JP6691816B2 - 封止体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、封止体の製造方法、及び、積層体に関する。
近年、半導体装置の集積化や小型化等を実現するため、ファンアウト型WLP(Fan-Out Wafer Level Package)技術が開発されている。ファンアウト型WLP技術としては、(i)一旦、支持体上において、複数のチップを樹脂で封止した樹脂ウェハ(疑似ウェハ)を形成した後に、樹脂ウェハから支持体を取り除き、その後に樹脂ウェハに対して配線層を形成することにより封止体を形成する方法(特許文献1〜3)と、(ii)支持体上において配線層および樹脂ウェハを形成した後に、支持体を取り除くことにより封止体を形成する方法(非特許文献1)とが知られており、高密度配線が可能である点等から、後者が注目を集めている。
特開2012−248598号公報(2012年12月13日公開) 特開2012−60100号公報(2012年3月22日公開) 特開2013−168594号公報(2013年8月29日公開)
栗田 洋一郎、"FO−WLPの新プロセスRDL−first法により高信頼・高密度配線を実現した超小型パッケージを開発"、[online]、RENESAS EDGE、[平成28年1月6日検索]、インターネット<URL: http://japan.renesas.com/media/edge_ol/r_and_d/01/r70pf0030jj0101_edge.pdf>
本発明者らは、独自の知見に基づき、ファンアウト型WLP技術において、支持体を所望のタイミングにおいて取り除くための仕組みとして、光を照射することで変質する分離層を予め支持体に設けておくことを検討している。その結果、非特許文献1のように、支持体上において封止体(配線層および樹脂ウェハ)を形成する方法では、支持体上において配線層を形成するための処理(例えば、リソグラフィー処理等)がなされるため、当該処理の影響(例えば、処理に用いられる薬液等の影響)により、支持体に設けた分離層が剥がれてしまうという問題が生じ得ることを見出した。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、支持体上において封止体を形成しているときに、支持体に設けた分離層が剥がれることを防止することができる封止体の製造方法、及び、積層体を提供することを主たる目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る封止体の製造方法は、
配線層と、上記配線層に実装されている素子と、上記素子を封止している封止材とを備えた封止体を製造する封止体の製造方法であって、
光を透過する支持体の一方の平面部に、光を照射することで変質する分離層を形成する分離層形成工程と、
上記支持体の周縁部分全周に形成された分離層を除去する分離層周縁部分除去工程と、
上記支持体における周縁部分全周の分離層を除去した側の面に、接着層を形成する接着層形成工程と、
上記接着層上に、上記封止体を形成する封止体形成工程と、を包含している。
また、本発明に係る積層体は、
光を透過する支持体と、
光を照射することで変質する分離層と、
接着層と、
封止体と、がこの順に積層されてなり、
上記封止体は、配線層と、上記配線層に実装されている素子と、上記素子を封止している封止材とを備えており、
上記分離層は、上記支持体に接している部分以外が上記接着層によって被覆されている。
本発明によれば、支持体上において封止体を形成しているときに、支持体に設けた分離層が剥がれることを防止することができる封止体の製造方法、及び、積層体を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る封止体の製造方法の各工程を示す図である。 本発明の実施形態2に係る封止体の製造方法の各工程を示す図である。
本発明に係る封止体の製造方法は、配線層と、上記配線層に実装されている素子と、上記素子を封止している封止材とを備えた封止体を製造する封止体の製造方法であって、光を透過する支持体の一方の平面部に、光を照射することで変質する分離層を形成する分離層形成工程と、上記支持体の周縁部分全周に形成された分離層を除去する分離層周縁部分除去工程と、上記支持体における周縁部分全周の分離層を除去した側の面に、接着層を形成する接着層形成工程と、上記接着層上に、上記封止体を形成する封止体形成工程と、を包含している。
上記の構成によれば、支持体の周縁部分全周に形成された分離層を除去した後に、支持体における周縁部分全周の分離層を除去した側の面に、接着層を形成することで、分離層を接着層によって保護することができる。これにより、封止体形成工程において、薬液等による分離層の浸食によって支持体が剥がれることを防止することができる。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一実施形態(実施形態1)に係る封止体の製造方法の各工程を説明する図である。実施形態1に係る封止体の製造方法は、分離層形成工程、分離層周縁部分除去工程、接着層形成工程、封止体形成工程、接着層除去工程、光照射工程、分離工程および除去工程をこの順に実施する。
(分離層形成工程)
図1の(a)に示すように、分離層形成工程では、光を透過する支持体1の一方の平面部1aに、例えば、化学気相成長(CVD)法等により、光を照射することで変質する分離層2を形成する。なお、「一方の平面部」とは、支持体1が有する平面部のうちの一つを指す。また、「平面部」は、実質的に平面と見なせる程度の微細な凹凸を有していてもよい。支持体1および分離層2の詳細ならびに分離層2の形成手順の詳細については後述する。
(分離層周縁部分除去工程)
図1の(b)に示すように、分離層周縁部分除去工程では、例えば、EBR(Edge Bead Removal)処理により、支持体1の周縁部分1b全周に形成された分離層2を除去する。周縁部分1bは、平面部1aの周縁部分である。これにより、図1の(b)に示すように、平面部1a上には、分離層2が除去された周縁部分1bに囲まれた部分に、分離層2が形成されている状態となる。EBR処理の詳細については後述する。
(接着層形成工程)
図1の(c)に示すように、接着層形成工程では、支持体1における周縁部分1b全周の分離層2を除去した側の面に、接着層3を形成する。接着層3は、例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法により接着剤を塗布することによって形成することができる。これにより、分離層2を囲む周縁部分1b、および、分離層2の上部に接着層3が形成されるため、分離層2が接着層3によって覆われている状態となる。これにより、分離層2を保護することができる。接着層3を形成するための接着剤の詳細については後述する。
(封止体形成工程)
図1の(d)〜(g)に示すように、封止体形成工程では、接着層3上に、封止体7を形成する。本実施形態では、封止体形成工程では、配線層形成工程、実装工程、封止工程および薄化工程をこの順に行う。
図1の(d)に示すように、配線層形成工程では、接着層3上に配線層4を形成する。
一実施形態において、配線層4の形成手順としては、まず、接着層3上に、酸化シリコン(SiOx)、感光性樹脂等の誘電体層を形成する。酸化シリコンからなる誘電体層は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法等により形成することができる。感光性樹脂からなる誘電体層は、例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法により感光性樹脂を塗布することによって形成することができる。
続いて、誘電体層に、金属等の導電体によって配線を形成する。配線の形成手法としては、例えば、フォトリソグラフィー(レジストリソグラフィー)等のリソグラフィー処理、エッチング処理等の公知の半導体プロセス手法を用いることができる。
図1の(e)に示すように、実装工程では、配線層4上に素子5を実装する。配線層4上への素子5の実装は、例えば、チップマウンター等を用いて行うことができる。
図1の(f)に示すように、封止工程では、素子5を封止材6によって封止する。封止材6は、例えば、成形型を用いて射出成形してもよいし、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法により塗布してもよい。
図1の(g)に示すように、薄化工程では、封止材6を薄化する。封止材6は、例えば、素子5と同等の厚さまで薄化してもよい。
以上により、支持体1上において、封止体7を首尾よく形成することができる。このとき、例えば、配線を形成するためのリソグラフィー処理、エッチング処理等において薬液が用いられ得る。分離層2には薬液耐性が不足していることが多いため、分離層2が薬液に触れると、分離層2が剥がれてしまうおそれがある。しかしながら、本実施形態によれば、分離層2が接着層3によって保護されているため、分離層2に薬液が接触することを避けることができる。また、接着層3によって分離層2を保護することにより、薬液以外からも分離層2を保護することができる。これにより、封止体形成工程中に、分離層2が剥がれることを防止することができる。さらに、接着層3によれば、例えば、配線層形成工程において、配線層4を構成するための酸化膜やメタル層等が、支持体1の端部付近に付着した場合であっても、接着層3を除去することで当該酸化膜やメタル層等を支持体1から容易に除去することが可能であり、特別な洗浄を必要とせず支持体1の再利用を可能とすることができる。
また、以上の工程によって得られた図1の(g)に示す積層体8は、光を透過する支持体1と、光を照射することで変質する分離層2と、接着層3と、封止体7と、がこの順に積層されてなり、封止体7は、配線層4と、配線層4に実装された素子5と、素子5を封止する封止材6とを備えており、分離層2は、支持体1に接している部分以外が接着層3によって被覆されているものである。このような積層体8は、本発明に係る封止体の製造方法の過程においてのみ製造されるものであり、単離された封止体7を製造するために好適に利用することができる。
(接着層除去工程)
図1の(h)に示すように、接着層除去工程では、例えば、EBR処理により、支持体1の周縁部分1b全周に形成された接着層3を除去する。EBR処理の詳細については後述する。接着層3のうち、支持体1の周縁部分1b全周に形成された部分は、分離層2を介さずに、支持体1と封止体7とを接着しているため、当該部分を除去しておくことにより、分離層2を変質させたときに、円滑に支持体1と封止体7とを分離することができる。
特に、支持体1上に形成されている分離層2の外周端部2aよりも外側に形成された接着層3を除去しておくことにより、支持体1と封止体7とが、必ず分離層2を介して接着されている状態にすることができるため、分離層2を変質させたときに、より円滑に支持体1と封止体7とを分離することができる。
(光照射工程)
図1の(i)に示すように、光照射工程では、支持体1を介して、分離層2に光Lを照射することで、分離層2を変質させる。照射する光Lの種類および波長は、支持体1の透過性および分離層2の材質に応じて適宜選択すればよく、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を用いることができる。これにより、分離層2を変質させて、支持体1と封止体7とを容易に分離可能な状態とすることができる。
また、レーザ光を照射する場合のレーザ光照射条件の一例としては、以下の条件を挙げることができるが、これに限定されない:レーザ光の平均出力値は、1.0W以上、5.0W以下であることが好ましく、3.0W以上、4.0W以下であることがより好ましい;レーザ光の繰り返し周波数は、20kHz以上、60kHz以下であることが好ましく、30kHz以上、50kHz以下であることがより好ましい;レーザ光の走査速度は、100mm/s以上、10000mm/s以下であることが好ましい。
(分離工程)
図1の(j)に示すように、分離工程では、支持体1と封止体7とを分離する。例えば、支持体1と封止体7とが互いに離れる方向に力を加えることにより、支持体1と、封止体7とを分離する。例えば、支持体1および封止体7の一方をステージに固定した状態で、他方をベローズパッド等の吸着パッドを備えた分離プレートにより吸着保持しつつ持ち上げることにより、支持体1と封止体7とを分離することができる。
(除去工程)
図1の(k)に示すように、除去工程では、支持体1が分離された封止体7に残留している接着層3と分離層2とを除去する。例えば、有機溶剤を含んでいる洗浄液等によって接着層3及び分離層2の残渣を除去する洗浄工程を行なう。洗浄液としては、例えば、後述する接着剤の希釈溶剤や、アルカリ性を示す溶剤(特に、アミン系化合物)等を用いることができるが、これに限定されない。
以上により、単離された封止体7を得ることができる。
また、さらに、封止体7に対して、ソルダーボール形成、ダイシング処理等の処理を行ってもよい。また、封止体7上に、さらに別の素子を積層してもよい。
なお、接着剤除去工程(図1の(h)参照)において、接着層3の外周部(分離層2の外側)を好適に除去するためには、封止体7の外径が、支持体1の外径よりも小さいことが好ましい。そのためには、例えば、(i)封止体7の成形用型の外径を支持体より小さくすることにより、封止体7を支持体外径より小さく成形するか、または、(ii)封止体7の成形後に、支持体外径より小さくするために、封止体7に対してフルカットトリムを行うことが好ましい。
〔EBR処理〕
一実施形態において、(A)分離層周縁部分除去工程において、支持体1の周縁部分1b全周に形成された分離層2を除去するためのEBR処理、および、(B)接着層除去工程において、支持体1の周縁部分1b全周に形成された接着層3を除去するためのEBR処理は、例えば、(i)溶剤によって溶解して除去する方法、(ii)カッター又はブレードなどを用いて物理的に切断して除去する方法、(iii)大気圧下でのアッシングにより除去する方法などが挙げられる。この中でも、強度及び実用性の観点から、溶剤によって除去する方法が好ましい。
溶剤によって除去する方法において用いられる溶剤としては除去対象となる分離層2または接着層3を溶解し得るものであれば特に限定されず、当業者は、除去対象の組成に応じて、適宜選択することができる。例えば、炭化水素系の接着剤を用いて形成された接着層3に対しては、溶剤としてp−メンタン、及びd−リモネン等のテルペン系溶剤を用いることができ、アクリル系又はマレイミド系の接着剤を用いて形成された接着層3に対しては、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、酢酸エチル、及びメチルエチルケトン等を用いることができる。
また、分離層2に対しては、例えば、アルカリ性を示す溶剤、特に、アミン系化合物を用いることができ、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、又は複素環式アミンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を用いることができ、これら有機アミン類の化合物の中では、特にモノエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール及び2−エチルアミノエタノール、2−メチルアミノエタノール(MMA)等のアルカノールアミンが好適に用いられる。また、剥離液は上記アミン系化合物を他の溶剤と混合して用いてもよく、後述する(希釈溶剤)の欄に記載している溶剤を混合して用いてもよい。
溶剤を供給する方法としては、例えば、溶剤の噴出によって、除去対象に溶剤を供給する方法、除去対象を溶剤中に浸漬させる方法が挙げられる。
溶剤の噴出によって、除去対象に溶剤を供給する方法としては、均一に溶剤を供給するために、支持体1を回転させながら、除去対象に溶剤を供給する方法が好ましい。支持体1を回転させながら、溶剤を供給する方法としては、例えば、溶剤を噴出するノズルを支持体1の周縁部分1bの直ぐ外側の直上に配置し、溶剤を支持体1の周縁部分1bの直ぐ外側に滴下しながら、支持体1を、スピンナーを用いて回転させる方法が挙げられる。これにより、溶剤を支持体1の周縁部分1bの全周の直ぐ外側に供給することができる。なお、配置するノズルの数に制限はなく、1つ以上であればよい。
支持体1の回転及び溶剤の噴出を伴う上記方法において、支持体1の回転速度、溶剤をノズルから供給するときの溶剤の流量、及び溶剤の供給時間は、除去対象の組成、除去対象の厚さ、使用する溶剤の種類、及び除去の程度に応じて異なり得るものであるが、当業者であれば、その最適条件を困難なく検討及び決定することができる。
また、溶剤による除去対象の溶解後は、支持体1等を乾燥することが好ましい。乾燥工程を経ることによって、不要な溶剤、除去対象部分ではない分離層2または接着層3に浸入した溶剤を除去することができる。
乾燥方法としては、スピンナー等を用いて支持体1を回転させることによる振り切り乾燥、Nガスなどの噴霧によるエアブローでの乾燥、ベークによる乾燥、及び減圧による乾燥等が挙げられる。なお、これらの乾燥方法としては、いずれかの方法を単独で用いる方法、あるいは任意の2つ以上の方法を組み合わせて用いる方法のいずれも可能である。
〔封止体7〕
上述したように、封止体7は、配線層4と、配線層4に実装されている素子5と、素子5を封止している封止材6とを備えている。一実施形態において、封止体7は複数の素子5を備えており、このような封止体7をダイシングすることにより、複数の電子部品を得ることができる。
素子5は、半導体素子またはその他の素子であり、単層または複数層の構造を有し得る。なお、素子5が半導体素子である場合、封止体7をダイシングすることにより得られる電子部品は、半導体装置となる。
配線層4は、RDL(Redistribution Layer:再配線層)とも呼ばれ、素子5に接続する配線を構成する薄膜の配線体であり、単層または複数層の構造を有し得る。一実施形態において、配線層4は、誘電体(例えば、酸化シリコン(SiOx)、感光性エポキシ等の感光性樹脂等)に、導電体(例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、金等の金属等)によって配線が形成されたものであり得るが、これに限定されない。
封止材6としては、例えば、エポキシ系の樹脂、シリコン系の樹脂等を用いることができる。一実施形態において、封止材6は、素子5毎に設けられているものではなく、配線層4に実装された複数の素子5の全てを一体的に封止しているものである。
〔支持体1〕
一実施形態において、支持体1は、封止体7の形成時に、封止体7の各構成要素の破損又は変形を防ぐために必要な強度を有していればよい。また、分離層2を変質させるための光を透過させるものであればよい。
支持体1の材料としては、例えば、ガラス、シリコン、アクリル系樹脂等を用いることができるが、これらに限定されない。支持体1の形状としては、例えば、円形の板状のものを用いることができるが、これに限定されない。
〔接着層3〕
一実施形態において、接着層3は、封止体7を、支持体1上に固定するために用いられると共に、分離層2を保護するために用いられる。
接着層3の厚さは、支持体1および封止体7の種類、封止体形成工程において実施する処理等に応じて適宜設定すればよいが、10〜150μmの範囲内であることが好ましく、15〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
接着層3を形成する接着剤として、例えば、アクリル系、ノボラック系、ナフトキノン系、炭化水素系、ポリイミド系、エラストマー、ポリサルホン系等の当該分野において公知の種々の接着剤が使用可能である。
接着剤が含有する樹脂、つまり、接着層3が含有する樹脂としては、接着性を備えたものであればよく、例えば、炭化水素樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、マレイミド系樹脂、エラストマー樹脂、ポリサルホン系樹脂等、又はこれらを組み合わせたもの等をより好ましく用いることができる。以下、接着層3が含有する樹脂の組成について説明する。
(炭化水素樹脂)
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、並びに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。
樹脂(A)は、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を重合してなる樹脂であってもよい。具体的には、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分の開環(共)重合体、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を付加(共)重合させた樹脂等が挙げられる。
樹脂(A)を構成する単量体成分に含まれる前記シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体、ジシクロペンタジエン、ヒドロキシジシクロペンタジエン等の三環体、テトラシクロドデセン等の四環体、シクロペンタジエン三量体等の五環体、テトラシクロペンタジエン等の七環体、又はこれら多環体のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)置換体、アルケニル(ビニル等)置換体、アルキリデン(エチリデン等)置換体、アリール(フェニル、トリル、ナフチル等)置換体等が挙げられる。これらの中でも特に、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれるノルボルネン系モノマーが好ましい。
樹脂(A)を構成する単量体成分は、上述したシクロオレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含有していてもよく、例えば、アルケンモノマーを含有することが好ましい。アルケンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、α−オレフィン等が挙げられる。アルケンモノマーは、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、シクロオレフィンモノマーを含有することが、高耐熱性(低い熱分解、熱重量減少性)の観点から好ましい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、特に限定されないが、溶解性及び溶液での経時安定性の観点からは80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、直鎖状又は分岐鎖状のアルケンモノマーを含有してもよい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するアルケンモノマーの割合は、溶解性及び柔軟性の観点からは10〜90モル%であることが好ましく、20〜85モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。
なお、樹脂(A)は、例えば、シクロオレフィン系モノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制する上で好ましい。
単量体成分を重合するときの重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従い適宜設定すればよい。
例えば、下記化学式(1)で表される繰り返し単位及び下記化学式(2)で表される繰り返し単位の共重合体であるシクロオレフィンコポリマーを接着成分の樹脂(A)として用いることができる。
Figure 0006691816
(化学式(2)中、nは0又は1〜3の整数である。)
このようなシクロオレフィンコポリマーとしては、APL 8008T、APL 8009T、及びAPL 6013T(全て三井化学株式会社製)等を使用することができる。
また、樹脂(A)として用いることのできる市販品としては、例えば、ポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS」、三井化学株式会社製の「APEL」、日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR」及び「ZEONEX」、JSR株式会社製の「ARTON」等が挙げられる。
樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度が60℃以上であると、高温環境に曝されたときに接着層3の軟化をさらに抑制することができる。
樹脂(B)は、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、変性ロジン等が挙げられる。石油樹脂としては、例えば、脂肪族又は芳香族石油樹脂、水添石油樹脂、変性石油樹脂、脂環族石油樹脂、クマロン・インデン石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂、水添石油樹脂がより好ましい。
樹脂(B)の軟化点は特に限定されないが、80〜160℃であることが好ましい。樹脂(B)の軟化点が80〜160℃であると、高温環境に曝されたときに軟化することを抑制することができ、接着不良を生じない。
樹脂(B)の重量平均分子量は特に限定されないが、300〜3,000であることが好ましい。樹脂(B)の重量平均分子量が300以上であると、耐熱性が十分なものとなり、高温環境下において脱ガス量が少なくなる。一方、樹脂(B)の重量平均分子量が3,000以下であると、炭化水素系溶剤への接着層3の溶解速度が良好なものとなる。このため、支持体1を分離した後の封止体7上の接着層3の残渣を迅速に溶解し、除去することができる。なお、本実施形態における樹脂(B)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。
なお、樹脂として、樹脂(A)と樹脂(B)とを混合したものを用いてもよい。混合することにより、耐熱性が良好なものとなる。例えば、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合としては、(A):(B)=80:20〜55:45(質量比)であることが、高温環境時の熱耐性、及び柔軟性に優れるので好ましい。
(アクリル−スチレン系樹脂)
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐鎖状であってもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。また、芳香族環は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。
(マレイミド系樹脂)
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド等のアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
(エラストマー)
エラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましく、当該「スチレン単位」は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。また、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であることがより好ましい。さらに、エラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であることが好ましい。
スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、後述する炭化水素系の溶剤に容易に溶解するので、より容易かつ迅速に接着層3を除去することができる。また、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上記の範囲内であることにより、レジストリソグラフィーに用いられるレジスト溶剤(例えばPGMEA、PGME等)、酸(フッ化水素酸等)、アルカリ(TMAH等)に対して優れた耐性を発揮する。
なお、エラストマーには、上述した(メタ)アクリル酸エステルをさらに混合してもよい。
スチレン単位の含有量は、より好ましくは17重量%以上であり、また、より好ましくは40重量%以下である。
重量平均分子量のより好ましい範囲は20,000以上であり、また、より好ましい範囲は150,000以下である。
エラストマーとしては、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、種々のエラストマーを用いることができる。例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)、及び、これらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SeptonV9461(株式会社クラレ製)、SeptonV9475(株式会社クラレ製))、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(反応性のポリスチレン系ハードブロックを有する、SeptonV9827(株式会社クラレ製))、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレンブロックコポリマー(SEEPS−OH:末端水酸基変性)等が挙げられ、エラストマーのスチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上述の範囲内であるものを用いることができる。
また、エラストマーの中でも水添物がより好ましい。水添物であれば熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
また、エラストマーの中でも両端がスチレンのブロック重合体であるものがより好ましい。熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示すからである。
より具体的には、エラストマーは、スチレン及び共役ジエンのブロックコポリマーの水添物であることがより好ましい。熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示す。さらに、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
接着層3を構成する接着剤に含まれるエラストマーとして用いられ得る市販品としては、例えば、株式会社クラレ製「セプトン(商品名)」、株式会社クラレ製「ハイブラー(商品名)」、旭化成株式会社製「タフテック(商品名)」、JSR株式会社製「ダイナロン(商品名)」等が挙げられる。
接着層3を構成する接着剤に含まれるエラストマーの含有量としては、例えば、接着剤組成物全量を100重量部として、50重量部以上、99重量部以下の範囲内が好ましく、60重量部以上、99重量部以下の範囲内がより好ましく、70重量部以上、95重量部以下の範囲内が最も好ましい。これらの範囲内にすることにより、耐熱性を維持しつつ、封止体7を支持体1に好適に固定することができる。
また、エラストマーは、複数の種類を混合してもよい。つまり、接着層3を構成する接着剤は複数の種類のエラストマーを含んでいてもよい。そして、複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいればよい。また、複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内である、又は、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、本発明の範疇である。また、接着層3を構成する接着剤において、複数の種類のエラストマーを含む場合、混合した結果、スチレン単位の含有量が上記の範囲内となるように調整してもよい。例えば、スチレン単位の含有量が30重量%である株式会社クラレ製のセプトン(商品名)のSepton4033と、スチレン単位の含有量が13重量%であるセプトン(商品名)のSepton2063とを重量比1対1で混合すると、接着剤に含まれるエラストマー全体に対するスチレン含有量は21〜22重量%となり、従って14重量%以上となる。また、例えば、スチレン単位が10重量%のものと60重量%のものとを重量比1対1で混合すると35重量%となり、上記の範囲内となる。本発明はこのような形態でもよい。また、接着層3を構成する接着剤に含まれる複数の種類のエラストマーは、全て上記の範囲内でスチレン単位を含み、かつ、上記の範囲内の重量平均分子量であることが最も好ましい。
なお、光硬化性樹脂(例えば、UV硬化性樹脂)以外の樹脂を用いて接着層3を形成することが好ましい。光硬化性樹脂以外の樹脂を用いることで、接着層3の剥離又は除去の後に、封止体7の微小な凹凸の周辺に残渣が生じることを防ぐことができる。特に、接着層3を構成する接着剤としては、あらゆる溶剤に溶解するものではなく、特定の溶剤に溶解するものが好ましい。これは、封止体7に物理的な力を加えることなく、接着層3を溶剤に溶解させることによって除去可能なためである。接着層3の除去に際して、強度が低い封止体7からでさえ、封止体7を破損させたり、変形させたりせずに、容易に接着層3を除去することができる。
(ポリサルホン系樹脂)
接着層3を形成するための接着剤は、ポリサルホン系樹脂を含んでいてもよい。接着層3をポリサルホン系樹脂によって形成することにより、封止体形成工程において高温の処理を行っても、その後の工程において接着層3を溶解し、封止体7から支持体1を剥離することができる。接着層3がポリサルホン樹脂を含んでいれば、封止体形成工程において、例えば、300℃以上という高温で処理する高温プロセスを用いることができる。
ポリサルホン系樹脂は、下記一般式(3)で表される構成単位、及び、下記一般式(4)で表される構成単位のうちの少なくとも1種の構成単位からなる構造を有している。
Figure 0006691816
(ここで、一般式(3)のR、R及びR、並びに一般式(4)中のR及びRは、それぞれ独立してフェニレン基、ナフチレン基及びアントリレン基からなる群より選択され、X’は、炭素数が1以上、3以下のアルキレン基である。)
ポリサルホン系樹脂は、式(3)で表されるポリサルホン構成単位及び式(4)で表されるポリエーテルサルホン構成単位のうちの少なくとも1つを備えていることによって、支持体1および分離層2上に接着層3を形成した後、封止体形成工程において、高い温度条件の処理を行っても、分解及び重合等により接着層3が不溶化することを防止することができる。また、ポリサルホン系樹脂は、上記式(3)で表されるポリサルホン構成単位からなるポリサルホン樹脂であれば、より高い温度に加熱しても安定である。このため、洗浄後の封止体7に接着層3に起因する残渣が生じることを防止することができる。
ポリサルホン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、30,000以上、70,000以下の範囲内であることが好ましく、30,000以上、50,000以下の範囲内であることがより好ましい。ポリサルホン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が、30,000以上の範囲内であれば、例えば、300℃以上の高い温度において用いることができる接着剤組成物を得ることができる。また、ポリサルホン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が、70,000以下の範囲内であれば、溶剤によって好適に溶解することができる。つまり、溶剤によって好適に除去することができる接着剤組成物を得ることができる。
(希釈溶剤)
接着層3を形成するときに使用する希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、イソノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数4から15の分岐鎖状の炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン等の環状炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
(その他の成分)
接着層3を構成する接着剤は、本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、熱重合禁止剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
〔分離層2〕
上述したように、分離層2は、光を照射することで変質するようになっている。一実施形態において、支持体1を介して分離層2に光を照射して分離層2を変質させることによって、支持体1を封止体7から分離させることができる。
分離層2の厚さは、例えば、0.05μm以上、50μm以下の範囲内であることがより好ましく、0.3μm以上、1μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。分離層2の厚さが0.05μm以上、50μm以下の範囲に収まっていれば、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射によって、分離層2に所望の変質を生じさせることができる。また、分離層2の厚さは、生産性の観点から1μm以下の範囲に収まっていることが特に好ましい。
なお、分離層2と支持体1との間に他の層がさらに形成されていてもよい。この場合、他の層は光を透過する材料から構成されていればよい。これによって、分離層2への光の入射を妨げることなく、好ましい性質等を有する層を、適宜追加することができる。分離層2を構成している材料の種類によって、用い得る光の波長が異なる。よって、他の層を構成する材料は、すべての光を透過させる必要はなく、分離層2を構成する材料を変質させ得る波長の光を透過させることができる材料から適宜選択し得る。
また、分離層2は、光を吸収する構造を有する材料のみから形成されていることが好ましいが、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、光を吸収する構造を有していない材料を添加して、分離層2を形成してもよい。また、分離層2における接着層3に対向する側の面が平坦である(凹凸が形成されていない)ことが好ましく、これにより、分離層2の形成が容易に行なえ、かつ貼り付けにおいても均一に貼り付けることが可能となる。
(フルオロカーボン)
分離層2は、フルオロカーボンからなっていてもよい。分離層2は、フルオロカーボンによって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体1を持ち上げる等)ことによって、分離層2が破壊されて、支持体1と封止体7とを分離し易くすることができる。分離層2を構成するフルオロカーボンは、プラズマCVD(化学気相堆積)法によって好適に成膜することができる。
フルオロカーボンは、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層2に用いたフルオロカーボンが吸収する範囲の波長の光を分離層2に照射することにより、フルオロカーボンを好適に変質させ得る。なお、分離層2における光の吸収率は80%以上であることが好ましい。
分離層2に照射する光としては、フルオロカーボンが吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。フルオロカーボンを変質させ得る波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、600nm以下の範囲のものを用いることができる。
(光吸収性を有している構造をその繰り返し単位に含んでいる重合体)
分離層2は、光吸収性を有している構造をその繰り返し単位に含んでいる重合体を含有していてもよい。該重合体は、光の照射を受けて変質する。該重合体の変質は、上記構造が照射された光を吸収することによって生じる。分離層2は、重合体の変質の結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート2を持ち上げる等)ことによって、分離層2が破壊されて、支持体1と封止体7とを分離し易くすることができる。
光吸収性を有している上記構造は、光を吸収して、繰り返し単位として該構造を含んでいる重合体を変質させる化学構造である。該構造は、例えば、置換若しくは非置換のベンゼン環、縮合環又は複素環からなる共役π電子系を含んでいる原子団である。より詳細には、該構造は、カルド構造、又は上記重合体の側鎖に存在するベンゾフェノン構造、ジフェニルスルフォキシド構造、ジフェニルスルホン構造(ビスフェニルスルホン構造)、ジフェニル構造若しくはジフェニルアミン構造であり得る。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在する場合、該構造は以下の式によって表され得る。
Figure 0006691816
(式中、Rはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ハロゲン、水酸基、ケトン基、スルホキシド基、スルホン基又はN(R)(R)であり(ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)、Zは、存在しないか、又は−CO−、−SO−、−SO−若しくは−NH−であり、nは0又は1〜5の整数である。)
また、上記重合体は、例えば、以下の式のうち、(a)〜(d)の何れかによって表される繰り返し単位を含んでいるか、(e)によって表されるか、又は(f)の構造をその主鎖に含んでいる。
Figure 0006691816
(式中、lは1以上の整数であり、mは0又は1〜2の整数であり、Xは、(a)〜(e)において上記の“化3”に示した式の何れかであり、(f)において上記の“化3”に示した式の何れかであるか、又は存在せず、Y及びYはそれぞれ独立して、−CO−又はSO−である。lは好ましくは10以下の整数である。)
上記の“化3”に示されるベンゼン環、縮合環及び複素環の例としては、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、アントラキノン、置換アントラキノン、アクリジン、置換アクリジン、アゾベンゼン、置換アゾベンゼン、フルオリム、置換フルオリム、フルオリモン、置換フルオリモン、カルバゾール、置換カルバゾール、N−アルキルカルバゾール、ジベンゾフラン、置換ジベンゾフラン、フェナントレン、置換フェナントレン、ピレン及び置換ピレンが挙げられる。例示した置換基がさらに置換基を有している場合、その置換基は、例えば、アルキル、アリール、ハロゲン原子、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、シアノ、アミド、ジアルキルアミノ、スルホンアミド、イミド、カルボン酸、カルボン酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルアミノ及びアリールアミノから選択される。
上記の“化3”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,6−ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)スルホン、及びビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
上記の“化3”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,3−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5−クロロ−2,3−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4−トリヒドロキシ−6−メチルフェニル)−スルホキシド、ビス(5−クロロ−2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5−クロロ−2,4,6−トリヒドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられる。
上記の“化3”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−C(=O)−である場合の例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,5,6’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−アミノ−2’−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−2’−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ジエチルアミノ−2’−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−4’−メトキシ−2’−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ−2’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、及び4−ジメチルアミノ−3’,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在している場合、上記構造を含んでいる繰り返し単位の、上記重合体に占める割合は、分離層2の光の透過率が0.001%以上、10%以下になる範囲内にある。該割合がこのような範囲に収まるように重合体が調製されていれば、分離層2が十分に光を吸収して、確実かつ迅速に変質し得る。すなわち、封止体7からの支持体1の除去が容易であり、該除去に必要な光の照射時間を短縮させることができる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している光を吸収することができる。例えば、上記構造が吸収可能な光の波長は、100nm以上、2,000nm以下の範囲内であることがより好ましい。この範囲内のうち、上記構造が吸収可能な光の波長は、より短波長側であり、例えば、100nm以上、500nm以下の範囲内である。例えば、上記構造は、好ましくはおよそ300nm以上、370nm以下の範囲内の波長を有している紫外光を吸収することによって、該構造を含んでいる重合体を変質させ得る。
上記構造が吸収可能な光は、例えば、高圧水銀ランプ(波長:254nm以上、436nm以下)、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマレーザ(波長:193nm)、F2エキシマレーザ(波長:157nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:351nm)若しくは固体UVレーザ(波長:355nm)から発せられる光、又はg線(波長:436nm)、h線(波長:405nm)若しくはi線(波長:365nm)等である。
上述した分離層2は、繰り返し単位として上記構造を含んでいる重合体を含有しているが、分離層2はさらに、上記重合体以外の成分を含み得る。該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート2の剥離性を向上し得る成分等が挙げられる。これらの成分は、上記構造による光の吸収、及び重合体の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
(無機物)
分離層2は、無機物からなっていてもよい。分離層2は、無機物によって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体1を持ち上げる等)ことによって、分離層2が破壊されて、支持体1と封止体7とを分離し易くすることができる。
上記無機物は、光を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、金属、金属化合物及びカーボンからなる群より選択される1種類以上の無機物を好適に用いることができる。金属化合物とは、金属原子を含む化合物を指し、例えば、金属酸化物、金属窒化物であり得る。このような無機物の例示としては、これに限定されるものではないが、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、クロム、SiO、SiN、Si、TiN、及びカーボンからなる群より選ばれる1種類以上の無機物が挙げられる。なお、カーボンとは炭素の同素体も含まれ得る概念であり、例えば、ダイヤモンド、フラーレン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ等であり得る。
上記無機物は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層2に用いた無機物が吸収する範囲の波長の光を分離層2に照射することにより、上記無機物を好適に変質させ得る。
無機物からなる分離層2に照射する光としては、上記無機物が吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。
無機物からなる分離層2は、例えばスパッタ、化学蒸着(CVD)、メッキ、プラズマCVD、スピンコート等の公知の技術により、サポートプレート2上に形成され得る。無機物からなる分離層2の厚さは特に限定されず、使用する光を十分に吸収し得る膜厚であればよいが、例えば、0.05μm以上、10μm以下の範囲内の膜厚とすることがより好ましい。また、分離層2を構成する無機物からなる無機膜(例えば、金属膜)の両面又は片面に予め接着剤を塗布し、支持体1に貼り付けてもよい。
なお、分離層2として金属膜を使用する場合には、分離層2の膜質、レーザ光源の種類、レーザ出力等の条件によっては、レーザの反射や膜への帯電等が起こり得る。そのため、反射防止膜や帯電防止膜を分離層2の上下又はどちらか一方に設けることで、それらの対策を図ることが好ましい。
(赤外線吸収性の構造を有する化合物)
分離層2は、赤外線吸収性の構造を有する化合物によって形成されていてもよい。該化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。分離層2は、化合物の変質の結果として、赤外線の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体1を持ち上げる等)ことによって、分離層2が破壊されて、支持体1と封止体7とを分離し易くすることができる。
赤外線吸収性を有している構造、又は赤外線吸収性を有している構造を含む化合物としては、例えば、アルカン、アルケン(ビニル、トランス、シス、ビニリデン、三置換、四置換、共役、クムレン、環式)、アルキン(一置換、二置換)、単環式芳香族(ベンゼン、一置換、二置換、三置換)、アルコール及びフェノール類(自由OH、分子内水素結合、分子間水素結合、飽和第二級、飽和第三級、不飽和第二級、不飽和第三級)、アセタール、ケタール、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ビニルエーテル、オキシラン環エーテル、過酸化物エーテル、ケトン、ジアルキルカルボニル、芳香族カルボニル、1,3−ジケトンのエノール、o−ヒドロキシアリールケトン、ジアルキルアルデヒド、芳香族アルデヒド、カルボン酸(二量体、カルボン酸アニオン)、ギ酸エステル、酢酸エステル、共役エステル、非共役エステル、芳香族エステル、ラクトン(β−、γ−、δ−)、脂肪族酸塩化物、芳香族酸塩化物、酸無水物(共役、非共役、環式、非環式)、第一級アミド、第二級アミド、ラクタム、第一級アミン(脂肪族、芳香族)、第二級アミン(脂肪族、芳香族)、第三級アミン(脂肪族、芳香族)、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、アンモニウムイオン、脂肪族ニトリル、芳香族ニトリル、カルボジイミド、脂肪族イソニトリル、芳香族イソニトリル、イソシアン酸エステル、チオシアン酸エステル、脂肪族イソチオシアン酸エステル、芳香族イソチオシアン酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、芳香族ニトロ化合物、ニトロアミン、ニトロソアミン、硝酸エステル、亜硝酸エステル、ニトロソ結合(脂肪族、芳香族、単量体、二量体)、メルカプタン及びチオフェノール及びチオール酸等の硫黄化合物、チオカルボニル基、スルホキシド、スルホン、塩化スルホニル、第一級スルホンアミド、第二級スルホンアミド、硫酸エステル、炭素−ハロゲン結合、Si−A結合(Aは、H、C、O又はハロゲン)、P−A結合(Aは、H、C又はO)、又はTi−O結合であり得る。
上記炭素−ハロゲン結合を含む構造としては、例えば、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF−、−CF、−CH=CF、−CF=CF、フッ化アリール、及び塩化アリール等が挙げられる。
上記Si−A結合を含む構造としては、SiH、SiH、SiH、Si−CH、Si−CH−、Si−C、SiO−脂肪族、Si−OCH、Si−OCHCH、Si−OC、Si−O−Si、Si−OH、SiF、SiF、及びSiF等が挙げられる。Si−A結合を含む構造としては、特に、シロキサン骨格及びシルセスキオキサン骨格を形成していることが好ましい。
上記P−A結合を含む構造としては、PH、PH、P−CH、P−CH−、P−C、A −P−O(Aは脂肪族又は芳香族)、(AO)−P−O(Aはアルキル)、P−OCH、P−OCHCH、P−OC、P−O−P、P−OH、及びO=P−OH等が挙げられる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している赤外線を吸収することができる。具体的には、上記構造が吸収可能な赤外線の波長は、例えば1μm以上、20μm以下の範囲内であり、2μm以上、15μm以下の範囲内をより好適に吸収することができる。さらに、上記構造がSi−O結合、Si−C結合及びTi−O結合である場合には、9μm以上、11μm以下の範囲内であり得る。なお、各構造が吸収できる赤外線の波長は当業者であれば容易に理解することができる。例えば、各構造における吸収帯として、非特許文献:SILVERSTEIN・BASSLER・MORRILL著「有機化合物のスペクトルによる同定法(第5版)−MS、IR、NMR、UVの併用−」(1992年発行)第146頁〜第151頁の記載を参照することができる。
分離層2の形成に用いられる、赤外線吸収性の構造を有する化合物としては、上述のような構造を有している化合物のうち、塗布のために溶媒に溶解することができ、固化されて固層を形成することができるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、分離層2における化合物を効果的に変質させ、支持体1と封止体7との分離を容易にするには、分離層2における赤外線の吸収が大きいこと、すなわち、分離層2に赤外線を照射したときの赤外線の透過率が低いことが好ましい。具体的には、分離層2における赤外線の透過率が90%より低いことが好ましく、赤外線の透過率が80%より低いことがより好ましい。
一例を挙げて説明すれば、シロキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記化学式(5)で表される繰り返し単位及び下記化学式(6)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂、あるいは下記化学式(5)で表される繰り返し単位及びアクリル系化合物由来の繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
Figure 0006691816
(化学式(6)中、Rは、水素、炭素数10以下のアルキル基、又は炭素数10以下のアルコキシ基である。)
中でも、シロキサン骨格を有する化合物としては、上記化学式(5)で表される繰り返し単位及び下記化学式(7)で表される繰り返し単位の共重合体であるt−ブチルスチレン(TBST)−ジメチルシロキサン共重合体がより好ましく、上記式(5)で表される繰り返し単位及び下記化学式(7)で表される繰り返し単位を1:1で含む、TBST−ジメチルシロキサン共重合体がさらに好ましい。
Figure 0006691816
また、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記化学式(8)で表される繰り返し単位及び下記化学式(9)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
Figure 0006691816
(化学式(8)中、Rは、水素又は炭素数1以上、10以下のアルキル基であり、化学式(9)中、Rは、炭素数1以上、10以下のアルキル基、又はフェニル基である。)
シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、このほかにも、特開2007−258663号公報(2007年10月4日公開)、特開2010−120901号公報(2010年6月3日公開)、特開2009−263316号公報(2009年11月12日公開)、及び特開2009−263596号公報(2009年11月12日公開)において開示されている各シルセスキオキサン樹脂を好適に利用することができる。
中でも、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、下記化学式(10)で表される繰り返し単位及び下記化学式(11)で表される繰り返し単位の共重合体がより好ましく、下記化学式(10)で表される繰り返し単位及び下記化学式(11)で表される繰り返し単位を7:3で含む共重合体がさらに好ましい。
Figure 0006691816
シルセスキオキサン骨格を有する重合体としては、ランダム構造、ラダー構造、及び籠型構造があり得るが、何れの構造であってもよい。
また、Ti−O結合を含む化合物としては、例えば、(i)テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、及びチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート等のアルコキシチタン;(ii)ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、及びプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のキレートチタン;(iii)i−CO−[−Ti(O−i−C−O−]−i−C、及びn−CO−[−Ti(O−n−C−O−]−n−C等のチタンポリマー;(iv)トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、チタニウムステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート、及び(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン等のアシレートチタン;(v)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン等の水溶性チタン化合物等が挙げられる。
中でも、Ti−O結合を含む化合物としては、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(OC[OCN(COH))が好ましい。
上述した分離層2は、赤外線吸収性の構造を有する化合物を含有しているが、分離層2はさらに、上記化合物以外の成分を含み得る。該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート2の剥離性を向上し得る成分等が挙げられる。これらの成分は、上記構造による赤外線の吸収、及び化合物の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
(赤外線吸収物質)
分離層2は、赤外線吸収物質を含有していてもよい。分離層2は、赤外線吸収物質を含有して構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体1を持ち上げる等)ことによって、分離層2が破壊されて、支持体1と封止体7とを分離し易くすることができる。
赤外線吸収物質は、赤外線を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、カーボンブラック、鉄粒子、又はアルミニウム粒子を好適に用いることができる。赤外線吸収物質は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層2に用いた赤外線吸収物質が吸収する範囲の波長の光を分離層2に照射することにより、赤外線吸収物質を好適に変質させ得る。
(反応性ポリシルセスキオキサン)
分離層2は、反応性ポリシルセスキオキサンを重合させることにより形成することができ、これにより、分離層2は高い耐薬品性と高い耐熱性とを備えている。
本明細書中において、反応性ポリシルセスキオキサンとは、ポリシルセスキオキサン骨格の末端にシラノール基、又は、加水分解することによってシラノール基を形成することができる官能基を有するポリシルセスキオキサンであり、当該シラノール基又はシラノール基を形成することができる官能基を縮合することによって、互いに重合することができるものである。また、反応性ポリシルセスキオキサンは、シラノール基、又は、シラノール基を形成することができる官能基を備えていれば、ランダム構造、籠型構造、ラダー構造等のシルセスキオキサン骨格を備えたものを採用することができる。
また、反応性ポリシルセスキオキサンは、下記式(12)に示す構造を有していることがより好ましい。
Figure 0006691816
式(12)中、R”は、それぞれ独立して、水素及び炭素数1以上、10以下のアルキル基からなる群より選択され、水素及び炭素数1以上、5以下のアルキル基からなる群より選択されることがより好ましい。R”が、水素又は炭素数1以上、10以下のアルキル基であれば、分離層2形成工程における加熱によって、式(12)によって表される反応性ポリシルセスキオキサンを好適に縮合させることができる。
式(12)中、pは、1以上、100以下の整数であることが好ましく、1以上、50以下の整数であることがより好ましい。反応性ポリシルセスキオキサンは、式(12)で表される繰り返し単位を備えることによって、他の材料を用いて形成するよりもSi−O結合の含有量が高く、赤外線(0.78μm以上、1000μm以下)、好ましくは遠赤外線(3μm以上、1000μm以下)、さらに好ましくは波長9μm以上、11μm以下における吸光度の高い分離層2を形成することができる。
また、式(12)中、R’は、それぞれ独立して、互いに同じか、又は異なる有機基である。ここで、Rは、例えば、アリール基、アルキル基、及び、アルケニル基等であり、これらの有機基は置換基を有していてもよい。
R’がアリール基である場合、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等を挙げることができ、フェニル基であることがより好ましい。また、アリール基は、炭素数1〜5のアルキレン基を介してポリシルセスキオキサン骨格に結合していてもよい。
R’がアルキル基である場合、アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキル基を挙げることができる。また、Rがアルキル基である場合、炭素数は1〜15であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。また、Rが、環状のアルキル基である場合、単環状又は二〜四環状の構造をしたアルキル基であってもよい。
R’がアルケニル基である場合、アルキル基の場合と同様に、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルケニル基を挙げることができ、アルケニル基は、炭素数が2〜15であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。また、Rが、環状のアルケニル基である場合、単環状又は二〜四環状の構造をしたアルケニル基であってもよい。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、及びアリル基等を挙げることができる。
また、R’が有し得る置換基としては、水酸基及びアルコキシ基等を挙げることができる。置換基がアルコキシ基である場合、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のアルキルアルコキシ基を挙げることができ、アルコキシ基における炭素数は1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
また、一つの観点において、反応性ポリシルセスキオキサンのシロキサン含有量は、70モル%以上、99モル%以下であることが好ましく、80モル%以上、99モル%以下であることがより好ましい。反応性ポリシルセスキオキサンのシロキサン含有量が70モル%以上、99モル%以下であれば、赤外線(好ましくは遠赤外線、さらに好ましくは波長9μm以上、11μm以下の光)を照射することによって好適に変質させることができる分離層2を形成することができる。
また、一つの観点において、反応性ポリシルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は、500以上、50,000以下であることが好ましく、1,000以上、10,000以下であることがより好ましい。反応性ポリシルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)が500以上、50,000以下であれば、溶剤に好適に溶解させることができ、サポートプレート上に好適に塗布することができる。
反応性ポリシルセスキオキサンとして用いることができる市販品としては、例えば、小西化学工業株式会社製のSR−13、SR−21、SR−23及びSR−33等を挙げることができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態(実施形態2)について説明すれば以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。実施形態2に係る封止体の製造方法は、分離層形成工程、分離層周縁部分除去工程、接着層形成工程、封止体形成工程、接着層除去工程、光照射工程、分離工程および除去工程をこの順に実施する。
(分離層形成工程〜接着層形成工程)
図2の(a)〜(c)に示すように、分離層形成工程、分離層周縁部分除去工程および接着層形成工程は、実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(封止体形成工程)
図2の(d)〜(g)に示すように、封止体形成工程では、接着層3上に、封止体7を形成する。本実施形態における封止体形成工程では、素子配置工程、封止工程、薄化工程および配線層形成工程をこの順に行う。
図2の(d)に示すように、素子配置工程では、接着層3上に素子5を配置する。接着層3上への素子5の配置は、例えば、チップマウンター等を用いて行うことができる。
図2の(e)に示すように、封止工程では、素子5を封止材6によって封止する。封止材6は、例えば、成形型を用いて射出成形してもよいし、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法により塗布してもよい。
図2の(f)に示すように、薄化工程では、封止材6を薄化する。封止材6は、例えば、素子5の端子部が封止材6から露出するまで薄化すればよい。
図2の(g)に示すように、配線層形成工程では、封止材6によって封止された素子5上に配線層4を形成する。
一実施形態において、配線層4の形成手順としては、まず、封止材6によって封止された素子5上に、酸化シリコン(SiOx)、感光性樹脂等の誘電体層を形成する。酸化シリコンからなる誘電体層は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法等により形成することができる。感光性樹脂からなる誘電体層は、例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法により感光性樹脂を塗布することによって形成することができる。
続いて、誘電体層に、金属等の導電体によって配線を形成する。配線の形成手法としては、例えば、フォトリソグラフィー(レジストリソグラフィー)等のリソグラフィー処理、エッチング処理等の公知の半導体プロセス手法を用いることができる。
以上により、支持体1上において、封止体7を首尾よく形成することができる。本実施形態においても、実施形態1と同様、分離層2が接着層3によって保護されているため、分離層2に薬液が接触することを避けることができる。また、接着層3によって分離層2を保護することにより、薬液以外からも分離層2を保護することができる。これにより、封止体形成工程中に、分離層2が剥がれることを防止することができる。
また、以上の工程によって得られた図2の(g)に示す積層体9は、光を透過する支持体1と、光を照射することで変質する分離層2と、接着層3と、封止体7と、がこの順に積層されてなり、封止体7は、配線層4と、配線層4に実装された素子5と、素子5を封止する封止材6とを備えており、分離層2は、支持体1に接している部分以外が接着層3によって被覆されているものである。このような積層体9は、本発明に係る封止体の製造方法の過程においてのみ製造されるものであり、単離された封止体7を製造するために好適に利用することができる。
(接着層除去工程〜除去工程)
図2の(h)〜(k)に示すように、接着層除去工程、光照射工程、分離工程および除去工程は、封止体7の上下方向の向きについては異なるものの、他の部分については実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
以上により、実施形態1と同様に、単離された封止体7を得ることができる。また、さらに、封止体7に対して、ソルダーボール形成、ダイシング処理等の処理を行ってもよい。また、封止体7上に、さらに別の素子を積層してもよい。
また、実施形態1と同様に、(i)封止体7の成形用型の外径を支持体1より小さくすることにより、封止体7を支持体1の外径より小さく成形するか、または、(ii)封止体7の成形後に、支持体1の外径より小さくなるように、封止体7に対してフルカットトリムを行ってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る支持体分離方法は、微細化された半導体装置の製造工程において好適に利用することができる。
1 支持体
1a 平面部
1b 周縁部分
2 分離層
2a 外周端部
3 接着層
4 配線層
5 素子
6 封止材
7 封止体
8、9 積層体

Claims (7)

  1. 配線層と、上記配線層に実装されている素子と、上記素子を封止している封止材とを備えた封止体を製造する封止体の製造方法であって、
    光を透過する支持体の一方の平面部に、光を照射することで変質する分離層を形成する分離層形成工程と、
    上記支持体の周縁部分全周に形成された分離層を除去する分離層周縁部分除去工程と、
    上記支持体における周縁部分全周の分離層を除去した側の面に、接着層を形成し、これにより上記分離層は、上記支持体に接している部分以外が、形成された上記接着層により被覆される、接着層形成工程と、
    上記接着層上に、上記封止体を形成する封止体形成工程と、を包含していることを特徴とする封止体の製造方法。
  2. 上記封止体形成工程後、上記支持体の周縁部分全周に形成された上記接着層を除去する接着層除去工程をさらに包含していることを特徴とする請求項1に記載の封止体の製造方法。
  3. 上記接着層除去工程では、上記支持体上に形成されている上記分離層の外周端部よりも外側に形成された接着層を除去することを特徴とする請求項2に記載の封止体の製造方法。
  4. 上記接着層除去工程後、上記支持体を介して、上記分離層に光を照射することで、上記分離層を変質させる光照射工程と、
    上記光照射工程後、上記支持体と、上記封止体とを分離する分離工程と、をさらに包含していることを特徴とする請求項2又は3に記載の封止体の製造方法。
  5. 上記分離工程後、上記封止体に残留している上記接着層と上記分離層とを除去する除去工程をさらに包含していることを特徴とする請求項4に記載の封止体の製造方法。
  6. 上記封止体形成工程は、上記接着層上に上記配線層を形成し、上記配線層上に上記素子を実装し、上記素子を上記封止材によって封止することを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の封止体の製造方法。
  7. 上記封止体形成工程は、上記接着層上に上記素子を配置し、上記素子を上記封止材によって封止し、上記封止材によって封止された上記素子上に上記配線層を形成することを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の封止体の製造方法。
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