JP5417066B2 - 新規化合物および該化合物を用いた6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの製造方法 - Google Patents

新規化合物および該化合物を用いた6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、香料として有用な6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを製造するのに有用な新規な中間体に関する。
下記式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンは、本発明者らにより提案された下記の反応経路1または反応経路2により合成することができる、ドライウッディー調を伴うグリーンノートを有し、甘く天然感、フレッシュ感あふれる果実様香気・香味を有する化合物である(特許文献1参照)。
Figure 0005417066
Figure 0005417066
[式中、波線の結合はシス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の任意の割合の混合物であることを示し、Rはアリール基を示し、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を示し、Xはハロゲン原子を示す]
しかしながら、式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを製造するための上記の方法は、使用する試薬の安全性に問題がある、原料・試薬が高価である、などの難点があり、より安全かつ効率的な製造方法の開発が望まれる。
特許第4057639号公報
したがって、本発明の目的は、比較的安価な原料を用いて、安全かつ簡便な操作で式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを工業的な規模で製造することができる方法を提供することである。
本発明者らは、式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの工業的な規模での製造方法について鋭意検討した結果、今回、下記式(2)の新規化合物を経由することにより、式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを、好収率、高純度で、安全かつ簡便に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、下記式(2)
Figure 0005417066
で表される新規化合物を提供するものである。
本発明は、また、下記式(3)
Figure 0005417066
[式中、Rはアリール基を示し、Xはハロゲン原子を示す]
で表されるホスホニウム塩または下記式(4)
Figure 0005417066
[式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を示す]
で表されるホスホナートを下記式(2)
Figure 0005417066
で表される化合物と反応させることを特徴とする下記式(1)
Figure 0005417066
[式中、波線の結合はシス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の任意の割合の混合物であることを示す]
で表される6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの製造方法を提供するものである。
さらに、本発明は、下記式(5)
Figure 0005417066
および/または下記式(6)
Figure 0005417066
[式中、複数個のRは同一もしくは相異なり、それぞれ、低級アルキル基を示すか、または2個のORは一緒になって下記式(7)
Figure 0005417066
を形成してもよく、Rは水酸基で置換されていても良い低級アルキレン基を示す]
で表される化合物に対し脱アセタール反応および亜硫酸付加反応を行うことを特徴とする下記式(2)
Figure 0005417066
で表される新規化合物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、香料として有用な前記式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを好収率、高純度で安全かつ簡便に製造することができる。
以下、前記式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの製造方法を、下記反応経路3に沿ってさらに詳細に説明する。
Figure 0005417066
[式中、波線の結合はシス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の任意の割合の混合物であることを示し、Rはアリール基を示し、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を示し、Xはハロゲン原子を示す]
本明細書において、「アリール基」は、場合により置換されていてもよい、単環式もしくは多環式の芳香族炭化水素基が包含され、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられ、好ましくはフェニル基である。
「アルキル基」は、直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜6の低級アルキル基である。
「低級アルキル基」は、炭素数1〜4の直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基であり、水酸基で置換されていてもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基、ヒドロキシメチルエチル基などが挙げられる。
「低級アルキレン基」は、炭素数1〜4の2価の直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基であり、水酸基で置換されていてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、1−メチルプロピレン基、2−メチルプロピレン基、ヒドロキシメチルエチレン基などが挙げられる。
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を包含し、Xが示す特に好ましいハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子が挙げられる。
式(3)のホスホニウム塩と式(2)の化合物との反応は、通常、不活性有機溶媒中で塩基の存在下に行われる。その際に使用することができる有機溶媒としては、例えば、エーテル(例:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、ハロゲン化炭化水素(例:ジクロロメタン、クロロホルムなど)、芳香族炭化水素(例:ベンゼン、トルエン、キシレンなど)または極性溶媒(例:ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなど)が挙げられ、特に、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドまたはこれらの混合溶媒が好適である。
上記塩基としては、化学反応において通常用いられる塩基がいずれも使用可能であり、例えば、アルカリ金属水酸化物(例:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど)、アルカリ金属水素化物(例:水素化ナトリウム、水素化カリウムなど)、有機リチウム化合物(例:n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムなど)、アルカリ金属アミド(例:リチウムアミド、カリウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなど)、アルカリ金属ヘキサメチルジシラジド、アルカリ金属アルコラート(例:ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)が挙げられる。これらの塩基は、式(2)のホスホニウム塩1モルあたり、通常0.8〜5当量、好ましくは2〜3当量の範囲内で使用することができる。
また、式(2)の化合物は、式(3)のホスホニウム塩1モルあたり、通常0.8〜5モル、好ましくは1〜3モルの範囲内で使用することができる。
上記反応は、通常−78〜60℃、好ましくは−10〜25℃の範囲内の温度で、通常0.5〜24時間、好ましくは0.5〜2時間程度行うことができる。
式(4)のホスホナートと式(2)の化合物との反応は、上記の式(3)のホスホニウム塩と式(2)の化合物との反応の場合と同様にして行うことができる。
かくして、式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンが、用いる反応条件に依存して、式(1)の波線の結合におけるシス:トランス比が一般に10:1〜1:10の範囲内にある幾何異性体混合物の形態で得られる。
出発原料として使用される式(2)の化合物は、従来の文献に未記載の新規化合物であり、例えば、下記反応経路4に従って合成することができる。
Figure 0005417066
[式中、複数個のRは同一もしくは相異なり、それぞれ、低級アルキル基を示すか、または2個のORは一緒になって下記式(7)
Figure 0005417066
を形成してもよく、Rは水酸基で置換されていてもよい低級アルキレン基を示す]
式(2)の化合物は、容易に入手し得る式(8)の2−エチルフランを1価もしくは多価のアルコール[ROHまたはHO−R−OH]と不活性溶媒中もしくは無溶媒で、酸の存在下反応させることによって式(5)および/または式(6)の化合物に導き、次いで脱アセタール反応、亜硫酸塩による亜硫酸付加反応を行うことにより合成することができる。
上記1価もしくは多価のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられ、特に、エチレングリコール、プロピレングリコールが好適である。これらのアルコールは、式(8)の2−エチルフラン1モルあたり、通常1〜20当量、好ましくは2〜8当量の範囲内で使用することができる。
この反応に使用し得る溶媒としては、例えば、炭化水素(例:ペンタン、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素(例:ベンゼン、トルエン、キシレンなど)などが挙げられ、特に、トルエン、キシレンまたはこれらの混合溶媒が好適である。また、酸としては、無機酸、有機酸、ルイス酸、イオン交換樹脂など化学反応において一般に酸として用いられるものなら何でもよく、具体的に例えば、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジウム p−トルエンスルホン酸、トリフルオロボランなどが挙げられ、特に、塩酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロボランが好適である。これらの酸は通常触媒量で使用することができる。
上記反応は、好ましくは還流条件で、通常1〜48時間、好ましくは4〜10時間程度
行うことができる。
かくして、用いる反応条件に依存して、式(5)または式(6)の化合物が単独で、あるいは式(5)の化合物および式(6)の化合物が混合物の形態で得られる。これらの化合物は単独であっても混合物であっても問題なく次の反応に用いることができる。
式(5)および/または式(6)の化合物の脱アセタール反応は、文献(例えば、PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS,GREENE WUTS,p317−322参照)に記載されているような通常用いられる脱アセタール反応の条件下で実施することができ、例えば、酸触媒を用いたアセタール交換反応(例えば、ピリジウム p−トルエンスルホン酸−アセトン−水、p−トルエンスルホン酸−アセトン、ホルムアルデヒド−塩酸などとの反応)、酸触媒による加水分解(例えば、塩酸−テトラヒドロフラン、酢酸−水、過塩素酸−水などとの反応)、または酸化(例えば、DDQ−アセトニトリル−水などとの反応)などにより行うことができる。
亜硫酸塩による亜硫酸付加反応は、脱アセタール反応後に生成する4−オキソヘキサナールを一旦単離して行ってもよいが、4−オキソヘキサナールは不安定であり取り扱いが難しいため、単離せずに行うことが望ましい。亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムなどのアルカリ金属の亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムなどのアルカリ金属の亜硫酸水素塩が用いられるが、中でも亜硫酸水素ナトリウムが好適である。亜硫酸塩は通常水溶液として、式(5)および/または式(6)の化合物1モルあたり、通常1〜5当量、好ましくは1〜2当量の範囲内で使用することができる。亜硫酸付加反応は、通常0℃〜還流条件で、通常0.5〜24時間、好ましくは0.5〜2時間程度行うことができる。
式(3)のホスホニウム塩または式(4)のホスホナートは、それ自体既知の物質であり、文献(例えば、特開昭50−32105号公報参照)に記載の方法により、例えば、以下の反応経路5に従って合成することができる。
Figure 0005417066
[式中、Rはアリール基を示し、XおよびYはそれぞれハロゲン原子を示し、Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を示す]
出発物質である式(9)のグリニャール試薬はハロゲン化ビニルと金属マグネシウムか
ら常法に従って製造することができ、ハロゲン化ビニルとしては塩化ビニルおよび臭化ビニルが好適である。式(10)のギ酸エチル1モルに対し、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、2当量以上の式(9)のグリニャール試薬を反応させることにより式(11)のアルコールを得ることができる。
上記のグリニャール反応において、式(10)のギ酸エチルの代わりに、アクロレインを用いても、同様に式(11)のアルコールを得ることができる。
次いで、式(11)のアルコールをハロゲン化水素(HX)と求核置換反応させることにより、式(12)のハロゲン化物を得ることができる。ハロゲン化水素(HX)としては、塩化水素もしくは臭化水素が好ましく、本反応は一般に式(11)のアルコール1モルに対し1〜3モルの塩化水素もしくは臭化水素の20〜60%水溶液を添加して行うことができる。
引き続き、式(12)のハロゲン化物1モルを1〜5当量のホスフィン[P(R]または亜りん酸エステル[P(OR]と常法により反応させることにより、式(3)のホスホニウム塩または式(4)のホスホナートを得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
下記の一連の反応式に従って式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを合成した。なお、工程番号の下のカッコ内の百分率は各工程の収率を示す。
Figure 0005417066
工程1:式(11)のアルコールの合成
アルゴン雰囲気下で、2Lフラスコにマグネシウム48.6g(2.00mol)、テ
トラヒドロフラン300mLおよびヨウ素(触媒量)を仕込み、室温で撹拌しながら臭化ビニル214.0g(2.00mol)のテトラヒドロフラン(780mL)溶液を約20ml滴下した。反応溶液を30〜40℃まで加熱し反応を開始させてから、30〜40℃の反応温度が維持されるように1時間かけて臭化ビニルのテトラヒドロフラン溶液の残りを滴下した。滴下終了後、室温で1.5時間撹拌し、その後氷水で冷却した。そこに式(10)のギ酸エチル74.0g(1.00mol)を5〜15℃で1時間かけて滴下し、その後室温で1時間撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、有機層を分離し、水層をジエチルエーテルを用いて抽出した。有機層を合わせ、飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮を行った。得られた残渣(96.7g)を減圧下蒸留(〜54℃/7.8kPa)し、式(11)のアルコール68.2g(0.811mol,収率81%)を得た。
工程2:式(14)のブロマイドの合成
300mLフラスコに式(11)のアルコール52.5g(0.625mol)を仕込み、メタノール−氷で冷却しながら、48%臭化水素水溶液126.2g(0.749mol)を1.5時間で滴下した。有機層を分離し、水で洗浄を行い、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、式(14)のブロマイド57.1g(0.388mol、収率62%)を得た。
工程3:式(15)のホスホニウム塩の合成
500mLフラスコに、トリフェニルホスフィン106.8g(0.407mol)およびトルエン250mLを仕込み、室温で式(14)のブロマイド57.1g(0.388mol)を15分かけて滴下した。さらに、室温で22時間撹拌した後、析出した結晶を濾過して、式(15)のホスホニウム塩132.4g(0.323mol、収率83%)を得た。
工程4:式(16)のアセタールの合成
2Lフラスコに、式(8)の2−エチルフラン100.0g(1.04mol)、エチレングリコール322.8g(5.20mol)、p−トルエンスルホン酸1水和物9.9g(0.00520mol)、ハイドロキノン2.3g(0.00213mol)およびトルエン1000mLを仕込み、脱水しながら7時間還流した。室温まで冷却した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え撹拌した。有機層を分離し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して、減圧濃縮を行った。得られた残渣を減圧下蒸留(〜100℃/0.1kPa)し、式(16)のアセタール67.3g(0.333mol,収率32%,式(17)のアセタールを5.5%含有)を得た。
工程5:式(2)の亜硫酸付加体の合成
1Lフラスコに式(16)のアセタール101.1g(0.500mol)、酢酸91.0gおよび水60.7gを仕込み、80℃で40分撹拌した。亜硫酸水素ナトリウム84.9g(純度64.0〜67.4%,0.550mol)および水222.0gを加え、還流下に2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、酢酸エチルで洗浄し、99%エタノールに5℃で加えた。そのまま1時間撹拌し、析出した結晶を濾過し、乾燥して式(2)の亜硫酸付加体71.7g(0.329mol,収率66%)を得た。
式(2)の亜硫酸付加体の物性値
H−NMR(DO,400MHz):δ 0.90(3H,t,J=7.2),1.76−1.85(1H,dddd,J=6.6,8.0,9.6,14.4),2.05−2.13(1H,dddd,J=3.6,6.6,8.0,14.4),2.47(2H,q,J=7.2),2.62−2.68(2H,dd,J=8.0,14.4),
4.25−4.29(1H,dd,J=3.6,9.6).
13C−NMR(DMSO−d,100MHz):δ 8.0,26.5,35.1,38.4,82.2,211.1.
IR(KBr)cm-1:3440(br m,O−H),3223(m,O−H),1710(s,C=O),1179(s,C−SO−O),1046(s,C−SO−O)
工程6:式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの合成
窒素ガス雰囲気下で、500mLフラスコに式(2)の亜硫酸付加体21.8g(99.9mmol)、式(15)のホスホニウム塩40.9g(99.9mmol)およびジメチルホルムアミド250.0gを仕込み、氷水で冷却しながらNaOMe(28% in MeOH)39.5g(204.8mmol)を滴下し、そのまま2時間攪拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、ヘキサンで抽出した。有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄後、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣を減圧下蒸留(〜90℃/0.2kPa)し、式(1)の6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン10.4g(63.3mmol、収率63%)を得た。

Claims (1)

  1. 下記式(8)
    Figure 0005417066
    で表される2−エチルフランを式R3OHまたはHO−R4−OHで表される1価もしくは多価のアルコールと酸の存在下で反応させ、得られる下記式(5)
    Figure 0005417066
    および/または下記式(6)
    Figure 0005417066

    [式中、複数個のR3は同一もしくは相異なり、それぞれ、低級アルキル基を示すか、または2個のOR3は一緒になって下記式(7)
    Figure 0005417066
    を形成してもよく、R4は水酸基で置換されていてもよい低級アルキレン基を示す]
    で表される化合物に対し脱アセタール反応および亜硫酸付加反応を行い、得られる下記式(2)
    Figure 0005417066
    で表される化合物を下記式(3)
    Figure 0005417066
    [式中、R1はアリール基を示し、Xはハロゲン原子を示す]
    で表されるホスホニウム塩または下記式(4)
    Figure 0005417066
    [式中、R2は炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を示す]
    で表されるホスホナートと反応させることを特徴とする下記式(1)
    Figure 0005417066
    [式中、波線の結合はシス型もしくはトランス型またはシス型とトランス型の任意の割合の混合物であることを示す]
    で表される6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの製造方法。
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