JP2014218497A - ω−ハロ−2−アルキナール及びその製造方法並びにこれを用いた共役Z−アルケンインイルアセテートの製造方法 - Google Patents

ω−ハロ−2−アルキナール及びその製造方法並びにこれを用いた共役Z−アルケンインイルアセテートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】共役Z−アルケンインイルアセテート、例えば、パインプロセッショナリーモスの性フェロモン成分であるZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテート及びその中間体を穏和な条件下、高収率で工業的に製造する方法を提供する。
【解決手段】ω−ハロ−2−アルキナール(1)とアルキリデントリフェニルホスホラン(3)とをウィッティッヒ反応を用いて反応させ、共役Z−アルケンインイルハライド(4)を得るステップと、得られた共役Z−アルケンインイルハライド(4)をアセトキシ化して共役Z−アルケンインイルアセテート(5)を形成するステップを少なくとも含む共役Z−アルケンインイルアセテート(5)の製造方法を提供する。
【化1】
Figure 2014218497

【選択図】なし

Description

本発明は、共役Z−アルケンインイルアセテート及びその中間体であるω−ハロ−2−アルキナールの製造方法に関するものであり、特にヨーロッパ森林害虫であるパインプロセッショナリーモス(学名:Thaumetopoea pityocampa)の性フェロモン成分であるZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートの製造方法に関するものである。
パインプロセッショナリーモス(Pine Processionary moth 学名:Thaumetopoea pityocampa)は、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ等のヨーロッパに広く生息する昆虫であり、松(Pine)やヒマラヤスギ(Cedar)等の樹木を食害する森林害虫として問題となっている。また、この幼虫の毒毛がヒト、家畜、ペット等に重大なアレルギー反応を引き起こすことが知られている。更に近年、地球温暖化の影響によりその生息域は地中海沿岸より北部へ拡大しており、新たな防除方法の開発が求められている。
このパインプロセッショナリーモスの性フェロモン成分は、1981年、A.Guerreroらにより共役Z−アルケンインイルアセテート構造を有するZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートであることが報告されており(非特許文献1)、この性フェロモンを用いた交信攪乱や大量誘殺等の防除方法の開発が期待されている。
これまで報告されているZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートの製造方法としては、F.Campsらの2級トシラートの脱離反応及び有機リチウム化合物を用いる方法(特許文献1〜2、非特許文献2)、G.Cardilloらのリチウムジイソプロピルアミド及び脱水反応を用いる方法(非特許文献3)、J.K.Stilleらのアセチレンジッパー反応、有機スズ化合物及びジイミド還元を用いる方法(非特許文献4)、M.Gardetteらの有機銅リチウム試薬とアセチレン化合物の反応を用いる方法(非特許文献5)、D.Michelotらのヒドロホウ素化反応及びパラジウム触媒によるカップリング反応を用いる方法(非特許文献6)等の製造方法に有機リチウム化合物、有機ホウ素化合物、有機スズ化合物、ジイミド化合物等の特殊な原料を使用し、且つその製造に−10℃以下の低温反応が必要な工程が含まれる方法が報告されている。
一方、特殊な原料を使用せず、穏和な条件下でZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートを製造する方法としては、13位のアルコール基をテトラヒドロピラニル基で保護した13−テトラヒドロピラノキシ−2−トリデシン−1−アールとプロピリデントリフェニルホスホランとのウィッティッヒ反応を用いる製造方法が報告されている(非特許文献7)。
スペイン特許公開2010719号公報 スペイン特許公開8204407号公報
A.Guerrero et.al.,Tetrahedron Letters,Vol.22,2013-2016,1981 F.Camps et.al.,Chem.Lett.,703,1981 G.Cardillo et.al.,Gazzetta Chimica Italiana,112,231,1982 J.K.Stille et.al.,J.Am.Chem.Soc.,1987,109,2138 M.Gardette et.al.,J.Chem.Ecolg.,9,219,1983 D.Michelot et.al.,J.Chem.Res.,4,1043,1982 F.Camps et.al.,J.Chem.Ecolg.,9,869,1983
しかし、これまで報告されているZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートの製造方法の多くは、有機リチウム化合物、有機ホウ素化合物、有機スズ化合物、ジイミド化合物等の特殊な原料を使用し、且つ−10℃以下の低温反応が必要な工程が含まれる方法であり、実際の工業的な大量製造方法としては、安全性の面、製造設備及び製造原価等の面から多くの問題があった。また、穏和な条件下で反応を行えるウィッティッヒ反応を用いた製造方法は工業的製造方法として有効であるが、末端ω位のアルコール基の保護工程及び脱保護工程を含むため工程が多くなり収率の低下を招き、且つウィッティッヒ反応での収率も低い等の幾つかの問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、従来の技術の問題点を解決し、共役Z−アルケンインイルアセテート、例えば、パインプロセッショナリーモスの性フェロモン成分であるZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテート及びその中間体を穏和な条件下、高収率で工業的に製造する方法を提供するものである。
本発明者らは、末端ω位の官能基をハロゲン基とした一般式(1):
Figure 2014218497
(上式中、Xはハロゲン原子を示し、nは2〜15の整数を示す。)
で示されるω−ハロ−2−アルキナールを用いることにより保護工程、脱保護工程を行う必要が無く、続くアルキリデントリフェニルホスホランとのウィッティッヒ反応においても、良好な収率で共役Z−アルケンインイルハライドが得られることを見出した。また、この共役Z−アルケンインイルハライドから、1工程及び良好な収率でアセテートへと変換することが可能であり、目的とする共役Z−アルケンインイルアセテート、例えば、Z−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートを効率よく製造できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
本発明によれば、一般式(2):
Figure 2014218497
(上式中、R及びRは、互いに同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは2〜15の整数を示す。)
で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを、スルホン酸存在下、水及び有機溶媒中、加水分解して一般式(1)で示されるω−ハロ−2−アルキナールを形成するステップを少なくとも含むω−ハロ−2−アルキナールの製造方法が提供される。また、本発明によれば、一般式(2):
Figure 2014218497
(上式中、R及びRは、互いに同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは2〜15の整数を示す。)
で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを、スルホン酸存在下、水及び有機溶媒中、加水分解して一般式(1)で示されるω−ハロ−2−アルキナールを形成するステップと、得られたω−ハロ−2−アルキナールと一般式(3):
Figure 2014218497
(上式中、Rは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、Phはフェニル基を示す。)
で示されるアルキリデントリフェニルホスホランをウィッティッヒ反応を用いて反応させ、一般式(4)
Figure 2014218497
で示される共役Z−アルケンインイルハライドを得るステップと、
得られた共役Z−アルケンインイルハライドをアセトキシ化して一般式(5):
Figure 2014218497
で表される共役Z−アルケンインイルアセテートを形成するステップを少なくとも含む共役Z−アルケンインイルアセテートの製造方法が提供される。さらに、本発明によれば、一般式(1)で示されるω−ハロ−2−アルキナール(nは2〜4、6、7及び10〜15の整数を示す。)が提供される。
本発明によれば、共役Z−アルケンインイルアセテート、例えば、パインプロセッショナリーモスの性フェロモン成分であるZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートを、穏和な条件で、効率よく、工業的に製造することが可能となる。
以下に、本発明における製造方法について詳細を説明する。
ω−ハロ−2−アルキナールは、下記一般式(1)で示されるものであり、例えば、13−クロロ−2-トリデシナールが挙げられる。
Figure 2014218497
一般式(1)において、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を示し、これらの内、収率、原料入手の点から、特に好ましいハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子が挙げられる。また、nは2〜15の整数を示し、好ましくは4〜10の整数、より好ましくは6〜10の整数である。(CHは、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等のアルキレン基が挙げられる。
ω−ハロ−2−アルキナール(1)の具体例としては、5−クロロ−2−ペンチナール、6−クロロ−2−ヘキシナール、7−クロロ−2−ヘプチナール、8−クロロ−2−オクチナール、9−クロロ−2−ノニナール、10−クロロ−2−デシナール、11−クロロ−2−ウンデシナール、12−クロロ−2−ドデシナール、13−クロロ−2−トリデシナール等のω−クロロ−2−アルキナール、5−ブロモ−2−ペンチナール、6−ブロモ−2−ヘキシナール、7−ブロモ−2−ヘプチナール、8−ブロモ−2−オクチナール、9−ブロモ−2−ノニナール、10−ブロモ−2−デシナール、11−ブロモ−2−ウンデシナール、12−ブロモ−2−ドデシナール、13−ブロモ−2−トリデシナール等のω−ブロモ−2−アルキナール等が挙げられる。
一般式(1)で示されるω−ハロ−2−アルキナールは、下記一般式(2)で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを、酸触媒下、水及び有機溶媒中において、ジアルキルアセタール部分をアルデヒドへ加水分解し製造することができる。例えば、13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシンを、酸触媒下、水及び有機溶媒中において加水分解し、13−クロロ−2−トリデシナール製造することができる。
Figure 2014218497
一般式(2)において、R及びRは、互いに同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖状炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の分岐状炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状炭化水素基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖状炭化水素基、より好ましくはメチル基、エチル基が挙げられる。
X及びnは前述の通りであり、それぞれの好ましい例も前述の通りである。
ω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキン(2)の具体例としては、5−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−ペンチン、6−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−ヘキシン、7−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−ヘプチン、8−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−オクチン、9−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−ノニン、10−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−デシン、11−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−ウンデシン、12−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−ドデシン、13−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−トリデシン等のω−クロロ−1,1−ジメトキシ−2−アルキン、5−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−ペンチン、6−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−ヘキシン、7−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−ヘプチン、8−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−オクチン、9−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−ノニン、10−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−デシン、11−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−ウンデシン、12−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−ドデシン、13−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−トリデシン等のω−ブロモ−1,1−ジメトキシ−2−アルキン、5−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ペンチン、6−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ヘキシン、7−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ヘプチン、8−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−オクチン、9−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ノニン、10−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−デシン、11−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ウンデシン、12−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ドデシン、13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシン等のω−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−アルキン、5−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−ペンチン、6−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−ヘキシン、7−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−ヘプチン、8−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−オクチン、9−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−ノニン、10−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−デシン、11−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−ウンデシン、12−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−ドデシン、13−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシン等のω−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−アルキン等が挙げられる。
一般式(2)で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンは、例えば、特開平2−101028号公報及び特開2005−272409号公報に記載の方法等により製造することが出来る。具体的には、特開平2−101028号公報に記載される様に、ω−ハロ−1−アルキンに、アルキルマグネシウムハライドを反応させ、続いてオルトギ酸アルキルを反応させることでω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを得ることが出来る。また、原料が入手困難な長鎖メチレン鎖を有するω−ハロ−1−アルキンの場合、特開2005−272409号公報に記載されている様に、ω−ハロ−1−アルキンにアルキルマグネシウムハライドを反応させアルキン末端を保護した後、金属マグネシウムと反応させグリニャール試薬を製造し、このグリニャール試薬をハロゲン化銅触媒存在下、1−ブロモ−ω−クロロアルカンとクロスカップリング反応し、続いてオルトギ酸アルキルを反応させることで長鎖メチレン鎖を有するω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを得ることが出来る。この反応において上記クロスカップリング反応後に、長鎖メチレン鎖を有するω−ハロ−1−アルキンを単離精製し、再度アルキルマグネシウムハライドを反応させ、続いてオルトギ酸アルキルを反応させることで、長鎖メチレン鎖を有するω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを製造しても良い。
アルデヒド形成の加水分解反応において、酸触媒としては、特に限定されないが、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノクロロ酢酸等のカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のスルホン酸が挙げられ、酸は単独でも複数種を併用しても良い。これらの酸触媒の内、反応速度、不純物生成量及び収率の点から、特にp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のスルホン酸が好ましい。酸触媒の使用量としては、ω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキン(2)1モルに対して0.01〜0.1モルが好ましく、反応速度、不純物生成量及び収率の点から特に0.03〜0.05モルが好ましい。
アルデヒド形成の加水分解反応において、水も使用される。水の使用量としては、ω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキン(2)1モルに対して、30〜300gが好ましく、反応速度及び反応器容量あたりの収量の点から特に100〜250gが好ましい。
アルデヒド形成の加水分解反応において、有機溶媒としては、反応に悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、反応性の点から水溶性有機溶媒が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられ、反応性の点から特にテトラヒドロフランが好ましい。有機溶媒の使用量としては、ω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキン(2)1モルに対して、10〜200gが好ましく、反応速度及び反応器容量あたりの収量の点から特に30〜100gが好ましい。
アルデヒド形成の加水分解の反応温度は、30〜120℃が好ましく、反応速度、不純物生成量及び収率の点から特に60〜85℃が好ましい。また、上記加水分解反応において副生するアルコールを、常圧下もしくは減圧下で反応器より留出し除去しても良い。
次に、ω−ハロ−2−アルキナール(1)をアルキリデントリフェニルホスホラン(3)とウィッティヒ(Wittig)反応を用いて反応し、共役Z−アルケンインイルハライド(4)を製造する。例えば、13−クロロ−2−トリデシナールとプロピリデントリフェニルホスホランを反応することでZ−13-ヘキサデセン−11−インイルクロリドを製造することが出来る。
Figure 2014218497
X及びnは前述の通りであり、それぞれの好ましい例も前述の通りである。Phはフェニル基を示す。
Rは、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖状炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の分岐状炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状炭化水素基が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、より好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基が挙げられる。
アルキリデントリフェニルホスホラン(3)の具体例としては、エチリデントリフェニルホスホラン、プロピリデントリフェニルホスホラン、ブチリデントリフェニルホスホラン、ペンチリデントリフェニルホスホラン、プロピリデントリフェニルホスホラン、イソプロピルメチリデントリフェニルホスホラン、イソブチルメチリデントリフェニルホスホラン、sec-ブチルメチリデントリフェニルホスホラン、tert-ブチルメチリデントリフェニルホスホラン、シクロプロピルメチリデントリフェニルホスホラン、シクロブチルメチリデントリフェニルホスホラン、シクロペンチルメチリデントリフェニルホスホラン等が挙げられる。
共役Z−アルケンインイルハライド(4)の具体例としては、Z−7−デセン−5−インイルクロリド、Z−9−ドデセン−7−インイルクロリド、Z−9-ウンデセン−7−インイルクロリド、Z−10-ドデセン−8−インイルクロリド、Z−11-トリデセン−9−インイルクロリド、Z−12-テトラデセン−10−インイルクロリド、Z−13-ペンタデセン−11−インイルクロリド、Z−9-ドデセン−7−インイルクロリド、Z−10-トリデセン−8−インイルクロリド、Z−11-テトラデセン−9−インイルクロリド、Z−12-ペンタデセン−10−インイルクロリド、Z−13-ヘキサデセン−11−インイルクロリド、Z−9-トリデセン−7−インイルクロリド、Z−10-テトラデセン−8−インイルクロリド、Z−11-ペンタデセン−9−インイルクロリド、Z−12-ヘキサデセン−10−インイルクロリド、Z−13-ヘプタデセン−11−インイルクロリド、Z−9-テトラデセン−7−インイルクロリド、Z−10-ペンタデセン−8−インイルクロリド、Z−11-ヘキサデセン−9−インイルクロリド、Z−12-ヘプタデセン−10−インイルクロリド、Z−13-オクタデセン−11−インイルクロリド等の共役Z−アルケンインイルクロリド、Z−7−デセン−5−インイルブロミド、Z−9−ドデセン−7−インイルブロミド、Z−9-ウンデセン−7−インイルブロミド、Z−10-ドデセン−8−インイルブロミド、Z−11-トリデセン−9−インイルブロミド、Z−12-テトラデセン−10−インイルブロミド、Z−13-ペンタデセン−11−インイルブロミド、Z−9-ドデセン−7−インイルブロミド、Z−10-トリデセン−8−インイルブロミド、Z−11-テトラデセン−9−インイルブロミド、Z−12-ペンタデセン−10−インイルブロミド、Z−13-ヘキサデセン−11−インイルブロミド、Z−9-トリデセン−7−インイルブロミド、Z−10-テトラデセン−8−インイルブロミド、Z−11-ペンタデセン−9−インイルブロミド、Z−12-ヘキサデセン−10−インイルブロミド、Z−13-ヘプタデセン−11−インイルブロミド、Z−9-テトラデセン−7−インイルブロミド、Z−10-ペンタデセン−8−インイルブロミド、Z−11-ヘキサデセン−9−インイルブロミド、Z−12-ヘプタデセン−10−インイルブロミド、Z−13-オクタデセン−11−インイルブロミド等の共役Z−アルケンインイルブロミド等が挙げられる。
アルキリデントリフェニルホスホラン(3)は、公知の方法により製造することが出来る。例えば、テトヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒を溶媒として使用し、ハロゲン化アルキルとトリフェニルホスフィンとを反応しアルキルトリフェニルホスホニウムハライドを製造し、これに塩基としてカリウムt−ブトキシド、ナトリウムメトキシド等の金属アルコキシド化合物、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リチウム化合物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等の金属アミド化合物を反応することでアルキリデントリフェニルホスホランを製造することが出来る。
ω−ハロ−2−アルキナール(1)とアルキリデントリフェニルホスホラン(3)との反応において、溶媒は、反応へ悪影響を与えるアルコール系溶媒等のプロトン性溶媒以外であれば特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエ−テル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒が好ましく、反応性の点から特にテトラヒドロフランが好ましく、溶媒は単独もしくは複数混合して用いても良い。また、溶媒の使用量は、ω−ハロ−2−アルキナール(1)1モルに対して300〜1200gが好ましく、反応速度及び反応器容量あたりの収量の点から特に400〜800gが好ましい。
また、反応温度は0〜50℃が好ましく、不純物生成量及び幾何異性体生成量の点から特に0〜10℃が好ましい。
次に、共役Z−アルケンインイルハライド(4)は、酢酸金属塩等を用いてアセトキシ化し、目的とする共役Z−アルケンインイルアセテート(5)を製造することができる。例えば、Z−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリドをアセトキシ化し、目的とするZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートを製造することができる。
Figure 2014218497
R、X及びnは前述の通りであり、それぞれの好ましい例も前述の通りである。
共役Z−アルケンインイルアセテート(5)の具体例としては、Z−7−デセン−5−インイルアセテート、Z−9−ドデセン−7−インイルアセテート、Z−9-ウンデセン−7−インイルアセテート、Z−10-ドデセン−8−インイルアセテート、Z−11-トリデセン−9−インイルアセテート、Z−12-テトラデセン−10−インイルアセテート、Z−13-ペンタデセン−11−インイルアセテート、Z−9-ドデセン−7−インイルアセテート、Z−10-トリデセン−8−インイルアセテート、Z−11-テトラデセン−9−インイルアセテート、Z−12-ペンタデセン−10−インイルアセテート、Z−13-ヘキサデセン−11−インイルアセテート、Z−9-トリデセン−7−インイルアセテート、Z−10-テトラデセン−8−インイルアセテート、Z−11-ペンタデセン−9−インイルアセテート、Z−12-ヘキサデセン−10−インイルアセテート、Z−13-ヘプタデセン−11−インイルアセテート、Z−9-テトラデセン−7−インイルアセテート、Z−10-ペンタデセン−8−インイルアセテート、Z−11-ヘキサデセン−9−インイルアセテート、Z−12-ヘプタデセン−10−インイルアセテート、Z−13-オクタデセン−11−インイルアセテート等が挙げられる。
このアセトキシ化反応において、酢酸金属塩としては、酢酸アルカリ金属塩が好ましく、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが挙げられ、何れの酢酸アルカリ金属塩を単独もしくは複数種を併用して用いても良い。酢酸アルカリ金属塩の使用量は共役Z−アルケンインイルハライド(4)1モルに対して、1.0〜2.0当量が好ましく、反応性、不純物生成量の点から特に1.1〜1.3当量が好ましい。
このアセトキシ化反応において、溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、酢酸等が挙げられ、反応性の点から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。溶媒の使用量は、共役Z−アルケンインイルハライド(4)1モルに対して50〜300gが好ましく、反応速度及び反応器容量あたりの収量の点から特に80〜150gが好ましい。
このアセトキシ化反応の反応温度としては、60〜150℃が好ましく、反応速度及び不純物生成量の点から特に100〜130℃が好ましい。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
合成例1
[7-クロロ-1,1-ジエトキシ-2-ヘプチンの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、メチルマグネシウムクロリド(89.7g:1.2モル)のテトラヒドロフラン(370.0g)溶液を添加し、溶液温度45〜50℃にて撹拌した。これに6−クロロ−1−ヘキシン(116.6g:1.0モル)を反応液温度50〜60℃、1時間かけて滴下し、その後に60〜65℃にて5時間撹拌した。続いて、オルソギ酸トリエチル(177.8g:1.2モル)のトルエン(120.0g)溶液を反応液温度80〜85℃、30分かけ滴下し、その後に90〜95℃にて6時間撹拌した。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に、酢酸(57.0g)、塩化アンモニウム(35.0g)及び水(400.0g)を添加した。分液後、有機層を1.0%水酸化ナトリウム水溶液(170.0g)にて洗浄した。得られた有機層は、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留し7−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ヘプチン[bp:100-104℃(0.13KPa)、133.4g、0.61モル]が得られた。[収率:61.0%]
得られた7−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ヘプチンは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.22(3H,t),1.68(2H,tt),1.88(2H,tt),2.29(2H,t),3.56(4H,dq),3.72(2H,tt),5.23(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ15.05,15.05,17.90,25.42,31.49,44.38,60.60,60.60,76.37,85.35,91.37
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:217(M+-1),173(M+-45),145,117,81,68,55,41,29
合成例2
[9-クロロ-1,1-ジエトキシ-2-ノニンの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、メチルマグネシウムクロリド(89.7g:1.2モル)のテトラヒドロフラン(370.0g)溶液を添加し、溶液温度45〜50℃にて撹拌した。これに8−クロロ−1−オクチン(144.6g:1.0モル)を反応液温度50〜60℃、1時間かけて滴下し、その後に60〜65℃にて5時間撹拌した。続いて、オルソギ酸トリエチル(177.8g:1.2モル)のトルエン(120.0g)溶液を反応液温度80〜85℃、30分かけ滴下し、その後に90〜95℃にて6時間撹拌した。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に、酢酸(57.0g)、塩化アンモニウム(35.0g)及び水(400.0g)を添加した。水層を分液後、有機層を1.0%水酸化ナトリウム水溶液(170.0g)にて洗浄した。得られた有機層は、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留し9−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ノニン[bp:138-142℃(0.13KPa)、185.8g、0.75モル]が得られた。[収率:75.3%]
得られた9−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ノニンは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.22(3H,t),1.40-1.43(4H,m),1.53(2H,tt),1.76(2H,tt),2.24(2H,t),3.54(4H,dq),3.72(2H,tt),5.24(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ15.05,15.05,18.24,18.64,26.28,28.02,32.38,44.90,60.54,60.54,75.87,86.08,91.40
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:245(M+-1), 201(M+-45),173,109, 93,81,67,55,41,29
合成例3
[13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシンの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、メチルマグネシウムクロリド(89.7g:1.2モル)のテトラヒドロフラン(370.0g)溶液を添加し、溶液温度45〜50℃にて撹拌した。これに12−クロロ−1−ドデシン(200.8g:1.0モル)を反応液温度50〜60℃、1時間かけて滴下し、その後に60〜65℃にて5時間撹拌した。続いて、オルソギ酸トリエチル(177.8g:1.2モル)のトルエン(120.0g)溶液を反応液温度80〜85℃、30分かけ滴下し、その後に90〜95℃にて6時間撹拌した。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に、酢酸(57.0g)、塩化アンモニウム(35.0g)及び水(400.0g)を添加した。水層を分液後、有機層を1.0%水酸化ナトリウム水溶液(170.0g)にて洗浄した。得られた有機層は、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留し13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシン[bp:156−163℃(0.13KPa)、249.2g、0.82モル]が得られた。[収率:82.3%]
得られた13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシンは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.22(3H,t),1.24-1.29(8H,m),1.32-1.44(4H,m),1.51(2H,tt),1.75(2H,tt),2.20(2H,t),3.53(4H,dq),3.72(2H,tt),5.24(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ15.05,15.05,18.55,26.81,28.23,28.78,28.80,28.97,29.30,29.33,32.58,45.09,60.51,60.51,75.66,86.44,91.43
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:301(M+-1),257(M+-45),155,81,55,29
実施例1
[7−クロロ−2−ヘプチナールの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、7−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ヘプチン(218.7g:1.0モル)、パラトルエンスルホン酸(8.0g:0.05モル)、水(170.0g)、テトラヒドロフラン(42.0g)を添加し、反応液温度60〜65℃にて撹拌する。撹拌中、反応器内を26.7KPaまで徐々に減圧し還流するエタノールを留去した。5時間撹拌後、反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後し、反応液中の水層を分液した。得られた有機層は塩化ナトリウム(5.0g)と水(150.0g)の溶液で洗浄後、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留して、7−クロロ−2−ヘプチナール[bp:66〜72℃(0.13KPa)、137.8g、0.95モル]が得られた。[収率:95.3%]
得られた7−クロロ−2−ヘプチナールは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.75(2H,tt),1.89(2H,tt),2.46(2H,t),3.55(2H,t),9.15(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ18.23,24.66,31.24,44.07,81.86,97.79,177.01
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:143(M+-1),115,107,81,68,53,41
実施例2
[9−クロロ−2−ノニナールの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、9−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ノニン(246.8g:1.0モル)、パラトルエンスルホン酸(8.0g:0.05モル)、水(170.0g)、テトラヒドロフラン(42.0g)を添加し、反応液温度60〜65℃にて撹拌する。撹拌中、反応器内を26.7KPaまで徐々に減圧し還流するエタノールを留去した。5時間撹拌後、反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後し、反応液中の水層を分液した。得られた有機層は塩化ナトリウム(5.0g)と水(150.0g)の溶液で洗浄後、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留して、9−クロロ−2−ノニナール[bp:82〜88℃(0.13KPa)、167.2g、0.97モル]が得られた。[収率:96.9%]
得られた9−クロロ−2−ノニナールは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.40−1.49(4H,m),1.60(2H,tt),1.77(2H,tt),2.41(2H,t),3.52(2H,t),9.16(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ18.95,26.19,27.26,27.96,32.24,44.86,81.70,98.85,177.17
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:171(M+-1),143,123,109,95,81,67,55,41
実施例3
[13−クロロ−2−トリデシナールの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシン(302.9g:1.0モル)、パラトルエンスルホン酸(8.0g:0.05モル)、水(170.0g)、テトラヒドロフラン(42.0g)を添加し、反応液温度60〜65℃にて撹拌する。撹拌中、反応器内を26.7KPaまで徐々に減圧し還流するエタノールを留去した。5時間撹拌後、反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後し、反応液中の水層を分液した。得られた有機層は塩化ナトリウム(5.0g)と水(150.0g)の溶液で洗浄後、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留して、13−クロロ−2−トリデシナール[bp:116〜122℃(0.13KPa)、198.6g、0.87モル]が得られた。[収率:86.8%]
得られた13−クロロ−2−トリデシナールは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.26-1.32(8H,m),1.35-1.45(4H,m),1.58(2H,tt),1.75(2H,tt),2.39(2H,t),3.52(2H,t),9.17(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ19.07,26.79,27.47,28.74,28.78,28.99,29.23,29.30,32.57,45.11,81.66,99.29,117.20
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:227(M+),199,185,151,137,123,109,95,81,67,55,41,29
実施例4
[Z−7−デセン−5−インイルクロリドの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、トリフェニルホスフィン(314.8g:1.2モル)、n−プロビルブロミド(147.6g:1.2モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(200.0g)を添加し、反応液温度110〜120℃にて3時間撹拌した。その後、反応液を10℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(600.0g)を添加後、カリウムt−ブトキシド(134.8g:1.2モル)を反応液温度10〜15℃で20分かけ添加し、1時間撹拌した。撹拌後、反応液を0℃まで冷却し7−クロロ−2−ヘプチナール(144.6g:1.0モル)を、反応液温度0〜10℃で1時間かけ滴下した。滴下後、反応液を1時間撹拌し水(300g)で反応を停止、水層を分液後、得られた有機層は減圧下溶媒を除去した。溶媒の除去により析出した副生するトリフェニルホスフィンオキシドを濾別後、濾液を減圧蒸留してZ−7−デセン−5−インイルクロリド[bp:67〜72℃(0.40KPa)、128.1g、0.75モル)]が得られた。[収率:75.1%]
得られたZ−7−デセン−5−インイルクロリドは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.01(3H,t),1.70(2H,tt),1.91(2H,tt),2.28(2H,dq),2.39(2H,dt),3.57(2H,t),5.39(1H,dt),5.82(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ13.41,18.80,23.45,25.96,31.56,44.53,77.84,93.27,108.48,144.42
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:170(M+),135,119,105,91,79,65,51,39,27
実施例5
[Z−9−ドデセン−7−インイルクロリドの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、トリフェニルホスフィン(314.8g:1.2モル)、n−プロビルブロミド(147.6g:1.2モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(200.0g)を添加し、反応液温度110〜120℃にて3時間撹拌した。その後、反応液を10℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(600.0g)を添加後、カリウムt−ブトキシド(134.8g:1.2モル)を反応液温度10〜15℃で20分かけ添加し、1時間撹拌した。撹拌後、反応液を0℃まで冷却し9−クロロ−2−ノニナール(172.6g:1.0モル)を、反応液温度0〜10℃で1時間かけ滴下した。滴下後、反応液を1時間撹拌し水(300g)で反応を停止、水層を分液後、得られた有機層は減圧下溶媒を除去した。溶媒の除去により析出した副生するトリフェニルホスフィンオキシドを濾別後、濾液を減圧蒸留してZ−9−ドデセン−7−インイルクロリド[bp:77〜83℃(0.13KPa)、172.1g、0.87モル)]が得られた。[収率:86.6%]
得られたZ−9−ドデセン−7−インイルクロリドは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.01(3H,t),1.41-1.49(4H,m),1.51−1.60(2H,m),1.75-1.82(2H,m),2.29(2H,dq),2.34(2H,dt),5.40(1H,dt),5.80(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ13.43,19.40,23.42,26.38,28.04,28.59,32.48,45.00,77.39,94.08,108.62,144.17
[マススペクトル]EI(70eV) m/z:198(M+),169,135,121,107,93,79,67,55,41,27
実施例6
[Z−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリドの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、トリフェニルホスフィン(314.8g:1.2モル)、n−プロビルブロミド(147.6g:1.2モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(200.0g)を添加し、反応液温度110〜120℃にて3時間撹拌した。その後、反応液を10℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(600.0g)を添加後、カリウムt−ブトキシド(134.8g:1.2モル)を反応液温度10〜15℃で20分かけ添加し、1時間撹拌した。撹拌後、反応液を0℃まで冷却し13−クロロ−2−トリデシナール(228.8g:1.0モル)を、反応液温度0〜10℃で1時間かけ滴下した。滴下後、反応液を1時間撹拌し水(300g)で反応を停止、水層を分液後、得られた有機層は減圧下溶媒を除去した。溶媒の除去により析出した副生するトリフェニルホスフィンオキシドを濾別後、濾液を減圧蒸留してZ−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリド[bp:118−122℃(0.13KPa)、210.5g、0.83モル)]が得られた。[収率:82.6%]
得られたZ−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリドは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ1.00(3H,t),1.25-1.34(10H,m),1.36-1.46(4H,m),1.53(2H,tt),1.76(2H,tt),2.29(2H,dq),2.32(2H,t),3.52(2H,t),5.40(1H,td),5.80(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ13.44,19.48,23.39,26.85,28.80,28.85,28.85,29.06,29.38,29.38,32.62,45.14,77.26,94.45,108.69,144.04
[マススペクトル]EI(70eV) m/z:254(M+),225,211,163,149,135,121,107,93,79,55,41,27
実施例7
[Z−7−デセン−5−インイルアセテートの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、Z−7−デセン−5−インイルクロリド(170.7g:1.0モル)、酢酸ナトリウム(98.4g:1.2モル)、ヨウ化ナトリウム(8.9g:0.06モル)、N,N,−ジメチルアセトアミド(113.2g)を添加し、120〜125℃で6時間撹拌する。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に水(350.0g)を添加し、水層を分液した。有機層は、1.0質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(250.0g)で洗浄後、減圧下溶媒を除去及び脱水し、残渣を減圧蒸留してZ−7−デセン−5−インイルアセテート[bp:75〜79℃(0.13KPa)、181.4g、0.93モル]が得られた。[収率:93.4%]
得られたZ−7−デセン−5−インイルアセテートは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ0.99(3H,t),1.60(2H,tt),0.75(2H,tt),2.03(1H,s),2.27(2H,dq),2.37(2H,t),4.08(2H,t),5.38(1H,dt),5.81(1H,td)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ13.38,19.14,20.91,23.40,25.28,27.74,63.98,77.69,93.46,108.50,144.30,171.10
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:194(M+),165,151,134,119,108,91,79,65,55,43,27
実施例8
[Z−9−ドデセン−7−インイルアセテートの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、Z−9−ドデセン−7−インイルクロリド(198.7g:1.0モル)、酢酸ナトリウム(98.4g:1.2モル)、ヨウ化ナトリウム(8.9g:0.06モル)、N,N,−ジメチルアセトアミド(113.2g)を添加し、120〜125℃で6時間撹拌する。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に水(350.0g)を添加し、水層を分液した。有機層は、1.0質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(250.0g)で洗浄後、減圧下溶媒を除去及び脱水し、残渣を減圧蒸留してZ−9−ドデセン−7−インイルアセテート[bp:94〜102℃(0.13KPa)、202.3g、0.91モル]が得られた。[収率:91.1%]
得られたZ−9−ドデセン−7−インイルアセテートは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ0.99(3H,t),1.32-1.47(4H,m),1.54(2H,tt),1.62(2H,tt),2.03(3H,s),2.27(2H,dq),2.32(2H,t),4.04(2H,t),5.38(1H,dt),5.79(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ13.39,19.38,20.93,23.38,25.43,28.40,28.47,28.64,64.46,77.31,94.11,108.61,144.08,171.14
[マススペクトル]EI(70eV) m/z:222(M+),179,162,147,133,119,105,91,79,67,55,43,29
実施例9
[Z−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、Z−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリド(254.8g:1.0モル)、酢酸ナトリウム(98.4g:1.2モル)、ヨウ化ナトリウム(8.9g:0.06モル)、N,N,−ジメチルアセトアミド(113.2g)を添加し、120〜125℃で6時間撹拌する。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に水(350.0g)を添加し、水層を分液した。有機層は、1.0質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(250.0g)で洗浄後、減圧下溶媒を除去及び脱水し、残渣を減圧蒸留してZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテート[bp:126〜130℃(0.13KPa)、261.2g、0.94モル]が得られた。[収率:93.8%]
得られたZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートは、H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
H-NMR(500MHz,CDCl):δ0.99(3H,t),1.25-1.43(12H,m),1.52(2H,tt),1.60(2H,tt),2.03(3H,s),2.28(2H,dq),2.30(2H,t),4.04(2H,t),5.39(1H,dt),5.79(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl):δ13.42,19.47,20.97,23.38,25.87,28.55,28.79,28.82,29.05,29.19,29.40,29.40,64.60,77.18,94.44,108.69,144.00,171.18
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:278(M+),189,175,161,147,133,119,105,94,79,65,43,29

Claims (4)

  1. 一般式(2):
    Figure 2014218497
    (上式中、R及びRは、互いに同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは2〜15の整数を示す。)
    で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを、スルホン酸の存在下、水及び有機溶媒中、加水分解して一般(1):
    Figure 2014218497
    で示されるω−ハロ−2−アルキナールを形成するステップを少なくとも含むω−ハロ−2−アルキナールの製造方法。
  2. 一般式(2):
    Figure 2014218497
    (上式中、R及びRは、互いに同一又は異なる炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは2〜15の整数を示す。)
    で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを、スルホン酸の存在下、水及び有機溶媒中、加水分解して一般(1):
    Figure 2014218497
    で示されるω−ハロ−2−アルキナールを形成するステップと、
    得られたω−ハロ−2−アルキナールと、一般式(3):
    Figure 2014218497
    (上式中、Rは、Rは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、Phはフェニル基を示す。)
    で示されるアルキリデントリフェニルホスホランをウィッティッヒ反応を用いて反応させ、一般式(4):
    Figure 2014218497
    で示される共役Z−アルケンインイルハライドを得るステップと、
    得られた共役Z−アルケンインイルハライドをアセトキシ化して一般式(5):
    Figure 2014218497
    (上式中、Rは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示す。)
    で表される共役Z−アルケンインイルアセテートを形成するステップを少なくとも含む共役Z−アルケンインイルアセテートの製造方法。
  3. 前記共役Z−アルケンインイルアセテートが、Z−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートである請求項2に記載の共役Z−アルケンインイルアセテートの製造方法。
  4. 一般式(1):
    Figure 2014218497
    (上式中、Xはハロゲン原子を示し、nは2〜4、6、7及び10〜15の整数を示す。)
    で示されるω−ハロ−2−アルキナール。
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