JP2865584B2 - 耐水性団粒構造緑化基盤の造成法 - Google Patents

耐水性団粒構造緑化基盤の造成法

Info

Publication number
JP2865584B2
JP2865584B2 JP7013816A JP1381695A JP2865584B2 JP 2865584 B2 JP2865584 B2 JP 2865584B2 JP 7013816 A JP7013816 A JP 7013816A JP 1381695 A JP1381695 A JP 1381695A JP 2865584 B2 JP2865584 B2 JP 2865584B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
base material
greening
component
greening base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7013816A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08209705A (ja
Inventor
則之 笹原
公保 倉貫
進三 開田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SAIKO KK
Original Assignee
SAIKO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SAIKO KK filed Critical SAIKO KK
Priority to JP7013816A priority Critical patent/JP2865584B2/ja
Publication of JPH08209705A publication Critical patent/JPH08209705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2865584B2 publication Critical patent/JP2865584B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緑化基盤の造成法に関
する。本発明は、より詳細には、粘土、シルトなどの固
体粒子を含む緑化基盤材を水と混合して得た泥状緑化基
材に、親水性部分と疎水性部分を含む両親媒性材料から
なる耐浸水性侵食防止剤を混合して一旦泥状化した基材
を、施工時に団粒剤(凝集剤)と混合し団粒反応させな
がら吹付けることにより、安定した生育基盤を造成す
る、緑化基盤の造成法に関する。
【0002】
【従来の技術】災害や開発工事などで発生する山腹の裸
地斜面や法面などの緑化困難地に対し緑化復元を目的と
して、植物の生育が可能な表土を再生するために植生基
材吹付工事がなされる。山腹裸地斜面や法面を降雨など
による侵食から保護し、景観を保持する目的で行われる
緑化のための植生基材吹付による生育基盤造成工事にお
いては、通常、客土、有機、肥料、侵食防止剤、植物種
子などを水と混合して流動性を持たせた泥土に、高分子
凝集剤や無機凝集剤を配合した水溶液を吹付けノズルに
て混合し、泥状化に使用した水を疎水しながら安定した
形で地山に吹付ける方法が広く実施されている。これら
の工法では造成した生育基盤の侵食を防止することを目
的として発芽や初期生育の旺盛な草本類を早期に密生さ
せる方法がとられている。然し植生条件の劣悪な岩盤や
硬質土法面などに対して施工された場合、一般に吹付け
により造成される生育基盤の厚さが3〜10cm程度であ
ることから、密生された草本類により基盤内の肥料成分
が早期に消費されてしまい、現地周辺植物の侵入による
植物の遷移が始まる前に1〜2年で衰退し、再び裸地化
する。
【0003】そのため、最近では施工当初から肥料成分
の少ない痩地でも成立することの出来る肥料木などの木
本類を施工当初から計画的に導入することが必要である
とされている。この木本類は従来用いていた草本類に較
べ発芽や初期生育が遅く、導入する植物の播種不適期に
施工した場合造成した生育基盤は一年以上植物に覆われ
ずに露出したままの状態が継続することがある。このよ
うに造成した生育基盤が長期間露出することから、緑化
基盤の耐侵食性を更に強化することが必要となってい
る。
【0004】この緑化基盤の侵食を防止するために、従
来、主にアスファルト乳剤などを基盤材と混合する方法
が用いられ、アスファルトの接着及び被膜効果により生
育基盤の侵食が防止されている。然しこのアスファルト
は数千種以上の化合物の集合体でそれらを個々に取り出
すことは困難とされているが、一般的にはパラフィン・
ナフテンなどの飽和物、芳香族分、レジン及びアスファ
ルテンなどの組成に分析されるもので何れも疎水性を呈
するものである。そのため緑化基盤の耐侵食性を向上さ
せることを目的として多量に混合すると緑化基盤自体に
撥水性(疎水性)を有するようになり降雨水等の吸水を
妨げるため緑化基盤は乾燥し、植物の生育を阻害する結
果となる。
【0005】生態系維持のため周辺植物の侵入を期待し
て、種子を混入しない自然植生誘導工法や、発芽や初期
生育の遅い木本植物を導入することを目的とした場合、
また河川やダム冠水法面などに造成される緑化基盤は、
長期間の降雨や浸水状態に耐えられると共に、侵入した
植物種子や緑化基盤中に混合された植物種子の発芽と生
育を阻害しない土壌構造でなくてはならない。また緑化
基盤へ吸水し脱水される雨水などは河川へ流出するため
緑化基盤から有害な物質が発生することは許容されな
い。
【0006】従来の侵食防止剤を用いた緑化基盤では、
長期間の浸水や降雨に合うとふやけた状態となり、耐侵
食性が極端に劣化するという問題があった。また従来の
緑化基盤の侵食防止剤は植物の生育に何等かの悪影響を
与えるものが多かった。従って、緑化基盤に十分な耐水
性を与えると共に、植物の生育に悪影響がなく、環境に
も安全な耐水性を有する緑化基盤の造成法が強く望まれ
ている。
【0007】土壌団粒には、耕作などにより人為的に造
成されるものから自然の営みにより長年に亘り造成され
る森林褐色土壌にみられるような形態のものまで広い範
囲の態のものがある。耕作地にあっては一般に作物の収
穫の周期に合わせ、その都度耕運されることから、造成
される団粒の長期安定は必ずしも必要ないが、本発明が
目的とする災害や開発行為などにより発生する裸地や法
面へ造成する生育基盤にあっては、施工時に造成された
ままの状態で一切管理されず放置されているのが現状で
ある。従って植物の生育に必要な水分や養分と空気を植
物の根に間断なく供給することの出来る生育基盤の構造
即ち土壌団粒を長期間維持することが必要である。
【0008】自然界で急峻な山腹斜面へ堆積している表
土をみると岩や硬質土の上層へ薄い層で堆積しているに
もかかわらず、侵食や崩落することなく安定して付着し
ている。これはそこに成立する植物の根が表土の安定に
大きく寄与していることは間違いないが降雨水などによ
り侵食される土壌微細粒子即ち粘土の侵食防止にはあま
り寄与しているものとは考えられない。この粘土粒子の
侵食を防止しているのはそこに生存している植物や小動
物などの死骸により生成される有機や腐殖と粘土粒子が
降雨水などを媒介として絡み合って出来る団粒構造が寄
与しているものと考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この自然界で永い年月
を費やして行われている仕組みを忠実に再現した、植物
の生育に適した生育基盤を造成するための工法が、我々
の出願に係る特公昭第64−2734号及び特公平第2
−26932号公報に記載されている。この先願発明の
方法では、自然界での小動物の死骸や有機物などで生じ
る高凝集作用を、高凝集能を有するアニオン性の高分子
凝集剤の作用で置き換えている。あらかじめ用意した粘
性土壌と有機堆肥とを水と混合して得た泥状の生育基盤
材と凝集剤を施工時に夫々別々のポンプで圧送し、ノズ
ルの先きで特殊な方法で混合し、団粒反応させながら吹
付けることによって、団粒構造が形成された生育基盤を
造成する。この先願発明の方法は現在広く施工されてい
る工法であるが、前記の通り長期間の降雨や浸水に合う
とふやけた状態となり、耐侵食性は劣化する。
【0010】そこで、再度自然界に堆積する表土の素性
及び形成の仕組みについて熟視、研究した結果、小動物
の死骸には多少の油脂成分即ち疎水的要素が残存して居
り、これが粘土粒子に吸着し適度の疎水性を有した態で
腐殖即ち線状有機高分子との絡み合いにより団粒化して
いることに着目した。土壌団粒の崩壊は外部からの機械
的な衝撃による場合と土壌自体の乾湿による豊潤収縮の
繰返しによる場合とがあり、施工後長期間放置される斜
面や法面に造成された生育基盤の場合、後者の方が崩壊
する要因となることが多い。この土壌団粒の乾湿の度合
いを緩和しているのが粘土粒子に吸着した疎水的要素即
ち油脂成分であり、然も親水性と疎水性の両性質をバラ
ンスよく有する両親媒性材料であることを見出したので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の緑化基盤の造成
法は、緑化基盤が耐侵食性を有し、且つ、植物の生育を
促進するように、疎水性と親水性とをバランスよく有す
る両親媒性の耐浸水性侵食防止剤を使用することを特徴
とする。
【0012】本発明の方法は、粘土、シルトなどの固体
粒子を含む緑化基盤材料を水と混合して得た泥状緑化基
材に、上記の両親媒性材料からなる耐浸水性侵食防止剤
を攪拌混合した後、この泥状材をポンプで吐出口へと圧
送し、前記吐出口の先に取り付けられた攪拌筒内へアニ
オンタイプの高分子凝集剤水溶液を導入し、これら3者
を前記攪拌筒内にて混合攪拌せしめ、即座に前記泥状材
を団粒反応させつつ施工面に吹きつける工程を含む。前
記方法において、団粒構造の結持力を更に強固にする目
的で、高分子凝集剤水溶液の攪拌筒内への導入と同時
に、この攪拌筒内に空気を導入することが望ましい。
【0013】本発明の方法に使用する耐浸水性侵食防止
剤は、カルボキシル基1個当り炭素数6〜24の脂肪酸
である疎水性成分(A)、および、カルボキシル基1個
当り炭素数6〜24の脂肪酸のアルカリ金属塩、アミン
塩もしくはアンモニウム塩である親水性成分(B)から
なり、成分(A)および成分(B)のカルボキシル当量
比は20/80〜80/20である両親媒性材料であ
る。更に好ましくは、親水性成分(B)はカルボキシル
基1個当り炭素数6〜24の脂肪酸のアルカノールアミ
ン塩またはアンモニウム塩である。
【0014】本発明の方法に使用する侵食防止剤の疎水
性成分(A)としては、炭素数6〜24の1価脂肪酸お
よびカルボキシル基1個当り炭素数6〜24の重合脂肪
酸が挙げられ、これらの具体例としては天然の1価高級
脂肪酸(たとえば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸な
どの飽和脂肪酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン
酸、オレイン酸、バクセン酸、エルカ酸、リノール酸、
ヒラゴン酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸、大豆油脂
肪酸、トール油脂肪酸、パーム脂肪酸、椰子油脂肪酸な
どの天然油脂を処理して得られる脂肪酸混合物、ヒマシ
油脂肪酸などのヒドロキシル基含有脂肪酸)並びに重合
脂肪酸(たとえば、オレイン酸、リノール酸のようなC
18の不飽和脂肪酸、乾性油脂肪酸または半乾性油脂肪酸
およびこれら各脂肪酸の低級モノアルコールエステルを
二分子重合させたものを主成分とするダイマー酸)が挙
げられる。これらのうち好ましいものは、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレイン酸、ダイマー酸および椰子
油脂肪酸、パーム脂肪酸、牛脂肪酸などのカルボキシル
基1個当りC12〜C24の脂肪酸もしくは脂肪酸混合物で
ある。親水性成分(B)における脂肪酸も上記の疎水性
成分(A)として例示したものと同様のものが挙げら
れ、好ましいものも同様である。
【0015】本発明の方法に使用する侵食防止剤の親水
性成分(B)において、アルカリ金属としてはナトリウ
ム、カリウム、リチウムなどが;アミンとしてはモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノーア
ミンなどのアルカノールアミン、アルキル(C1〜C
4)アミンが挙げられる。成分(B)はアルカノールア
ミン塩およびアンモニウム塩が好ましい。
【0016】本発明に使用する耐浸水性侵食防止剤の製
法を例示すると、成分(A)と成分(B)を混合しても
良いし、成分(A)をアルカリ金属化合物、アミン、ア
ンモニア水溶液などを用いて部分中和して一部を成分
(B)としてもよい。混合する方法では成分(B)は成
分(A)と同一の脂肪酸の塩を使用して混合してもよい
し、異種の脂肪酸の塩を使用して成分(A)と混合して
もよい。成分(A)と成分(B)のカルボキシル当量比
(A)/(B)は、通常20/80〜80/20、好ま
しくは30/70〜60/40である。
【0017】耐浸水性侵食防止剤としては成分(A)と
成分(B)を含有したものを直接使用してもよく、水、
不活性有機液体、乳化剤などを用いて水性懸濁液や水性
乳化液として使用してもよい。水性懸濁液や水性乳化液
を製造する方法としては特に限定されないが、例えば
成分(A)および成分(B)を予め配合槽や容器に投入
した後に、成分(A)が常温で液体である場合はそのま
ま、常温で固体である場合は加温して溶融させた後、撹
拌しながら乳化剤、水などを加えて懸濁液を製造する方
法;水、乳化剤などを予め配合槽や容器に投入してか
ら、成分(A)および成分(B)を撹拌しながら徐々に
加えて懸濁液を製造する方法が挙げられる。
【0018】本発明において、降雨や浸水から保護する
対象となる緑化基盤としては、岩盤や硬質土法面など緑
化困難地に対し、恒久的な緑化復元を目的として、施工
当初より発芽や初期生育の遅い肥料木などの木本類を計
画的に導入する場合や、周辺植物の侵入による自然植生
を誘導するために当初から種子を混入しない無種子客
土、また極度に耐浸水性の要求される年間平均150日
以上浸水するダム冠水法面や増水時に冠水する河川の堤
防に施工される緑化基盤などが挙げられる。
【0019】本発明の方法において、耐浸水性侵食防止
剤の緑化基盤内への添加量は、対象となる緑化基盤全材
料の種類や組成あるいは緑化基盤の施工場所により異な
り、とくに限定されないが、通常緑化基盤材の合計に対
して1〜100kg/m3 、好ましくは5〜50kg/m3
である。添加量が1kg/m3 未満では降雨や浸水により
緑化基盤が短期間で侵食を受けて問題であり、100kg
/m3 を超えても効果に別段それ以上の向上はなく不経
済である。
【0020】本発明の方法による緑化基盤造成工事は、
攪拌機付きの配合装置などにまず客土、堆肥、植物種
子、水などの緑化基盤材料を投入してから、耐水性侵食
防止剤を添加し、撹拌混合後、あらかじめ用意したアニ
オンタイプのポリアクリルアミド系高分子凝集剤水溶液
とを夫々別々のポンプで吹付ノズルまで圧送し、ノズル
内で混合しながら吹付け、崩壊地斜面や法面へ付着安定
させるものである。
【0021】
【作用】本発明の方法により施工された緑化基盤におい
ては、土粒子表面に付着する成分(A)及び成分(B)
が土粒子に疎水性と親水性をバランスよく付与するた
め、緑化基盤に適度な保水性、通水性を付与し、且つ降
雨や浸水に対して安定な基盤とする作用を有する。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。実施例中の部お
よび%は重量部および重量%である。
【0023】実施例1 パルミチン酸を部分中和し、全カルボキシル基に対して
0.3当量をナトリウム塩としたパルミチン酸のナトリ
ウム塩10部、水88部および乳化剤としてポリエチレ
ングリコール型非イオン界面活性剤2部を撹拌機付きの
ステンレス製配合槽において充分に撹拌配合して分散さ
せ、本発明に係る侵食防止剤を得た。このものについて
侵食防止性能の確認を行うため、埴壌土60部、樹皮堆
肥39部および植物性繊維1部から構成される植生基盤
材100部、クリーピングレッドフェスク種子0.01
部、ウィーピングラブグラス種子0.01部および水1
00部を混合して緑化基盤材を得た。この緑化基盤材
0.1m3 に対し、本発明に係る侵食防止剤5kgを添加
混合し、緑化基盤用の泥状基材を得た。更にアニオンタ
イプのポリアクリルアミド系高分子凝集剤0.01部と
水10部を混合溶解して得られた高分子凝集剤水溶液1
0kgを補助剤として泥状基材に加えて充分に撹拌混合を
行い、土粒子などを充分に団粒構造化させた緑化基盤を
得た。この中から0.05m3 を採取して10cmの厚み
の供試体を作成し、約7日間、天日にて乾燥させた。そ
の後供試体を隔日で水中に浸漬し、緑化基盤の浸水によ
る侵食状態や崩壊の有無と種子の発芽および生育状態を
調査した。その結果を表1に示す。
【0024】実施例2 パルミチン酸を部分中和し、全カルボキシル基に対して
0.6当量をジエタノールアミン塩としたパルミチン酸
のジエタノールアミン塩12部、水84部、乳化剤とし
てポリアクリル酸ナトリウム水溶液2部およびポリエチ
レングリコール型界面活性剤2部を撹拌機付きのステン
レス製配合槽において充分に撹拌混合し、本発明に係る
侵食防止剤を得た。これについて性能測定を行うため、
実施例1で用いた緑化基盤材0.1m3 に対し、本発明
に係る侵食防止剤0.5kgを添加混合し、泥状基材を得
た。更に実施例1で用いた高分子凝集剤水溶液を泥状基
材0.1m3 に対して10kg添加混合し、土粒子などを
充分に団粒構造化させた緑化基盤を得た。この中から
0.05m3 を採取して実施例1と同様に供試体を作成
し、性能測定を行った。その結果を表1に示す。
【0025】実施例3 オレイン酸50%とリノール酸50%を混合した不飽和
脂肪酸混合物を部分中和し、全カルボキシル基に対して
0.5当量をカリウム塩としたオレイン酸とリノール酸
混合物のカリウム塩25部、水72部、乳化剤としてポ
リエチレングリコール型界面活性剤1部およびポリアク
リル酸ナトリウム水溶液2部を撹拌機付きのステンレス
製配合槽において充分に撹拌混合し、本発明に係る侵食
防止剤を得た。これについて性能測定を行うため、実施
例1で用いた緑化基盤材0.1m 3 に対し、本発明に係
る侵食防止剤2.5kgを添加混合し、泥状基材を得た。
更に実施例1で用いた高分子凝集剤水溶液を泥状基材
0.1m3 に対して10kg添加混合し、土粒子などを充
分に団粒構造化させた緑化基盤を得た。この中から0.
05m3 を採取して実施例1と同様に供試体を作成し、
性能測定を行った。その結果を表1に示す。
【0026】実施例4 ラウリン酸、ミリスチン酸、カプリル酸などを含有する
椰子油脂肪酸を部分中和し、全カルボキシル基に対して
0.4当量をアンモニウム塩とした椰子油脂肪酸のアン
モニウム塩15部、水83部および乳化剤としてポリア
クリル酸ナトリウム水溶液2部を撹拌機付きのステンレ
ス製配合槽において充分に撹拌混合し、本発明に係る侵
食防止剤を得た。これについて性能測定を行うため、実
施例1で用いた緑化基盤材0.1m3 に対し、本発明に
係る侵食防止剤2.5kgを添加混合し、泥状基材を得
た。更に実施例1で用いた高分子凝集剤水溶液を泥状基
材0.1m3 に対して10kg添加混合し、土粒子などを
充分に団粒構造化させた緑化基盤を得た。この中から
0.05m3 を採取して実施例1と同様に供試体を作成
し、性能測定を行った。その結果を表1に示す。
【0027】実施例5 ステアリン酸、パルミチン酸などを含有する牛脂肪酸を
部分中和し、全カルボキシル基に対して0.7当量をト
リエタノールアミン塩とした牛脂肪酸のトリエタノール
アミン塩20部、水76部および乳化剤としてポリアク
リル酸ナトリウム水溶液4部を撹拌機付きのステンレス
製配合槽において充分に撹拌混合し、本発明に係る侵食
防止剤を得た。これについて性能測定を行うため、実施
例1で用いた緑化基盤材0.1m3 に対し、本発明に係
る侵食防止剤2.5kgを添加混合し、泥状基材を得た。
更に実施例1で用いた高分子凝集剤水溶液を泥状基材
0.1m3 に対して10kg添加混合し、土粒子などを充
分に団粒構造化させた緑化基盤を得た。この中から0.
05m3 を採取して実施例1と同様に供試体を作成し、
性能測定を行った。その結果を表1に示す。
【0028】比較例1 埴壌土60部、樹皮堆肥39部および植物性繊維1部か
らなる植生基盤材100部に対して、クリーピングレッ
ドフェスク種子0.01部、ウィーピングラブグラス種
子0.01部および水100部に、現在主に使用されて
いるアスファルト系侵食防止剤を耐侵食性をあげる目的
で通常の1.5倍、植生基盤材100部に対して0.0
5部を混合して緑化基盤用の泥状基材を得た。更にアニ
オンタイプのポリアクリルアミド系高分子凝集剤0.0
1部と水10部を混合溶解して得られた高分子凝集剤水
溶液10kgを補助剤として泥状基材に加えて充分に撹拌
混合を行い、土粒子などを充分に団粒構造化させた緑化
基盤を得た。この中から0.05m3 を採取して10cm
の厚みの供試体を作成し、約7日間、天日にて乾燥させ
た。その後供試体を隔日で水中に浸漬し、緑化基盤の浸
水による侵食状態や崩壊の有無と種子の発芽および生育
状態を調査した。その結果を表1に示す。
【0029】比較例2 特開平4−93419号公報明細書に記載されている実
施例に従い、SiO3濃度30%のケイ酸ゾル30部に
NaCl 1.2部を加えて混合、更に水および硫酸を
加えてpH6.5を呈する全量50部のケイ酸ゾル水分散
液とし、室温にて放置してゲル化させ、従来技術の侵食
防止剤を得た。これの性能を測定するために、埴壌土1
00部、クリーピングレッドフェスク種子0.01部お
よびウィーピングラブグラス種子0.01部を混合した
もの100部に対して従来技術の侵食防止剤50部を添
加混合し、0.1m3 の緑化基盤を得た。この中から
0.05m3 を採取して10cmの厚みの供試体を作成
し、約7日間、天日にて乾燥させた。その後供試体を隔
日で水中に浸漬し、緑化基盤の浸水による侵食状態や崩
壊の有無と種子の発芽および生育状態を調査した。その
結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の耐水性団粒構造を形成した緑化
基盤の造成法は以下の効果を奏する。 (1)脂肪酸、脂肪酸塩を成分とする前記耐浸水性侵食
防止剤を、泥状化した緑化基材に混合してから凝集剤水
溶液と混合し、団粒化することにより泥状基材に含まれ
る土粒子の帯電を不安定化させるため、泥状基材の団粒
化を促進する。 (2)脂肪酸特有の疎水性を利用した前記耐浸水性侵食
防止剤で、被膜した土粒子を団粒化することで長時間の
降雨や浸水による粘土粒子の豊潤が抑止され、緑化基盤
の豊軟化による耐侵食性の劣化が防止される。 (3)植物の生育を促進する。本発明に使用する緑化基
盤の耐浸水性侵食防止剤は脂肪酸と脂肪酸塩を成分とす
るものであるため、緑化基盤に疎水性と親水性をバラン
スよく付与し、緑化基盤の保水性および通水性の相矛盾
した機能が保たれるため、緑化基盤中の植物種子の発
芽、生育を促進する。 (4)安全性が高い。本発明に使用する緑化基盤の耐浸
水性侵食防止剤は脂肪酸からなるものであるため生分解
性に優れ、安全性が高い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E02D 17/20 102 E02D 17/20 102F // C09K 101:00 105:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 1/00 303 C09K 17/14 C09K 17/22 C09K 17/42 C09K 17/48 E02D 17/20 102

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混練タンク内で粘土、シルトなどの固体
    粒子を含む緑化基盤材と水とを混合して得た泥状緑化基
    材に、耐浸水性侵食防止剤を混合攪拌した後、前記泥状
    基材をポンプで吐出口へと圧送し、前記吐出口の先に取
    り付けられた攪拌筒内へアニオンタイプのポリアクリル
    アミド系高分子凝集剤水溶液を導入し、これら3者を前
    記攪拌筒内にて混合攪拌せしめ即座に前記泥状基材を団
    粒反応させつつ施工面へ吹付ける工程を含む緑化基盤の
    造成法であって、 前記耐浸水性侵食防止剤は、カルボキシル基1個当たり
    炭素数6〜24の脂肪酸である疎水性成分(A)、およ
    び、カルボキシル基1個当たり炭素数6〜24の脂肪酸
    のアルカリ金属塩、アミン塩もしくはアンモニウム塩で
    ある親水性成分(B)からなり、成分(A)および成分
    (B)のカルボキシル当量比は20/80〜80/20
    である両親媒性材料である、方法。
  2. 【請求項2】 親水性成分(B)はカルボキシル基1個
    当たり炭素数6〜24の脂肪酸のアルカノールアミン塩
    またはアンモニウム塩である、請求項記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子凝集剤水溶液の前記攪拌筒内
    への導入が空気とともになされる、請求項1記載の方
    法。
JP7013816A 1995-01-31 1995-01-31 耐水性団粒構造緑化基盤の造成法 Expired - Fee Related JP2865584B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7013816A JP2865584B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 耐水性団粒構造緑化基盤の造成法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7013816A JP2865584B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 耐水性団粒構造緑化基盤の造成法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08209705A JPH08209705A (ja) 1996-08-13
JP2865584B2 true JP2865584B2 (ja) 1999-03-08

Family

ID=11843811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7013816A Expired - Fee Related JP2865584B2 (ja) 1995-01-31 1995-01-31 耐水性団粒構造緑化基盤の造成法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2865584B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3477269B2 (ja) * 1995-02-02 2003-12-10 株式会社 彩光 緑化基盤の耐浸水性侵食防止剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08209705A (ja) 1996-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5866617B2 (ja) 疎水性表面の水輸送特性を改善する方法
Wallace et al. Control of soil erosion by polymeric soil conditioners
KR20180055121A (ko) 식생녹화용 기반재 및 그를 이용한 경사면 녹화방법
US4243563A (en) Calcium polysulfide soil stabilization method and compositions
US20150299975A1 (en) Prevention of topsoil erosion with hydrogels
CN110129071A (zh) 一种适用于崩岗侵蚀防治的木质素固沙剂
De Boodt Use of soil conditioners around the world
JP2865584B2 (ja) 耐水性団粒構造緑化基盤の造成法
BR112016021837B1 (pt) Composição aquosa concentrada, e, método para umidificação de solos
JP2002013146A (ja) 法面安定化工法
US5393312A (en) Agent for prevention of salt damage of plants and a method of preventing salt damage of plants using the same
AU2007205288B2 (en) Inorganic, static electric binder composition, use thereof and method for the preparation of said binder composition
KR101606545B1 (ko) 경사면 녹화공법
KR100491497B1 (ko) 후리졸녹산토녹화공법
JP3491176B2 (ja) 土壌安定化用組成物
JPH07327484A (ja) 緑化用資材
US20090028650A1 (en) Composition and method for increasing resistance to erosion
Gabriels Applications of soil conditioners for agriculture and engineering
TW413700B (en) Method of establishing a vegetation base comprising a water-resistant aggregated structure, and a waterproof, anti-erosion agent
RU2816454C1 (ru) Полимер-структурообразователь для предотвращения опасных проявлений водно-эрозионных процессов и восстановления почвенно-растительного покрова техногенно-нарушенных участков
JP3477269B2 (ja) 緑化基盤の耐浸水性侵食防止剤
CN107686426A (zh) 一种沙漠化土壤生物改良材料及应用方法
CN1766237A (zh) 硅酸钠水溶液作为固沙剂的用途及其固沙方法
JP2776950B2 (ja) 地表面の安定化工法
KR100198981B1 (ko) 식생 정착을 위한 단기 식물 생육보조재 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees