JP2014218497A - ω−ハロ−2−アルキナール及びその製造方法並びにこれを用いた共役Z−アルケンインイルアセテートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ω−ハロ−2−アルキナール(1)とアルキリデントリフェニルホスホラン(3)とをウィッティッヒ反応を用いて反応させ、共役Z−アルケンインイルハライド(4)を得るステップと、得られた共役Z−アルケンインイルハライド(4)をアセトキシ化して共役Z−アルケンインイルアセテート(5)を形成するステップを少なくとも含む共役Z−アルケンインイルアセテート(5)の製造方法を提供する。
【化1】
【選択図】なし
Description
一方、特殊な原料を使用せず、穏和な条件下でZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートを製造する方法としては、13位のアルコール基をテトラヒドロピラニル基で保護した13−テトラヒドロピラノキシ−2−トリデシン−1−アールとプロピリデントリフェニルホスホランとのウィッティッヒ反応を用いる製造方法が報告されている(非特許文献7)。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、従来の技術の問題点を解決し、共役Z−アルケンインイルアセテート、例えば、パインプロセッショナリーモスの性フェロモン成分であるZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテート及びその中間体を穏和な条件下、高収率で工業的に製造する方法を提供するものである。
で示されるω−ハロ−2−アルキナールを用いることにより保護工程、脱保護工程を行う必要が無く、続くアルキリデントリフェニルホスホランとのウィッティッヒ反応においても、良好な収率で共役Z−アルケンインイルハライドが得られることを見出した。また、この共役Z−アルケンインイルハライドから、1工程及び良好な収率でアセテートへと変換することが可能であり、目的とする共役Z−アルケンインイルアセテート、例えば、Z−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートを効率よく製造できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
本発明によれば、一般式(2):
で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを、スルホン酸存在下、水及び有機溶媒中、加水分解して一般式(1)で示されるω−ハロ−2−アルキナールを形成するステップを少なくとも含むω−ハロ−2−アルキナールの製造方法が提供される。また、本発明によれば、一般式(2):
で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを、スルホン酸存在下、水及び有機溶媒中、加水分解して一般式(1)で示されるω−ハロ−2−アルキナールを形成するステップと、得られたω−ハロ−2−アルキナールと一般式(3):
で示されるアルキリデントリフェニルホスホランをウィッティッヒ反応を用いて反応させ、一般式(4)
得られた共役Z−アルケンインイルハライドをアセトキシ化して一般式(5):
X及びnは前述の通りであり、それぞれの好ましい例も前述の通りである。
Rは、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖状炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等の分岐状炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状炭化水素基が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜12の直鎖状炭化水素基、より好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基が挙げられる。
また、反応温度は0〜50℃が好ましく、不純物生成量及び幾何異性体生成量の点から特に0〜10℃が好ましい。
このアセトキシ化反応の反応温度としては、60〜150℃が好ましく、反応速度及び不純物生成量の点から特に100〜130℃が好ましい。
合成例1
[7-クロロ-1,1-ジエトキシ-2-ヘプチンの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、メチルマグネシウムクロリド(89.7g:1.2モル)のテトラヒドロフラン(370.0g)溶液を添加し、溶液温度45〜50℃にて撹拌した。これに6−クロロ−1−ヘキシン(116.6g:1.0モル)を反応液温度50〜60℃、1時間かけて滴下し、その後に60〜65℃にて5時間撹拌した。続いて、オルソギ酸トリエチル(177.8g:1.2モル)のトルエン(120.0g)溶液を反応液温度80〜85℃、30分かけ滴下し、その後に90〜95℃にて6時間撹拌した。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に、酢酸(57.0g)、塩化アンモニウム(35.0g)及び水(400.0g)を添加した。分液後、有機層を1.0%水酸化ナトリウム水溶液(170.0g)にて洗浄した。得られた有機層は、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留し7−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ヘプチン[bp:100-104℃(0.13KPa)、133.4g、0.61モル]が得られた。[収率:61.0%]
得られた7−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ヘプチンは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.22(3H,t),1.68(2H,tt),1.88(2H,tt),2.29(2H,t),3.56(4H,dq),3.72(2H,tt),5.23(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ15.05,15.05,17.90,25.42,31.49,44.38,60.60,60.60,76.37,85.35,91.37
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:217(M+-1),173(M+-45),145,117,81,68,55,41,29
[9-クロロ-1,1-ジエトキシ-2-ノニンの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、メチルマグネシウムクロリド(89.7g:1.2モル)のテトラヒドロフラン(370.0g)溶液を添加し、溶液温度45〜50℃にて撹拌した。これに8−クロロ−1−オクチン(144.6g:1.0モル)を反応液温度50〜60℃、1時間かけて滴下し、その後に60〜65℃にて5時間撹拌した。続いて、オルソギ酸トリエチル(177.8g:1.2モル)のトルエン(120.0g)溶液を反応液温度80〜85℃、30分かけ滴下し、その後に90〜95℃にて6時間撹拌した。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に、酢酸(57.0g)、塩化アンモニウム(35.0g)及び水(400.0g)を添加した。水層を分液後、有機層を1.0%水酸化ナトリウム水溶液(170.0g)にて洗浄した。得られた有機層は、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留し9−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ノニン[bp:138-142℃(0.13KPa)、185.8g、0.75モル]が得られた。[収率:75.3%]
得られた9−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ノニンは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.22(3H,t),1.40-1.43(4H,m),1.53(2H,tt),1.76(2H,tt),2.24(2H,t),3.54(4H,dq),3.72(2H,tt),5.24(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ15.05,15.05,18.24,18.64,26.28,28.02,32.38,44.90,60.54,60.54,75.87,86.08,91.40
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:245(M+-1), 201(M+-45),173,109, 93,81,67,55,41,29
[13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシンの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、メチルマグネシウムクロリド(89.7g:1.2モル)のテトラヒドロフラン(370.0g)溶液を添加し、溶液温度45〜50℃にて撹拌した。これに12−クロロ−1−ドデシン(200.8g:1.0モル)を反応液温度50〜60℃、1時間かけて滴下し、その後に60〜65℃にて5時間撹拌した。続いて、オルソギ酸トリエチル(177.8g:1.2モル)のトルエン(120.0g)溶液を反応液温度80〜85℃、30分かけ滴下し、その後に90〜95℃にて6時間撹拌した。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に、酢酸(57.0g)、塩化アンモニウム(35.0g)及び水(400.0g)を添加した。水層を分液後、有機層を1.0%水酸化ナトリウム水溶液(170.0g)にて洗浄した。得られた有機層は、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留し13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシン[bp:156−163℃(0.13KPa)、249.2g、0.82モル]が得られた。[収率:82.3%]
得られた13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシンは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.22(3H,t),1.24-1.29(8H,m),1.32-1.44(4H,m),1.51(2H,tt),1.75(2H,tt),2.20(2H,t),3.53(4H,dq),3.72(2H,tt),5.24(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ15.05,15.05,18.55,26.81,28.23,28.78,28.80,28.97,29.30,29.33,32.58,45.09,60.51,60.51,75.66,86.44,91.43
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:301(M+-1),257(M+-45),155,81,55,29
[7−クロロ−2−ヘプチナールの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、7−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ヘプチン(218.7g:1.0モル)、パラトルエンスルホン酸(8.0g:0.05モル)、水(170.0g)、テトラヒドロフラン(42.0g)を添加し、反応液温度60〜65℃にて撹拌する。撹拌中、反応器内を26.7KPaまで徐々に減圧し還流するエタノールを留去した。5時間撹拌後、反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後し、反応液中の水層を分液した。得られた有機層は塩化ナトリウム(5.0g)と水(150.0g)の溶液で洗浄後、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留して、7−クロロ−2−ヘプチナール[bp:66〜72℃(0.13KPa)、137.8g、0.95モル]が得られた。[収率:95.3%]
得られた7−クロロ−2−ヘプチナールは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.75(2H,tt),1.89(2H,tt),2.46(2H,t),3.55(2H,t),9.15(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ18.23,24.66,31.24,44.07,81.86,97.79,177.01
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:143(M+-1),115,107,81,68,53,41
[9−クロロ−2−ノニナールの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、9−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−ノニン(246.8g:1.0モル)、パラトルエンスルホン酸(8.0g:0.05モル)、水(170.0g)、テトラヒドロフラン(42.0g)を添加し、反応液温度60〜65℃にて撹拌する。撹拌中、反応器内を26.7KPaまで徐々に減圧し還流するエタノールを留去した。5時間撹拌後、反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後し、反応液中の水層を分液した。得られた有機層は塩化ナトリウム(5.0g)と水(150.0g)の溶液で洗浄後、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留して、9−クロロ−2−ノニナール[bp:82〜88℃(0.13KPa)、167.2g、0.97モル]が得られた。[収率:96.9%]
得られた9−クロロ−2−ノニナールは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.40−1.49(4H,m),1.60(2H,tt),1.77(2H,tt),2.41(2H,t),3.52(2H,t),9.16(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ18.95,26.19,27.26,27.96,32.24,44.86,81.70,98.85,177.17
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:171(M+-1),143,123,109,95,81,67,55,41
[13−クロロ−2−トリデシナールの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、13−クロロ−1,1−ジエトキシ−2−トリデシン(302.9g:1.0モル)、パラトルエンスルホン酸(8.0g:0.05モル)、水(170.0g)、テトラヒドロフラン(42.0g)を添加し、反応液温度60〜65℃にて撹拌する。撹拌中、反応器内を26.7KPaまで徐々に減圧し還流するエタノールを留去した。5時間撹拌後、反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後し、反応液中の水層を分液した。得られた有機層は塩化ナトリウム(5.0g)と水(150.0g)の溶液で洗浄後、減圧下溶媒を除去し、残渣を減圧蒸留して、13−クロロ−2−トリデシナール[bp:116〜122℃(0.13KPa)、198.6g、0.87モル]が得られた。[収率:86.8%]
得られた13−クロロ−2−トリデシナールは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.26-1.32(8H,m),1.35-1.45(4H,m),1.58(2H,tt),1.75(2H,tt),2.39(2H,t),3.52(2H,t),9.17(1H,s)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ19.07,26.79,27.47,28.74,28.78,28.99,29.23,29.30,32.57,45.11,81.66,99.29,117.20
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:227(M+),199,185,151,137,123,109,95,81,67,55,41,29
[Z−7−デセン−5−インイルクロリドの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、トリフェニルホスフィン(314.8g:1.2モル)、n−プロビルブロミド(147.6g:1.2モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(200.0g)を添加し、反応液温度110〜120℃にて3時間撹拌した。その後、反応液を10℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(600.0g)を添加後、カリウムt−ブトキシド(134.8g:1.2モル)を反応液温度10〜15℃で20分かけ添加し、1時間撹拌した。撹拌後、反応液を0℃まで冷却し7−クロロ−2−ヘプチナール(144.6g:1.0モル)を、反応液温度0〜10℃で1時間かけ滴下した。滴下後、反応液を1時間撹拌し水(300g)で反応を停止、水層を分液後、得られた有機層は減圧下溶媒を除去した。溶媒の除去により析出した副生するトリフェニルホスフィンオキシドを濾別後、濾液を減圧蒸留してZ−7−デセン−5−インイルクロリド[bp:67〜72℃(0.40KPa)、128.1g、0.75モル)]が得られた。[収率:75.1%]
得られたZ−7−デセン−5−インイルクロリドは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.01(3H,t),1.70(2H,tt),1.91(2H,tt),2.28(2H,dq),2.39(2H,dt),3.57(2H,t),5.39(1H,dt),5.82(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ13.41,18.80,23.45,25.96,31.56,44.53,77.84,93.27,108.48,144.42
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:170(M+),135,119,105,91,79,65,51,39,27
[Z−9−ドデセン−7−インイルクロリドの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、トリフェニルホスフィン(314.8g:1.2モル)、n−プロビルブロミド(147.6g:1.2モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(200.0g)を添加し、反応液温度110〜120℃にて3時間撹拌した。その後、反応液を10℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(600.0g)を添加後、カリウムt−ブトキシド(134.8g:1.2モル)を反応液温度10〜15℃で20分かけ添加し、1時間撹拌した。撹拌後、反応液を0℃まで冷却し9−クロロ−2−ノニナール(172.6g:1.0モル)を、反応液温度0〜10℃で1時間かけ滴下した。滴下後、反応液を1時間撹拌し水(300g)で反応を停止、水層を分液後、得られた有機層は減圧下溶媒を除去した。溶媒の除去により析出した副生するトリフェニルホスフィンオキシドを濾別後、濾液を減圧蒸留してZ−9−ドデセン−7−インイルクロリド[bp:77〜83℃(0.13KPa)、172.1g、0.87モル)]が得られた。[収率:86.6%]
得られたZ−9−ドデセン−7−インイルクロリドは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.01(3H,t),1.41-1.49(4H,m),1.51−1.60(2H,m),1.75-1.82(2H,m),2.29(2H,dq),2.34(2H,dt),5.40(1H,dt),5.80(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ13.43,19.40,23.42,26.38,28.04,28.59,32.48,45.00,77.39,94.08,108.62,144.17
[マススペクトル]EI(70eV) m/z:198(M+),169,135,121,107,93,79,67,55,41,27
[Z−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリドの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、トリフェニルホスフィン(314.8g:1.2モル)、n−プロビルブロミド(147.6g:1.2モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(200.0g)を添加し、反応液温度110〜120℃にて3時間撹拌した。その後、反応液を10℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(600.0g)を添加後、カリウムt−ブトキシド(134.8g:1.2モル)を反応液温度10〜15℃で20分かけ添加し、1時間撹拌した。撹拌後、反応液を0℃まで冷却し13−クロロ−2−トリデシナール(228.8g:1.0モル)を、反応液温度0〜10℃で1時間かけ滴下した。滴下後、反応液を1時間撹拌し水(300g)で反応を停止、水層を分液後、得られた有機層は減圧下溶媒を除去した。溶媒の除去により析出した副生するトリフェニルホスフィンオキシドを濾別後、濾液を減圧蒸留してZ−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリド[bp:118−122℃(0.13KPa)、210.5g、0.83モル)]が得られた。[収率:82.6%]
得られたZ−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリドは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ1.00(3H,t),1.25-1.34(10H,m),1.36-1.46(4H,m),1.53(2H,tt),1.76(2H,tt),2.29(2H,dq),2.32(2H,t),3.52(2H,t),5.40(1H,td),5.80(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ13.44,19.48,23.39,26.85,28.80,28.85,28.85,29.06,29.38,29.38,32.62,45.14,77.26,94.45,108.69,144.04
[マススペクトル]EI(70eV) m/z:254(M+),225,211,163,149,135,121,107,93,79,55,41,27
[Z−7−デセン−5−インイルアセテートの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、Z−7−デセン−5−インイルクロリド(170.7g:1.0モル)、酢酸ナトリウム(98.4g:1.2モル)、ヨウ化ナトリウム(8.9g:0.06モル)、N,N,−ジメチルアセトアミド(113.2g)を添加し、120〜125℃で6時間撹拌する。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に水(350.0g)を添加し、水層を分液した。有機層は、1.0質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(250.0g)で洗浄後、減圧下溶媒を除去及び脱水し、残渣を減圧蒸留してZ−7−デセン−5−インイルアセテート[bp:75〜79℃(0.13KPa)、181.4g、0.93モル]が得られた。[収率:93.4%]
得られたZ−7−デセン−5−インイルアセテートは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ0.99(3H,t),1.60(2H,tt),0.75(2H,tt),2.03(1H,s),2.27(2H,dq),2.37(2H,t),4.08(2H,t),5.38(1H,dt),5.81(1H,td)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ13.38,19.14,20.91,23.40,25.28,27.74,63.98,77.69,93.46,108.50,144.30,171.10
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:194(M+),165,151,134,119,108,91,79,65,55,43,27
[Z−9−ドデセン−7−インイルアセテートの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、Z−9−ドデセン−7−インイルクロリド(198.7g:1.0モル)、酢酸ナトリウム(98.4g:1.2モル)、ヨウ化ナトリウム(8.9g:0.06モル)、N,N,−ジメチルアセトアミド(113.2g)を添加し、120〜125℃で6時間撹拌する。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に水(350.0g)を添加し、水層を分液した。有機層は、1.0質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(250.0g)で洗浄後、減圧下溶媒を除去及び脱水し、残渣を減圧蒸留してZ−9−ドデセン−7−インイルアセテート[bp:94〜102℃(0.13KPa)、202.3g、0.91モル]が得られた。[収率:91.1%]
得られたZ−9−ドデセン−7−インイルアセテートは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ0.99(3H,t),1.32-1.47(4H,m),1.54(2H,tt),1.62(2H,tt),2.03(3H,s),2.27(2H,dq),2.32(2H,t),4.04(2H,t),5.38(1H,dt),5.79(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ13.39,19.38,20.93,23.38,25.43,28.40,28.47,28.64,64.46,77.31,94.11,108.61,144.08,171.14
[マススペクトル]EI(70eV) m/z:222(M+),179,162,147,133,119,105,91,79,67,55,43,29
[Z−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートの製造]
撹拌機、冷却コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けた反応器に、Z−13−ヘキサデセン−11−インイルクロリド(254.8g:1.0モル)、酢酸ナトリウム(98.4g:1.2モル)、ヨウ化ナトリウム(8.9g:0.06モル)、N,N,−ジメチルアセトアミド(113.2g)を添加し、120〜125℃で6時間撹拌する。反応の終了をガスクロマトグラフィーで確認後、反応液に水(350.0g)を添加し、水層を分液した。有機層は、1.0質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(250.0g)で洗浄後、減圧下溶媒を除去及び脱水し、残渣を減圧蒸留してZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテート[bp:126〜130℃(0.13KPa)、261.2g、0.94モル]が得られた。[収率:93.8%]
得られたZ−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートは、1H−核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルより構造を確認した。
[核磁気共鳴スペクトル]
1H-NMR(500MHz,CDCl3):δ0.99(3H,t),1.25-1.43(12H,m),1.52(2H,tt),1.60(2H,tt),2.03(3H,s),2.28(2H,dq),2.30(2H,t),4.04(2H,t),5.39(1H,dt),5.79(1H,dt)
13C-NMR(126MHz,CDCl3):δ13.42,19.47,20.97,23.38,25.87,28.55,28.79,28.82,29.05,29.19,29.40,29.40,64.60,77.18,94.44,108.69,144.00,171.18
[マススペクトル] EI(70eV) m/z:278(M+),189,175,161,147,133,119,105,94,79,65,43,29
Claims (4)
- 一般式(2):
で示されるω−ハロ−1,1−ジアルコキシ−2−アルキンを、スルホン酸の存在下、水及び有機溶媒中、加水分解して一般(1):
得られたω−ハロ−2−アルキナールと、一般式(3):
で示されるアルキリデントリフェニルホスホランをウィッティッヒ反応を用いて反応させ、一般式(4):
得られた共役Z−アルケンインイルハライドをアセトキシ化して一般式(5):
で表される共役Z−アルケンインイルアセテートを形成するステップを少なくとも含む共役Z−アルケンインイルアセテートの製造方法。 - 前記共役Z−アルケンインイルアセテートが、Z−13−ヘキサデセン−11−インイルアセテートである請求項2に記載の共役Z−アルケンインイルアセテートの製造方法。
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