418A1 (ja) * 2022-04-07 2023-10-12 Agc株式会社 硫化リチウムの製造方法
FR3143861A1 (fr) * 2022-12-20 2024-06-21 Eurecat S.A Procédé de production de sulfure de lithium dans un réacteur à lit circulant
WO2024143262A1 (ja) * 2022-12-28 2024-07-04 Agc株式会社 硫化物固体電解質複合体の製造方法、硫化物固体電解質複合体および複合体粉末の製造方法
WO2024188824A1 (en) 2023-03-10 2024-09-19 Specialty Operations France Process for preparing a powder of lithium sulfide

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE606001A (ja) * 1951-12-04
US4126666A (en) * 1978-01-25 1978-11-21 Foote Mineral Company Process for producing high purity lithium sulfide
JPS5584535A (en) * 1978-12-20 1980-06-25 Hosokawa Funtai Kogaku Kenkyusho:Kk Powder material treating unit
JPS596806B2 (ja) * 1980-11-14 1984-02-14 セントラル硝子株式会社 アルカリモノフルオロホスフエ−トの製造法および製造装置
JPH0761401B2 (ja) * 1988-05-31 1995-07-05 トクデン株式会社 加熱冷却容器
CA2167247A1 (en) * 1995-01-24 1996-07-25 Chi-Wai Hui Method for controlling reaction temperature
JP3816141B2 (ja) * 1996-04-16 2006-08-30 古河機械金属株式会社 硫化リチウムの製造方法
JP3510420B2 (ja) * 1996-04-16 2004-03-29 松下電器産業株式会社 リチウムイオン伝導性固体電解質およびその製造方法
DE10008499A1 (de) 1999-03-08 2000-09-28 Idemitsu Petrochemical Co Verfahren zur Abtrennung von festen Nicht-Lithiumhydroxid-Verbindungen
CN1871177B (zh) 2003-10-23 2010-12-22 出光兴产株式会社 硫化锂的精制方法
JP5460283B2 (ja) 2008-12-15 2014-04-02 出光興産株式会社 硫化リチウムの製造方法
JP5303428B2 (ja) 2009-10-16 2013-10-02 出光興産株式会社 硫化リチウム及びその製造方法
US20110209578A1 (en) * 2010-02-26 2011-09-01 Kuniaki Ara Nanoparticle manufacturing device and nanoparticle manufacturing method and method of manufacturing nanoparticle-dispersed liquid alkali metal
JP5645653B2 (ja) 2010-12-28 2014-12-24 出光興産株式会社 硫化リチウムの製造方法、及び硫化リチウムの製造装置
JP4948659B1 (ja) 2011-04-12 2012-06-06 三井金属鉱業株式会社 リチウムイオン電池固体電解質材料用硫化リチウムの製造方法
JP2013075816A (ja) 2011-09-13 2013-04-25 Nippon Chem Ind Co Ltd 硫化リチウム、その製造方法及び無機固体電解質の製造方法
JP5770675B2 (ja) 2012-04-26 2015-08-26 古河機械金属株式会社 硫化リチウムの製造方法
JP6281841B2 (ja) * 2014-01-20 2018-02-21 東レ・ファインケミカル株式会社 硫化リチウムの製造方法
JP6300014B2 (ja) * 2014-03-14 2018-03-28 東レ・ファインケミカル株式会社 硫化リチウムの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102664345B1 (ko) * 2022-11-10 2024-05-09 전북대학교산학협력단 황화 리튬 미분말의 제조방법
KR102666522B1 (ko) * 2022-11-10 2024-05-16 전북대학교산학협력단 황화 리튬의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
US20170368515A1 (en) 2017-12-28
EP3235787A4 (en) 2018-06-27
EP3235787A1 (en) 2017-10-25
WO2016098351A1 (ja) 2016-06-23
US10239027B2 (en) 2019-03-26
JPWO2016098351A1 (ja) 2017-11-24
EP3235787B1 (en) 2021-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6697398B2 (ja) 硫化リチウム製造用装置及び硫化リチウムの製造方法
JP4537379B2 (ja) 籾殻の灰から沈降シリカを製造するプロセスおよび装置
JP7014496B2 (ja) 硫化リチウム、及びその製造方法
JP6150229B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
JP5645653B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法、及び硫化リチウムの製造装置
JP2020075855A (ja) アルジロダイト型結晶構造を含む固体電解質の改質方法
JP5508325B2 (ja) 酸化珪素粉末の製造方法
JP6281841B2 (ja) 硫化リチウムの製造方法
JP6573860B2 (ja) 錫硫化物を含む粉体の製造方法
CN115676784B (zh) 一种双氟磺酰亚胺的除杂提纯系统和除杂提纯方法
CN104324757B (zh) 一种核壳型碳包覆纳米铜催化剂的快速制备方法
JP6173931B2 (ja) ヨウ化アルカリ金属またはヨウ化アルカリ土類金属の製造方法
BR112017020846B1 (pt) Processo para preparar uma fluorita sintética de grau ácido, fluorita sintética de grau ácido e aparelho para preparar a dita fluorita sintética de grau ácido
JP7319631B2 (ja) 水酸化リチウムの製造方法、及び水酸化リチウムの製造装置
JP2013222650A (ja) イオン伝導性物質の製造方法
JP2016059835A (ja) 気体分離装置及び気体分離方法
JPWO2012066611A1 (ja) アセチレン発生設備、アセチレン発生設備の制御方法及びアセチレンガスの製造方法
KR20120084439A (ko) 폐초경합금으로부터 산화코발트를 합성하는 방법 및 이에 의해 제조된 산화코발트
JP2005247920A (ja) ハイドレート生成方法および生成装置
JP6274838B2 (ja) アルカリ金属硫化物の製造方法
JP2019026552A (ja) 水酸化リチウム水和物
JP6939483B2 (ja) リチウムニッケル複合酸化物製造用水酸化リチウムの製造方法、及びリチウムニッケル複合酸化物の製造方法
JP6836334B2 (ja) 無機ヨウ素化合物粉末の製造方法
CN103265057A (zh) 从锂辉石精矿制备碳酸锂的系统
JP5094059B2 (ja) 活性炭の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191101

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6697398

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150