JP6696113B2 - プリント配線基板用樹脂組成物、プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置 - Google Patents
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Description
微細な回路を形成する方法として、SAP(セミアディティブプロセス)法が提案されている。SAP法では、はじめに、絶縁層表面に粗化処理を施し、上記絶縁層表面上に下地になる無電解金属めっき膜を形成する。次いで、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けをおこなう。その後、めっきレジストを除去し、上記回路形成部以外の無電解金属めっき膜をフラッシュエッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する。SAP法は、絶縁層上に積層する金属層を薄膜化できるので、より微細な回路配線が可能となる。
プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
マレイミド化合物(A)と、
ベンゾオキサジン化合物(B)と、
無機充填材(C)と、
を含み、
前記ベンゾオキサジン化合物(B)は、下記式(2)により示される化合物、下記式(3)により示される化合物、および下記式(2−3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含み、
前記マレイミド化合物(A)の含有量が、前記マレイミド化合物(A)および前記ベンゾオキサジン化合物(B)の合計100質量%に対して35質量%以上80質量%以下であり、
前記マレイミド化合物(A)が、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてn1が1以上の化合物を含み、
前記マレイミド化合物(A)中に含まれる前記マレイミド化合物(A1)の含有量は、当該樹脂組成物中に含まれる前記マレイミド化合物(A)を100質量%としたとき、30.0質量%以上100.0質量%以下である、
プリント配線基板用樹脂組成物が提供される。
マレイミド化合物(A)は、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてn1が0の化合物をさらに含むこともできる。
樹脂組成物(P)により形成される絶縁層は、高温での熱収縮が小さいため、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、絶縁層と回路層との密着性を維持することができる。そのため、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性を高めることができると考えられる。
また、樹脂組成物(P)により形成される絶縁層は高温での熱収縮が小さいため、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、半導体素子とプリント配線基板間で発生する応力を低減することができる。その結果、得られる半導体装置について、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれを抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性を高めることができると考えられる。
X1における1以上10以下のアルキレン基としては、特に限定されないが、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。
さらに、上記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、n2は0以上の整数である。
このようなマレイミド化合物(A2)としては、1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、ヘキサメチレンジアミンビスマレイミド、N,N'−1,2−エチレンビスマレイミド、N,N'−1,3−プロピレンビスマレイミド、N,N'−1,4−テトラメチレンビスマレイミド等の脂肪族マレイミド化合物;イミド拡張型ビスマレイミド等を挙げることができる。これらの中でも1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、イミド拡張型ビスマレイミドが特に好ましい。マレイミド化合物(A2)は、単独で使用しても良く、二種類以上を併用してもよい。
イミド拡張型ビスマレイミドとしては、例えば、以下の式(a1)により示されるビスマレイミド化合物、以下の式(a2)により示されるビスマレイミド化合物、以下の式(a3)により示されるビスマレイミド化合物等が挙げられる。式(a1)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−1500(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)等が挙げられる。式(a2)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−1700(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1700)、BMI−1400(デジグナーモレキュールズ社製、分子量 1400)等が挙げられる。式(a3)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−3000(デジグナーモレキュールズ社製、分子量3000)等が挙げられる。
エポキシ樹脂(D)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材(C)としては、これらの中の一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
無機充填材(C)の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
低応力材(E)としては、例えば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体;シリコーン化合物;カルボキシル基、アミノ基、ビニルアクリレート基またはエポキシ基により変性されたアクリロニトリル・ブタジエンゴム;脂肪族エポキシ樹脂;およびゴム粒子等から選択される一種または二種以上が挙げられる。
これにより、繊維基材または無機充填材(C)と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の耐熱性をより向上させることができる。
カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材(C)を十分に被覆することができ、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の耐熱性を向上させることができる。また、カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の曲げ強度等の低下を抑制することができる。
樹脂ワニス(I)の固形分は、特に限定されないが、40質量%以上80質量%以下が好ましく、特に50質量%以上70質量%以下が好ましい。これにより、樹脂ワニス(I)の繊維基材への含浸性をさらに向上させることができる。
樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、好ましくは、マレイミド化合物(A)の割合が1.0質量%以上25.0質量%以下であり、ベンゾオキサジン化合物(B)の割合が1.0質量%以上25.0質量%以下であり、無機充填材(C)の割合が50.0質量%以上85.0質量%以下である。
より好ましくは、マレイミド化合物(A)の割合が5.0質量%以上20.0質量%以下であり、ベンゾオキサジン化合物(B)の割合が2.0質量%以上15.0質量%以下であり、無機充填材(C)の割合が60.0質量%以上80.0質量%以下である。
ここで、樹脂基板はプリプレグの硬化物を含むものであり、例えば、プリプレグを加熱硬化することによって得ることができる。
プリプレグをプリント配線基板におけるコア層中の絶縁層を形成するために用いる場合は、例えば、2枚以上のプリプレグを重ね、得られた積層体を加熱硬化することによりコア層用の絶縁層とすることもできる。
また、上記硬化物または樹脂基板において、動的粘弾性測定によるガラス転移温度が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板の剛性が高まり、実装時のプリント配線基板の反りをより一層低減できる。その結果、得られる半導体装置について、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高めることができる。
このようなガラス転移温度を達成するためには、マレイミド化合物(A)、ベンゾオキサジン化合物(B)、無機充填材(C)、エポキシ樹脂(D)、低応力材(E)、繊維基材、硬化促進剤等の種類や配合量、プリプレグの製造方法等をそれぞれ適切に制御することが重要である。
上記硬化物または樹脂基板において、30℃での貯蔵弾性率E'30が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板の剛性や耐熱性、応力緩和能の性能バランスが向上し、実装時のプリント配線基板の反りをより一層低減できる。その結果、得られる半導体装置について、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高めることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、E'30/E'250が上記範囲を満たすと、温度変化に対するプリント配線基板の弾性率の変化をより一層抑制できる。これにより、大きな温度変化が生じても絶縁層の変形等が起きにくく、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれを抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高めることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数α1が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板において、環境温度に大きな変化が生じても、回路層と絶縁層との間の線膨張係数差に起因して発生する応力を低減することができる。そのため、得られるプリント配線基板や半導体装置において、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、回路層と絶縁層との密着性を維持することができる。これにより、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性をより一層高めることができる。
また、上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数α1が上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、高い温度に曝された際にプリント配線基板と半導体素子との間の線膨張係数差に起因して発生する応力をより低減することができる。その結果、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数α2が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板において、半田リフロー等の高い温度に曝された際に回路層と絶縁層との間の線膨張係数差に起因して発生する応力を低減することができる。そのため、得られるプリント配線基板や半導体装置において、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、回路層と絶縁層との密着性を維持することができる。これにより、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性をより一層高めることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数α2が上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、半田リフロー等の高い温度に曝された際にプリント配線基板と半導体素子との間の線膨張係数差に起因して発生する応力を低減することができる。その結果、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
本実施形態において、平均線膨張係数α1およびα2とは、TMA(熱機械分析)装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30℃〜260℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、圧縮モードの条件で測定される、平面方向(XY方向)の線膨張係数(CTE)の平均値である。
上記硬化物または樹脂基板において、α2/α1が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板において、環境温度に大きな変化が生じても、回路層と絶縁層との間の線膨張係数差に起因して発生する応力の変化を低減することができる。そのため、得られるプリント配線基板や半導体装置において、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、回路層と絶縁層との密着性を維持することができる。以上から、プリプレグを用いることにより、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性を高めることができると考えられる。
さらに、上記硬化物または樹脂基板において、α2/α1が上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、環境温度に大きな変化が生じても、プリント配線基板と半導体素子との間の線膨張係数差に起因して発生する応力の変化を低減することができる。その結果、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
なお、硬化物の縦方向はプリプレグの搬送方向(いわゆるMD)を指す。
上記硬化物または樹脂基板において、寸法収縮率が上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、高い温度に曝された際にプリント配線基板中の絶縁層の収縮に起因して発生する応力を低減することができる。その結果、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、絶縁層と回路層との密着性を維持することができるため、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性を高めることができる。また、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
<条件>
硬化物を3g/L水酸化ナトリウム溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.1体積%、エチレングリコール3.6体積%、純水85.3体積%)に60℃、5分間浸漬することにより硬化物を膨潤させ、次いで、膨潤した硬化物を粗化処理水溶液(過マンガン酸ナトリウム60g/L、水酸化ナトリウム45g/L)に80℃、5分間浸漬することにより硬化物を粗化処理し、次いで、粗化処理した硬化物を中和液(98質量%硫酸5.0体積%、硫酸ヒドロキシルアミン0.8体積%、純水94.2体積%)に40℃、5分間浸漬することにより硬化物を中和する。
プリプレグは、例えば、本実施形態における樹脂組成物(P)を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料である。このような構造のシート状材料は、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線基板の絶縁層の製造に適している。
プリプレグまたはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の外側の上下両面または片面に金属箔105を重ね、ラミネーター装置やベクレル装置を用いて高真空条件下でこれらを接合する、あるいはそのままプリプレグの外側の上下両面または片面に金属箔105を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔105を重ねる。
次いで、プリプレグと金属箔105とを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板200を得ることができる。ここで、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。
また、上記の加熱加圧成形するときの圧力は、0.5MPa以上5MPa以下が好ましく、2.5MPa以上5MPa以下の高圧がより好ましい。
また、金属箔105としては、キャリア付金属箔等も使用することができる。
金属箔105の厚みは、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上18μm以下である。
繊維基材としては、とくに限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材;ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維;ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維;ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維のいずれかを主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材;クラフト紙、コットンリンター紙、あるいはリンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材;等が挙げられる。これらのうち、いずれかを使用することができる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、低吸水性で、高強度、低熱膨張性の樹脂基板を得ることができる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の樹脂組成物(P)の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。
ここで、本実施形態に係るプリント配線基板300において、絶縁層301が本実施形態に係る樹脂基板または金属張積層板200の絶縁層301に相当する。
プリプレグとしては、前述したプリプレグが特に好ましい。
次いで、エッチング処理により、金属箔105の一部またはすべてを除去する。
なお、エッチング処理による金属箔105の除去前に、絶縁層301にビアホール307を形成してもよい。
薬液処理としては、特に限定されず、有機物分解作用を有する酸化剤溶液等を使用する方法等が挙げられる。また、プラズマ処理としては、対象物となるものに直接酸化作用の強い活性種(プラズマ、ラジカル等)を照射して有機物残渣を除去する方法等が挙げられる。
また、上記実施形態では、半導体素子407と、プリント配線基板300の回路層とを半田バンプ410で接続したが、これに限られるものではない。例えば、半導体素子407とプリント配線基板300の回路層とをボンディングワイヤで接続してもよい。
以下、実施形態の例を付記する。
1. プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
マレイミド化合物(A)と、
ベンゾオキサジン化合物(B)と、
無機充填材(C)と、
を含み、
前記マレイミド化合物(A)が、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてn 1 が1以上の化合物を少なくとも含むプリント配線基板用樹脂組成物。
2. 1.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、前記マレイミド化合物(A1)の重量均分子量(Mw)が400以上4000以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
3. 1.または2.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記マレイミド化合物(A)の含有量が、前記マレイミド化合物(A)および前記ベンゾオキサジン化合物(B)の合計100質量%に対して35質量%以上80質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
4. 1.乃至3.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物(B)は下記式(2)により示される化合物、下記式(3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
5. 4.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物(B)が下記式(2−1)により示される化合物、下記式(2−2)により示される化合物、下記式(2−3)により示される化合物、下記式(3−1)により示される化合物、下記式(3−2)により示される化合物および下記式(3−3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
6. 1.乃至5.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、低応力材(E)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
7. 6.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記低応力材(E)が(メタ)アクリル系ブロック共重合体;シリコーン化合物;カルボキシル基、アミノ基、ビニルアクリレート基またはエポキシ基により変性されたアクリロニトリル・ブタジエンゴム;脂肪族エポキシ樹脂;およびゴム粒子から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
8. 1.乃至7.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記無機充填材(C)がタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムから選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
9. 1.乃至8.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記無機充填材(C)の含有量が、前記プリント配線基板用樹脂組成物の全固形分100質量%に対し、50質量%以上85質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
10. 1.乃至9.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、エポキシ樹脂(D)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
11. 10.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(D)の含有量が、前記プリント配線基板用樹脂組成物中の前記無機充填材(C)を除く成分の全量を100質量%としたとき、1質量%以上50質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
12. 1.乃至11.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記マレイミド化合物(A1)とは異なる種類のマレイミド化合物(A2)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
13. 12.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記マレイミド化合物(A2)が1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンおよびイミド拡張型ビスマレイミドから選択される少なくとも一種を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
14. 1.乃至13.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるプリプレグ。
15. 14.に記載のプリプレグにおいて、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により測定される、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物のガラス転移温度が260℃以上であるプリプレグ。
16. 14.または15.に記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の250℃での貯蔵弾性率E’ 250 に対する30℃での貯蔵弾性率E’ 30 の比(E’ 30 /E’ 250 )が、1.05以上1.75以下であるプリプレグ。
17. 14.乃至16.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の面内方向における、50℃から150℃の範囲において算出した平均線膨張係数α 1 に対する150℃から250℃の範囲において算出した平均線膨張係数α 2 の比(α 2 /α 1 )が、0.7以上2.0以下であるプリプレグ。
18. 14.乃至17.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物に対し、熱機械分析装置を用いて、30℃から260℃まで10℃/minで昇温する過程と、260℃で1時間保持する過程とからなる熱機械分析測定を行ったとき、前記熱機械分析測定前の前記硬化物の縦方向の長さを基準長L 0 とし、前記硬化物の前記基準長L 0 からの最大の熱膨張量をL 1 とし、前記硬化物を260℃で1時間保持したときの前記基準長L 0 からの熱膨張量をL 2 とした場合、
100×(L 1 −L 2 )/L 0 で示される寸法収縮率が0.15%以下であるプリプレグ。
19. 14.乃至18.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の質量を第1の質量とし、当該硬化物を下記条件で処理した後の硬化物の質量を第2の質量としたとき、
[{(第1の質量)−(第2の質量)}/(当該硬化物の表裏両面の面積の和)]×100で定義される減膜量が1.2g/m 2 以下であるプリプレグ。
<条件>
前記硬化物を3g/L水酸化ナトリウム溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.1体積%、エチレングリコール3.6体積%、純水85.3体積%)に60℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を膨潤させ、次いで、膨潤した前記硬化物を粗化処理水溶液(過マンガン酸ナトリウム60g/L、水酸化ナトリウム45g/L)に80℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を粗化処理し、次いで、粗化処理した前記硬化物を中和液(98質量%硫酸5.0体積%、硫酸ヒドロキシルアミン0.8体積%、純水94.2体積%)に40℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を中和する
20. 14.乃至19.いずれかに記載のプリプレグにおいて、前記繊維基材がEガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維基材であるプリプレグ。
21. 14.乃至20.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグの厚みが20μm以上220μm以下であるプリプレグ。
22. 14.乃至21.いずれかに記載のプリプレグの硬化物を含む樹脂基板。
23. 14.乃至21.いずれかに記載のプリプレグの硬化物または前記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物の片面または両面に金属箔が設けられている金属張積層板。
24. 22.に記載の樹脂基板または23.に記載の金属張積層板を回路加工して得られるものであり、1層又は2層以上の回路層が設けられているプリント配線基板。
25. 24.に記載のプリント配線基板の前記回路層上に半導体素子を搭載した半導体装置。
マレイミド化合物1:式(1)において、n1が0以上3以下、X1が「−CH2−」で表される基、aが0、bが0である化合物(BMI−2300、大和化成工業社製、Mw=750)
マレイミド化合物2:ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド(BMI−4000、大和化成工業社製)
マレイミド化合物3:4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド(式(1)において、n1は0、X1が「−CH2−」で表される基、aが0、bが0である化合物、BMI−1000、大和化成工業社製)
マレイミド化合物4:1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン(BMI−TMH、大和化成工業社製)
マレイミド化合物5:イミド拡張型ビスマレイミド(BMI−1500、式(a1)により示されるビスマレイミド化合物、デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)
ベンゾオキサジン化合物2:式(3−1)により示されるベンゾオキサジン化合物(F−a型ベンゾオキサジン四国化成工業社製)
エポキシ樹脂2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(EPICLON 830S、DIC社製)
エポキシ樹脂3:ナフタレンジオール型エポキシ樹脂(EPICLON HP−4032D、DIC社製)
低応力材2:アミノ基末端アクリロニトリル・ブタジンゴム(PTIジャパン社製、ATBN1300X16)
低応力材3:シリコーン化合物(エポキシ基およびフェニル基含有3次元架橋型シリコーン樹脂、東レ・ダウコーニング社製、AY42−119)
低応力材4:シリコーン化合物(シリコーンエポキシ樹脂、東レ・ダウコーニング社製、BY16−115)
低応力材5:シリコーン化合物(分子鎖両末端にアミノ基を有する変性シリコーン樹脂、東レ・ダウコーニング社製、BY16−853)
低応力材6:アクリル系ブロック共重合体(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA−b−PMMA;b=ブロック)、数平均分子量:約10,000、アルケマ社製、ナノストレングスM51)
硬化促進剤2:テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリルボレート(北興化学工業社製、TPP−MK)
1.樹脂ワニス1の調製
表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70質量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニス1を調製した。
(プリプレグ1)
ガラス織布(クロスタイプ♯2118、Tガラス、坪量114g/m2)に樹脂ワニス1を塗布装置で含浸させ、140℃の熱風乾燥装置で10分間乾燥して、厚さ107μmのプリプレグ1(P1)を得た。
プリプレグ2〜17は、樹脂ワニスの種類を表1および2のように変えた以外は、プリプレグ1と同様にして製造した。ただし、ワニス17は溶解性の観点からジメチルホルムアミドで固形分濃度を調整した。
1.樹脂基板の製造
プリプレグ1の両面に極薄銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンEx、2.0μm)を重ね合わせ、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形することにより、樹脂基板を得た。得られた金属箔付き樹脂基板のコア層(樹脂基板からなる部分)の厚みは、0.107mmであった。
前項で得られた金属箔付き樹脂基板の表面の極薄銅箔層に約1μmの粗化処理を施した後、炭酸ガスレーザーで、層間接続用のφ80μmのスルーホールを形成した。次いで、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に2分間浸漬後、中和してスルーホール内のデスミア処理を行った。次に、無電解銅メッキを厚さ0.5μmで行い、電解銅メッキ用レジスト層を厚さ18μm形成し、パターン銅メッキし、温度150℃時間30分加熱してポストキュアした。次いでメッキレジストを剥離し全面をフラッシュエッチングして、L/S=15/15μmのパターンを形成した。
プリプレグの種類を表2に示すものに変えた以外は、実施例1と同様に樹脂基板、プリント配線板を作製した。
ガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800))で行った。
得られた樹脂基板から8mm×40mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物を用いて昇温速度5℃/min、周波数1Hzで動的粘弾性測定をおこなった。なお、ガラス転移温度は、周波数1Hzにおいてtanδが最大値を示す温度とした。
貯蔵弾性率E'の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800)で行った。得られた樹脂基板から8mm×40mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。
得られたプリプレグの硬化物を用いて昇温速度5℃/min、周波数1Hzで、30℃および250℃での貯蔵弾性率測定をおこない、30℃での貯蔵弾性率E'30、250℃での貯蔵弾性率E'250、E'30/E'250を算出した。
得られた樹脂基板から4mm×15mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物に対し、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて昇温速度10℃/min、荷重10g、圧縮モードの条件で、30℃から260℃まで昇温する過程と、260℃で1時間保持する過程とからなる熱機械分析測定を行った。そして、プリプレグの硬化物の基準長L0からの最大の熱膨張量L1およびプリプレグの硬化物を260℃で1時間保持したときの基準長L0からの熱膨張量L2を求めた。次いで、100×(L1−L2)/L0で示される寸法収縮率を算出した。
得られた樹脂基板から4mm×15mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物に対し、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30〜260℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、圧縮モードの条件で熱機械分析(TMA)を2サイクル測定した。50℃から150℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値α1および150℃から250℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値α2を算出した。
なお、膨脹係数は、2サイクル目の値を採用した。
得られた樹脂基板から4mm×15mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物の120℃で1時間乾燥後の質量を第1の質量とし、当該硬化物を下記条件で処理した後の硬化物の120℃で1時間乾燥後の質量を第2の質量としたとき、[{(第1の質量)−(第2の質量)}/(当該硬化物の表裏両面の面積の和)]×100で定義される減膜量を算出した。
<条件>
硬化物を3g/L水酸化ナトリウム溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.1体積%、エチレングリコール3.6体積%、純水85.3体積%)に60℃、5分間浸漬することにより硬化物を膨潤させ、次いで、膨潤した硬化物を粗化処理水溶液(過マンガン酸ナトリウム60g/L、水酸化ナトリウム45g/L)に80℃、5分間浸漬することにより硬化物を粗化処理し、次いで、粗化処理した硬化物を中和液(98質量%硫酸5.0体積%、硫酸ヒドロキシルアミン0.8体積%、純水94.2体積%)に40℃、5分間浸漬することにより硬化物を中和する
プリント配線基板のL/S=15/15μmの微細回路パターン上に、ビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層、硬化した試験サンプルを作製した。この試験サンプルを用いて、温度130℃、湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。なお、抵抗値106Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
〇:500時間以上故障なし
△:200〜500時間未満で故障あり
×:200時間未満で故障あり
上記したプリント配線基板の製造において、L/S=15/15μmの微細回路パターンを形成した後のプリント配線基板について、レーザー顕微鏡で細線の外観検査および導通チェックにより評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:形状、導通ともに問題なし
〇:ショート、配線切れはなく、実質上問題ない
×:ショート、配線切れあり
上記したプリント配線板の製造において、層間接続のΦ80μmのスルーホールを壁間80μmで20対形成した。次に、回路パターン上に、ビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層、硬化した試験サンプルを作製した。この試験サンプルを用いて、温度130℃、湿度85%、印加電圧5.5Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。なお、抵抗値106Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
◎:500時間以上故障なし(良好)
〇:200〜500時間未満で故障あり(実質上問題なし)
△:200時間未満で故障あり(実質上使用不可)
×:100時間未満で故障あり(使用不可)
回路パターンを形成した後のプリント配線基板にビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層硬化し、セミアディティブ法で回路加工した。その上に、10mm×10mm×100μm厚みの半田バンプ付半導体素子を実装し、アンダーフィル(住友ベークライト社製、CRP−4160G)で封止し、150℃で2時間硬化させた。最後に、15mm×15mmにダイシングし半導体装置を作製した。
得られた半導体装置の260℃での反りを温度可変レーザー三次元測定機(日立テクノロジーアンドサービス社製、形式LS220−MT100MT50)を用いて評価した。上記測定機のサンプルチャンバーに半導体素子面を下にして設置し、高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。評価基準は以下の通りである。
◎ :反り量が30μm未満
〇 :反り量が30μm以上50μm未満
× :反り量が50μm以上
(9)で得られた半導体装置4個を85℃、85%の条件下で168時間処理後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、大気中で、−55℃(15分)、125℃(15分)で500サイクル処理した。つぎに、超音波映像装置(日立建機ファインテック社製、FS300)を用いて、半導体素子、半田バンプに異常がないか観察した。
◎:半導体素子、半田バンプともに異常なし
〇:半導体素子および/または半田バンプの一部にクラックが見られるが実用上問題なし
×:半導体素子および/または半田バンプの一部または全部にクラックが見られ実用上問題あり
200 金属張積層板
300 プリント配線基板
301 絶縁層
303 金属層
305 絶縁層
307 ビアホール
308 無電解金属めっき膜
309 電解金属めっき層
311 コア層
317 ビルドアップ層
400 半導体装置
401 ソルダーレジスト層
407 半導体素子
410 半田バンプ
413 封止材
Claims (23)
- プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
マレイミド化合物(A)と、
ベンゾオキサジン化合物(B)と、
無機充填材(C)と、
を含み、
前記ベンゾオキサジン化合物(B)は、下記式(2)により示される化合物、下記式(3)により示される化合物、および下記式(2−3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含み、
前記マレイミド化合物(A)の含有量が、前記マレイミド化合物(A)および前記ベンゾオキサジン化合物(B)の合計100質量%に対して35質量%以上80質量%以下であり、
前記マレイミド化合物(A)が、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてn1が1以上の化合物を含み、
前記マレイミド化合物(A)中に含まれる前記マレイミド化合物(A1)の含有量は、当該樹脂組成物中に含まれる前記マレイミド化合物(A)を100質量%としたとき、30.0質量%以上100.0質量%以下である、
プリント配線基板用樹脂組成物。
- 請求項1に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、前記マレイミド化合物(A1)の重量均分子量(Mw)が400以上4000以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項1乃至3いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
低応力材(E)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項4に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
前記低応力材(E)が(メタ)アクリル系ブロック共重合体;シリコーン化合物;カルボキシル基、アミノ基、ビニルアクリレート基またはエポキシ基により変性されたアクリロニトリル・ブタジエンゴム;脂肪族エポキシ樹脂;およびゴム粒子から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項1乃至5いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
前記無機充填材(C)がタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムから選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
前記無機充填材(C)の含有量が、前記プリント配線基板用樹脂組成物の全固形分100質量%に対し、50質量%以上85質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項1乃至7いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
エポキシ樹脂(D)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項8に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
前記エポキシ樹脂(D)の含有量が、前記プリント配線基板用樹脂組成物中の前記無機充填材(C)を除く成分の全量を100質量%としたとき、1質量%以上50質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項1乃至9いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
前記マレイミド化合物(A1)とは異なる種類のマレイミド化合物(A2)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項10に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
前記マレイミド化合物(A2)が1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンおよびイミド拡張型ビスマレイミドから選択される少なくとも一種を含むプリント配線基板用樹脂組成物。 - 請求項1乃至11いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるプリプレグ。
- 請求項12に記載のプリプレグにおいて、
昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により測定される、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物のガラス転移温度が260℃以上であるプリプレグ。 - 請求項12または13に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の250℃での貯蔵弾性率E’250に対する30℃での貯蔵弾性率E’30の比(E’30/E’250)が、1.05以上1.75以下であるプリプレグ。 - 請求項12乃至14いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の面内方向における、50℃から150℃の範囲において算出した平均線膨張係数α1に対する150℃から250℃の範囲において算出した平均線膨張係数α2の比(α2/α1)が、0.7以上2.0以下であるプリプレグ。 - 請求項12乃至15いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物に対し、
熱機械分析装置を用いて、
30℃から260℃まで10℃/minで昇温する過程と、260℃で1時間保持する過程とからなる熱機械分析測定を行ったとき、前記熱機械分析測定前の前記硬化物の縦方向の長さを基準長L0とし、前記硬化物の前記基準長L0からの最大の熱膨張量をL1とし、前記硬化物を260℃で1時間保持したときの前記基準長L0からの熱膨張量をL2とした場合、
100×(L1−L2)/L0で示される寸法収縮率が0.15%以下であるプリプレグ。 - 請求項12乃至16いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の質量を第1の質量とし、当該硬化物を下記条件で処理した後の硬化物の質量を第2の質量としたとき、
[{(第1の質量)−(第2の質量)}/(当該硬化物の表裏両面の面積の和)]×100で定義される減膜量が1.2g/m2以下であるプリプレグ。
<条件>
前記硬化物を3g/L水酸化ナトリウム溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.1体積%、エチレングリコール3.6体積%、純水85.3体積%)に60℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を膨潤させ、次いで、膨潤した前記硬化物を粗化処理水溶液(過マンガン酸ナトリウム60g/L、水酸化ナトリウム45g/L)に80℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を粗化処理し、次いで、粗化処理した前記硬化物を中和液(98質量%硫酸5.0体積%、硫酸ヒドロキシルアミン0.8体積%、純水94.2体積%)に40℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を中和する - 請求項12乃至17いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
前記繊維基材がEガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維基材であるプリプレグ。 - 請求項12乃至18いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
当該プリプレグの厚みが20μm以上220μm以下であるプリプレグ。 - 請求項12乃至19いずれか一項に記載のプリプレグの硬化物を含む樹脂基板。
- 請求項12乃至19いずれか一項に記載のプリプレグの硬化物または前記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物の片面または両面に金属箔が設けられている金属張積層板。
- 請求項20に記載の樹脂基板または請求項21に記載の金属張積層板を回路加工して得られるものであり、1層又は2層以上の回路層が設けられているプリント配線基板。
- 請求項22に記載のプリント配線基板の前記回路層上に半導体素子を搭載した半導体装置。
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