JP6696113B2 - プリント配線基板用樹脂組成物、プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置 - Google Patents

プリント配線基板用樹脂組成物、プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線基板用樹脂組成物、プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板、プリント配線基板、および半導体装置に関する。
近年、電子機器の高機能化の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んでおり、これらの電子機器に使用される半導体装置の小型化が急速に進行している。そして、半導体装置に使用されるプリント配線基板には、高密度で微細な回路が求められている。
微細な回路を形成する方法として、SAP(セミアディティブプロセス)法が提案されている。SAP法では、はじめに、絶縁層表面に粗化処理を施し、上記絶縁層表面上に下地になる無電解金属めっき膜を形成する。次いで、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けをおこなう。その後、めっきレジストを除去し、上記回路形成部以外の無電解金属めっき膜をフラッシュエッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する。SAP法は、絶縁層上に積層する金属層を薄膜化できるので、より微細な回路配線が可能となる。
半導体装置は、例えば、プリント配線基板上に半導体素子を搭載することにより形成される。このようなプリント配線基板に関する技術としては、例えば、以下の特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂及びマレイミド環を有する熱硬化性樹脂を必須成分として含有し、マレイミド環を有する熱硬化性樹脂の含有割合がジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂及びマレイミド環を有する熱硬化性樹脂の合計量に対して3〜30重量%であることを特徴とする熱硬化性組成物を用いたプリント配線板が記載されている。
特開平10−259248号公報
プリント配線基板上に半導体素子を搭載することにより形成される半導体装置については、配線間の絶縁信頼性に優れることが求められる。このような要求は、近年のプリント配線基板の配線の高密度化に伴って特に顕著となっている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の技術では、プリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性を十分に得ることが困難であることが明らかになった。
本発明によれば、
プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
マレイミド化合物(A)と、
ベンゾオキサジン化合物(B)と、
無機充填材(C)と、
を含み、
前記ベンゾオキサジン化合物(B)は、下記式(2)により示される化合物、下記式(3)により示される化合物、および下記式(2−3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含み、
前記マレイミド化合物(A)の含有量が、前記マレイミド化合物(A)および前記ベンゾオキサジン化合物(B)の合計100質量%に対して35質量%以上80質量%以下であり、
前記マレイミド化合物(A)が、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてnが1以上の化合物を含み、
前記マレイミド化合物(A)中に含まれる前記マレイミド化合物(A1)の含有量は、当該樹脂組成物中に含まれる前記マレイミド化合物(A)を100質量%としたとき、30.0質量%以上100.0質量%以下である、
プリント配線基板用樹脂組成物が提供される。
Figure 0006696113
(前記式(1)において、n以上10以下の整数であり、Xはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、下記式(1a)で表される基、式「−SO−」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、aはそれぞれ独立に0以上4以下の整数であり、bはそれぞれ独立に0以上3以下の整数である)
Figure 0006696113
(前記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、nである)
Figure 0006696113
(前記式(2)において、X はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、前記式(1a)で表される基、式「−SO −」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基であり、cはそれぞれ独立に0以上4以下の整数である)
Figure 0006696113
(前記式(3)において、X はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、前記式(1a)で表される基、式「−SO −」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基であり、dはそれぞれ独立に0以上4以下の整数である)
Figure 0006696113
(前記式(2−3)において、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4の炭化水素基である)
さらに、本発明によれば、上記プリント配線基板用樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるプリプレグが提供される。
さらに、本発明によれば、上記プリプレグの硬化物を含む樹脂基板が提供される。
さらに、本発明によれば、上記プリプレグの硬化物または上記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物の片面または両面に金属箔が設けられている金属張積層板が提供される。
さらに、本発明によれば、上記樹脂基板または上記金属張積層板を回路加工して得られるものであり、1層又は2層以上の回路層が設けられているプリント配線基板が提供される。
さらに、本発明によれば、プリント配線基板の上記回路層上に半導体素子を搭載した、半導体装置が提供される。
本発明によれば、微細な回路寸法を有し、かつ、高温高湿下での絶縁信頼性に優れるプリント配線基板を実現できるプリント配線基板用樹脂組成物、プリプレグおよび樹脂基板並びに高温高湿下での絶縁信頼性に優れるプリント配線基板および半導体装置を提供できる。
本実施形態における金属張積層板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。なお、文中の数字の間にある「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
本実施形態のプリント配線基板用樹脂組成物(P)(以下、樹脂組成物(P)とも呼ぶ。)はプリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、マレイミド化合物(A)と、ベンゾオキサジン化合物(B)と、無機充填材(C)と、を含む。そして、マレイミド化合物(A)が、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてnが1以上の化合物を少なくとも含む。
マレイミド化合物(A)は、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてnが0の化合物をさらに含むこともできる。
Figure 0006696113
(式(1)において、nは0以上10以下の整数であり、Xはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、下記式(1a)で表される基、式「−SO−」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、aはそれぞれ独立に0以上4以下の整数であり、bはそれぞれ独立に0以上3以下の整数である)
Figure 0006696113
(上記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、nは0以上の整数である)
本発明者の検討によれば、マレイミド化合物(A)と、ベンゾオキサジン化合物(B)と、無機充填材(C)と、を含む熱硬化性樹脂組成物において、マレイミド化合物(A)が、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてnが1以上の化合物を少なくとも含む熱硬化性樹脂組成物を用いて形成された硬化物は高温での熱収縮が小さいことが明らかになった。本発明者は上記知見を元にさらに鋭意検討した。その結果、このような硬化物をプリント配線基板における絶縁層に用いることにより、微細な回路寸法を有しながらも高温高湿下での絶縁信頼性に優れるプリント配線基板を実現できることを明らかにし、本発明を完成させた。
樹脂組成物(P)により形成される絶縁層は、高温での熱収縮が小さいため、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、絶縁層と回路層との密着性を維持することができる。そのため、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性を高めることができると考えられる。
また、樹脂組成物(P)により形成される絶縁層は高温での熱収縮が小さいため、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、半導体素子とプリント配線基板間で発生する応力を低減することができる。その結果、得られる半導体装置について、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれを抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性を高めることができると考えられる。
以下、樹脂組成物(P)、プリプレグ、樹脂基板、金属張積層板200、プリント配線基板300、および半導体装置400について詳細に説明する。
マレイミド化合物(A1)は上記式(1)により示される。
における1以上10以下のアルキレン基としては、特に限定されないが、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。
この直鎖状のアルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デカニレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
また、分岐鎖状のアルキレン基としては、具体的には、−C(CH−(イソプロピレン基)、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−のようなアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−のようなアルキルエチレン基等が挙げられる。
なお、Xにおけるアルキレン基の炭素数は、1以上10以下であればよいが、1以上7以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましい。具体的には、このような炭素数を有するアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が挙げられる。
また、Rは、それぞれ独立して、炭素数1以上6以下の炭化水素基であるが、炭素数1または2の炭化水素基、具体的には、例えば、メチル基またはエチル基であるのが好ましい。
さらに、aは0以上4以下の整数であり、0以上2以下の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、bは0以上3以下の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
また、nは0以上10以下の整数であり、0以上6以下の整数であることが好ましく、0以上4以下の整数であるのがより好ましく、0以上3以下の整数であるのが特に好ましい。これにより、樹脂組成物(P)から得られる絶縁層はより優れた耐熱性を発揮するものとなる。
さらに、上記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、nは0以上の整数である。
この芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基は、芳香族環のみからなるものでもよいし、芳香族環以外の炭化水素基を有していてもよい。Yが有する芳香族環は、1つでもよいし、2つ以上でもよく、2つ以上の場合、これら芳香族環は、同一でも異なっていてもよい。また、上記芳香族環は、単環構造および多環構造のいずれでもよい。
具体的には、芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレイン、インダセン、ターフェニル、アセナフチレン、フェナレン等の芳香族性を有する化合物の核から水素原子を2つ除いた2価の基が挙げられる。
また、これら芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。ここで芳香族炭化水素基が置換基を有するとは、芳香族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部が置換基により置換されたことをいう。置換基としては、例えば、アルキル基が挙げられる。
この置換基としてのアルキル基としては、鎖状のアルキル基であることが好ましい。また、その炭素数は1以上10以下であることが好ましく、1以上6以下であることがより好ましく、1以上4以下であることが特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
このような基Yは、ベンゼンまたはナフタレンから水素原子を2つ除いた基を有することが好ましく、上記式(1a)で表される基としては、下記式(1a−1)、(1a−2)のいずれかで表される基であることが好ましい。これにより、樹脂組成物(P)から得られる絶縁層はより優れた耐熱性を発揮するものとなる。
Figure 0006696113
上記式(1a−1)、(1a−2)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基である。eはそれぞれ独立に0以上4以下の整数、より好ましくは0である。
さらに、上記式(1a)で表される基において、nは、0以上の整数であればよいが、0以上5以下の整数であることが好ましく、1以上3以下の整数であることがより好ましく、1または2であることが特に好ましい。
以上のことから、上記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)は、Xが、炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、Rが1または2の炭化水素基であり、aが0以上2以下の整数であり、bが0または1であり、nが1以上4以下の整数であることが好ましい。または、Xは上記式(1a−1)、(1a−2)のいずれかで表される基であり、eが0であることが好ましい。これにより、樹脂組成物(P)から得られる絶縁層は、より優れた低熱収縮性および耐薬品性を発揮するものとなる。
上記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(1−1)により示されるマレイミド化合物が特に好ましく使用される。
Figure 0006696113
樹脂組成物(P)中に含まれるマレイミド化合物(A)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、1.0質量%以上25.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以上22.0質量%以下がより好ましく、5.0質量%以上20.0質量%以下がより好ましい。マレイミド化合物(A)の含有量が上記範囲内であると、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の低熱収縮性および耐薬品性のバランスをより一層向上させることができる。
マレイミド化合物(A)中に含まれるマレイミド化合物(A1)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(P)中に含まれるマレイミド化合物(A)を100質量%としたとき、30.0質量%以上100.0質量%以下が好ましく、50質量%以上100.0質量%以下がより好ましい。マレイミド化合物(A1)の含有量が上記範囲内であると、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の低熱収縮性および耐薬品性のバランスをより一層向上させることができる。
マレイミド化合物(A1)の重量平均分子量(Mw)の下限は、とくに限定されないが、Mw400以上が好ましく、とくにMw800以上が好ましい。Mwが上記下限値以上であると、プリプレグにタック性が生じるのを抑制することができる。Mwの上限は、とくに限定されないが、Mw4000以下が好ましく、Mw2500以下がより好ましい。Mwが上記上限値以下であると、樹脂基板作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な樹脂基板を得ることができる。マレイミド化合物(A1)のMwは、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
樹脂組成物(P)は、マレイミド化合物(A1)とは異なる種類のマレイミド化合物(A2)をさらに含むことができる。
このようなマレイミド化合物(A2)としては、1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、ヘキサメチレンジアミンビスマレイミド、N,N'−1,2−エチレンビスマレイミド、N,N'−1,3−プロピレンビスマレイミド、N,N'−1,4−テトラメチレンビスマレイミド等の脂肪族マレイミド化合物;イミド拡張型ビスマレイミド等を挙げることができる。これらの中でも1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、イミド拡張型ビスマレイミドが特に好ましい。マレイミド化合物(A2)は、単独で使用しても良く、二種類以上を併用してもよい。
イミド拡張型ビスマレイミドとしては、例えば、以下の式(a1)により示されるビスマレイミド化合物、以下の式(a2)により示されるビスマレイミド化合物、以下の式(a3)により示されるビスマレイミド化合物等が挙げられる。式(a1)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−1500(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)等が挙げられる。式(a2)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−1700(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1700)、BMI−1400(デジグナーモレキュールズ社製、分子量 1400)等が挙げられる。式(a3)により示されるビスマレイミド化合物の具体例のとしてはBMI−3000(デジグナーモレキュールズ社製、分子量3000)等が挙げられる。
Figure 0006696113
上記式(a1)において、nは1以上10以下の整数を示す。
Figure 0006696113
上記式(a2)において、nは1以上10以下の整数を示す。
Figure 0006696113
上記式(a3)において、nは1以上10以下の整数を示す。
ベンゾオキサジン化合物(B)はベンゾオキサジン環を有する化合物である。ベンゾオキサジン化合物(B)としては、下記式(2)により示される化合物、下記式(3)により示される化合物から選択される一種または二種以上が挙げられる。
Figure 0006696113
(上記式(2)において、Xはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、上記式(1a)で表される基、式「−SO−」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、cはそれぞれ独立に0以上4以下の整数である)
Figure 0006696113
(上記式(3)において、Xはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、上記式(1a)で表される基、式「−SO−」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、dはそれぞれ独立に0以上4以下の整数である)
上記式(2)および上記式(3)におけるXおよびXとしては、上記式(1)におけるXで説明したのと同様のものが挙げられる。また、上記式(2)および上記式(3)におけるRおよびRとしては、上記式(1)におけるRで説明したのと同様とすることができ、さらに、上記式(2)および上記式(3)におけるcおよびdとしては、上記式(1)におけるaで説明したのと同様とすることができる。
このようなベンゾオキサジン化合物(B)としては、上記式(2)で表される化合物および上記式(3)で表される化合物のうち、上記式(2)で表される化合物であるのが好ましい。これにより、樹脂組成物(P)から得られる絶縁層は、より優れた低熱収縮性および耐薬品性を発揮するものとなる。
また、この上記式(2)で表される化合物は、上記Xが炭素数1以上3以下の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、Rが1または2の炭化水素基であり、cが0以上2以下の整数であることが好ましい。または、上記Xは上記式(1a−1)、(1a−2)のいずれかで表される基であり、cが0であることが好ましい。これにより、樹脂組成物(P)から得られる絶縁層は、より優れた低熱収縮性および耐薬品性を発揮するものとなる。
ベンゾオキサジン化合物(B)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(2−1)により示される化合物、下記式(2−2)により示される化合物、下記式(2−3)により示される化合物、下記式(3−1)により示される化合物、下記式(3−2)により示される化合物および下記式(3−3)により示される化合物から選択される一種または二種以上が挙げられる。
Figure 0006696113
(上記式(2−3)において、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4の炭化水素基である)
Figure 0006696113
Figure 0006696113
樹脂組成物(P)中に含まれるベンゾオキサジン化合物(B)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、1.0質量%以上25.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以上15.0質量%以下がより好ましい。ベンゾオキサジン化合物(B)の含有量が上記範囲内であると、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の低熱収縮性および耐薬品性をより一層向上させることができる。
樹脂組成物(P)中に含まれるマレイミド化合物(A)の含有量は、マレイミド化合物(A)およびベンゾオキサジン化合物(B)の合計100質量%に対して35質量%以上80質量%以下であることが好ましい。これにより、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の耐熱性、低熱収縮性および耐薬品性をより一層向上させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物(P)はエポキシ樹脂(D)をさらに含むことができる。
エポキシ樹脂(D)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂(D)として、これらの中の一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよく、一種類または二種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
エポキシ樹脂(D)の中でも、得られるプリント配線基板の耐熱性および絶縁信頼性をより一層向上できる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上が好ましく、アラルキル型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂およびナフタレン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上がより好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「エピコート828EL」および「YL980」等を用いることができる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「jER806H」および「YL983U」、DIC社製の「EPICLON 830S」等を用いることができる。2官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」および「HP4032SS」等を用いることができる。4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4700」および「HP4710」等を用いることができる。ナフトール型エポキシ樹脂としては、新日鐵化学社製の「ESN−475V」、日本化薬社製の「NC7000L」等を用いることができる。アラルキル型エポキシ樹脂としては、日本化薬社製の「NC3000」、「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3000S」、「NC3000S−H」、「NC3100」、新日鐵化学社製の「ESN−170」、および「ESN−480」等を用いることができる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「YX4000」、「YX4000H」、「YX4000HK」および「YL6121」等を用いることができる。アントラセン型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「YX8800」等を用いることができる。ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP6000」、「EXA−7310」、「EXA−7311」、「EXA−7311L」および「EXA7311−G3」等を用いることができる。
エポキシ樹脂(D)として、これらの中の一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよく、一種類または二種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。
これらエポキシ樹脂(D)の中でも特にアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、樹脂基板の吸湿半田耐熱性および難燃性をさらに向上させることができる。
エポキシ樹脂(D)の重量平均分子量(Mw)の下限は、特に限定されないが、Mw300以上が好ましく、特にMw800以上が好ましい。Mwが上記下限値以上であると、プリプレグにタック性が生じるのを抑制することができる。Mwの上限は、特に限定されないが、Mw20,000以下が好ましく、特にMw15,000以下が好ましい。Mwが上記上限値以下であると、プリプレグの作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一なプリプレグを得ることができる。エポキシ樹脂のMwは、例えばGPCで測定することができる。
樹脂組成物(P)中に含まれるエポキシ樹脂(D)の含有量は、その目的に応じて適宜調整されれば良く特に限定されないが、樹脂組成物(P)中の無機充填材(C)を除く成分の全量を100質量%としたとき、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。エポキシ樹脂(D)の含有量が上記下限値以上であると、ハンドリング性が向上し、プリプレグを形成するのが容易となる。エポキシ樹脂(D)の含有量が上記上限値以下であると、得られるプリント配線基板の強度や難燃性が向上したり、プリント配線基板の線膨張係数が低下し、反りの低減効果が向上したりする場合がある。
本実施形態に係る樹脂組成物(P)は、必須成分として無機充填材(C)を含んでいる。これにより、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の貯蔵弾性率E'を向上させることができる。さらに、得られる絶縁層301の線膨張係数を小さくすることができる。
無機充填材(C)としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材(C)としては、これらの中の一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。
無機充填材(C)の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。無機充填材(C)の平均粒子径が上記下限値以上であると、ワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、プリプレグの作製時の作業性を向上させることができる。また、無機充填材(C)の平均粒子径は、特に限定されないが、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。無機充填材(C)の平均粒子径が上記上限値以下であると、ワニス中で無機充填材(C)の沈降等の現象を抑制でき、より均一な樹脂層を得ることができる。また、プリント配線基板の回路寸法L/Sが20/20μmを下回る際には、配線間の絶縁性に影響を与えるのを抑制することができる。
無機充填材(C)の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
また、無機充填材(C)は、特に限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いてもよいし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散の無機充填材を一種類または二種類以上で併用してもよい。
無機充填材(C)はシリカ粒子が好ましく、平均粒子径5.0μm以下のシリカ粒子が好ましく、平均粒子径0.1μm以上4.0μm以下のシリカ粒子がより好ましく、0.2μm以上2.0μm以下のシリカ粒子が特に好ましい。これにより、無機充填材(C)の充填性をさらに向上させることができる。
樹脂組成物(P)中に含まれる無機充填材(C)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、50.0質量%以上85.0質量%以下が好ましく、60.0質量%以上80.0質量%以下がより好ましい。無機充填材(C)の含有量が上記範囲内であると、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板をより低熱膨張、低吸水とすることができる。
樹脂組成物(P)は、低応力材(E)をさらに含むことが好ましい。これにより、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の応力を緩和させたり、回路層等の他の部材との密着性をより向上させたりすることができる。
低応力材(E)としては、例えば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体;シリコーン化合物;カルボキシル基、アミノ基、ビニルアクリレート基またはエポキシ基により変性されたアクリロニトリル・ブタジエンゴム;脂肪族エポキシ樹脂;およびゴム粒子等から選択される一種または二種以上が挙げられる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体は(メタ)アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として含有するブロック共重合体である。上記アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸ベンジル等の芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸2−トリフルオロエチル等の(メタ)アクリル酸の(フルオロ)アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の分子中にカルボキシル基を有するカルボキシル基含有アクリル単量体;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリセリンのモノ(メタ)アクリル酸エステル等の分子中に水酸基を有する水酸基含有アクリル単量体;メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチルグリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等の分子中にエポキシ基を有するアクリル単量体;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等の分子中にアリル基を有するアリル基含有アクリル単量体;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の分子中に加水分解性シリル基を有するシラン基含有アクリル単量体;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収性基を有する紫外線吸収性アクリル単量体等が挙げられる。
なお、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体には、上記アクリル系モノマー以外のモノマーがモノマー成分として用いられていてもよい。上記アクリル系モノマー以外のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体としては、特に限定されないが、例えば、2つの重合体ブロックからなるジブロック共重合体や、3つの重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、4つ以上の重合体ブロックより構成されるマルチブロック共重合体等が挙げられる。
中でも、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体としては、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性向上の観点で、ガラス転移温度(Tg)が低い重合体ブロック(S)(ソフトブロック)と、重合体ブロック(S)よりも高いTgを有する重合体ブロック(H)(ハードブロック)が交互に並んだブロック共重合体が好ましく、より好ましくは重合体ブロック(S)を中間に有し、その両端に重合体ブロック(H)を有するH−S−H構造のトリブロック共重合体が好ましい。
樹脂組成物(P)における(メタ)アクリル系ブロック共重合体の好ましい具体例としては、例えば、上記重合体ブロック(S)がブチルアクリレート(BA)を主たるモノマーとして構成された重合体であり、上記重合体ブロック(H)がメチルメタクリレート(MMA)を主たるモノマーとして構成された重合体である、ポリメチルメタクリレート−block−ポリブチルアクリレート−block−ポリメチルメタクリレートターポリマー(PMMA−b−PBA−b−PMMA)等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体としては、例えば、商品名「ナノストレングス M52N」、「ナノストレングス M22N」、「ナノストレングス M51」、「ナノストレングス M52」、「ナノストレングス M53」(アルケマ社製、PMMA−b−PBA−b−PMMA)、商品名「ナノストレングス E21」、「ナノストレングス E41」(アルケマ社製、PSt(ポリスチレン)−b−PBA−b−PMMA)等の市販品を使用することもできる。
シリコーン化合物としては、例えば、シリコーンゴム、シリコーンオイル、シリコーンパウダー、シリコーン樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、アミン変性シリコーン樹脂、エポキシ基およびフェニル基含有3次元架橋型シリコーン樹脂等が挙げられる。
上記脂肪族エポキシ樹脂としては、グリシジル基以外に環状構造を有しない脂肪族エポキシ樹脂であることが好ましく、グリシジル基を2以上有する2官能以上の脂肪族エポキシ樹脂がより好ましい。このような脂肪族エポキシ樹脂は、エポキシ基が酸化されにくいため、熱履歴による弾性率の上昇が起こりにくいため優れている。
上記ゴム粒子としては、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子、シリコーン粒子等が挙げられる。
コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のもの等が挙げられる。ガラス状ポリマー層は、例えば、メタクリル酸メチルの重合物等で構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)等で構成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(商品名、ガンツ化成社製)、メタブレンKW−4426(商品名、三菱レイヨン社製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒子径0.5μm、JSR社製)等が挙げられる。
架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒子径0.5μm、JSR社製)等が挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒子径0.1μm)、W450A(平均粒子径0.2μm)(三菱レイヨン社製)等が挙げられる。
シリコーン粒子は、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であればとくに限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、および二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子等が挙げられる。シリコーンゴム微粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学社製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング社製)等の市販品を用いることができる。
樹脂組成物(P)中に含まれる低応力材(E)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上8.0質量%以下がより好ましい。低応力材(E)の含有量が上記範囲内であると、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の応力をより一層緩和させたり、回路層等の他の部材との密着性をより一層向上させたりすることができる。
このほか、必要に応じて、樹脂組成物(P)には硬化促進剤、カップリング剤を適宜配合することができる。
硬化促進剤としては、特に限定されず、例えば、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩を有する化合物、イミダゾール系化合物等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらの中でもイミダゾール系化合物が好ましい。イミダゾール系化合物は、特に優れた触媒としての機能を有するものであることから、マレイミド化合物(A)と、ベンゾオキサジン化合物(B)との重合反応をより確実に促進させることができる。
イミダゾール系化合物としては、特に限定されず、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノメチル−2−メチル−イミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらの中でも、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、および2−エチル−4−メチルイミダゾールであることが好ましい。これらの化合物を用いることにより、マレイミド化合物(A)と、ベンゾオキサジン化合物(B)の反応がより促進され、成形加工性が向上するとともに、得られる硬化物の耐熱性が向上するという利点が得られる。
ホスフィン化合物としては、エチルホスフィン、プロピルホスフィンのようなアルキルホスフィン、フェニルホスフィン等の1級ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィンのようなジアルキルホスフィン、ジフェニルホスフィン、メチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホスフィン等の2級ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、アルキルジフェニルホスフィン、ジアルキルフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリ−p−スチリルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリ−4−メチルフェニルホスフィン、トリ−4−メトキシフェニルホスフィン、トリ−2−シアノエチルホスフィン等の3級ホスフィン等が挙げられる。これらの中でも、3級ホスフィンが好ましく使用される。
また、ホスホニウム塩を有する化合物としては、テトラフェニルホスホニウム塩、アルキルトリフェニルホスホニウム塩等を有する化合物が挙げられ、具体的には、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−メチルフェニルボレート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。
硬化促進剤の含有量は、マレイミド化合物(A)と、ベンゾオキサジン化合物(B)との合計100質量部に対し、0.01〜5.0質量部であることが好ましく、0.05〜3.0質量部であることがより好ましく、0.1〜1.5質量部であることが特に好ましい。硬化促進剤の含有量をかかる範囲内に設定することにより、樹脂組成物(P)から得られる硬化物の耐熱性をより優れたものとすることができる。
さらに、樹脂組成物(P)は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は樹脂組成物(P)の調製時に直接添加してもよいし、無機充填材(C)にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により、繊維基材または無機充填材(C)と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の耐熱性を改良することができる。
カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
これにより、繊維基材または無機充填材(C)と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の耐熱性をより向上させることができる。
シランカップリング剤としては、各種のものを用いることができるが、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらのうちエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシランが好ましく、アミノシランとしては、1級アミノシラン又はアニリノシランがより好ましい。
カップリング剤の添加量は、無機充填材(C)の比表面積に依存するので特に限定されないが、樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、0.01質量%以上1質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材(C)を十分に被覆することができ、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の耐熱性を向上させることができる。また、カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、得られるプリプレグの硬化物や樹脂基板の曲げ強度等の低下を抑制することができる。
さらに、樹脂組成物(P)には、本発明の目的を損なわない範囲で、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加してもよい。
顔料としては、カオリン、合成酸化鉄赤、カドミウム黄、ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム、酸化クロム、アルミ酸コバルト、合成ウルトラマリン青等の無機顔料、フタロシアニン等の多環顔料、アゾ顔料等が挙げられる。
染料としては、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、キサンテン、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、インジゴイド、オキサジン、キナクリドン、ベンツイミダゾロン、ビオランスロン、フタロシアニン、アゾメチン等が挙げられる。
樹脂組成物(P)は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、N−メチルピロリドン等の有機溶剤中で、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、自転公転式分散方式等の各種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹脂ワニス(I)とすることができる。
樹脂ワニス(I)の固形分は、特に限定されないが、40質量%以上80質量%以下が好ましく、特に50質量%以上70質量%以下が好ましい。これにより、樹脂ワニス(I)の繊維基材への含浸性をさらに向上させることができる。
以上の樹脂組成物(P)において、各成分の割合は、例えば、以下のようである。
樹脂組成物(P)の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100質量%としたとき、好ましくは、マレイミド化合物(A)の割合が1.0質量%以上25.0質量%以下であり、ベンゾオキサジン化合物(B)の割合が1.0質量%以上25.0質量%以下であり、無機充填材(C)の割合が50.0質量%以上85.0質量%以下である。
より好ましくは、マレイミド化合物(A)の割合が5.0質量%以上20.0質量%以下であり、ベンゾオキサジン化合物(B)の割合が2.0質量%以上15.0質量%以下であり、無機充填材(C)の割合が60.0質量%以上80.0質量%以下である。
つぎに、本実施形態におけるプリプレグについて説明する。
プリプレグは、プリント配線基板の絶縁層を形成するために用いられるものである。プリプレグは、例えば、本実施形態における樹脂組成物(P)を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料である。
また、樹脂基板は、プリント配線基板の絶縁層を形成するために用いられる。
ここで、樹脂基板はプリプレグの硬化物を含むものであり、例えば、プリプレグを加熱硬化することによって得ることができる。
プリプレグは、例えば、プリント配線基板におけるビルドアップ層中の絶縁層やコア層中の絶縁層を形成するために用いることができる。
プリプレグをプリント配線基板におけるコア層中の絶縁層を形成するために用いる場合は、例えば、2枚以上のプリプレグを重ね、得られた積層体を加熱硬化することによりコア層用の絶縁層とすることもできる。
また、プリプレグを用いて得られるプリント配線基板の剛性や耐熱性を向上させる観点から、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により測定される、プリプレグを、例えば、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形して得られる硬化物または樹脂基板のガラス転移温度が、好ましくは260℃以上であり、より好ましくは270℃以上であり、さらに好ましくは280℃以上である。上限については、例えば、400℃以下が好ましい。ガラス転移温度は、動的粘弾性分析装置(DMA)を用いて測定することができる。
また、上記硬化物または樹脂基板において、動的粘弾性測定によるガラス転移温度が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板の剛性が高まり、実装時のプリント配線基板の反りをより一層低減できる。その結果、得られる半導体装置について、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高めることができる。
このようなガラス転移温度を達成するためには、マレイミド化合物(A)、ベンゾオキサジン化合物(B)、無機充填材(C)、エポキシ樹脂(D)、低応力材(E)、繊維基材、硬化促進剤等の種類や配合量、プリプレグの製造方法等をそれぞれ適切に制御することが重要である。
また、プリプレグを用いて得られるプリント配線基板の剛性や耐熱性、応力緩和能のバランスをより一層向上させる観点から、プリプレグを、例えば、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形して得られる硬化物または樹脂基板の30℃での貯蔵弾性率E'30が、好ましくは10GPa以上であり、さらに好ましくは20GPa以上である。上限値については、特に限定されるものではないが、例えば、40GPa以下とすることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、30℃での貯蔵弾性率E'30が上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板の剛性や耐熱性、応力緩和能の性能バランスが向上し、実装時のプリント配線基板の反りをより一層低減できる。その結果、得られる半導体装置について、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高めることができる。
また、プリプレグを用いて得られるプリント配線基板の剛性や耐熱性、応力緩和能のバランスをより一層向上させる観点から、プリプレグを、例えば、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形して得られる硬化物または樹脂基板の250℃での貯蔵弾性率E'250に対する30℃での貯蔵弾性率E'30の比(E'30/E'250)が、1.05以上1.75以下であることが好ましい。
上記硬化物または樹脂基板において、E'30/E'250が上記範囲を満たすと、温度変化に対するプリント配線基板の弾性率の変化をより一層抑制できる。これにより、大きな温度変化が生じても絶縁層の変形等が起きにくく、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれを抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高めることができる。
このような貯蔵弾性率E'30やE'30/E'250を達成するためには、マレイミド化合物(A)、ベンゾオキサジン化合物(B)、無機充填材(C)、エポキシ樹脂(D)、低応力材(E)、繊維基材、硬化促進剤等の種類や配合量、プリプレグの製造方法等をそれぞれ適切に制御することが重要である。
また、プリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性や、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性を高める観点から、プリプレグを、例えば、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形して得られる硬化物または樹脂基板の面内方向における、50℃から150℃の範囲において算出した平均線膨張係数αが好ましくは8.0ppm/℃以下であり、より好ましくは7.5ppm/℃以下であり、特に好ましくは6.5ppm/℃以下。下限値については、特に限定されるものではないが、例えば、0.1ppm/℃以上とすることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数αが上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板において、環境温度に大きな変化が生じても、回路層と絶縁層との間の線膨張係数差に起因して発生する応力を低減することができる。そのため、得られるプリント配線基板や半導体装置において、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、回路層と絶縁層との密着性を維持することができる。これにより、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性をより一層高めることができる。
また、上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数αが上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、高い温度に曝された際にプリント配線基板と半導体素子との間の線膨張係数差に起因して発生する応力をより低減することができる。その結果、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
また、プリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性や、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高める観点から、プリプレグを、例えば、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形して得られる硬化物または樹脂基板の面内方向における、150℃から250℃の範囲において算出した平均線膨張係数αが好ましくは10.0ppm/℃以下であり、より好ましくは7.5ppm/℃以下であり、特に好ましくは7.2ppm/℃以下である。下限値については、特に限定されるものではないが、例えば、0.1ppm/℃以上とすることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数αが上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板において、半田リフロー等の高い温度に曝された際に回路層と絶縁層との間の線膨張係数差に起因して発生する応力を低減することができる。そのため、得られるプリント配線基板や半導体装置において、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、回路層と絶縁層との密着性を維持することができる。これにより、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性をより一層高めることができる。
上記硬化物または樹脂基板において、平均線膨張係数αが上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、半田リフロー等の高い温度に曝された際にプリント配線基板と半導体素子との間の線膨張係数差に起因して発生する応力を低減することができる。その結果、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
また、プリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性や、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高める観点から、プリプレグを、例えば、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形して得られる硬化物または樹脂基板の面内方向における、50℃から150℃の範囲において算出した平均線膨張係数αに対する150℃から250℃の範囲において算出した平均線膨張係数αの比(α/α)が好ましくは0.7以上2.0以下、より好ましくは0.75以上1.5以下、さらに好ましくは0.8以上1.2以下である。
本実施形態において、平均線膨張係数αおよびαとは、TMA(熱機械分析)装置(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30℃〜260℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、圧縮モードの条件で測定される、平面方向(XY方向)の線膨張係数(CTE)の平均値である。
上記硬化物または樹脂基板において、α/αが上記範囲を満たすと、得られるプリント配線基板において、環境温度に大きな変化が生じても、回路層と絶縁層との間の線膨張係数差に起因して発生する応力の変化を低減することができる。そのため、得られるプリント配線基板や半導体装置において、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、回路層と絶縁層との密着性を維持することができる。以上から、プリプレグを用いることにより、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性を高めることができると考えられる。
さらに、上記硬化物または樹脂基板において、α/αが上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、環境温度に大きな変化が生じても、プリント配線基板と半導体素子との間の線膨張係数差に起因して発生する応力の変化を低減することができる。その結果、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
このような平均線膨張係数αやα、α/αを達成するためには、マレイミド化合物(A)、ベンゾオキサジン化合物(B)、無機充填材(C)、エポキシ樹脂(D)、低応力材(E)、繊維基材、硬化促進剤等の種類や配合量、プリプレグの製造方法等をそれぞれ適切に制御することが重要である。
また、半導体素子とプリント配線基板との間の接続信頼性をより一層高める観点から、プリプレグを、例えば、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形して得られる硬化物または樹脂基板において、熱機械分析装置を用いて、30℃から260℃まで10℃/minで昇温する過程と、260℃で1時間保持する過程とからなる熱機械分析測定を行ったとき、熱機械分析測定前の硬化物の縦方向の長さを基準長Lとし、硬化物の基準長Lからの最大の熱膨張量をLとし、硬化物を260℃で1時間保持したときの基準長Lからの熱膨張量をLとした場合、100×(L−L)/Lで示される寸法収縮率が0.15%以下であることが好ましく、0.10%以下であることがより好ましい。下限値については、特に限定されるものではないが、例えば、0.00%以上とすることができる。
なお、硬化物の縦方向はプリプレグの搬送方向(いわゆるMD)を指す。
上記硬化物または樹脂基板において、寸法収縮率が上記範囲を満たすと、得られる半導体装置において、高い温度に曝された際にプリント配線基板中の絶縁層の収縮に起因して発生する応力を低減することができる。その結果、温度変化が激しい状況に長期間置かれても、絶縁層と回路層との密着性を維持することができるため、得られるプリント配線基板の高温高湿下での絶縁信頼性を高めることができる。また、半導体素子のプリント配線基板に対する位置ずれをより一層抑制でき、半導体素子とプリント配線基板との間の高温での接続信頼性や温度サイクル信頼性をより一層高めることができる。
このような寸法収縮率を達成するためには、マレイミド化合物(A)、ベンゾオキサジン化合物(B)、無機充填材(C)、エポキシ樹脂(D)、低応力材(E)、繊維基材、硬化促進剤等の種類や配合量、プリプレグの製造方法等をそれぞれ適切に制御することが重要である。
また、プリプレグの硬化物または樹脂基板の微細配線加工性をより一層高める観点から、プリプレグを、例えば、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形して得られる硬化物において、上記硬化物の120℃で1時間乾燥後の質量を第1の質量とし、当該硬化物を下記条件で処理した後の硬化物の120℃で1時間乾燥後の質量を第2の質量としたとき、[{(第1の質量)−(第2の質量)}/(当該硬化物の表裏両面の面積の和)]×100で定義される減膜量が1.2g/m以下であることが好ましい。
<条件>
硬化物を3g/L水酸化ナトリウム溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.1体積%、エチレングリコール3.6体積%、純水85.3体積%)に60℃、5分間浸漬することにより硬化物を膨潤させ、次いで、膨潤した硬化物を粗化処理水溶液(過マンガン酸ナトリウム60g/L、水酸化ナトリウム45g/L)に80℃、5分間浸漬することにより硬化物を粗化処理し、次いで、粗化処理した硬化物を中和液(98質量%硫酸5.0体積%、硫酸ヒドロキシルアミン0.8体積%、純水94.2体積%)に40℃、5分間浸漬することにより硬化物を中和する。
上記硬化物において、減膜量が上記範囲を満たすと、プリプレグの硬化物または樹脂基板の微細配線加工性を向上させることができる。これは、上記式で定義される減膜量が上記上限値以下であるプリプレグの硬化物または樹脂基板は、表面に粗化処理を施しても、金属層(回路層)に対する密着性を維持できるからだと考えられる。
このような減膜量を達成するためには、マレイミド化合物(A)、ベンゾオキサジン化合物(B)、無機充填材(C)、エポキシ樹脂(D)、低応力材(E)、繊維基材、硬化促進剤等の種類や配合量、プリプレグの製造方法等をそれぞれ適切に制御することが重要である。
プリプレグの厚さは、例えば、20μm以上220μm以下である。プリプレグの厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスが特に優れ、薄型のプリント配線基板に適した樹脂基板を得ることができる。
図1は、本実施形態における金属張積層板200の構成の一例を示す断面図である。金属張積層板200は、プリプレグの硬化物(絶縁層301)、またはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物(絶縁層301)の片面または両面に金属箔105が設けられている。金属張積層板200は、プリント配線基板の絶縁層を形成するために用いることができる。
つづいて、プリプレグの製造方法について説明する。
プリプレグは、例えば、本実施形態における樹脂組成物(P)を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料である。このような構造のシート状材料は、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線基板の絶縁層の製造に適している。
樹脂組成物(P)を繊維基材に含浸させる方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物(P)を溶剤に溶かして樹脂ワニスを調製し、繊維基材を上記樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより上記樹脂ワニスを繊維基材に塗布する方法、スプレーにより上記樹脂ワニスを繊維基材に吹き付ける方法、繊維基材の両面から樹脂組成物(P)からなる樹脂層(P)で繊維基材をラミネートする方法等が挙げられる。
つづいて、上記で得られたプリプレグを用いた金属張積層板200の製造方法について説明する。プリプレグを用いた金属張積層板200の製造方法は、例えば以下の通りである。
プリプレグまたはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の外側の上下両面または片面に金属箔105を重ね、ラミネーター装置やベクレル装置を用いて高真空条件下でこれらを接合する、あるいはそのままプリプレグの外側の上下両面または片面に金属箔105を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔105を重ねる。
次いで、プリプレグと金属箔105とを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板200を得ることができる。ここで、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。
上記の加熱加圧成形するときの加熱温度は、120℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上240℃以下がより好ましい。
また、上記の加熱加圧成形するときの圧力は、0.5MPa以上5MPa以下が好ましく、2.5MPa以上5MPa以下の高圧がより好ましい。
また、加熱加圧成形後に、必要に応じて、恒温槽等で後硬化をおこなってもよい。後硬化の温度は、好ましくは150℃以上300℃以下であり、より好ましくは250℃以上300℃以下である。
また、この金属張積層板200または樹脂基板をコア基板として用いてプリント配線基板を得ることができる。
以下、プリプレグ、金属張積層板200および樹脂基板を製造する際に使用する各材料について詳細に説明する。
金属箔105を構成する金属としては、例えば、銅、銅系合金、アルミ、アルミ系合金、銀、銀系合金、金、金系合金、亜鉛、亜鉛系合金、ニッケル、ニッケル系合金、錫、錫系合金、鉄、鉄系合金、コバール(商標名)、42アロイ、インバー、スーパーインバー等のFe−Ni系の合金、W、Mo等が挙げられる。これらの中でも、金属箔105を構成する金属としては、導電性に優れ、エッチングによる回路形成が容易であり、また安価であることから銅または銅合金が好ましい。すなわち、金属箔105としては、銅箔が好ましい。
また、金属箔105としては、キャリア付金属箔等も使用することができる。
金属箔105の厚みは、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上18μm以下である。
次いで、本実施形態に用いられる繊維基材について説明する。
繊維基材としては、とくに限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材;ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維;ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維;ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維のいずれかを主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材;クラフト紙、コットンリンター紙、あるいはリンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材;等が挙げられる。これらのうち、いずれかを使用することができる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、低吸水性で、高強度、低熱膨張性の樹脂基板を得ることができる。
繊維基材の厚みは、とくに限定されないが、好ましくは5μm以上150μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは12μm以上90μm以下である。このような厚みを有する繊維基材を用いることにより、プリプレグ製造時のハンドリング性がさらに向上できる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の樹脂組成物(P)の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。
ガラス繊維基材として、例えば、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維基材が好適に用いられる。
次に、本実施形態に係るプリント配線基板300について説明する。図2および図3は、本実施形態におけるプリント配線基板300の構成の一例を示す断面図である。
プリント配線基板300は、ビアホール307が設けられた絶縁層301と、絶縁層301の少なくとも一方の面に設けられた金属層303とを少なくとも有する。なお、本実施形態において、ビアホール307とは層間を電気的に接続するための孔であり、貫通孔および非貫通孔いずれでもよい。
本実施形態に係るプリント配線基板300は、図2に示すように、片面プリント配線基板であってもよいし、両面プリント配線基板または多層プリント配線基板であってもよい。両面プリント配線基板とは、絶縁層301の両面に金属層303を積層したプリント配線基板である。また、多層プリント配線基板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法等により、絶縁層301上に、層間絶縁層(ビルドアップ層とも呼ぶ。)を介して金属層303を2層以上積層したプリント配線基板である。
ここで、本実施形態に係るプリント配線基板300において、絶縁層301が本実施形態に係る樹脂基板または金属張積層板200の絶縁層301に相当する。
金属層303は、例えば、回路層であり、金属箔105および/または無電解金属めっき膜308と、電解金属めっき層309とを有する。
プリント配線基板300が、図3に示すような多層プリント配線基板の場合は、金属層303は、コア層311またはビルドアップ層317中の回路層である。
金属層303は、例えば、薬液処理またはプラズマ処理された金属箔105または絶縁層301の面上に、SAP(セミアディティブプロセス)法により形成される。金属箔105または絶縁層301上に無電解金属めっき膜308を施した後、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより電解金属めっき層309付けを行い、めっきレジストの除去とフラッシュエッチングによる無電解金属めっき膜308の除去により、金属箔105または絶縁層301上に金属層303を形成する。
金属層303の回路寸法は、ラインアンドスペース(L/S)で表わすとき、25μm/25μm以下とすることができ、特に15μm/15μm以下とすることができる。回路寸法を小さくし、微細配線にすると配線間の絶縁信頼性が低下する。しかし、本実施形態に係るプリント配線基板300は、ラインアンドスペース(L/S)15μm/15μm以下の微細配線が可能であり、ラインアンドスペース(L/S)10μm/10μm程度までの微細化を達成できる。
金属層303の厚みは、特に限定されないが、通常は5μm以上25μm以下である。
ビルドアップ層317中の絶縁層305は、絶縁性の材料により構成されていれば特に限定されないが、例えば、樹脂フィルム、プリプレグのいずれかにより構成することができる。これらの中でも、プリプレグはシート状材料であり、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線基板用のビルドアップ層317の製造に適しており好ましい。
プリプレグとしては、前述したプリプレグが特に好ましい。
コア層311中の絶縁層301(ビルドアップ層317を含まないプリント配線基板300中の絶縁層301も含む。)の厚さは、好ましくは0.025mm以上0.3mm以下である。絶縁層301の厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスが特に優れ、薄型プリント配線基板に適した絶縁層301を得ることができる。
ビルドアップ層317中の絶縁層305の厚さは、好ましくは0.015mm以上0.05mm以下である。絶縁層305の厚さが上記範囲内であると、機械的強度および生産性のバランスが特に優れ、薄型プリント配線基板に適した絶縁層305を得ることができる。
つづいて、プリント配線基板300の製造方法の一例について説明する。ただし、本実施形態に係るプリント配線基板300の製造方法は、以下の例に限定されない。
はじめに、金属張積層板200を準備する。
次いで、エッチング処理により、金属箔105の一部またはすべてを除去する。
次いで、絶縁層301にビアホール307を形成する。ビアホール307は、例えば、ドリル機やレーザー照射を用いて形成することができる。レーザー照射に用いるレーザーは、エキシマレーザー、UVレーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられる。ビアホール307を形成後の樹脂残渣等は、過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤等により除去してもよい。
なお、エッチング処理による金属箔105の除去前に、絶縁層301にビアホール307を形成してもよい。
次いで、金属箔105または絶縁層301の表面に対して、薬液処理またはプラズマ処理を行う。
薬液処理としては、特に限定されず、有機物分解作用を有する酸化剤溶液等を使用する方法等が挙げられる。また、プラズマ処理としては、対象物となるものに直接酸化作用の強い活性種(プラズマ、ラジカル等)を照射して有機物残渣を除去する方法等が挙げられる。
次に、金属層303を形成する。金属層303は、例えば、セミアディティブプロセス(SAP)またはモディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)により形成することができる。以下、具体的に説明する。
はじめに、無電解めっき法を用いて、金属箔105または絶縁層301の表面やビアホール307内に無電解金属めっき膜308を形成し、プリント配線基板300の両面の導通を図る。またビアホール307は、導体ペースト、または樹脂ペーストで適宜埋めることができる。無電解めっき法の例を説明する。例えば、まず金属箔105または絶縁層301の表面上やビアホール307内に触媒核を付与する。この触媒核としては、特に限定されないが、例えば、貴金属イオンやパラジウムコロイドを用いることができる。引き続き、この触媒核を核として、無電解めっき処理により無電解金属めっき膜308を形成する。無電解めっき処理には、例えば、硫酸銅、ホルマリン、錯化剤、水酸化ナトリウム等を含むものを用いることができる。なお、無電解めっき後に、100〜250℃の加熱処理を施し、めっき被膜を安定化させることが好ましい。120〜180℃の加熱処理が酸化を抑制できる被膜を形成できる点で、特に好ましい。また、無電解金属めっき膜308の平均厚さは、例えば、0.1〜2μm程度である。
次いで、金属箔105および/または無電解金属めっき膜308上に所定の開口パターンを有するめっきレジストを形成する。この開口パターンは、例えば回路パターンに相当する。めっきレジストとしては、特に限定されず、公知の材料を用いることができるが、液状およびドライフィルムを用いることができる。微細配線形成の場合には、めっきレジストとしては、感光性ドライフィルム等を用いることが好ましい。感光性ドライフィルムを用いた一例を説明する。例えば、無電解金属めっき膜308上に感光性ドライフィルムを積層し、非回路形成領域を露光して光硬化させ、未露光部を現像液で溶解、除去する。硬化した感光性ドライフィルムを残存させることにより、めっきレジストを形成する。
次いで、少なくともめっきレジストの開口パターン内部かつ金属箔105および/または無電解金属めっき膜308上に、電気めっき処理により、電解金属めっき層309を形成する。電気めっき処理としては、特に限定されないが、通常のプリント配線基板で用いられる公知の方法を使用することができ、例えば、硫酸銅等のめっき液中に浸漬させた状態で、めっき液に電流を流す等の方法を使用することができる。電解金属めっき層309は単層でもよく多層構造を有していてもよい。電解金属めっき層309の材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、銅合金、42合金、ニッケル、鉄、クロム、タングステン、金、半田のいずれか一種以上を用いることができる。
次いで、アルカリ性剥離液や硫酸または市販のレジスト剥離液等を用いてめっきレジストを除去する。
次いで、電解金属めっき層309が形成されている領域以外の金属箔105および/または無電解金属めっき膜308を除去する。例えば、ソフトエッチング(フラッシュエッチング)等を用いることにより、金属箔105および/または無電解金属めっき膜308を除去することができる。ここで、ソフトエッチング処理は、例えば、硫酸および過酸化水素を含むエッチング液を用いたエッチングにより行うことができる。これにより、金属層303を形成することができる。金属層303は、金属箔105および/または無電解金属めっき膜308と、電解金属めっき層309と、により構成されることになる。
さらに、プリント配線基板300上に、必要に応じてビルドアップ層317を積層して、セミアディティブプロセスにより層間接続および回路形成する工程を繰り返すことにより、多層にすることができる。
以上により、本実施形態のプリント配線基板300が得られる。
つづいて、本実施形態に係る半導体装置400について説明する。図4および図5は、本実施形態における半導体装置400の構成の一例を示す断面図である。プリント配線基板300は、図4および図5に示すような半導体装置400に用いることができる。半導体装置400の製造方法としては、特に限定されないが、例えば以下のような方法がある。
まず、金属層303(回路層)上に、必要に応じてビルドアップ層を積層して、セミアディティブプロセスにより層間接続および回路形成する工程を繰り返す。そして、必要に応じてソルダーレジスト層401をプリント配線基板300の両面または片面に積層する。
ソルダーレジスト層401の形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストをラミネートし、露光、および現像することにより形成する方法、または液状レジストを印刷したものを露光、および現像により形成する方法によりなされる。
つづいて、リフロー処理を行なうことによって、半導体素子407を回路層の一部である接続端子上に半田バンプ410を介して固着させる。その後、半導体素子407、半田バンプ410等を封止材413で封止することによって、図4および図5に示す様な半導体装置400が得られる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、本実施形態では、プリプレグが1層の場合を示したが、プリプレグを2層以上積層したものを用いて絶縁層を作製してもよい。
また、上記実施形態では、半導体素子407と、プリント配線基板300の回路層とを半田バンプ410で接続したが、これに限られるものではない。例えば、半導体素子407とプリント配線基板300の回路層とをボンディングワイヤで接続してもよい。
以下、実施形態の例を付記する。
1. プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
マレイミド化合物(A)と、
ベンゾオキサジン化合物(B)と、
無機充填材(C)と、
を含み、
前記マレイミド化合物(A)が、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてn が1以上の化合物を少なくとも含むプリント配線基板用樹脂組成物。
Figure 0006696113
(前記式(1)において、n は0以上10以下の整数であり、X はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、下記式(1a)で表される基、式「−SO −」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R はそれぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、aはそれぞれ独立に0以上4以下の整数であり、bはそれぞれ独立に0以上3以下の整数である)
Figure 0006696113
(前記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、n は0以上の整数である)
2. 1.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、前記マレイミド化合物(A1)の重量均分子量(Mw)が400以上4000以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
3. 1.または2.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記マレイミド化合物(A)の含有量が、前記マレイミド化合物(A)および前記ベンゾオキサジン化合物(B)の合計100質量%に対して35質量%以上80質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
4. 1.乃至3.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物(B)は下記式(2)により示される化合物、下記式(3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
Figure 0006696113
(前記式(2)において、X はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、前記式(1a)で表される基、式「−SO −」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基であり、cはそれぞれ独立に0以上4以下の整数である)
Figure 0006696113
(前記式(3)において、X はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、前記式(1a)で表される基、式「−SO −」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基であり、dはそれぞれ独立に0以上4以下の整数である)
5. 4.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記ベンゾオキサジン化合物(B)が下記式(2−1)により示される化合物、下記式(2−2)により示される化合物、下記式(2−3)により示される化合物、下記式(3−1)により示される化合物、下記式(3−2)により示される化合物および下記式(3−3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
Figure 0006696113
Figure 0006696113
Figure 0006696113
(前記式(2−3)において、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4の炭化水素基である)
6. 1.乃至5.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、低応力材(E)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
7. 6.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記低応力材(E)が(メタ)アクリル系ブロック共重合体;シリコーン化合物;カルボキシル基、アミノ基、ビニルアクリレート基またはエポキシ基により変性されたアクリロニトリル・ブタジエンゴム;脂肪族エポキシ樹脂;およびゴム粒子から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
8. 1.乃至7.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記無機充填材(C)がタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムから選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
9. 1.乃至8.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記無機充填材(C)の含有量が、前記プリント配線基板用樹脂組成物の全固形分100質量%に対し、50質量%以上85質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
10. 1.乃至9.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、エポキシ樹脂(D)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
11. 10.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(D)の含有量が、前記プリント配線基板用樹脂組成物中の前記無機充填材(C)を除く成分の全量を100質量%としたとき、1質量%以上50質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
12. 1.乃至11.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記マレイミド化合物(A1)とは異なる種類のマレイミド化合物(A2)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
13. 12.に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、前記マレイミド化合物(A2)が1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンおよびイミド拡張型ビスマレイミドから選択される少なくとも一種を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
14. 1.乃至13.いずれかに記載のプリント配線基板用樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるプリプレグ。
15. 14.に記載のプリプレグにおいて、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により測定される、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物のガラス転移温度が260℃以上であるプリプレグ。
16. 14.または15.に記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の250℃での貯蔵弾性率E’ 250 に対する30℃での貯蔵弾性率E’ 30 の比(E’ 30 /E’ 250 )が、1.05以上1.75以下であるプリプレグ。
17. 14.乃至16.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の面内方向における、50℃から150℃の範囲において算出した平均線膨張係数α に対する150℃から250℃の範囲において算出した平均線膨張係数α の比(α /α )が、0.7以上2.0以下であるプリプレグ。
18. 14.乃至17.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物に対し、熱機械分析装置を用いて、30℃から260℃まで10℃/minで昇温する過程と、260℃で1時間保持する過程とからなる熱機械分析測定を行ったとき、前記熱機械分析測定前の前記硬化物の縦方向の長さを基準長L とし、前記硬化物の前記基準長L からの最大の熱膨張量をL とし、前記硬化物を260℃で1時間保持したときの前記基準長L からの熱膨張量をL とした場合、
100×(L −L )/L で示される寸法収縮率が0.15%以下であるプリプレグ。
19. 14.乃至18.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の質量を第1の質量とし、当該硬化物を下記条件で処理した後の硬化物の質量を第2の質量としたとき、
[{(第1の質量)−(第2の質量)}/(当該硬化物の表裏両面の面積の和)]×100で定義される減膜量が1.2g/m 以下であるプリプレグ。
<条件>
前記硬化物を3g/L水酸化ナトリウム溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.1体積%、エチレングリコール3.6体積%、純水85.3体積%)に60℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を膨潤させ、次いで、膨潤した前記硬化物を粗化処理水溶液(過マンガン酸ナトリウム60g/L、水酸化ナトリウム45g/L)に80℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を粗化処理し、次いで、粗化処理した前記硬化物を中和液(98質量%硫酸5.0体積%、硫酸ヒドロキシルアミン0.8体積%、純水94.2体積%)に40℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を中和する
20. 14.乃至19.いずれかに記載のプリプレグにおいて、前記繊維基材がEガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維基材であるプリプレグ。
21. 14.乃至20.いずれかに記載のプリプレグにおいて、当該プリプレグの厚みが20μm以上220μm以下であるプリプレグ。
22. 14.乃至21.いずれかに記載のプリプレグの硬化物を含む樹脂基板。
23. 14.乃至21.いずれかに記載のプリプレグの硬化物または前記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物の片面または両面に金属箔が設けられている金属張積層板。
24. 22.に記載の樹脂基板または23.に記載の金属張積層板を回路加工して得られるものであり、1層又は2層以上の回路層が設けられているプリント配線基板。
25. 24.に記載のプリント配線基板の前記回路層上に半導体素子を搭載した半導体装置。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例では、部は特に特定しない限り質量部を表す。また、それぞれの厚みは平均膜厚で表わされている。
実施例および比較例では、以下の原料を用いた。
マレイミド化合物1:式(1)において、nが0以上3以下、Xが「−CH−」で表される基、aが0、bが0である化合物(BMI−2300、大和化成工業社製、Mw=750)
マレイミド化合物2:ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド(BMI−4000、大和化成工業社製)
マレイミド化合物3:4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド(式(1)において、nは0、Xが「−CH−」で表される基、aが0、bが0である化合物、BMI−1000、大和化成工業社製)
マレイミド化合物4:1,6'−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン(BMI−TMH、大和化成工業社製)
マレイミド化合物5:イミド拡張型ビスマレイミド(BMI−1500、式(a1)により示されるビスマレイミド化合物、デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)
ベンゾオキサジン化合物1:式(2−1)により示されるベンゾオキサジン化合物(P−d型ベンゾオキサジン、四国化成工業社製)
ベンゾオキサジン化合物2:式(3−1)により示されるベンゾオキサジン化合物(F−a型ベンゾオキサジン四国化成工業社製)
エポキシ樹脂1:アラルキル型エポキシ樹脂(NC3000L、日本化薬社製)
エポキシ樹脂2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(EPICLON 830S、DIC社製)
エポキシ樹脂3:ナフタレンジオール型エポキシ樹脂(EPICLON HP−4032D、DIC社製)
無機充填材1:シリカ(アドマテック社製、SC4050、平均粒径1.1μm、フェニルアミノシラン処理のシリカスラリー)
低応力材1:カルボン酸末端アクリロニトリル・ブタジンゴム(PTIジャパン社製、CTBN1008SP)
低応力材2:アミノ基末端アクリロニトリル・ブタジンゴム(PTIジャパン社製、ATBN1300X16)
低応力材3:シリコーン化合物(エポキシ基およびフェニル基含有3次元架橋型シリコーン樹脂、東レ・ダウコーニング社製、AY42−119)
低応力材4:シリコーン化合物(シリコーンエポキシ樹脂、東レ・ダウコーニング社製、BY16−115)
低応力材5:シリコーン化合物(分子鎖両末端にアミノ基を有する変性シリコーン樹脂、東レ・ダウコーニング社製、BY16−853)
低応力材6:アクリル系ブロック共重合体(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA−b−PMMA;b=ブロック)、数平均分子量:約10,000、アルケマ社製、ナノストレングスM51)
硬化促進剤1:2−フェニルイミダゾール(四国化成社製、2PZ−PW)
硬化促進剤2:テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリルボレート(北興化学工業社製、TPP−MK)
次に、プリプレグの製造について説明する。使用した樹脂ワニスの組成を表1(質量部)に示し、得られたプリプレグ1〜17の厚み等を表2に示す。なお、表2に記載のP1〜P17とはプリプレグ1〜プリプレグ17を意味する。
[1]プリプレグ1
1.樹脂ワニス1の調製
表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70質量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニス1を調製した。
2.プリプレグの製造
(プリプレグ1)
ガラス織布(クロスタイプ♯2118、Tガラス、坪量114g/m)に樹脂ワニス1を塗布装置で含浸させ、140℃の熱風乾燥装置で10分間乾燥して、厚さ107μmのプリプレグ1(P1)を得た。
(プリプレグ2〜17)
プリプレグ2〜17は、樹脂ワニスの種類を表1および2のように変えた以外は、プリプレグ1と同様にして製造した。ただし、ワニス17は溶解性の観点からジメチルホルムアミドで固形分濃度を調整した。
(実施例1)
1.樹脂基板の製造
プリプレグ1の両面に極薄銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンEx、2.0μm)を重ね合わせ、圧力4MPa、温度230℃で2時間加熱加圧成形することにより、樹脂基板を得た。得られた金属箔付き樹脂基板のコア層(樹脂基板からなる部分)の厚みは、0.107mmであった。
2.プリント配線基板の製造
前項で得られた金属箔付き樹脂基板の表面の極薄銅箔層に約1μmの粗化処理を施した後、炭酸ガスレーザーで、層間接続用のφ80μmのスルーホールを形成した。次いで、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に2分間浸漬後、中和してスルーホール内のデスミア処理を行った。次に、無電解銅メッキを厚さ0.5μmで行い、電解銅メッキ用レジスト層を厚さ18μm形成し、パターン銅メッキし、温度150℃時間30分加熱してポストキュアした。次いでメッキレジストを剥離し全面をフラッシュエッチングして、L/S=15/15μmのパターンを形成した。
(実施例2〜16および比較例1)
プリプレグの種類を表2に示すものに変えた以外は、実施例1と同様に樹脂基板、プリント配線板を作製した。
また、各実施例および比較例により得られた樹脂基板について、次の各評価を行った。評価結果を表2に示す。
(1)ガラス転移温度
ガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800))で行った。
得られた樹脂基板から8mm×40mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物を用いて昇温速度5℃/min、周波数1Hzで動的粘弾性測定をおこなった。なお、ガラス転移温度は、周波数1Hzにおいてtanδが最大値を示す温度とした。
(2)貯蔵弾性率E'
貯蔵弾性率E'の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800)で行った。得られた樹脂基板から8mm×40mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。
得られたプリプレグの硬化物を用いて昇温速度5℃/min、周波数1Hzで、30℃および250℃での貯蔵弾性率測定をおこない、30℃での貯蔵弾性率E'30、250℃での貯蔵弾性率E'250、E'30/E'250を算出した。
(3)寸法収縮率
得られた樹脂基板から4mm×15mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物に対し、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて昇温速度10℃/min、荷重10g、圧縮モードの条件で、30℃から260℃まで昇温する過程と、260℃で1時間保持する過程とからなる熱機械分析測定を行った。そして、プリプレグの硬化物の基準長Lからの最大の熱膨張量Lおよびプリプレグの硬化物を260℃で1時間保持したときの基準長Lからの熱膨張量Lを求めた。次いで、100×(L−L)/Lで示される寸法収縮率を算出した。
(4)線膨張係数
得られた樹脂基板から4mm×15mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物に対し、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30〜260℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、圧縮モードの条件で熱機械分析(TMA)を2サイクル測定した。50℃から150℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値αおよび150℃から250℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値αを算出した。
なお、膨脹係数は、2サイクル目の値を採用した。
(5)減膜量
得られた樹脂基板から4mm×15mmのテストピースを切り出し、エッチング液(第二塩化鉄溶液、35℃)で銅箔を除去し、プリプレグの硬化物を得た。次いで、得られたプリプレグの硬化物の120℃で1時間乾燥後の質量を第1の質量とし、当該硬化物を下記条件で処理した後の硬化物の120℃で1時間乾燥後の質量を第2の質量としたとき、[{(第1の質量)−(第2の質量)}/(当該硬化物の表裏両面の面積の和)]×100で定義される減膜量を算出した。
<条件>
硬化物を3g/L水酸化ナトリウム溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.1体積%、エチレングリコール3.6体積%、純水85.3体積%)に60℃、5分間浸漬することにより硬化物を膨潤させ、次いで、膨潤した硬化物を粗化処理水溶液(過マンガン酸ナトリウム60g/L、水酸化ナトリウム45g/L)に80℃、5分間浸漬することにより硬化物を粗化処理し、次いで、粗化処理した硬化物を中和液(98質量%硫酸5.0体積%、硫酸ヒドロキシルアミン0.8体積%、純水94.2体積%)に40℃、5分間浸漬することにより硬化物を中和する
(6)細線間絶縁信頼性評価
プリント配線基板のL/S=15/15μmの微細回路パターン上に、ビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層、硬化した試験サンプルを作製した。この試験サンプルを用いて、温度130℃、湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。なお、抵抗値10Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
〇:500時間以上故障なし
△:200〜500時間未満で故障あり
×:200時間未満で故障あり
(7)細線加工性評価
上記したプリント配線基板の製造において、L/S=15/15μmの微細回路パターンを形成した後のプリント配線基板について、レーザー顕微鏡で細線の外観検査および導通チェックにより評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:形状、導通ともに問題なし
〇:ショート、配線切れはなく、実質上問題ない
×:ショート、配線切れあり
(8)スルーホール絶縁信頼性評価
上記したプリント配線板の製造において、層間接続のΦ80μmのスルーホールを壁間80μmで20対形成した。次に、回路パターン上に、ビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層、硬化した試験サンプルを作製した。この試験サンプルを用いて、温度130℃、湿度85%、印加電圧5.5Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。なお、抵抗値10Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
◎:500時間以上故障なし(良好)
〇:200〜500時間未満で故障あり(実質上問題なし)
△:200時間未満で故障あり(実質上使用不可)
×:100時間未満で故障あり(使用不可)
(9)半導体装置の反り評価
回路パターンを形成した後のプリント配線基板にビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層硬化し、セミアディティブ法で回路加工した。その上に、10mm×10mm×100μm厚みの半田バンプ付半導体素子を実装し、アンダーフィル(住友ベークライト社製、CRP−4160G)で封止し、150℃で2時間硬化させた。最後に、15mm×15mmにダイシングし半導体装置を作製した。
得られた半導体装置の260℃での反りを温度可変レーザー三次元測定機(日立テクノロジーアンドサービス社製、形式LS220−MT100MT50)を用いて評価した。上記測定機のサンプルチャンバーに半導体素子面を下にして設置し、高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。評価基準は以下の通りである。
◎ :反り量が30μm未満
〇 :反り量が30μm以上50μm未満
× :反り量が50μm以上
(10)ヒートサイクル試験
(9)で得られた半導体装置4個を85℃、85%の条件下で168時間処理後、IRリフロー炉(ピーク温度:260℃)で3回処理し、大気中で、−55℃(15分)、125℃(15分)で500サイクル処理した。つぎに、超音波映像装置(日立建機ファインテック社製、FS300)を用いて、半導体素子、半田バンプに異常がないか観察した。
◎:半導体素子、半田バンプともに異常なし
〇:半導体素子および/または半田バンプの一部にクラックが見られるが実用上問題なし
×:半導体素子および/または半田バンプの一部または全部にクラックが見られ実用上問題あり
Figure 0006696113
Figure 0006696113
105 金属箔
200 金属張積層板
300 プリント配線基板
301 絶縁層
303 金属層
305 絶縁層
307 ビアホール
308 無電解金属めっき膜
309 電解金属めっき層
311 コア層
317 ビルドアップ層
400 半導体装置
401 ソルダーレジスト層
407 半導体素子
410 半田バンプ
413 封止材

Claims (23)

  1. プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
    マレイミド化合物(A)と、
    ベンゾオキサジン化合物(B)と、
    無機充填材(C)と、
    を含み、
    前記ベンゾオキサジン化合物(B)は、下記式(2)により示される化合物、下記式(3)により示される化合物、および下記式(2−3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含み、
    前記マレイミド化合物(A)の含有量が、前記マレイミド化合物(A)および前記ベンゾオキサジン化合物(B)の合計100質量%に対して35質量%以上80質量%以下であり、
    前記マレイミド化合物(A)が、下記式(1)により示されるマレイミド化合物(A1)においてnが1以上の化合物を含み、
    前記マレイミド化合物(A)中に含まれる前記マレイミド化合物(A1)の含有量は、当該樹脂組成物中に含まれる前記マレイミド化合物(A)を100質量%としたとき、30.0質量%以上100.0質量%以下である、
    プリント配線基板用樹脂組成物。
    Figure 0006696113
    (前記式(1)において、nは0以上10以下の整数であり、Xはそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、下記式(1a)で表される基、式「−SO−」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、aはそれぞれ独立に0以上4以下の整数であり、bはそれぞれ独立に0以上3以下の整数である)
    Figure 0006696113
    (前記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、nである)
    Figure 0006696113
    (前記式(2)において、X はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、前記式(1a)で表される基、式「−SO −」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基であり、cはそれぞれ独立に0以上4以下の整数である)
    Figure 0006696113
    (前記式(3)において、X はそれぞれ独立に炭素数1以上10以下のアルキレン基、前記式(1a)で表される基、式「−SO −」で表される基、「−CO−」で表される基、酸素原子または単結合であり、R はそれぞれ独立に炭素数1〜6の炭化水素基であり、dはそれぞれ独立に0以上4以下の整数である)
    Figure 0006696113
    (前記式(2−3)において、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4の炭化水素基である)
  2. 請求項1に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、前記マレイミド化合物(A1)の重量均分子量(Mw)が400以上4000以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    前記ベンゾオキサジン化合物(B)が下記式(2−1)により示される化合物、下記式(2−2)により示される化合物、下記式(2−3)により示される化合物、下記式(3−1)により示される化合物、下記式(3−2)により示される化合物および下記式(3−3)により示される化合物から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
    Figure 0006696113
    Figure 0006696113
    Figure 0006696113
    (前記式(2−3)において、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4の炭化水素基である)
  4. 請求項1乃至いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    低応力材(E)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
  5. 請求項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    前記低応力材(E)が(メタ)アクリル系ブロック共重合体;シリコーン化合物;カルボキシル基、アミノ基、ビニルアクリレート基またはエポキシ基により変性されたアクリロニトリル・ブタジエンゴム;脂肪族エポキシ樹脂;およびゴム粒子から選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    前記無機充填材(C)がタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムから選択される一種または二種以上を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    前記無機充填材(C)の含有量が、前記プリント配線基板用樹脂組成物の全固形分100質量%に対し、50質量%以上85質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    エポキシ樹脂(D)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
  9. 請求項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    前記エポキシ樹脂(D)の含有量が、前記プリント配線基板用樹脂組成物中の前記無機充填材(C)を除く成分の全量を100質量%としたとき、1質量%以上50質量%以下であるプリント配線基板用樹脂組成物。
  10. 請求項1乃至いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    前記マレイミド化合物(A1)とは異なる種類のマレイミド化合物(A2)をさらに含むプリント配線基板用樹脂組成物。
  11. 請求項10に記載のプリント配線基板用樹脂組成物において、
    前記マレイミド化合物(A2)が1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンおよびイミド拡張型ビスマレイミドから選択される少なくとも一種を含むプリント配線基板用樹脂組成物。
  12. 請求項1乃至11いずれか一項に記載のプリント配線基板用樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるプリプレグ。
  13. 請求項12に記載のプリプレグにおいて、
    昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により測定される、当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物のガラス転移温度が260℃以上であるプリプレグ。
  14. 請求項12または13に記載のプリプレグにおいて、
    当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の250℃での貯蔵弾性率E’250に対する30℃での貯蔵弾性率E’30の比(E’30/E’250)が、1.05以上1.75以下であるプリプレグ。
  15. 請求項12乃至14いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
    当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の面内方向における、50℃から150℃の範囲において算出した平均線膨張係数αに対する150℃から250℃の範囲において算出した平均線膨張係数αの比(α/α)が、0.7以上2.0以下であるプリプレグ。
  16. 請求項12乃至15いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
    当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物に対し、
    熱機械分析装置を用いて、
    30℃から260℃まで10℃/minで昇温する過程と、260℃で1時間保持する過程とからなる熱機械分析測定を行ったとき、前記熱機械分析測定前の前記硬化物の縦方向の長さを基準長Lとし、前記硬化物の前記基準長Lからの最大の熱膨張量をLとし、前記硬化物を260℃で1時間保持したときの前記基準長Lからの熱膨張量をLとした場合、
    100×(L−L)/Lで示される寸法収縮率が0.15%以下であるプリプレグ。
  17. 請求項12乃至16いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
    当該プリプレグを230℃、2時間加熱処理して得られる硬化物の質量を第1の質量とし、当該硬化物を下記条件で処理した後の硬化物の質量を第2の質量としたとき、
    [{(第1の質量)−(第2の質量)}/(当該硬化物の表裏両面の面積の和)]×100で定義される減膜量が1.2g/m以下であるプリプレグ。
    <条件>
    前記硬化物を3g/L水酸化ナトリウム溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノブチルエーテル11.1体積%、エチレングリコール3.6体積%、純水85.3体積%)に60℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を膨潤させ、次いで、膨潤した前記硬化物を粗化処理水溶液(過マンガン酸ナトリウム60g/L、水酸化ナトリウム45g/L)に80℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を粗化処理し、次いで、粗化処理した前記硬化物を中和液(98質量%硫酸5.0体積%、硫酸ヒドロキシルアミン0.8体積%、純水94.2体積%)に40℃、5分間浸漬することにより前記硬化物を中和する
  18. 請求項12乃至17いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
    前記繊維基材がEガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維基材であるプリプレグ。
  19. 請求項12乃至18いずれか一項に記載のプリプレグにおいて、
    当該プリプレグの厚みが20μm以上220μm以下であるプリプレグ。
  20. 請求項12乃至19いずれか一項に記載のプリプレグの硬化物を含む樹脂基板。
  21. 請求項12乃至19いずれか一項に記載のプリプレグの硬化物または前記プリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の硬化物の片面または両面に金属箔が設けられている金属張積層板。
  22. 請求項20に記載の樹脂基板または請求項21に記載の金属張積層板を回路加工して得られるものであり、1層又は2層以上の回路層が設けられているプリント配線基板。
  23. 請求項22に記載のプリント配線基板の前記回路層上に半導体素子を搭載した半導体装置。
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