JP6690673B2 - 電気光学装置用基板、電気光学装置、電子機器、個別基板の製造方法 - Google Patents

電気光学装置用基板、電気光学装置、電子機器、個別基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気光学装置用基板、電気光学装置、電子機器、個別基板の製造方法に関する。
電気光学装置として、複数の画素ごとに、画素電極と、スイッチング素子としてのトランジスターとを備えたアクティブ駆動型の液晶装置が知られている。このような液晶装置において、複数の画素が配置された表示領域を囲む周辺領域に、画素を駆動するための周辺回路が設けられている例も示されている。周辺回路にもトランジスターが含まれており、液晶装置の製造工程において生ずる静電気によって、これらのトランジスターが損傷する不具合を低減するための工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、薄膜トランジスター(TFT)を有するTFTアレイ基板と対向基板との間に液晶を充填する液晶表示装置の製造方法であって、TFTアレイ基板は、一つの基板に複数形成されたTFTアレイ回路を分離することにより形成され、該一つの基板には、TFTアレイ回路を包囲するショートリングと、TFTアレイ回路の外周に形成されたシャント配線とが形成され、ショートリングとシャント配線とのうち少なくともいずれかに、他方に向けて突出する配線部(放電用突起)を形成することが開示されている。
上記特許文献1によれば、一つの基板の製造における取り扱いにおいて静電気が生じ、シャント配線に接続された走査線や信号線にサージが起こったとしても、サージをシャント配線から上記配線部(放電突起)を介してショートリングに逃がすことができるとしている。すなわち、TFTアレイ基板の製造工程で、TFTアレイ回路を静電気から保護できるとしている。
また、例えば、特許文献2には、マザー基板の複数の回路基板ごとに、回路部と、回路部に対応してリアクタンス素子と、を形成する第1工程と、回路部と隣り合う他の回路部とをリアクタンス素子を介して電気的に接続する配線を形成する第2工程と、マザー基板から回路基板を分割する第3工程と、を有し、第3工程において、回路部とリアクタンス素子との間に形成された配線を切断する、回路基板の製造方法が開示されている。
上記特許文献2によれば、回路基板の製造において、回路部に蓄積した静電気を第2工程で形成したリアクタンス素子と配線とに逃がして拡散させることができるので、回路部に蓄積した静電気が他の回路部に放電されて他の回路部が静電破壊されることを防止できるとしている。また、リアクタンス素子は、抵抗配線のように抵抗値を最適化しなくても、回路部に溜まった静電気を逃がすことができるとしている。
特開2003−248235号公報 特開2014−186085号公報
上記特許文献1では、シャント配線に繋がる配線を切断してTFTアレイ回路を一つの基板から取り出し、上記特許文献2では、回路部にリアクタンス素子を介して電気的に接続された配線を切断して、マザー基板から回路部を取り出す。切断は、TFTアレイ回路あるいは回路部の4辺に沿って行われることから、1辺に沿って切断したときに静電気が生ずると、当該辺に沿って配列した配線から静電気が内部に侵入して、TFTアレイ回路あるいは回路部に含まれるトランジスターなどの素子や当該素子に接続された配線が、静電破壊されるおそれがあるという課題があった。
本願の電気光学装置用基板は、第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の個別基板を有する電気光学装置用基板であって、個別基板は、内部回路と、個別基板の第1の辺に配置された第1の接続端子とを有し、第1の接続端子は、一端側が第1の辺に沿って延在する第1の共通配線に第1の静電保護回路を介して電気的に接続され、他端側が第1の接続配線を介して内部回路に電気的に接続され、第1の接続配線は、第1の辺に交差する第2の辺に沿って延在する第2の共通配線と第2の静電保護回路を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
上記の電気光学装置等基板において、個別基板は、個別基板の第2の辺に配置された第2の接続端子を有し、第2の接続端子は、一端側が第2の辺に沿って延在する第2の共通配線に第3の静電保護回路を介して電気的に接続され、他端側が第2の接続配線を介して内部回路に電気的に接続され、第2の接続配線は、第2の辺に交差する第3の辺に沿って延在する第3の共通配線と第4の静電保護回路を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
上記の電気光学装置用基板において、第1の接続端子は、外部回路との接続を図るための外部接続用端子であって、第2の接続端子は、内部回路を検査するための検査用端子であることを特徴とする。
上記の電気光学装置用基板において、第1の共通配線と第2の共通配線とは電気的に接続されていることが好ましい。
上記の電気光学装置用基板において、第1の共通配線と第2の共通配線と第3の共通配線とは電気的に接続されていることが好ましい。
上記の電気光学装置用基板において、第1の静電保護回路、第2の静電保護回路、第3の静電保護回路、第4の静電保護回路のうちの少なくとも1つは、抵抗素子であり、抵抗素子の抵抗値は、第1の接続配線または第2の接続配線の抵抗値よりも大きいことが好ましい。
上記の電気光学装置用基板において、抵抗素子は、基材上において、内部回路に含まれるトランジスターの半導体層と同じ材料を用いて同層に形成されていることを特徴とする。
上記の電気光学装置用基板において、第1の共通配線、第2の共通配線、第3の共通配線は、基材上において、内部回路に含まれるトランジスターのゲート電極と同じ材料を用いて同層に形成されていることを特徴とする。
本願の個別基板は、基材上に設けられた、内部回路と、基材の第1の辺に配置された第1の接続端子と、内部回路と第1の接続端子とを電気的に接続させる第1の接続配線と、第1の接続端子と第1の辺との間に配置され、一端側が第1の接続端子に電気的に接続され、他端側が第1の辺で切断された第1の静電保護回路と、第1の辺に交差する第2の辺に配置され、一端側が第1の接続配線に電気的に接続され、他端側が第2の辺で切断された第2の静電保護回路と、を備えたことを特徴とする。
本願の電気光学装置は、上記の電気光学装置用基板から取り出された個別基板と、対向基板と、個別基板と対向基板との間に配置された電気光学素子と、を備えたことを特徴とする。
本願の他の電気光学装置は、上記の個別基板と、対向基板と、個別基板と対向基板との間に配置された電気光学素子と、を備えたことを特徴とする。
本願の電子機器は、上記の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本願の電気光学装置用基板の製造方法は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の個別基板を有する電気光学装置用基板の製造方法であって、個別基板は、内部回路と、個別基板の第1の辺に配置された複数の第1の接続端子とを有し、複数の第1の接続端子のそれぞれは、一端側が第1の辺に沿って延在する第1の共通配線に第1の静電保護回路を介して電気的に接続され、他端側が第1の接続配線を介して内部回路に電気的に接続され、第1の接続配線は、第1の辺に交差する第2の辺に沿って延在する第2の共通配線と第2の静電保護回路を介して電気的に接続され、第1の静電保護回路を第2の方向に沿って切断すると共に、第2の静電保護回路を第1の方向に沿って切断して、個別基板を取り出すことを特徴とする。

第1実施形態の液晶装置の構成を示す概略平面図。 図1のH−H’線に沿った第1実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図。 第1実施形態の液晶装置の電気的な構成を示す回路ブロック図。 第1実施形態の液晶装置の画素の等価回路図。 電気光学装置用基板としてのマザー基板を示す概略平面図。 マザー基板における共通配線の電気的な配置を示す概略平面図。 外部接続用端子とガードラインとの電気的な接続を示す回路図。 電源電位VDDに係る外部接続用端子とガードラインとの電気的な接続構造を示す概略断面図。 転送方向制御信号DIRYに係る外部接続用端子とガードラインとの電気的な接続構造を示す概略断面図。 検査用端子とガードラインとの電気的な接続を示す回路図。 検査用端子とガードラインとの電気的な接続構造を示す概略断面図。 第2実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、説明する部分が認識可能な程度の大きさとなるように、適宜拡大または縮小して表示している。
(第1実施形態)
<電気光学装置>
本実施形態の電気光学装置について、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投射型表示装置(プロジェクター)の光変調手段(ライトバルブ)として好適に用いることができる小型なディスプレイである。
まず、本実施形態の電気光学装置として液晶装置の基本的な構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は第1実施形態の液晶装置の構成を示す概略平面図、図2は図1のH−H’線に沿った第1実施形態の液晶装置の構造を示す概略断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置100は、対向配置された素子基板10及び対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された電気光学素子としての液晶層50とを有する。素子基板10の基材10s及び対向基板20の基材20sは、透明な例えば石英基板やガラス基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも一回り大きく、両基板は、額縁状に配置されたシール部40を介して接着され、その隙間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層50が構成されている。シール部40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール部40には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール部40の内側には、同じく額縁状に見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属化合物などからなり、見切り部21の内側が複数の画素Pを有する表示領域E0となっている。なお、表示領域E0は、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、図1では図示省略したが、表示領域E0において複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光部が設けられている。
本実施形態では、表示領域E0の縁から素子基板10の外縁までの周辺領域を次のように区分して呼ぶこととする。表示領域E0を囲むように見切り部21が設けられた領域を第1周辺領域E1とし、第1周辺領域E1よりも外側でシール部40が設けられた領域を第2周辺領域E2とし、第2周辺領域E2よりも外側であって素子基板10の外縁に至る領域を第3周辺領域E3とする。
対向基板20から外側にはみ出した素子基板10の一辺部には、複数の外部接続用端子104が配列している。複数の外部接続用端子104が配列した部分を端子部10aと呼ぶ。第1周辺領域E1において、素子基板10の端子部10aに沿ったシール部40と表示領域E0との間にデマルチプレクサ回路70が設けられている。また、端子部10aに対向する他の一辺部に沿ったシール部40と表示領域E0との間に検査回路130が設けられている。さらに、端子部10aと直交し互いに対向する他の二辺部に沿ったシール部40と表示領域E0との間に走査線駆動回路102が設けられている。デマルチプレクサ回路70、走査線駆動回路102、検査回路130を総称して周辺回路と呼ぶ。
第3周辺領域E3において、これらデマルチプレクサ回路70、走査線駆動回路102に繋がる接続配線107は、端子部10aに配列した複数の外部接続用端子104に接続されている。また、検査回路130に繋がる接続配線108は、端子部10aと直交し互いに対向する他の二辺部に配列した検査用端子103に接続されている。複数の外部接続用端子104は、本発明における第1の接続端子の一例であり、複数の検査用端子103は、本発明における第2の接続端子の一例である。複数の外部接続用端子104とこれに繋がる接続配線107、複数の検査用端子103とこれに繋がる接続配線108などの詳しい構成については後述する。
なお、本発明における内部回路は、デマルチプレクサ回路70、走査線駆動回路102、検査回路130を含む周辺回路と、この周辺回路に接続された接続配線とを含むものである。また、複数の検査用端子103は、内部回路のうち、デマルチプレクサ回路70及び走査線駆動回路102の検査に係る検査用の入力信号を入力するための入力端子と、検査用の出力信号を出力するための出力端子とを含んでいる。複数の検査用端子103の詳しい構成については後述する。
以降、端子部10aに沿った方向をX方向とし、端子部10aと直交し互いに対向する他の二辺部に沿った方向をY方向として説明する。また、X方向及びY方向により規定される平面と直交する方向をZ方向とする。さらに、Z方向に沿って対向基板20側から見ることを平面的あるいは平面視とする。以降の図におけるX方向、Y方向、Z方向は、図1および図2のX方向、Y方向、Z方向とそれぞれ一致した方向であるとする。X方向が本発明の第1の方向の一例であり、Y方向が本発明の第2の方向の一例である。
図2に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極15及びスイッチング素子である薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以降、TFTと呼称する)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。素子基板10は、本発明における個別基板の一例であって、基材10sと、基材10s上に設けられた、画素電極15、TFT30、信号配線、配向膜18などを含むものである。
対向基板20の液晶層50側の表面には、見切り部21と、これを覆うように成膜された平坦化層22と、平坦化層22を覆うように設けられた共通電極23と、共通電極23を覆う配向膜24とが設けられている。対向基板20は、基材20sと、基材20s上に設けられた、見切り部21、平坦化層22、共通電極23、配向膜24などを含むものである。
見切り部21は、図1に示すように平面的にデマルチプレクサ回路70、走査線駆動回路102、検査回路130と重なる位置において額縁状に設けられている。これにより、見切り部21は、対向基板20側から入射する光を遮蔽して、これらの駆動回路を含む周辺回路の光による誤動作を防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域E0に入射しないように遮蔽して、表示領域E0の表示における高いコントラストを確保している。
平坦化層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような平坦化層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
共通電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電膜からなり、平坦化層22を覆うように設けられている。共通電極23は、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106と、素子基板10側の接続配線107とを介して外部接続用端子104に電気的に接続している。
画素電極15を覆う配向膜18及び共通電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。例えば、正の誘電異方性を有する液晶分子を略水平配向させる配向処置が施された例えばポリイミドなどの有機配向膜や、負の誘電異方性を有する液晶分子を略垂直配向させる、気相成長法を用いて成膜されたSiOx(酸化シリコン)などの無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は透過型であって、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最大となるノーマリーホワイトモードや、電圧無印加状態で画素Pの透過率が最小となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。素子基板10と対向基板20とを含む液晶パネル110の光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。なお、本実施形態ではノーマリーブラックモードが採用されている。
次に、本実施形態に係る液晶装置100の電気的な構成について、図3及び図4を参照して説明する。図3は第1実施形態の液晶装置の電気的な構成を示す回路ブロック図、図4は第1実施形態の液晶装置の画素の等価回路図である。
図3に示すように、液晶装置100は、素子基板10に、デマルチプレクサ回路70、走査線駆動回路102及び検査回路130を備えている。素子基板10の複数の外部接続用端子104のうち画像信号端子104vに外部回路としての画像信号供給回路400が電気的に接続されている。
素子基板10の表示領域E0には、例えば、1088本の走査線3が行方向(すなわち、X方向)に延在するように設けられている。また、8本ごとにグループ化された1984(=248×8)本のデータ線6が、列方向(すなわち、Y方向)に延在するように設けられている。走査線3とデータ線6とは互いに電気的な絶縁を保つように、設けられている。なお、走査線3の本数は1088本に限定されるものではなく、データ線6の本数もまた1984本に限定されるものではない。1グループを構成するデータ線6の数は、本実施形態では「8」としたが、「2」以上であればよく、例えば「10」としてもよい。
画素Pは、1088本の走査線3と1984本のデータ線6との交差に対応して、それぞれ配列されている。したがって、本実施形態では、画素Pは、縦1088行×横1984列で、所定の画素ピッチでマトリックス状に配列されている。
図4に示すように、画素Pは、画素スイッチング用のTFT30と、画素電極15と、蓄積容量16とを備える。
TFT30は、ソースがデータ線6に電気的に接続され、ゲートが走査線3に電気的に接続され、ドレインが画素電極15に電気的に接続されている。蓄積容量16は、TFT30のドレインと容量線7との間に接続されている。TFT30は、走査線駆動回路102から供給される走査信号によってオンオフ(ON−OFF)が切り換えられる。
画素Pにおいて、データ線6及び画素電極15を介して液晶層50(図2参照)に書き込まれた所定レベルの画像信号は、共通電極23との間で一定期間保持される。液晶層50は、印加される電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置100からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出される。
蓄積容量16は、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極15と共通電極23との間に形成される液晶容量と並列に付加されている。
以上のような画素Pが、表示領域E0にマトリックス状に配列され、アクティブマトリックス駆動が可能となっている。
図3に戻り、本実施形態では、1グループを構成する8本のデータ線6を区別するために、右から順にそれぞれa、b、c、d、e、f、g、h系列と呼ぶ場合がある。詳細には、a系列とは1、9、17、・・・、1977列目のデータ線6であり、b系列とは2、10、18、・・・、1978列目のデータ線6であり、c系列とは3、11、19、・・・、1979列目のデータ線6であり、d系列とは4、12、20、・・・、1980列目のデータ線6であり、e系列とは5、13、21、・・・、1981列目のデータ線6であり、f系列とは6、14、22、・・・、1982列目のデータ線6であり、g系列とは7、15、23、・・・、1983列目のデータ線6であり、h系列とは8、16、24、・・・、1984列目のデータ線6である。
走査線駆動回路102は、シフトレジスターを有しており、1、2、3、・・・、1088行目の走査線3に、走査信号G1、G2、G3、・・・、G1088を供給する。詳細には、走査線駆動回路102は、1フレームの期間にわたって1、2、3、・・・、1088行目の走査線3を順番に選択するとともに、選択された走査線3への走査信号を選択電圧に相当するHレベルとし、それ以外の走査線3への走査信号を非選択電圧に相当するLレベルとする。
画像信号供給回路400は、素子基板10とは別体構成であり、表示動作の際には、画像信号端子104vを介して素子基板10と接続される。画像信号供給回路400は、走査線駆動回路102によって選択された走査線3と、各グループに属する8本のデータ線6のうち、デマルチプレクサ回路70によって選ばれるデータ線6とに対応する画素電極15に対し、当該画素電極15が含まれる画素Pの階調に応じた電圧の画像信号を出力する。画像信号供給回路400から画像信号端子104vに供給された画像信号は、接続配線107(図1参照)に含まれる画像信号線300を介してデマルチプレクサ回路70へ供給される。
一方、検査時においては、画像信号端子104vには、画像信号供給回路400の代わりに、検査用画像信号供給回路(不図示)が接続されて、検査動作に合わせた検査用の画像信号が供給される。
なお、本実施形態では、上述したように、データ線6の本数は「1984」であり、これらが8本ごとにグループ化されているので、画像信号端子104vの個数は「248」である。
デマルチプレクサ回路70は、データ線6ごとに設けられたトランジスター71を含んで構成されている。トランジスター71は、例えばnチャネル型であり、各ドレインはデータ線6の一端に電気的に接続されている。同一グループに属するデータ線6に対応する8個のトランジスター71のソースは、当該グループに対応する画像信号線300と電気的に共通接続されている。
すなわち、m番目(但し、mは、1以上248以下の整数であって、図3では右側から数える)のデータ線6のグループは、a系列の(8m−7)列目、b系列の(8m−6)列目、c系列の(8m−5)列目、d系列の(8m−4)列目、e系列の(8m−3)列目、f系列の(8m−2)列目、g系列の(8m−1)列目及びh系列の(8m)列目のデータ線6から構成される。したがって、これら8系列のデータ線6のグループに対応するトランジスター71のソースは電気的に共通接続されて、画像信号VID(m)が供給される。(8m−7)列目のデータ線6に対応するトランジスター71のゲートには、接続配線107(図1参照)に含まれる制御信号線700を介して制御信号SEL1が供給される。同様に(8m−6)列目、(8m−5)列目、(8m−4)列目、(8m−3)列目、(8m−2)列目、(8m−1)列目及び(8m)列目のデータ線6に対応するトランジスター71のゲートには、制御信号線700を介して制御信号SEL2〜SEL8が供給される。制御信号SEL1〜SEL8は、図示しない外部回路としてのタイミング制御回路から外部接続用端子104のうち制御信号端子104sを介して制御信号線700に供給される。
図3に示すように、検査回路130は、制御回路132、及びデータ線6ごとに設けられたトランジスターであるTFT134を含んで構成されている。
制御回路132は、シフトレジスターを含んで構成されている。制御回路132には、検査時において、入力信号としての、検査回路130の開閉信号TX、転送開始パルスDX、クロック信号CLX、反転クロック信号CLXB、及び電源としての基準電位VSS、電源電位VDDが、外部に設けられた検査制御回路(図示省略)から検査用端子103(図1参照)のうち入力端子103i、及び接続配線108(図1参照)に含まれる検査用信号線810を介して供給される。制御回路132は、検査時において、転送開始パルスDXを、クロック信号CLX並びに反転クロック信号CLXBに従って順次シフトして、転送パルスX1、X2、・・・、X248を後述するTFT134の各グループに対応して出力する。本実施形態では、検査用端子103のうちの入力端子103iは、X方向において制御回路132の右側に設けられている。
TFT134は、例えばnチャネル型であり、各ソースは、データ線6の他端(すなわち、データ線6におけるデマルチプレクサ回路70が電気的に接続された一端とは反対側である他端)に電気的に接続されている。同一グループに属するデータ線6に対応する8個のTFT134のゲートは電気的に共通接続されており、制御回路132から当該グループに対応する転送パルスXmが供給される。
すなわち、m番目のグループを構成する(8m−7)列目、(8m−6)列目、(8m−5)列目、(8m−4)列目、(8m−3)列目、(8m−2)列目、(8m−1)列目及び(8m)列目のデータ線6に対応するTFT134のゲートには、制御回路132による転送パルスXmが共通に供給される。
1番目から248番目までのデータ線6のグループにおいて、a系列のデータ線6に対応するTFT134のドレインは、グループを構成するデータ線6の数と同じ本数である8本の検査用信号線820のうち、検査信号CX1として読み出す検査用信号線820に電気的に共通接続されている。同様に、各グループにおいて、b、c、d、e、f、g及びh系列のデータ線6に対応するTFT134のドレインは、8本の検査用信号線820のうち、検査信号CX2、CX3、CX4、CX5、CX6、CX7及びCX8として読み出す検査用信号線820に電気的に共通接続されている。検査用信号線820は、接続配線108(図1参照)に含まれ、検査用端子103(図1参照)のうち出力端子103oに電気的に接続されている。X方向において左側に設けられた8個の出力端子103oから検査信号CX1〜CX8を取り出すことができる構成となっている。出力端子103o及び検査用信号線820の数は、データ線6のグループ系列の数と同じである。
上述した検査回路130によって、検査時には、例えば、データ線6のグループごとに制御回路132から転送パルスX1、X2、・・・、X248を出力して、各グループに対応するTFT134をオン状態とすることで、予め所定電圧の検査用の画像信号が供給されたデータ線6の電位を、8本の検査用信号線820を介して出力端子103oに出力させる。そして、8本の検査用信号線820に電気的に接続された外部の判定手段によって8本の検査用信号線820が所定の電位であるか否かを判定することで、デマルチプレクサ回路70や各データ線6の機能における良否を判定する検査が行われる。なお、このような検査は、後述する電気光学装置用基板としてのマザー基板上において素子基板10における各種の構成要素が形成された状態で行われる。つまり、マザー基板から素子基板10を取り出す、すなわち液晶パネル110を取り出す前に検査を行うので、効率的に検査を行うことができる。
検査用端子103(図1参照)のうち検査用端子103yは、検査時において、走査線駆動回路102から出力される検査用の出力信号を、検査信号YEPとして読み出すための出力端子であり、接続配線108(図1参照)に含まれる検査用信号線880を介して走査線駆動回路102(より具体的には、走査線駆動回路102のシフトレジスターの最終段の出力線)と電気的に接続されている。検査時において、検査用端子103yをプローブすることで、走査線駆動回路102を検査することができる。検査信号YEPは、走査信号の走査方向に対応して、右側(R)の走査線駆動回路102のシフトレジスターの最終段の出力線から出力される検査信号YEPRと、左側(L)の走査線駆動回路102のシフトレジスターの最終段の出力線から出力される検査信号YEPLとが存在する。
ここで、上述のように構成された液晶装置100の動作について、図3を参照して説明する。
走査線駆動回路102は、ある1フレーム(第nフレーム)の期間にわたって走査信号G1、G2、・・・、G1088を1水平期間ごとに順次排他的にHレベル(即ち、選択電圧)とする。
ここで、1水平期間では、タイミング制御回路から供給される制御信号SEL1、SEL2、・・・、SEL8は、この順番で排他的にHレベルとなり、この供給に合わせて画像信号供給回路400は、画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248を供給する。
詳細には、画像信号供給回路400は、i行目の走査信号GiがHレベルとなる期間において、制御信号SEL1がHレベルとなったとき、i行目の走査線3とa系列のデータ線6との交差に対応する画素Pの階調に応じた電圧だけ共通電極電位LCCOMに対して高位または低位の画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248を、1、2、3、・・・、248番目のグループに対応させて一斉に出力する。この際、制御信号SEL1だけがHレベルであるので、a系列のデータ線6が選択される(すなわち、a系列のデータ線6に対応するトランジスター71だけがオンする)結果、画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248は、それぞれa系列(1、9、17、・・・、1977列目)のデータ線6に供給される。一方、走査信号GiがHレベルであると、i行目に位置する画素Pのすべてにおいて、画素スイッチング用のTFT30がオン(導通)状態となるので、a系列のデータ線6に供給された画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248は、それぞれi行1列、i行9列、i行17列、・・・、i行1977列の画素電極15に印加されることになる。
次に、画像信号供給回路400は、制御信号SEL2がHレベルとなったとき、今度はi行目の走査線3とb系列のデータ線6との交差に対応する画素Pの階調に応じた電圧の画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248を、1、2、3、・・・、248番目のグループに対応させて一斉に出力する。この際、制御信号SEL2だけがHレベルであるため、b系列のデータ線6が選択される結果、画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248は、それぞれb系列(2、10、18、・・・、1978列目)のデータ線6に供給されて、それぞれi行2列、i行10列、i行18列、・・・、i行1978列の画素電極15に印加されることになる。
同様に、画像信号供給回路400は、i行目の走査信号GiがHレベルとなる期間において、制御信号SEL3がHレベルとなったときには、i行目の走査線3とc系列のデータ線6との交差に対応する画素Pの階調に応じた電圧の画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248を、それぞれ1、2、3、・・・、248番目のグループに対応させて一斉に出力する。同様に、制御信号SEL4がHレベルとなったときには、i行目の走査線3とd系列のデータ線6との交差に対応する画素P、制御信号SEL5がHレベルとなったときには、i行目の走査線3とe系列のデータ線6との交差に対応する画素P、制御信号SEL6がHレベルとなったときには、i行目の走査線3とf系列のデータ線6との交差に対応する画素P、制御信号SEL7がHレベルとなったときには、i行目の走査線3とg系列のデータ線6との交差に対応する画素P、制御信号SEL8がHレベルとなったときには、i行目の走査線3とh系列のデータ線6との交差に対応する画素P、の階調に応じた電圧の画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248を、それぞれ1、2、3、・・・、248番目のグループに対応させて一斉に出力する。これにより、i行目の各画素Pの階調に応じた画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248が、c系列(3、11、19、・・・、1979列目)のデータ線6に供給されて、それぞれi行3列、i行11列、i行19列、・・・、i行1979列の画素電極15に印加される。同様にして、引き続き、d系列(4、12、20、・・・、1980列目)のデータ線6に画像信号が供給されて、それぞれi行4列、i行12列、i行20列、・・・、i行1980列の画素電極15に印加される。引き続き、e系列(5、13、21、・・・、1981列目)のデータ線6に画像信号が供給されて、それぞれi行5列、i行13列、i行21列、・・・、i行1981列の画素電極15に印加される。引き続き、f系列(6、14、22、・・・、1982列目)のデータ線6に画像信号が供給されて、それぞれi行6列、i行14列、i行22列、・・・、i行1982列の画素電極15に印加される。引き続き、g系列(7、15、23、・・・、1983列目)のデータ線6に画像信号が供給されて、それぞれi行7列、i行15列、i行23列、・・・、i行1983列の画素電極15に印加される。引き続き、h系列(8、16、24、・・・、1984列目)のデータ線6に画像信号が供給されて、それぞれi行8列、i行16列、i行24列、・・・、i行1984列の画素電極15に印加される。
これにより、i行目の画素Pに対して、階調に応じた画像信号の電圧を書き込む動作が完了する。なお、画素電極15に印加された電圧は、走査信号GiがLレベルになっても、液晶容量によって次の第(n+1)フレームの書き込みまで保持されることになる。
なお、複数の外部接続用端子104は、画像信号供給回路400から画像信号VID1、VID2、VID3、・・・、VID248が入力される画像信号端子104v、制御信号SEL1〜SEL8が入力される制御信号端子104sだけでなく、対向基板20の共通電極23に供給される共通電極電位LCCOMが入力される端子、基準電位VSSが入力される端子、電源電位VDDが入力される端子、転送方向制御信号DIRYが入力される端子などを含んでいる。共通電極電位LCCOMを除く他の入力信号は、各端子に接続された接続配線を経由して走査線駆動回路102に供給される。
<電気光学装置用基板>
次に、液晶パネル110を製造する際に用いられる電気光学装置用基板について図5を参照して説明する。図5は電気光学装置用基板としてのマザー基板を示す概略平面図である。
図5に示すように、電気光学装置用基板としてのマザー基板Wは、例えば、基材として透明な石英基板が用いられたものであって、ウェハー状となっている。液晶パネル110の素子基板10は、マザー基板Wを用いて製造される。素子基板10は、ウェハー状のマザー基板Wの一部を切り欠いたオリフラを基準として、マザー基板WにおいてX方向とY方向とに複数面付け(設計上レイアウト)されている。具体的には、マザー基板Wを用いて素子基板10の各構成を形成した後に、個々の素子基板10に対して対向基板20を対向配置し、素子基板10と対向基板20との間のシール部40で囲まれた領域に液晶を充填して、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。その後に、マザー基板Wを切断して個々の液晶パネル110を取り出す。
マザー基板Wにレイアウトされた素子基板10は、本発明における個別基板の一例である。本実施形態では、個別基板である素子基板10をチップ(Chip)と呼ぶ。マザー基板Wにおけるチップの平面的な位置に応じてチップ番号が与えられる。例えば、図5に示すように、図中の左上に位置する素子基板10を基準としてチップ番号「C11」を付与する。チップC11に対して、Y方向に隣り合う素子基板10はチップ番号が「C12」となり、チップC12と呼ばれる。チップC11に対して、X方向に隣り合う素子基板10はチップ番号が「C21」となり、チップC21と呼ばれる。チップC21に対して、Y方向に隣り合う素子基板10はチップ番号が「C22」となり、チップC22と呼ばれる。つまり、X方向とY方向とにマトリックス状に配置された素子基板10(チップ)は、X方向における列番号とY方向における行番号とによりチップ番号が与えられる。
マザー基板Wに面付けされた複数の素子基板10(チップ)の検査は、前述したように、素子基板10の第3周辺領域E3に設けられた検査用端子103を利用してチップごとに行うことができる。なお、複数のチップを1つの検査単位として、検査単位ごとに検査を行ってもよい。
これらの複数のチップ間において、X方向に延在する仮想のスクライブラインSLXと、Y方向に延在する仮想のスクライブラインSLYとが存在する。スクライブラインSLX,SLYに沿ってマザー基板Wを切断することにより、個々の素子基板10をマザー基板Wから取り出す。つまり、スクライブラインSLX,SLYは、組立後の液晶パネル110を取り出すことができる設計上の分割線である。スクライブラインSLX,SLYは、マザー基板Wに配置されていない仮想のラインであって、実際にはスクライブラインSLX,SLYの位置を特定可能なマーク類(図示省略)が個々の素子基板10に対応してマザー基板Wに形成されている。なお、マザー基板Wの切断方法としては、ダイシング法や、スジ入れスクライブ法、レーザースクライブ法などが挙げられる。本実施形態では、後述する共通配線を切断時に取り除くことからダイシング法を用いている。
<共通配線>
次に、複数の検査用端子103及び複数の外部接続用端子104が電気的に接続される共通配線について、図6を参照して説明する。図6はマザー基板における共通配線の電気的な配置を示す概略平面図である。本実施形態では、本発明の共通配線の一例をガードラインと呼ぶ。
図6に示すように、マザー基板Wには、例えば、X方向とY方向とに配置された4つの素子基板10、すなわちチップC11,C12,C21,C22をそれぞれ取り囲むように、共通配線としてのガードライン109が配置されている。ガードライン109はマザー基板Wに所謂格子状に配置されており、チップ間においてX方向に延在するガードライン109aと、同じくチップ間において、Y方向に延在するガードライン109bとを含んで構成されている。複数の外部接続用端子104と対峙してX方向に延在するガードライン109aと、複数の外部接続用端子104のそれぞれとが電気的に接続されている。また、チップ間においてY方向に延在するガードライン109bと複数の検査用端子103のそれぞれとが電気的に接続されている。X方向に延在するガードライン109aが本発明の第1の共通配線または第3の共通配線の一例であり、Y方向に延在するガードライン109bが本発明の第2の共通配線の一例である。ガードライン109aとガードライン109bとは電気的に接続されている。
ガードライン109は、検査用端子103及び外部接続用端子104に接続された接続配線やトランジスターなどが静電気によって損傷あるいは破壊されることを防ぐ目的で配置されたものである。静電気が検査用端子103や外部接続用端子104に入ったとしても、静電気はガードライン109側に逃げてゆく。ガードライン109は、図5に示したマザー基板W上において、平面視で基本的にスクライブラインSLX,SLYと重なるように配置されている。また、X方向に隣り合うチップの複数の検査用端子103は、Y方向に延在するガードライン109bを挟んで配置されている。つまり、スクライブラインSLX,SLYに沿ってマザー基板Wを切断すれば、ガードライン109が切断(ダイシング)されて、ガードライン109aと外部接続用端子104とが切り離される。同様に、ガードライン109bと検査用端子103とが切り離される。
なお、図6では、検査用端子103における入力端子103iと出力端子103oの数や外部接続用端子104の数を正確に記載していない。検査用端子103における出力端子103oの中に、走査線駆動回路102から検査信号YEPが出力される検査用端子103yが含まれる(図3参照)。
<接続端子及び接続配線と共通配線との電気的な接続>
次に、第1の接続端子としての複数の外部接続用端子104と、共通配線としてのガードライン109との電気的な接続について、図7〜図9を参照して、具体的に説明する。図7は外部接続用端子とガードラインとの電気的な接続を示す回路図、図8は電源電位VDDに係る外部接続用端子とガードラインとの電気的な接続構造を示す概略断面図、図9は転送方向制御信号DIRYに係る外部接続用端子とガードラインとの電気的な接続構造を示す概略断面図である。なお、図7はマザー基板WのチップC11における複数の外部接続用端子104のうちの一部と、ガードライン109との電気的な接続を例示するものである。
図7に示すように、チップC11(素子基板10)において、複数の外部接続用端子104は、チップC11の第1の辺に沿ってX方向に間隔を置いて配置されている。複数の外部接続用端子104のうち、X方向の左側に配列する例えば4つの外部接続用端子104には、左端側から、共通電極電位LCCOM、基準電位VSS、電源電位VDD、転送方向制御信号DIRYが入力される。
複数の外部接続用端子104のそれぞれには、接続配線830が接続されている。接続配線830は、図1に示した接続配線107に含まれるものである。具体的には、接続配線830は、外部接続用端子104(LCCOM)に接続された接続配線831と、外部接続用端子104(VSS)に接続された接続配線832と、外部接続用端子104(VDD)に接続された接続配線833と、外部接続用端子104(DIRY)に接続された接続配線834とを含んで構成されている。これらの接続配線831,832,833,834のそれぞれは、本発明の第1の接続配線の一例である。
第1の辺に配列した複数の外部接続用端子104のそれぞれと、第1の共通配線としてのガードライン109aとは第1の静電保護回路PE1を介して接続されている。
接続配線831は、図1に示したように上下導通部106に接続されている。接続配線832,833,834は、内部回路としての走査線駆動回路102に接続されている。
接続配線831の上下導通部106側は、接続配線841と第2の静電保護回路PE2とを介してY方向に延在する第2の共通配線としてのガードライン109bに接続されている。接続配線832の走査線駆動回路102側は、接続配線842と第2の静電保護回路PE2とを介してY方向に延在するガードライン109bに接続されている。同様に、接続配線833の走査線駆動回路102側は、接続配線843と第2の静電保護回路PE2とを介してY方向に延在するガードライン109bに接続されている。接続配線834の走査線駆動回路102側は、接続配線844と第2の静電保護回路PE2とを介してY方向に延在するガードライン109bに接続されている。これらの接続配線841,842,843,844を総称して接続配線840と呼ぶ。
つまり、第1の接続端子としての外部接続用端子104は、その一端側が第1の辺に沿って延在する第1の共通配線としてのガードライン109aに第1の静電保護回路PE1を介して電気的に接続され、その他端側が第1の接続配線としての接続配線830を介して内部回路としての走査線駆動回路102に電気的に接続され、接続配線830の走査線駆動回路102側は、第1の辺に交差する第2の辺に沿って延在する第2の共通配線としてのガードライン109bに接続配線840と第2の静電保護回路PE2を介して電気的に接続されている。
図7には、すべての複数の外部接続用端子104とガードライン109bとの電気的な接続を示してはいないが、第1の辺に配列した複数の外部接続用端子104のうちおよそ半分は、左側の第2の辺に沿って延在するガードライン109bに電気的に接続されている。残りの外部接続用端子104は、右側の第2の辺に沿って延在するガードライン109bに電気的に接続されている。
ガードライン109aは前述したように仮想のスクライブラインSLXに沿ってX方向に延在している。ガードライン109bは前述したように同じく仮想のスクライブラインSLYに沿ってY方向に延在している。マザー基板WをスクライブラインSLX,SLYに沿ってスクライブ(切断)する方法として、ダイシング法を用いた場合の、Y方向におけるダイシング幅d1とX方向におけるダイシング幅d2とを図7において二点鎖線で示す。ダイシング幅d1,d2は、例えば、100μmである。ガードライン109a,109bの幅は、静電気を逃がすことを考慮すると10μm以上であって、ダイシング幅d1,d2よりも小さい例えば30μmである。マザー基板Wに対してダイシングを施すことによって、ガードライン109a,109bが取り除かれると共に、第1の静電保護回路PE1の一部と、第2の静電保護回路PE2の一部が取り除かれる。これによって、複数の外部接続用端子104は、ガードライン109aから切り離される。接続配線840もガードライン109bから切り離される。
また、マザー基板Wをスクライブ(切断)して取り出されたチップC11(素子基板10)の第1の辺における端面には、第1の静電保護回路PE1の一部が露出し、チップC11(素子基板10)の第2の辺における端面には、第2の静電保護回路PE2の一部が露出することになる。言い換えれば、素子基板10の第1の辺側には、切断された第1の静電保護回路PE1が残り、第2の辺側には、切断された第2の静電保護回路PE2が残る。
次に、図8を参照して、電源電位VDDが入力される外部接続用端子104とガードライン109a,109bとの電気的な接続構造について説明する。なお、図7では当該接続構造を示す部分を破線で囲んでいる。
図8に示すように、基材10s上には、まず、第1絶縁膜11aが形成される。第1絶縁膜11aは、意図的に不純物が導入されていない、例えば酸化シリコン膜(None−doped Silicate Glass;NSG膜)や窒化シリコン膜(SixNy膜)を用いて形成される。第1絶縁膜11aの形成方法としては、モノシラン(SiH4)、2塩化シラン(SiCl22)、TEOS(テトラエトキシシラン)、アンモニアなどの処理ガスを用いた常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法などを挙げることができる。第1絶縁膜11aの膜厚は例えば200nmである。
なお、表示領域E0では、第1絶縁膜11a上に画素回路におけるTFT30の半導体層が形成される。また、第1周辺領域E1においても、第1絶縁膜11a上に周辺回路におけるトランジスターの半導体層が形成される。
本実施形態では、第3周辺領域E3において、上記の半導体層を構成する材料と同じ材料を用い、第1絶縁膜11a上に第1の静電保護回路PE1と第2の静電保護回路PE2とをそれぞれ形成する。具体的には、不純物イオンを注入することにより導電性を付与したポリシリコン膜をパターニングして、第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2として機能する抵抗素子を形成する。導電性のポリシリコン膜は、例えば、減圧CVD法で燐(P)がドープされたポリシリコン膜を堆積させた後に、燐拡散処理を行って形成されたものである。導電性のポリシリコン膜の膜厚は、例えば、50nm〜100nmである。なお、ポリシリコン膜にドープされる原子は燐(P)に限定されない。
このようにして形成される抵抗素子の平面的な形状は、ライン状であってもよいし、抵抗値を調整するためにライン状の一部に蛇行した部分を含んでいる形状としてもよい。第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2を構成する抵抗素子は、前述したように、スクライブされて、一部が素子基板10側に残る。スクライブ時に発生した静電気が残った第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2に侵入したとしても、残った抵抗素子によって消費されることが好ましく、抵抗素子の抵抗値は、接続配線830や接続配線840の抵抗値よりも大きい(言い換えれば、ライン幅が細く、膜厚が薄い)ほうがよい。接続配線830及び接続配線840の抵抗値は、例えば1kΩ以下であり、第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2を構成する抵抗素子の抵抗値は、例えば数百kΩから1MΩ(メグオーム)である。
次に、第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2を覆ってゲート絶縁膜11bが形成される。ゲート絶縁膜11bは、例えばシリコンの半導体膜を熱酸化して得られた第1酸化シリコン膜と、減圧CVD法を用い700℃から900℃の高温条件で形成された第2酸化シリコン膜との二層構造となっている。ゲート絶縁膜11bの膜厚は例えば75nmである。
次に、ゲート絶縁膜11b上にガードライン109a,109b(109)が形成される。ガードライン109は、上述した、TFT30及び周辺回路のトランジスターにおけるゲート電極と同じ材料であって、例えば、第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2を構成する抵抗素子と同様に、導電性のポリシリコン膜を用いて形成されている。この場合の導電性のポリシリコン膜の膜厚は例えば150nmである。マザー基板WにおいてX方向またはY方向に延在する1本あたりのガードライン109の抵抗値は、例えば100Ω程度である。
次に、ガードライン109を覆う第2絶縁膜11cが形成される。第2絶縁膜11cは、前述したNSG膜、あるいは燐(P)を含むPSG(Phospho Silicate Glass)膜、硼素を含むBSG(Boro Silicate Glass)膜、硼素(B)と燐(P)とが含まれるBPSG(Boro−phospho Silicate Glass)膜などのシリコン系酸化膜を用いて形成される。これらのシリコン系酸化膜の形成方法としては、モノシラン、2塩化シラン、TEOS、TEB(トリエチルボレート)、TMPO(トリメチルホスフェート)などを用いた常圧CVD法、減圧CVD法、あるいはプラズマCVD法などを挙げることができる。第2絶縁膜11cの膜厚は例えば300nmである。
次に、第2絶縁膜11cを貫通して、ガードライン109a,109bに至る複数の貫通孔や、第2絶縁膜11c及びゲート絶縁膜11bを貫通して第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2に至る複数の貫通孔が形成される。そして、これらの貫通孔の少なくとも内壁を被覆するように導電膜を成膜してパターニングすることにより、接続配線831,832、そして接続配線833を構成するところの配線833a,833bが形成される。また、接続配線843を構成するところの配線843b,843cが形成される。
また、上記導電膜をパターニングすることにより、ガードライン109aと配線833aとを接続させるコンタクトホール111a、配線833aと第1の静電保護回路PE1とを接続させるコンタクトホール111b、第1の静電保護回路PE1と配線833bとを接続させるコンタクトホール111cが形成される。また、配線843bと第2の静電保護回路PE2とを接続させるコンタクトホール111d、第2の静電保護回路PE2と配線843cとを接続させるコンタクトホール111e、配線843cとガードライン109bとを接続させるコンタクトホール111fが形成される。
このような導電膜としては、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。このような導電膜の厚みは例えば500nmである。
次に、配線831,832,833a,833b,843b,843cを覆う第3絶縁膜12が形成される。第3絶縁膜12もまた、前述したNSG膜、あるいは燐(P)を含むPSG膜、硼素を含むBSG膜、硼素(B)と燐(P)とが含まれるBPSG膜などのシリコン系酸化膜を用いて形成される。第3絶縁膜12の膜厚は例えば300nmである。
次に、第3絶縁膜12を貫通して、配線833bや配線843bに至る複数の貫通孔が形成される。そして、これらの貫通孔の少なくとも内壁を被覆するように導電膜を成膜してパターニングすることにより、2つのコンタクトホール121a,121bを介して配線833bに接続される外部接続用端子104を構成するところの第1層104aが形成される。また、コンタクトホール121cを介して配線833bに接続されると共に、コンタクトホール121dを介して配線843bに接続される接続配線843を構成するところの配線843aが形成される。このような導電膜もまた、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。この導電膜の膜厚は、例えば150nmである。
次に、第1層104aと配線843aとを覆う第4絶縁膜13が形成される。第4絶縁膜13もまた、前述したNSG膜、あるいは燐(P)を含むPSG膜、硼素を含むBSG膜、硼素(B)と燐(P)とが含まれるBPSG膜などのシリコン系酸化膜を用いて形成される。第4絶縁膜13の膜厚は例えば300nmである。
次に、第4絶縁膜13を貫通して、第1層104aに至る複数の貫通孔が形成される。そして、これらの貫通孔の少なくとも内壁を被覆するように導電膜を成膜してパターニングすることにより、2つのコンタクトホール131,132を介して第1層104aに接続される外部接続用端子104を構成するところの第2層104bが形成される。このような導電膜もまた、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。この導電膜の膜厚は、例えば150nmである。
次に、第2層104bを覆う第5絶縁膜14が形成される。第5絶縁膜14もまた、前述したNSG膜、あるいは燐(P)を含むPSG膜、硼素を含むBSG膜、硼素(B)と燐(P)とが含まれるBPSG膜などのシリコン系酸化膜を用いて形成される。第5絶縁膜14の膜厚は例えば300nmである。そして、第5絶縁膜14を貫通して第2層104bに至る開口14aが形成される。開口14aに露出した第2層104bの部分が外部接続用端子104(VDD)として機能する。
このような配線構造によれば、基材10s上において、第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2と、ガードライン109a及びガードライン1090bと、接続配線833と、外部接続用端子104(第1層104a及び第2層104b)とは、異なる配線層に形成される。
前述したように、スクライブ(切断)によって第1の静電保護回路PE1と第2の静電保護回路PE2の一部が除かれて、素子基板10に残った電源電位VDDに係る接続配線は、他の配線層に比べて、低抵抗な配線材料により構成された配線層からなる。これにより、電源電位VDDの入力に伴って電源電位VDDが減衰して変動することを抑制している。
次に、図9を参照して、転送方向制御信号DIRYが入力される外部接続用端子104とガードライン109a,109bとの電気的な接続構造について説明する。なお、図7では当該接続構造を示す部分を破線で囲んでいる。また、図8に示した配線構造と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示すように、素子基板10の基材10s上には、第1絶縁膜11aが形成される。次に、第1絶縁膜11a上に導電性のポリシリコン膜を用いて第1の静電保護回路PE1と第2の静電保護回路PE2とが形成される。第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2を覆うようにゲート絶縁膜11bが形成され、ゲート絶縁膜11b上に導電性のポリシリコン膜を用いてガードライン109a,109bと、抵抗素子R1とが形成される。抵抗素子R1は、後述する配線844bと配線844cとに電気的に接続される。なお、前述したように、抵抗素子として形成される第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2の膜厚は、ガードライン109a,109b及び抵抗素子R1よりも薄い。
転送方向制御信号DIRYが入力される外部接続用端子104に繋がる接続配線830と第2の静電保護回路PE2との間に抵抗素子R1を入れることで、接続配線830とこれに繋がる内部回路(この場合は、走査線駆動回路102)が静電破壊されることをより抑制可能な構成としている。抵抗素子R1の抵抗値は、例えば、100Ω以上数kΩ以下である。
次に、ガードライン109a,109b、抵抗素子R1を覆うように第2絶縁膜11cが形成され、第2絶縁膜11cにガードライン109a,109b、抵抗素子R1のそれぞれに至る複数の貫通孔が形成される。また、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通して、第1の静電保護回路PE1、第2の静電保護回路PE2に至る複数の貫通孔が形成される。これらの貫通孔の少なくとも内部を被覆するように、第2絶縁膜11c上に導電膜を成膜してパターニングすることにより、配線831,832,833が形成される。また、第2絶縁膜11cを貫通するコンタクトホール111gを介してガードライン109aに接続されると共に、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホール111hを介して第1の静電保護回路PE1に接続される配線834aが形成される。また、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホール111iを介して第1の静電保護回路PE1に接続される配線834bが形成される。また、第2絶縁膜11cを貫通するコンタクトホール111jを介して抵抗素子R1に接続される配線844bが形成される。また、第2絶縁膜11cを貫通するコンタクトホール111kを介して抵抗素子R1に接続されると共に、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホール111mを介して第2の静電保護回路PE2に接続される配線844cが形成される。また、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホール111nを介して第2の静電保護回路PE2に接続されると共に、第2絶縁膜11cを貫通するコンタクトホール111oを介してガードライン109bに接続される配線844dが形成される。このような導電膜もまた、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。
次に、配線831,832,833,834a,834b,844b,844c,844dを覆う第3絶縁膜12が形成される。そして、第3絶縁膜12を貫通して、配線834bや配線844bに至る複数の貫通孔が形成される。これらの貫通孔の少なくとも内部を被覆するように導電膜を成膜してパターニングすることにより、2つのコンタクトホール121e,121fを介して配線834bに接続される外部接続用端子104を構成するところの第1層104cが形成される。また、コンタクトホール121gを介して配線834bに接続されると共に、コンタクトホール121hを介して配線844bに接続される接続配線844を構成するところの配線844aが形成される。このような導電膜もまた、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。
次に、第1層104cと配線844aとを覆う第4絶縁膜13が形成される。そして、第4絶縁膜13を貫通して、第1層104cに至る複数の貫通孔が形成される。これらの貫通孔の少なくとも内部を被覆するように導電膜を成膜してパターニングすることにより、2つのコンタクトホールC13c,C13dを介して第1層104cに接続される外部接続用端子104を構成するところの第2層104dが形成される。このような導電膜もまた、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。
次に、第2層104dを覆う第5絶縁膜14が形成される。そして、第5絶縁膜14を貫通して第2層104dに至る開口14aが形成される。開口14aに露出した第2層104dの部分が外部接続用端子104(DIRY)として機能する。
このような配線構造とすることによって、複数の外部接続用端子104のそれぞれを第1の静電保護回路PE1を介してX方向に延在する第1の共通配線としてのガードライン109aに接続させたり、第2の静電保護回路PE2を介してY方向に延在する第2の共通配線としてのガードライン109bに接続させたりすることができる。
次に、第2の接続端子としての複数の検査用端子103と、共通配線としてのガードライン109との電気的な接続について、図10及び図11を参照して、具体的に説明する。図10は検査用端子とガードラインとの電気的な接続を示す回路図、図11は検査用端子とガードラインとの電気的な接続構造を示す概略断面図である。なお、図10はマザー基板WのチップC11における複数の検査用端子103のうちの出力端子103oの一部と、ガードライン109との電気的な接続を例示するものである。また、先に示した外部接続用端子104とガードライン109との接続に係る配線構造と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、チップC11(素子基板10)において、複数の検査用端子103のうち複数の出力端子103oは、チップC11のX方向の左側の第2の辺に沿ってY方向に間隔を置いて配置されている。複数の出力端子103oのうち、Y方向に配列する例えば3つの出力端子103oからは、上側から、出力信号CX8、出力信号CX7、出力信号CX6が出力される。
複数の出力端子103oのそれぞれには、検査用信号線820が接続されている。検査用信号線820は、図1及び図3に示した接続配線108に含まれるものである。以降、検査用信号線820について、接続配線820と呼ぶこととする。具体的には、接続配線820は、Y方向において上端の出力端子103o(CX8)に接続された接続配線821と、出力端子103o(CX7)に接続された接続配線822と、出力端子103o(CX6)に接続された接続配線823とを含んで構成されている。これらの接続配線821,822,823は、本発明の第2の接続配線の一例である。
第2の辺に配列した複数の出力端子103oのそれぞれと、第2の共通配線としてのガードライン109bとは第3の静電保護回路PE3を介して接続されている。
図3に示したように、接続配線821,822,823は、内部回路としての検査回路130のTFT134に接続されている。
接続配線821のTFT134側は、接続配線851と第4の静電保護回路PE4とを介してX方向に延在するガードライン109aに接続されている。同様に、接続配線822のTFT134側は、接続配線852と第4の静電保護回路PE4とを介してX方向に延在するガードライン109aに接続されている。接続配線823のTFT134側は、接続配線853と第4の静電保護回路PE4とを介してX方向に延在するガードライン109aに接続されている。これらの接続配線851,852,853を総称して接続配線850と呼ぶ。
つまり、第2の接続端子としての出力端子103o(検査用端子103)は、その一端側が第2の辺に沿って延在する第2の共通配線としてのガードライン109bに第3の静電保護回路PE3を介して電気的に接続され、その他端側が第2の接続配線としての接続配線820を介して内部回路としての検査回路130のTFT134に電気的に接続され、接続配線820のTFT134側は、第2の辺に交差する第3の辺に沿って延在する第3の共通配線としてのガードライン109aに接続配線850と第4の静電保護回路PE4を介して電気的に接続されている。
図10には、すべての複数の検査用端子103とガードライン109との電気的な接続を示してはいないが、第2の辺に配列したすべての検査用端子103は、第3の辺に沿ってX方向に延在するガードライン109aと、第2の辺に沿ってY方向に延在するガードライン109bとに電気的に接続されている。また、検査用端子103は、出力端子103oだけでなく、上述した入力端子103i、検査用端子103yを含むものである。これらの入力端子103i及び検査用端子103yもまた、X方向に延在するガードライン109aとY方向に延在するガードライン109bとに電気的に接続されている。
ガードライン109aは前述したように仮想のスクライブラインSLXに沿ってX方向に延在している。ガードライン109bは前述したように同じく仮想のスクライブラインSLYに沿ってY方向に延在している。マザー基板WをスクライブラインSLX,SLYに沿ってスクライブ(切断)する方法として、ダイシング法を用いた場合の、Y方向におけるダイシング幅d1及びX方向におけるダイシング幅d2は、前述したように、例えば、100μmであり、ガードライン109a,109bの幅は、例えば30μmである。マザー基板Wに対してダイシングを施すことによって、ガードライン109a,109bが取り除かれると共に、第3の静電保護回路PE3の一部と、第4の静電保護回路PE4の一部が取り除かれる。これによって、複数の検査用端子103は、ガードライン109bから切り離される。接続配線850もガードライン109aから切り離される。
また、マザー基板Wをスクライブ(切断)して取り出されたチップC11(素子基板10)の第2の辺における端面には、第3の静電保護回路PE3の一部が露出し、チップC11(素子基板10)の第3の辺における端面には、第4の静電保護回路PE4の一部が露出することになる。言い換えれば、素子基板10の第2の辺側には、切断された第3の静電保護回路PE3が残り、第3の辺側には、切断された第4の静電保護回路PE4が残る。
次に、図11を参照して、出力信号CX8が出力される出力端子103oとガードライン109a,109bとの電気的な接続構造について説明する。
図11に示すように、素子基板10の基材10s上には、第1絶縁膜11aが形成される。次に、第1絶縁膜11a上に導電性のポリシリコン膜を用いて第3の静電保護回路PE3と第4の静電保護回路PE4とが形成される。第3の静電保護回路PE3及び第4の静電保護回路PE4を覆うようにゲート絶縁膜11bが形成され、ゲート絶縁膜11b上に導電性のポリシリコン膜を用いてガードライン109a,109bと、抵抗素子R2とが形成される。抵抗素子R2は、後述する配線821bと配線851aとに電気的に接続される。なお、抵抗素子として形成される第3の静電保護回路PE3及び第4の静電保護回路PE4の膜厚は、ガードライン109a,109b及び抵抗素子R2よりも薄い。出力信号CX8が出力される出力端子103oに繋がる接続配線820と第4の静電保護回路PE4との間に抵抗素子R2を設けることにより、前述した抵抗素子R1と同様に、接続配線820とこれに繋がる内部回路(この場合は、検査回路130のTFT134)が静電破壊されることをより抑制可能な構成としている。第3の静電保護回路PE3及び第4の静電保護回路PE4の抵抗値は、第1の静電保護回路PE1及び第2の静電保護回路PE2と同様に、数百kΩから1MΩである。また、抵抗素子R2の抵抗値は、抵抗素子R1と同様に、例えば、100Ω以上数kΩ以下である。
次に、ガードライン109a,109b、抵抗素子R2を覆うように第2絶縁膜11cが形成され、第2絶縁膜11cにガードライン109a,109b、抵抗素子R2のそれぞれに至る複数の貫通孔が形成される。また、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通して、第3の静電保護回路PE3、第4の静電保護回路PE4に至る複数の貫通孔が形成される。これらの貫通孔の少なくとも内部を被覆するように、第2絶縁膜11c上に導電膜を成膜してパターニングすることにより、配線821a,821b,851a,851bが形成される。また、配線821aは、第2絶縁膜11cを貫通するコンタクトホール111pを介してガードライン109bに接続されると共に、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホール111qを介して第3の静電保護回路PE3に接続される。また、配線821bは、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホール111rを介して第3の静電保護回路PE3に接続され、第2絶縁膜11cを貫通するコンタクトホール111sを介して抵抗素子R2に接続される。また、配線851aは、第2絶縁膜11cを貫通するコンタクトホール111tを介して抵抗素子R2に接続されると共に、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホール111uを介して第4の静電保護回路PE4に接続される。また、配線851bは、第2絶縁膜11cとゲート絶縁膜11bとを貫通するコンタクトホール111vを介して第4の静電保護回路PE4に接続されると共に、第2絶縁膜11cを貫通するコンタクトホール111wを介してガードライン109aに接続される。このような導電膜もまた、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。
次に、配線821a,821b,851a,851bを覆う第3絶縁膜12が形成される。そして、第3絶縁膜12を貫通して、配線821bに至る複数の貫通孔が形成される。これらの貫通孔の少なくとも内部を被覆するように導電膜を成膜してパターニングすることにより、2つのコンタクトホール121i,121jを介して配線821bに接続される出力端子103oを構成するところの第1層103aが形成される。このような導電膜もまた、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。
次に、第1層103aを覆う第4絶縁膜13が形成される。そして、第4絶縁膜13を貫通して、第1層103aに至る複数の貫通孔が形成される。これらの貫通孔の少なくとも内部を被覆するように導電膜を成膜してパターニングすることにより、2つのコンタクトホール135,136を介して第1層103aに接続される出力端子103oを構成するところの第2層103bが形成される。このような導電膜もまた、例えば低抵抗金属であるAl(アルミニウム)や、Ti(チタン)あるいはTiN(窒化チタン)からなる層を含む多層構造が挙げられる。
次に、第2層103bを覆う第5絶縁膜14が形成される。そして、第5絶縁膜14を貫通して第2層103bに至る開口14bが形成される。開口14bに露出した第2層103bの部分が出力端子103o(CX8)として機能する。
このような配線構造とすることによって、複数の検査用端子103のそれぞれを第3の静電保護回路PE3を介してY方向に延在する第2の共通配線としてのガードライン109bに接続させたり、第4の静電保護回路PE4を介してX方向に延在する第3の共通配線としてのガードライン109aに接続させたりすることができる。
<電気光学装置用基板の製造方法>
次に、本実施形態の電気光学装置用基板の製造方法としてのマザー基板Wの製造方法について、説明する。
本実施形態のマザー基板Wの製造方法は、図8、図9、図11を用いて説明したように、マザー基板Wに、第1の静電保護回路PE1、第2の静電保護回路PE2、第3の静電保護回路PE3、第4の静電保護回路PE4を形成する工程と、ガードライン109a,109b及び抵抗素子R1,R2を形成する工程と、接続配線820,830,840,850を形成する工程と、外部接続用端子104及び検査用端子103を形成する工程と、スクライブラインSLXに沿って第1の静電保護回路PE1及び第4の静電保護回路PE4を切断すると共に、スクライブラインSLYに沿って第2の静電保護回路PE2及び第3の静電保護回路PE3を切断する工程と、を含んでいる。接続配線820,830,840,850を形成する工程では、ガードライン109と接続配線820,830,840,850のそれぞれとを上記の静電保護回路を介して電気的に接続させる複数のコンタクトホールも同時に形成する。スクライブラインSLX,SLYのうちいずれか一方を先に切断し、他方を後に切断する。
上記第1実施形態の液晶装置100における電気光学装置用基板としてのマザー基板Wとその製造方法、個別基板としての素子基板10によれば、以下の効果が得られる。
(1)第1の接続端子としての外部接続用端子104と第1の共通配線としてのガードライン109aとの間には第1の静電保護回路PE1が設けられている。また、外部接続用端子104と内部回路としての走査線駆動回路102とを結ぶ第1の接続配線としての接続配線830と第2の共通配線としてのガードライン109bの間には第2の静電保護回路PE2が設けられている。したがって、マザー基板Wから素子基板10を取り出す際に、例えば、外部接続用端子104とガードライン109aとを切り離すべく第1の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、接続配線830と第2の静電保護回路PE2とを経由してガードライン109bに静電気を逃がすことができる。切断の順序は、第1の辺側を先に切断することに限定されず、第2の辺側を先に切断するとしてもよく、接続配線830とガードライン109bとを切り離すべく第2の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、接続配線830と外部接続用端子104と第1の静電保護回路PE1とを経由して静電気をガードライン109aに逃がすことができる。つまり、マザー基板Wの切断に伴って静電気が生じたとしても、内部回路あるいはこれに繋がる接続配線830の静電破壊を防ぐことが可能なマザー基板Wを提供できる。
(2)素子基板10は、素子基板10の第2の辺に配置された第2の接続端子としての検査用端子103をさらに有し、検査用端子103は、その一端側が第2の辺に沿って延在するガードライン109bに第3の静電保護回路PE3を介して電気的に接続され、その他端側が第2の接続配線としての接続配線820を介して内部回路としての検査回路130に電気的に接続され、接続配線820の検査回路130側は、第2の辺に交差する第3の辺に沿って延在する第3の共通配線としてのガードライン109aと第4の静電保護回路PE4を介して電気的に接続されている。したがって、マザー基板Wから素子基板10を取り出す際に、例えば、検査用端子103とガードライン109bとを切り離すべく第2の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、接続配線820と第4の静電保護回路PE4とを経由してガードライン109aに静電気を逃がすことができる。切断の順序は、第2の辺側を先に切断することに限定されず、第3の辺側を先に切断するとしてもよく、接続配線820とガードライン109aとを切り離すべく第3の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、接続配線820と検査用端子103と第3の静電保護回路PE3とを経由してガードライン109bに静電気を逃がすことができる。
(3)第1の静電保護回路PE1、第2の静電保護回路PE2、第3の静電保護回路PE3、第4の静電保護回路PE4は、抵抗素子であり、抵抗素子の抵抗値は、接続配線820または接続配線830の抵抗値よりも大きい。したがって、外部接続用端子104または検査用端子103に侵入する静電気を抵抗素子によって消費させることができる。つまり、第1の静電保護回路PE1、第2の静電保護回路PE2、第3の静電保護回路PE3、第4の静電保護回路PE4のいずれかによって、内部回路やこれに繋がる接続配線を静電気から保護することができる。
(4)素子基板10は、基材10s上に設けられた、内部回路と、基材10sの第1の辺に配置された外部接続用端子104と、内部回路と外部接続用端子104とを電気的に接続させる接続配線830と、外部接続用端子104と第1の辺との間に配置され、その一端側が外部接続用端子104に電気的に接続され、その他端が第1の辺で切断された第1の静電保護回路PE1と、第1の辺に交差する第2の辺に配置され、その一端側が接続配線830の内部回路側に電気的に接続され、その他端が第2の辺で切断された第2の静電保護回路PE2と、を備える。このような素子基板10の構成によれば、例えば、第1の辺と第2の辺とのうち、一方の辺に沿って切断して素子基板10を製造する際に静電気が生じたとしても、第1の静電保護回路PE1または第2の静電保護回路PE2によって内部回路を静電気から保護可能な素子基板10を提供することができる。
(5)電気光学装置としての液晶装置100は、マザー基板Wから取り出された素子基板10と、対向基板20と、素子基板10と対向基板20との間に配置された電気光学素子としての液晶層50と、を備えている。したがって、製造過程における静電気から内部回路が保護された素子基板10を用いていることから、素子基板10の内部回路における電気的な不具合が低減され、安定した動作が得られる液晶装置100を提供できる。
(6)マザー基板Wの製造方法において、素子基板10は、内部回路と、第1の辺に配置された複数の外部接続用端子104とを有し、複数の外部接続用端子104のそれぞれは、その一端側が第1の辺に沿ってX方向に延在するガードライン109aに第1の静電保護回路PE1を介して電気的に接続され、その他端側が接続配線830を介して内部回路に電気的に接続され、接続配線830の内部回路側は、第1の辺に交差する第2の辺に沿ってY方向に延在するガードライン109bと第2の静電保護回路PE2を介して電気的に接続されている。第1の静電保護回路PE1をX方向に切断すると共に、第2の静電保護回路PE2をY方向に切断して、素子基板10を取り出す。したがって、マザー基板Wから素子基板10を取り出す際に、第1の静電保護回路PE1をX方向に切断したときに静電気が発生したとしても、接続配線830と第2の静電保護回路PE2とを経由してガードライン109bに静電気を逃がすことができる。切断の順序は、第1の静電保護回路PE1を先に切断することに限定されず、第2の静電保護回路PE2を先に切断してもよく、第2の静電保護回路PE2をY方向に切断を行ったときに静電気が発生したとしても、接続配線830と外部接続用端子104と第1の静電保護回路PE1とを経由して静電気をガードライン109aに逃がすことができる。
また、素子基板10は、素子基板10の第2の辺に配置された検査用端子103をさらに有し、検査用端子103は、その一端側が第2の辺に沿ってY方向に延在するガードライン109bに第3の静電保護回路PE3を介して電気的に接続され、その他端側が接続配線820を介して検査回路130に電気的に接続され、接続配線820の検査回路130側は、第2の辺に交差する第3の辺に沿ってX方向に延在するガードライン109aと第4の静電保護回路PE4を介して電気的に接続されている。したがって、マザー基板Wから素子基板10を取り出す際に、検査用端子103とガードライン109bとを切り離すべくY方向に切断を行ったときに静電気が発生したとしても、接続配線820と第4の静電保護回路PE4とを経由してガードライン109aに静電気を逃がすことができる。切断の順序は、第2の辺側を先に切断することに限定されず、第3の辺側を先に切断するとしてもよく、接続配線820とガードライン109aとを切り離すべく第3の辺に沿ってX方向に切断を行ったときに静電気が発生したとしても、接続配線820と検査用端子103と第3の静電保護回路PE3とを経由してガードライン109bに静電気を逃がすことができる。
つまり、マザー基板Wの切断に伴って静電気が生じたとしても、内部回路あるいはこれに繋がる接続配線の静電破壊を防ぐことが可能なマザー基板Wの製造方法を提供できる。言い換えれば、切断時に発生する静電気から素子基板10を保護し、歩留りよく素子基板10を製造することが可能なマザー基板Wの製造方法を提供できる。
なお、図5に示すように、マザー基板Wを切断する場合、スクライブラインSLXまたはスクライブラインSLYのいずれか一方を先に切断する工程を1次切断と呼ぶ。1次切断によって分断され、複数の素子基板10が切断方向に繋がった短冊状の中間製造物を再び切断して個別の素子基板10を取り出す工程を2次切断と呼ぶ。1次切断における切断ストロークは、2次切断における切断ストロークよりも長くなることから、切断時における静電気の発生は、1次切断のほうが2次切断に比べて発生し易いと考えられる。したがって、外部接続用端子104と検査用端子103との端子数を比較したときに、静電気の侵入確率が高くなる端子数が多い方において、X方向に延在するガードライン109aと、Y方向に延在するガードライン109bとの間にそれぞれ静電保護回路を配置する構成としてもよい。これによれば、端子数が多い方を先にガードライン109から切り離す1次切断を行っても、発生する静電気から素子基板10の内部回路や接続配線を保護することができる。マザー基板Wをスクライブする方法は、ダイシング法に限定されず、レーザースクライブ法でもよい。湿式のダイシング法に比べて、乾式のレーザースクライブ法のほうがスクライブ時に静電気が発生し易いので、本実施形態のように第1の方向に延在するガードライン109aと接続端子との間、及び当該接続端子に繋がる接続配線と第2の方向に延在するガードラインとの間に静電保護回路を設けることは特に有効である。
(第2実施形態)
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器として投射型表示装置を例に挙げ、図12を参照して説明する。図12は第2実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図12に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸1001に沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207と、を備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、内部回路に対する静電気対策が施された液晶装置100を用いている。したがって、静電気に対して耐性を有し、安定した動作を実現可能な投射型表示装置1000を提供することができる。また、投射型表示装置1000の組立工程で、静電気により表示欠陥を生じさせることなく、液晶ライトバルブ1210,1220,1230を組み込むことができる。
なお、偏光照明装置1100は、白色光源に限定されるものではなく、液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射させる色光に対応したLED光源やレーザー光源を備える構成としてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)上記第1実施形態では、ガードライン109aとガードライン109bとを電気的に接続させる観点から、ガードライン109aとガードライン109bとは基材10s上の同じ配線層に形成することが好ましいが、これに限定されず、基材10s上において異なる配線層に形成されていてもよい。また、ガードライン109aとガードライン109bとにおいて、それぞれに静電気を逃がすことが可能な構成であれば、必ずしも互いに電気的に接続されていなくてもよい。
(変形例2)上記第1実施形態において、第1の静電保護回路PE1、第2の静電保護回路PE2、第3の静電保護回路PE3、第4の静電保護回路PE4は、基材10s上の同じ配線層に形成され、同程度の抵抗値を有する抵抗素子として形成することが好ましいが、これに限定されない。第1の静電保護回路PE1、第2の静電保護回路PE2、第3の静電保護回路PE3、第4の静電保護回路PE4の抵抗値が接続配線820,830,840,850の抵抗値よりも大きくなるように形成されていればよく、同じ配線層に形成されていなくてもよい。また、第1の静電保護回路PE1、第2の静電保護回路PE2、第3の静電保護回路PE3、第4の静電保護回路PE4は、抵抗素子であることに限定されず、例えばインダクタンス素子やキャパシタンス素子などのリアクタンス素子であってもよい。さらには、第1の静電保護回路PE1、第2の静電保護回路PE2、第3の静電保護回路PE3、第4の静電保護回路PE4のすべてが同一の機能素子である必要はなく、抵抗素子やリアクタンス素子を適宜選択したり、組み合わせて用いたりしてもよい。
(変形例3)本願の電気光学装置用基板を適用可能な電気光学装置は、上記第1実施形態に示した液晶装置100に限定されず、例えば、画素Pに発光素子を備えた自発光型の表示装置にも適用可能である。
(変形例4)上記第1実施形態の液晶装置100が適用される電子機器は、上記第2実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の電気光学装置用基板は、第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の個別基板を有する電気光学装置用基板であって、個別基板は、内部回路と、個別基板の第1の辺に配置された第1の接続端子とを有し、第1の接続端子は、その一端側が第1の辺に沿って延在する第1の共通配線に第1の静電保護回路を介して電気的に接続され、その他端側が第1の接続配線を介して内部回路に電気的に接続され、第1の接続配線は、第1の辺に交差する第2の辺に沿って延在する第2の共通配線と第2の静電保護回路を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
本願の構成によれば、第1の接続端子と第1の共通配線との間には第1の静電保護回路が設けられ、第1の接続端子と内部回路とを結ぶ第1の接続配線と第2の共通配線との間には第2の静電保護回路が設けられている。したがって、電気光学装置用基板から個別基板を取り出す際に、例えば、第1の接続端子と第1の共通配線とを切り離すべく第1の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、第1の接続配線と第2の静電保護回路とを経由して第2の共通配線に静電気を逃がすことができる。切断の順序は、第1の辺側を先に切断することに限定されず、第2の辺側を先に切断するとしてもよく、第1の接続配線と第2の共通配線とを切り離すべく第2の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、第1の接続配線と第1の接続端子と第1の静電保護回路とを経由して静電気を第1の共通配線に逃がすことができる。つまり、電気光学装置用基板の切断に伴って静電気が生じたとしても、内部回路あるいはこれに繋がる第1の接続配線の静電破壊を防ぐことが可能な電気光学装置用基板を提供できる。
上記の電気光学装置等基板において、個別基板は、個別基板の第2の辺に配置された第2の接続端子をさらに有し、第2の接続端子は、その一端側が第2の辺に沿って延在する第2の共通配線に第3の静電保護回路を介して電気的に接続され、その他端側が第2の接続配線を介して内部回路に電気的に接続され、第2の接続配線は、第2の辺に交差する第3の辺に沿って延在する第3の共通配線と第4の静電保護回路を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、電気光学装置用基板から個別基板を取り出す際に、例えば、第2の接続端子と第2の共通配線とを切り離すべく第2の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、第2の接続配線と第4の静電保護回路とを経由して第3の共通配線に静電気を逃がすことができる。切断の順序は、第2の辺側を先に切断することに限定されず、第3の辺側を先に切断するとしてもよく、第2の接続配線と第3の共通配線とを切り離すべく第3の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、第2の接続配線と第2の接続端子と第3の静電保護回路とを経由して第2の共通配線に静電気を逃がすことができる。
上記の電気光学装置用基板において、第1の接続端子は、外部回路との接続を図るための外部接続用端子であって、第2の接続端子は、内部回路を検査するための検査用端子であることを特徴とする。
この構成によれば、電気光学装置用基板を切断して個別基板を取り出す際に、外部接続用端子としての第1の接続端子あるいは検査用端子としての第2の接続端子に静電気が侵入しても、これらの端子に繋がる内部回路を静電気から保護することができる。
上記の電気光学装置用基板において、第1の共通配線と第2の共通配線とは電気的に接続されていることが好ましい。
この構成によれば、電気光学装置用基板を切断して個別基板を取り出すより前に、電気光学装置用基板の取り扱いによって生じた静電気を、第1の共通配線と第2の共通配線とに逃がすことができる。言い換えれば、これらの共通配線に繋がる接続配線や内部回路を静電気から保護できる。
上記の電気光学装置用基板において、第1の共通配線と第2の共通配線と第3の共通配線とは電気的に接続されていることが好ましい。
この構成によれば、電気光学装置用基板を切断して個別基板を取り出すより前に、電気光学装置用基板の取り扱いによって生じた静電気を、第1の共通配線と第2の共通配線と第3の共通配線とに逃がすことができる。言い換えれば、これらの共通配線に繋がる接続配線や内部回路を静電気から保護できる。
上記の電気光学装置用基板において、第1の静電保護回路、第2の静電保護回路、第3の静電保護回路、第4の静電保護回路のうちの少なくとも1つは、抵抗素子であり、抵抗素子の抵抗値は、第1の接続配線または第2の接続配線の抵抗値よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、第1の接続端子または第2の接続端子に侵入する静電気を抵抗素子によって消費させることができる。つまり、第1の静電保護回路、第2の静電保護回路、第3の静電保護回路、第4の静電保護回路のいずれかによって、内部回路やこれに繋がる接続配線を静電気から保護することができる。
上記の電気光学装置用基板において、抵抗素子は、基材上において、内部回路に含まれるトランジスターの半導体層と同じ材料を用いて同層に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、トランジスターに繋がる配線に比べて、半導体層を構成する材料は電気抵抗が大きいので、静電保護回路に好適な抵抗素子を構成することができる。
上記の電気光学装置用基板において、第1の共通配線、第2の共通配線、第3の共通配線は、基材上において、内部回路に含まれるトランジスターのゲート電極と同じ材料を用いて同層に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、トランジスターに繋がる配線に比べて、ゲート電極を構成する材料は電気抵抗が大きい材料を用いてもよいので、これらの共通配線に好適な材料構成とすることができる。
本願の個別基板は、基材上に設けられた、内部回路と、基材の第1の辺に配置された第1の接続端子と、内部回路と第1の接続端子とを電気的に接続させる第1の接続配線と、第1の接続端子と第1の辺との間に配置され、その一端側が第1の接続端子に電気的に接続され、その他端が第1の辺で切断された第1の静電保護回路と、第1の辺に交差する第2の辺に配置され、その一端側が第1の接続配線に電気的に接続され、その他端が第2の辺で切断された第2の静電保護回路と、を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、内部回路に繋がる第1の接続配線に対して、第1の辺側に第1の静電保護回路が設けられ、第1の辺と交差する第2の辺側に第2の静電保護回路が設けられているため、第1の辺と第2の辺とのうち、一方の辺に沿って切断して個別基板を製造する際に静電気が生じたとしても、第1の静電保護回路または第2の静電保護回路によって内部回路を静電気から保護可能な個別基板を提供することができる。
本願の電気光学装置は、上記の電気光学装置用基板から取り出された個別基板と、対向基板と、個別基板と対向基板との間に配置された電気光学素子と、を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、個別基板の製造過程における静電気から内部回路が保護された個別基板を用いていることから、個別基板の内部回路における電気的な不具合が低減され、安定した動作が得られる電気光学装置を提供できる。
本願の他の電気光学装置は、上記の個別基板と、対向基板と、個別基板と対向基板との間に配置された電気光学素子と、を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、静電気から内部回路が保護された個別基板を用いていることから、個別基板の内部回路における電気的な不具合が低減され、安定した動作が得られる電気光学装置を提供できる。
本願の電子機器は、上記の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、動作において高い信頼性を有する電子機器を提供することができる。
本願の電気光学装置用基板の製造方法は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の個別基板を有する電気光学装置用基板の製造方法であって、個別基板は、内部回路と、個別基板の第1の辺に配置された複数の第1の接続端子とを有し、複数の第1の接続端子のそれぞれは、その一端側が第1の辺に沿って延在する第1の共通配線に第1の静電保護回路を介して電気的に接続され、その他端側が第1の接続配線を介して内部回路に電気的に接続され、第1の接続配線は、第1の辺に交差する第2の辺に沿って延在する第2の共通配線と第2の静電保護回路を介して電気的に接続され、第1の静電保護回路を第2の方向に沿って切断すると共に、第2の静電保護回路を第1の方向に沿って切断して、個別基板を取り出すことを特徴とする。
本願の方法によれば、電気光学装置用基板から個別基板を取り出す際に、第1の静電保護回路を第2の方向に沿って切断したときに静電気が発生したとしても、第1の接続配線と第2の静電保護回路とを経由して第2の共通配線に静電気を逃がすことができる。切断の順序は、第1の静電保護回路を先に切断することに限定されず、第2の静電保護回路を先に切断してもよく、第2の静電保護回路を第2の辺に沿って切断を行ったときに静電気が発生したとしても、第1の接続配線と第1の接続端子と第1の静電保護回路とを経由して静電気を第1の共通配線に逃がすことができる。つまり、電気光学装置用基板の切断に伴って静電気が生じたとしても、内部回路あるいはこれに繋がる第1の接続配線の静電破壊を防ぐことが可能な電気光学装置用基板の製造方法を提供できる。言い換えれば、切断時に発生する静電気から個別基板を保護し、歩留りよく個別基板を製造することが可能な電気光学装置用基板の製造方法を提供できる。
10…個別基板としての素子基板、10s…基材、20…対向基板、50…電気光学素子としての液晶層、100…電気光学装置としての液晶装置、103…第2の接続端子としての検査用端子、104…第1の接続端子としての外部接続用端子、109a…第1の共通配線または第3の共通配線としてのガードライン、109b…第2の共通配線としてのガードライン、820…第2の接続配線としての接続配線、830…第1の接続配線としての接続配線、1000…電子機器としての投射型表示装置、PE1…第1の静電保護回路、PE2…第2の静電保護回路、PE3…第3の静電保護回路、PE4…第4の静電保護回路、W…電気光学装置用基板としてのマザー基板。

Claims (8)

  1. 第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の個別基板と、複数の前記個別基板の間において、前記個別基板の第1の辺に沿って前記第1の方向に延在する第1の共通配線と、前記第1の辺と交差する前記個別基板の第2の辺に沿って前記第2の方向に延在する第2の共通配線と、前記第1の辺の対辺であり前記第2の辺と交差した前記個別基板の第3の辺に沿って前記第1の方向に延在する第3の共通配線とを有する電気光学装置用基板であって、
    前記個別基板は内部回路と、検査回路と、複数の第1の接続配線と、複数の第2の接続配線と、複数の第3の接続配線と、複数の第4の接続配線と、複数の第1の接続端子と、複数の第2の接続端子と、複数の第1の静電保護回路と、複数の第2の静電保護回路と、複数の第3の静電保護回路と、複数の第4の静電保護回路とを備え、
    複数の前記第1の接続端子と、複数の前記第1の静電保護回路は、それぞれ前記個別基板の前記第1の辺に沿って前記第1の方向に配置され、
    複数の前記第2の静電保護回路と、複数の前記第2の接続端子と、複数の前記第3の静電保護回路は、それぞれ前記個別基板の前記第2の辺に沿って前記第2の方向に配置され、
    複数の前記第4の静電保護回路は、それぞれ前記個別基板の前記第3の辺に沿って前記第1の方向に配置され、
    前記第1の接続配線は、前記第2の方向へ延在し、前記第1の接続端子と前記内部回路とを電気的に接続するとともに、前記第1の接続端子と前記第1の静電保護回路とを介して、前記第1の共通配線に電気的に接続し、
    前記第2の接続配線は、前記第1の方向へ延在し、前記第2の接続端子と前記検査回路とを電気的に接続するとともに、前記第2の接続端子と前記第3の静電保護回路とを介して、前記第2の共通配線に電気的に接続し、
    前記第3の接続配線は、前記第1の接続配線から前記第1の方向へ延在し、前記第2の静電保護回路を介して、前記第2の共通配線に電気的に接続し、
    前記第4の接続配線は、前記第2の接続配線から前記第2の方向へ延在し、前記第4の静電保護回路を介して、前記第3の共通配線に電気的に接続する
    電気光学装置用基板。
  2. 前記個別基板内において、前記第1の接続端子は前記第2の接続端子と電気的に接続していない請求項1に記載の電気光学装置用基板。
  3. 前記第1の接続端子は、外部回路との接続を図るための外部接続用端子であって、
    前記第2の接続端子は、前記内部回路を検査するための検査用端子である、請求項1又は2に記載の電気光学装置用基板。
  4. 前記第1の共通配線と前記第2の共通配線とは電気的に接続されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置用基板。
  5. 前記第1の共通配線と前記第2の共通配線と前記第3の共通配線とは電気的に接続されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気光学装置用基板。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の電気光学装置用基板から取り出された前記個別基板と、
    対向基板と、
    前記個別基板と前記対向基板との間に配置された電気光学素子と、を備えた、電気光学装置。
  7. 請求項の電気光学装置を備えた、電子機器。
  8. 第1の方向と前記第1の方向に交差する第2の方向とに配置された複数の個別基板と、複数の前記個別基板の間において、前記個別基板の第1の辺に沿って前記第1の方向に延在する第1の共通配線と、前記第1の辺と交差する前記個別基板の第2の辺に沿って複数の前記個別基板の間で前記第2の方向に延在する第2の共通配線と、前記第1の辺の対辺であり前記第2の辺と交差した前記個別基板の第3の辺に沿って前記第1の方向に延在する第3の共通配線とを有する電気光学装置用基板を形成し、
    前記個別基板は、内部回路と、検査回路と、複数の第1の接続配線と、複数の第2の接続配線と、複数の第3の接続配線と、複数の第4の接続配線と、複数の第1の接続端子と、複数の第2の接続端子と、複数の第1の静電保護回路と、複数の第2の静電保護回路と、複数の第3の静電保護回路と、複数の第4の静電保護回路とを備え、
    複数の前記第1の接続端子と、複数の前記第1の静電保護回路は、それぞれ前記個別基板の前記第1の辺に沿って前記第1の方向に配置され、
    複数の前記第2の静電保護回路と、複数の前記第2の接続端子と、複数の前記第3の静電保護回路は、それぞれ前記個別基板の前記第2の辺に沿って前記第2の方向に配置され、
    複数の前記第4の静電保護回路は、それぞれ前記個別基板の前記第3の辺に沿って前記第1の方向に配置され、
    前記第1の接続配線は、前記第2の方向へ延在し、前記第1の接続端子と前記内部回路とを電気的に接続するとともに、前記第1の接続端子と前記第1の静電保護回路とを介して、前記第1の共通配線に電気的に接続し、
    前記第2の接続配線は、前記第1の方向へ延在し、前記第2の接続端子と前記検査回路とを電気的に接続するとともに、前記第2の接続端子と前記第3の静電保護回路とを介して、前記第2の共通配線に電気的に接続し、
    前記第3の接続配線は、前記第1の接続配線から前記第1の方向へ延在し、前記第2の静電保護回路を介して、前記第2の共通配線に電気的に接続し、
    前記第4の接続配線は、前記第2の接続配線から前記第2の方向へ延在し、前記第4の静電保護回路を介して、前記第3の共通配線に電気的に接続し、
    前記電気光学装置用基板において、前記第1の静電保護回路及び前記第4の静電保護回路を前記第の方向に沿って切断すると共に、前記第2の静電保護回路及び前記第3の静電保護回路を前記第の方向に沿って切断して、前記個別基板を取り出す、個別基板の製造方法。
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