JP6695557B2 - 終端保持具 - Google Patents

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Description

本発明は、各種木構造を補強するため、部材にタイロッドを取り付ける場合に用いる終端保持具に関する。
木造建築を始めとする各種木構造において、離れて配置される部材同士をタイロッドで引き寄せ、剛性を向上することがある。タイロッドは金属部品であり、木造建築の自然な雰囲気を損ねる恐れもあるが、屋根裏や壁内などでは完全に覆い隠され、美観に影響を与えることはない。なおタイロッドは、その性質上、圧縮荷重を伝達することができず、筋交いとして使用するには、X字状に配置するなどの対策を要する。またタイロッドの使用に際しては、結露やサビについても十分な配慮を要する。
木造建築の骨格を補強するため、タイロッドを使用する技術の例として、後記特許文献が挙げられ、そのうち特許文献1では、部材を強固に結合するための筋違緊定具が開示されている。この筋違緊定具は、縦袈材と横架材で構成される空間に筋違ボルトを配置するための機能を有し、筋違ボルトを取り付けるための曲面部と、この曲面部の両端に形成した直線状の取付部と、で構成される。そして筋違緊定具の取付部は、曲面部の中心を向くように伸びており、その一方は縦袈材に接触し、他方は横架材に接触し、さらにボルトとナットで部材に固定される。また曲面部には、周方向に伸びる長孔を設けてあり、筋違ボルトの引き出し角度を所定の範囲で自在に調整できる。なおここでの筋違ボルトは、タイロッドに相当する。
次の特許文献2では、住宅の屋根部分を構築するトラス構造が開示されている。この構造は、軽量化や組み立て作業の簡素化を実現するためのもので、登り梁・水平梁・登り梁束・斜材などで構成され、そのうち登り梁は、屋根の勾配に沿って斜方向に配置され、次に水平梁は、左右の登り梁の下端部同士を結ぶ。また登り梁束は、登り梁と水平梁を垂直に結び、残る斜材は、登り梁と水平梁を斜方向に結ぶ。そしてこの文献では、個々の構成要素に作用する荷重を調査し、登り梁束と斜材の一部には、圧縮荷重が作用しないことに着目し、これらに丸鋼を切り出したブレースを用いている。なおここでのブレースは、タイロッドに相当しており、鋼材と比べて軽量で、しかもトラス構造への取り付けや張力の調整も容易で、組み立て作業の簡素化が実現する。
実公昭31−018218号公報 特開平06−306991号公報
近年の木造建築は、集成材の製造技術の向上や、部材同士を連結する金物の進化により、従来にはない特異な骨格構造も無理なく実現できるようになり、その一例として木造ドームが挙げられる。この木造ドームの施工方法は様々だが、最も単純なものは、アーチ状に湾曲した柱を環状に配置し、隣接する柱同士の間を板材で塞ぐことが多い。この柱の下端部は、ドームの外縁に沿って等角度で配置するが、柱の上端部では全てが一点に集合する。したがって柱の下部では、隣接する柱同士の間隔が広がり、変形を生じやすくなり、その対策として、隣接する柱をタイロッドでつなぐことがある。
この木造ドームなど、複雑な形状の木造建築を補強するため、部材にタイロッドを取り付ける場合、その引き出し方向は、部材の側面に対して直角ではなく、斜めになることも多い。したがってタイロッドの一端を部材に取り付けるための手段は、引き出し方向の変化に対応できることが望ましい。また木造ドームなどでは、その骨格を意図的に露出させることも多く、タイロッドの取り付け箇所についても、美観に十分な配慮が必要である。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、各種木構造を補強するため、部材にタイロッドを取り付ける場合に用い、タイロッドの引き出し方向を調整できるほか、美観にも配慮された終端保持具の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、アーチ状柱などの各種部材にタイロッドの一端を取り付けるために用いる終端保持具であって、前記部材に設けた埋設穴に埋め込む筒状の本体と、該本体の内空間に収納する可動片と、該本体の端面を塞ぐキャップと、からなり、前記可動片には、前記タイロッドの端部に設けたオネジと螺合する連結ネジを形成し、前記キャップには、前記連結ネジと螺合した前記タイロッドを通すための出口を設け、前記キャップは、ボルトなどで前記本体に固定することで、前記可動片の脱落を防ぎ、前記タイロッドの一端を係留し、前記内空間の内周面には、前記本体の軸線方向に伸びる案内溝を設け、且つ前記可動片には、該案内溝に嵌まり込む凸部を設け、該案内溝と該凸部により、該可動片が該本体の軸線を中心として回転することを防ぎ、前記凸部の軸線を中心として前記可動片は揺動自在で、この揺動によって前記タイロッドの引き出し方向を調整可能であることを特徴とする。
本発明による終端保持具は、木造建築を始めとする各種木構造において、部材にタイロッドの一端を取り付けるために用いられ、部材については、木材(各種集成材を含む)であることを前提とするが、柱や梁など、特定の用途に限定されるものではなく、汎用的に使用可能である。そしてこの終端保持具は、本体と可動片とキャップの三要素を中心に構成される。なお、一組の終端保持具に対し、タイロッドは原則として背中合わせに二本配置するが、用途によっては、片側だけの一本とすることもある。
本体は、筒状の金属部品で、部材に加工した埋設穴に埋め込む。ここで本体の内部空間は、内空間と称するものとし、この内空間は、本体の両端面を貫いている。また埋設穴は、本体を緩みなく埋め込み可能な大きさに仕上げる。したがって施工後は、本体のほぼ全域が部材の中に埋まる。なお本体や埋設穴は、原則として円断面とする。そのほか埋設穴は、部材の両側面を貫くこともあれば、有底となることもある。
可動片は、タイロッドの端部と一体化し、本体の内空間に収納される金属部品である。さらに一個の可動片について、一本のタイロッドを一体化するため、二本のタイロッドを引き出す場合、内空間に二個の可動片が並ぶ。そして可動片は、本体の軸線方向に沿って変位できるよう、各部の寸法を調整する。また可動片とタイロッドを一体化するため、可動片の中央には、メネジ状の連結ネジを形成する。なおタイロッドの端部には、連結ネジと螺合するオネジを形成してあることを前提とする。
連結ネジは可動片を貫いており、タイロッドの端部は、可動片を通り抜けて露出させることができる。そのためタイロッドに作用する張力は、連結ネジの全体を介して可動片に伝達され、局地的な応力集中を防ぐことができる。なおタイロッドのオネジは、右ネジではなく左ネジとなる場合があり、可動片の連結ネジについても、右ネジではなく、左ネジとなる場合がある。
キャップは、本体の端面を覆い隠す板で、内空間を塞ぐことで、可動片の脱落を防ぐ。したがってキャップには、タイロッドを通すための出口を設ける。またキャップは、原則として一個の本体に対して二枚用い、本体の両端面を覆い隠すが、タイロッドが一本だけの場合、キャップを一枚だけとすることもある。さらにキャップは、本体と一体化する必要があり、通常はその手段として、ボルトを用いる。このボルトは、キャップに設けた丸穴に差し込み、本体の固定ネジに螺合させる。
可動片と一体化したタイロッドに張力が作用すると、内空間に収納された可動片が変位し、やがてキャップと接触するため、キャップを介して本体に張力が伝達する。したがってキャップは、本体に対し、強固に取り付ける必要がある。またキャップは、本体よりも大径とし、キャップの外縁を部材の表面に接触させることもできる。仮に、このようなキャップを二枚用い、その間で部材を挟み込むならば、必然的に終端保持具が部材に固定される。なお終端保持具を部材に固定する方法は、ここに挙げた二枚のキャップ31による挟み込み以外にも、自在に選択可能である。
案内溝は、本体の内空間の内周面を削り込んで形成した溝で、本体の軸線方向に伸びており、中心軸を挟んで対称形に配置する。また可動片には、案内溝に嵌まり込む凸部を設け、凸部が案内溝に嵌まり込むことで、可動片は、本体の軸線を中心とする回転が不可能になるよう、各部の寸法を調整する。これにより、可動片が内空間の中で自然に回転し、タイロッドとの螺合が解消されることを防ぐ。なお凸部は、案内溝から離脱不能となるが、可動片は、案内溝に沿って自在に変位可能とする。
加えて内空間に収納された可動片は、凸部の軸線を中心として自在に揺動できるよう、各部の寸法を調整する。この揺動により、可動片と一体となったタイロッドの引き出し方向を調整可能になり、部材の側面に対して直角のほか、所定の交角を持たせることもできる。なおキャップに設ける出口は、タイロッドの揺動を想定した大きさにする。
このように、部材にタイロッドを取り付けるために用いる終端保持具は、本体と可動片とキャップの三要素を中心に構成し、可動片とタイロッドを一体化し、可動片は、本体の内部で揺動自在とすることで、タイロッドの引き出し方向を所定の範囲で調整可能となる。また施工後、部材の表面に露出するのはキャップだけで、本体や可動片は、その奥に覆い隠される。そのため、キャップの中心からタイロッドが伸びるだけの単純な外観となり、美観を悪化させることがない。
請求項1記載の発明のように、終端保持具は、本体と可動片とキャップの三要素を中心に構成し、本体の内空間で可動片を揺動自在に収納するほか、可動片とタイロッドを一体化することで、タイロッドの引き出し方向を所定の範囲で調整可能となる。しかも可動片は、案内溝と凸部との嵌まり込みより、自在に回転することはなく、可動片とタイロッドとの螺合に緩みを生じることもない。
また本発明では、キャップが部材の表面に配置され、本体や可動片はその奥に覆い隠され、キャップの中心からタイロッドが伸びるだけの単純な外観となり、美観を悪化させることがない。そのため木造ドームなど、その骨格を意図的に露出させる場合でも、無理なく使用可能である。なおキャップも部材に埋め込み、部材とキャップのそれぞれの表面を段差なく並べ、美観を一段と向上させることもできる。
図1は、本発明による終端保持具の形状例とその使用例を示す斜視図で、図の左上には、計六本のアーチ状柱で構成される木造ドームを描いてある。 図2は、図1の終端保持具をアーチ状柱に組み込む過程を示す斜視図で、図の上方には、本体を埋め込む前の状態を描いてあり、図の下方には、埋め込んだ後の状態を描いてある。 図1の終端保持具をアーチ状柱に組み込んだ後の状態と、終端保持具の内部構造を示す斜視図である。 図1とは異なる終端保持具の構成例を示す斜視図で、直線状に立ち上がる直立材に一本のタイロッドを取り付けることを想定しており、タイロッドに作用する張力は、ラグスクリューを介して直立材に伝達していく。 図4の終端保持具を直立材に埋め込む過程を示す斜視図で、図の上方では、直立材を縦断面で描いてある。
図1は、本発明による終端保持具の形状例とその使用例を示し、図1の左上には、計六本のアーチ状柱41で構成される木造ドームを描いてある。アーチ状柱41は、所定の半径に屈曲させた部材で、集成材などの木材を用いており、計六本を等角度で配置し、これらが最上部で一点に集まり、木造ドームの骨格を形成する。そして隣接するアーチ状柱41は、下方に向かうに連れて間隔が広がるため、その中間付近で剛性が低下し、変位を生じやすくなる。そこで隣接するアーチ状柱41の間をタイロッド46でつなぎ、剛性の低下を打ち消す。なおタイロッド46は、途切れることなく木造ドームを一周するように配置してある。
アーチ状柱41にタイロッド46を取り付けるための終端保持具は、本体11と可動片21とキャップ31を中心に構成される。そのうち本体11は円筒状の金属部品で、アーチ状柱41に加工した埋設穴42に埋め込む。埋設穴42は、アーチ状柱41の両側面を貫いており、本体11を緩みなく埋め込み可能な内径に仕上げてある。また本体11の中心付近には、両端面を貫く内空間12を設けてある。内空間12は円断面だが、その上下二箇所には、半円形の案内溝13を設けてある。案内溝13についても、途切れることなく、本体11の両端面を貫いている。
可動片21は、本体11の内空間12に収納する金属部品で、円柱形を基調とするが、その上下の中心には、小径の凸部23が伸びている。可動片21は、内空間12に余裕で収納できる大きさで、しかも凸部23は案内溝13に嵌まり込む。なお、内空間12で可動片21の姿勢が変化した場合でも、案内溝13と凸部23との嵌まり込みは維持できるよう、各部の寸法を調整してある。したがって可動片21は、本体11の軸線方向に沿って変位可能だが、本体11の軸線方向を中心として回転することはできない。
可動片21の中央には、連結ネジ27を形成してある。連結ネジ27は、タイロッド46のオネジ47と螺合する役割を担っている。なお連結ネジ27は、可動片21を貫いており、タイロッド46の端部は、可動片21を通り抜けて突出させることができ、タイロッド46が可動片21から離脱することを防ぐ。そのほか図1では、アーチ状柱41の両側面にタイロッド46を取り付けている。そのため一個の本体11に対し、二個の可動片21を用いている。
キャップ31は円形の金属板で、本体11の端面に接触して内空間12を塞ぎ、可動片21を閉じ込める役割を担う。さらに図1のキャップ31は、本体11をアーチ状柱41に固定する役割も担い、同一形状の二枚のキャップ31で本体11の両端面を塞ぐ。またキャップ31は、ボルト39を用いて本体11に取り付ける。そのためキャップ31には、ボルト39の軸部を差し込むため、丸穴35を設けてあり、本体11の各端面には、ボルト39と螺合する固定ネジ15を形成してある。なお図1では、一枚のキャップ31を二本のボルト39で取り付けている。そのほかキャップ31の中心には、タイロッド46を通すため、出口36を設けてある。出口36は、タイロッド46の揺動を考慮し、横に伸びた長穴状としてある。
図1では美観を考慮し、キャップ31をアーチ状柱41の表面付近に埋め込む。そのため埋設穴42の両端部には、内径を拡大した額溝43を加工してある。なお本体11の延長は、対向する二列の額溝43の間の距離と等しく、埋設穴42に埋め込まれた本体11にキャップ31を取り付けると、必然的に本体11は変位不能になる。そのほかキャップ31の裏面には、二箇所に突起33を設けてあり、これが案内溝13に嵌まり込むことで、キャップ31が本体11に対して回転不能になり、丸穴35と固定ネジ15が同心に揃い、ボルト39の差し込みが容易になる。
図2は、図1の終端保持具をアーチ状柱41に組み込む過程を示している。図2の上方に描くように、アーチ状柱41には、あらかじめ埋設穴42と額溝43を加工してある。埋設穴42は、本体11を緩みなく埋め込み可能な内径で、さらに埋設穴42の延長(額溝43よりも奥の範囲の延長)は、本体11の延長と等しい。また額溝43についても、キャップ31を隙間なく埋め込み可能な内径で、しかも埋め込まれたキャップ31の表面は、アーチ状柱41の側面と段差なく並ぶ。
可動片21は、一個の本体11に対して二個用いており、アーチ状柱41の両側面にタイロッド46を取り付けることができる。また可動片21が本体11から離脱しないよう、本体11の両端面をキャップ31で塞いでいる。なお、終端保持具の組み込みに際しては、まず本体11を埋設穴42に埋め込み、次に、二枚のキャップ31のそれぞれについて、その出口36にタイロッド46を差し込み、その後、可動片21の連結ネジ27にタイロッド46のオネジ47を螺合させ、タイロッド46の端部を可動片21から露出させる。
このように、タイロッド46を可動片21に取り付けた後、可動片21を本体11の内空間12に収納し、さらに額溝43にキャップ31を嵌め込み、ボルト39を取り付けると、アーチ状柱41にタイロッド46が取り付けられる。なお本体11は、二個の可動片21を余裕で収納できる延長を確保してある。また可動片21は、上下の凸部23を中心として揺動可能で、タイロッド46の引き出し方向を調整することができ、これに伴い、キャップ31の出口36は、横に伸びた長穴状としてある。
図3は、図1の終端保持具をアーチ状柱41に組み込んだ後の状態と、終端保持具の内部構造を示している。二枚のキャップ31は、アーチ状柱41の額溝43に段差なく埋め込まれ、キャップ31の出口36からタイロッド46が突出している。このように終端保持具は、アーチ状柱41などの部材に埋め込んで使用できるほか、タイロッド46に取り付けられる可動片21も覆い隠され、美観を損なう要因がない。なお美観を一段と向上するため、ボルト39の頭部をキャップ31に埋め込むこともある。
図3の下方には、本体11とキャップ31を半割にした内部構造を描いてあり、本体11の内空間12には、二個の可動片21が並んでいる。そして可動片21の上下の凸部23は、本体11の案内溝13に嵌まり込んでいる。なお凸部23は、案内溝13から離脱できないよう、各部の寸法を調整してあり、可動片21が回転(本体11の軸線を中心とする回転)することはない。また凸部23を中心として可動片21が揺動することで、タイロッド46の引き出し方向を調整可能で、図1の木造ドームのように、部材の側面に対し、斜方向にタイロッド46を取り付けることができる。
タイロッド46に作用する張力は、可動片21からキャップ31を経て本体11に伝達する。そのため可動片21とキャップ31との接触箇所や、キャップ31を取り付けるボルト39には、十分な強度を持たせる必要がある。また図3では、アーチ状柱41に額溝43を加工し、そこにキャップ31を埋め込んでいるが、額溝43を省略し、キャップ31を部材の表面に載せることもできる。この場合、埋設穴42と本体11の延長を揃えることが望ましい。
本発明による終端保持具は、埋設穴42を加工可能なあらゆる部材に組み込み可能で、当然ながらアーチ状柱41に限定されることはない。また、終端保持具を各種部材に固定する方法は、二枚のキャップ31による挟み込みのほか、本体11やキャップ31から部材に向けて釘類を差し込むなど、様々である。そのほかタイロッド46は、原則として二本を背中合わせに配置するが、建物の端部など、状況によっては一方だけとすることもある。
図4は、図1とは異なる終端保持具の構成例を示し、直線状に立ち上がる直立材48に一本のタイロッド46を取り付けることを想定しており、タイロッド46に作用する張力は、ラグスクリュー61を介して直立材48に伝達していく。図4では、タイロッド46が一本で、可動片21も一個となる。またラグスクリュー61を用いるため、キャップ31は、本体11と外径を揃えてある。さらに美観を考慮し、キャップ31の丸穴35の入口側にはザグリ37を設け、ボルト39の頭部を埋め込む。そして直立材48に加工した埋設穴42は、ラグスクリュー61との兼ね合いで反対面に貫くことなく、有底としてあり、その深さは、直立材48の側面にキャップ31が段差なく並ぶよう、調整してある。
本体11の両端面のうち、タイロッド46が配置されない方(図の右側)には、裏キャップ51を取り付ける。裏キャップ51についても、ボルト39で本体11に取り付ける点は共通しており、裏キャップ51には、このボルト39に対応し、ザグリ57と丸穴55を設けてあり、本体11の端面には、このボルト39と螺合する固定ネジ15を形成してある。そして裏キャップ51の中心には、メネジ状の引きネジ56を形成してある。
ラグスクリュー61は円柱状で、その側周面には、螺旋状に伸びる凸条62が突出しており、また一端面には、埋め込みの際に工具を掛けるため、六角形の頭部63を形成してあり、さらに中心には、両端面を貫く中穴64を設けてある。そしてラグスクリュー61は、埋設穴42と同心の細穴44に埋め込み、タイロッド46に作用する張力を受け止める。細穴44は、直立材48の側面から埋設穴42の底面に到達しており、凸条62が細穴44の内周面に食い込むことで、ラグスクリュー61が直立材48に固定される。
埋設穴42に埋め込まれた終端保持具は、引きボルト58を介してラグスクリュー61と一体化する。引きボルト58は、その先部をラグスクリュー61の中穴64に差し込み、裏キャップ51の引きネジ56と螺合させることで、終端保持具をラグスクリュー61に引き寄せ、タイロッド46に作用する張力を伝達する。なお細穴44の延長は、ラグスクリュー61のほか、引きボルト58の頭部を収納するように調整してあり、施工後、細穴44から突出するものはない。
図5は、図4の終端保持具を直立材48に埋め込む過程を示しており、図の上方では、直立材48を縦断面で描いてある。ラグスクリュー61は、細穴44に食い込んで固定されており、さらに裏キャップ51は、引きボルト58でラグスクリュー61に引き寄せられており、タイロッド46に作用する張力は、ラグスクリュー61を介して直立材48に伝達する。
図5では、ラグスクリュー61の埋め込み量を調整してあり、その一端面は、埋設穴42の底面と段差なく並び、裏キャップ51と接触する。また埋設穴42の深さは、本体11とキャップ31と裏キャップ51の全てを埋め込むように調整してあり、直立材48とキャップ31の双方の表面は、段差なく並ぶ。さらに引きボルト58の頭部は、細穴44の中に収容される。したがって施工後は、直立材48の側面からタイロッド46だけが突出し、可動片21などは覆い隠されるため、美観に優れる。なお、裏キャップ51に差し込むボルト39の頭部は、ザグリ57に収納され、裏キャップ51は、埋設穴42の底面に接触する。
11 本体
12 内空間
13 案内溝
15 固定ネジ
21 可動片
23 凸部
27 連結ネジ
31 キャップ
33 突起
35 丸穴
36 出口
37 ザグリ
39 ボルト
41 アーチ状柱(部材)
42 埋設穴
43 額溝
44 細穴
46 タイロッド
47 オネジ
48 直立材(部材)
51 裏キャップ
55 丸穴
56 引きネジ
57 ザグリ
58 引きボルト
61 ラグスクリュー
62 凸条
63 頭部
64 中穴

Claims (1)

  1. アーチ状柱(41)などの各種部材にタイロッド(46)の一端を取り付けるために用いる終端保持具であって、
    前記部材に設けた埋設穴(42)に埋め込む筒状の本体(11)と、該本体(11)の内空間(12)に収納する可動片(21)と、該本体(11)の端面を塞ぐキャップ(31)と、からなり、
    前記可動片(21)には、前記タイロッド(46)の端部に設けたオネジ(47)と螺合する連結ネジ(27)を形成し、
    前記キャップ(31)には、前記連結ネジ(27)と螺合した前記タイロッド(46)を通すための出口(36)を設け、
    前記キャップ(31)は、ボルト(39)などで前記本体(11)に固定することで、前記可動片(21)の脱落を防ぎ、前記タイロッド(46)の一端を係留し、
    前記内空間(12)の内周面には、前記本体(11)の軸線方向に伸びる案内溝(13)を設け、且つ前記可動片(21)には、該案内溝(13)に嵌まり込む凸部(23)を設け、該案内溝(13)と該凸部(23)により、該可動片(21)が該本体(11)の軸線を中心として回転することを防ぎ、
    前記凸部(23)の軸線を中心として前記可動片(21)は揺動自在で、この揺動によって前記タイロッド(46)の引き出し方向を調整可能であることを特徴とする終端保持具。
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