JP2015046514A - 積層体の製造方法及び積層体 - Google Patents

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淳 松下
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Abstract

【課題】分離層の接着力が高い積層体を製造する。【解決手段】積層体の製造方法は、基板1、基板1を支持する光透過性のサポートプレート4、及び基板1とサポートプレート4との間に設けられ、サポートプレート4を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層3を備えた積層体10の製造方法であって、分離層3をサポートプレート4上に形成する分離層形成工程と、分離層形成工程の後、不活性ガスを用いたプラズマ処理によって分離層3の表面を処理する表面処理工程と、を包含している。【選択図】図1

Description

本発明は、基板と支持体とが積層された積層体の製造方法及び積層体に関する。
携帯電話、デジタルAV機器及びICカード等の高機能化に伴い、搭載される半導体シリコンチップ(以下、チップ)を小型化及び薄型化することによって、パッケージ内にシリコンを高集積化する要求が高まっている。例えば、CSP(chip size package)又はMCP(multi-chip package)に代表されるような複数のチップをワンパッケージ化する集積回路において、薄型化が求められている。パッケージ内のチップの高集積化を実現するためには、チップの厚さを25〜150μmの範囲にまで薄くする必要がある。
しかしながら、チップのベースになる半導体ウエハ(以下、ウエハ)は、研削することにより肉薄になるため、その強度は弱くなり、ウエハにクラック又は反りが生じ易くなる。又、薄板化することによって強度が弱くなったウエハを自動搬送することは困難であるため、人手によって搬送しなければならず、その取り扱いが煩雑である。
そのため、研削するウエハにサポートプレートと呼ばれる、ガラス、硬質プラスチック等からなるプレートを貼り合わせることによって、ウエハの強度を保持し、クラックの発生及びウエハの反りを防止するウエハハンドリングシステム(WHS)が開発されている。ウエハハンドリングシステムによりウエハの強度を維持することができるため、薄板化した半導体ウエハの搬送を自動化することができる。
半導体ウエハに支持体を貼り合わせ、半導体ウエハを処理した後、支持体を分離するような半導体チップの製造方法として、特許文献1に記載のような方法が知られている。特許文献1に記載の方法においては、光透過性の支持体と半導体ウエハとを、支持体側に設けられた光熱変換層と接着層とを介して貼り合わせ、半導体ウエハを処理した後、支持体側から放射エネルギーを照射することによって光熱変換層を分解して、支持体から半導体ウエハを分離する。
又、特許文献2に記載の方法においては、サポートプレートの接着面に形成された分離層を酸又はアルカリ性の溶解液を用いて溶解除去することで、サポートプレートと半導体ウエハを分離する。
特開2004−64040号公報(2004年2月26日公開) 特開2007−188967号公報(2007年7月26日公開)
しかしながら、上述のような従来技術では、基板と支持体との間に設けられた分離層の接着力が低いという問題がある。このため、様々な処理において積層体に応力を加えると、積層体の周端部において分離層と支持体とが部分的に分離することがある。分離層と支持体とが部分的に分離すると、分離部分に様々な処理に用いられる薬品が浸入する。このため、分離層と支持体との密着性がさらに低下する。その結果、処理の最中に積層体から支持体が分離してしまうおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、分離層の接着力が高い積層体の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る積層体の製造方法は、基板、上記基板を支持する光透過性の支持体、及び上記基板と上記支持体との間に設けられ、上記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層を備えた積層体の製造方法であって、上記分離層を上記支持体上に形成する分離層形成工程と、上記分離層形成工程の後、不活性ガスを用いたプラズマ処理によって上記分離層の表面を処理する表面処理工程と、を包含することを特徴とする。
本発明に係る積層体の製造方法によれば、分離層の接着力が高い積層体を製造することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法の概略を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係る積層体の概略を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法が包含する表面処理工程における処理時間と積層体における分離層の接着強度との関係を示すグラフである。
本発明に係る積層体の製造方法は、基板、上記基板を支持する光透過性の支持体、及び上記基板と上記支持体との間に設けられ、上記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層を備えた積層体の製造方法であって、上記分離層を上記支持体上に形成する分離層形成工程と、上記分離層形成工程の後、不活性ガスを用いたプラズマ処理によって上記分離層の表面を処理する表面処理工程と、を包含することを特徴としている。
これにより、基板と支持体との間に設けられた分離層の接着力を高くすることができる。このため、様々な処理において積層体に応力を加えても、積層体の周端部において分離層と支持体とが部分的に分離することを防止することができる。このため、分離層と支持体との分離部分に様々な処理に用いられる薬品が浸入することを防止することができ、分離層と支持体との密着性を維持することができる。従って、処理の最中に積層体から支持体が分離することを防止することができる。
<積層体の製造方法>
図1〜2を用いて、本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法の概略を説明する模式図である。
図1に示す通り、一実施形態に係る積層体の製造方法は、基板1の上に接着層2を形成する接着層形成工程(図1の(1))、サポートプレート(支持体)4に分離層3を形成する分離層形成工程(図1の(2))、分離層を表面処理する表面処理工程(図1の(3))、及び、表面処理工程の後に、基板1とサポートプレート4とを、分離層3、及び接着層2を介して貼り合せる貼り合せ工程(図1の(4))を包含している。これらの工程によって、積層体10が製造される(図1の(5))。
一実施形態に係る積層体10の製造方法は、基板1、基板1を支持する光透過性のサポートプレート(支持体)4、及び基板1とサポートプレート4との間に設けられ、サポートプレート4を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層3を備えた積層体10の製造方法であって、分離層3をサポートプレート4上に形成する分離層形成工程と、分離層形成工程の後、不活性ガスを用いたプラズマ処理によって分離層3の表面を処理する表面処理工程と、を包含している。
〔接着層形成工程〕
図1の(1)は、接着層形成工程を示している。接着層形成工程では、基板1のサポートプレート4によって支持される側に、接着層2を形成する。
(基板)
基板1は、特に限定されないが、例えば、半導体ウエハであり得る。基板1はまた、サポートプレートによる支持が必要なセラミックス基板、薄いフィルム基板、フレキシブル基板等の任意の基板であってもよい。基板1のサポートプレート4によって支持される側とは、言い換えれば、積層体10に対する処理(例えば、薄化、裏面配線等)を行う側とは反対側を指し、例えば、所望の素子が形成されている基板1の素子の形成面であり得る。
(接着層)
接着層2は、基板1を、サポートプレート4及び分離層3に対して接着固定するものである。又、接着層2は、基板1の表面を覆って保護するものであってもよい。
接着層2の形成方法としては、基板1に接着剤を塗布してもよいし、基板1に接着剤が両面に塗布された接着テープを貼り付けてもよい。接着剤の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、ディッピング法、ローラーブレード法、ドクターブレード法、スプレー法、スリットノズル法による塗布法等が挙げられる。又、接着剤を塗布した後、加熱により乾燥させてもよい。又、接着剤を直接、基板1に塗布する代わりに、接着剤が両面に予め塗布されているフィルム(いわゆる、両面テープ)を、基板1に貼付してもよい。
接着層の厚さは、貼り付けの対象となる基板1及びサポートプレート4の種類、貼り付け後の基板1に施される処理等に応じて適宜設定すればよいが、10〜150μmの範囲内であることが好ましく、15〜100μmの範囲内であることがより好ましい。
又、基板の周端から2mm以下、好ましくは0.5mm以上、0.8mm以下の範囲の幅で、接着層2の基板1上における周端部を除去してもよい。このように周端部を除去する場合、接着層2の膜厚は、例えば50μm程度にすればよい。これにより、積層体形成工程において、接着層2が、積層体10からはみ出すことを好適に抑制することができる。
接着剤として、例えばアクリル系、ノボラック系、ナフトキサン系、炭化水素系、ポリイミド系、エラストマー等の、当該分野において公知の種々の接着剤が、本発明に係る接着層2を構成する接着剤として使用可能である。以下、本実施の形態における接着層2が含有する樹脂の組成について説明する。
接着層2が含有する樹脂としては、接着性を備えたものであればよく、例えば、炭化水素樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、マレイミド系樹脂、エラストマー樹脂等、又はこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
接着剤のガラス転移温度(Tg)は、上記樹脂の種類や分子量、及び接着剤への可塑剤等の配合物によって変化する。上記接着剤に含有される樹脂の種類や分子量は、基板及び支持体の種類に応じて適宜選択することができるが、接着剤に使用する樹脂のTgは−60℃以上、200℃以下の範囲内が好ましく、−25℃以上、150℃以下の範囲内がより好ましい。−25℃以上、150℃以下の範囲内であることによって、冷却に過剰なエネルギーを要することなく、好適に接着層2の接着力を低下させることができる。又、接着層2のTgは、適宜、可塑剤や低重合度の樹脂等を配合することによって調整してもよい。
ガラス転移温度(Tg)は、例えば、公知の示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定することができる。
(炭化水素樹脂)
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、並びに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。
樹脂(A)としては、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を重合してなる樹脂であってもよい。具体的には、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分の開環(共)重合体、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を付加(共)重合させた樹脂等が挙げられる。
樹脂(A)を構成する単量体成分に含まれる前記シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエン等の三環体、テトラシクロドデセン等の四環体、シクロペンタジエン三量体等の五環体、テトラシクロペンタジエン等の七環体、又はこれら多環体のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)置換体、アルケニル(ビニル等)置換体、アルキリデン(エチリデン等)置換体、アリール(フェニル、トリル、ナフチル等)置換体等が挙げられる。これらの中でも特に、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれるノルボルネン系モノマーが好ましい。
樹脂(A)を構成する単量体成分は、上述したシクロオレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含有していてもよく、例えば、アルケンモノマーを含有することが好ましい。アルケンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、α−オレフィン等が挙げられる。アルケンモノマーは、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
又、樹脂(A)を構成する単量体成分として、シクロオレフィンモノマーを含有することが、高耐熱性(低い熱分解、熱重量減少性)の観点から好ましい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。又、樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、特に限定されないが、溶解性及び溶液での経時安定性の観点からは80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
又、樹脂(A)を構成する単量体成分として、直鎖状又は分岐鎖状のアルケンモノマーを含有してもよい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するアルケンモノマーの割合は、溶解性及び柔軟性の観点からは10〜90モル%であることが好ましく、20〜85モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。
なお、樹脂(A)は、例えば、シクロオレフィン系モノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制する上で好ましい。
単量体成分を重合するときの重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従い適宜設定すればよい。
樹脂(A)として用いることのできる市販品としては、例えば、ポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS」、三井化学株式会社製の「APEL」、日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR」及び「ZEONEX」、JSR株式会社製の「ARTON」等が挙げられる。
樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度が60℃以上であると、積層体が高温環境に曝されたときに接着層の軟化をさらに抑制することができる。
樹脂(B)は、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、変性ロジン等が挙げられる。石油樹脂としては、例えば、脂肪族又は芳香族石油樹脂、水添石油樹脂、変性石油樹脂、脂環族石油樹脂、クマロン・インデン石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂、水添石油樹脂がより好ましい。
樹脂(B)の軟化点は特に限定されないが、80〜160℃であることが好ましい。樹脂(B)の軟化点が80℃以上であると、積層体が高温環境に曝されたときに軟化することを抑制することができ、接着不良を生じない。一方、樹脂(B)の軟化点が160℃以下であると、積層体を剥離するときの剥離速度が良好なものとなる。
樹脂(B)の重量平均分子量は特に限定されないが、300〜3,000であることが好ましい。樹脂(B)の重量平均分子量が300以上であると、耐熱性が充分なものとなり、高温環境下において脱ガス量が少なくなる。一方、樹脂(B)の重量平均分子量が3,000以下であると、積層体を剥離するときの剥離速度が良好なものとなる。なお、本実施形態における樹脂(B)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。
なお、樹脂として、樹脂(A)と樹脂(B)とを混合したものを用いてもよい。混合することにより、耐熱性及び剥離速度が良好なものとなる。例えば、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合としては、(A):(B)=80:20〜55:45(質量比)であることが、剥離速度、高温環境時の熱耐性、及び柔軟性に優れるので好ましい。
(アクリル−スチレン系樹脂)
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐状であってもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。又、芳香族環は、炭素数1〜5の鎖状又は分岐状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。
(マレイミド系樹脂)
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド等のアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
例えば、下記化学式(1)で表される繰り返し単位及び下記化学式(2)で表される繰り返し単位の共重合体であるシクロオレフィンコポリマーを接着成分の樹脂として用いることができる。
Figure 2015046514
(化学式(2)中、nは0又は1〜3の整数である。)
このようなシクロオレフィンコポリマーとしては、APL 8008T、APL 8009T、及びAPL 6013T(全て三井化学株式会社製)等を使用することができる。
(エラストマー)
エラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましく、当該「スチレン単位」は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。又、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であることがより好ましい。さらに、エラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であることが好ましい。
スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、後述する炭化水素系の溶剤に容易に溶解するので、より容易且つ迅速に接着層を除去することができる。又、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上記の範囲内であることにより、ウエハがレジストリソグラフィー工程に供されるときに曝されるレジスト溶剤(例えばPGMEA、PGME等)、酸(フッ化水素酸等)、アルカリ(TMAH等)に対して優れた耐性を発揮する。
なお、エラストマーには、上述した(メタ)アクリル酸エステルをさらに混合してもよい。
又、スチレン単位の含有量は、より好ましくは17重量%以上であり、又、より好ましくは40重量%以下である。
重量平均分子量のより好ましい範囲は20,000以上であり、又、より好ましい範囲は150,000以下である。
エラストマーとしては、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、種々のエラストマーを用いることができる。例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)、及び、これらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SeptonV9461(株式会社クラレ製))、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(反応性のポリスチレン系ハードブロックを有する、SeptonV9827(株式会社クラレ製))等であって、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上述の範囲内であるものを用いることができる。
又、エラストマーの中でも水添物がより好ましい。水添物であれば熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。又、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
又、エラストマーの中でも両端がスチレンのブロック重合体であるものがより好ましい。熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示すからである。
より具体的には、エラストマーは、スチレン及び共役ジエンのブロックコポリマーの水添物であることがより好ましい。熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。又、熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示す。さらに、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーとして用いられ得る市販品としては、例えば、株式会社クラレ製「セプトン(商品名)」、株式会社クラレ製「ハイブラー(商品名)」、旭化成株式会社製「タフテック(商品名)」、JSR株式会社製「ダイナロン(商品名)」等が挙げられる。
本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーの含有量としては、例えば、接着剤組成物全量を100重量部として、50重量部以上、99重量部以下の範囲内が好ましく、60重量部以上、99重量部以下の範囲内がより好ましく、70重量部以上、95重量部以下の範囲内が最も好ましい。これら範囲内にすることにより、耐熱性を維持しつつ、ウエハと支持体とを好適に貼り合わせることができる。
又、エラストマーは、複数の種類を混合してもよい。つまり、本発明に係る接着剤組成物は複数の種類のエラストマーを含んでいてもよい。複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいればよい。又、複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内である、又は、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、本発明の範疇である。又、本発明に係る接着剤組成物において、複数の種類のエラストマーを含む場合、混合した結果、スチレン単位の含有量が上記の範囲内となるように調整してもよい。例えば、スチレン単位の含有量が30重量%である株式会社クラレ製のセプトン(商品名)のSepton4033と、スチレン単位の含有量が13重量%であるセプトン(商品名)のSepton2063とを重量比1対1で混合すると、接着剤組成物に含まれるエラストマー全体に対するスチレン含有量は21〜22重量%となり、従って14重量%以上となる。又、例えば、スチレン単位が10重量%のものと60重量%のものとを重量比1対1で混合すると35重量%となり、上記の範囲内となる。本発明はこのような形態でもよい。又、本発明に係る接着剤組成物に含まれる複数の種類のエラストマーは、全て上記の範囲内でスチレン単位を含み、且つ、上記の範囲内の重量平均分子量であることが最も好ましい。
なお、光硬化性樹脂(例えば、UV硬化性樹脂)以外の樹脂を用いて接着層2を形成することが好ましい。光硬化性樹脂以外の樹脂を用いることで、接着層2の剥離または除去の後に、被支持基板の微小な凹凸の周辺に残渣が残ることを防ぐことができる。特に、接着層2を構成する接着剤としては、あらゆる溶剤に溶解するものではなく、特定の溶剤に溶解するものが好ましい。これは、基板1に物理的な力を加えることなく、接着層2を溶剤に溶解させることによって除去可能なためである。接着層2の除去に際して、強度が低下した基板1からでさえ、基板1を破損させたり、変形させたりせずに、容易に接着層2を除去することができる。
(希釈溶剤)
分離層、接着層を形成するときの希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数4から15の分岐状の炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン等の環状炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
(その他の成分)
接着層を構成する接着剤は、本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、熱重合禁止剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
〔分離層形成工程〕
図1の(2)は、分離層形成工程を示している。分離層形成工程では、サポートプレート4上に分離層3を形成する。なお、接着層形成工程及び分離層形成工程は、次に説明する貼り合せ工程の開始までに完了していればよく、両工程を実施する順序は限定されず、両工程を並行して実施してもよい。
(支持体)
まず、サポートプレート(支持体)4について説明する。サポートプレート4は光透過性を有している。これは、後述する分離工程において、積層体10の外側から光8を照射したときに、光8にサポートプレート4を通過させて分離層3に到達させることを目的としている。したがって、サポートプレート4は、必ずしもすべての光を透過させる必要はなく、分離層3に吸収されるべき(所望の波長を有している)光を透過させることができればよい。分離層3に吸収されるべき光の波長としては、これに限定されるものではないが、2μm以下の波長の光、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。分離層3に吸収されるべき光の波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、600nm以下の波長の光であり得る。又、別の観点から言えば、分離層3における光の吸収率が、例えば、80%以上である光を用いることが好ましい。
又、サポートプレート4は、基板1を支持する構成である。よって、サポートプレート4は、基板1を加工及び搬送する等の場合に、基板1の破損又は変形等を防ぐために必要な強度を有していればよい。
サポートプレート4の材料としては、ガラス又はシリコン等が挙げられるが、上述の目的を果たし得る構成であれば、サポートプレート4として採用し得る。
(分離層)
次に、分離層3とは、サポートプレート4を介して照射される光を吸収することによって変質する材料から形成されている層である。
なお、本明細書において、分離層3における「変質する」とは、分離層3における「変質する」と同様の現象を意味する。
又、分離層3に照射する光を発射するレーザは、分離層3を構成している材料に応じて適宜選択することが可能であり、分離層3を構成する材料を変質させ得る波長の光を照射するレーザを選択すればよい。
分離層3は、サポートプレート4における、接着層2を介して基板1が貼り合わされる側の表面に設けられる。
分離層3の厚さは、例えば、0.05μm以上、50μm以下の範囲内であることがより好ましく、0.3μm以上、1μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。分離層3の厚さが0.05μm以上、50μm以下の範囲に収まっていれば、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射によって、分離層3に所望の変質を生じさせることができる。又、分離層3の厚さは、生産性の観点から1μm以下の範囲に収まっていることが特に好ましい。
なお、積層体10において、分離層3とサポートプレート4との間に他の層がさらに形成されていてもよい。この場合、他の層は光を透過する材料から構成されていればよい。これによって、分離層3への光の入射を妨げることなく、積層体10に好ましい性質等を付与する層を、適宜追加することができる。分離層3を構成している材料の種類によって、用い得る光の波長が異なる。よって、他の層を構成する材料は、すべての光を透過させる必要はなく、分離層3を構成する材料を変質させ得る波長の光を透過させることができる材料から適宜選択し得る。
又、分離層3は、光を吸収する構造を有する材料のみから形成されていることが好ましいが、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、光を吸収する構造を有していない材料を添加して、分離層3を形成してもよい。又、分離層3における接着層2に対向する側の面が平坦である(凹凸が形成されていない)ことが好ましく、これにより、分離層3の形成が容易に行なえ、且つ貼り付けにおいても均一に貼り付けることが可能となる。
分離層3は、レーザから照射される光を吸収することによって変質するものであってもよい。すなわち、分離層3を変質させるために分離層3に照射される光は、レーザから照射されたものであってもよい。分離層3に照射する光を発射するレーザの例としては、YAGレーザ、リビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光等が挙げられる。分離層3に照射する光を発射するレーザは、分離層3を構成している材料に応じて適宜選択することが可能であり、分離層3を構成する材料を変質させ得る波長の光を照射するレーザを選択すればよい。
(フルオロカーボン)
分離層3は、フルオロカーボンからなっていてもよい。分離層3は、フルオロカーボンによって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート4を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート4と基板1とを分離し易くすることができる。分離層3を構成するフルオロカーボンは、プラズマCVD(化学気相堆積)法によって好適に成膜することができる。
フルオロカーボンは、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層3に用いたフルオロカーボンが吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、フルオロカーボンを好適に変質させ得る。なお、分離層3における光の吸収率は80%以上であることが好ましい。
分離層3に照射する光としては、フルオロカーボンが吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、リビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。フルオロカーボンを変質させ得る波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、600nm以下の範囲のものを用いることができる。
(光吸収性を有している構造をその繰り返し単位に含んでいる重合体)
分離層3は、光吸収性を有している構造をその繰り返し単位に含んでいる重合体を含有していてもよい。該重合体は、光の照射を受けて変質する。該重合体の変質は、上記構造が照射された光を吸収することによって生じる。分離層3は、重合体の変質の結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート4を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート4と基板1とを分離し易くすることができる。
光吸収性を有している上記構造は、光を吸収して、繰り返し単位として該構造を含んでいる重合体を変質させる化学構造である。該構造は、例えば、置換若しくは非置換のベンゼン環、縮合環又は複素環からなる共役π電子系を含んでいる原子団である。より詳細には、該構造は、カルド構造、又は上記重合体の側鎖に存在するベンゾフェノン構造、ジフェニルスルフォキシド構造、ジフェニルスルホン構造(ビスフェニルスルホン構造)、ジフェニル構造若しくはジフェニルアミン構造であり得る。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在する場合、該構造は以下の式によって表され得る。
Figure 2015046514
(式中、Rはそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ハロゲン、水酸基、ケトン基、スルホキシド基、スルホン基又はN(R)(R)であり(ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)、Zは、存在しないか、又は−CO−、−SO−、−SO−若しくは−NH−であり、nは0又は1〜5の整数である。)
又、上記重合体は、例えば、以下の式のうち、(a)〜(d)の何れかによって表される繰り返し単位を含んでいるか、(e)によって表されるか、又は(f)の構造をその主鎖に含んでいる。
Figure 2015046514
(式中、lは1以上の整数であり、mは0又は1〜2の整数であり、Xは、(a)〜(e)において上記の“化2”に示した式のいずれかであり、(f)において上記の“化2”に示した式のいずれかであるか、又は存在せず、Y及びYはそれぞれ独立して、−CO−又は−SO−である。lは好ましくは10以下の整数である。)
上記の“化2”に示されるベンゼン環、縮合環及び複素環の例としては、フェニル、置換フェニル、ベンジル、置換ベンジル、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、アントラキノン、置換アントラキノン、アクリジン、置換アクリジン、アゾベンゼン、置換アゾベンゼン、フルオリム、置換フルオリム、フルオリモン、置換フルオリモン、カルバゾール、置換カルバゾール、N−アルキルカルバゾール、ジベンゾフラン、置換ジベンゾフラン、フェナンスレン、置換フェナンスレン、ピレン及び置換ピレンが挙げられる。例示した置換基がさらに置換基を有している場合、その置換基は、例えば、アルキル、アリール、ハロゲン原子、アルコキシ、ニトロ、アルデヒド、シアノ、アミド、ジアルキルアミノ、スルホンアミド、イミド、カルボン酸、カルボン酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、アルキルアミノ及びアリールアミノから選択される。
上記の“化2”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,6‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2‐ヒドロキシフェニル)スルホン、及びビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
上記の“化2”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられる。
上記の“化2”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−C(=O)−である場合の例としては、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,5,6’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,6‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、4‐アミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジエチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐4’‐メトキシ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノン、及び4‐ジメチルアミノ‐3’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
上記構造が上記重合体の側鎖に存在している場合、上記構造を含んでいる繰り返し単位の、上記重合体に占める割合は、分離層3の光の透過率が0.001%以上、10%以下になる範囲内にある。該割合がこのような範囲に収まるように重合体が調製されていれば、分離層3が十分に光を吸収して、確実かつ迅速に変質し得る。すなわち、積層体10からのサポートプレート4の除去が容易であり、該除去に必要な光の照射時間を短縮させることができる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している光を吸収することができる。例えば、上記構造が吸収可能な光の波長は、100nm以上、2,000nm以下の範囲内であることがより好ましい。この範囲内のうち、上記構造が吸収可能な光の波長は、より短波長側であり、例えば、100nm以上、500nm以下の範囲内である。例えば、上記構造は、好ましくはおよそ300nm以上、370nm以下の範囲内の波長を有している紫外光を吸収することによって、該構造を含んでいる重合体を変質させ得る。
上記構造が吸収可能な光は、例えば、高圧水銀ランプ(波長:254nm以上、436nm以下)、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)、ArFエキシマレーザ(波長:193nm)、F2エキシマレーザ(波長:157nm)、XeClレーザ(波長:308nm)、XeFレーザ(波長:351nm)若しくは固体UVレーザ(波長:355nm)から発せられる光、又はg線(波長:436nm)、h線(波長:405nm)若しくはi線(波長:365nm)等である。
上述した分離層3は、繰り返し単位として上記構造を含んでいる重合体を含有しているが、分離層3はさらに、上記重合体以外の成分を含み得る。該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート4の剥離性を向上し得る成分等が挙げられる。これらの成分は、上記構造による光の吸収、及び重合体の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
(無機物)
分離層3は、無機物からなっていてもよい。分離層3は、無機物によって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート4を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート4と基板1とを分離し易くすることができる。
上記無機物は、光を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、金属、金属化合物及びカーボンからなる群より選択される1種類以上の無機物を好適に用いることができる。金属化合物とは、金属原子を含む化合物を指し、例えば、金属酸化物、金属窒化物であり得る。このような無機物の例示としては、これに限定されるものではないが、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、クロム、SiO、SiN、Si、TiN、及びカーボンからなる群より選ばれる1種類以上の無機物が挙げられる。なお、カーボンとは炭素の同素体も含まれ得る概念であり、例えば、ダイヤモンド、フラーレン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ等であり得る。
上記無機物は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層3に用いた無機物が吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、上記無機物を好適に変質させ得る。
無機物からなる分離層3に照射する光としては、上記無機物が吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、リビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は、非レーザ光を適宜用いればよい。
無機物からなる分離層3は、例えばスパッタ、化学蒸着(CVD)、メッキ、プラズマCVD、スピンコート等の公知の技術により、サポートプレート4上に形成され得る。無機物からなる分離層3の厚さは特に限定されず、使用する光を十分に吸収し得る膜厚であればよいが、例えば、0.05μm以上、10μm以下の範囲内の膜厚とすることがより好ましい。又、分離層3を構成する無機物からなる無機膜(例えば、金属膜)の両面又は片面に予め接着剤を塗布し、サポートプレート4及び基板1に貼り付けてもよい。
なお、分離層3として金属膜を使用する場合には、分離層3の膜質、レーザ光源の種類、レーザ出力等の条件によっては、レーザの反射や膜への帯電等が起こり得る。そのため、反射防止膜や帯電防止膜を分離層3の上下又はどちらか一方に設けることで、それらの対策を図ることが好ましい。
(赤外線吸収性の構造を有する化合物)
分離層3は、赤外線吸収性の構造を有する化合物によって形成されていてもよい。該化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。分離層3は、化合物の変質の結果として、赤外線の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート4と基板1とを分離し易くすることができる。
赤外線吸収性を有している構造、又は赤外線吸収性を有している構造を含む化合物としては、例えば、アルカン、アルケン(ビニル、トランス、シス、ビニリデン、三置換、四置換、共役、クムレン、環式)、アルキン(一置換、二置換)、単環式芳香族(ベンゼン、一置換、二置換、三置換)、アルコール及びフェノール類(自由OH、分子内水素結合、分子間水素結合、飽和第二級、飽和第三級、不飽和第二級、不飽和第三級)、アセタール、ケタール、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ビニルエーテル、オキシラン環エーテル、過酸化物エーテル、ケトン、ジアルキルカルボニル、芳香族カルボニル、1,3−ジケトンのエノール、o−ヒドロキシアリールケトン、ジアルキルアルデヒド、芳香族アルデヒド、カルボン酸(二量体、カルボン酸アニオン)、ギ酸エステル、酢酸エステル、共役エステル、非共役エステル、芳香族エステル、ラクトン(β−、γ−、δ−)、脂肪族酸塩化物、芳香族酸塩化物、酸無水物(共役、非共役、環式、非環式)、第一級アミド、第二級アミド、ラクタム、第一級アミン(脂肪族、芳香族)、第二級アミン(脂肪族、芳香族)、第三級アミン(脂肪族、芳香族)、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、アンモニウムイオン、脂肪族ニトリル、芳香族ニトリル、カルボジイミド、脂肪族イソニトリル、芳香族イソニトリル、イソシアン酸エステル、チオシアン酸エステル、脂肪族イソチオシアン酸エステル、芳香族イソチオシアン酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、芳香族ニトロ化合物、ニトロアミン、ニトロソアミン、硝酸エステル、亜硝酸エステル、ニトロソ結合(脂肪族、芳香族、単量体、二量体)、メルカプタン及びチオフェノール及びチオール酸等の硫黄化合物、チオカルボニル基、スルホキシド、スルホン、塩化スルホニル、第一級スルホンアミド、第二級スルホンアミド、硫酸エステル、炭素−ハロゲン結合、Si−A結合(Aは、H、C、O又はハロゲン)、P−A結合(Aは、H、C又はO)、又はTi−O結合であり得る。
上記炭素−ハロゲン結合を含む構造としては、例えば、−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF−、−CF、−CH=CF、−CF=CF、フッ化アリール、及び塩化アリール等が挙げられる。
上記Si−A結合を含む構造としては、SiH、SiH、SiH、Si−CH、Si−CH−、Si−C、SiO−脂肪族、Si−OCH、Si−OCHCH、Si−OC、Si−O−Si、Si−OH、SiF、SiF、及びSiF等が挙げられる。Si−A結合を含む構造としては、特に、シロキサン骨格及びシルセスキオキサン骨格を形成していることが好ましい。
上記P−A結合を含む構造としては、PH、PH、P−CH、P−CH−、P−C、A −P−O(Aは脂肪族又は芳香族)、(AO)−P−O(Aはアルキル)、P−OCH、P−OCHCH、P−OC、P−O−P、P−OH、及びO=P−OH等が挙げられる。
上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している赤外線を吸収することができる。具体的には、上記構造が吸収可能な赤外線の波長は、例えば1μm以上、20μm以下の範囲内であり、2μm以上、15μm以下の範囲内をより好適に吸収することができる。さらに、上記構造がSi−O結合、Si−C結合及びTi−O結合である場合には、9μm以上、11μm以下の範囲内であり得る。なお、各構造が吸収できる赤外線の波長は当業者であれば容易に理解することができる。例えば、各構造における吸収帯として、非特許文献:SILVERSTEIN・BASSLER・MORRILL著「有機化合物のスペクトルによる同定法(第5版)−MS、IR、NMR、UVの併用−」(1992年発行)第146頁〜第151頁の記載を参照することができる。
分離層3の形成に用いられる、赤外線吸収性の構造を有する化合物としては、上述のような構造を有している化合物のうち、塗布のために溶媒に溶解でき、固化されて固層を形成できるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、分離層3における化合物を効果的に変質させ、サポートプレート4と基板1との分離を容易にするには、分離層3における赤外線の吸収が大きいこと、すなわち、分離層3に赤外線を照射したときの赤外線の透過率が低いことが好ましい。具体的には、分離層3における赤外線の透過率が90%より低いことが好ましく、赤外線の透過率が80%より低いことがより好ましい。
一例を挙げて説明すれば、シロキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記化学式(3)で表される繰り返し単位及び下記化学式(4)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂、あるいは下記化学式(3)で表される繰り返し単位及びアクリル系化合物由来の繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
Figure 2015046514
(化学式(4)中、Rは、水素、炭素数10以下のアルキル基、又は炭素数10以下のアルコキシ基である。)
中でも、シロキサン骨格を有する化合物としては、上記化学式(3)で表される繰り返し単位及び下記化学式(5)で表される繰り返し単位の共重合体であるt−ブチルスチレン(TBST)−ジメチルシロキサン共重合体がより好ましく、上記式(3)で表される繰り返し単位及び下記化学式(5)で表される繰り返し単位を1:1で含む、TBST−ジメチルシロキサン共重合体がさらに好ましい。
Figure 2015046514
又、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記化学式(6)で表される繰り返し単位及び下記化学式(7)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。
Figure 2015046514
(化学式(6)中、Rは、水素又は炭素数1以上、10以下のアルキル基であり、化学式(7)中、Rは、炭素数1以上、10以下のアルキル基、又はフェニル基である。)
シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、このほかにも、特開2007−258663号公報(2007年10月4日公開)、特開2010−120901号公報(2010年6月3日公開)、特開2009−263316号公報(2009年11月12日公開)及び特開2009−263596号公報(2009年11月12日公開)において開示されている各シルセスキオキサン樹脂を好適に利用することができる。
中でも、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、下記化学式(8)で表される繰り返し単位及び下記化学式(9)で表される繰り返し単位の共重合体がより好ましく、下記化学式(8)で表される繰り返し単位及び下記化学式(9)で表される繰り返し単位を7:3で含む共重合体がさらに好ましい。
Figure 2015046514
シルセスキオキサン骨格を有する重合体としては、ランダム構造、ラダー構造、及び籠型構造があり得るが、何れの構造であってもよい。
又、Ti−O結合を含む化合物としては、例えば、(i)テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、及びチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート等のアルコキシチタン;(ii)ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、及びプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のキレートチタン;(iii)i−CO−[−Ti(O−i−C−O−]−i−C、及びn−CO−[−Ti(O−n−C−O−]−n−C等のチタンポリマー;(iv)トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、チタニウムステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート、及び(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン等のアシレートチタン;(v)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン等の水溶性チタン化合物等が挙げられる。
中でも、Ti−O結合を含む化合物としては、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(OC[OCN(COH))が好ましい。
上述した分離層3は、赤外線吸収性の構造を有する化合物を含有しているが、分離層3はさらに、上記化合物以外の成分を含み得る。該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート4の剥離性を向上し得る成分等が挙げられる。これらの成分は、上記構造による赤外線の吸収、及び化合物の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。
(赤外線吸収物質)
分離層3は、赤外線吸収物質を含有していてもよい。分離層3は、赤外線吸収物質を含有して構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート4を持ち上げる等)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート4と基板1とを分離し易くすることができる。
赤外線吸収物質は、赤外線を吸収することによって変質する構成であればよく、例えば、カーボンブラック、鉄粒子、又はアルミニウム粒子を好適に用いることができる。赤外線吸収物質は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層3に用いた赤外線吸収物質が吸収する範囲の波長の光を分離層3に照射することにより、赤外線吸収物質を好適に変質させ得る。
(プラズマ処理装置)
分離層3を形成する方法は、分離層3を構成する材料の種類に応じて従来公知の方法から適宜選択することができるが、一実施形態において分離層形成工程では、プラズマCVD(化学気相堆積)法によって、分離層3をサポートプレート(支持体)4上に形成することが好ましい。
これによって、光を吸収することによって変質する分離層3をサポートプレート4上に均一に形成することがとできる。又、分離層形成工程後、速やかに表面処理工程を行なうことができる。
プラズマCVD法に用いるプラズマ処理装置としては、特に限定されず、公知のプラズマ処理装置を用いることができる。
プラズマ処理装置が備えるコイル電極は、特に限定されず、例えば、デュアルコイルアンテナであってもよく、シングルコイルアンテナであってもよく、又、平行平板電極を用いてもよい。ここで、デュアルコイルアンテナを用いれば、本方法によって形成される分離層3の均一性をより向上させることができる。
プラズマ処理装置の反応室の形状は、特に限定されず、ドーム型であってもよいし、円筒型等のその他の形状であってもよい。反応室のサイズは、処理対象の基板1のサイズに応じて適宜選択すればよい。又、反応室の材質は、プラズマ処理及び分離層3の形成を阻害しない公知の材料を適宜選択することができる。
プラズマ処理装置において生じるプラズマには、コイル電極に印加される高周波電圧による静電界による容量結合プラズマ(CCP:Conductive Coupled Plasma)と、コイル電極に流れる高周波電流により発生する誘導電界による誘導結合プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)とが存在する。
容量結合主体のプラズマ(Eモードプラズマ)は、一般にプラズマ密度が低い場合に発生し、誘導結合主体のプラズマ(Hモードプラズマ)は、一般にプラズマ密度が高い場合に発生する。EモードからHモードへの遷移は誘電電界に依存し、誘電電界がある値以上になると容量結合から誘導結合へ切り替る。この現象は一般に「モードジャンプ」又は「密度ジャンプ」と呼ばれている。すなわち、モードジャンプを起こす電力以下で生じているプラズマがEモードプラズマであり、モードジャンプを起こす電力より大きい電力で生じているプラズマがHモードプラズマである(例えば、特許第3852655号、特許第4272654号等を参照のこと)。
プラズマ処理装置によって生じるプラズマは、低密度プラズマ及び高密度プラズマのいずかに特に限定されないが、好ましい実施形態において、Hモードプラズマは高密度プラズマであり得る。ここで、高密度プラズマとは、イオン密度が1×1010cm−3以上であるプラズマをいう。
高密度プラズマを生じさせる場合、モードジャンプが起きたか否かの判断は、プラズマのイオン密度を測定することによって判断することができる他、プラズマ処理装置の外観からも容易に判断することができる。例えば、モードジャンプが起きた後では、コイル電極の周囲に強力な発光が観察される。
又、高密度プラズマを生じさせる場合、コイル電極に印加する高周波電力を、モードジャンプを起こす電力よりも大きくなるように設定することが好ましい。これにより、分離層3の成膜速度、分離層3の硬さ、及び、分離層3の遮光性をそれぞれ向上させることができる。
なお、モードジャンプを起こす高周波電力は、プラズマ処理装置のサイズ、形状、反応ガスの種類、圧力等によって変化する。そのため、モードジャンプを起こす高周波電力を予め測定しておくことが好ましい。例えば、高周波電力を変化させながら、プラズマ処理装置の外観を観察するか、反応室内のイオン密度を測定することにより、首尾よく、モードジャンプを起こす高周波電力を取得することができる。
(反応ガス)
分離層形成工程においてプラズマCVD法によって分離層3をサポートプレート4上に形成する場合、反応ガスとしてフッ化炭素ガス及び炭化水素ガスの少なくとも何れかを含有するガスを用いることが好ましい。フッ化炭素ガス及び炭化水素ガスの少なくとも何れかを原料ガスとしてプラズマCVD法を実行することにより、上記(分離層)の欄に記載したフルオロカーボンからなる分離層3を好適に形成することができる。
フッ化炭素ガスの例示としては、CxFyおよびCxHyFzが挙げられ(x、yおよびzは自然数)、より詳細には、CHF、CH、C、C、C、C等が例示されるが、これらに限定されない。また、炭化水素ガスの例示としては、CH等のアルカン類、エチレン等のアルケン類、及びアセチレン等のアルキン類が挙げられる。
また、反応ガスに対して、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス、アルカン、アルケン、アルキンなどの炭化水素ガス、フッ化炭素ガス、水素、酸素等の添加ガスを1種類以上添加してもよい。添加ガスの添加量は、例えば、水素を添加する場合には、これに限定されるものではないが、反応ガス全体に対して5%以上、20%以下の割合で添加することが好ましい。また、酸素は、これに限定されるものではないが、極めて微量を添加するか、または添加しないことが好ましい。
なお、反応ガスは、フッ化炭素ガスを主成分としてもよく、この場合、添加ガスとして炭化水素ガスを含有させることが好ましい。これにより、単に、フッ化炭素ガスのみを原料ガスとして用いた場合に比べ、成膜速度および分離層3の遮光性を向上させることができる。このとき、反応ガス全体に対する炭化水素ガスの含有量は、例えば、5%以上、20%以下とすることが好ましい。また逆に、反応ガスが、炭化水素ガスを主成分としている場合は、添加ガスとしてフッ化炭素ガスを含有させることが好ましい。なお、主成分とは、反応ガス中において最も含有量(体積%)が多いガスを意味する。
また、不活性ガスを反応ガスに適量添加することにより、原料ガスを好適に攪拌して、分離層3を均一に成膜することもできる。
プラズマ処理装置における反応室への反応ガスの流量は、特に限定されず、種々の条件に設定することができるが、例えば、100ml/min〜1000ml/minの範囲内とすることができる。又、プラズマ処理装置の反応室内の圧力も、特に限定されず、種々の条件に設定することができるが、例えば、30Pa(0.2mTorr)〜300Pa(2.5mTorr)の範囲内とすることができる。
分離層3の厚さは特に限定されず、使用する光を十分に吸収し得る膜厚であればよいが、例えば、0.05〜100μmの膜厚とすることがより好ましく、0.1〜5μmの膜厚とすることが特に好ましい。分離層形成工程における分離層3の形成時間は、例えば、クリーニング時間を除いて13分間程度とすることができる。また、プラズマCVD法による分離層3の形成は、1段階で行ってもよいし、反応ガスの組成等条件を変えた複数の段階により行ってもよい。
また、分離層3は、サポートプレート4上に直接形成する必要はない。例えば、他の実施形態では、分離層形成工程において、サポートプレート4上に形成された他の層の上に分離層3が形成され得る。この場合、当該他の層は光を透過する材料から構成されている。これによって、後述する分離工程において分離層3への光の入射を妨げることなく、積層体10に好ましい性質などを付与する層(他の層)を適宜追加することができる。例えば、当該他の層は、分離層3とサポートプレート4とを接着する接着層であり得る。
なお、分離層3を構成している有機物の種類によって、分離層3を変質させ得る光の波長が異なる場合がある。よって、当該他の層を構成する材料は、すべての光を透過させる必要はなく、分離層3に吸収されるべき光の波長を透過させることができる材料から適宜選択し得る。
又、成膜温度は、種々の観点から選択することができる。なお、本明細書において、成膜温度とは、プラズマCVD法を実行するために使用するプラズマ処理装置における、サポートプレート4を載置するステージの温度を指す。
すなわち、分離層3の脱ガス性を改善(脱ガス量を低減)させるためには、分離層形成工程における成膜温度を、分離層形成工程よりも後で実施する工程における環境温度よりも高い温度に設定することが好ましい。当該成膜温度をこのように設定することにより、脱ガス性を改善することができる。この場合、成膜温度として、例えば、240℃以上とすることができる。
一方、分離層3の成膜速度及び得られた分離層3の遮光性を改善させるためには、分離層形成工程における成膜温度を、300℃以下に設定することが好ましく、100℃以上、180℃以下に設定することがさらに好ましい。当該成膜温度をこの範囲に設定することにより、分離層形成工程における分離層3の成膜速度の向上、得られた分離層3の遮光性の向上といった効果を得ることができる。
なお、分離層形成工程を行なう前に、反応室内とサポートプレート4とを成膜温度にまで予備加熱する工程を行なってもよい。
〔表面処理工程〕
図1の(3)は、表面処理工程を示している。表面処理工程は、不活性ガスを用いたプラズマ処理によって、分離層形成工程においてサポートプレート4上に形成された分離層3の表面を処理する工程である。
(不活性ガス)
不活性ガスは、表面処理工程においてプラズマを生じるために用いるガスである。不活性ガスとしては、例えば、窒素又は希ガス類を挙げることができる。希ガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン及びキセノン等を挙げることができる。中でも、不活性ガスは、窒素、ヘリウム及びアルゴンから選択される少なくとも1種のガスを含むことが好ましい。不活性ガスが、窒素、ヘリウム及びアルゴンから選択される少なくとも1種のガスを含むガスであれば、比較的安価な不活性ガスを用いて、好適に分離層3の表面処理を行なうことができる。
不活性ガスを用いてプラズマ処理することで、分離層3を改質することができる。これによって、分離層3とサポートプレート4との接着力が向上する。このため、所望の処理において積層体10に応力を加えても、積層体10の周端部において分離層3とサポートプレート4とが分離することを防止することができる。このため、積層体10の周端部において分離層3とサポートプレート4との分離部分に様々な薬品が浸入することを防止することができる。
又、不活性ガスを用いてプラズマ処理することで、分離層3の表面は、微少な凹凸が形成される。これによって、分離層3と接着層2との接着力も向上させることができる。
又、不活性ガスを用いてプラズマ処理することで、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、等の溶剤に対する分離層3の耐薬品性を向上させることができる。このため、分離層3が溶剤等の薬品に曝されることで、分離層3の接着力が低下することを防止することができる。
これらによって、積層体10に対するサポートプレート4の密着性を好適に維持することができ、所望の処理の最中に積層体10からサポートプレート4が分離することを防止することができる。
表面処理工程は、分離層形成工程後、反応室内の圧力を開放することなく、反応ガスを除去し、次いで、不活性ガスを供給してプラズマ処理することによって行なうことができる。
プラズマ処理装置における反応室への不活性ガスの流量は、300ml/min以上、5000ml/min以下の範囲内であることが好ましく、500ml/min以上、1500ml/min以下の範囲内であることがさらに好ましい。又、プラズマ処理装置の反応室内の圧力は、10Pa以上、200Pa以下の範囲内であることが好ましく、70Pa以上、130Pa以下の範囲内であることがさらに好ましい。
一実施形態において、表面処理工程において分離層3の表面をプラズマ処理する時間は、30秒間以上、60秒間以下であることが好ましい。
表面処理工程におけるプラズマ処理の時間が当該範囲内であれば、分離層3と接着層2との接着力を好適に高めることができる。又、光を照射することによって分離層3を変質させた後に、サポートプレート4から分離層3の残渣を洗浄により容易に除去することができる。
(貼り合わせ工程)
貼り合せ工程では、接着層形成工程において接着層2を形成した基板1と、表面処理工程において分離層3の表面処理を行なったサポートプレート4とを貼り合せる工程である(図1の(4))。
貼り合せ工程では、接着層2を形成した基板1を加熱することで接着層2を溶融し、次いで、基板1、接着層2、分離層3及びサポートプレート4をこの順になるように貼り合わせ、減圧条件下において押圧を加えることによって積層体10を製造する。これにより、積層体10が完成する(図1の(5))。
<積層体>
上記の実施形態に係る積層体の製造方法によって製造された積層体も、本発明の範疇である。
図2を用いて、本発明の一実施形態に係る積層体について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る積層体10の概略を説明する断面図である。
図2に示している通り、積層体10は、基板1、接着層2、分離層3及びサポートプレート4がこの順に積層されている。
積層体10は、基板薄化工程によって基板1を25〜150μmの所望の薄さにまで研削される。又、積層体10には、基板1を所望の薄さまで薄化した後に、様々な処理が行なわれる。例えば、積層体10の基板1に対して裏面配線等を形成するために行われるレジストリソグラフィー処理を挙げることができる。レジストリソグラフィー処理において、積層体10は裏面配線を形成するために酸、アルカリ、及び溶剤等の様々な薬品に曝さられることになる。
分離層3は、表面処理工程におけるプラズマ処理によってサポートプレート4への接着力が高くなっている。又、分離層3は、表面処理工程におけるプラズマ処理によって、接着層2への接着面に微小な凹凸が形成されている(不図示)。このため、分離層3は、微少な凹凸によるアンカー効果によって接着層2への接着力も向上している。これらによって、サポートプレート4は、分離層3を介して積層体10に好適に固定されている。従って、グラインダー等によって積層体10の基板1を所望の薄さにまで研削しても、研削時に加えられる応力によって積層体10の周端部における分離層3とサポートプレート4とが部分的に分離することを防止することができる。
又、分離層3は、当該プラズマ処理によって耐薬品性が向上している。併せて、積層体10の周端部における分離層3とサポートプレート4との分離を防止することができるため、分離層3とサポートプレート4との分離部分に薬品が浸入することを防止することができる。このため、基板1の薄化後に行われる基板1に対するレジストリソグラフィー処理等の様々な処理において、酸、アルカリ及び溶剤等の様々な薬品に曝さられても、積層体10は分離層3とサポートプレート4との密着性を好適に維持することができる。
これらによって、様々な処理の最中に積層体10からサポートプレート4が分離することを防止することができる。
基板1に所望の処理を行なった後、積層体10は、サポートプレート4を介して所定の光を照射することによって分離層3を変質させればよい。これにより、薄化した基板1に強い力を加えることなく、基板1とサポートプレート4とを分離することができる。その後、洗浄によって基板1から接着層2及び分離層3の残渣を除去すればよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔接着強度の評価〕
サポートプレート上に形成した分離層への表面処理工程を行なった時間と、分離層と接着層との接着強度との関係をテープピール試験によって評価した。
(試験片の作製)
試験片の作製として、サポートプレート上に分離を形成し、その後、連続的してサポートプレート上の分離層に表面処理工程を行なった。又、分離層を同様に形成した後、表面処理工程を行なう時間を異なるようにした複数の試験片を作製した。
プラズマCVD法により、実施例の試験片を次のようにして作製した。まず、支持体(12インチガラスサポートプレート;厚さ700μm)上に、高周波電力3000W及び成膜温度240℃として、反応ガスであるCの流量を380sccm、CHの流量を20sccmとした条件下で、反応室内の圧力を95Paに設定し5秒間、プラズマ処理を行なった。その後、反応室内の圧力を75Paに調整し130秒間プラズマ処理を行なった(分離層形成工程)。分離層形成工程後、高周波電力3000W及び成膜温度240℃の条件で、反応室内の圧力を70Paに調整し、不活性ガスであるNの流量を1000sccmとしてプラズマ処理を行なった(表面処理工程)。なお、プラズマ処理装置内には、支持体を持ち上げたり、底面に置いたりするリフトピンが設けられており、分離層形成工程までは、リフトピンで持ち上げずに底面に置いた状態で処理を行ない、表面処理工程はリフトピンで持ち上げた状態で処理を行なった。表面処理工程の時間は、30、45、60及び75秒間と異なる条件で試験片を作製した。又、比較のために分離層形成工程のみ行った試験片についても作製した。
(テープピール試験)
上記の方法によって作製した試験片の分離層に幅20mm×5mmにカットしたテープ型接着層を貼り付けた。次いで、分離層側が上になるようにして試験片を水平面に固定した。その後、試験片に対して180°において水平に向かって5mm/分の速度でテープを引っ張ることで、テープ剥離時に加えられた力を接着強度として評価した。なお、各試験片では、分離層の表面視における上下左右の4点において接着力を測定し、平均値を求めた。
(評価)
表面処理工程を行なわなかった試験片、及び、表面処理工程をそれぞれ30、45、60及び75秒間行った試験片の接着強度を図3に示す。図3に示す通り、表面処理工程を行なった試験片は、表面処理工程を行なっていない試験片と比較して接着力が2倍〜4倍高い結果となった。
本発明に係る積層体の製造方法及び積層体は、例えば、微細化された半導体装置の製造工程において広範に利用することができる。
1 基板
2 接着層
3 分離層
4 サポートプレート(支持体)
10 積層体

Claims (5)

  1. 基板、上記基板を支持する光透過性の支持体、及び上記基板と上記支持体との間に設けられ、上記支持体を介して照射される光を吸収することによって変質する分離層を備えた積層体の製造方法であって、
    上記分離層を上記支持体上に形成する分離層形成工程と、
    上記分離層形成工程の後、不活性ガスを用いたプラズマ処理によって上記分離層の表面を処理する表面処理工程と、を包含することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 上記不活性ガスは窒素、ヘリウム及びアルゴンから選択される少なくとも1種のガスを含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 上記分離層形成工程では、プラズマCVD法によって、上記分離層を上記支持体上に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
  4. 上記表面処理工程において上記分離層の表面をプラズマ処理する時間は、30秒間以上、60秒間以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法によって製造された積層体。
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