JP2024063756A - 共役二重結合を有する有機ハロゲン化合物、そのアセテート化合物及びアルコール化合物の製造方法、並びに該有機ハロゲン化合物を合成する為に使用される化合物 - Google Patents

共役二重結合を有する有機ハロゲン化合物、そのアセテート化合物及びアルコール化合物の製造方法、並びに該有機ハロゲン化合物を合成する為に使用される化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】ココア=ポッド=ボーラーの性フェロモン物質の合成中間体である(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=ハライド及びその工業的且つ経済的な製造方法を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を、下記一般式(2)で表されるハロゲン化リチウムの存在下、下記一般式(3)で表されるアルカリ金属アルコシキドとリンイリド調製反応をさせ、続いて、下記一般式(4)で表されるアルデヒド化合物とウィッティッヒ反応に付して、下記一般式(5)で表される有機ハロゲン化合物を得る工程を少なくとも含む、有機ハロゲン化合物(5)の製造方法を提供する。JPEG2024063756000055.jpg33170【選択図】なし

Description

本発明は、共役二重結合を有する有機ハロゲン化合物、並びにそのアセテート化合物及びアルコール化合物の製造方法に関する。また、本発明は、上記有機ハロゲン化合物を合成する為に使用される化合物である(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を提供する。
チョウ目ホソガ科に属するココア=ポッド=ボーラー(Cocoa pod borer,学名:Conopomorpha cramerella)は、東南アジアにおいて栽培されるカカオ(Cacao,学名:Theobroma cacao)の主要害虫として知られている。このココア=ポッド=ボーラーは、カカオ鞘表面に産卵し、孵化した幼虫は鞘内部に侵入して果肉を食害するため、カカオ豆の収量及び品質の低下が大きな問題となっている。
このココア=ポッド=ボーラーの防除には、一般的に殺虫剤が用いられているが、幼虫は孵化した直後に鞘内に侵入するため、その効果は充分なものでは無い。
また、近年、殺虫剤の使用による環境及び人的な健康への悪影響から、昆虫の性フェロモン物質を用いた交信攪乱(mating disruption)及び大量誘殺(mass trapping)等の環境への影響が少なく、安全性の高い新たな防除技術の開発が求められており、これらの防除技術開発のためには性フェロモン物質を工業的に、安価に、且つ大量に製造することが必要である。
ココア=ポッド=ボーラーの性フェロモン物質は、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート、(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール、(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール、及びn-ヘキサデシル=アルコールの混合物であり、それぞれ性フェロモン物質の成分比率が60:40:6:4:10であることが報告されている(下記の非特許文献1)。
これらの性フェロモン物質のうちのアセテート化合物、すなわち(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート及び(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートは、一般的に6位の二重結合をウィッティッヒ(Wittig)反応を用いて構築することによって合成することが知られている。また、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール及び(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコールは上記得られたアセテート化合物を加水分解することにより合成することができる。
例えば、下記の非特許文献1には、(4Z)-4-デセニルトリフェニルホスホニウム=ブロミドに、塩基としてカリウム=t-ブトキシドを作用させてリンイリド(phosphorous ylide)を調製し、続いて、該リンイリドを、(2E)-6-[(テトラヒドロピラニル)オキシ]-2-ヘキセナールとウィッティッヒ反応させて(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを合成する方法が報告されている。また、該非特許文献1には、該得られた(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを、太陽光下、ヨウ素を触媒として二重結合の幾何構造を異性化し、そして、この異性体混合物を、液体クロマトグラフィー又は液体二酸化硫黄によるキレトロピー反応(Cheletropic reaction)を利用して分離精製することによって、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを合成する方法が報告されている。
更に、下記の非特許文献2には、上記非特許文献1と同様の(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートの合成方法、及び(2E)-6-[(テトラヒドロピラニル)オキシ]-2-ヘキセニルトリフェニルホスホニウム=ブロミドに、塩基としてn-ブチルリチウムを作用させイリドを調製し、続いて、該イリドを、(4Z)-4-デセナールとウィッティッヒ反応させて、(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを合成する方法が報告されている。
P.S.Beevor et al.,J.Chem.Ecol,12,1986,1-23. Yao-Pin Yen et al.,Synth.Commun.,22,1992,1567-1581.
しかし、非特許文献1及び非特許文献2に記載された(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートの合成方法は、二重結合部分の幾何構造が(4E,6Z,10Z)となる幾何異性体が主生成物として得られるため、ココア=ポッド=ボーラーの性フェロモン物質の幾何異性体比率とするには、別途(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートを合成し、所望の幾何異性体比率になるように混合する必要があった。
また、非特許文献1に記載される(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートの合成方法には、(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートの異性化反応より得られる異性体混合物から液体クロマトグラフィーを用いた分離精製方法における収率が極めて低いこと、また液体二酸化硫黄によるキレトロピー反応を利用した分離精製方法において、二酸化硫黄の毒性が高く且つスケールアップすることにより反応が進行しない等の問題点があった。
また、非特許文献2に記載される(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートの合成方法には、発火性のある有機リチウム化合物を使用すること、-78℃という極低温下における反応が必要なこと等の問題点があった。
この様に従来の技術では、工業的且つ経済的な大量製造が不可能であった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、従来技術の問題点を解決し、ココア=ポッド=ボーラーの性フェロモン物質の合成中間体である(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=ハライド及び(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=ハライドの工業的且つ経済的な製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記有機ハロゲン化合物を中間体として、ココア=ポッド=ボーラーの性フェロモン物質である(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート及び(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート並びに(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール及び(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコールの工業的且つ経済的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、新規な化合物である(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を提供するとともに、該(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を、ハロゲン化リチウムの存在下、塩基としてのアルカリ金属アルコキシドとリンイリド調製反応させて、反応生成混合物を得、該反応生成混合物と、アルデヒド化合物とをウィッティッヒ反応に付すことにより、収率よく、毒性及び発火性を有する原料を使用せずに、工業的に容易に適用可能な反応温度範囲において、共役二重結合を有する有機ハロゲン化合物を製造できることを見出し、本発明を成すに至ったものである。
また、本発明者らは、該得られた有機ハロゲン化合物をアセトキシ化反応に付すことによって、共役二重結合を有するアセテート化合物を、短工程で効率よく且つ工業的に製造することができることを見出し、本発明を成すに至ったものである。
更には、本発明者らは、該アセテート化合物を加水分解反応に付すことによって、共役二重結合を有するアルコール化合物を短工程で効率よく、且つ工業的に製造できることを見出し、本発明を成すに至ったものである。
本発明の一つの態様としては、下記一般式(1):
(式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X及びXは互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、並びにPhはフェニル基を表す。)
で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を、
下記一般式(2):
(式中、Xはハロゲン原子を表す。)
で表されるハロゲン化リチウムの存在下、下記一般式(3):
(式中、Rは炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、及びMはアルカリ金属原子を表す。)
で表されるアルカリ金属アルコシキドとリンイリド調製反応をさせて、反応生成混合物を得、続いて、該反応生成混合物と、下記一般式(4):
(式中、Rは炭素数1から10の直鎖状、分岐状又は芳香族の1価炭化水素基を表す。)
で表されるアルデヒド化合物とをウィッティッヒ反応に付して、下記一般式(5):
(式中、Rは上記一般式(4)中で、並びにn及びXは上記一般式(1)中で定義した通りである。)
で表される有機ハロゲン化合物を得る工程を少なくとも含む、有機ハロゲン化合物(5)の製造方法を提供する。
また、本発明の別の態様としては、
上記に記載の、有機ハロゲン化合物(5)の製造方法と、
該有機ハロゲン化合物(5)をアセトキシ化反応に付して、下記一般式(6):
(式中、Rは上記一般式(4)中で、nは上記一般式(1)中で定義した通りであり、並びにAcはアセチル基を表す。)
で表される共役二重結合を有するアセテート化合物を得る工程
を少なくとも含む、アセテート化合物(6)の製造方法を提供する。
また、本発明の更に別の態様としては、
上記に記載の、アセテート化合物(6)の製造方法と、
該アセテート化合物(6)を加水分解反応に付して、下記一般式(7):
(式中、Rは上記一般式(4)中で、nは上記一般式(1)中で定義した通りである。)
で表される共役二重結合を有するアルコール化合物を得る工程
を少なくとも含む、アルコール化合物(7)の製造方法を提供する。
更に、本発明の別の態様としては、
下記一般式(8):
(式中、n、X及びXは、上記一般式(1)中で定義した通りである。)
で表されるω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物とトリフェニルホスフィンとの置換反応に付して、下記一般式(1):
(式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X及びXは互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、並びにPhはフェニル基を表す。)
で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を得る工程を少なくとも含む、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の製造方法を提供する。
また、本発明の一つの態様としては、下記一般式(1):
(式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X及びXは互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、並びにPhはフェニル基を表す。)
で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)を提供する。
本発明に従うと、毒性及び発火性を有する原料を使用せず、工業的に容易に適用可能な反応温度範囲において、共役二重結合を有する有機ハロゲン化合物を収率よく製造することができる。また、本発明に従うと、該得られた有機ハロゲン化合物をアセトキシ化反応に付すことによって、共役二重結合を有するアセテート化合物を短工程で効率よく、且つ工業的に製造できる。更には、本発明に従うと、該得られたアセテート化合物を加水分解反応に付すことによって、共役二重結合を有するアルコール化合物を短工程で効率よく、且つ工業的に製造することができる。
また、上記新規な化合物である(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)は、ハマキガ科の一種であるウエスタン=アボカド=リーフローラー(Western avocado leafroller,学名:Amorbia cuneana)の性フェロモン物質である(10E,12E)-10,12-テトラデカジエニル=アセテートと(10E,12Z)-10,12-テトラデカジエニル=アセテートとの混合物及びハマキガ科昆虫(学名:Eucosma derelicta)の誘引物質である(7E,9E)-7,9-デカジエニル=アセテートと(7E,9Z)-7,9-デカジエニル=アセテートとの混合物の合成中間体としても有効である。
以下に、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
A.下記の一般式(1)で表される、新規な化合物である(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物について、以下に説明する。
上記一般式(1)において、nは1~10のメチレン基の数を表し、X及びXは互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、並びにPhはフェニル基を表す。
上記一般式(1)におけるnが1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10である場合に、該化合物として、(6-ハロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=1)、(7-ハロ-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=2)、(8-ハロ-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=3)、(9-ハロ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=4)、(10-ハロ-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=5)、(11-ハロ-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=6)、(12-ハロ-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=7)、(13-ハロ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=8)、(14-ハロ-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=9)及び(15-ハロ-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド(n=10)等が挙げられ、得られる生成物の構造的有効性の観点から、nは1~8が好ましく、1~4がより好ましい。
また、上記一般式(1)において、X及びXは互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、該ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
上記一般式(1)において、X及びXのハロゲン原子の組み合わせは同じであってもよく又は異なっていてもよく、化合物として、(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド(X=Cl,X=Cl)、(ω-ブロモ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド(X=Cl,X=Br)及び(ω-ヨード-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド(X=Cl,X=I)等の(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド化合物;(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(X=Br,X=Cl)、(ω-ブロモ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(X=Br,X=Br)及び(ω-ヨード-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(X=Br,X=I)等の(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド化合物;並びに、(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド(X=I,X=Cl)、(ω-ブロモ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド(X=I,X=Br)及び(ω-ヨード-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド(X=I,X=I)等の(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド化合物が挙げられ、反応性及び/又は選択性の観点から、(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド(X=Cl,X=Cl)、(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(X=Br,X=Cl)、(ω-ブロモ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(X=Br,X=Br)、(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド(X=I,X=Cl)、(ω-ブロモ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド(X=I,X=Br)、及び(ω-ヨード-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド(X=I,X=I)が好ましい。
上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)としては、例えば、下記の化合物が挙げられる:
(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(7-クロロ-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(8-クロロ-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(9-クロロ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(10-クロロ-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(11-クロロ-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(12-クロロ-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(13-クロロ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(14-クロロ-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド及び(15-クロロ-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド等の(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド化合物;
(6-ブロモ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(7-ブロモ-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(8-ブロモ-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(9-ブロモ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(10-ブロモ-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(11-ブロモ-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(12-ブロモ-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(13-ブロモ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(14-ブロモ-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド及び(15-ブロモ-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド等の(ω-ブロモ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド化合物;
(6-ヨード-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(7-ヨード-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(8-ヨード-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(9-ヨード-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(10-ヨード-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(11-ヨード-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(12-ヨード-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(13-ヨード-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド、(14-ヨード-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド及び(15-ヨード-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド等の(ω-ヨード-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=クロリド化合物;
(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(7-クロロ-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(8-クロロ-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(9-クロロ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(10-クロロ-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(11-クロロ-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(12-クロロ-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(13-クロロ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(14-クロロ-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド及び(15-クロロ-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド等の(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド化合物;
(6-ブロモ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(7-ブロモ-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(8-ブロモ-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(9-ブロモ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(10-ブロモ-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(11-ブロモ-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(12-ブロモ-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(13-ブロモ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(14-ブロモ-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド及び(15-ブロモ-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド等の(ω-ブロモ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド化合物;
(6-ヨード-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(7-ヨード-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(8-ヨード-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(9-ヨード-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(10-ヨード-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(11-ヨード-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(12-ヨード-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(13-ヨード-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド、(14-ヨード-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド及び(15-ヨード-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド等の(ω-ヨード-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド化合物;
(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(7-クロロ-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(8-クロロ-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(9-クロロ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(10-クロロ-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(11-クロロ-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(12-クロロ-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(13-クロロ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(14-クロロ-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド及び(15-クロロ-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド等の(ω-クロロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド化合物;
(6-ブロモ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(7-ブロモ-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(8-ブロモ-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(9-ブロモ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(10-ブロモ-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(11-ブロモ-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(12-ブロモ-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(13-ブロモ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(14-ブロモ-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド及び(15-ブロモ-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド等の(ω-ブロモ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド化合物;並びに、
(6-ヨード-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(7-ヨード-2-ヘプテニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(8-ヨード-2-オクテニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(9-ヨード-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(10-ヨード-2-デセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(11-ヨード-2-ウンデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(12-ヨード-2-ドデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(13-ヨード-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド、(14-ヨード-2-テトラデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド及び(15-ヨード-2-ペンタデセニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド等の(ω-ヨード-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ヨージド化合物。
更に、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)としては、二重結合部分のシス-トランス異性体の混合物等が挙げられる。
次に、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の製造方法について、以下に説明する。
該(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)は、例えば、下記に示す反応式の通り、下記の一般式(8)で表されるω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物をトリフェニルホスフィンとの置換反応に付すことによって得られる。
以下に、該(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の上記の合成方法について、更に詳述する。
出発原料である上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)について、以下に説明する。
上記一般式(8)において、n、X及びXは、上記一般式(1)で定義した通りである。
上記一般式(8)におけるnが1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10である場合に、該化合物として、6-ハロ-2-ヘキセニル=ハライド(n=1)、7-ハロ-2-ヘプテニル=ハライド(n=2)、8-ハロ-2-オクテニル=ハライド(n=3)、9-ハロ-2-ノネニル=ハライド(n=4)、10-ハロ-2-デセニル=ハライド(n=5)、11-ハロ-2-ウンデセニル=ハライド(n=6)、12-ハロ-2-ドデセニル=ハライド(n=7)、13-ハロ-2-トリデセニル=ハライド(n=8)、14-ハロ-2-テトラデセニル=ハライド(n=9)及び15-ハロ-2-ペンタデセニル=ハライド(n=10)等が挙げられる。
上記一般式(8)において、X及びXのハロゲン原子の組み合わせは、互いに同じであってもよく又は異なっていてもよく、該化合物として、ω-クロロ-2-アルケニル=クロリド(X=Cl,X=Cl)、ω-ブロモ-2-アルケニル=クロリド(X=Cl,X=Br)及びω-ヨード-2-アルケニル=クロリド(X=Cl,X=I)等のω-ハロ-2-アルケニル=クロリド化合物;ω-クロロ-2-アルケニル=ブロミド(X=Br,X=Cl)、ω-ブロモ-2-アルケニル=ブロミド(X=Br,X=Br)及びω-ヨード-2-アルケニル=ブロミド(X=Br,X=I)等のω-ハロ-2-アルケニル=ブロミド化合物;並びに、ω-クロロ-2-アルケニル=ヨージド(X=I,X=Cl)、ω-ブロモ-2-アルケニル=ヨージド(X=I,X=Br)及びω-ヨード-2-アルケニル=ヨージド(X=I,X=I)等のω-ハロ-2-アルケニル=ヨージド化合物が挙げられ、反応性及び/又は選択性の観点から、ω-クロロ-2-アルケニル=クロリド(X=Cl,X=Cl)、ω-クロロ-2-アルケニル=ブロミド(X=Br,X=Cl)、ω-ブロモ-2-アルケニル=ブロミド(X=Br,X=Br)、ω-クロロ-2-アルケニル=ヨージド(X=I,X=Cl)、ω-ブロモ-2-アルケニル=ヨージド(X=I,X=Br)及びω-ヨード-2-アルケニル=ヨージド(X=I,X=I)が好ましい。
上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)としては、例えば、下記の化合物が挙げられる:
6-クロロ-2-ヘキセニル=クロリド、7-クロロ-2-ヘプテニル=クロリド、8-クロロ-2-オクテニル=クロリド、9-クロロ-2-ノネニル=クロリド、10-クロロ-2-デセニル=クロリド、11-クロロ-2-ウンデセニル=クロリド、12-クロロ-2-ドデセニル=クロリド、13-クロロ-2-トリデセニル=クロリド、14-クロロ-2-テトラデセニル=クロリド及び15-クロロ-2-ペンタデセニル=クロリド等のω-クロロ-2-アルケニル=クロリド化合物;
6-ブロモ-2-ヘキセニル=クロリド、7-ブロモ-2-ヘプテニル=クロリド、8-ブロモ-2-オクテニル=クロリド、9-ブロモ-2-ノネニル=クロリド、10-ブロモ-2-デセニル=クロリド、11-ブロモ-2-ウンデセニル=クロリド、12-ブロモ-2-ドデセニル=クロリド、13-ブロモ-2-トリデセニル=クロリド、14-ブロモ-2-テトラデセニル=クロリド及び15-ブロモ-2-ペンタデセニル=クロリド等のω-ブロモ-2-アルケニル=クロリド化合物;
6-ヨード-2-ヘキセニル=クロリド、7-ヨード-2-ヘプテニル=クロリド、8-ヨード-2-オクテニル=クロリド、9-ヨード-2-ノネニル=クロリド、10-ヨード-2-デセニル=クロリド、11-ヨード-2-ウンデセニル=クロリド、12-ヨード-2-ドデセニル=クロリド、13-ヨード-2-トリデセニル=クロリド、14-ヨード-2-テトラデセニル=クロリド及び15-ヨード-2-ペンタデセニル=クロリド等のω-ヨード-2-アルケニル=クロリド化合物;
6-クロロ-2-ヘキセニル=ブロミド、7-クロロ-2-ヘプテニル=ブロミド、8-クロロ-2-オクテニル=ブロミド、9-クロロ-2-ノネニル=ブロミド、10-クロロ-2-デセニル=ブロミド、11-クロロ-2-ウンデセニル=ブロミド、12-クロロ-2-ドデセニル=ブロミド、13-クロロ-2-トリデセニル=ブロミド、14-クロロ-2-テトラデセニル=ブロミド及び15-クロロ-2-ペンタデセニル=ブロミド等のω-クロロ-2-アルケニル=ブロミド化合物;
6-ブロモ-2-ヘキセニル=ブロミド、7-ブロモ-2-ヘプテニル=ブロミド、8-ブロモ-2-オクテニル=ブロミド、9-ブロモ-2-ノネニル=ブロミド、10-ブロモ-2-デセニル=ブロミド、11-ブロモ-2-ウンデセニル=ブロミド、12-ブロモ-2-ドデセニル=ブロミド、13-ブロモ-2-トリデセニル=ブロミド、14-ブロモ-2-テトラデセニル=ブロミド及び15-ブロモ-2-ペンタデセニル=ブロミド等のω-ブロモ-2-アルケニル=ブロミド化合物;
6-ヨード-2-ヘキセニル=ブロミド、7-ヨード-2-ヘプテニル=ブロミド、8-ヨード-2-オクテニル=ブロミド、9-ヨード-2-ノネニル=ブロミド、10-ヨード-2-デセニル=ブロミド、11-ヨード-2-ウンデセニル=ブロミド、12-ヨード-2-ドデセニル=ブロミド、13-ヨード-2-トリデセニル=ブロミド、14-ヨード-2-テトラデセニル=ブロミド及び15-ヨード-2-ペンタデセニル=ブロミド等のω-ヨード-2-アルケニル=ブロミド化合物;
6-クロロ-2-ヘキセニル=ヨージド、7-クロロ-2-ヘプテニル=ヨージド、8-クロロ-2-オクテニル=ヨージド、9-クロロ-2-ノネニル=ヨージド、10-クロロ-2-デセニル=ヨージド、11-クロロ-2-ウンデセニル=ヨージド、12-クロロ-2-ドデセニル=ヨージド、13-クロロ-2-トリデセニル=ヨージド、14-クロロ-2-テトラデセニル=ヨージド及び15-クロロ-2-ペンタデセニル=ヨージド等のω-クロロ-2-アルケニル=ヨージド化合物;
6-ブロモ-2-ヘキセニル=ヨージド、7-ブロモ-2-ヘプテニル=ヨージド、8-ブロモ-2-オクテニル=ヨージド、9-ブロモ-2-ノネニル=ヨージド、10-ブロモ-2-デセニル=ヨージド、11-ブロモ-2-ウンデセニル=ヨージド、12-ブロモ-2-ドデセニル=ヨージド、13-ブロモ-2-トリデセニル=ヨージド、14-ブロモ-2-テトラデセニル=ヨージド及び15-ブロモ-2-ペンタデセニル=ヨージド等のω-ブロモ-2-アルケニル=ヨージド化合物;並びに、
6-ヨード-2-ヘキセニル=ヨージド、7-ヨード-2-ヘプテニル=ヨージド、8-ヨード-2-オクテニル=ヨージド、9-ヨード-2-ノネニル=ヨージド、10-ヨード-2-デセニル=ヨージド、11-ヨード-2-ウンデセニル=ヨージド、12-ヨード-2-ドデセニル=ヨージド、13-ヨード-2-トリデセニル=ヨージド、14-ヨード-2-テトラデセニル=ヨージド及び15-ヨード-2-ペンタデセニル=ヨージド等のω-ヨード-2-アルケニル=ヨージド化合物。
更に、上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)としては、二重結合部分のシス-トランス異性体の混合物等が挙げられる。
また、上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)は、市販されているものでもよく、又は独自に合成したものであってもよい。
上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)とトリフェニルホスフィンとの置換反応は、必要に応じて加熱下又は冷却下で行うことができる。
該置換反応に使用されるトリフェニルホスフィンは、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
該置換反応に使用されるトリフェニルホスフィンの使用量は、上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)1モルに対して、0.2モル~5.0モルが好ましく、収率及び/又は反応性の観点から、0.5モル~3.0モルがより好ましく、0.8~2.0モルがさらに好ましい。
該置換反応に使用される溶媒としては、該置換反応に悪影響を与えない溶媒であれば、任意に使用することができる。例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素及び1,2-ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ジエチル=エーテル、ジ-n-ブチル=エーテル、ジ-t-ブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン及びジエチレングリコール=ジメチル=エーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭化水素系溶媒;アセトン、メチル=エチル=ケトン、イソブチル=メチル=ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;メチル=アルコール、エチル=アルコール、n-プロピル=アルコール、イソプロピル=アルコール、イソブチル=アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びベンジル=アルコール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル及び酢酸イソブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;並びに、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチル=スルホキシド及びヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられ、反応性の観点からエーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、ニトリル系溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)の反応性及び/又は選択性を考慮して任意に選択でき、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
該置換反応に使用される溶媒の使用量としては、上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)の反応性を考慮して任意に選択できる。例えば、該ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)1モルに対して、100g~10000gが好ましく、反応性及び/又は経済性の観点から200g~5000gがより好ましく、300g~2000gがさらに好ましい。
該置換反応の反応温度は、上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択できる。例えば、-30℃~200℃が好ましく、反応性及び/又は不純物の生成の観点から0℃~150℃がより好ましく、20℃~100℃がさらに好ましい。
該置換反応の反応時間は、上記ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)及び/又はトリフェニルホスフィンの消失を確認するために、ガスクロマトグラフィー及び/又は薄層クロマトグラフィー及び/又核磁気共鳴スペクトル等で上記反応の進行を追跡して、該ω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物(8)の反応性等により最適化することが好ましく、例えば、通常0.5時間~72時間が好ましく、収率及び/又は不純物の生成の観点から0.5時間~24時間がより好ましく、0.5時間~12時間がさらに好ましい。
該置換反応により得られる(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の単離及び/又は精製は、減圧蒸留及び/又は再結晶及び/又は各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から、適宜選択して用いることができるが、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の物理的性質及び/又は工業的経済性の観点から再結晶が好ましい。また、該置換反応により得られる(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)が十分な純度を有している場合には、粗生成物を単離及び精製せずにそのまま次の工程に用いてもよく、例えば、該置換反応後に、反応生成混合物である溶液及び/又は懸濁液をそのまま次工程に用いてもよい。
B.次に、下記の一般式(5)で表される有機ハロゲン化合物の製造方法について以下に説明する。
有機ハロゲン化合物(5)は、下記の反応式に示される通り、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)を、下記一般式(2)で表されるハロゲン化リチウムの存在下、下記一般式(3)で表されるアルカリ金属アルコシキドと反応させリンイリド調製反応をさせて、反応生成混合物を得、続いて、該反応生成混合物と、下記一般式(4)で表されるアルデヒド化合物とをウィッティッヒ反応に付すことにより得られる。
出発物質である(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)については、上記で述べた通りである。
次に、上記リンイリド調製反応、続くウィッティッヒ反応により得られる上記有機ハロゲン化合物(5)について、以下に説明する。
上記一般式(5)における、Rは炭素数1~10の直鎖状、分岐状又は芳香族の1価炭化水素基を表し、n及びXは上記一般式(1)中で定義した通りである。
上記一般式(5)における、Rとしては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘプチル基及びn-ノニル基等の直鎖状飽和1価炭化水素基;ビニル基、1-プロペニル基、1-ブテニル基、5-ヘキセニル基及び(3Z)-3-ノネニル基等の直鎖状不飽和1価炭化水素基;2-メチルプロピル基、2-メチル-2-プロピル基、2-ペンチル基及び3-メチルヘプチル基等の分岐状飽和1価炭化水素基;2-メチル-1-プロペニル基及び3-メチル-3-ブテニル基等の分岐状不飽和1価炭化水素基;並びに、フェニル基等の芳香族1価炭化水素基が挙げられる。
有機ハロゲン化合物(5)が(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)から合成される場合に、該一般式(5)中のn及びXはそれぞれ、該一般式(1)中で選択したn及びXのまま不変であり、アルデヒド化合物(4)から合成される場合に、該一般式(5)中のRは、該一般式(4)中で選択したRのまま不変である。
該有機ハロゲン化合物(5)としては、下記の化合物が挙げられる:
(10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、4,6-ヘキサデカジエニル=クロリド、7,9-テトラデカジエニルクロリド、7,9-ドデカジエニル=クロリド、(11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド及び11,13-ヘキサデカジエニル=クロリド等の直鎖状有機塩素化合物;
10-メチル-4,6,10-ウンデカトリエニル=クロリド、8,8-ジメチル-4,6-ノナジエニル=クロリド、11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリド、12-メチル-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド及び14-メチル-9,11,13-ペンタデカトリエニル=クロリド等の分岐状有機塩素化合物;
7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=クロリド及び10-フェニル-7,9-デカジエニル=クロリド等の芳香族有機塩素化合物;
(10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=ブロミド、4,6-ヘキサデカジエニル=ブロミド、7,9-テトラデカジエニル=ブロミド、7,9-ドデカジエニル=ブロミド、(11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=ブロミド及び11,13-ヘキサデカジエニル=ブロミド等の直鎖状有機臭素化合物;
10-メチル-4,6,10-ウンデカトリエニル=ブロミド、8,8-ジメチル-4,6-ノナジエニル=ブロミド、11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=ブロミド、12-メチル-7,9,11-トリデカトリエニル=ブロミド及び14-メチル-9,11,13-ペンタデカトリエニル=ブロミド等の分岐状有機臭素化合物;
7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=ブロミド及び10-フェニル-7,9-デカジエニル=ブロミド等の芳香族有機臭素化合物;
(10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=ヨージド、4,6-ヘキサデカジエニル=ヨージド、7,9-テトラデカジエニル=ヨージド、7,9-ドデカジエニル=ヨージド、(11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=ヨージド及び11,13-ヘキサデカジエニル=ヨージド等の直鎖状有機ヨウ素化合物;
10-メチル-4,6,10-ウンデカトリエニル=ヨージド、8,8-ジメチル-4,6-ノナジエニル=ヨージド、11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=ヨージド、12-メチル-7,9,11-トリデカトリエニル=ヨージド及び14-メチル-9,11,13-ペンタデカトリエニル=ヨージド等の分岐状有機ヨウ素化合物;並びに、
7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=ヨージド及び10-フェニル-7,9-デカジエニル=ヨージド等の芳香族有機ヨウ素化合物。
更に上記有機ハロゲン化合物(5)としては、エナンチオマー、ジアステレオマー並びにこれら立体異性体の同量及び非同量の混合物等が挙げられる。
上記リンイリド調製反応は、ハロゲン化リチウム(2)の存在下、アルカリ金属アルコシキド(3)を用いて行うことができ、必要に応じて加熱下又は冷却下で行うことができる。
上記一般式(2)におけるXはハロゲン原子を表し、該ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
該ハロゲン化リチウム(2)としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムが挙げられ、反応性及び/又は経済性の観点から塩化リチウム、臭化リチウムが好ましい。該ハロゲン化リチウム(2)は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
該ハロゲン化リチウム(2)の使用量は、出発原料である(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の反応性により異なるが、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)1モルに対して、0.1モル~5.0モルが好ましく、経済性の観点から0.5モル~3.0モルがより好ましく、0.8モル~2.0モルがさらに好ましい。
上記一般式(3)におけるRは、炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、及びMはアルカリ金属原子を表す。
上記一般式(3)におけるRとしては、入手可能性及び/又は調製の容易さの観点から、好ましくは、メチル基及びエチル基等の直鎖状アルキル基;並びに、t-ブチル基、2-メチル-2-ブチル基及びシクロヘキシル基等の分岐状アルキル基が挙げられる。
該アルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子及びカリウム原子等が挙げられる。
該アルカリ金属アルコシキド(3)としては、リチウム=メトキシド、リチウム=エトキシド、リチウム=t-ブトキシド、リチウム=2-メチル-2-ブトキシド及びリチウム=シクロヘキサノキシド等のリチウム=アルコキシド類;ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、ナトリウム=t-ブトキシド、ナトリウム=2-メチル-2-ブトキシド及びナトリウム=シクロヘキサノキシド等のナトリウム=アルコキシド類;並びに、カリウム=メトキシド、カリウム=エトキシド、カリウム=t-ブトキシド、カリウム=2-メチル-2-ブトキシド及びカリウム=シクロヘキサノキシド等のカリウム=アルコキシド類等が挙げられ、反応性及び/又は収率の観点からナトリウム=t-ブトキシド及びカリウム=t-ブトキシドがより好ましい。
該アルカリ金属アルコシキド(3)は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
該アルカリ金属アルコシキド(3)は、溶媒等に溶解して溶液としたものを使用することができる。
上記溶媒としては、メチル=アルコール、エチル=アルコール、t-ブチル=アルコール、2-メチル-2-ブチル=アルコール及びシクロヘキシル=アルコール等のアルコール系溶媒;ジエチル=エーテル、ジ-n-ブチル=エーテル、ジ-t-ブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン及びジエチレングリコール=ジメチル=エーテル等のエーテル系溶媒;並びにベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられ、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。
該リンイリド調製反応に使用されるアルカリ金属アルコシキド(3)の使用量は、出発原料である(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の反応性により異なるが、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)1モルに対して、0.1モル~5.0モルが好ましく、経済性の観点から0.5モル~3.0モルがより好ましく、0.8モル~2.0モルがさらに好ましい。
該リンイリド調製反応に使用される溶媒としては、該リンイリド調製反応に悪影響を与えない溶媒であれば、任意に使用することができる。例えば、ジエチル=エーテル、ジ-n-ブチル=エーテル、ジ-t-ブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン及びジエチレングリコール=ジメチル=エーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭化水素系溶媒;メチル=アルコール、エチル=アルコール、n-プロピル=アルコール、イソプロピル=アルコール、イソブチル=アルコール、t-ブチル=アルコール、2-メチル-2-ブチル=アルコール、シクロヘキシル=アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びベンジル=アルコール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル及び酢酸イソブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;並びに、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチル=スルホキシド及びヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられ、反応性の観点からエーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択でき、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
また、該溶媒としては、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)を単離及び精製せずにそのままリンイリド調製反応に用いる場合、上記置換反応に使用した溶媒をそのまま使用することができ、更に反応性の向上及び/又は濃度の調整のために、リンイリド調製反応へ置換反応において使用した溶媒又は置換反応において使用した溶媒とは異なる溶媒を新たに添加することができる。
該リンイリド調製反応に使用される溶媒の使用量としては、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の反応性を考慮して任意に選択できる。例えば、該(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)1モルに対して、100g~10000gが好ましく、反応性及び/又は経済性の観点から500g~5000gがより好ましく、800g~3000gがさらに好ましい。
該リンイリド調製反応の反応温度は、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択できる。例えば、-35℃~80℃が好ましく、収率及び/又は不純物の生成の観点から-20℃~50℃がより好ましく、-10℃~20℃がさらに好ましい。
該リンイリド調製反応の反応時間は、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の消失を確認するために、ガスクロマトグラフィー及び/又は薄層クロマトグラフィー及び/又核磁気共鳴スペクトル等で上記反応の進行を追跡して、該(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の反応性等により最適化することが好ましく、例えば、通常0.5時間~24時間が好ましく、収率及び/又は不純物の生成の観点から0.5時間~12時間がより好ましく、0.5時間~6時間がさらに好ましい。
該リンイリド調製反応により、反応生成混合物が得られる。該反応系内では、下記一般式(9)で表されるリンイリド化合物が生成し、該反応生成混合物を形成していると考えられる。
上記一般式(9)中、n、X及びPhは、上記一般式(1)で定義した通りである。
上記リンイリド化合物は、減圧蒸留及び/又は再結晶及び/又は各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から、適宜選択して単離及び/又は精製し、その後に、次のウィッティッヒ反応に使用することができる。該リンイリド化合物の性質上、単離及び/又は精製が困難である場合には、そのまま次のウィッティッヒ反応に使用することが好ましい。
該得られた反応生成混合物は、少なくともリンイリド化合物(9)を含んでいると考えが得られ、該反応生成混合物は任意的に、リンイリド調製反応の出発原料である、上記(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)、ハロゲン化リチウム(2)及びアルカリ金属アルコシキド(3)のうちの少なくとも1つを含みうる。該反応生成混合物は、そのまま次工程に用いてもよく、例えば、該リンイリド調製反応後に該反応生成混合物をそのまま次工程に用いてもよく、或いは該反応生成混合物を精製して、次工程で用いてもよい。なお、本願明細書において、特に断らない限り、語「反応生成混合物」は、反応後の溶液又は懸濁液の精製したもの及び精製していないものの両方を包含する。
上記ウィッティッヒ反応は、該リンイリド調製反応より得られたリンイリド化合物(9)とアルデヒド化合物(4)とを用いて行われ、必要に応じて加熱下又は冷却下で行うことができる。
上記一般式(4)におけるRは、上記一般式(5)で定義した通りである。
上記アルデヒド化合物(4)としては、アセトアルデヒド、n-プロパナール、n-ブタナール、n-ペンタナール、n-オクタナール及びn-デカナール等の直鎖状飽和アルデヒド化合物;アクロレイン、(2E)-2-ブテナール、(2E)-2-ペンテナール、6-ヘプテナール、(4Z)-4-デセナール等の直鎖状不飽和アルデヒド化合物;3-メチルブタナール、2,2-ジメチルプロパナール、2-メチルペンタナール及び4-メチルオクタナール等の分岐状飽和アルデヒド化合物;3-メチル-2-ブテナール及び4-メチル-4-ペンテナール等の分岐状不飽和アルデヒド化合物;並びに、ベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物が挙げられる。
該ウィッティッヒ反応に使用されるアルデヒド化合物(4)の使用量は、該リンイリド化合物(9)及び/又は該アルデヒド化合物(4)の反応性により異なるが、該(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)又は該リンイリド化合物(9)1モルに対して、0.1モル~5.0モルが好ましく、収率及び/又は経済性の観点から0.5モル~3.0モルがより好ましく、0.8モル~2.0モルがさらに好ましい。
該ウィッティッヒ反応に使用される溶媒としては、該ウィッティッヒ反応に悪影響を与えない溶媒であれば、任意に使用することができる。例えば、ジエチル=エーテル、ジ-n-ブチル=エーテル、ジ-t-ブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン及びジエチレングリコール=ジメチル=エーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭化水素系溶媒;メチル=アルコール、エチル=アルコール、n-プロピル=アルコール、イソプロピル=アルコール、イソブチル=アルコール、t-ブチル=アルコール、2-メチル-2-ブチル=アルコール、シクロヘキシル=アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びベンジル=アルコール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル及び酢酸イソブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;並びに、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチル=スルホキシド及びヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられ、反応性の観点からエーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、上記リンイリド化合物(9)及び/又はアルデヒド化合物(4)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択でき、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
また、上記リンイリド化合物(9)を単離及び精製せずにそのままウィッティッヒ反応に用いる場合には、上記リンイリド調製反応に使用した溶媒をそのまま使用することができる。更に、反応性の向上及び/又は濃度の調整のために、ウィッティッヒ反応へリンイリド調製反応において使用した溶媒又はリンイリド調製反応において使用した溶媒とは異なる溶媒を新たに添加することができる。
該ウィッティッヒ反応に使用される溶媒の使用量としては、上記リンイリド化合物(9)及び/又はアルデヒド化合物(4)の反応性を考慮して任意に選択できる。例えば、該(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)又は該リンイリド化合物(9)1モルに対して、100g~10000gが好ましく、反応性及び/又は経済性の観点から300g~5000gがより好ましく、500g~3000gがさらに好ましい。
該ウィッティッヒ反応の反応温度は、上記リンイリド化合物(9)及び/又はアルデヒド化合物(4)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択できる。例えば、-35℃~80℃が好ましく、収率及び/又は不純物の生成の観点から-20℃~50℃がより好ましく、-10℃~30℃がさらに好ましい。
該ウィッティッヒ反応の反応時間は、上記リンイリド化合物(9)及び/又はアルデヒド化合物(4)の消失を確認するために、ガスクロマトグラフィー及び/又は薄層クロマトグラフィー及び/又核磁気共鳴スペクトル等で上記反応の進行を追跡して、該リンイリド化合物(9)及び/又はアルデヒド化合物(4)の反応性等により最適化することが好ましく、例えば、通常0.5時間~24時間が好ましく、収率及び/又は不純物の生成の観点から0.5時間~12時間がより好ましく、0.5時間~6時間がさらに好ましい。
上記リンイリド調製反応、続くウィッティッヒ反応により得られる上記有機ハロゲン化合物(5)の単離及び/又は精製は、減圧蒸留及び/又は各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から、適宜選択して用いることができるが、工業的経済性の観点から減圧蒸留が好ましい。また、上記有機ハロゲン化合物(5)が十分な純度を有している場合には、粗生成物を単離及び精製せずにそのまま次の工程に用いてもよい。
C.次に、下記の一般式(6)で表されるアセテート化合物の製造方法について以下に説明する。
アセテート化合物(6)は、下記の反応式に示される通り、上記有機ハロゲン化合物(5)を、アセトキシ化反応に付すことにより得られる。
出発物質である有機ハロゲン化合物(5)については、上記で述べた通りである。
次に、上記アセトキシ化反応より得られるアセテート化合物(6)について、以下に説明する。
上記一般式(6)において、nは上記一般式(1)で定義した通りであり、Rは、上記一般式(5)で定義した通りであり、及びAcはアセチル基を表す。アセテート化合物(6)が有機ハロゲン化合物(5)から合成される場合に、該一般式(6)中のR及びnはそれぞれ、該一般式(5)中で選択したR及びnのまま不変である。
該アセテート化合物(6)としては、(10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート、4,6-ヘキサデカジエニル=アセテート、7,9-テトラデカジエニル=アセテート、7,9-ドデカジエニル=アセテート、(11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテート及び11,13-ヘキサデカジエニル=アセテート等の直鎖状アセテート化合物;10-メチル-4,6,10-ウンデカトリエニル=アセテート、8,8-ジメチル-4,6-ノナジエニル=アセテート、11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテート、12-メチル-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテート及び14-メチル-9,11,13-ペンタデカトリエニル=アセテート等の分岐状アセテート化合物;並びに、7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテート及び10-フェニル-7,9-デカジエニル=アセテート等の芳香族アセテート化合物が挙げられる。
更に、上記アセテート化合物(6)としては、エナンチオマー、ジアステレオマー並びにこれら立体異性体の同量及び非同量の混合物等が挙げられる。
上記アセトキシ化反応は、公知のアセトキシ化剤を用いて行うことができ、必要に応じて加熱下又は冷却下で行うことができる。
該アセトキシ化反応に使用されるアセトキシ化剤としては、酢酸又は酢酸塩類が挙げられ、アセトキシ化剤として酢酸を用いる場合、塩基の存在下で行うことができる。
上記アセトキシ化剤として使用される酢酸塩類としては、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、酢酸銀(I)、酢酸銅(I)、酢酸鉛(II)及び酢酸トリn-ブチルスズ等の酢酸金属塩類;並びに、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、酢酸テトラn-ブチルアンモニウム及び酢酸1-エチル-3-メチルイミダゾリウム等の酢酸アンモニウム塩類が挙げられ、収率及び/又は経済性の観点から、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムが好ましく、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよい。
該アセトキシ化剤の使用量としては、有機ハロゲン化合物(5)1モルに対して、0.1モル~30.0モルが好ましく、経済性の観点から0.5モル~10.0モルがより好ましく、1.0モル~5.0モルがさらに好ましい。
上記アセトキシ化剤として酢酸を用いる場合の塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム及び水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩類;炭酸ナトリウム、炭酸リチウム及び炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩類;トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等のアミン類が挙げられ、反応性及び/又は収率の観点から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び炭酸カリウムが好ましい。
該塩基は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、有機ハロゲン化合物(5)の種類及び/又は反応性を考慮して任意に選択できる。
該塩基の使用量としては、有機ハロゲン化合物(5)1モルに対して、0.1モル~50.0モルが好ましく、経済性の観点から0.5~30.0モルがより好ましく、1.0モル~10モルがさらに好ましい。
該アセトキシ化反応は、反応性を向上するためにハロゲン化金属化合物を添加して行うことができる。ハロゲン化金属化合物としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム及びヨウ化カリウム等のヨウ化金属化合物;臭化ナトリウム、臭化リチウム及び臭化カリウム等の臭化金属化合物が挙げられ、反応性及び/又は経済性の観点から、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム及び臭化カリウムが好ましい。
上記ハロゲン化金属化合物の使用量としては、有機ハロゲン化合物(5)1モルに対して、0.01モル~1.0モルが好ましく、経済性の観点から0.03~0.5モルがより好ましく、0.05モル~0.3モルがさらに好ましい。
該アセトキシ化反応に使用される溶媒としては、該アセトキシ化反応に悪影響を与えない溶媒であれば、任意に使用することができる。例えば、水;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素及び1,2-ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ジエチル=エーテル、ジ-n-ブチル=エーテル、ジ-t-ブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン及びジエチレングリコール=ジメチル=エーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭化水素系溶媒;アセトン、メチル=エチル=ケトン、イソブチル=メチル=ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;メチル=アルコール、エチル=アルコール、n-プロピル=アルコール、イソプロピル=アルコール、イソブチル=アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びベンジル=アルコール等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル及び酢酸イソブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;並びに、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド及びヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられ、反応性の観点からエーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、ニトリル系溶媒及び非プロトン性極性溶媒が好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、上記有機ハロゲン化合物(5)の反応性及び/又は経済性を考慮して任意に選択でき、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
該アセトキシ化反応に使用される溶媒の使用量としては、上記有機ハロゲン化合物(5)の反応性を考慮して任意に選択できる。例えば、該有機ハロゲン化合物(5)1モルに対して、50g~5000gが好ましく、反応性及び/又は不純物の副生の観点から100g~2000gがより好ましく、200g~1000gがさらに好ましい。
該アセトキシ化反応の反応温度は、上記有機ハロゲン化合物(5)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択できる。例えば、0℃~200℃が好ましく、反応性及び/又は不純物の生成の観点から25℃~180℃がより好ましく、50℃~150℃がさらに好ましい。
該アセトキシ化反応の反応時間は、上記有機ハロゲン化合物(5)の消失を確認するために、ガスクロマトグラフィー及び/又は薄層クロマトグラフィー及び/又核磁気共鳴スペクトル等で上記反応の進行を追跡して、該有機ハロゲン化合物(5)の反応性等により最適化することが好ましく、例えば、通常0.5時間~72時間が好ましく、収率及び/又は不純物の生成の観点から0.5時間~24時間がより好ましく、0.5時間~12時間がさらに好ましい。
該アセトキシ化反応により得られるアセテート化合物(6)の単離及び/又は精製は、減圧蒸留及び/又は各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から、適宜選択して用いることができるが、工業的経済性の観点から減圧蒸留が好ましい。また、該アセトキシ化反応により得られるアセテート化合物(6)が十分な純度を有している場合には、粗生成物を単離及び精製せずにそのまま使用してもよい。
D.次に、下記の一般式(7)で表されるアルコール化合物の製造方法について以下に説明する。
アルコール化合物(7)は、下記の反応式に示される通り、上記アセテート化合物(6)を、加水分解反応に付すことにより得られる。
出発物質であるアセテート化合物(6)については、上記で述べた通りである。
次に、上記加水分解反応より得られるアルコール化合物(7)について、以下に説明する。
上記一般式(7)において、nは上記一般式(1)で定義した通りであり、Rは、上記一般式(6)で定義した通りである。アルコール化合物(7)がアセテート化合物(6)から合成される場合に、該一般式(7)中のR及びnはそれぞれ、該一般式(6)中で選択したR及びnのまま不変である。
該アルコール化合物(7)としては、(10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール、4,6-ヘキサデカジエニル=アルコール、7,9-テトラデカジエニル=アルコール、7,9-ドデカジエニル=アルコール、(11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アルコール及び11,13-ヘキサデカジエニル=アルコール等の直鎖状アルコール化合物;10-メチル-4,6,10-ウンデカトリエニル=アルコール、8,8-ジメチル-4,6-ノナジエニル=アルコール、11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アルコール、12-メチル-7,9,11-トリデカトリエニル=アルコール及び14-メチル-9,11,13-ペンタデカトリエニル=アルコール等の分岐状アルコール化合物;並びに、7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アルコール及び10-フェニル-7,9-デカジエニル=アルコール等の芳香族アルコール化合物が挙げられる。
更に、上記アルコール化合物(7)としては、エナンチオマー、ジアステレオマー並びにこれら立体異性体の同量及び非同量の混合物等が挙げられる。
上記加水分解反応は、公知の加水分解反応を用いて行うことができ、必要に応じて加熱下又は冷却下で行うことができる。
該加水分解反応は、例えば、塩基を使用した塩基性条件下、酸を使用した酸性条件下、又は塩類若しくはハロゲン化シラン類を使用した中性条件下で行うことができる。
塩基性条件下での加水分解に用いる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム及び水酸化バリウム等の水酸化物塩類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等の炭酸塩類又は炭酸水素塩類;並びに、ナトリウム=メトキシド、ナトリウム=エトキシド、ナトリウム=t-ブトキシド、リチウム=メトキシド、リチウム=エトキシド、リチウム=t-ブトキシド、カリウム=メトキシド、カリウム=エトキシド及びカリウム=t-ブトキシド等の金属アルコキシド類を挙げることができる。
該塩基は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、アセテート化合物(6)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択でき、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
酸性条件下での加水分解に使用する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸及び硝酸等の無機酸類;酢酸、ギ酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸等の有機酸類;並びに、三塩化アルミニウム、アルミニウム=エトキシド、アルミニウム=イソプロポキシド、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、四塩化スズ、四臭化スズ、二塩化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキシド、四塩化チタン、四臭化チタン、チタン(IV)=メトキシド、チタン(IV)=エトキシド及びチタン(IV)=イソプロポキシド等のルイス酸類を挙げることができる。
該酸は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、アセテート化合物(6)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択でき、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
中性条件下での加水分解に使用する塩類としては、例えば、ヨウ化リチウム、臭化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、リチウム=メタンチオレート及びナトリウム=ベンゼンチオレート等を挙げることができる。
中性条件下での加水分解に使用するハロゲン化シラン類としては、ヨウ化トリメチルシラン、臭化トリメチルシラン等を挙げることができる。
該塩類又はハロゲン化シラン類は、1種類又は必要に応じて、塩類の2種類以上、ハロゲン化シラン類の2種類以上若しくは塩類とハロゲン化シラン類の組み合わせの2種類以上を使用してもよく、アセテート化合物(6)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択でき、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
該加水分解反応は、塩基性条件下での加水分解が好ましく、収率及び/又は不純物生成の観点から水酸化物塩類、炭酸塩類又は炭酸水素塩類による加水分解反応がより好ましい。
該加水分解反応に使用する塩基、酸、又は塩類若しくはハロゲン化シラン類の使用量は、該アセテート化合物(6)の反応性等により、触媒量の非常に少ない量から大過剰量の範囲で任意に設定することができ、例えば、アセテート化合物(6)1モルに対して、0.1モル~50モルが好ましく、反応時間及び/又は収率の観点から0.3モル~30モルがより好ましく、0.5モル~10モルがさらに好ましい。
該加水分解反応に使用される溶媒としては、該加水分解反応に悪影響を与えない溶媒であれば、任意に使用することができ、例えば、水;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素及び1,2-ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;ジエチル=エーテル、ジ-n-ブチル=エーテル、ジ-t-ブチル=エーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン及びジエチレングリコール=ジメチル=エーテル等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の炭化水素系溶媒;アセトン、メチル=エチル=ケトン、イソブチル=メチル=ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;メチル=アルコール、エチル=アルコール、n-プロピル=アルコール、イソプロピル=アルコール、イソブチル=アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びベンジル=アルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;並びに、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチル=スルホキシド及びヘキサメチルホスホリック=トリアミド等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられ、反応性の観点から水、エーテル系溶媒及びアルコール系溶媒が好ましい。
該溶媒は、1種類又は必要に応じて、2種類以上を使用してもよく、上記アセテート化合物(6)の反応性及び/又は収率を考慮して任意に選択でき、市販されているものを、精製した後に又は未精製のまま使用してもよい。
該溶媒の使用量は、上記アセテート化合物(6)の反応性及び/又は溶解性を考慮して任意に選択できる。例えば、アセテート化合物(6)1モルに対して、30g~10000gが好ましく、反応性及び/又は経済性の観点から50g~5000gがより好ましく、100g~1000gがさらに好ましい。
該加水分解反応の反応温度は、上記アセテート化合物(6)の反応性及び/又は不純物の生成を考慮して任意に選択できる。例えば、-30℃~250℃が好ましく、反応性及び/又は不純物の生成の観点から0℃~150℃がより好ましく、25℃~100℃がさらに好ましい。
該加水分解反応の反応時間は、基質である上記アセテート化合物(6)の消失を確認するために、ガスクロマトグラフィー及び/又は薄層クロマトグラフィー及び/又核磁気共鳴スペクトル等で上記反応の進行を追跡して、該アセテート化合物(6)の反応性等により最適化することが好ましく、例えば、通常1時間~72時間が好ましく、収率及び/又は不純物の生成の観点から1時間~24時間がより好ましく、1時間~12時間がよりさらに好ましい。
該加水分解反応より得られるアルコール化合物(7)の単離及び/又は精製は、減圧蒸留及び/又は各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から適宜選択して用いることができるが、工業的経済性の観点から、減圧蒸留が好ましい。また、目的物であるアルコール化合物(7)が十分な純度を有している場合には、粗生成物を精製せずにそのまま使用してもよい。
以上のようにして、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)を、ハロゲン化リチウム(2)の存在下、アルカリ金属アルコシキド(3)とリンイリド調製反応をさせて、反応生成混合物を得、続いて該反応生成混合物と、アルデヒド化合物(4)とをウィッティッヒ反応に付すことにより、毒性及び発火性を有する原料を使用せずに、工業的に容易に適用可能な反応温度範囲において、有機ハロゲン化合物(5)を短工程で収率よく且つ工業的に製造できる。更に、有機ハロゲン化合物(5)からアセテート化合物(6)を、そして該アセテート化合物(6)からアルコール化合物(7)を、収率よく、短工程で製造することができる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
なお、以下において、「純度」は、特に明記しない限り、ガスクロマトグラフィー(以下「GC」とも表す。)分析によって得られた面積百分率を示し、「生成比」はGC分析によって得られた面積百分率の相対比を示す。
また、「収率」は、GC分析によって得られた面積百分率を基に算出した収率を示す。
収率は、出発原料及び生成物の純度(%GC)を考慮して、以下の式に従い計算した。
収率(%)={[(反応によって得られた生成物の重量×%GC)/生成物の分子量]
÷[(反応における出発原料の重量×%GC)/出発原料の分子量]}×100
GC分析の条件は、下記の通りである。
「純度」及び「生成比」測定のためのGC条件:GC:島津製作所 キャピラリガスクロマトグラフ GC-2010plus,カラム:DB-WAX,0.25μm×0.25mmφ×30m,キャリアーガス:He(1.55mL/分)、検出器:FID,カラム温度:150℃ 3分保持 5℃/分昇温 230℃。
実施例1
以下の実施例1-1~実施例1-3は、下記に示す反応式の通り、下記一般式(1)で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物の製造を記載する。
実施例1-1
(2E)-(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=1)の製造
攪拌機、コンデンサー及び温度計を取り付けた反応器内を、窒素により置換し、そして該反応器にトリフェニルホスフィン(PPh)(275.40g:1.05モル)及びアセトニトリル(CHCN)(850.0g)を添加して、液温を25℃~28℃に調節した。該混合液に、(2E)-6-クロロ-2-ヘキセニル=ブロミド(8:X=Br,X=Cl,n=1)(197.50g:1.00モル,純度96.7%)を液温28℃~30℃にて2時間掛けて滴下し、滴下終了後、反応液を液温30℃~35℃にて7時間攪拌した。攪拌終了後、反応液から溶媒を減圧下で除去し、トルエン(700.0g)、続いてn-ヘキサン(700.0g)を添加し、結晶物を析出させた。この懸濁液を液温20℃~25℃にて1時間攪拌し、その後に、結晶物を濾別し、n-ヘキサン(30.0g)にて洗浄した。
その後、結晶物を減圧下にて乾燥して、(2E)-(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=1)(460.25g:0.98モル,収率98.3%,純度98.2%)が得られた。上記収率及び純度は、1,4-ビス(トリメチルシリル)ベンゼン-d4を内部標準物質としたH-NMRによって決定した。
上記で得られた(2E)-(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=1)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(500MHz,CDCl):δ 1.63(2H,quin,J=6.8Hz),2.19(2H,dt,J=12.5,6.1Hz),3.24(2H,t,J=6.5Hz),4.69(2H.q,J=7.4Hz),5.31(1H,dt,J=21.6,6.2Hz),5.96(1H,dt,J=21.7,6.3Hz),7.63-7.67(6H,m),7.73-7.81(9H,m)ppm.
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ 27.48,27.87,29.60,29.62,30.83,30.86,43.95,115.34,115.42,117.54,118.23,130.18,130.29,133.75,133.83,134.92,134.94,140.70,140.80ppm.
(マススペクトル)ESI(Positive):m/z 382.2,380.2,379.1(M).
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)493,500,545,692,718,749,843,994,1114,1161,1268,1403,1435,1485,1587,2782,2853,2879,2960,2989,3006,305.
実施例1-2
(2E)-(9-クロロ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=4)の製造
原料としての(2E)-6-クロロ-2-ヘキセニル=ブロミド(8:X=Br,X=Cl,n=1)の代わりに(2E)-9-クロロ-2-ノネニル=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=4)(239.58g:1.00モル,純度95.1%)を用いた以外は、実施例1-1と同じ操作をした。その結果、(2E)-(9-クロロ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=4)(497.84g:0.99モル,収率99.0%,純度99.8%)が得られた。上記収率及び純度は、1,4-ビス(トリメチルシリル)ベンゼン-d4を内部標準物質としたH-NMRによって決定した。
上記で得られた(2E)-(9-クロロ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=4)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(500MHz,CDCN):δ 1.08(2H,quin,J=7.6Hz),1.19(2H,quin,J=7.5Hz),1.29(2H,quin,J=7.6Hz),1.64(2H.q,J=7.1Hz),1.96(2H,q,J=6.1Hz),3.52(2H,t,J=6.7Hz),4.26(2H,q,J=7.4Hz),5.31-5.26(1H,m),5.76(1H,dt,J=21.0,6.9Hz),7.68-7.76(12H,m),7.83-7.87(3H,m)ppm.
13C-NMR(126MHz,CDCN):δ 27.11,27.61,28.01,28.69,29.09,29.11,32.96,32.99,33.13,46.17,115.40,118.79,119.48,130.98,131.09,134.94,135.97,136.00,143.01,143.11ppm.
(マススペクトル)ESI(Positive):m/z 424.2,422.2,421.2(M).
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)502,512,538,645,692,722,742,754,850,980,995,1112,1163,1184,1437,1485,1587,2777,2866,2932,2986,3003,3041.
実施例1-3
(2E)-(13-クロロ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=8)の製造
原料としての(2E)-6-クロロ-2-ヘキセニル=ブロミド(8:X=Br,X=Cl,n=1)の代わりに(2E)-13-クロロ-2-トリデセニル=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=8)(295.69g:1.00モル,純度91.9%)を用いた以外は、実施例1-1と同じ操作をした。その結果、(2E)-(13-クロロ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=8)(497.84g:0.99モル,収率98.8%,純度96.6%)が得られた。上記収率及び純度は、1,4-ビス(トリメチルシリル)ベンゼン-d4を内部標準物質としたH-NMRによって決定した。
上記で得られた(2E)-(13-クロロ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=8)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(500MHz,CDCN):δ 1.02-1.08(2H,m),1.14-1.30(10H,m),1.38(2H,quin,J=7.4Hz),1.72(2H.quin,J=7.2Hz),1.96(2H,q,J=6.3Hz),3.56(2H,t,J=6.7Hz),4.22(2H,q,J=7.5Hz),5.33(1H,dt,J=21.3,6.5Hz),5.76(1H,dt,J=20.0,5.6Hz),7.67-7.76(12H,m),7.83-7.87(3H,m)ppm.
13C-NMR(126MHz,CDCN):δ 27.44,27.59,27.99,29.27,29.30,29.45,29.49,29.92,30.05,33.08,33.10,33.28,46.25,115.25,115.33,118.78,119.47,134.86,134.93,135.97,136.00,143.18,143.29ppm.
(マススペクトル)ESI(Positive):m/z 480.2,478.2,477.2(M).
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)490,506,544,692,723,739,753,844,996,1113,1161,1436,1485,1588,2778,2852,2923,2987,3055.
実施例2
以下の実施例2-1~実施例2-17は、下記に示す反応式の通り、下記一般式(5)で表される有機ハロゲン化合物の製造を記載する。
実施例2-1
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
攪拌機、コンデンサー及び温度計を取り付けた反応器内を、窒素により置換し、そして該反応器に、実施例1-1に従って得られた(2E)-(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=1)(505.77g:1.10モル,純度98.2%)、臭化リチウム(LiBr)(2:X=Br)(104.21g,1.20モル)及びテトラヒドロフラン(THF)(1800.0g)を添加し、液温を-10℃~-5℃に冷却した。この混合液に、カリウム=t-ブトキシド(t-BuOK)(3:R=t-Bu基,M=カリウム)(122.31g:1.09モル)を液温-5℃~0℃にて10分間掛けて添加し、添加終了後に、液温-5℃~0℃にて1.5時間反応させた。
反応終了後、反応液温を-5℃に安定させ、(4Z)-4-デセナール(4:R=(3Z)-3-ノネニル基)(154.25g,1.00モル,純度97.5%)を液温-5℃~0℃にて2時間掛けて添加した。
反応液を液温0℃~10℃にて1時間攪拌し、撹拌終了後に、該反応器に水(600.0g)を添加して反応を停止し、有機層と水層とに分液した。得られた有機層から溶媒を減圧下で除去し、引き続き、n―ヘキサン(1500.0g)を添加し、濾過によって析出したトリフェニルホスフィンオキシドと濾液とに分離した。濾液を5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(800.0g)、続いて15重量%塩化ナトリウム水溶液(800.0g)にて順次洗浄し、引き続き、有機層から溶媒を減圧下で除去した。
得られた粗生成物を減圧蒸留により精製することにより、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(224.26g:0.88モル,収率87.9%,純度93.1%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分と15.61分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=39.9(GC保持時間14.78分):60.1(GC保持時間15.61分)]が確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより、二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間14.78分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドであり、及びGC保持時間15.61分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドであると考えられた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.89(3H,t,J=7.2Hz),1.24-1.37(6H,m),1.83-1.90(2H,m),2.02(2H.quin,J=7.1Hz),2.11-2.14(3H,m),2.22(2H,q,J=7.4Hz),2.26(1H,q,J=7.2Hz),3.52-3.56(2H,m),5.33-5.42(2.4H,m),5.52(0.6H,dt,J=18.4,7.2Hz),5.59-5.64(1H,m),5.96(0.4H,t,J=11.1Hz),5.99-6.07(1.2H,m),6.36(0.4H,dd,J=15.0Hz)ppm.
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ 14.22,22.72,27.20,27.38,27.43,28.02,29.51,29.53,29.76,30.04,31.66,32.25,32.29,32.86,44.52,127.13,128.69,128.91,130.14,130.33,130.38,130.72,130.84,131.84,132.38,132.78ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(4E,6Z,10Z)体:J4,5=15.2Hz(4-5位),J6,7=10.8Hz(6-7位),J10,11=11.1Hz(10-11位);(4E,6E,10Z)体:J4,5=14.9Hz(4-5位),J6,7=14.9Hz(6-7位),J10,11=11.1Hz(10-11位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=14.78分)(4E,6Z,10Z)体:m/z 254(M),197,183,163,143,107,93,79,67,55,41,21;(GC保持時間=15.61分)(4E,6E,10Z):体m/z 254(M),197,183,163,143,107,93,79,67,55,41,27.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)656,727,947,987,1308,1442,2855,2927,2956,3007.
実施例2-2
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例2-1で用いたハロゲン化リチウム(2)としてのリチウム=ブロミド(LiBr)(2:X=Br)の使用量を(138.94g,1.60モル)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(214.83g:0.84モル,収率84.3%,純度94.0%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=39.9(GC保持時間14.78分):60.1(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例2-3
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例2-1で用いたハロゲン化リチウム(2)としてのリチウム=ブロミド(LiBr)(2:X=Br)の使用量を(52.10g,0.6モル)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(193.68g:0.76モル,収率76.1%,純度94.9%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=46.0(GC保持時間14.78分):54.0(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例2-4
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例2-1において、アルデヒド化合物(4)としての(4Z)-4-デセナール(4:R=(3Z)-3-ノネニル基)を液温-5℃~0℃にて添加する代わりに、液温-25℃~-20℃にて添加した以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(163.10g:0.64モル,収率64.0%,純度92.5%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=39.0(GC保持時間14.78分):61.0(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例2-5
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例2-1において、アルデヒド化合物(4)としての(4Z)-4-デセナール(4:R=(3Z)-3-ノネニル基)を液温-5℃~0℃にて添加する代わりに、液温30℃~35℃にて添加した以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(226.81g:0.89モル,収率88.6%,純度87.3%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=43.8(GC保持時間14.78分):56.2(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった
実施例2-6
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例2-1で用いた、溶媒としてのテトラヒドロフラン(THF)の代わりに、アセトニトリル(CHCN)(1800.0g)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(145.26g:0.57モル,収率56.8%,純度92.8%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=52.6(GC保持時間14.78分):47.4(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例2-7
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例2-1で用いた、アルカリ金属アルコキシド(3)としてのカリウム=t-ブトキシド(t-BuOK)(3:R=t-Bu基,M=カリウム)の代わりに、ナトリウム=t-ブトキシド(t-BuONa)(3:R=t-Bu基,M=ナトリウム)(104.75g:1.09モル)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(211.51g:0.83モル,収率83.1%,純度96.1%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=40.7(GC保持時間14.78分):59.3(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例2-8
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例2-1で用いた、ハロゲン化リチウム(2)としての臭化リチウム(LiBr)(2:X=Br)(104.21g,1.20モル)の代わりに、塩化リチウム(LiCl)(2:X=Cl)(50.87g,1.20モル)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(187.97g:0.74モル,収率73.6%,純度94.6%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=38.7(GC保持時間14.78分):61.3(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例2-9
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例2-1で用いた、ハロゲン化リチウム(2)としての臭化リチウム(LiBr)(2:X=Br)(104.21g,1.20モル)の代わりに、ヨウ化リチウム(LiI)(2:X=I)(160.62g,1.20モル)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(187.97g:0.71モル,収率71.3%,純度95.2%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=46.1(GC保持時間14.78分):53.9(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例2-10
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
実施例1-1で用いた、溶媒としてのアセトニトリル(CHCN)の代わりに、テトラヒドロフラン(THF)(500.0g)とした以外は、実施例1-1と同じ操作をした。得られた(2E)-(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=1)の反応液は単離精製せず、そのまま実施例2に記載する有機ハロゲン化合物(5)の製造へ用いた。
実施例2-1で用いた、溶媒としてのテトラヒドロフラン(THF)の使用量を(600.0g)とし、上記(2E)-(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=1)の反応液へ、ハロゲン化リチウムとしての臭化リチウム(LiBr)(2:X=Br)及び溶媒としてのテトラヒドロフラン(THF)を直接添加した以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(221.71g:0.87モル,収率87.0%,純度95.6%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.78分に(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド、及び15.61分に(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリドが2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=40.9(GC保持時間14.78分):59.1(GC保持時間15.61分)]として確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータは、実施例2-1で得られた各種スペクトルデータと同じであった。
実施例2-11
(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=n-ノネニル基)の製造
実施例2-1で用いた、アルデヒド化合物(4)としての(4Z)-4-デセナール(4:R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、n-デカナール(4:R=n-ノニル基)(154.25g,1.00モル,純度97.5%)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=n-ノニル基)(228.61g:0.89モル,収率88.8%,純度94.1%)が得られた。
上記で得られた(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=n-ノニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間13.98分と14.89分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=41.4(GC保持時間13.98分):58.6(GC保持時間14.89分)]が確認された。上記(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=n-ノニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=n-ノニル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間13.98分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6Z)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリドであり、及びGC保持時間14.89分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6E)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリドであると考えられた。
上記で得られた(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=n-ノニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(500MHz,CDCl):δ 0.88(3H,t,J=7.1Hz),1.27-1.39(14H,m),1.83-1.91(2H,m),2.05(2H.q,J=7.1Hz),2.16(0.8H,q,J=7.3Hz),2.23(1.2H,q,J=7.9Hz),2.28(0.8H,q,J=6.7Hz),3.52-3.56(2H,m),5.35(0.4H,dt,J=11.0,7.5Hz),5.51(0.6H,dt,J=14.6,7.2Hz),5.60(1H,dt,J=14.5,7.2Hz),5.95(0.6H,dd,J=15.7,11.2Hz),5.99-6.08(1H,m),6.36(0.4H,dd,J=15.1,11.0Hz)ppm.
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ 14.09,22.67,27.71,29.21,29.25,29.31,29.35,29.51,29.56,29.58,29.60,29.68,29.89,31.89,32.13,32.16,32.58,127.03,128.14,129.61,129.87,131.05,131.81,131.88,133.44ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(4E,6Z)体:J4,5=15.1Hz(4-5位),J6,7=11.0Hz(6-7位);(4E,6E)体:J4,5=15.1Hz(4-5位),J6,7=14.7Hz(6-7位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=13.98分)(4E,6Z)体:m/z 256(M),158,144,130,109,95,81,67,54,41,27;(GC保持時間=14.89分)(4E,6E)体:m/z 256(M),158,144,130,109,95,81,67,54,41,27.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)656,723,948,987,1442,1458,2854,2924,2956,3016.
実施例2-12
(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=フェニル基)の製造
実施例2-1で用いた、アルデヒド化合物(4)としての(4Z)-4-デセナール(4:R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、ベンズアルデヒド(4:R=フェニル基)(106.12g,1.00モル,純度98.0%)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=フェニル基)(190.17g:0.92モル,収率91.8%,純度96.2%)が得られた。
上記で得られた(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=フェニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間13.44分と16.80分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=38.6(GC保持時間13.44分):61.4(GC保持時間16.80分)]が確認された。上記(4E)-7-フェニル-4,6-へプタジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=フェニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(4E)-7-フェニル-4,6-へプタジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=フェニル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間13.44分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6Z)-7-フェニル-4,6-へプタジエニル=クロリドであり、及びGC保持時間16.80分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6E)-7-フェニル-4,6-へプタジエニル=クロリドであると考えられた。
上記で得られた(4E)-7-フェニル-4,6-へプタジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=フェニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 1.91(2H,sep,J=7.1Hz),2.31(2H,sext,J=7.3Hz),3.56(1.2H,t,6.6Hz),3.57(0.8H.t,J=6.5Hz),5.75-5.86(1H,m),6.22(0.6H,t,J=11.4Hz),6.27(0.4H,dd,J=15.1,8.7Hz),6.37(0.4H,d,J=11.5Hz),6.48(0.6H,d,J=15.6Hz),6.66(0.4H,dd,J=15.0,11.0Hz),6.76(0.6H,dd,J=15.7,8.7Hz),7.21-7.26(1H,m),7.30-7.39(4H,m)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 29.99,30.08,32.11,32.16,44.47,126.33,126.95,127.41,127.98,128.38,128.54,128.71,129.02,129.06,130.17,130.94,131.99,133.30,135.51,137.57,137.74ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(4E,6Z)体:J4,5=14.4Hz(4-5位),J6,7=11.0Hz(6-7位);(4E,6E)体:J4,5=15.1Hz(4-5位),J6,7=15.6Hz(6-7位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=13.44分)(4E,6Z)体:m/z 206(M),143,129,115,91,77,65,51,39,27;(GC保持時間=16.80分)(4E,6E)体:m/z 208(M),143,129,115,91,77,65,51,39,27.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)508,652,692,701,746,771,916,949,989,1028,1072,1295,1446,1492,1596,1643,2841,2936,2955,3022,3057,3078.
実施例2-13
(7E)-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=n-ブチル基)の製造
実施例2-1で用いた、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)としての(2E)-(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=1)の代わりに、実施例1-2に従って得られた(2E)-(9-クロロ-2-ノネニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=4)(552.06g,1.10モル,純度99.8%)とし、及びアルデヒド化合物(4)としての(4Z)-4-デセナール(4:R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、n-ペンタナール(4:R=n-ブチル基)(86.13g,1.00モル,純度95.0%)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(7E)-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=n-ブチル基)(205.92g:0.90モル,収率90.5%,純度95.5%)が得られた。
上記で得られた(7E)-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=n-ブチル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間10.43分と11.06分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=41.9(GC保持時間10.43分):58.1(GC保持時間11.06分)]が確認された。上記(7E)-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=n-ブチル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(7E)-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=n-ブチル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間10.43分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9Z)-7,9-テトラデカジエニル=クロリドであり、及びGC保持時間11.06分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9E)-7,9-テトラデカジエニル=クロリドであると考えられた。
上記で得られた(7E)-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=n-ブチル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.88-0.92(3H,m),1.28-1.46(10H,m),1.74-1.80(2H,m),2.06(2.4H.q,J=7.0Hz),2.10(0.8H,q,J=7.2Hz),2.16(0.8H,q,J=7.2Hz),3.53(1.2H,t,J=6.8Hz),3.53(0.8H,t,J=6.8Hz),5.31(0.4H,dt,J=10.7,7.6Hz),5.51-5.60(1.2H,m),5.64(0.4H,dt,J=14.4,7.3Hz),5.94(0.4H,t,J=11.0Hz),5.97-6.02(1.2H,m),6.30(0.4H,dd,J=15.1,11.0Hz)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 14.08,14.11,22.39,22.46,26.87,26.88,27.54,28.55,29.33,29.34,31.71,32.04,32.41,32.58,32.72,32.86,45.27,125.98,128.64,130.38,130.40,130.70,132.11,132.73,134.37ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(7E,9Z)体:J7,8=14.4Hz(7-8位),J9,10=10.8Hz(9-10位);(7E,9E)体:J7,8=15.2Hz(7-8位),J9,10=15.5Hz(9-10位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=10.43分)(7E,9Z)体:m/z 228(M),185,171,157,144,123,109,95,81,67,54,41;(GC保持時間=11.06分)(7E,9E)体:m/z 228(M),185,171,157,144,123,109,95,81,67,54,41.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)653,729,949,987,1464,2856,2928,2956,3015.
実施例2-14
(7E)-7,9-ドデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=エチル基)の製造
実施例2-13で用いた、アルデヒド化合物(4)としてのn-ペンタナール(4:R=n-ブチル基)の代わりに、プロパナール(4:R=エチル基)(58.08g,1.00モル,純度98.0%)とした以外は、実施例2-13と同じ操作をした。その結果、(7E)-7,9-ドデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=エチル基)(194.73g:0.97モル,収率96.7%,純度93.4%)が得られた。
上記で得られた(7E)-7,9-ドデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=エチル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間12.98分と13.35分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=44.8(GC保持時間12.98分):55.2(GC保持時間13.35分)]が確認された。上記(7E)-7,9-ドデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=エチル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(7E)-7,9-ドデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=エチル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間12.98分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9Z)-7,9-ドデカジエニル=クロリドであり、及びGC保持時間13.35分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9E)-7,9-ドデカジエニル=クロリドであると考えられた。
上記で得られた(7E)-7,9-ドデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=エチル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.99(1.2H,t,J=7.5Hz),1.00(1.8H,t,J=7.4Hz),1.31-1.47(6H,m),1.74-1.79(2H.m),2.04-2.13(3.2H,m),2.17(0.8H,quin,J=7.4Hz),3.52(1.2H,t,J=6.8Hz),3.53(0.8H,t,J=6.8Hz),5.31(0.4H,dt,J=10.7,7.5Hz),5.56(0.6H,dt,J=14.1,7.0Hz),5.60-5.67(1H,m),5.91(0.4H,t,J=10.9Hz),5.97-6.03(1.2H,m),6.30(0.4H,dd,J=15.1,11.0Hz)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 13.77,14.46,21.15,25.72,26.86,26.87,28.54,28.57,29.32,29.35,32.58,32.71,32.85,45.26,125.84,128.07,129.44,130.68,131.96,132.19,134.19,134.44ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(7E,9Z)体:J7,8=15.2Hz(7-8位),J9,10=10.8Hz(9-10位);(7E,9E)体:J7,8=14.8Hz(7-8位),J9,10=14.9Hz(9-10位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=12.98分)(7E,9Z)体:m/z 200(M),171,157,144,123,109,95,82,67,55,41,27;(GC保持時間=13.35分)(7E,9E)体:m/z 200(M),171,157,144,123,109,95,82,67,55,41,27.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)542,652,725,947,987,1120,1309,1438,1461,2855,2931,2962,3016.
実施例2-15
(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=2-ペンチル基)の製造
実施例2-13で用いた、アルデヒド化合物(4)としてのn-ペンタナール(4:R=n-ブチル基)の代わりに、2-メチルペンタナール(4:R=2-ペンチル基)(100.16g,1.00モル,純度92.4%)とした以外は、実施例2-13と同じ操作をした。その結果、(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=2-ペンチル基)(218.55g:0.90モル,収率90.3%,純度96.9%)が得られた。
上記で得られた(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=2-ペンチル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間10.21分と11.43分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=51.3(GC保持時間10.21分):48.7(GC保持時間11.43分)]が確認された。上記(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=2-ペンチル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=2-ペンチル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間10.21分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9Z)-11-メチル-7,9-ドデカジエニル=クロリドであり、及びGC保持時間11.43分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリドであると考えられた。
上記で得られた(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=2-ペンチル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.87(1.5H,t,J=7.0Hz),0.88(1.5H,t,J=7.1Hz),0.96(1.5H,d,J=6.7Hz),0.98(1.5H.d,J=6.7Hz),1.26-1.36(6H,m),1.37-1.46(4H,m),1.74-1.80(2H,m),2.06(1H,q,J=7.4Hz),2.10(1H,q,J=7.2Hz),2.12-2.19(0.5H,m),2.56-2.64(0.5H,m),3.53(1H,t,J=6.8Hz),3.54(1H,t,J=6.8Hz),5.07(0.5H,t,J=10.4Hz),5.45(0.5H,dd,J=14.4,7.9Hz),5.56(0.5H,dt,J=14.3,7.1Hz),5.63(0.5H,dt,J=14.7,7.3Hz),5.89(0.5H,t,J=10.9Hz),5.93-6.02(1H,m),6.28(0.5H,dd,J=15.0,10.9Hz)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 14.31,14.35,20.58,20.70,20.72,21.43,26.86,26.88,28.55,28.58,29.30,29.36,32.06,32.61,32.72,32.83,36.57,39.50,39.98,45.26,126.20,127.30,128.51,130.81,132.16,134.31,136.85,138.75ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(7E,9Z)体:J7,8=14.7Hz(7-8位),J9,10=10.7Hz(9-10位);(7E,9E)体:J7,8=14.3Hz(7-8位),J9,10=14.4Hz(9-10位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=10.21分)(7E,9Z)体:m/z 242(M),199,171,158,143,123,109,95,81,67,55,41;(GC保持時間=11.43分)(7E,9E)体:m/z 242(M),199,171,158,143,123,109,95,81,67,55,41.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)654,720,949,987,1376,1456,2858,2927,2956,3016.
実施例2-16
(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=1-プロペニル基)の製造
実施例2-13で用いた、アルデヒド化合物(4)としてのn-ペンタナール(4:R=n-ブチル基)の代わりに、(2E)-2-ブテナール(4:R=1-プロペニル基)(70.09g,1.00モル,純度99.0%)とした以外は、実施例2-13と同じ操作をした。その結果、(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=1-プロペニル基)(195.74g:0.92モル,収率91.9%,純度96.9%)が得られた。
上記で得られた(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=1-プロペニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間10.62分と10.96分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=53.0(GC保持時間10.62分):47.0(GC保持時間10.96分)]が確認された。上記(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=1-プロペニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=1-プロペニル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間10.62分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9Z,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリドであり、及びGC保持時間10.96分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリドであると考えられた。
上記で得られた(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=1-プロペニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 1.24-1.37(2H,m),1.38-1.48(4H,m),1.74-1.78(3.5H,m),1.80(1.5H,d,J=6.8Hz),2.09(1H,q,J=7.7Hz),2.13(1H,q,J=7.4Hz),3.52(1H,t,J=6.7Hz),3.53(1H,t,J=6.8Hz),5.62-5.73(2H,m),5.81-5.87(1H,m),6.01-6.09(2H,m),6.45-6.53(1H,m)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 18.41,18.53,26.86,28.52,28.56,29.27,32.70,32.77,32.92,45.26,126.08,127.29,127.46,127.75,129.02,130.04,130.63,130.76,130.99,131.89,134.17,135.18ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(7E,9Z,11E)体:J7,8=15.1Hz(7-8位),J9,10=11.4Hz(9-10位),J11,12=14.8Hz(11-12位);(7E,9E,11E)体:J7,8=14.6Hz(7-8位),J9,10=14.5Hz(9-10位),J11,12=14.7Hz(11-12位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=10.62分)(7E,9Z,11E)体:m/z 212(M),144,121,107,93,79,67,55,41;(GC保持時間=10.96分)(7E,9E,11E)体:m/z 212(M),144,121,107,93,79,67,55,41.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)542,651,724,925,963,996,1308,1376,1446,2855,2930,3012.
実施例2-17
(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=8,R=エチル基)の製造
実施例2-1で用いた、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)としての(2E)-(6-クロロ-2-ヘキセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=1)の代わりに、実施例1-3に従って得られた(2E)-(13-クロロ-2-トリデセニル)トリフェニルホスホニウム=ブロミド(1:X=Br,X=Cl,n=8)(613.78g,1.10モル,純度96.6%)とし、及びアルデヒド化合物(4)としての(4Z)-4-デセナール(4:R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、プロパナール(4:R=エチル基)(58.08g,1.00モル,純度98.0%)とした以外は、実施例2-1と同じ操作をした。その結果、(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=8,R=エチル基)(249.15g:0.97モル,収率96.6%,純度88.5%)が得られた。
上記で得られた(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=8,R=エチル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間15.38分と15.77分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=44.4(GC保持時間15.38分):55.6(GC保持時間15.77分)]が確認された。上記(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=8,R=エチル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=8,R=エチル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間15.38分に検出されるシス-トランス異性体が(11E,13Z)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリドであり、及びGC保持時間15.77分に検出されるシス-トランス異性体が(11E,13E)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリドであると考えられた。
上記で得られた(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=8,R=エチル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.99(1.3H,t,J=7.5Hz),1.00(1.7H,t,J=7.5Hz),1.24-1.44(14H,m),1.76(2H.quin,J=7.2Hz),2.02-2.11(3.1H,m),2.18(0.9H,quin,J=7.4Hz),3.53(2H,t,J=6.9Hz),5.30(0.4H,dt,J=10.8,7.2Hz),5.54-5.63(1.2H,m),5.66(0.4H,dt,J=14.7,7.3Hz),5.92(0.4H,t,J=10.8Hz),5.97-6.03(1.2H,m),6.30(0.4H,dd,J=15.1,10.8Hz)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 13.79,14.47,21.15,25.73,27.02,29.02,29.32,29.35,29.53,29.57,29.58,29.59,29.61,32.74,32.80,33.01,45.33,125.63,128.17,129.53,130.46,131.78,132.60,134.00,134.84ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(11E,13Z)体:J11,12=14.9Hz(11-12位),J13,14=10.8Hz(13-14位);(11E,13E)体:J11,12=14.3Hz(11-12位),J13,14=15.3Hz(13-14位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=15.38分)(11E,13Z)体:m/z 256(M),200,172,137,123,109,96,82,64,57,41;(GC保持時間=15.77分)(11E,13E)体:m/z 256(M),200,172,137,123,109,96,82,64,57,41.
実施例3
以下の実施例3-1~実施例3-8は、下記に示す反応式の通り、下記一般式(6)で表されるアセテート化合物の製造を記載する。
実施例3-1
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート(6:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
攪拌機、コンデンサー及び温度計を取り付けた反応器内を、窒素により置換し、そして該反応器に、実施例2-1に従って得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(254.84g:1.00モル,純度93.1%)、酢酸ナトリウム(AcONa)(98.41g,1.20モル)、ヨウ化ナトリウム(NaI)(8.99g,0.06モル)及びN-メチル-2-ピロリドン(NMP)(300.0g)を添加した。該反応混合物を、液温120℃~130℃にて1.5時間反応させた。
反応終了後、該反応器に水(360.0g)を添加して反応を停止し、その後、n-ヘキサン(200.0g)を添加して、有機層と水層とに分液した。得られた有機層を10重量%塩化ナトリウム水溶液(280.0g)、続いて8重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(250.0g)にて順次洗浄し、引き続き、有機層から溶媒を減圧下で除去した。
得られた粗生成物を減圧蒸留により精製することにより、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート(6:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(256.16g:0.92モル,収率92.3%,純度97.3%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート(6:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間18.68分と19.69分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=40.7(GC保持時間18.68分):59.3(GC保持時間19.69分)]が確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート(6:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート(6:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間18.68分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートであり、及びGC保持時間19.69分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテートであると考えられた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート(6:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(500MHz,CDCl):δ 0.88(3H,t,J=7.7Hz),1.23-1.36(6H,m),1.68-1.76(2H,m),2.03(2H.quin,J=6.6Hz),2.04(1.8H,s),2.05(1.2H,s),2.10-2.28(6H,m),4.06(1.2H,t,J=6.1Hz),4.07(0.8H,t,J=5.0Hz),5.31-5.45(2.5H,m),5.50-5.71(1.5H,m),5.95(0.4H,t,J=11.1Hz),5.98-6.04(1.2H,m),6.32(0.4H,dd,J=14.8,11.5Hz)ppm.
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ 14.05,20.95,22.56,27.04,27.20,27.27,27.84,28.26,28.87,29.17,29.34,29.36,31.48,32.68,63.92,63.94,126.43,128.58,128.76,129.95,130.28,130.51,130.58,131.19,132.39,132.89ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(4E,6Z,10Z)体:J4,5=15.1Hz(4-5位),J6,7=10.6Hz(6-7位),J10,11=10.3Hz(10-11位);(4E,6E,10Z)体:J4,5=15.1Hz(4-5位),J6,7=14.7Hz(6-7位),J10,11=10.9Hz(10-11位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=18.68分)(4E,6Z,10Z)体:m/z 278(M),218,190,175,161,147,133,119,107,93,79,65,55,43,29;(GC保持時間=19.69分)(4E,6E,10Z)体:m/z 278(M),218,177,161,150,133,107,93,79,65,55,43,29.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)732,947,988,1042,1239,1365,1386,1449,1742,2855,2926,2956,3008.
実施例3-2
(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=1,R=n-ノニル基)の製造
実施例3-1で用いた、有機ハロゲン化合物(5)としての(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、実施例2-11に従って得られた(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=n-ノニル基)(256.86g:1.00モル,純度94.1%)とした以外は、実施例3-1と同じ操作をした。その結果、(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=1,R=n-ノニル基)(249.15g:0.92モル,収率92.2%,純度97.1%)が得られた。
上記で得られた(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=1,R=n-ノニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間17.64分と18.77分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=42.7(GC保持時間17.64分):57.3(GC保持時間18.77分)]が確認された。上記(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=1,R=n-ノニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=1,R=n-ノニル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間17.64分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6Z)-4,6-ヘキサデカジエニル=アセテートであり、及びGC保持時間18.77分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6E)-4,6-ヘキサデカジエニル=アセテートであると考えられた。
上記で得られた(4E)-4,6-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=1,R=n-ノニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(500MHz,CDCl):δ 0.88(3H,t,J=6.9Hz),1.27-1.36(14H,m),1.68-1.76(2H,m),2.03(1.8H.s),2.04(1.2H,s),2.09-2.21(4H,q,m),4.06(1.2H,t,J=6.5Hz),4.07(0.8H,t,J=6.5Hz),5.32(0.4H,dt,J=14.7,5.5Hz),5.50-5.65(1.6H,m),5.91-6.04(1.6H,m),6.32(0.4H,dd,J=15.0,11.0Hz)ppm.
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ 14.09,20.94,22.65,27.70,28.30,28.87,29.17,29.19,29.26,29.31,29.36,29.50,29.56,29.68,31.87,32.57,126.50,128.20,129.94,130.26,130.83,131.30,132.56,133.21,171.11ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(4E,6Z)体:J4,5=15.1Hz(4-5位),J6,7=11.0Hz(6-7位);(4E,6E)体:J4,5=15.0Hz(4-5位),J6,7=14.7Hz(6-7位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=17.64分)(4E,6Z)体:m/z 280(M),220,149,135,121,107,93,79,57,43,28;(GC保持時間=18.77分)(4E,6E)体:m/z 280(M),220,149,135,121,107,93,79,57,43,29.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)606,948,987,1042,1239,1365,1387,1466,1743,2854,2924,2955,3017.
実施例3-3
(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテート(6:n=1,R=フェニル基)の製造
実施例3-1で用いた、有機ハロゲン化合物(5)としての(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、実施例2-12に従って得られた(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=フェニル基)(206.71g:1.00モル,純度96.2%)とした以外は、実施例3-1と同じ操作をした。その結果、(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテート(6:n=1,R=フェニル基)(211.88g:0.92モル,収率91.8%,純度98.0%)が得られた。
上記で得られた(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテート(6:n=1,R=フェニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間17.03分と21.59分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=57.3(GC保持時間17.03分):42.7(GC保持時間21.59分)]が確認された。上記(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテート(6:n=1,R=フェニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテート(6:n=1,R=フェニル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間17.03分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6Z)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテートであり、及びGC保持時間21.59分に検出されるシス-トランス異性体が(4E,6E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテートであると考えられた。
上記で得られた(4E)-7-フェニル-4,6-ヘプタジエニル=アセテート(6:n=1,R=フェニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(500MHz,CDCl):δ 1.76(2H,sep,J=6.9Hz),2.04(1.8H,s),2.06(1.2H,s),2.21(2H.sext,J=6.7Hz),4.08(1.2H,t,J=6.7Hz),4.10(0.8H,t,J=6.5Hz),5.77-5.87(1H,dd,J=15.1,8.7Hz),6.37(0.4H,d,J=11.5Hz),6.48(0.6H,m),6.18-6.26(1H,m),6.34(0.6H,d,J=11.5Hz),6.46(0.4H,d,J=15.7Hz),6.62(0.6H,dd,J=15.2,11.2Hz),6.74(0.4H,dd,J=15.7,10.3Hz),7.18-7.25(1H,m),7.28-7.39(4H,m)ppm.
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ 20.93,20.95,28.13,28.19,29.14,29.18,63.81,63.85,126.13,126.72,127.18,127.32,128.17,128.19,128.52,128.84,128.97,130.11,130.58,131.33,133.81,136.00,137.42,137.63,171.09,171.11ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(4E,6Z)体:J4,5=15.2Hz(4-5位),J6,7=11.5Hz(6-7位);(4E,6E)体:J4,5=15.1Hz(4-5位),J6,7=15.7Hz(6-7位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=17.03分)(4E,6Z)体:m/z 230(M),170,155,141,128,115,103,91,78,65,43;(GC保持時間=21.59分)(4E,6E)体:m/z 230(M),170,155,141,128,115,103,91,79,65,43.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)606,701,748,771,950,990,1042,1241,1366,1387,1447,1492,1596,1644,1739,2954,3022.
実施例3-4
(7E)-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=n-ブチル基)の製造
実施例3-1で用いた、有機ハロゲン化合物(5)としての(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、実施例2-13に従って得られた(7E)-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=n-ブチル基)(228.80g:1.00モル,純度95.5%)とした以外は、実施例3-1と同じ操作をした。その結果、(7E)-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=n-ブチル基)(234.72g:0.93モル,収率93.8%,純度97.1%)が得られた。
上記で得られた(7E)-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=n-ブチル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.30分と14.48分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=41.1(GC保持時間14.30分):58.9(GC保持時間14.48分)]が確認された。上記(7E)-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=n-ブチル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(7E)-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=n-ブチル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間14.30分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9Z)-7,9-テトラデカジエニル=アセテートであり、及びGC保持時間14.48分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9E)-7,9-テトラデカジエニル=アセテートであると考えられた。
上記で得られた(7E)-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=n-ブチル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.89(1.8H,t,J=7.7Hz),0.90(1.2H,t,J=7.7Hz),1.28-1.43(10H,m),1.59-1.64(2H.m),2.13-2.07(5.4H,m),2.09(0.8H,q,J=7.1Hz),2.16(0.8H,q,J=6.8Hz),4.04(1.2H,t,J=6.8Hz),4.05(0.8H,t,J=6.8Hz),5.30(0.4H,dt,J=10.7,7.6Hz),5.51-5.60(1.2H,m),5.64(0.4H,dt,J=14.8,7.3Hz),5.93(0.4H,t,J=10.9Hz),5.97-6.02(1.2H,m),6.30(0.4H,dd,J=15.1,10.9Hz)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 14.08,14.10,21.15,22.38,22.46,25.93,27.53,28.68,28.69,28.92,28.95,29.40,31.71,32.03,32.40,32.60,32.89,64.74,125.92,128.65,130.36,130.38,130.65,132.18,132.69,134.45,171.37ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(7E,9Z)体:J7,8=15.0Hz(7-8位),J9,10=10.8Hz(9-10位);(7E,9E)体:J7,8=14.5Hz(7-8位),J9,10=15.0Hz(9-10位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=14.30分)(7E,9Z)体:m/z 252(M),192,163,149,135,121,95,81,67,43;(GC保持時間=14.48分)(7E,9E)体:m/z 252(M),192,163,149,135,121,95,81,67,43.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)606,728,948,987,1038,1239,1365,1465,1741,2857,2928,2955,3015.
実施例3-5
(7E)-7,9-ドデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=エチル基)の製造
実施例3-1で用いた、有機ハロゲン化合物(5)としての(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、実施例2-14に従って得られた(7E)-7,9-ドデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=エチル基)(200.75g:1.00モル,純度93.4%)とした以外は、実施例3-1と同じ操作をした。その結果、(7E)-7,9-ドデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=エチル基)(188.45g:0.84モル,収率83.5%,純度97.9%)が得られた。
上記で得られた(7E)-7,9-ドデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=エチル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間17.53分と17.98分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=44.9(GC保持時間17.53分):55.1(GC保持時間17.98分)]が確認された。上記(7E)-7,9-ドデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=エチル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(7E)-7,9-ドデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=エチル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間17.53分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9Z)-7,9-ドデカジエニル=アセテートであり、及びGC保持時間17.98分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9E)-7,9-ドデカジエニル=アセテートであると考えられた。
上記で得られた(7E)-7,9-ドデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=エチル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.99(1.2H,t,J=7.5Hz),1.00(1.8H,t,J=7.4Hz),1.30-1.43(6H,m),1.59-1.64(2H.m),2.03-2.11(6.2H,m),2.17(0.8H,quin,J=7.5Hz),4.03(1.2H,t,J=6.8Hz),4.05(0.8H,t,J=6.8Hz),5.30(0.4H,dt,J=10.7,7.6Hz),5.53-5.66(1.6H,m),5.91(0.4H,t,J=10.9Hz),5.97-6.02(1.2H,m),6.29(0.4H,dd,J=15.1,11.1Hz)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 13.76,14.44,21.14,25.71,25.92,28.67,28.90,28.94,29.37,29.40,32.59,32.87,64.73,125.78,128.08,129.45,130.63,131.92,132.25,134.14,134.50,171.36ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数
(7E,9Z)体:J7,8=15.1Hz(7-8位),J9,10=10.8Hz(9-10位;(7E,9E)体:J7,8=14.8Hz(7-8位),J9,10=15.3Hz(9-10位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=17.53分)(7E,9Z)体:m/z 224(M),164,135,121,107,95,79,67,55,43;(GC保持時間=17.98分)(7E,9E)体:m/z 224(M),164,135,121,107,95,79,67,55,43.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)606,728,948,987,1038,1239,1365,1387,1462,1742,2856,2931,2962,3016.
実施例3-6
(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=2-ペンチル基)の製造
実施例3-1で用いた、有機ハロゲン化合物(5)としての(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、実施例2-15に従って得られた(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=2-ペンチル基)(242.83g:1.00モル,純度96.9%)とした以外は、実施例3-1と同じ操作をした。その結果、(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=2-ペンチル基)(245.11g:0.92モル,収率91.9%,純度97.2%)が得られた。
上記で得られた(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=2-ペンチル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間14.06分と15.36分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=52.1(GC保持時間14.06分):47.9(GC保持時間15.36分)]が確認された。上記(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=2-ペンチル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=2-ペンチル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間14.06分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9Z)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテートであり、及びGC保持時間15.36分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテートであると考えられた。
上記で得られた(7E)-11-メチル-7,9-テトラデカジエニル=アセテート(6:n=4,R=2-ペンチル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.87(1.5H,t,J=7.0Hz),0.88(1.5H,t,J=7.1Hz),0.95(1.5H,d,J=6.7Hz),0.97(1.5H.d,J=6.7Hz),1.18-1.43(10H,m),1.59-1.64(2H,m),2.03-2.06(4H,m),2.08(1H,q,J=7.6Hz),2.11-2.16(0.5H,m),2.55-2.63(0.5H,m),4.05(1H,t,J=6.8Hz),4.06(1H,t,J=6.8Hz),5.07(0.5H,t,J=10.4Hz),5.44(0.5H,dd,J=14.5,7.9Hz),5.56(0.5H,dt,J=14.3,7.1Hz),5.63(0.5H,dt,J=14.7,7.3Hz),5.89(0.5H,t,J=10.9Hz),5.93-6.01(1H,m),6.27(0.5H,dd,J=15.0,11.0Hz)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 14.30,14.34,20.57,20.69,20.71,21.15,21.42,25.93,28.68,28.70,28.94,29.36,29.41,32.05,32.63,32.87,36.56,39.49,39.98,64.74,126.14,127.31,128.52,130.75,132.23,134.39,136.81,138.71,171.37ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(7E,9Z)体:J7,8=14.9Hz(7-8位),J9,10=10.7Hz(9-10位);(7E,9E)体:J7,8=14.3Hz(7-8位),J9,10=14.5Hz(9-10位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=14.06分)(7E,9Z)体:m/z 266(M),223,177,163,149,135,121,107,95,81,67,55,43;(GC保持時間=15.36分)(7E,9E体):m/z 242(M),199,171,158,143,123,109,95,81,67,55,41.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)740,949,987,1039,1239,1365,1456,1742,2858,2928,2956.
実施例3-7
(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテート(6:n=4,R=1-プロペニル基)の製造
実施例3-1で用いた、有機ハロゲン化合物(5)としての(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、実施例2-16に従って得られた(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=4,R=1-プロペニル基)(212.76g:1.00モル,純度96.9%)とした以外は、実施例3-1と同じ操作をした。その結果、(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテート(6:n=4,R=1-プロペニル基)(198.53g:0.84モル,収率83.9%,純度98.3%)が得られた。
上記で得られた(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテート(6:n=4,R=1-プロペニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間13.15分と13.57分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=49.3(GC保持時間13.15分):50.7(GC保持時間13.57分)]が確認された。上記(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテート(6:n=4,R=1-プロペニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテート(6:n=4,R=1-プロペニル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間13.15分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9Z,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテートであり、及びGC保持時間13.57分に検出されるシス-トランス異性体が(7E,9E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテートであると考えられた。
上記で得られた(7E,11E)-7,9,11-トリデカトリエニル=アセテート(6:n=4,R=1-プロペニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 1.29-1.43(6H,m),1.58-1.64(2H,m),1.76(1.5H,d,J=6.7Hz),1.80(1.5H,d,J=6.8Hz),2.04(3H,s),2.08(1H,q,J=7.7Hz),2.11(1H,q,J=6.9Hz),4.04(1H,t,J=6.7Hz),4.05(1H,t,J=6.7Hz),5.61-5.75(2H,m),5.80-5.86(1H,m),6.00-6.10(2H,m),6.45-6.52(1H,m)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 18.40,18.52,21.14,25.91,25.92,28.67,28.89,28.94,29.33,32.80,32.95,64.71,126.02,127.28,127.48,127.72,128.98,130.01,130.65,130.71,130.95,131.89,134.24,135.25,171.36ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(7E,9Z,11E)体:J7,8=15.2Hz(7-8位),J9,10=11.3Hz(9-10位),J11,12=14.8Hz(11-12位);(7E,9E,11E)体:J7,8=14.6Hz(7-8位),J9,10=14.6Hz(9-10位),J11,12=15.0Hz(11-12位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=13.15分)(7E,9Z,11E)体:m/z 236(M),147,133,119,105,91,79,67,55,43;(GC保持時間=13.57分)(7E,9E,11E)体:m/z 236(M),147,133,119,105,91,79,67,55,43.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)606,723,926,964,997,1038,1240,1365,1437,1740,2855,2929,3013.
実施例3-8
(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=8,R=エチル基)の製造
実施例3-1で用いた、有機ハロゲン化合物(5)としての(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=クロリド(5:X=Cl,n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の代わりに、実施例2-17に従って得られた(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=クロリド(5:X=Cl,n=8,R=エチル基)(256.86g:1.00モル,純度88.5%)とした以外は、実施例3-1と同じ操作をした。その結果、(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=8,R=エチル基)(204.73g:0.73モル,収率73.4%,純度91.0%)が得られた。
上記で得られた(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=8,R=エチル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間19.24分と19.72分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=43.8(GC保持時間19.24分):56.2(GC保持時間19.72分)]が確認された。上記(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=8,R=エチル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
また、上記(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=8,R=エチル基)の上記2種のシス-トランス異性体の立体配置を決定するため、H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより二重結合水素核間のスピン結合定数を確認した。その結果、GC保持時間19.24分に検出されるシス-トランス異性体が(11E,13Z)-11,13-ヘキサデカジエニル=アセテートであり、及びGC保持時間19.72分に検出されるシス-トランス異性体が(11E,13E)-11,13-ヘキサデカジエニル=アセテートであると考えられた。
上記で得られた(11E)-11,13-ヘキサデカジエニル=アセテート(6:n=8,R=エチル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(600MHz,CDCl):δ 0.99(3H,t,J=7.5Hz),1.24-1.40(14H,m),1.61(2H.quin,J=7.1Hz),2.02-2.10(6.1H,m),2.17(0.9H,quin,J=7.7Hz),4.05(2H,t,J=6.9Hz),5.29(0.4H,dt,J=10.6,7.7Hz),5.53-5.62(1.2H,m),5.65(0.4H,dt,J=15.0,7.4Hz),5.91(0.4H,t,J=10.8Hz),5.97-6.03(1.2H,m),6.29(0.4H,dd,J=14.7,11.7Hz)ppm.
13C-NMR(150MHz,CDCl):δ 13.78,14.46,21.14,21.16,25.72,26.04,28.74,29.33,29.36,29.38,29.54,29.57,29.61,29.63,32.74,33.01,64.80,125.62,128.17,129.53,130.45,131.77,132.60,133.99,134.84,171.38ppm.
H-NMR及び2次元NMR13C非照射HSQCスライスデータより求めた二重結合水素核間のスピン結合定数(11E,13Z)体:J11,12=14.9Hz(11-12位),J13,14=10.7Hz(13-14位);(11E,13E)体:J11,12=14.9Hz(11-12位),J13,14=14.9Hz(13-14位).
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=19.24分)(11E,13Z)体:m/z 280(M),251,220,177,149,135,121,95,82,79,67,55,43;(GC保持時間=19.72分)(11E,13E)体:m/z 280(M),251,220,177,149,135,121,95,82,79,67,55,43.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)606,722,947,987,1038,1237,1364,1463,1742,2854,2928,2962,3018.
実施例4
以下の実施例4-1は、下記に示す反応式の通り、下記一般式(7)で表されるアルコール化合物の製造を記載する。
実施例4-1
(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール(7:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の製造
攪拌機、コンデンサー及び温度計を取り付けた反応器内を、窒素により置換し、そして該反応器に、実施例3-1に従って得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アセテート(6:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(278.43g:1.00モル,純度97.3%)及びメタノール(CHOH)(360.0g)を添加し、液温40℃~45℃に加熱した。該混合液に25重量%水酸化ナトリウム水溶液(188.0g)を液温45℃~60℃にて2時間掛け滴下し、滴下終了後、反応液を液温50℃~60℃にて4時間攪拌した。攪拌終了後、該反応器に水(200.0g)を添加して希釈し、有機層と水層に分液し、該有機層を20重量%塩化ナトリウム水溶液(250.0g)にて洗浄した。該有機層から溶媒を減圧下で除去した後、得られた粗生成物を減圧蒸留により精製することにより、(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール(7:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)(231.7g:0.98モル,収率98.6%,純度97.7%)が得られた。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール(7:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)は、ガスクロマトグラフィーによる分析から、保持時間17.37分と18.42分とに2種のシス-トランス異性体[異性体生成比=41.2(GC保持時間17.37分:(4E,6Z,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール):58.8(GC保持時間18.42分:(4E,6E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール)が確認された。上記(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール(7:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の上記収率及び収量は、2種のシス-トランス異性体の混合物として記載されている。
上記で得られた(4E,10Z)-4,6,10-ヘキサデカトリエニル=アルコール(7:n=1,R=(3Z)-3-ノネニル基)の各種スペクトルデータを以下に示す。
(核磁気共鳴スペクトル)H-NMR(500MHz,CDCl):δ 0.82(3H,t,J=7.1Hz),1.23-1.37(6H,m),1.50(1H,s),1.63-1.70(2H,m),2.02(2H.quin,J=6.5Hz),2.09-2.23(6H,m),3.65(1.2H,t,J=6.0Hz),3.66(0.8H,t,J=6.5Hz),5.30-5.41(2.6H,m),5.54-5.61(1H,m),5.67(0.4H,dt,J=14.8,7.3Hz)5.93-6.06(1.6H,m),6.34(0.4H,dd,J=15.1,10.9Hz)ppm.
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ 14.05,22.54,27.06,27.20,27.28,28.86,29.12,29.34,29.36,31.48,32.25,32.68,62.42,126.19,128.66,128.77,129.77,130.34,130.51,130.61,130.91,131.39,132.21,133.65ppm.
(マススペクトル)EI(70eV)(GC保持時間=17.37分)(4E,6Z,10Z)体:m/z 236(M),177,147,125,107,91,79,67,55,41,29.;(GC保持時間=18.42分)(4E,6E,10Z)体:m/z 236(M),177,147,125,107,91,79,67,55,41,29.
(赤外線吸収スペクトル)(ATR法):ν(cm-1)728,947,986,1058,1448,2856,2926,2954,3008,3324.

Claims (5)

  1. 下記一般式(1):
    (式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X及びXは互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、並びにPhはフェニル基を表す。)
    で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を、
    下記一般式(2):
    (式中、Xはハロゲン原子を表す。)
    で表されるハロゲン化リチウムの存在下、下記一般式(3):
    (式中、Rは炭素数1~6の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、及びMはアルカリ金属原子を表す。)
    で表されるアルカリ金属アルコシキドとリンイリド調製反応させて、反応生成混合物を得、続いて、該反応生成混合物と、下記一般式(4):
    (式中、Rは炭素数1~10の直鎖状、分岐状又は芳香族の1価炭化水素基を表す。)
    で表されるアルデヒド化合物とをウィッティッヒ反応に付して、下記一般式(5):
    (式中、Rは上記一般式(4)中で、並びにn及びXは上記一般式(1)中で定義した通りである。)
    で表される有機ハロゲン化合物を得る工程
    を少なくとも含む、有機ハロゲン化合物(5)の製造方法。
  2. 請求項1に記載の、有機ハロゲン化合物(5)の製造方法と、
    該有機ハロゲン化合物(5)をアセトキシ化反応に付して、下記一般式(6):
    (式中、Rは上記一般式(4)中で、nは上記一般式(1)中で定義した通りであり、並びにAcはアセチル基を表す。)
    で表されるアセテート化合物を得る工程
    を少なくとも含む、アセテート化合物(6)の製造方法。
  3. 請求項2に記載の、アセテート化合物(6)の製造方法と、
    該アセテート化合物(6)を加水分解反応に付して、下記一般式(7):
    (式中、Rは上記一般式(4)中で、及びnは上記一般式(1)中で定義した通りである。)
    で表されるアルコール化合物を得る工程
    を少なくとも含む、アルコール化合物(7)の製造方法。
  4. 下記一般式(8):
    (式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X及びXそれぞれ独立して、ハロゲン原子を表す。)
    で表されるω-ハロ-2-アルケニル=ハライド化合物をトリフェニルホスフィンとの置換反応に付して、下記一般式(1):
    (式中、n、X及びXは、上記一般式(8)で定義した通りであり、並びにPhはフェニル基を表す。)
    で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物を得る工程
    を少なくとも含む、(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物(1)の製造方法。
  5. 下記一般式(1):
    (式中、nは1~10のメチレン基の数を表し、X及びXは互いに同じであっても異なっていてもよいハロゲン原子を表し、並びにPhはフェニル基を表す。)
    で表される(ω-ハロ-2-アルケニル)トリフェニルホスホニウム=ハライド化合物。
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