JP6691116B2 - 凍結融解安定性に優れる土壌侵食防止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、造成地、道路、ダムなどの建設での盛土や切土によって形成される法面等からの土壌の侵食を防止するために好適に使用される土壌侵食防止剤に関する。
造成地、道路、ダムなどの建設では盛土や切土が行われ、それによって形成される法面は、そのまま放置すると降雨や風化などによって侵食され、地滑りや落石などの事故が発生する。そのために、特許文献1では、水膨潤性吸水性樹脂、界面活性剤及び合成樹脂エマルジョンからなる土壌乾燥防止剤を吹付資材1m3当り0.5〜1.5kgの割合で配合した吹付資材を法面に対して吹き付けることによって、土壌の侵食を防止している。
特許第4048800号公報 特開2000−129259号公報 特表2011−510135号公報
しかし、法面工事に使用される資材は倉庫等に保管されることもあるが、現場に運び込みシート等をかぶせて保管されることもあり、寒冷地の冬場には、保管場所によっては氷点を下回り、土壌侵食防止剤が凍結し凝集するなどの問題がある。
凍結融解安定性に優れる土壌侵食防止剤に関し特許文献に記述があるものの、特許文献2ではポリアクリルアマイド系の樹脂に関するものであり、特許文献3ではアルコキシル化化合物を構成成分としたものであり、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの凍結融解安定性改良に関する記述はなされていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、土壌侵食防止効果を損なうことなく凍結融解安定性を向上せしめる土壌侵食防止剤を提供するものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)水性樹脂エマルジョンと水溶性高分子とを含む土壌侵食防止剤であって、水性樹脂エマルジョンのトルエン不溶分が60質量%以上であり、かつ水溶性高分子の土壌侵食防止剤中の含量が1〜7質量%である事を特徴とする土壌侵食防止剤。
(2)水溶性高分子の土壌侵食防止剤中の含量が3〜5質量%である事を特徴とする、(1)に記載の土壌侵食防止剤。
(3)酢酸ビニルに由来する構造単位を含む水性樹脂エマルジョンを用いる事を特徴とする、(1)又は(2)に記載の土壌侵食防止剤。
(4)水性樹脂エマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンである事を特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の土壌侵食防止剤。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の土壌侵食防止剤を使用した緑化工法。
(6) (1)〜(4)のいずれかに記載の土壌侵食防止剤を吹付資材1m当たり1〜10kg使用した吹付資材。
本発明者による実験によれば、水性樹脂エマルジョン中のトルエン不溶分が多いほど凍結融解安定性能は良好になることが分かった。一方、土壌侵食防止剤に含まれる水溶性高分子が過剰となる場合には侵食防止効果が低下することがわかった。また、同量の水溶性高分子を含有した場合には用いる水性樹脂エマルジョン、および土壌侵食防止剤中に含まれる水溶性高分子の量によって凍結融解安定性に差異があり、具体的には、水性樹脂エマルジョンのトルエン不溶分が60質量%以上であり、かつ水溶性高分子の土壌侵食防止剤中の含量を1〜7質量%、好ましくは3〜5質量%とする場合に土壌侵食防止剤として優れた効果を発揮することを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。好ましくは、前記エマルジョンは、酢酸ビニルに由来する構造単位を含む樹脂のエマルジョンである。好ましくは、前記エマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンである。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の土壌侵食防止剤は、水性樹脂エマルジョンと水溶性高分子とを含む土壌侵食防止剤であって、水性樹脂エマルジョンのトルエン不溶分が60質量%以上であり、かつ水性樹脂エマルジョンは水溶性高分子を含み、水溶性高分子の土壌侵食防止剤中の含量が1〜7質量%、好ましくは3〜5質量%である凍結融解安定性に優れる土壌侵食防止剤である。ここで、水性樹脂エマルジョンのトルエン不溶分とは水性樹脂エマルジョンの水分を飛ばし乾燥させ、トルエンに溶解させた時に不溶物となる固形分を意味する。
水性樹脂エマルジョンの種類は、特に限定されず、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル共重合体エマルジョン、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン、スチレンアクリル酸エステル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、ビニリデン樹脂エマルジョン、ポリブテン樹脂エマルジョン、アクリルニトリル−ブタジエン樹脂エマルジョン、メタアクリレート−ブタジエン樹脂エマルジョン、アスファルトエマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、シリコン樹脂エマルジョンなどが例示され、このうち、酢酸ビニルに由来する構造単位を含む樹脂のエマルジョン(酢酸ビニル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン等)が好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンがさらに好ましい。
水性樹脂エマルジョンの製造方法は、特に限定されないが、例えば、水を主成分とする分散媒中に乳化剤とモノマーを添加し、撹拌させながらモノマーを乳化重合させることによって製造することができる。この製造時に使用するモノマーの種類や添加速度によって、得られるエマルジョンのトルエン不溶分を変化させることができる。乳化剤としては、イオン性(カチオン性・アニオン性・双性)界面活性剤や非イオン性(ノニオン性)界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、アルキルグリコシドのような低分子系界面活性剤、あるいはポリエチレングリコールやポリビニルアルコールのような高分子系界面活性剤が挙げられ、高分子系界面活性剤が好ましい。高分子系界面活性剤は、ポリビニルアルコールからなるものが特に好ましく、その平均重合度は例えば200〜2500であり、400〜2200が好ましく、500〜2000がさらに好ましい。ポリビニルアルコールは、平均重合度が大きいほど乳化分散力が高まるので、所望の分散度のエマルジョンが得られるように、適切な平均重合度を有するポリビニルアルコールを使用すればよい。また、ポリビニルアルコールは、平均重合度が互いに異なる複数種類のものを組み合わせて使用してもよい。ポリビニルアルコールのケン化度は、特に限定されないが、例えば、70%以上であり、80〜95%が好ましい。ケン化度が低すぎると極端に水への溶解性が低下し、特殊な溶解方法を用いなければ溶解できず、工業的には使用し難いからである。ポリビニルアルコールは、ケン化度が低いほど乳化分散力が高まるので、所望の分散度のエマルジョンが得られるように、適切なケン化度を有するポリビニルアルコールを使用すればよい。乳化剤は異なる複数種類のものを組み合わせて使用してもよい。乳化剤の添加量は、特に限定されないが、例えば、分散媒100質量部に対して0.5〜20質量部であり、1から10質量部が好ましい。乳化剤は添加量が多いほど乳化分散力が高まるので、乳化剤の添加量は、所望の分散度のエマルジョンが得られるように、適宜調整される。
土壌侵食防止剤の固形分率は、25〜60質量%であり、30〜40質量%が好ましい。この固形分率が低すぎると、土壌侵食防止剤のポリマー量が少なすぎて土壌侵食防止効果が弱く、固形分率が高すぎると粘度が高くなりすぎて吹付資材に配合することが容易でなくなり、また、凍結融解安定性が低下する傾向があるからである。
また、本発明の土壌侵食防止剤に含まれる水溶性高分子は、水に溶ける性質を有していればよく特に限定されないが、具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体類;デンプン、カラギーナン、マンナン、アガロース、デキストラン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸又はその塩;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸又はその塩ポリメタクリル酸又はその塩;ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド等のアクリルアミド類;ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンが例示され、複数種を組み合わせて使用することもできる。
水溶性高分子は土壌侵食防止剤中の含有量が多いほど水性樹脂エマルジョンの凍結融解安定性が向上するが、一方で土壌侵食防止効果は低下する傾向にある。このため土壌侵食防止剤に含有される水溶性高分子は1〜7質量%が好ましく、3〜5質量%がさらに好ましい。
また、土壌侵食防止剤に含有される乳化剤と水溶性高分子の合計量は、1.5〜8.5質量%が好ましく、3.5〜6.5質量%がより好ましい。
次に、本発明の土壌侵食防止剤の使用方法について説明する。この土壌侵食防止剤は保護すべき面に対して単独で吹き付けてもよく、土壌を主体とし、種子、肥料などを混合した吹付資材に配合して吹付資材と共に保護すべき面に対して吹き付けてもよい。吹付資材を対象面に吹き付ける工法に特に制限はなく、例えば、種子散布工、客土吹付工、基材吹付工などを挙げることができ、あるいは、対象面が広大な場合には、ヘリコプターなどの航空機から実播して吹き付けることもできる。
使用する吹付資材に特に制限はなく、例えば、バーク堆肥、ピートモスなどの有機質資材又は砂質土に、種子、肥料などを混合したものを用いることができる。
土壌侵食防止剤の添加量は、特に限定されないが、吹付資材1mに対して1〜10kg、好ましくは4〜6kgになるように添加することが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明する。以下の説明中で特に断りがない限り、「部」、「%」は、それぞれ、「質量部」、「質量%」を意味する。
(製造例1:水性樹脂エマルジョン1)
攪拌機付きの高圧重合缶に、予め100部の純水に乳化剤としてデンカポバールB−05(鹸化度88mol%、平均重合度600、電気化学工業社製)3.6部及びデンカポバールB−17(鹸化度88mol%、平均重合度1700、電気化学工業社製)0.7部、プルロニックL−64(ADEKA製)0.2部、助剤としてホルムアミジンスルフィン酸0.2部、酢酸ソーダ0.2部、硫酸第一鉄七水和物0.005部、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム0.01部を溶解したものを投入後、攪拌下酢酸ビニルモノマー35部及びエチレン23部を充填し内液温度を55℃とした後、10%過硫酸アンモニウム水溶液4.1部を連続添加し重合を行った。重合途中に酢酸ビニルモノマーを60部、エチレンは18部を分添した。重合末期に10%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液1.0部を添加し、未反応の酢酸ビニルモノマー量が2%未満になるまで重合を継続した。
重合後に残存するエチレンをパージし、生成したエマルジョン中の未反応の酢酸ビニルモノマーを減圧除去した結果、表1に記した通り、未反応の酢酸ビニルモノマーが0.5%以下でトルエン不溶分66%の水性樹脂エマルジョン1を得た。
(製造例2:水性樹脂エマルジョン2)
攪拌機付きの高圧重合缶に、予め100部の純水に乳化剤としてデンカポバールB−05を2.6部及びデンカポバールB−17を2.1部、助剤としてホルムアミジンスルフィン酸0.1部、酢酸ソーダ0.2部、硫酸第一鉄七水和物0.005部、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム0.01部を溶解したものを投入後、攪拌下酢酸ビニルモノマー及びエチレンを充填し内液温度を55℃とした後、5%過硫酸アンモニウム水溶液1.6部を連続添加し重合を行った。酢酸ビニルモノマーは107部、エチレンは20部を使用した。重合末期に10%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液0.7部を添加し、未反応の酢酸ビニルモノマー量が2%未満になるまで重合を継続した。
重合後に残存するエチレンをパージし、攪拌下新たに酢酸ビニル7部、トリアリルシアヌレート0.05部を投入し内液温度を55℃とした後、10%過硫酸アンモニウム水溶液1.6部を連続添加し、未反応の酢酸ビニルモノマー量が1%未満になるまで重合を継続した。生成したエマルジョン中の未反応の酢酸ビニルモノマーを減圧除去した結果、表1に記した通り、未反応の酢酸ビニルモノマーが0.5%以下でトルエン不溶分62質量%の水性樹脂エマルジョン2を得た。
(製造例3〜5:水性樹脂エマルジョン3〜5)
以下表1記載の組成で製造例1に準じた手順で重合を行い、表1に記した通り、それぞれトルエン不溶分55質量%の水性樹脂エマルジョン3、トルエン不溶分44質量%の水性樹脂エマルジョン4、トルエン不溶分31質量%の水性樹脂エマルジョン5を得た。
(土壌侵食防止剤の調製:実施例1)
製造例1で得た水性樹脂エマルジョン1に対し水溶性高分子としてデンカポバールB−05(鹸化度88mol%、平均重合度600、電気化学工業社製)を最終的に得られる土壌侵食防止剤に対して表2記載の所定の含有量(質量%)となるよう加え、土壌侵食防止剤の固形分率が30%となるよう適宜水を加えて調整し実施例1の土壌侵食防止剤とした。なお表2の各実施例において、水溶性高分子は「*」で表示した行に記載の物を使用した。また、乳化剤と水溶性高分子の合計量の土壌侵食防止剤に対する割合はA(質量%)として示す。
(土壌侵食防止剤の調製:実施例2〜14及び比較例1〜3)
表2及び3記載の組成、固形分率に従い実施例2〜14及び比較例1〜3の土壌侵食防止剤とした。なお、水溶性高分子はそれぞれデンカポバールB−17(鹸化度88mol%、平均重合度1700、電気化学工業社製)、デンカポバールB−33(鹸化度88mol%、平均重合度3300、電気化学工業社製)、PEG400(純正化学製)、PEG20000(純正化学製)、ヒドロキシエチルセルロース(2%水溶液粘度(20℃):200−300mPa・s東京化成工業製)、カルボキシメチルセルロースセロゲン7A(第一工業製薬製)を用いた。また、乳化剤と水溶性高分子の合計量の土壌侵食防止剤に対する割合はA(質量%)として示す。
得られた土壌侵食防止剤それぞれに対し、凍結融解安定性、土壌侵食防止性能評価を行い、その結果を表2に示す。
(トルエン不溶分測定)
(1)水性樹脂エマルジョン10gをフッ素樹脂板に塗布し(100cm程度の面積とする)、23℃で5日間乾燥させ乾燥皮膜を得る。
(2)5mm角に細かく切り分けた乾燥皮膜を、スクリュー管に1g(仕込みフィルム重量)に入れ、トルエン50gで満たし密栓する。
(3)50℃の湯浴中で5時間振とうする。
(4)200メッシュ金網で濾過し、回収した不溶分をドラフト内で23℃、1晩乾燥後、乾燥機(105℃)にて3時間乾燥させ、不溶分の乾燥重量を測定する。
(5)次式からトルエン不溶分を求める。トルエン不溶分(%) = 回収不溶分乾燥重量 ÷ 仕込みフィルム重量 × 100
(凍結融解安定性評価)
(1)土壌侵食防止剤を100ml容器に50g計り取る。
(2)環境試験機中(−20℃)で16時間静置し、凍結させる。
(3)環境試験機から取り出し、30℃の湯浴中で1時間静置し、融解させる。
(4)融解後の状態を目視で観察し、凝集の程度を下記基準で判定する。
○: 凍結前の土壌侵食防止剤と同等
△: 流動し液状になるが凝集物が見られる
×: スポンジ状になり流動しない
(土壌侵食防止評価)
次に、以下の方法により、作製した土壌侵食防止剤を配合した厚層基材吹付工の植生基盤を作製し、降水試験により流出してくる土壌の量を測定した。
(1)混合: 容器にバーク堆肥(富士見環境緑化社製フジミソイル5号)を7L、高度化成肥料(日東エフシー社製、15−15−15)を21g、種子(カネコ種苗社製イタリアンライグラス)を3.5g、各種土壌侵食防止剤を21g加え混練し、植生基盤材とした。
(2)施工: 植生基盤材を木枠(30cm×30cmの矩形、高さ10cm)に充填し平らに均したのちに上から体積半分まで圧縮した。
(3)養生: 木枠を外し、23℃室内で1晩養生した。
(4)降水: 養生した植生基盤に対し、ジョウロで降水した。植生基盤に9°の傾斜を与え、降水は50cmの高さから1時間に200mmの強さで30分間実施し、流出した土壌量を目視により観察し以下のように判定した。
○: ほとんど流出が認められない。
△: 一部流出が認められる。
×: 全体的に流出が認められる。

表2より、水溶性高分子の含有量が多くなるほど土壌侵食防止剤の凍結融解安定性が向上し、土壌侵食防止効果は低下する傾向にあることがわかる。また、同じ水溶性高分子含有量では水性樹脂エマルジョンのトルエン不溶分が高いほど水性樹脂エマルジョンの凍結融解安定性が向上していることがわかる。
以上より、トルエン不溶分が60質量%以上である水性樹脂エマルジョンを含み、かつ水溶性高分子を1〜7質量%、好ましくは3〜5質量%含む土壌侵食防止剤として使用することによって、土壌侵食防止効果を損なうことなく凍結融解安定性を向上せしめることが実証された。
本発明の水性樹脂エマルジョンを含む土壌侵食防止剤は、土壌侵食防止効果を損なうことなく凍結融解安定性を向上せしめることから、寒冷地の冬季においても保管安定性に優れ、法面等工事に使用できる。

Claims (4)

  1. 水性樹脂エマルジョンと水溶性高分子とを含む土壌侵食防止剤であって、水性樹脂エマルジョンのトルエン不溶分が60質量%以上であり、かつ水溶性高分子の土壌侵食防止剤中の含量が1〜7質量%であり、
    前記水性樹脂エマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンである事を特徴とする土壌侵食防止剤。
  2. 水溶性高分子の土壌侵食防止剤中の含量が3〜5質量%である事を特徴とする、請求項1に記載の土壌侵食防止剤。
  3. 請求項1又は2に記載の土壌侵食防止剤を使用した緑化工法。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の土壌侵食防止剤を吹付資材1m当たり1〜10kg使用した吹付資材。
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