JP6695300B2 - 2,4−ジエナール=アセタール化合物及び2,4−ジエナール化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
そのため、共役ジエン構造及び共役トリエン構造を有する性フェロモン化合物の基礎的な生物学的研究や農学的研究のために、また、応用や実用に供する目的のために、十分量のフェロモン原体の供給が可能な効率的な2,4−ジエナール=アセタール化合物及び2,4−ジエナール化合物の製造方法が強く望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、共役ジエン構造及び共役トリエン構造を有する性フェロモン化合物の合成中間体として有用な2,4−ジエナール=アセタール化合物及び2,4−ジエナール化合物の製造方法を提供する。
本発明の一つの態様によれば、下記一般式(1)
R1CHX-CH2-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (1)
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜13の置換又は非置換の一価の炭化水素基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表し、又は結合してR2−R3として炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表し、Xは、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、炭素数3〜20のシリルオキシ基、炭素数1〜10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアレーンスルホニルオキシ基、又はハロゲン原子である脱離基を表す。)
で表される5位に脱離基Xを有する2−エナール=アセタール化合物に対し、塩基存在下で脱離反応を行うことにより、下記一般式(2)
R1CH=CH-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (2)
で表される2,4−ジエナール=アセタール化合物を得る工程を少なくとも含む2,4−ジエナール=アセタール化合物の製造方法が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、下記一般式(1)
R1CHX-CH2-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (1)
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜13の置換又は非置換の一価の炭化水素基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表し、又は結合してR2−R3として炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表し、Xは、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、炭素数3〜20のシリルオキシ基、炭素数1〜10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアレーンスルホニルオキシ基、又はハロゲン原子である脱離基を表す。)
で表される5位に脱離基Xを有する2−エナール=アセタール化合物に対し、塩基存在下で脱離反応を行うことにより、下記一般式(2)
R1CH=CH-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (2)
で表される2,4−ジエナール=アセタール化合物を得る工程と、
前記2,4−ジエナール=アセタールを脱保護することにより下記一般式(3)
R1CH=CH-CH=CH-CHO (3)
で表される2,4−ジエナール化合物を得る工程とを少なくとも含む2,4−ジエナール化合物の製造方法が提供される。
更に、得られた2,4−ジエナール=アセタール化合物を脱保護することにより、2,4−ジエナール化合物を効率的に製造することができる。
5位に脱離基Xを有する2−エナール=アセタール化合物は下記一般式(1)で表される。
R1CHX-CH2-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (1)
式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜13の置換又は非置換の一価の炭化水素基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表し、又は結合してR2−R3として炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表す。
R1に対応する一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基等の直鎖状の飽和炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基等の分岐状の飽和炭化水素基、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基等の直鎖状の不飽和炭化水素基、イソプロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基等の分岐状の不飽和炭化水素基、シクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の環状炭化水素基等が挙げられ、これらと異性体の関係にある炭化水素基でも良い。また、これらの炭化水素基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
R2及びR3に対応する一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の直鎖状の飽和炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基等の分岐状の飽和炭化水素基、2−プロペニル基、2−プロピニル基等の直鎖状の不飽和炭化水素基、2−メチル−2−プロペニル基等の分岐状の不飽和炭化水素基、シクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の環状炭化水素基等が挙げられ、これらと異性体の関係にある炭化水素基でも良い。また、これらの炭化水素基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
R2及びR3に対応する一価の炭化水素基は、脱保護における反応性や精製の容易さを考慮すると、反応性が高く、脱保護により生成する副生物が水洗や濃縮によって容易に除去可能な低級(好ましくは炭素数1〜4)炭化水素基や一級炭化水素基が好ましい。これらを考慮すると、R2及びR3に対応する一価の炭化水素基の特に好ましい例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基等が挙げられる。
R2−R3に対応する二価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは2〜10、より好ましくは炭素数2〜6である。
R2−R3に対応する二価の炭化水素基としては、例えば、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基等の直鎖状の飽和炭化水素基、1,2−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、2,3−ブチレン基、2,3−ジメチル−2,3−ブチレン基等の分岐状の飽和炭化水素基、1−ビニルエチレン基、(Z)−2−ブテン−1,4−ジイル基等の直鎖状の不飽和炭化水素基、2−メチレン−1,3−プロピレン基等の分岐状の不飽和炭化水素基、1,2−シクロプロピレン基、1,2−シクロブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,2−フェニレン基等の環状炭化水素基等が挙げられ、これらと異性体の関係にある炭化水素基でも良い。また、これらの炭化水素基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
R2−R3に対応する二価の炭化水素基は、脱保護における反応性や精製の容易さ、入手の容易さを考慮すると、反応性が高く、脱保護により生成する副生物が水洗や濃縮によって容易に除去可能な低級(好ましくは炭素数1〜4)炭化水素基が好ましい。これらを考慮すると、R2−R3に対応する二価の炭化水素基の特に好ましい例として、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,3−ブチレン基、2,3−ジメチル−2,3−ブチレン基等が挙げられる。
Xに対応するアルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜12、より好ましくは炭素数1〜9である。
Xに対応するアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基等の直鎖状の飽和アルコキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等の分岐状の飽和アルコキシ基、2−プロペニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基等の直鎖状の不飽和アルコキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基等の分岐状の不飽和アルコキシ基、シクロプロピルオキシ基、2−メチルシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等の環状アルコキシ基、ベンジルオキシ基、パラメトキシベンジルオキシ基等の芳香環を含有するアルコキシ基、メトキシメトキシ基、2−メトキシエトキシメトキシ基、ベンジルオキシメトキシ基、パラメトキシベンジルオキシメトキシ基、1−エトキシエトキシ基、テトラヒドロピラン−2−イルオキシ基等のオキシアルコキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のハロゲン化アルコキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルコキシ基でも良い。また、これらのアルコキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
Xに対応するアルコキシ基としては、入手の容易さ、脱離により生成する副生物が水洗や濃縮によって容易に除去可能であること等の観点から特に好ましい例として、メトキシ基、エトキシ基、2−プロペニルオキシ基、メトキシメトキシ基、1−エトキシエトキシ基等が挙げられる。
Xに対応するアシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、クロトニルオキシ基等の直鎖状の脂肪族アシルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基等の分岐状の脂肪族アシルオキシ基、トリクロロアセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等のハロゲン化アシルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等の芳香族アシルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアシルオキシ基でも良い。また、これらのアシルオキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
Xに対応するアシルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
Xに対応するシリルオキシ基としては、例えば、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基等のトリアルキルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基等のモノアルキルジアリールシリルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるシリルオキシ基でも良い。また、これらのシリルオキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
Xに対応するシリルオキシ基としては、入手の容易さ、脱離により生成する副生物が濃縮によって容易に除去可能であること等の観点から特に好ましい例として、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基等が挙げられる。
Xに対応するアルカンスルホニルオキシ基としては、例えばメタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、1−ブタンスルホニルオキシ基、1−オクタンスルホニルオキシ基、アリルスルホニルオキシ基、10−カンファ―スルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンジルスルホニルオキシ基が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルカンスルホニルオキシ基でも良い。また、これらのアルカンスルホニルオキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
Xに対応するアルカンスルホニルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
Xに対応するアレーンスルホニルオキシ基としては、例えば、ベンゼンスルホニルオキシ基、4−クロロベンゼンスルホニルオキシ基、4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ基、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、1−ナフタレンスルホニルオキシ基、2−ナフタレンスルホニルオキシ基が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアレーンスルホニルオキシ基でも良い。また、これらのアレーンスルホニルオキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていても良い。
Xに対応するアレーンスルホニルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、ベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
Xに対応するハロゲン原子としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
脱離基Xが脱離能の低いアルコキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基である利点としては、アルカンスルホニルオキシ基、アレーンスルホニルオキシ基、ハロゲン原子に比べ、5位に脱離基Xを有する2−エナール=アセタール化合物の熱安定性が高いため、工業的に有利な蒸留による精製が容易であること等が挙げられる。
一方、アセタール基の代わりに炭化水素基を有する基質では、4位の酸性度が高まらないため、脱離能の低いアルコキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基では特に脱離反応が効率的に進行しない。
なお、R1が水素原子である場合においては、ペンテナール=アセタール化合物となる。
脱離反応に用いる塩基の使用量は、収率及び経済性の観点から、5位に脱離基Xを有する2−エナール=アセタール化合物(1)1molに対して、好ましくは0.6〜3mol、より好ましくは0.7〜2mol、更に好ましくは0.8〜1.5molである。
脱離反応に用いる溶媒の使用量は、5位に脱離基Xを有する2−エナール=アセタール化合物(1)1molに対し、好ましくは0〜10,000g、より好ましくは0〜5,000gである。
塩基としてアミン類を用いる場合における脱離反応の反応温度は、収率の観点から、好ましくは0〜180℃、より好ましくは10〜150℃、更に好ましくは20℃〜130℃である。
R1が炭素数1〜13の置換又は非置換の一価の炭化水素基である場合における2,4−ジエナール=アセタール化合物(2)の幾何異性体としては、(2E、4E)−2,4−ジエナール=アセタール化合物、(2E、4Z)−2,4−ジエナール=アセタール化合物、(2Z、4E)−2,4−ジエナール=アセタール化合物、(2Z、4Z)−2,4−ジエナール=アセタール化合物が挙げられる。
脱保護としては、加水分解反応による脱保護、求核置換反応による脱保護等が挙げられる。
加水分解反応による脱保護に用いる酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類又はこれらの塩類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機酸類又はこれらの塩類、テトラフルオロホウ酸リチウム、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、四塩化錫、四臭化錫、二塩化錫、四塩化チタン、四臭化チタン、トリメチルヨードシラン等のルイス酸類、アルミナ、シリカゲル、チタニア等の酸化物、モンモリロナイト等の鉱物を挙げることができ、これらは単独又は混合して用いられる。
pH値は、例えばpH試験紙や測定対象の液温を25℃としてpHメータを用いて測定できる。
加水分解反応による脱保護の反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)やシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5〜24時間程度である。
また、アセタールの加水分解により生成するアルコールを留出や層分離等の方法で系外に除去しながら反応を行っても良い。
求核置換反応による脱保護に用いる求核試薬としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、四塩化チタン、塩化亜鉛等のハロゲン化金属塩、三臭化ホウ素、ブロモジメチルボラン等のハロゲン化ホウ素、ヨードトリメチルシラン、ブロモトリメチルシラン等のハロゲン化ケイ素を挙げることができ、これらは単独又は混合して用いられる。
求核置換反応による脱保護に用いる求核試薬の使用量としては、基質の2,4−ジエナール=アセタール化合物1molに対して、好ましくは0.6〜20mol、より好ましくは0.7〜10mol、更に好ましくは0.8〜5molである。
求核置換反応による脱保護に用いる溶媒の使用量としては、2,4−ジエナール=アセタール化合物1molに対し、好ましくは0〜10,000gである。
求核置換反応による脱保護の反応時間は、任意に設定できるが、ガスクロマトグラフィー(GC)やシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で反応を追跡して反応を完結させることが収率の点で望ましく、通常0.5〜24時間程度である。
以上のようにして、中間体として有用な2,4−ジエナール=アセタール化合物及び2,4−ジエナール化合物の簡便かつ効率的な製造方法が提供される。
化合物のスペクトル測定のサンプルは、必要に応じて粗生成物を精製した。また、粗収率とは、精製を行わずに算出した収率をいう。
実施例1
(Z)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(2)の製造(1)
窒素雰囲気下、反応器にカリウム=t−ブトキシド(169g,1.51mol)、DMF(467g)を加えた後、0〜5℃で撹拌し、(Z)−5,5−ジエトキシ−3−ペンテニル=メトキシメチル=エーテル(262g,1.20mol)を0〜10℃で滴下し、室温で20時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、ヘキサンで抽出し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行った後、減圧蒸留を行うことにより目的の(Z)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(2)(187g,1.07mol)を収率89%で得た。
無色から淡黄色油状液体
IR(D−ATR):ν=3088,2976,2930,2880,1595,1482,1444,1373,1325,1291,1123,1055,1002,911,841,793,604,534cm-1。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.17−1.22(6H,t,J=7.1Hz),3.46−3.54(2H,m),3.61−3.67(2H,m),5.20(1H,d,J=10.3Hz),5.25−5.28(1H,m),5.31(1H,dd,J=1.1,6.5Hz),5.47(1H,dd,J=6.3,11.3Hz),6.15(1H,t,J=11.3Hz),6.68−6.76(1H,m)ppm。
13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ=15.18,60.53,97.69,120.08,128.47,131.87,132.53ppm。
(Z)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(2)の製造(2)
カリウム=t−ブトキシド(169g,1.51mol)の代わりに、ナトリウム=ヘキサメチルジシラジドのテトラヒドロフラン溶液(1.9mol/l,795ml,1.51mol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行い、(Z)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(2)(143g,1.02mol)を収率85%で得た。
(E)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(2)の製造
(Z)−5,5−ジエトキシ−3−ペンテニル=メトキシメチル=エーテル(262g,1.20mol)の代わりに、(E)−5,5−ジエトキシ−3−ペンテニル=メトキシメチル=エーテル(262g,1.20mol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行い、(E)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(2)(161g,1.03mol)を収率86%で得た。
無色から淡黄色油状液体
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.20(6H,t,J=7.1Hz),3.41−3.52(2H,m),3.60−3.66(2H,m),4.93(1H,d,J=4.6Hz),5.14(1H,dd,J=1.4,14.1Hz),5.24−5.27(1H,m),5.67(1H,dd,J=5.2,14.6Hz),6.29−6.37(2H,m)ppm。
13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ=15.17,60.92,100.93,118.76,130.51,133.53,135.90ppm。
(E)−2−ブタ−1,3−ジエニル−4−メチル−1,3−ジオキソラン(2)の製造
(Z)−5,5−ジエトキシ−3−ペンテニル=メトキシメチル=エーテル(262g,1.20mol)の代わりに、(E)−2−(4−メトキシメトキシ−1−ブテニル)−4−メチル−1,3−ジオキソラン(243g,1.20mol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行い、(E)−2−ブタ−1,3−ジエニル−4−メチル−1,3−ジオキソラン(2)(143g,1.02mol)を収率85%で得た。
無色から淡黄色油状液体
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.27(1.5H,d,J=6.1Hz),1.31(1.5H,d,J=6.1Hz),3.41(0.5H,t,J=7.5Hz),3.46(0.5H,t,J=7.5Hz),3.99(0.5H,dd,J=6.3,7.6Hz),4.13(0.5H,dd,J=5.9,7.6Hz),4.15−4.29(1H,m),5.17−5.20(1H,m),5.27−5.34(1.5H,m),5.42(0.5H,d,J=6.1Hz),5.63−5.72(1H,m),6.30−6.42(2H,m)ppm。
(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)の製造(1)
窒素雰囲気下、反応器に(Z)−5,5−ジメトキシ−3−ペンテニル=ベンゾエート(1.03g,4.12mmol)、THF(33g)を加えた後、0〜5℃で撹拌し、カリウム=ヘキサメチルジシラジドのトルエン溶液(0.5mol/l,12.4ml,6.18mmol)を0〜10℃で滴下し、0〜10℃で3時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、エーテルで抽出し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行うことにより目的の(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)(0.422g,3.30mmol)を粗収率80%で得た。
無色から淡黄色油状液体
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=3.27(3H,s),5.14(1H,dd,J=1.6,6.2Hz),5.17−5.26(2H,m),5.37(1H,dd,J=6.1,11.1Hz),6.14(1H,dt,J=0.8,11.8Hz),6.61−6.69(1H,m)ppm。
(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)の製造(2)
窒素雰囲気下、反応器にカリウム=t−ブトキシド(3.35g,29.9mmol)、DMF(20g)を加えた後、0〜5℃で撹拌し、(Z)−エチル=5,5−ジメトキシ−3−ペンテニル=エーテル(3.48g,20.0mmol)を0〜10℃で滴下し、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、エーテルで抽出し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行うことにより目的の(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)(1.92g,15.0mmol)を粗収率75%で得た。
(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)の製造(3)
(Z)−エチル=5,5−ジメトキシ−3−ペンテニル=エーテル(3.48g,20.0mmol)の代わりに、(Z)−5,5−ジメトキシ−3−ペンテニルオキシトリメチルシラン(4.37g,20.0mmol)を用いた以外は、実施例5と同様の方法で行い、(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)(2.08g,16.2mmol)を粗収率81%で得た。
(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)の製造(4)
(Z)−エチル=5,5−ジメトキシ−3−ペンテニル=エーテル(3.48g,20.0mmol)の代わりに、(Z)−5,5−ジメトキシ−3−ペンテニル=メタンスルホナート(4.49g,20.0mmol)を用いた以外は、実施例5と同様の方法で行い、(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)(2.08g,16.2mmol)を粗収率81%で得た。
(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)の製造(5)
(Z)−エチル=5,5−ジメトキシ−3−ペンテニル=エーテル(3.48g,20.0mmol)の代わりに、(Z)−5−クロロ−1,1−ジメトキシ−3−ペンテン(3.29g,20.0mmol)を用いた以外は、実施例5と同様の方法で行い、(Z)−5,5−ジメトキシ−1,3−ペンタジエン(2)(2.05g,16.0mmol)を粗収率80%で得た。
1,1−ジエトキシ−2,4−ヘキサジエン(2)の製造(1)
窒素雰囲気下、反応器に(Z)−6,6−ジエトキシ−4−ヘキセン−2−イル=メタンスルホナート(260mg,0.976mmol)、DBU(220mg,1.45mmol)、トルエン(4g)を加えた後、加熱還流下、5時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行うことにより目的の1,1−ジエトキシ−2,4−ヘキサジエン(2)(122mg,0.781mmol)を2Z4E:2Z4Z=73:27の幾何異性体混合物として粗収率80%で得た。
無色から淡黄色油状液体
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.18−1.24(6H,m),1.78(3H,dd,J=1.5,6.9Hz),3.46−3.54(2H,m),3.61−3.68(2H,m),5.29−5.34(2H,m),5.77(1H,dd,J=7.0,14.9Hz),6.08−6.14(1H,m),6.33−6.50(1H,m)ppm(ZE体)。
1,1−ジエトキシ−2,4−ヘキサジエン(2)の製造(2)
窒素雰囲気下、反応器にカリウム=t−ブトキシド(1.68g,15.0mmol)、DMF(50g)を加えた後、0〜5℃で撹拌し、(Z)−6,6−ジエトキシ−4−ヘキセン−2−イル=メトキシメチル=エーテル(2.58g,11.1mmol)を0〜10℃で滴下し、室温で20時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、エーテルで抽出し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行うことにより目的の1,1−ジエトキシ−2,4−ヘキサジエン(2)(1.23g,7.22mmol)を2Z4E:2Z4Z=73:27の幾何異性体混合物として粗収率65%で得た。
(E)−1,3−テトラデカジエンの製造
窒素雰囲気下、反応器にカリウム=t−ブトキシド(1.69g,15.1mmol)、DMF(4.7g)を加えた後、0〜5℃で撹拌し、(E)−3−テトラデカジエニル=メトキシメチル=エーテル(3.08g,12.0mmol)を0〜10℃で滴下し、室温で20時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、ヘキサンで抽出し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥、濃縮による後処理を行うことにより、1,3−テトラデカジエンの幾何異性体及び二重結合に関する位置異性体の混合物(0.653g,3.36mmol)と原料の(E)−3−テトラデカジエニル=メトキシメチル=エーテル(0.584g,2.28mmol)を含む粗生成物を得た。テトラデカジエン異性体は少なくとも6種存在することがGC/MSにより確認された。二重結合の幾何及び位置は同定できておらず、(E)−1,3−テトラデカジエンの収率は算出できなかった。テトラデカジエン異性体混合物としての粗収率は28%であった。
このように、二重結合のα位のアセタール基の代わりに炭化水素基を持つ基質では、効率的に脱離が進行しなかった。
(E)−2,4−ペンタジエナール(3)の製造(1)
窒素雰囲気下、反応器に(Z)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(77.5g,0.496mol)、トルエン(632g)、水(18g)を加えた後、0〜10℃で撹拌し、20%塩酸(71g)を0〜10℃で滴下し、0〜10℃で3時間撹拌した。pH試験紙で水層のpHが1未満であることを確認した。反応混合物に水を加えた後、苛性ソーダ水溶液で中和し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥による後処理を行うことにより目的の(E)−2,4−ペンタジエナール(3)(39.7g,0.483mol)のトルエン溶液(681g)を収率97%で得た。
無色から淡黄色油状液体
IR(D−ATR):ν=2817,2726,1683,1635,1592,1421,1172,1108,1017,997,935,853,600cm-1。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=5.60(1H,dd,J=0.8,19.9Hz),5.70−5.74(1H,m),6.12−6.16(1H,m),6.52−6.60(1H,m),7.05−7.10(1H,m),9.56(1H,d,J=7.7Hz)ppm。
13C−NMR(125MHz,CDCl3):δ=127.45,132.26,134.73,151.85,193.65ppm。
(E)−2,4−ペンタジエナール(3)の製造(2)
(Z)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(77.5g,0.496mol)の代わりに(E)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(77.5g,0.496mol)を用いた以外は、実施例12と同様の方法で行い、(E)−2,4−ペンタジエナール(3)(39.7g,0.483mol)のトルエン溶液(681g)を収率97%で得た。
(Z)−2,4−ペンタジエナール(3)の製造(1)
窒素雰囲気下、反応器に(Z)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(77.5g,0.496mol)、トルエン(632g)、水(261g)を加えた後、0〜10℃で撹拌し、20%塩酸(1g)を0〜10℃で滴下し、0〜10℃で3時間撹拌した。pH試験紙で水層のpHが2であることを確認した。反応混合物に水を加えた後、苛性ソーダ水溶液で中和し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥による後処理を行うことにより目的の(Z)−2,4−ペンタジエナール(3)(39.7g,0.483mol)のトルエン溶液(681g)を収率97%で得た。
無色から淡黄色油状液体
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=5.66−5.73(2H,m),5.97−6.01(1H,m),6.97−7.09(1H,m),7.25−7.40(1H,m),10.27(1H,d,J=8.0Hz)ppm。
(Z)−2,4−ペンタジエナール(3)の製造(2)
窒素雰囲気下、反応器に(Z)−5,5−ジエトキシ−1,3−ペンタジエン(77.5g,0.496mol)、トルエン(632g)、水(150g)、酢酸(5g)を加えた。pH試験紙で水層のpHが3であることを確認した。続いて、150mmHgに減圧し、75℃で撹拌し、エタノールを3時間留出した。反応混合物に水を加えた後、苛性ソーダ水溶液で中和し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥による後処理を行うことにより目的の(Z)−2,4−ペンタジエナール(39.7g,0.483mol)のトルエン溶液(681g)を収率97%で得た。
(2E,4E)−2,4−ヘキサジエナール(3)の製造
窒素雰囲気下、反応器に1,1−ジエトキシ−2,4−ヘキサジエン(8.44g,49.6mmol)の2Z4E:2Z4Z=73:27の幾何異性体混合物、トルエン(63g)、水(2g)を加えた後、0〜10℃で撹拌し、20%塩酸(7g)を0〜10℃で滴下し、0〜10℃で3時間撹拌した。pH試験紙で水層のpHが1未満であることを確認した。反応混合物に水を加えた後、苛性ソーダ水溶液で中和し、分離した有機層に対し通常の洗浄、乾燥による後処理を行うことにより目的の(2E,4E)−2,4−ヘキサジエナール(3)(4.64g,48.3mmol)のトルエン溶液(68g)を収率97%で得た。
無色から淡黄色油状液体
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.92(3H,d,J=5.2Hz),6.06(1H,dd,J=7.9,15.4Hz),6.18−6.44(2H,m),7.00−7.16(1H,m),9.54(1H,d,J=7.9Hz)ppm。
Claims (6)
- 下記一般式(1)
R1CHX-CH2-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (1)
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜13の置換又は非置換の一価の炭化水素基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表し、又は結合してR2−R3として炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表し、Xは、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、炭素数3〜20のシリルオキシ基、炭素数1〜10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアレーンスルホニルオキシ基、又はハロゲン原子である脱離基を表す。)
で表される5位に脱離基Xを有する2−エナール=アセタール化合物に対し、塩基存在下で脱離反応を行うことにより、下記一般式(2)
R1CH=CH-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (2)
で表される2,4−ジエナール=アセタール化合物を得る工程
を少なくとも含む2,4−ジエナール=アセタール化合物の製造方法。 - 前記塩基が、金属アルコキシド類、有機金属試薬類、金属アミド類、水素化金属類、及びアミン類からなる群から選ばれる請求項1に記載の2,4−ジエナール=アセタール化合物の製造方法。
- 前記R1が、水素原子である請求項1又は請求項2に記載の2,4−ジエナール=アセタール化合物の製造方法。
- 下記一般式(1)
R1CHX-CH2-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (1)
(式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜13の置換又は非置換の一価の炭化水素基を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数1〜10の一価の炭化水素基を表し、又は結合してR2−R3として炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表し、Xは、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、炭素数3〜20のシリルオキシ基、炭素数1〜10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6〜20のアレーンスルホニルオキシ基、又はハロゲン原子である脱離基を表す。)
で表される5位に脱離基Xを有する2−エナール=アセタール化合物に対し、塩基存在下で脱離反応を行うことにより、下記一般式(2)
R1CH=CH-CH=CH-CH(OR2)(OR3) (2)
で表される2,4−ジエナール=アセタール化合物を得る工程と、
前記2,4−ジエナール=アセタールを脱保護することにより下記一般式(3)
R1CH=CH-CH=CH-CHO (3)
で表される2,4−ジエナール化合物を得る工程と
を少なくとも含む2,4−ジエナール化合物の製造方法。 - 前記塩基が、金属アルコキシド類、有機金属試薬類、金属アミド類、水素化金属類、及びアミン類からなる群から選ばれる請求項4に記載の2,4−ジエナール化合物の製造方法。
- 前記R1が、水素原子である請求項4又は請求項5に記載の2,4−ジエナール化合物の製造方法。
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