JP7254665B2 - 4-ペンテン-2-イナールの製造方法 - Google Patents
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Description
CH2=CHC≡CCH(OR1)(OR2) (1)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して炭素数1~15の一価の炭化水素基又はR1とR2が互いに結合してR1-R2として炭素数2~10の二価の炭化水素基を表す。)
で表される5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物の加水分解反応により、下記式(2)
CH2=CHC≡CCHO (2)
で表される4-ペンテン-2-イナールを得る工程
を少なくとも含む、4-ペンテン-2-イナールの製造方法が提供される。
下記式(2)で表される4-ペンテン-2-イナールは、下記の化学反応式に示される通り、下記一般式(1)で表される5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物の加水分解反応により、4-ペンテン-2-イナール(2)を得る工程により製造することができる。
一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基等の直鎖状の飽和炭化水素基、イソプロピル基、2-メチルプロピル基、2-メチルブチル基等の分岐状の飽和炭化水素基、2-プロペニル基等の直鎖状の不飽和炭化水素基、2-メチル-2-プロペニル基等の分岐状の不飽和炭化水素基、シクロプロピル基等の環状の飽和炭化水素基等が挙げられ、これらと異性体の関係にある炭化水素基でもよい。また、これらの炭化水素基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていてもよい。
一価の炭化水素基としては、取扱いの観点から、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基が好ましい。
二価の炭化水素基は、脱保護における反応性又は精製の容易さ、入手の容易さを考慮すると、反応性が高く、脱保護により生成する副生物が水洗又は濃縮によって容易に除去可能な低級(好ましくは炭素数2~4)の炭化水素基が好ましい。
これらを考慮すると、二価の炭化水素基の特に好ましい例として、エチレン基、1,2-プロピレン基、1,3-プロピレン基、1,2-ブチレン基、1,3-ブチレン基、2,3-ジメチル-2,3-ブチレン基等が挙げられる。
上述の酸としては、塩酸、臭化水素酸等の無機酸類、p-トルエンスルホン酸(p-TsOH)、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、しゅう酸、ヨードトリメチルシラン、四塩化チタン等が挙げられるが、反応性の観点から、p-トルエンスルホン酸又はしゅう酸が好ましい。
該酸は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該酸は、市販されているものを用いることができる。
該酸の使用量は、反応完結の観点から、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)1molに対して、好ましくは0.001~10.0molである。
上述の水の使用量は、反応性の観点から、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)1molに対して、好ましくは18~5000gである。
該溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、クメン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、4-メチルテトラヒドロピラン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチル=スルホキシド、アセトニトリル、アセトン、γ-ブチロラクトン、ジクロロメタン、クロロホルム等の極性溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販のものを用いることができる。
用いる酸により最適な溶媒は異なるが、例えば、酸として、p-トルエンスルホン酸を用いる場合は、反応性の観点からテトラヒドロフランが好ましい。
該溶媒の使用量は、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは0~3000gである。
該抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、ビタミンA,ビタミンC、ビタミンE、尿酸、グルタチオン、メラドニン等が挙げられる。
該抗酸化剤は、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)1molに対して、収率の観点から、好ましくは0.001~1000gである。
該抗酸化剤は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該抗酸化剤は、市販されているものを用いることができる。
加水分解反応における反応時間は、用いる溶媒又は反応スケールにより異なるが、反応性の観点から、好ましくは0.5~55時間である。
5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)は、下記の化学反応式に示される通り、下記一般式(3)で表される2-イナール=アセタール化合物の5位の脱離基Zを、塩基の存在下で脱離させることにより、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)を得る工程により製造することができる。
2-イナール=アセタール化合物(3)におけるR1及びR2が一価の炭化水素基及び二価の炭化水素基である場合の具体例はそれぞれ、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)におけるR1及びR2が一価の炭化水素基及び二価の炭化水素基である場合の具体例と同じである。
上述のアルコキシ基の炭素数は1~12、好ましくは炭素数1~9である。
該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基等の直鎖状の飽和アルコキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基等の分岐状の飽和アルコキシ基、2-プロペニルオキシ基、2-プロピニルオキシ基等の直鎖状の不飽和アルコキシ基、2-メチル-2-プロペニルオキシ基等の分岐状の不飽和アルコキシ基、シクロプロピルオキシ基、2-メチルシクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等の環状アルコキシ基、ベンジルオキシ基、パラメトキシベンジルオキシ基等の芳香環を含有するアルコキシ基、メトキシメトキシ基、2-メトキシエトキシメトキシ基、ベンジルオキシメトキシ基、パラメトキシベンジルオキシメトキシ基、1-エトキシエトキシ基、テトラヒドロピラン-2-イルオキシ基等のアルコキシアルコキシ基、2,2,2-トリクロロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のハロゲン化アルコキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルコキシ基でもよい。また、これらのアルコキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていてもよい。
該アルコキシ基としては、入手の容易さ、脱離により生成する副生物が水洗又は濃縮によって容易に除去可能であること等の観点から特に好ましい例として、メトキシ基、エトキシ基、2-プロペニルオキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、1-エトキシエトキシ基等が挙げられる。
上述のアシルオキシ基の炭素数は1~10、好ましくは1~7である。
該アシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、クロトニルオキシ基等の直鎖状の脂肪族アシルオキシ基、2-メチルプロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基等の分岐状の脂肪族アシルオキシ基、トリクロロアセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等のハロゲン化アシルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等の芳香族アシルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアシルオキシ基でもよい。また、これらのアシルオキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていてもよい。
該アシルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
上述のシリルオキシ基の炭素数は3~20、好ましくは3~16、より好ましくは3~10である。
該シリルオキシ基としては、例えば、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基等のトリアルキルシリルオキシ基、t-ブチルジフェニルシリルオキシ基等のモノアルキルジアリールシリルオキシ基等が挙げられ、これらと異性体の関係にあるシリルオキシ基でもよい。また、これらのシリルオキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていてもよい。
該シリルオキシ基としては、入手の容易さ、脱離により生成する副生物が濃縮によって容易に除去可能であること等の観点から特に好ましい例として、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基等が挙げられる。
上述のアルカンスルホニルオキシ基の炭素数は1~10、好ましくは1~7である。
該アルカンスルホニルオキシ基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基 、エタンスルホニルオキシ基、1-ブタンスルホニルオキシ基、1-オクタンスルホニルオキシ基、アリルスルホニルオキシ基、10-カンファースルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンジルスルホニルオキシ基が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアルカンスルホニルオキシ基でもよい。また、これらのアルカンスルホニルオキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていてもよい。
該アルカンスルホニルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
上述のアレーンスルホニルオキシ基の炭素数は6~20、好ましくは6~15、より好ましくは6~7である。
該アレーンスルホニルオキシ基としては、例えば、ベンゼンスルホニルオキシ基、4-クロロベンゼンスルホニルオキシ基、4-メトキシベンゼンスルホニルオキシ基、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、1-ナフタレンスルホニルオキシ基、2-ナフタレンスルホニルオキシ基が挙げられ、これらと異性体の関係にあるアレーンスルホニルオキシ基でもよい。また、これらのアレーンスルホニルオキシ基の水素原子中の一部がメチル基、エチル基等で置換されていてもよい。
該アレーンスルホニルオキシ基としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、ベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
上述のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
該ハロゲン原子としては、入手の容易さの観点から特に好ましい例として、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
Zが炭素数1~10のアシルオキシ基である場合に、2-イナール=アセタール化合物(3)の具体例としては、1,1-ジメトキシ-5-アセチルオキシ-2-ペンチン、1,1-ジエトキシ-5-アセチルオキシ-2-ペンチン等の1,1-ジアルコキシ-5-アセチルオキシ-2-ペンチン化合物等が挙げられる。
Zが炭素数3~20のシリルオキシ基である場合に、2-イナール=アセタール化合物(3)の具体例としては、1,1-ジメトキシ-5-トリメチルシリルオキシ-2-ペンチン、1,1-ジエトキシ-5-トリメチルシリルオキシ-2-ペンチン等の1,1-ジアルコキシ-5-トリメチルシリルオキシ-2-ペンチン化合物、1,1-ジメトキシ-5-トリエチルシリルオキシ-2-ペンチン、1,1-ジエトキシ-5-トリエチルシリルオキシ-2-ペンチン等の1,1-ジアルコキシ-5-トリエチルシリルオキシ-2-ペンチン化合物等が挙げられる。
Zが炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基である場合に、2-イナール=アセタール化合物(3)の具体例としては、1,1-ジメトキシ-5-メタンスルホニルオキシ-2-ペンチン、1,1-ジエトキシ-5-メタンスルホニルオキシ-2-ペンチン等の1,1-ジアルコキシ-5-メタンスルホニルオキシ-2-ペンチン化合物等が挙げられる。
Zが炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基である場合に、2-イナール=アセタール化合物(3)の具体例としては、1,1-ジメトキシ-5-(p-トルエンスルホニルオキシ)-2-ペンチン、1,1-ジエトキシ-5-(p-トルエンスルホニルオキシ)-2-ペンチン等の1,1-ジアルコキシ-5-(p-トルエンスルホニルオキシ)-2-ペンチン化合物等が挙げられる。
Zがハロゲン原子である場合に、2-イナール=アセタール化合物(3)の具体例としては、1,1-ジメトキシ-5-クロロ-2-ペンチン、1,1-ジエトキシ-5-クロロ-2-ペンチン等の1,1-ジアルコキシ-5-クロロ-2-ペンチン化合物、1,1-ジメトキシ-5-ブロモ-2-ペンチン、1,1-ジエトキシ-5-ブロモ-2-ペンチン等の1,1-ジアルコキシ-5-ブロモ-2-ペンチン化合物等が挙げられる。
脱離基Zが脱離能の低いアルコキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基である場合の利点としては、アルカンスルホニルオキシ基、アレーンスルホニルオキシ基、ハロゲン原子に比べ、2-イナール=アセタール化合物(3)の熱安定性が高いために、工業的に有利な蒸留による精製が容易であること等が挙げられる。
一方、アセタール基の代わりに炭化水素基を有する化合物では、4位の酸性度が高まらないために、脱離能の低いアルコキシ基、アシルオキシ基、シリルオキシ基では特に脱離反応が効率的に進行しない。
該塩基としては、アレン化合物の生成を抑えて、不純物の副生を抑制し、4-ペンテン-2-イナール(2)を収率良く得る観点から、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、カリウム=t-ブトキシド等の金属アルコキシド類が好ましい。
該塩基は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、収率及び経済性の観点から、2-イナール=アセタール化合物(3)1molに対して、好ましくは0.6~3.0mol、より好ましくは0.7~2.0mol、更に好ましくは0.8~1.5molである。
該溶媒としては、例えば、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、4-メチルテトラヒドロピラン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶媒類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチル=スルホキシド、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、t-ブチルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、2-イナール=アセタール化合物(3)1molに対して、好ましくは0~10000g、より好ましくは0~5000gである。
塩基としてアミン類を用いる場合における脱離反応の反応温度は、収率の観点から、好ましくは0~180℃、より好ましくは10~150℃、更に好ましくは20~130℃である。
上記の脱離反応の反応時間は、用いる溶媒又は反応スケールにより異なるが、反応性の観点から、好ましくは0.5~55時間である。
例えば、上述の4-ペンテン-2-イナールの製造方法は、アボカドの最重要害虫の害虫として知られるAvocado seed moth(Stenoma catenifer)のフェロモンである(9Z)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール等の9,13-テトラデカジエン-11-イナールの製造に有効である。
トリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物は、下記一般式(4)で表される。
Ar3P+C-H(CH2)7CH(OR3)(OR4) (4)
トリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)におけるR3及びR4は、それぞれ独立して炭素数1~15の一価の炭化水素基又はR3とR4が互いに結合してR3-R4として炭素数2~10の二価の炭化水素基を表す。
R3及びR4が一価の炭化水素基及び二価の炭化水素基である場合の具体例はそれぞれ、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)におけるR1及びR2が一価の炭化水素基及び二価の炭化水素基である場合の具体例と同じである。
トリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)におけるArは互いに同じであっても異なっていてもよいアリール基を表す。アリール基の炭素数は、好ましくは6~7である。
アリール基としては、例としてフェニル基(Ph基)、トリル基が挙げられるが、合成のしやすさの観点から、フェニル基が好ましく、三つのアリール基が全てフェニル基であることがより好ましい。
トリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)は、1種類又は必要に応じて2種以上を用いてもよい。また、トリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)は、市販されているものであっても良く、また独自に合成したものであってもよい。
R3及びR4が一価の炭化水素基及び二価の炭化水素基である場合の具体例は、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)におけるR1及びR2におけるR1及びR2が一価の炭化水素基及び二価の炭化水素基である場合の具体例と同じである。
9-ハロ-1,1-ジアルコキシノナン化合物(7)におけるXはハロゲン原子を表し、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられるが、汎用性の観点から、塩素原子及び臭素原子が好ましい。
9-ハロ-1,1-ジアルコキシノナン化合物(7)の具体例としては、9-クロロ-1,1-ジメトキシノナン、9-クロロ-1,1-ジエトキシノナン、9-クロロ-1,1-ジプロポキシノナン、9-クロロ-1,1-ジブトキシノナン、9-クロロ-1,1-ジペントキシノナン、9-クロロ-1,1-ジヘキソキシノナン、9-クロロ-1,1-ジヘプトキシノナン、9-クロロ-1,1-ジオクトキシノナン等の9-クロロ-1,1-ジアルコキシノナン化合物、9-ブロモ-1,1-ジメトキシノナン、9-ブロモ-1,1-ジエトキシノナン、9-ブロモ-1,1-ジプロポキシノナン、9-ブロモ-1,1-ジブトキシノナン、9-ブロモ-1,1-ジペントキシノナン、9-ブロモ-1,1-ジヘキソキシノナン、9-ブロモ-1,1-ジヘプトキシノナン、9-ブロモ-1,1-ジオクトキシノナン等の9-ブロモ-1,1-ジアルコキシノナン化合物、9-ヨード-1,1-ジメトキシノナン、9-ヨード-1,1-ジエトキシノナン、9-ヨード-1,1-ジプロポキシノナン、9-ヨード-1,1-ジブトキシノナン、9-ヨード-1,1-ジペントキシノナン、9-ヨード-1,1-ジヘキソキシノナン、9-ヨード-1,1-ジヘプトキシノナン、9-ヨード-1,1-ジオクトキシノナン等の9-ヨード-1,1-ジアルコキシノナン化合物等が挙げられる。
アリール基としては、例としてフェニル基、トリル基が挙げられるが、合成のしやすさの観点から、フェニル基が好ましく、三つのアリール基が全てフェニル基であることがより好ましい。
リン化合物(8)としては、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン等のトリアリールホスフィン化合物が挙げられ、反応性の観点から、トリフェニルホスフィンが好ましい。
リン化合物(8)の使用量は、反応性の観点から、9-ハロ-1,1-ジアルコキシノナン化合物(7)1molに対して、好ましくは0.8~5.0molである。
該ハロゲン化物としては、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等が挙げられ、反応性の観点から、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ化物が好ましい。
該ハロゲン化物は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該ハロゲン化物は、市販されているものを用いることができる。
該ハロゲン化物の使用量は、反応性の観点から、9-ハロ-1,1-ジアルコキシノナン化合物(7)1molに対して、好ましくは0.1~5.0molである。
該塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジン等のアミン等が挙げられ、取扱いの観点から、アルカリ金属炭酸塩が好ましい。
該塩基は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該塩基は、市販されているものを用いることができる。
該塩基の使用量は、反応性の観点から、9-ハロ-1,1-ジアルコキシノナン化合物(7)1molに対して、好ましくは0.001~1.0molである。
9,9-ジアルコキシノニルトリアリールホスホニウム=ハライド化合物(9)調製時の反応時間は、用いる溶媒又は反応スケールにより異なるが、好ましくは3~55時間である。
R3及びR4が一価の炭化水素基及び二価の炭化水素基である場合の具体例はそれぞれ、5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物(1)におけるR1及びR2が一価の炭化水素基及び二価の炭化水素基である場合の具体例と同じである。
9,9-ジアルコキシノニルトリアリールホスホニウム=ハライド化合物(9)におけるYは、ハロゲン原子を表し、例として塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
9,9-ジアルコキシノニルトリアリールホスホニウム=ハライド化合物(9)調製時に、ハロゲン化物を用いないときにはYはXと同じハロゲン原子であり、ハロゲン化物としてヨウ化物を用いるときにはYはXと同じハロゲン原子又はヨウ素原子である。
9,9-ジアルコキシノニルトリアリールホスホニウム=ハライド化合物(9)におけるArはアリール基を表す。Arについては、リン化合物(8)において定義した通りである。
9,9-ジアルコキシノニルトリアリールホスホニウム=ハライド化合物(9)の具体例としては、9,9-ジメトキシノニルトリフェニルホスホニウム=クロリド、9,9-ジエトキシノニルトリフェニルホスホニウム=クロリド、9,9-ジプロポキシノニルトリフェニルホスホニウム=クロリド、9,9-ジブトキシノニルトリフェニルホスホニウム=クロリド等の9,9-ジアルコキシノニルトリフェニルホスホニウム=クロリド化合物、9,9-ジメトキシノニルトリフェニルホスホニウム=ブロミド、9,9-ジエトキシノニルトリフェニルホスホニウム=ブロミド、9,9-ジプロポキシノニルトリフェニルホスホニウム=ブロミド、9,9-ジブトキシノニルトリフェニルホスホニウム=ブロミド等の9,9-ジアルコキシノニルトリフェニルホスホニウム=ブロミド化合物、9,9-ジメトキシノニルトリフェニルホスホニウム=ヨージド、9,9-ジエトキシノニルトリフェニルホスホニウム=ヨージド、9,9-ジプロポキシノニルトリフェニルホスホニウム=ヨージド、9,9-ジブトキシノニルトリフェニルホスホニウム=ヨージド等の9,9-ジアルコキシノニルトリフェニルホスホニウム=ヨージド化合物、9,9-ジメトキシノニルトリトリルホスホニウム=クロリド、9,9-ジエトキシノニルトリトリルホスホニウム=クロリド、9,9-ジプロポキシノニルトリトリルホスホニウム=クロリド、9,9-ジブトキシノニルトリトリルホスホニウム=クロリド等の9,9-ジアルコキシノニルトリトリルホスホニウム=クロリド化合物、9,9-ジメトキシノニルトリトリルホスホニウム=ブロミド、9,9-ジエトキシノニルトリトリルホスホニウム=ブロミド、9,9-ジプロポキシノニルトリフトリルホスホニウム=ブロミド、9,9-ジブトキシノニルトリトリルホスホニウム=ブロミド等の9,9-ジアルコキシノニルトリトリルホスホニウム=ブロミド化合物、9,9-ジメトキシノニルトリトリルホスホニウム=ヨージド、9,9-ジエトキシノニルトリトリルホスホニウム=ヨージド、9,9-ジプロポキシノニルトリトリルホスホニウム=ヨージド、9,9-ジブトキシノニルトリトリルホスホニウム=ヨージド等の9,9-ジアルコキシノニルトリトリルホスホニウム=ヨージド化合物等が挙げられる。
トリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)は、9,9-ジアルコキシノニルトリアリールホスホニウム=ハライド化合物(9)調製時と同じ反応系中で塩基を加えてトリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)に直接導いてもよいし、単離精製してから塩基と反応させてトリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)に導いてもよい。
トリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)調製時に用いる塩基としては、例えば、n-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等のアルキルリチウム、カリウム=tert-ブトキシド、ナトリウム=tert-ブトキシド、カリウム=メトキシド、ナトリウム=メトキシド、カリウム=エトキシド、ナトリウム=エトキシド等の金属アルコキシド、リチウム=ジイソプロピルアミド、ナトリウム=ビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド等が挙げられ、反応性の観点から、金属アルコキシドが好ましく、カリウム=tert-ブトキシド、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシドがより好ましい。
該塩基の使用量は、反応性の観点から、9-ハロ-1,1-ジアルコキシノナン化合物(7)1molに対して、好ましくは0.7~5.0molである。
トリアリールホスホニウム=9,9-ジアルコキシノニリド化合物(4)調製時の反応時間は、用いる溶媒又は反応スケールにより異なるが、好ましくは0.5~50時間である。
該溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、4-メチルテトラヒドロピラン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチル=スルホキシド、γ-ブチロラクトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム等の極性溶媒等が挙げられ、反応性の観点から、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒及びアセトニトリル、N,N-ジメチルアセトアミド等の極性溶媒が好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、反応性の観点から、9-ハロ-1,1-ジアルコキシノナン化合物(7)又は9,9-ジアルコキシノニルトリアリールホスホニウム=ハライド化合物(9)1molに対して、好ましくは50~5000gである。
ウィッティヒ反応には、必要に応じて、溶媒を用いてもよい。
該溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、4-メチルテトラヒドロピラン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチル=スルホキシド、γ-ブチロラクトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム等の極性溶媒等が挙げられ、反応性の観点から、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒及びアセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の極性溶媒が好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
該溶媒の使用量は、反応性の観点から、4-ペンテン-2-イナール(3)1molに対して、好ましくは50~5000gである。
ウィッティヒ反応における反応時間は、反応スケールにより異なるが、好ましくは0~50時間である。
上記加水分解反応において、14,14-ジアルコキシ-1,5-テトラデカジエン-3-イン化合物(5)は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。
例えば、14,14-ジアルコキシ-(5Z)-1,5-テトラデカジエン-3-イン化合物と14,14-ジアルコキシ-(5E)-1,5-テトラデカジエン-3-イン化合物との混合物を用いることにより、(9Z)-9,13-テトラデカジエン-11-イナールと(9E)-9,13-テトラデカジエン-11-イナールとの混合物を得ることができる。
加水分解反応は、例えば、酸又は水を用いて行うことができる。
上述の酸としては、塩酸、臭化水素酸等の無機酸類、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸、しゅう酸、ヨードトリメチルシラン、四塩化チタン等が挙げられるが、反応性の観点から、酢酸、ギ酸もしくはしゅう酸が好ましい。
該酸は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該酸は、市販されているものを用いることができる。
該酸の使用量は、14,14-ジアルコキシ-1,5-テトラデカジエン-3-イン化合物(5)1molに対して、好ましくは0.01~10.0molである。
上述の水の使用量は、14,14-ジアルコキシ-1,5-テトラデカジエン-3-イン化合物(5)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは18~3000gである。
該溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、クメン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチル=エーテル、ジブチル=エーテル、4-メチルテトラヒドロピラン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチル=スルホキシド、アセトニトリル、アセトン、γ―ブチロラクトン、ジクロロメタン、クロロホルム等の極性溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。また、該溶媒は、市販されているものを用いることができる。
用いる酸により最適な溶媒は異なるが、例えば、酸として、しゅう酸を用いる場合は、反応性の観点から、テトラヒドロフラン、アセトン、γ―ブチロラクトンが好ましい。
該溶媒の使用量は、14,14-ジアルコキシ-1,5-テトラデカジエン-3-イン化合物(5)1molに対して、反応性の観点から、好ましくは0~3000gである。
加水分解反応における反応時間は、用いる酸、溶媒又は反応スケールにより異なるが、反応性の観点から、好ましくは1~55時間である。
なお、以下において、「純度」は、特に明記しない限り、ガスクロマトグラフィー(GC)分析によって得られた面積百分率を示し、「生成比」はGC分析によって得られた面積百分率の相対比を示す。また「収率」はGC分析によって得られた面積百分率を基に算出した収率を示す。
各実施例において、反応のモニタリング及び収率の算出は、次のGC条件に従って行った。
GC条件:GC:島津製作所 キャピラリガスクロマトグラフ GC-2014,カラム:DB-5,0.25mmx0.25mmφx30m,キャリアーガス:He(1.55mL/分)、検出器:FID,カラム温度:150℃ 5℃/分昇温 230℃。
収率は、原料及び生成物の純度(%GC)を考慮して、以下の式に従い計算した。
収率(%)={[(反応によって得られた生成物の重量×%GC)/生成物の分子量]
÷[ (反応における出発原料の重量×%GC)/出発原料の分子量]}×100
<5,5-ジエトキシ-1-ペンテン-3-イン(1:R1=Et,R2=Et)の製造>
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.22(6H,t,7.1Hz),3.58(2H,dq,J=6.9Hz,7.8Hz),3.73(2H,dq,J=6.9Hz,7.9Hz),5.36(1H,d,J=1.6Hz),5.52(1H,dd,J=11.0Hz,2.3Hz),5.69(1H,dd,J=17.6Hz,2.3Hz),5.81(1H,ddd,J=17.8Hz,10.9Hz,1.5Hz);13C-NMR(125MHz,CDCl3):δ15.01,60.81,83.76,84.89,91.57,116.04,128.48
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 153(M+-1),125,109,81,63,53
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2977,2886,1355,1328,1162,1091,1054,1012
<5,5-ジエトキシ-1-ペンテン-3-イン(1:R1=Et,R2=Et)の製造>
<5,5-ジエトキシ-1-ペンテン-3-イン(1:R1=Et,R2=Et)の製造>
<5,5-ジメトキシ-1-ペンテン-3-イン(1:R1=Me,R2=Me)の製造>
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ3.37(6H,s),5.24(1H,d,J=1.1Hz),5.55(1H,dd,J=2.3Hz,11.1Hz),5.71(1H,dd,J=2.3Hz,17.7Hz),5.82(1H,ddd,J=1.2Hz,10.9Hz,17.9Hz);13C-NMR(125MHz,CDCl3):δ52.42,83.96,84.30,93.30,115.82,128.75
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 125(M+-1),111,95,80,65,52
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2938,2905,2831,2230,1603,1358,1343,1192,1162,1099,1056,963,901
<5,5-ジメトキシ-1-ペンテン-3-イン(1:R1=Me,R2=Me)の製造>
<5,5-ジメトキシ-1-ペンテン-3-イン(1:R1=Me,R2=Me)の製造>
<4-ペンテン-2-イナール(2)の製造>
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ9.35(1H,d,J=0.7Hz),6.08(1H,dd,J=17.2Hz,2.3Hz),6.01(1H,ddd,J=17.4Hz,10.9Hz,0.7Hz),5.91(1H,dd,J=10.9Hz,2.3Hz);13C-NMR(125MHz,CDCl3):δ88.28,93.02,114.75,134.25,176.70
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 80(M+),61,52
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2977,2873,2210,2172,1664,1162,1080,1035,972,947,798
<9,13-テトラデカジエン-11-イナール(6)の製造>
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.27-1.35(6H,m),1.40(2H,br.quint,J=6.5Hz),1.61(2H,br.quint,J=6.9Hz),2.30(2H,ddt,J=1.5Hz,7.3Hz,7.3Hz),2.40(2H,dt,J=1.9Hz,7.3Hz),5.44(1H,dd,J=11.2Hz,1.9Hz),5.55(1H,br.dd,J=10.7Hz,1.9Hz),5.60(1H,dd,J=17.6Hz,1.9Hz),5.86-5.97(2H,m),9.75(1H,t,J=1.9Hz);13C-NMR(125MHz,CDCl3):δ21.99,28.63,28.80,29.01,29.05,30.14,43.84,86.98,92.16,108.91,117.36,126.03,144.18,202.80
〔マススペクトル〕EI-マススペクトル(70eV):m/z 204(M+),175,161,147,133,119,105,91,78,65,53
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2929,2856,1725,1464,1413,1392,972,918,739
Claims (11)
- 下記一般式(3)
Z(CH2)2C≡CCH(OR1)(OR2) (3)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して炭素数1~15の一価の炭化水素基又はR 1 とR 2 が互いに結合してR 1 -R 2 として炭素数2~10の二価の炭化水素基を表し、Zは、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数1~10のアシルオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、又はハロゲン原子である脱離基を表す。)
で表される2-イナール=アセタール化合物の上記脱離基を、塩基の存在下で脱離させることにより、下記一般式(1)
CH2=CHC≡CCH(OR1)(OR2) (1)
(式中、R1及びR2は、上記で定義した通りである。)
で表される5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物を得る工程
上記で得られた5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物の加水分解反応により、下記式(2)
CH2=CHC≡CCHO (2)
で表される4-ペンテン-2-イナールを得る工程
を少なくとも含む、前記4-ペンテン-2-イナール(2)の製造方法。
- 前記加水分解反応が、p-トルエンスルホン酸又はしゅう酸の存在下で行われる、請求項1に記載の4-ペンテン-2-イナール(2)の製造方法。
- 前記加水分解反応が、p-トルエンスルホン酸の存在下で行われる、請求項1又は2に記載の4-ペンテン-2-イナール(2)の製造方法。
- 前記加水分解反応がさらに、抗酸化剤の存在下で行われる、請求項2又は3に記載の製造方法。
- 前記抗酸化剤が、ジブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、尿酸、グルタチオン、若しくはメラドニン又はそれらの組み合わせから選択される、請求項4に記載の製造方法。
- 前記抗酸化剤が、ジブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、ビタミンC、若しくはビタミンE又はそれらの組み合わせから選択される、請求項4又は5に記載の製造方法。
- p-トルエンスルホン酸又はしゅう酸と抗酸化剤との存在下、下記一般式(1)
CH2=CHC≡CCH(OR1)(OR2) (1)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して炭素数1~15の一価の炭化水素基又はR1とR2が互いに結合してR1-R2として炭素数2~10の二価の炭化水素基を表す。)
で表される5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物の加水分解反応により、下記式(2)
CH2=CHC≡CCHO (2)
で表される4-ペンテン-2-イナールを得る工程
を少なくとも含む、前記4-ペンテン-2-イナール(2)の製造方法。 - 下記一般式(3)
Z(CH2)2C≡CCH(OR1)(OR2) (3)
(式中、R1及びR2は、上記で定義した通りであり、Zは、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数1~10のアシルオキシ基、炭素数3~20のシリルオキシ基、炭素数1~10のアルカンスルホニルオキシ基、炭素数6~20のアレーンスルホニルオキシ基、又はハロゲン原子である脱離基を表す。)
で表される2-イナール=アセタール化合物の上記脱離基を、塩基の存在下で脱離させることにより、上記の一般式(1)で表される5,5-ジアルコキシ-1-ペンテン-3-イン化合物を得る工程
を更に含む、請求項7に記載の4-ペンテン-2-イナール(2)の製造方法。 - 前記加水分解反応が、p-トルエンスルホン酸の存在下で行われる、請求項7又は8に記載の4-ペンテン-2-イナール(2)の製造方法。
- 前記抗酸化剤が、ジブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、尿酸、グルタチオン、若しくはメラドニン又はそれらの組み合わせから選択される、請求項7~9のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記抗酸化剤が、ジブチルヒドロキシルトルエン(BHT)、ビタミンC、若しくはビタミンE又はそれらの組み合わせから選択される、請求項7~10のいずれか1項に記載の製造方法。
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