JP6686465B2 - タイヤ劣化判定具、タイヤ劣化判定具を備えた空気入りタイヤ、タイヤ劣化判定方法及びタイヤ更生可否判定方法 - Google Patents

タイヤ劣化判定具、タイヤ劣化判定具を備えた空気入りタイヤ、タイヤ劣化判定方法及びタイヤ更生可否判定方法 Download PDF

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本発明は、タイヤ劣化判定具及びその関連技術に関し、更に詳しくは、タイヤ劣化判定具から識別される劣化度合いの感度を高め、空気入りタイヤの劣化度合いを詳細に判定することを可能にしたタイヤ劣化判定具、タイヤ劣化判定具を備えた空気入りタイヤ、タイヤ劣化判定方法及びタイヤ更生可否判定方法に関する。
近年、資源の有効活用及び省エネルギーの観点から、空気入りタイヤのトレッド部が摩耗して使用不能の状態になった後、その空気入りタイヤを再生して得られる更生タイヤが普及している。特に、トラックやバスに使用される重荷重用空気入りタイヤについては、更生タイヤが広く使用されている。
使用済みの空気入りタイヤを更生する場合、トレッドゴムが研削された台タイヤを作製し、その台タイヤに対して新たなトレッドゴムを被覆する。そのような更生作業を行うにあたって、台タイヤの残存耐久性を確認するために、シェアログラフィ検査により内部セパレーションの有無を確認したり、外観検査により外傷の有無を確認したりすることが行われている。しかしながら、このような検査では空気入りタイヤを構成するゴム組成物の劣化度合いを十分に評価することができない。
これに対して、硫黄架橋可能なジエン系ゴム組成物からなる芯体ゴムがタイヤのインナーライナー層と同等又はそれ以上の酸素透過係数を有するカバーゴムで被覆されたタイヤ劣化判定具をタイヤ内面に設置し、そのタイヤ劣化判定具の屈曲試験の結果に基づいて空気入りタイヤの劣化度合いを判定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このようなタイヤ劣化判定具を用いた屈曲試験の結果を参照しても空気入りタイヤの劣化度合いを詳細に判定することができないのが現状である。
特開2006−327469号公報
本発明の目的は、タイヤ劣化判定具から識別される劣化度合いの感度を高め、空気入りタイヤの劣化度合いを詳細に判定することを可能にしたタイヤ劣化判定具、タイヤ劣化判定具を備えた空気入りタイヤ、タイヤ劣化判定方法及びタイヤ更生可否判定方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤ劣化判定具は、ゴム組成物の成形体からなるタイヤ劣化判定具であって、前記成形体の被装着面を除く部分の表面積S(mm2)と前記成形体の体積V(mm3)との比S/Vが0.1以上であり、前記成形体の被装着面を除く部分の表面積Sが50mm2以上であることを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、上述したタイヤ劣化判定具がタイヤ内面に装着されていることを特徴とするものである。
更に、上記目的を達成するための本発明のタイヤ劣化判定方法は、上述したタイヤ劣化判定具を用いたタイヤ劣化判定方法であって、空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具をタイヤ使用開始後の任意の時点で取り外し、その取り外されたタイヤ劣化判定具の物理的特性を測定し、その測定値を用いて前記物理的特性の新品時からの変化量を求め、該変化量に基づいて前記空気入りタイヤの劣化度合いを判定することを特徴とするものである。
更に、上記目的を達成するための本発明のタイヤ更生可否判定方法は、上述したタイヤ劣化判定具を用いたタイヤ更生可否判定方法であって、空気入りタイヤの内部パーツの残存耐久性と前記空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具の物理的特性の新品時からの変化量とを関連付けた判定チャートを用意し、該判定チャートにおいて所定の残存耐久性に対応する前記物理的特性の新品時からの変化量の閾値を決定する一方で、前記空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具をタイヤ更生時に取り外し、その取り外されたタイヤ劣化判定具の物理的特性を測定し、その測定値を用いて前記物理的特性の新品時からの変化量を求め、該変化量の実測値を前記閾値と対比することにより、前記空気入りタイヤが更生可能であるか否かを判定することを特徴とするものである。
本発明のタイヤ劣化判定具によれば、ゴム組成物の成形体の被装着面を除く部分の表面積Sを大きくすることで酸素劣化の影響を顕在化させると共に、成形体の被装着面を除く部分の表面積Sに対して成形体の体積Vを相対的に小さくすることで酸化劣化の影響を顕在化させているので、タイヤ劣化判定具における劣化度合いの感度を高めることができる。そのため、このようなタイヤ劣化判定具をタイヤ内面に装着することにより、空気入りタイヤの劣化度合いを詳細に判定することができる。
本発明のタイヤ劣化判定具において、成形体は凹凸に起伏した表面形状を有することが好ましい。これにより、成形体の表面積Sを増大させて劣化度合いの感度を更に高めることができる。
本発明のタイヤ劣化判定具において、成形体はシート状をなし、その最大厚さが0.5mm〜5.0mmであることが好ましい。これにより、成形体の厚さ方向における劣化進行の不均一性を小さくし、劣化度合いの判定精度を高めることができる。
また、本発明の空気入りタイヤによれば、上述したタイヤ劣化判定具がタイヤ内面に装着されているので、その劣化度合いをタイヤ劣化判定具に基づいて詳細に判定することができる。
本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ劣化判定具はトレッド幅の中央側75%の領域又はタイヤ断面高さの25%以下の領域においてタイヤ内面に装着されていることが好ましい。これら領域ではタイヤ走行時にタイヤ内面が変形し難いため、タイヤ劣化判定具に掛かる歪を低減し、酸素による劣化度合いを精度良く判定することができる。
本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ劣化判定具がタイヤ内面に対して粘着層を介して貼着されていることが好ましい。タイヤ劣化判定具をタイヤ内面に対して粘着層を介して貼着した場合、タイヤ劣化判定具を容易に剥がすことができるので、引き剥がし時に無理な力が負荷されていないタイヤ劣化判定具を用いて劣化度合いを精度良く判定することができる。
更に、本発明のタイヤ劣化判定方法によれば、空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具をタイヤ使用開始後の任意の時点で取り外し、その取り外されたタイヤ劣化判定具の物理的特性を測定し、その測定値を用いて物理的特性の新品時からの変化量を求め、該変化量に基づいて空気入りタイヤの劣化度合いを精度良く判定することができる。
更に、本発明のタイヤ更生可否判定方法によれば、空気入りタイヤの内部パーツの残存耐久性と空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具の物理的特性の新品時からの変化量とを関連付けた判定チャートを用意し、該判定チャートにおいて所定の残存耐久性に対応する物理的特性の新品時からの変化量の閾値を決定する一方で、空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具をタイヤ更生時に取り外し、その取り外されたタイヤ劣化判定具の物理的特性を測定し、その測定値を用いて物理的特性の新品時からの変化量を求め、該変化量の実測値と閾値と対比することにより、空気入りタイヤが更生可能であるか否かを精度良く判定することができる。
本発明の実施形態からなる重荷重用の空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ劣化判定具を示す斜視図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定具の変形例を示す斜視図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定具の他の変形例を示す斜視図である。 本発明に係るタイヤ劣化判定具の更に他の変形例を示す斜視図である。 本発明に係るタイヤ更生可否判定方法で使用される判定チャートの一例を示す図である。 試験におけるベルト層の層間剥離力と酸素吸着量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる重荷重用の空気入りタイヤを示し、図2は本発明の実施形態からなるタイヤ劣化判定具を示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜60°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ気室に面するタイヤ内面Sにはタイヤ劣化判定具10が装着されている。図2に示すように、タイヤ劣化判定具10はシート状であって直方体をなすゴム組成物の成形体11から構成されている。成形体11を構成するゴム組成物としては、例えば、硫黄架橋可能なジエン系ゴム組成物を使用することができる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR等を挙げることができる。但し、タイヤ劣化判定具10の成形体11に使用されるゴムは上記ジエン系ゴムに限定されるものではなく、そのゴムには硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、カーボンブラック等の充填剤、オイル等の軟化剤、樹脂、ワックス、コバルト塩等の金属塩、ステアリン酸、亜鉛華等の添加物を適宜配合することができる。特に、タイヤの酸化劣化を判定するにあたって、酸化劣化を生じ易い天然ゴム系のゴム組成物が好ましく、硫黄、更には金属塩を含有するものが好ましい。
また、タイヤ劣化判定具10はシート状の粘着層12を介してタイヤ内面Sに対して着脱自在に貼着されている。このような粘着層12としては、両面テープや粘着剤等を使用することができる。
タイヤ劣化判定具10において、成形体11の被装着面を除く部分の表面積S(mm2)と成形体11の体積V(mm3)との比S/Vは0.1以上、好ましくは0.5〜10の範囲に設定され、成形体11の被装着面を除く部分の表面積Sは50mm2以上、好ましくは50mm2〜5000mm2の範囲に設定されている。また、成形体11の体積Vは50mm3以上、好ましくは100mm3〜15000mm3の範囲に設定されている。
このように構成されるタイヤ劣化判定具10によれば、成形体11の被装着面を除く部分の表面積Sを大きくすることで酸素劣化の影響を顕在化させることができ、しかも成形体11の被装着面を除く部分の表面積Sに対して成形体11の体積Vを相対的に小さくすることで酸化劣化の影響を顕在化させることができる。これにより、タイヤ劣化判定具10の劣化度合いの感度を高めることができる。そのため、タイヤ劣化判定具10をタイヤ内面Sに装着し、タイヤ使用開始後の任意の時期にタイヤ劣化判定具10を取り外し、劣化が進行したタイヤ劣化判定具10を分析することにより、空気入りタイヤの劣化度合いを詳細に判定することができる。
ここで、成形体11の表面積Sと体積Vとの比S/Vが0.1よりも小さいと表面積Sが相対的に小さくなり体積Vが相対的に大きくなるため劣化度合いの感度が低くなる。同様に、成形体11の表面積Sが50mm2よりも小さいと劣化度合いの感度が低くなる。また、成形体11の表面積Sと体積Vとの比S/Vが10よりも大きいと体積Vが相対的に小さくなり、タイヤ劣化判定具10が全体的に劣化するまでの時間が短くなるため劣化度合いを調べるための器具として有効に機能しなくなる。
タイヤ劣化判定具10を構成する成形体11の形状は特に限定されるものではなく、半球形状や三角柱形状等の種々の形状とすることが可能である。しかしながら、成形体11はシート状をなし、その最大厚さtが0.5mm〜5.0mmであると良い。これにより、成形体11の厚さ方向における劣化進行の不均一性を小さくし、劣化度合いの判定精度を高めることができる。成形体11の最大厚さtが0.5mmよりも小さいとタイヤ劣化判定具10が全体的に劣化するまでの時間が短くなるため劣化度合いを調べるための器具として有効に機能しなくなり、逆に5.0mmよりも大きいと劣化度合いの感度が低くなると共に、歪による発熱が大きくなり、その発熱による物性劣化がタイヤ劣化度との相関を阻害することになる。
図3〜図5はそれぞれ本発明に係るタイヤ劣化判定具の変形例を示すものである。図3においては、成形体11の被装着面とは反対側の面にジグザグ形状を有する凹凸部11aが形成されている。図4においては、成形体11の被装着面とは反対側の面に波形状を有する凹凸部11bが形成されている。図5においては、成形体11の被装着面とは反対側の面に複数のディンプル11cが形成されている。このように成形体11が凹凸に起伏した表面形状を有することにより、成形体11の表面積Sを増大させて劣化度合いの感度を更に高めることができる。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ劣化判定具10はトレッド幅TWの中央側75%に相当する領域X1又はタイヤ断面高さSHの25%以下となる領域X2の範囲内でタイヤ内面Sに装着されているのが良い。これら領域X1,X2ではタイヤ走行時にタイヤ内面Sが変形し難いため、タイヤ劣化判定具10に掛かる歪を低減し、酸素による劣化度合いを精度良く判定することができる。タイヤ劣化判定具10の配置位置が領域X1,X2から外れると、走行時にタイヤ劣化判定具10に対して歪が繰り返し与えられることに起因してタイヤ劣化判定具10に物性変化が起こり、劣化度合いを正確に判断することが困難になる。
また、上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ劣化判定具10をタイヤ内面Sに対して粘着層12を介して貼着した場合、タイヤ劣化判定具10を容易に剥がすことができる。そのため、引き剥がし時に無理な力が負荷されていないタイヤ劣化判定具10を用いて劣化度合いを精度良く判定することができる。
以下、上述したタイヤ劣化判定具10を用いたタイヤ劣化判定方法について詳細に説明する。先ず、空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面Sに対してタイヤ劣化判定具10を装着する。タイヤ劣化判定具10は空気入りタイヤの製造直後に装着しても良く、或いは、空気入りタイヤの使用開始時に装着しても良い。タイヤ劣化判定具10は新品時の物理的特性が予め把握されたものである。次いで、タイヤ内面Sに装着されたタイヤ劣化判定具10をタイヤ使用開始後の任意の時点で取り外す。例えば、タイヤ使用過程において任意の走行距離に到達した時点、更生作業を行う時点又はタイヤを廃棄する時点においてタイヤ内面Sからタイヤ劣化判定具10を取り外す。そして、取り外されたタイヤ劣化判定具10の物理的特性を測定し、その測定値を用いて物理的特性の新品時からの変化量を求め、その変化量に基づいて空気入りタイヤの劣化度合いを判定する。
物理的特性としては、重量(比重)、酸素吸着量、電気抵抗、硬度、破断特性、粘弾特性等を挙げることができる。タイヤ劣化判定具10が酸化により劣化すると、重量(比重)、酸素吸着量、電気抵抗、硬度、破断特性、粘弾特性が劣化に伴って変化するので、その物理的特性の新品時からの変化量に基づいて空気入りタイヤの劣化度合いを精度良く判定することができる。また、タイヤ劣化判定具10を化学的に分析し、その分析結果を劣化度合いの指標とすることも可能である。
以下、上述したタイヤ劣化判定具10を用いたタイヤ更生可否判定方法について詳細に説明する。空気入りタイヤを更生する場合、その空気入りタイヤが台タイヤとして再利用可能であるか否かを判定する必要があるが、そのような判定をタイヤ劣化判定具10により行うことができる。
タイヤ更生可否の判定に先駆けて、空気入りタイヤの内部パーツの残存耐久性と空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具10の物理的特性の新品時からの変化量とを関連付けた判定チャートを用意する。図6は、縦軸に内部パーツの残存耐久性を示し、横軸に物理的特性の新品時からの変化量を示した判定チャートである。内部パーツの残存耐久性としては、特に限定されるものではないが、ベルト層の層間剥離力やビードフィラーゴムの破断伸び等を指標とすることができる。
図6に示すように、物理的特性の新品時からの変化量が大きくなるに連れて内部パーツの残存耐久性が徐々に低下する。例えば、物理的特性として硬度を採用する場合、劣化によりタイヤ劣化判定具10は徐々に硬くなって硬度の変化量が増大するが、それに伴って内部パーツの残存耐久性が徐々に低下する。このような判定チャートは共通の構造を有する多数本の空気入りタイヤから採取された残存耐久性と物理的特性に関するデータに基づいて作成することができるが、場合によっては、シミュレーションに基づいて作成することも可能である。そして、図6の判定チャートにおいて、所定の残存耐久性A(例えば、台タイヤとして再利用可能と判断される最低限の残存耐久性)に対応する物理的特性の新品時からの変化量の閾値Bを決定する。
タイヤ更生可否を判定する場合、タイヤ内面Sに装着されたタイヤ劣化判定具10をタイヤ更生時に取り外し、その取り外されたタイヤ劣化判定具10の物理的特性を測定し、その測定値を用いて物理的特性の新品時からの変化量を求め、該変化量の実測値と閾値Bと対比する。例えば、物理的特性の新品時からの変化量が閾値Bよりも大きい場合、その空気入りタイヤは基準となる残存耐久性Aを有していないことを意味するので、台タイヤとして不適当であると判断される。一方、物理的特性の新品時からの変化量が閾値Bよりも小さい場合、その空気入りタイヤは基準となる残存耐久性Aを有していることを意味するので、台タイヤとして適当であると判断される。このように物理的特性の新品時からの変化量の実測値と閾値Bと対比することにより、空気入りタイヤが更生可能であるか否かを精度良く判定することができる。なお、所定の残存耐久性Aは必ずしも台タイヤとして再利用可能と判断される最低限の残存耐久性である必要はなく、安全率を考慮して任意のレベルに設定することが可能である。
表1のように寸法が異なる実施例1〜9及び比較例1〜2のタイヤ劣化判定具を用意し、これらタイヤ劣化判定具をそれぞれタイヤサイズ11R22.5の空気入りタイヤの内面に装着した。実施例1〜9のタイヤ劣化判定具は、図2〜図5のいずれかの形状を有するゴム組成物の成形体を有し、該成形体の被装着面を除く部分の表面積S(mm2)と該成形体の体積V(mm3)を種々異ならせたものである。タイヤ劣化判定具はタイヤ赤道位置においてタイヤ内面に対して粘着層を介して貼着した。
Figure 0006686465
ここで、タイヤ劣化判定具を備えていない複数本の空気入りタイヤ(基準例)を同一条件下で実際に使用し、新品時から更生時までの期間において空気入りタイヤを適時解体し、ベルト層の層間剥離力(N/mm)とベルト層のコートゴムの酸素吸着量の変化量(phr)を測定した。これにより得られたベルト層の層間剥離力とベルト層のコートゴムの酸素吸着量の変化量とをグラフ上にプロットして図7のような相関曲線(太線)を得た。
次に、実施例1〜9及び比較例1〜2のタイヤ劣化判定具を備えた空気入りタイヤについて、基準例と同様の方法により、新品時から更生時までの期間においてベルト層の層間剥離力とタイヤ劣化判定具の酸素吸着量の変化量を測定した。これにより得られたベルト層の層間剥離力(N/mm)とタイヤ劣化判定具の酸素吸着量の変化量(phr)との相関曲線(細線)を図7に併せて示した。
その結果、図7に示すように、実施例1〜9のタイヤ劣化判定具を用いた場合、ベルト層の層間剥離力(内部パーツの残存耐久性に相当)とタイヤ劣化判定具の酸素吸着量(物理的特性)の変化量との相関性が、基準例におけるベルト層の層間剥離力とベルト層のコートゴムの酸素吸着量の変化量との相関性と近似するものであった。特に、基準例におけるタイヤ更生時の酸素吸着量の変化量に対する誤差が±0.5phr以内となる範囲をRとしたとき、実施例1〜9におけるタイヤ更生時の酸素吸着量の変化量はいずれも範囲Rに包含されるものであった。一方、比較例1〜2のタイヤ劣化判定具を用いた場合、ベルト層の層間剥離力とタイヤ劣化判定具の酸素吸着量の変化量との相関性が基準例から大きく異なっていた。このことからも明らかなように、実施例1〜9のタイヤ劣化判定具によれば、空気入りタイヤの劣化度合いを精度良く判定することができ、その空気入りタイヤが更生可能であるか否かを精度良く判定することができる。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
10 タイヤ劣化判定具
11 成形体
12 粘着層

Claims (8)

  1. ゴム組成物の成形体からなるタイヤ劣化判定具であって、前記成形体の被装着面を除く部分の表面積S(mm2)と前記成形体の体積V(mm3)との比S/Vが0.1以上であり、前記成形体の被装着面を除く部分の表面積Sが50mm2以上であることを特徴とするタイヤ劣化判定具。
  2. 前記成形体が凹凸に起伏した表面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ劣化判定具。
  3. 前記成形体がシート状をなし、その最大厚さが0.5mm〜5.0mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ劣化判定具。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ劣化判定具がタイヤ内面に装着されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 前記タイヤ劣化判定具がトレッド幅の中央側75%の領域又はタイヤ断面高さの25%以下の領域においてタイヤ内面に装着されていることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記タイヤ劣化判定具がタイヤ内面に対して粘着層を介して貼着されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ劣化判定具を用いたタイヤ劣化判定方法であって、空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具をタイヤ使用開始後の任意の時点で取り外し、その取り外されたタイヤ劣化判定具の物理的特性を測定し、その測定値を用いて前記物理的特性の新品時からの変化量を求め、該変化量に基づいて前記空気入りタイヤの劣化度合いを判定することを特徴とするタイヤ劣化判定方法。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ劣化判定具を用いたタイヤ更生可否判定方法であって、空気入りタイヤの内部パーツの残存耐久性と前記空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具の物理的特性の新品時からの変化量とを関連付けた判定チャートを用意し、該判定チャートにおいて所定の残存耐久性に対応する前記物理的特性の新品時からの変化量の閾値を決定する一方で、前記空気入りタイヤの内面に装着されたタイヤ劣化判定具をタイヤ更生時に取り外し、その取り外されたタイヤ劣化判定具の物理的特性を測定し、その測定値を用いて前記物理的特性の新品時からの変化量を求め、該変化量の実測値を前記閾値と対比することにより、前記空気入りタイヤが更生可能であるか否かを判定することを特徴とするタイヤ更生可否判定方法。
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