JP6684593B2 - 軸流タービン - Google Patents
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Description
図10の(a)に示すように、オブリークノズル112Aを備える軸流タービン101では、動翼108の前縁108fにおける流体の圧力は、ノズル流路112がロータ102の軸線に対して平行に延伸する通常のノズル流路の場合の圧力(P1)に対して、ハブ側においてΔPだけ高くなり(P1+ΔP)、チップ側においてΔPだけ低くなる(P1−ΔP)。
なお、図10において、後述する本発明の一実施形態にかかる軸流タービンにおける構成に対応する構成については、その符番に100を加算した付番で表記している。
図11の(a)および(b)に示すように、シュラウド108Aが設けられていない軸流タービン1では、そのチップリークTRは、動翼8の前縁8fから後縁8rに向かって流れるのではなく、動翼8の腹面8aから背面8bに向かって、動翼8のチップ側縁8tとケーシングの内周面(チップ側壁面14t)との間の隙間TCを流れる。この動翼8のチップ側縁8tとケーシングの内周面との間の隙間TCを流れる流体の流れ(チップリークTR)は、動翼8の腹面8a側における流体の圧力(P3)と背面8b側における流体の圧力(P4)との圧力差(P3−P4)によって支配され、この圧力差が大きい程にチップリーク量も多くなる。そして、この圧力差(P3−P4)は、動翼8の入口角αと出口角βの和である転向角γ(γ=α+β)が大きくなる程に大きくなる。
軸線周りに回転するロータと、
前記ロータを回転可能に収容するケーシングと、
前記ケーシングに対して固定され、且つ、前記ロータの周方向における少なくとも一部の区間にわたって前記周方向に配列された複数の静翼と、
前記ロータに対して固定され、且つ、前記ロータの周方向における全周にわたって前記周方向に配列された複数の動翼であって、前記動翼のチップ側縁において、前記複数の動翼の各々に連なる環状部材が設けられていない複数の動翼と、を備え、
前記ケーシングの内部には、
前記複数の静翼が配置されるノズル流路であって、前記静翼のチップ側縁が固定されるチップ側ノズル壁面、及び前記静翼のハブ側縁が固定されるハブ側ノズル壁面で画定されるノズル流路と、
前記ロータと共に回転する前記複数の動翼の各々が通過する動翼通過部を有し、且つ、前記ノズル流路を通過した流体が流れる排出流路と、が形成されており、
前記ノズル流路の前記チップ側ノズル壁面および前記ハブ側ノズル壁面の各々は、前記ロータの軸線方向において、前記動翼側に向かって傾斜している。
第1に、オブリークノズルを採用することで、ハブ側において、動翼の前縁における流体の圧力が上昇し、ノズル流路から動翼に向かって流れる流体の流れ方向がロータの軸線方向に向かうように(軸線方向とのなす角度がより小さくなるように)変化する。これにより、動翼の形状をより転向角の小さい形状にすることが可能となる。二次流れ損失は動翼の転向角が大きい程に大きくなる。したがって、オブリークノズルを採用し、動翼の形状をより転向角の小さい形状とすることで、二次流れ損失を抑制することが可能となる。
具体的には、超音速の流体がノズル流路を流れると、衝撃波の影響によって、流体の流れ方向がロータの軸線方向に向かうように(軸線方向とのなす角度がより小さくなるように)変化する。そして、この流れ方向の変化の大きさは、ノズル流路を通過する流体のマッハ数が大きくなる程に大きくなる。ノズル流路を通過する流体のマッハ数は、静翼の前縁における流体の圧力と、動翼の前縁(静翼の後縁)における流体の圧力との圧力差が大きくなるほどに大きくなる。すなわち、超音速の流体が流れるノズルでは、ノズル流路の傾斜角度を急角度にする程に、流体の流れ方向がロータの軸線方向に向かうように変化する。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
第1に、オブリークノズル12Aを採用することで、ハブ側において、動翼8の前縁8fにおける流体の圧力が上昇し、ノズル流路12から動翼8に向かって流れる流体の流れ方向がロータ2の軸線CL方向に向かうように(軸線CL方向とのなす角度がより小さくなるように)変化する。
本発明者が実験等により得た知見によれば、図5に示すように、δr/δaが0.5未満の場合は、角度θを10°以上にした場合であっても、二次流れ損失の抑制効果の方が動翼のチップ側損失が大きくなるデメリットを上回っている。このため、図4の(b)に示した実施形態では、角度θを10°以上にするとよい。
幾つかの実施形態では、図6の(a)に示したように、静翼6は、周方向に隣接する一対の静翼6A、6Bのうちの一方の静翼6Aの腹面6aと他方の静翼6Bの背面6bとの間の距離Aが最小となるスロート部Sが、一方の静翼6Aの腹面6aにおいて前縁6fと後縁6rとの間に位置し、且つ、スロート部Sから一方の静翼6Aの後縁6rに向かって、一方の静翼6Aの腹面6aと他方の静翼6Bの背面6bとの間の距離Aが、スロート部Sから一方の静翼6Aの後縁6rに向かうほどに大きくなるように構成される。
具体的には、図7の(b)に示したように、チップ側において、超音速の流体がノズル流路12を流れると、衝撃波の影響によって、流体の流れ方向がロータの軸線CL方向に向かうように(軸線方向とのなす角度がより小さくなるように)変化する。そして、この流れ方向の変化の大きさは、ノズル流路12を通過する流体のマッハ数が大きくなる程に大きくなる。
2 ロータ
2A 本体部
2B 拡径部
2Ba 基端部
2Bb 先端部
4 ケーシング
4A 入口側ケーシング部材
4B 出口側ケーシング部材
5A 軸受
6,6A,6B 静翼
6a 腹面
6b 背面
6f 前縁
6r 後縁
6h ハブ側縁
6t チップ側縁
8 動翼
8a 腹面
8b 背面
8f 前縁
8r 後縁
8h ハブ側縁
8t チップ側縁
12 ノズル流路
12A オブリークノズル
12h ハブ側ノズル壁面
12t チップ側ノズル壁面
14 排出流路
14A 動翼通過部
14h ロータの拡径部における先端部の外周面(ハブ側壁面)
14t ケーシングの内周面(チップ側壁面)
15 スクロール流路
16 段部
16a 内側端
Claims (7)
- 軸流タービンであって、
軸線周りに回転するロータと、
前記ロータを回転可能に収容するケーシングと、
前記ケーシングに対して固定され、且つ、前記ロータの周方向における少なくとも一部の区間にわたって前記周方向に配列された複数の静翼と、
前記ロータに対して固定され、且つ、前記ロータの周方向における全周にわたって前記周方向に配列された複数の動翼であって、前記動翼のチップ側縁において、前記複数の動翼の各々に連なる環状部材が設けられていない複数の動翼と、を備え、
前記ケーシングの内部には、
前記複数の静翼が配置されるノズル流路であって、前記静翼のチップ側縁が固定されるチップ側ノズル壁面、及び前記静翼のハブ側縁が固定されるハブ側ノズル壁面で画定されるノズル流路と、
前記ロータと共に回転する前記複数の動翼の各々が通過する動翼通過部を有し、且つ、前記ノズル流路を通過した流体が流れる排出流路と、が形成されており、
前記ノズル流路の前記チップ側ノズル壁面および前記ハブ側ノズル壁面の各々は、前記ロータの軸線方向において、前記動翼側に向かって傾斜している
軸流タービン。 - 前記動翼は、前記動翼の翼高を、前記ロータの前記軸線方向における前記動翼の長さで除して求められる縦横比が1以下である
請求項1に記載の軸流タービン。 - 前記ノズル流路の前記チップ側ノズル壁面と前記排出流路のチップ側壁面との接続箇所には、前記排出流路の前記チップ側壁面が前記ノズル流路の前記チップ側ノズル壁面よりも径方向外側に位置するように段部が形成されており、
前記ロータの前記軸線と前記動翼の前縁におけるチップ側端との径方向距離R1から前記ロータの前記軸線と前記段部の内側端との径方向距離R2を差し引いた距離をδr、
前記ロータの前記軸線方向における前記段部の内側端から前記動翼の前縁までの距離をδa、
前記ロータの前記軸線方向における前記ノズル流路と前記軸線方向とのなす角度をθ、と定義した場合に、
δr/δaが0.5以上であって、且つ、θが0°より大きく10°未満の範囲にある
請求項1または2に記載の軸流タービン。 - 前記ノズル流路の前記チップ側ノズル壁面と前記排出流路のチップ側壁面との接続箇所には、前記排出流路の前記チップ側壁面が前記ノズル流路の前記チップ側ノズル壁面よりも径方向外側位置するように段部が形成されており、
前記ロータの前記軸線と前記動翼の前縁におけるチップ側端との径方向距離R1から前記ロータの前記軸線と前記段部の内側端との径方向距離R2を差し引いた距離をδr、
前記ロータの前記軸線方向における前記段部の内側端から前記動翼の前縁までの距離をδa、
前記ロータの前記軸線方向における前記ノズル流路と前記軸線方向とのなす角度をθ、と定義した場合に、
δr/δaが0.5未満であって、且つ、θが10°以上である
請求項1または2に記載の軸流タービン。 - 前記静翼は、前記周方向に隣接する一対の前記静翼のうちの一方の前記静翼の腹面と他方の前記静翼の背面との間の距離が最小となるスロート部が、前記一方の静翼の腹面において前縁と後縁との間に位置し、且つ、前記スロート部から前記一方の静翼の前記後縁に向かって、前記一方の静翼の腹面と前記他方の静翼の背面との間の距離が、前記スロート部から前記一方の静翼の前記後縁に向かうほどに大きくなるように構成される
請求項1から4の何れか一項に記載の軸流タービン。 - 前記静翼は、前記周方向に隣接する一対の前記静翼のうちの一方の前記静翼の後縁と他方の前記静翼の背面との間に画定される出口部を通過する前記流体の速度と音速との比であるマッハ数が1より大きくなるように構成される
請求項1から5の何れか一項に記載の軸流タービン。 - 前記ロータの前記軸線方向における前記ノズル流路の前記ハブ側壁ノズル面と前記軸線方向とのなす角度をθ1、
前記ロータの前記軸線方向における前記ノズル流路の前記チップ側ノズル壁面と前記軸線方向とのなす角度をθ2、と定義した場合に、
θ1>θ2の関係が成立する
請求項1から6の何れか一項に記載の軸流タービン。
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