JP6690598B2 - イミン構造含有環状有機ケイ素化合物およびその製造方法 - Google Patents

イミン構造含有環状有機ケイ素化合物およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、イミン構造含有環状有機ケイ素化合物およびその製造方法に関し、さらに詳述すると、アニオン末端変性剤、接着剤、樹脂改質剤、シランカップリング剤、表面処理剤、合成中間体等として有用なイミン構造含有環状有機ケイ素化合物およびその製造方法に関する。
イミン構造含有有機ケイ素化合物は、窒素上に活性水素を持たないため、そのままでは反応性を示さない。しかし、この化合物は、湿気あるいは水分と接触するとイミノ基の加水分解が起こり、一級アミノ基含有アルコキシシラン化合物とカルボニル化合物に分解され、反応性に富む一級アミノ基が再生するという特徴を有している。また、イミノ基は求核試薬と反応できるため、合成中間体やアニオン末端変性剤として使用することもできる。
このようなイミン構造含有有機ケイ素化合物の具体例として、ベンジリデン(トリメトキシシリルプロピル)アミンやメチルイソブチリデン(トリメトキシシリルプロピル)アミン等が挙げられる。これらの化合物は、イミノ基が加水分解されることによって3−アミノプロピルトリメトキシシランを生成し、樹脂改質剤、シランカップリング剤、接着剤、表面処理剤等として使用する際に効力を発揮する。
しかし、上記イミン構造含有有機ケイ素化合物の加水分解によって生じるアミノプロピルトリメトキシシランは、一分子当たり一つのアミノ基しか有していないため、樹脂改質剤、シランカップリング剤、接着剤、表面処理剤等として使用した際に、アミノ基導入の効果が十分に発揮されない場合があった。
この問題を解決できる化合物として、イミノ基の他に二級アミノ基を有するイミン構造含有アルコキシシラン化合物であるベンジリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミンや、ベンジリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミンが知られている(特許文献1,2)。
これらの化合物では、イミノ基が加水分解されて一級アミノ基が再生すると、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランまたは3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランが生成する。これらはアミノ基を二つ有しているため、一分子当たりアミノ基を一つしか有しない化合物に比べて、アミノ基導入の効果が大きくなる。
特開平8−92488号公報 特開2016−117696号公報
しかしながら、上記各特許文献記載の化合物は、反応性に富む二級アミノ基が分子内に存在するため、アニオン末端変性剤として使用した場合、アニオン末端と二級アミノ基上の水素が反応し、アニオン末端を失活させてしまうという問題がある。このため、アニオン末端を十分に変性できず、得られたポリマーが所望の性能を発揮しない可能性がある。
また、アミノ基と反応可能な官能基を有する化合物と当該化合物を混合し、一液化を試みた場合に保存安定性が低いという問題がある。例えば、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂等に上記化合物を添加した場合、二級アミノ基と樹脂中のエポキシ基あるいはイソシアネート基が反応し、樹脂中の官能基を変換してしまう。このため、例えば、上記化合物をエポキシ樹脂あるいはイソシアネート樹脂を主成分とする接着剤等として使用した場合、官能基が変換されてしまうため、一液型組成物とすることができず、所望の性能を得られない可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、アニオン末端変性剤、接着剤、樹脂改質剤、シランカップリング剤、表面処理剤、合成中間体等として用いた場合に悪影響が生じず、かつ添加効果が大きい、新規なイミン構造含有環状有機ケイ素化合物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、所定のイミン構造含有環状有機ケイ素化合物が、アニオン末端変性剤、接着剤、樹脂改質剤、シランカップリング剤、表面処理剤、合成中間体等として用いた場合に、悪影響が生じずに、添加による特性向上を図ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 下記一般式(1)で表されるイミン構造含有環状有機ケイ素化合物、
Figure 0006690598
(式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、またはヘテロ原子を含んでいてもよい、置換もしくは非置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基を表すが、R1およびR2が互いに結合して環構造を形成してもよく、R3は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数2〜20の2価炭化水素基を表し、R4は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数1〜20の2価炭化水素基を表し、R5およびR6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、R7は、単結合、またはSi原子側末端が、−O−、−S−、−NH−もしくは−C(=O)O−で置換された、炭素数2〜10の2価炭化水素基を表し、nは、0、1または2の整数を表す。)
2. 下記一般式(2)
Figure 0006690598
(式中、R1〜R6およびnは、前記と同じ意味を表し、R8は、水素原子、またはヒドロキシ基、アミノ基、チオール基もしくはカルボキシル基で置換された炭素数2〜10の1価炭化水素基を表す。)
で示されるイミン構造含有有機ケイ素化合物を分子内環化させる1のイミン構造含有環状有機ケイ素化合物の製造方法
を提供する。
本発明のイミン構造含有環状有機ケイ素化合物は、接着剤、樹脂改質剤、シランカップリング剤、表面処理剤等として使用した場合に、アミノ基導入の効果を十分に発揮することができる。また、分子内に活性水素を持たないことから、アニオン末端変性剤、合成中間体等へ利用した場合に、活性末端を失活させることが無く、反応性官能基を有する化合物とも一液化させることができる。
実施例1で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンのIRスペクトルである。 実施例1で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンの1H−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンのIRスペクトルである。 実施例2で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンの1H−NMRスペクトルである。 実施例3で得られた2−エトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンのIRスペクトルである。 実施例3で得られた2−エトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンの1H−NMRスペクトルである。 実施例4で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンのIRスペクトルである。 実施例4で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンの1H−NMRスペクトルである。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係るイミン構造含有環状有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)で示される。
Figure 0006690598
(式中、nは、0、1または2の整数である。)
上記一般式(1)において、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、またはヘテロ原子を含んでいてもよい、置換もしくは非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10の1価炭化水素基を表すが、R1およびR2が互いに結合して環構造を形成してもよく、R3は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10の2価炭化水素基を表し、R4は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数1〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは3〜5の2価炭化水素基を表し、R5およびR6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10の1価炭化水素基を表し、R7は、単結合、またはSi原子側末端が、−O−、−S−、−NH−もしくは−C(=O)O−で置換された、炭素数2〜10、好ましくは2〜5の2価炭化水素基を表す。
上記炭素数1〜20の1価炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イコシル基等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、テキシル、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基;アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル基等のアルケニル基;フェニル、トリル基等のアリール基;ベンジル、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
また、上記1価炭化水素基は、分子鎖中に、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)等のヘテロ原子の1種または2種以上が介在してもよく、そのような基の具体例としては、フラニル基、チエニル基、ピリジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。
なお、上記1価炭化水素基の水素原子の一部または全部は、その他の置換基で置換されていてもよく、この置換基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、(イソ)プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;フェニル、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル、フェネチル基等の炭素数7〜10のアラルキル基;それぞれ各アルキル基、各アルコキシ基が炭素数1〜6である、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、ジアルキルモノアルコキシシリル基、モノアルキルジアルコキシシリル基等が挙げられる。
また、R1およびR2が互いに結合して形成する環としては、特に限定されるものではなく、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等の炭素数3〜20の脂肪族炭化水素環等が挙げられる。
1およびR2としては、特に原料の入手容易性や、生成物の有用性の観点から、水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐もしくは環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、フラニル基、チエニル基、ピリジル基が好ましく、R1およびR2のいずれか一方が水素原子で、他方が、炭素数1〜10の直鎖、分岐もしくは環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、フラニル基、チエニル基、ピリジル基がより好ましい。
また、R5およびR6としては、特に原料の入手容易性や、生成物の有用性の観点から、炭素数1〜10の直鎖、分岐もしくは環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖アルキル基がより好ましく、メチル、エチル基がより一層好ましい。
上記炭素数1〜20の2価炭化水素基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デシレン基等の直鎖状アルキレン基;プロピレン(メチルエチレン)基、メチルトリメチレン基等の分岐状アルキレン基;シクロヘキシレン基等の環状アルキレン基;プロペニレン基等のアルケニレン基;フェニレン基等のアリーレン基;メチレンフェニレン基、メチレンフェニレンメチレン基等のアラルキレン基等が挙げられる。
また、ヘテロ原子を含む2価炭化水素基としては、アルキレンアミノアルキレン基、アルキレンオキシアルキレン基、アルキレンチオアルキレン基等が挙げられ、これらのアルキレン基としては、互いに独立して、上記直鎖状、分岐状、環状アルキレン基で例示した基と同様の基が挙げられる。
上記炭素数2〜20の2価炭化水素基およびヘテロ原子を含む炭素数2〜20の2価炭化水素基としては、上記炭素数1〜20の2価炭化水素基から、炭素数1のメチレン基を除いたものと同様の基が挙げられる。
なお、上記2価炭化水素基の水素原子の一部または全部は、その他の置換基で置換されていてもよく、この置換基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、(イソ)プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;フェニル、トリル基等の炭素数6〜10のアリール基;ベンジル、フェネチル基等の炭素数7〜10のアラルキル基;それぞれ各アルキル基、各アルコキシ基が炭素数1〜6である、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、ジアルキルモノアルコキシシリル基、モノアルキルジアルコキシシリル基等が挙げられる。
また、上記Si原子側末端が、−O−、−S−、−NH−または−C(=O)O−で置換された、炭素数2〜10の2価炭化水素基の具体例としては、エチレンオキシ基、エチレン(メチル)オキシ基、エチレンアミノ基、エチレンメルカプト基、メチレンカルボキシル基等が挙げられる。
3としては、特に原料の入手容易性や、生成物の有用性の観点から、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖アルキレン基がより好ましく、エチレン基がより一層好ましい。
4としては、特に原料の入手容易性や、生成物の有用性の観点から、炭素数2〜10の直鎖、分岐または環状のアルキレン基が好ましく、炭素数3〜5の直鎖アルキレン基がより好ましく、トリメチレン基がより一層好ましい。
7としては、特に原料の入手容易性や、生成物の有用性の観点から、単結合がより好ましい。
上記一般式(1)で示されるイミン構造含有環状有機ケイ素化合物の具体例としては、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−フラニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−フラニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−フラニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−フラニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−フラニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−ピリジルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−ピリジルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−ピリジルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−ピリジルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−ピリジルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−チエニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(2−チエニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−チエニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(2−チエニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメチル−1−(2−チエニルメチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−シクロヘキシリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−N−メチルピペリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−N−メチルピペリジニリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−メトキシ−2−メチル−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2−エトキシ−2−メチル−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジエトキシ−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメチル−1−(2−オクチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2−メトキシ−2−メチル−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2,2−ジエトキシ−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2−エトキシ−2−メチル−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2,2−ジメチル−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2,2−ジメトキシ−8−メチル−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2,8−ジメチル−2−メトキシ−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2,2−ジエトキシ−8−メチル−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2−エトキシ−2,8−ジメチル−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン、2,2,8−トリメチル−6−(2−ベンジリデンアミノエチル)−1,6,2−オキサアザシラシクロオクタン等が例示される。
特に、接着剤、表面処理剤等として使用した場合に、迅速に処理ができるという点から、R7が単結合である下記一般式(3)で示される化合物が好ましく、さらに、原料調達の容易性から、R4がトリメチレン基である下記一般式(4)で示される化合物がより好ましい。
Figure 0006690598
(式中、R1〜R6およびnは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 0006690598
(式中、R1〜R3、R5、R6およびnは、上記と同じ意味を表す。)
上記一般式(1)で示されるイミン構造含有環状有機ケイ素化合物は、例えば、下記一般式(2)で示されるイミン構造含有有機ケイ素化合物を分子内環化させて製造することができる。
Figure 0006690598
(式中、R1〜R6およびnは、上記と同じ意味を表す。)
上記一般式(2)で示されるイミン構造含有有機ケイ素化合物において、R8は、水素原子、またはヒドロキシ基、アミノ基、チオール基もしくはカルボキシル基で置換された炭素数2〜10の1価炭化水素基を表す。
ヒドロキシ基、アミノ基、チオール基もしくはカルボキシル基で置換された炭素数2〜10の1価炭化水素基中の1価炭化水素基としては、上記で例示した基と同様の基が挙げられ、上記置換された炭素数2〜10の1価炭化水素基の具体例としては、エチレンヒドロキシ基、エチレンアミノ基、エチレンメルカプト基、メチレンカルボキシル基、エチレン(メチル)ヒドロキシ基等が挙げられる。
8としては、特に、原料調達の容易性から水素原子が好ましく、水素原子でない場合は反応性の点からヒドロキシ基を含むことが好ましい。
上記一般式(2)で示されるイミン構造含有有機ケイ素化合物の具体例としては、ベンジリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、ベンジリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、ベンジリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、ベンジリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、ベンジリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、ベンジリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、p−メトキシベンジリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、p−メトキシベンジリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、p−メトキシベンジリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、p−メトキシベンジリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、p−メトキシベンジリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、p−メトキシベンジリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、メチルイソブチリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、メチルイソブチリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、メチルイソブチリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、メチルイソブチリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、メチルイソブチリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、メチルイソブチリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、シクロヘキシリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、シクロヘキシリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、シクロヘキシリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、シクロヘキシリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、シクロヘキシリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、シクロヘキシリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、N−メチルピペリジニリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、N−メチルピペリジニリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、N−メチルピペリジニリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、N−メチルピペリジニリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、N−メチルピペリジニリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、N−メチルピペリジニリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、オクチリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、オクチリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、オクチリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、オクチリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、オクチリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、オクチリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−フラニルメチリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−フラニルメチリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−フラニルメチリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−フラニルメチリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−フラニルメチリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−フラニルメチリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−ピリジルメチリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−ピリジルメチリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−ピリジルメチリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−ピリジルメチリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−ピリジルメチリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−ピリジルメチリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−チエニルメチリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−チエニルメチリデン(トリメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−チエニルメチリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−チエニルメチリデン(トリエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−チエニルメチリデン(ジメチルメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、2−チエニルメチリデン(ジメチルエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン、ベンジリデン(トリメトキシシリルプロピル(ヒドロキシエチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(メチルジメトキシシリルプロピル(ヒドロキシエチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(トリエトキシシリルプロピル(ヒドロキシエチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(メチルジエトキシシリルプロピル(ヒドロキシエチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(ジメチルメトキシシリルプロピル(ヒドロキシエチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(ジメチルエトキシシリルプロピル(ヒドロキシエチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(トリメトキシシリルプロピル(ヒドロキシ(メチル)エチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(メチルジメトキシシリルプロピル(ヒドロキシ(メチル)エチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(トリエトキシシリルプロピル(ヒドロキシ(メチル)エチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(メチルジエトキシシリルプロピル(ヒドロキシ(メチル)エチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(ジメチルメトキシシリルプロピル(ヒドロキシ(メチル)エチル)アミノエチル)アミン、ベンジリデン(ジメチルエトキシシリルプロピル(ヒドロキシ(メチル)エチル)アミノエチル)アミン等が挙げられる。
分子内環化させる方法としては、一般式(2)で示されるイミン構造含有有機ケイ素化合物を触媒の存在下で加熱し、生じたアルコール成分を系外に除去する第一の方法や、一般式(2)で示されるイミン構造含有有機ケイ素化合物を触媒の存在下で加熱し、生じたアルコール成分をオルトエステル化合物またはシラザン化合物で捕捉する第二の方法等が挙げられる。
第一の方法における触媒としては、ブレンステッド酸として、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、コハク酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸;メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸等のスルホン酸;O−ベンズスルホンイミド、ジベンゼンスルホンイミド等のスルホンイミド、ルイス酸として、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられ、これらの触媒は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの触媒の添加量は、生成するアルコール成分1モルあたり、好ましくは0.0001〜0.1モル、より好ましくは0.001〜0.05モルである。
第一の方法における反応温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは40〜200℃である。反応時間は、好ましくは30〜600分間、より好ましくは60〜300分間、より一層好ましくは60〜150分間である。
第一の方法の反応は、常圧下でも進行するが、生じたアルコールを速やかに除去するために減圧下で行うことが好ましい。
第一の方法の反応は、無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
第二の方法における触媒としては、第一の方法と同じものが挙げられ、また添加量についても同様である。
第二の方法における反応温度は、好ましくは80℃〜200℃、より好ましくは110℃〜200℃である。反応時間は、好ましくは60〜600分間、より好ましくは120〜300分間である。
第二の方法の反応は、減圧下でも進行するが、反応温度をできるだけ高く設定するために、常圧下で行うことが好ましい。
第二の方法で用いられるオルトエステル化合物としては、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル等が挙げられ、シラザン化合物としては、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラン、ジエチルアミノトリメチルシラン、フェニルアミノトリメチルシラン、フェニルメチルアミノトリメチルシラン等が挙げられる。
これらの化合物の使用量は、生成するアルコール成分1モルあたり、好ましくは0.5〜10モル、より好ましくは0.5〜5モルである。
第二の方法の反応は、無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、第一の方法と同様のものが挙げられる。
上記一連の反応で得られた一般式(1)で示されるイミン構造含有環状有機ケイ素化合物の単離や精製は、減圧蒸留や各種クロマトグラフィー等の通常の有機合成における精製方法から適宜選択して用いることができるが、工業的経済性の点から減圧蒸留が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計、および充填剤を含む蒸留塔を備えたフラスコに、トルエン218.5g、トリフルオロメタンスルホン酸0.7g(0.005モル)を仕込み、トルエン還流下でベンジリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン147.3g(0.5000モル)、ヘキサメチルジシラザン44.3g(0.274モル)、アセトニトリル38.0gの混合物を4時間かけて滴下しながら、生成したトリメチルメトキシシラン、アセトニトリルおよびトルエンを留去し、さらに釜温120℃までトルエンを留去した。得られた反応液を蒸留し、147℃/0.4kPaの留分45.3gを得た。
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。IRスペクトルを図1に、1H−NMRスペクトルを図2に示す。
質量スペクトル
m/z 262,233,144,114,75
以上の結果より、得られた化合物は、2−メトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンであることが確認された。
[実施例2]
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計、および充填剤を含む蒸留塔を備えたフラスコに、トルエン211.3g、ノナフルオロブタンスルホン酸1.5g(0.0050モル)を仕込み、トルエン還流下でp−メトキシベンジリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン162.3g(0.5000モル)、ヘキサメチルジシラザン44.5g(0.276モル)、アセトニトリル37.8gの混合物を4時間かけて滴下しながら、生成したトリメチルメトキシシラン、アセトニトリルおよびトルエンを留去し、さらに釜温120℃までトルエンを留去した。得られた反応液を蒸留し、146℃/0.4kPaの留分62.2gを得た。
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。IRスペクトルを図3に、1H−NMRスペクトルを図4に示す。
質量スペクトル
m/z 292,263,144,113,75
以上の結果より、得られた化合物は、2−メトキシ−2−メチル−1−(p−メトキシベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンであることが確認された。
[実施例3]
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計、および充填剤を含む蒸留塔を備えたフラスコに、O−キシレン227.6g、ノナフルオロブタンスルホン酸1.5g(0.0050モル)を仕込み、O−キシレン還流下でベンジリデン(メチルジエトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン158.9g(0.4927モル)、ヘキサメチルジシラザン44.3g(0.274モル)、アセトニトリル38.5gの混合物を4時間かけて滴下しながら、生成したトリメチルエトキシシラン、アセトニトリル、およびO−キシレンを留去し、さらに釜温152℃までO−キシレンを留去した。得られた反応液を蒸留し、147℃/0.5kPaの留分47.1gを得た。
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。IRスペクトルを図5に、1H−NMRスペクトルを図6に示す。
質量スペクトル
m/z 276,247,158,114,91
以上の結果より、得られた化合物は、2−エトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンであることが確認された。
[実施例4]
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計、および充填剤を含む蒸留塔を備えたフラスコに、トルエン209.9g、ノナフルオロブタンスルホン酸1.5g(0.0050モル)を仕込み、トルエン還流下でメチルイソブチリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミン144.5g(0.5009モル)、ヘキサメチルジシラザン44.5g(0.276モル)、アセトニトリル38.0gの混合物を4時間かけて滴下しながら、生成したトリメチルメトキシシラン、アセトニトリル、およびトルエンを留去し、さらに釜温122℃までトルエンを留去した。得られた反応液を蒸留し、110℃/0.4kPaの留分35.3gを得た。
得られた留分の質量スペクトル、1H−NMRスペクトル、IRスペクトルを測定した。IRスペクトルを図7に、1H−NMRスペクトルを図8に示す。
質量スペクトル
m/z 256,241,158,144,114,75
以上の結果より、得られた化合物は、2−メトキシ−2−メチル−1−(メチルイソブチリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンであることが確認された。
[応用例1]イミン構造含有環状有機ケイ素化合物とメタノールの反応
撹拌および還流器を備えたフラスコに、実施例1で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン1.0g(0.0038モル)を仕込み、メタノール1.2g(0.038モル)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液のガスクロマトグラフィー分析を行ったところ、2−メトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンに由来するピークは消失し、ベンジリデン(メチルジメトキシシリルプロピルアミノエチル)アミンが生成した。
以上の結果から、本発明で得られたイミン構造含有環状有機ケイ素化合物は、アルコール成分や空気中の湿気で容易に環状構造が解消され、反応性に富む2級アミノ基が再生されることが示された。
[応用例2]イミン構造含有環状有機ケイ素化合物とブチルリチウムの反応
撹拌機、還流器、および温度計を備えたフラスコに、実施例1で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン2.6g(0.0099モル)とトルエン8.2gを仕込み、室温で撹拌した。この反応液にn−ブチルリチウム(2.6Mヘキサン溶液)7.6ml(0.020モル)を5分かけて滴下し、その後室温で1時間撹拌した。得られた反応液にメタノールを加えて反応を停止し、得られた反応液のGC/MS分析を行った。その結果、原料の2−メトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが消失し、2−(ブチルメチルメトキシシリルプロピル)アミノエチル(1−フェニルペンチル)アミンの生成が確認された。
以上の結果から、本発明で得られたイミン構造含有環状有機ケイ素化合物は、アニオン重合末端を失活させることなく、金属末端と反応することが示された。
[応用例3]イミン構造含有環状有機ケイ素化合物とエポキシ樹脂の安定性評価
エポキシ樹脂JER−827(三菱化学(株)製)30.0gとトルエン30.0gの混合物に、実施例1で得られた2−メトキシ−2−メチル−1−(ベンジリデンアミノエチル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン3.0gを混合し、均一な組成物を調製した。この組成物を調製直後に、ウベローデ粘度計(柴田科学(株)製、粘度計定数0.00984)を用い、25℃で動粘度を測定したところ、5.0であった。その後、窒素雰囲気下、3日間室温で静置した後、再び25℃で動粘度を測定したところ、5.8であり、顕著な増粘は認められなかった。
以上の結果から、本発明で得られたイミン構造含有環状有機ケイ素化合物は、エポキシ樹脂と安定に混合できることが示された。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表されるイミン構造含有環状有機ケイ素化合物。
    Figure 0006690598
    (式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、またはヘテロ原子を含んでいてもよい、置換もしくは非置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基を表すが、R1およびR2が互いに結合して環構造を形成してもよく、R3は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数2〜20の2価炭化水素基を表し、R4は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数1〜20の2価炭化水素基を表し、R5およびR6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい、置換または非置換の炭素数1〜20の1価炭化水素基を表し、R7は、単結合、またはSi原子側末端が、−O−、−S−、−NH−もしくは−C(=O)O−で置換された、炭素数2〜10の2価炭化水素基を表し、nは0、1または2の整数を表す。)
  2. 下記一般式(2)
    Figure 0006690598
    (式中、R1〜R6およびnは、前記と同じ意味を表し、R8は、水素原子、またはヒドロキシ基、アミノ基、チオール基もしくはカルボキシル基で置換された炭素数2〜10の1価炭化水素基を表す。)
    で示されるイミン構造含有有機ケイ素化合物を分子内環化させる請求項1記載のイミン構造含有環状有機ケイ素化合物の製造方法。
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