JP7305975B2 - 樹脂組成物、それを用いたキャリア付樹脂膜、プリプレグ、積層板、プリント配線基板および半導体装置 - Google Patents
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回路基板用の樹脂組成物であって、
分子内に脂環式構造を有するアリル化合物と、
マレイミド化合物と、
重合開始剤と、
無機充填材と、を含む、樹脂組成物が提供される。
キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられた、上記の樹脂組成物からなる樹脂膜と、
を備える、キャリア付樹脂膜が提供される。
上記プリント配線基板と、
前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置が提供される。
本実施形態において、SAP特性とは、デスミア処理後における回路層の表面粗さが小さいこと、ビルドアップ層と回路層とのめっき密着性が高いことを示す。SAP特性を向上させることにより、高密度回路を形成することができるとともに、接続信頼性を高めることができる。また、本実施形態の樹脂組成物で構成されたビルドアップ層は、誘電正接を低減できるため、低伝送損失を実現することが可能である。
上記樹脂組成物は、分子内に脂環式構造を有するアリル化合物を含む。
分子内に脂環式構造を有するアリル化合物は、分子内に芳香族環を有していてもよく、ベンゼン環などの芳香族環がメチレン基を介して連結した芳香族含有構造を有していてもよい。芳香族含有構造は、分子内に1または2個以上含まれていてもよい。上記アリル化合物は、脂環式構造が、この芳香族含有構造の間に配置された構造を有していてもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、マレイミド化合物を含むことができる。
本実施形態において、マレイミド化合物のマレイミド基は、5員環の平面構造を有し、マレイミド基の二重結合が分子間で相互作用しやすく極性が高いため、マレイミド基、ベンゼン環、その他の平面構造を有する化合物等と強い分子間相互作用を示し、分子運動を抑制することができる。そのため、樹脂組成物は、マレイミド化合物を含むことにより、得られる絶縁層の線膨張係数を下げ、ガラス転移温度を向上させることができ、さらに、耐熱性を向上させることができる。
分子内に少なくとも2つのマレイミド基を有するマレイミド化合物としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、p-フェニレンビスマレイミド、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス-(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、N,N’-エチレンジマレイミド、N,N’-ヘキサメチレンジマレイミド、ビス(4-マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4-マレイミドフェニル)スルホン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド等の分子内に2つのマレイミド基を有する化合物、ポリフェニルメタンマレイミド等の分子内に3つ以上のマレイミド基を有する化合物等が挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。これらのマレイミド化合物の中でも、低吸水率である点等から、4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス-(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミドが好ましい。
さらに、上記式(1a)において、Yは芳香族環を有する炭素数6以上30以下の炭化水素基であり、n2は0以上の整数である。
このようなマレイミド化合物としては、1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、ヘキサメチレンジアミンビスマレイミド、N,N’-1,2-エチレンビスマレイミド、N,N’-1,3-プロピレンビスマレイミド、N,N’-1,4-テトラメチレンビスマレイミド等の脂肪族マレイミド化合物;イミド拡張型ビスマレイミド等を挙げることができる。これらの中でも1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、イミド拡張型ビスマレイミドが特に好ましい。マレイミド化合物は、単独で使用しても良く、二種類以上を併用してもよい。
イミド拡張型ビスマレイミドとしては、例えば、以下の式(a1)により示されるマレイミド化合物、以下の式(a2)により示されるマレイミド化合物、以下の式(a3)により示されるマレイミド化合物等が挙げられる。式(a1)により示されるマレイミド化合物の具体例としてはBMI-1500(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)等が挙げられる。式(a2)により示されるマレイミド化合物の具体例としてはBMI-1700(デジグナーモレキュールズ社製、分子量1700)、BMI-1400(デジグナーモレキュールズ社製、分子量 1400)等が挙げられる。式(a3)により示されるマレイミド化合物の具体例としてはBMI-3000(デジグナーモレキュールズ社製、分子量3000)等が挙げられる。
上記樹脂組成物は、重合開始剤を含む。
上記重合開始剤としては、光および/または加熱により重合を開始する重合開始剤を用いることができ、この中でも、ラジカル重合開始剤が好ましい。
上記樹脂組成物は、無機充填材を含む。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材としては、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記樹脂組成物は、シアネート樹脂をさらに含むことができる。
シアネート樹脂は、分子内にシアネート基(-O-CN)を有する樹脂であり、シアネート基を分子内に2個以上を有する樹脂を用いることができる。このようなシアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
シアネート樹脂を用いることにより、樹脂膜の硬化物の線膨張係数を小さくすることができる。さらに、樹脂膜の硬化物の電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等を高めることができる。
上記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含むことができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ABS樹脂、クマロン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
上記樹脂組成物は、硬化促進剤(硬化触媒)を含んでもよい。これにより、樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
ラジカル開始剤としては、例えば、有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトニル等のアゾ系化合物を使用することができる。なかでも、有機過酸化物を使用することが好ましい。
ここで、有機過酸化物としては、例えば1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサネート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、α,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
これらの有機過酸化物は単独あるいは2種類以上を混合して用いることが可能である。
上記樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は樹脂組成物の調製時に直接添加してもよいし、無機充填材にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、樹脂膜の硬化物の耐熱性を改良することができる。また、カップリング剤を用いることにより、銅箔との密着性を向上させることができる。さらに、吸湿耐性を向上できるので、湿度環境下においても、銅箔との密着性を維持することができる。
これにより、無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性をより向上させることができる。
なお、本実施形態の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、緑、赤、青、黄、および黒等の染料、黒色顔料等の顔料、色素からなる群から選択される一種以上を含む着色剤、低応力剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤、ゴム成分等の上記の成分以外の添加剤を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記染料としては、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、キサンテン、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、インジゴイド、オキサジン、キナクリドン、ベンツイミダゾロン、ビオランスロン、フタロシアニン、アゾメチン等が挙げられる。
上記ゴム成分は、ブタジエンゴム、アクリルゴム、およびシリコーンゴムからなる群から選択される一種以上を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN-メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のプリプレグは、樹脂組成物中に繊維基材を含むように構成される。プリプレグは、上記樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるものである。
例えば、プリプレグは、樹脂組成物を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料として利用できる。このような構造のシート状材料は、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線基板の絶縁層の製造に適している。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の樹脂組成物の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。
本実施形態の積層板は、上記プリプレグの硬化物の少なくとも一方の面に金属層が配置された金属張積層板である。
プリプレグまたはプリプレグを2枚以上重ね合わせた積層体の外側の上下両面または片面に金属箔を重ね、ラミネーター装置やベクレル装置を用いて高真空条件下でこれらを接合する、あるいはそのままプリプレグの外側の上下両面または片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。次いで、プリプレグと金属箔とを重ねた積層体を加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。ここで、加熱加圧成形時に、冷却終了時まで加圧を継続することが好ましい。
また、金属箔としては、キャリア付金属箔等も使用することができる。
金属箔の厚みは、好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、より好ましくは1.5μm以上18μm以下である。
次いで、本実施形態のキャリア付樹脂膜について説明する。
図1は、キャリア付樹脂膜10の構成の一例を示す図である。
本実施形態のプリント配線基板は、上記の樹脂膜の硬化物(樹脂組成物の硬化物)で構成された絶縁層を備えるものである。
本実施形態において、樹脂膜の硬化物は、例えば、通常のプリント配線基板のビルドアップ層、コア層を有しないプリント配線基板におけるビルドアップ層、PLPに用いられるコアレス基板のビルドアップ層、MIS基板のビルドアップ層等に用いることができる。このようなビルドアップ層を構成する絶縁層は、複数の半導体パッケージを一括して作成するために利用させる大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成するビルドアップ層にも好適に用いることができる。
図2は、本実施形態の半導体パッケージ200の製造工程の一例を示す工程断面図である。
本実施形態の半導体装置(半導体パッケージ200)は、プリント配線基板と、プリント配線基板の回路層上に搭載された、またはプリント配線基板に内蔵された半導体素子240と、を備えることができる。
まず、図2(a)に示すように、絶縁層102、ビアホール104および金属層108を備えるコア層100を準備する。絶縁層102にはビアホール104が形成されている。ビアホール104には、金属層(ビア)が埋設されている。当該金属層は、無電解金属めっき膜106で覆われていてもよい。絶縁層102の表面に形成された金属層108(所定の回路パターンを有する回路層)は、ビアホール104に形成されたビアと電気的に接続する。図2(a)には、金属層108は、コア層100の一面上に形成されているが、両面に形成されていてもよい。
なお、樹脂膜20は、絶縁膜単層でもよく、絶縁膜およびプライマー層の複数層で構成されてもよい。
以上により、本実施形態のプリント配線基板が得られる。
以上により、図2(f)に示す、半導体パッケージ200が得られる。
以下、参考形態の例を付記する。
[1]
回路基板用の樹脂組成物であって、
分子内に脂環式構造を有するアリル化合物と、
マレイミド化合物と、
重合開始剤と、
無機充填材と、を含む、樹脂組成物。
[2]
[1]に記載の樹脂組成物であって、
前記アリル化合物の重量平均分子量が、1,000~5,000である、樹脂組成物。
[3]
[1]または[2]に記載の樹脂組成物であって、
熱可塑性樹脂を含む、樹脂組成物。
[4]
[3]に記載の樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂およびクマロン樹脂からなる群から選択される一種以上を含む、樹脂組成物。
[5]
[1]~[4]のいずれか一つに記載の樹脂組成物であって、
前記無機充填材が、シリカを含む、樹脂組成物。
[6]
[1]~[5]のいずれか一つに記載の樹脂組成物であって、
前記重合開始剤が、過酸化物を含む、樹脂組成物。
[7]
キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられている、[1]~[6]のいずれか一つに記載の樹脂組成物からなる樹脂膜と、
を備える、キャリア付樹脂膜。
[8]
[1]~[6]のいずれか一つに記載の樹脂組成物中に繊維基材を含むプリプレグ。
[9]
[8]に記載のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなる積層板。
[10]
[1]~[6]のいずれか一つに記載の樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、プリント配線基板。
[11]
[10]に記載のプリント配線基板と、
前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置。
表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70質量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニスP)を調製した。
なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(質量%)を示している。
(マレイミド化合物)
・マレイミド化合物1:イミド拡張型ビスマレイミド(BMI-1500、上記式(a1)により示されるビスマレイミド化合物、デジグナーモレキュールズ社製、分子量1500)
・マレイミド化合物2:上記式(1)において、n1が0以上3以下、X1が「-CH2-」で表される基、aが0、bが0である化合物(BMI-2300、大和化成工業社製、Mw=750)
・マレイミド化合物3:ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド(BMI-4000、大和化成工業社製)
・アリル化合物1:分子内に脂環式構造を有するアリル化合物(群栄化学工業社製、FTC809AE、重量平均分子量:2,000)
・アリル化合物2:分子内に脂環式構造を有するアリル化合物(群栄化学工業社製、FATC809、重量平均分子量:2,700)
・アリル化合物3:液状o-アリルフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂(明和化成株式会社製、MEH-8000H、下記式2の構造を有するフェノール化合物)
・重合開始剤1:有機過酸化物(東京化成工業社製、ジクミルパーオキサイド)
・無機充填材1:シリカ粒子(アドマテックス社製、SC4050、平均粒径1.1μm、表面がアミノフェニルシシラン処理されたもの)
厚み38μmのPETフィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後の樹脂層の厚みの総和が30μmとなるように、得られた樹脂ワニスPを塗工し、これを160℃の乾燥装置で3分間乾燥して、PETフィルム上に、絶縁膜が積層された樹脂シート(キャリア付き樹脂膜)を得た。
2ステージビルドアップラミネーター(ニチゴー・モートン社製 CVP300)を用いて、厚さ30μmの樹脂シート(キャリア付き樹脂膜1)から積層体を製造した。具体的には、厚み100μmのELC-4785TH-G(住友ベークライト社製、銅箔12μm)を用いて、ドリル機で所定のところを開孔して、無電解めっきにより、導通を図り、銅箔をエッチングして回路形成面を有する残銅60%のコア層を作製した。また、キャリア付き樹脂膜の樹脂膜を枚葉にカットし、上記CVP300にセットして上記コア層に仮付けし、真空ラミネーター内で120℃、0.7MPa、30秒間真空ラミネーションをおこなった。
その後、ニチゴー・モートン社製CPV300が備えるホットプレス装置を用いて、100℃、0.6MPa、60秒間ホットプレスして平滑化した。
その後、熱風乾燥装置に、得られた積層体を160℃、60分間入れ、ビルドアップ用プリプレグの熱硬化性樹脂の硬化反応をおこなった。
つぎに、得られた積層板に炭酸レーザーによりビア孔を形成した。PETフィルムを剥離した後、ビア内および、樹脂層表面を、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP:過マンガン酸ナトリウム濃度60g/l、NaOH濃度45g/l)に30分浸漬後、中和して粗化処理をおこなった。
これを脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅めっき皮膜を約0.5μm形成し、レジストを形成し、無電解銅めっき皮膜を給電層としてパターン電気めっき銅20μm形成させ、回路加工を施した。つぎに、熱風乾燥装置にて200℃で60分間アニール処理を行った後、フラッシュエッチングで給電層を除去した。次いで、ソルダーレジスト層を形成し、半導体素子搭載パッドなどが露出するように開口部を形成した。最後に、ソルダーレジスト層から露出した回路層上へ、無電解ニッケルめっき層3μmと、さらにその上へ、無電解金めっき層0.1μmとからなるめっき層を形成し、得られた基板を50mm×50mmサイズに切断し、プリント配線板を得た。
半導体パッケージは、得られたプリント配線基板上に半田バンプを有する半導体素子(TEGチップ、サイズ10mm×10mm、厚み0.1mm)を、フリップチップボンダー装置により、加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP-4152S)を充填し、その後、液状封止樹脂を硬化させることで半導体パッケージを得た。尚、液状封止樹脂は、温度150℃、120分の条件で硬化させた。上記半導体素子の半田バンプは、Sn/Pb組成の共晶で形成されたものを用いた。最後に14mm×14mmのサイズにルーターで個片化し、半導体パッケージを得た。
得られたキャリア付き樹脂膜の厚み30μmの樹脂膜を4枚重ね、銅箔を用いてホットプレスを用いて200℃、1kgf/mm2のプレス条件で、2時間加熱加圧し、樹脂膜を硬化させた。次いで、得られた硬化物の銅箔をエッチングにより除去し、サンプルとして硬化物を製造した。
得られた硬化物について、1GHzでの誘電正接を空洞共振器法で測定した。
得られたプリント配線板を用いて、JIS C-6481:1996に準拠して、上述の粗化処理後の23℃におけるピール強度を測定した。
得られた半導体パッケージについて、JEDEC(レベル1)に準拠して、温度85℃、湿度85%、時間168時間の前処理を行い、その後、260℃に達するリフロー炉に10回通し、超音波探傷装置でビア内のめっき、および配線形成されためっきについて評価した。表1の各符号は以下の通りである。
○:めっき膨れ無し
△:リフロー2回まで、めっき膨れ無し
×:リフロー1回以下で、めっき膨れ有り
炭酸ガスレーザーでビアホール(VH)形成、およびデスミア後に、ビア底を走査型電子顕微鏡(SEM)でスミアの残渣を確認した。尚、評価サンプルは前記レーザー加工および外層回路の形成時のデスミア処理を行ったVHを任意に50個選んだ。
各符号は、以下の通りである。
◎:良好、残渣が全く存在しない
○:実質上問題なし、VH壁面から5μm未満の残渣あり
△:実質上使用不可、VH壁面から5μm以上の残渣あり
×:使用不可、ビア底全面に残渣あり
得られたプリント配線基板のL/S=15/15μmの微細回路パターンの絶縁信頼性評価を行った。温度130℃、湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。なお、抵抗値106Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
○:500時間以上故障なし
△:200~500時間未満で故障あり(実質上問題なし)
×:200時間未満で故障あり
20 樹脂膜
30 キャリア基材
50 カバーフィルム
100 コア層
102 絶縁層
104 ビアホール
106 無電解金属めっき膜
108 金属層
200 半導体パッケージ
202 無電解金属めっき膜
204 レジスト
206 開口部
208 電解金属めっき層
210 開口部
220 金属層
230 ソルダーレジスト層
240 半導体素子
250 半田バンプ
260 封止材層
Claims (11)
- 回路基板用の樹脂組成物であって、
分子内に脂環式構造を有するアリル化合物と、
マレイミド化合物と、
重合開始剤と、
無機充填材と、を含む、樹脂組成物であって、
プリント配線基板の絶縁層に用いられる、樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
前記アリル化合物の重量平均分子量が、1,000~5,000である、樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の樹脂組成物であって、
熱可塑性樹脂を含む、樹脂組成物。 - 請求項3に記載の樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂およびクマロン樹脂からなる群から選択される一種以上を含む、樹脂組成物。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
前記無機充填材が、シリカを含む、樹脂組成物。 - 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物であって、
前記重合開始剤が、過酸化物を含む、樹脂組成物。 - キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる樹脂膜と、
を備える、キャリア付樹脂膜。 - 請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂組成物中に繊維基材を含むプリプレグ。
- 請求項8に記載のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなる積層板。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、プリント配線基板。
- 請求項10に記載のプリント配線基板と、
前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019023632A JP7305975B2 (ja) | 2019-02-13 | 2019-02-13 | 樹脂組成物、それを用いたキャリア付樹脂膜、プリプレグ、積層板、プリント配線基板および半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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