JP3883245B2 - 軸流タービン - Google Patents

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JP3883245B2 JP04255497A JP4255497A JP3883245B2 JP 3883245 B2 JP3883245 B2 JP 3883245B2 JP 04255497 A JP04255497 A JP 04255497A JP 4255497 A JP4255497 A JP 4255497A JP 3883245 B2 JP3883245 B2 JP 3883245B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸流タービンに係り、特に環状列に配置する一方の翼と他方の隣りの翼との間に形成する流路に発生する二次流れに伴う二次流れ渦を抑制し、翼効率の向上を図った軸流タービンに関する。
【0002】
【従来の技術】
軸流タービン、例えば蒸気タービン、ガスタービンでは、従来以上の熱効率向上の開発が進められており、熱効率を向上させる因子の一つに翼効率の向上がある。
【0003】
しかし、翼効率の向上を阻害させる一つに、二次流れの発生に伴う二次流れ渦がある。
【0004】
二次流れとは、作動流体(蒸気、燃焼ガス等であるが、以下主流と記す)が翼列間で形成する流路を通過する際、翼高中間部で翼形状に沿って流れるものの、翼チップ部(翼頂部)および翼ルート部(翼根本部)で翼高中間部を流れる主流に交差する方向に流れることをいう。この主流の交差流れは、一方の翼の腹側の圧力が他方の隣りの翼の背側の圧力よりも高くなっていることにより生じる。
【0005】
主流が二次流れとなる場合、渦を伴うが、この渦は、図17に示すように発生し、やがて成長する。すなわち、入口境界層1a,1bを伴った主流2a,2bは、翼3a,3b,3cで形成する流路4a,4bに流入するとき、前縁5a,5bに衝突して渦6a,6bを発生する。
【0006】
渦6a,6bは、腹側馬蹄型渦7a,7bと背側馬蹄型渦8a,8b,8cとのそれぞれに分かれる。背側馬蹄型渦8a,8b,8cのそれぞれは、負圧になっている翼3a,3b,3cの背側9a,9b,9cに沿って流れる間に流路4a,4bの境界層を巻き込んで次第に成長しながら後縁10a,10b,10cに流れる。
【0007】
一方、腹側馬蹄型渦7a,7bは、正圧になっている翼3a,3b,3cの腹側11a,11b,11cと負圧になっている隣りの翼3b,3cの背側9b,9cとの圧力差により二次流れ12a,12bとともに、隣りの翼3b,3cの背側9b,9cに向って流れるとき、流路4a,4bの境界層を巻き込んで大きく成長し、流路渦13a,13bとなってやがて背側馬蹄型渦8a,8b,8cに合流する。
【0008】
このように、主流2a,2bの翼3a,3bの前縁5a,5bでの衝突により発生する渦6a,6bは、腹側馬蹄型渦7a,7bと背側馬蹄型渦8a,8b,8cとのそれぞれに分かれ、腹側馬蹄型渦7a,7bが大きく成長して流路渦13a,13bとなり、また背側馬蹄型渦8a,8b,8cが背側9a,9b,9cに沿って流れる間に大きく成長することを総称して二次流れ渦と称している。
【0009】
この二次流れ渦は、流路4a,4bの壁面近くを通過する主流2a,2bの流線を乱し、翼3a,3b,3cの翼効率を低下させる大きな原因になっている。このため、二次流れ渦を如何にして抑制するかは、翼効率を従来よりも飛躍的に向上させる課題になっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
二次流れ渦を抑制する手段には、従来から数多く提案されている。例えば、特開昭52−54808号公報は、流路に隆起部または突起部を設け、一方の翼の腹側から他方の隣りの翼背側に向って流れる二次流れを抑制することにより主流の乱れを防止しているが、モデル試験で確認してみると、隆起部または突起部から新たな渦が発生しており、主流の乱れを効果的に防止するに至っていない。
【0011】
また、特開昭56−88901号公報は、一方の翼と他方の隣りの翼との間で形成される流路に段差を設け、一方の翼の腹側から他方の隣りの翼の背側に流れる二次流れを抑制しようと試みているが、モデル試験で確認してみると、二次流れを充分に抑制するに至っていない。このため、一方の翼と他方の隣りの翼との圧力差に基づいて発生する流路渦は、依然として抑制できていない。
【0012】
また、特開昭58−133403号公報は、他方の隣りの翼の背側に沿って隆起部を備え、かつその隆起部のピーク高さをスロート(一方の翼の後縁から他方の隣りの翼の背側に向う投影線で、流路の最小通路面積)よりも下後側に位置させて流路渦の抑制を試みているが、モデル試験で確認していみると、流路渦を抑制するに至っていない。
【0013】
【外1】
Figure 0003883245
【0014】
この技術は、図18に示すように、主流Fの流れに沿って多数の段落14を備えており、一つの段落14を静翼(ノズル)15と動翼16とで構成する軸流タービンに関するものである。
【0015】
静翼15は、ダイヤフラム内輪17とダイヤフラム外輪18とで支持されてタービン軸19に対し、周方向に環状列に配置されており、また動翼16は、環状列に配置された静翼15に対応させたタービン軸19に植設する構成になっている。
【0016】
また、動翼16は、そのチップ部に、シュラウド20とシールフィン21とを備え、運転中に発生する振動をシュラウド20で抑制するとともに、主流の通り抜けをシールフィン21で防止する構成になっている。
【0017】
このような構成を備える軸流タービンにおいて、図18で示した学術文献では、静翼15のチップ部にダイヤフラム外輪18を静翼15の後縁22に向って絞り壁面23を形成し、絞り壁面23により以下の流力特性を阻害する要因を排除し、翼効率の向上を図ったものである。
【0018】
(1)絞り壁面23は、静翼15のチップ部を流れる主流Fに増速流を与えるので、その壁面における境界層の発達と渦の生成を抑制する。
(2)絞り壁面23は、主流Fの速度成分をダイヤフラム内輪17に向わせるので、背側に沿って流れてくる背側馬蹄型渦および他方の隣りの静翼の腹側から流れてくる流路渦に押圧力を与えて二次流れ渦を抑制する。
(3)一般に、主流Fは、静翼15の後縁22から流出する際、動翼16の遠心力を受けるためにダイヤフラム内輪17側の圧力に較べ、ダイヤフラム外輪18側の圧力が高くなっている。しかし、この学術文献では、絞り壁面23により主流Fの速度成分をダイヤフラム内輪17側に向わせる方向に生成し、ダイヤフラム内輪17側の圧力を高めるようにしているので、主流Fが静翼15の後縁22を流出する際、その流線を圧力バランスさせている。このため、主流Fは、動翼16のシュラウド20やシールフィン21に向う流れが少なくなり、その漏洩2失が低減でき、翼効率を向上させることができる。
【0019】
このような優れた点は、モデル試験装置でも確認することができた。
【0020】
しかし、同時に行った流れの可視化による主流Fの流れを観察したところ、静翼15の背側の絞り壁面23に、破線で示す主流Fの逆流渦Rnが発生していることが確認された。また、動翼16のチップ部の腹側24にも、静翼15の背側の逆流渦Rnの影響を受け、図示の実線で示すように、主流Fの逆流渦Rbが発生していた。
【0021】
この逆流渦Rnの発生原因を子細に考察すると、一方の静翼15aと他方の隣りの静翼15bとは、ともに同一寸法で作製していても、図19に示すように、一方の静翼15aの後縁22を、X軸と平行に、かつZ軸に向う主流Fと準直交する方向に向って他方の隣りの静翼15bの背側25に投影してみると、そのスロートSに対し、他方の隣りの静翼15bの背側25の方がY軸に向って高さH0 だけ高くなっている。この高さの相違は、主流Fの上流側に向って高さH1 と異にしながら絞り壁面23の開始点Tまで続き、一方の静翼15aのチップ部と他方の隣りの静翼15bのチップ部との間に二点鎖線で囲む略三角形状の空間領域を形成する。空間領域のうち、一方の静翼15aの後縁22から他方の隣りの静翼15bの背側25に向って投影するスロートSの前後の位置は、図20に示すように、一番大きな空間領域Aになっている。このため、スロートSの前後を通過する主流Fは、その流速および圧力(静圧)が他方の隣りの静翼15bの後縁22を流出するときに較べて低下しており、空間領域Aでの境界層の剥離がし易い状態になっている。
【0022】
このような状態において、二次流れFsが一方の静翼15aの腹側24から他方の隣りの静翼15bの背側25に圧力差に基づいて流れるとき、空間領域Aの境界層を巻き込み、その際、逆流渦Rnを発生させると考えられる。
【0023】
逆流渦Rnの発生は、それ自身により主流Fの流線を乱すことに止まらず、いわゆるコロの作用もするので、二次流れFsの成長を増長させ、翼効率を低下させる。また、逆流渦Rnの一部を伴った主流Fは、一方の静翼15aと他方の隣りの静翼15bとで形成する流路を流出してからも、その速度成分がダイヤフラム内輪17側に向う成分として依然として残っているので、図18に示すように、動翼16のチップ部にも、そのまま流れて逆流渦Rbを生じさせる。このため、動翼16の翼効率を低下させていた。
【0024】
このように、学術文献に発表した図18で示す従来の軸流タービンでは、静翼15のチップ部に絞り壁面23を形成し、静翼15の後縁22から流出する主流Fの速度成分をダイヤフラム内輪17側に向わせ、その速度成分に基づく押圧力により二次流れFsの成長を抑制できても、図18、図20に示すように、一方の静翼15aと他方の静翼15bとの翼高さの相違に基づく逆流渦Rn,Rbを発生させるため、結果として翼効率の飛躍的向上にはつながらなかった。これら逆流渦Rn,Rbの大小は、単に絞り壁面23の長さだけに止まらず、翼の設計に当り、翼の軸コード、翼高さなどの形状にも影響を与えるものであり、理論上、翼の形状を主流Fの流線に沿う三次元設計にしても、予測もしなかった逆流渦Rn,Rbの発生のために、翼効率の飛躍的向上を図ることができず、翼を適正形状に設計する際、困難を来していた。
【0025】
本発明は、このような背景に基づいてなされたもので、子午面から観察して翼に絞り流路壁を形成するものを採用する場合、絞り流路壁で発生する逆流渦や境界層剥離を抑制することにより翼効率の飛躍的向上を図った軸流タービンを提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、静翼と動翼を組み合せた段落をタービン軸の軸方向に沿って配置する一方、上記静翼を上記タービン軸の周方向に沿って環状列に配置し、上記動翼を、環状列に配置した上記静翼に対応させて配置した軸流タービンにおいて、上記静翼のチップ部に、タービン軸に向って凸状に湾曲する腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線を形成し、タービン軸の中心を通る半径に対し、上記背側外壁絞り流線の翼高を、上記腹側外壁絞り流線の翼高よりも低くするとともに、一方の静翼の背側外壁絞り流線の翼高を、他方の隣りの静翼の腹側外壁絞り流線の翼高にするように形成し、かつ子午面から観察した上記静翼を、上記タービン軸の周方向に沿って平面展開し、上記他方の隣りの静翼の後縁を点Peとし、その点Peから上記一方の静翼の背側に内接円を画き、そのスロートの交点Seとし、その交点Seから他方の隣りの静翼の腹側に真直ぐに延びた直線の交点Piとし、その交点Piから上記一方の静翼の背側に内接円を画き、その接点Siとし、各点Pe,Se,Pi,Siのそれぞれを、腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線の点P et ,S et ,P it ,S it のそれぞれに対応させ、各点P et ,S et ,P it ,S it のそれぞれがタービン軸の中心を通る半径R pit ,R set ,R pit ,R sit とするとき、腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線の翼高絞り比を、
数6
1.0≦Rsit/Rset<Rpit/Rpet≦1.4
かつ、0.8≦Rset/Rpet<Rpit<Rpet
の範囲に設定したものである。
【0028】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、一方の静翼と他方の隣りの静翼とで形成する流路を、整流域と増速転向域とに区分けし、静翼の前縁から後縁までの軸コードをCxとし、上記増速転向域の上記後縁からの長さをCbとし、上記整流域の長さをCaとするとき、上記整流域の長さCaおよび上記増速転向域の長さCbのそれぞれは、
【数7】
Cb=Cx/2
Ca≧Cx/2
に設定したものである。
【0029】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、一方の静翼と他方の隣りの静翼とで形成する流路を、整流域と増速転向域に区分けする一方、上記整流域を静翼を支持するダイヤフラム外輪側に向って凸状の湾曲に形成したものである。
【0030】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、前記静翼の後縁から見ると、腹側外壁絞り流線と背側外壁絞り流線とを互いに結ぶチップ部がジグザグ状に形成されてなるものである。
【0031】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、一方の静翼と他方の隣りの静翼とで形成する流路は、前記一方の静翼の背側表面と前記他方の隣りの静翼の腹側表面を長片とし、ダイヤフラム内輪とダイヤフラム外輪を短片とする長方形状に形成したものである。
【0032】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、静翼と動翼を組み合せた段落をタービン軸の軸方向に沿って配置する一方、上記静翼を上記タービン軸の周方向に沿って環状列に配置し、上記動翼を、環状列に配置した上記静翼に対応させて配置した軸流タービンにおいて、上記静翼のチップ部に、タービン軸に沿って凸状に湾曲する腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線を形成し、タービン軸の中心を通る半径に対し、上記背側外壁絞り流線の翼高を、上記腹側外壁絞り流線の翼高よりも低くするとともに、一方の静翼の背側外壁絞り流線の翼高が、他方の隣りの静翼の腹側絞り流線の翼高に一致するよう形成する一方、上記静翼のルート部に、ダイヤフラム外輪に向って凸状に湾曲する腹側内壁絞り流線および背側内壁絞り流線のそれぞれを形成し、かつ子午面から観察した静翼を、タービン軸の周方向に沿って平面展開し、前記他方の隣りの後縁を点Peとし、その点Peから前記一方の静翼の背側に内接円を画き、そのスロートの交点Seとし、その交点Seから前記他方の隣りの静翼の腹側に真直ぐ延びた直線の交点Piとし、その交点Piから前記一方の静翼の背側に内接円を画き、その接点Siとし、各点Pe,Se,Pi,Siのそれぞれを、前記腹側外壁絞り流線および前記背側外壁絞り流線の点P et ,S et ,P it ,S it のそれぞれに対応させる一方、前記腹側内壁絞り流線および前記背側内壁絞り流線の点P er ,S er ,P ir ,S ir のそれぞれに対応させ、各点P et ,S et ,P it ,S it ,P er ,S er ,P ir ,S ir のそれぞれがタービン軸の中心を通る半径R pit ,R set ,R pit ,R sit ,R per ,R ser ,R pir ,R sir とするとき、前記腹側外壁絞り流線、前記腹側内壁絞り流線、前記背側外壁絞り流線、前記背側内壁絞り流線の翼高絞り比を、
数8
1.0≦(Rsit−Rsir)/(Rset−Rser)<
(Rpit−Rpir)/(Rpet−Rser)≦1.4
かつ、0.8≦(Rset−Rser)/(Rpet−Rper)<
(Rpit−Rpir)/(Rpet−Rser)
の範囲に設定したものである。
【0034】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、静翼の前縁から後縁までの軸コードをCxとし、前縁の腹側外壁絞り流線の翼高から後縁の腹側外壁絞り流線の翼高を引いた値をΔLtとし、前縁の腹側内壁絞り流線の翼高から後縁の腹側内壁絞り流線の翼高を引いた値をΔLrとするとき、静翼チップ部の絞り比ΔLt/Cxおよび静翼ルート部の絞り比ΔLr/Cxのそれぞれは、
【数9】
0≦ΔLt/Cx≦0.5
0≦ΔLr/Cx≦0.5
ΔLt/Cx≧ΔLr/Cx
に設定したものである。
【0035】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、請求項1ないし7のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、上記腹側外壁絞り流線の後縁における接線および上記背側外壁絞り流線の後縁における接線が、ともに動翼の翼高の範囲に収まるものである。
【0036】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項9に記載したように、シュラウドから植込部までの動翼の翼高をHbとし、静翼の腹側外壁絞り流線の後縁における接線を上記動翼の前縁に交差させる点が上記シュラウドからの高さΔHpとし、上記静翼の背側外壁絞り流線の後縁における接線を上記動翼の前縁に交差させる点が上記シュラウドからの高さΔHsとするとき、主流の上記シュラウドへの通り抜け防止比ΔHp/HbおよびΔHs/Hbのそれぞれは、
【数10】
0.0≦Hs/Hb≦ΔHp/Hb≦0.1
の範囲に設定したものである。
【0037】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項10に記載したように、請求項1ないし9のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、上記動翼ルート部の動翼背側内壁線をタービン軸に平行に形成したものである。
【0038】
本発明に係る軸流タービンは、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、請求項1ないし10のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、前記静翼をガスタービンの初段落に組み込んだものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る軸流タービンの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0040】
図1は、本発明に係る軸流タービンの第1実施形態を、子午面から観察した概略図である。なお、図1は、本発明に係る軸流タービンを、蒸気タービンに適用する一例示である。軸流タービン26は、主流Fの流れに沿って多数の段落27を備えており、一つの段落27に静翼(ノズル)28と動翼29とを組み合せた構成になっている。
【0041】
静翼28は、ダイヤフラム内輪30とダイヤフラム外輪31とで支持され、タービン軸32に対し、周方向に環状列に配置されており、また動翼29は、環状列に配置された静翼28に対応させてタービン軸32に植設されている。
【0042】
また、動翼29は、そのチップ部(翼頂部)にシュラウド33とシールフィン34とをそれぞれ備え、運転中に発生する振動をシュラウド33で抑制するとともに、主流Fの通り抜けをシールフィン34で防止するようになっている。
【0043】
一方、ダイヤフラム内輪30とダイヤフラム外輪31とで支持される静翼28は、その腹側35がダイヤフラム外輪31に接触する部分を腹側外壁絞り流線36とし、またその背側37がダイヤフラム外輪31に接触する部分を背側外壁絞り流線38とするとき、腹側外壁絞り流線36を、図示の実線で示すように、静翼28の中間部分から後縁39までをタービン軸32の中心Oに向って凸状の湾曲に形成するようになっている。
【0044】
また、腹側外壁絞り流線36と背側外壁絞り流線38とは、腹側外壁絞り流線36の任意に選んだ位置からタービン軸32の中心Oまでの半径Rsとし、また背側外壁絞り流線38の任意に選んだ位置からタービン軸32の中心Oまでの半径Rbとした場合、その翼高相対関係を、常にRs>Rbを維持しつつ湾曲に形成し、後縁39でその半径Rs,Rbを互いに一致させるようになっている。また、主流Fの流れに対して交差する方向から観察したときの静翼28同士は、図2に示すように、他方の隣りの静翼28bの腹側外壁絞り流線36bと、一方の静翼28aの二点鎖線で示す背側外壁絞り流線38aとを比較した場合、一方の静翼28aの背側外壁絞り流線38aの方が高さHだけ高くなっていた従来の翼高相対関係に対し、本実施形態の翼高相対関係は、一方の静翼28aの背側外壁絞り流線38の翼高を実線で示す背側外壁絞り流線38a1 の翼高まで高さHだけ下げ、他方の隣りの静翼28bの腹側内壁絞り流線36bの翼高にほぼ一致させたものである。つまり、図19で示した従来の静翼15では、腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線ともに、タービン軸の中心を通る半径に対して同一翼高であったが、本実施形態では、一方の静翼28aの背側外壁絞り流線38a1 の翼高のみを従来よりも下げて他方の隣りの静翼28bの腹側内壁絞り流線36bの翼高にほぼ一致させたものである。なお、他方の隣りの静翼28bも、上述と同様に、二点鎖線で示す背側内壁絞り流線38bの翼高を、実線で示す背側内壁絞り流線38b1 の翼高まで高さHだけ下げている。
【0045】
また、本実施形態は、主流Fの流れに交差する方向から観察したとき、一方の静翼28aの背側外壁絞り流線38a1 の翼高のみを高さHだけ下げるとともに、他方の隣りの静翼28bの腹側内壁絞り流線36bの翼高とほぼ一致させたものであるが、静翼28a,28bの後縁39a,39bから観察すると、図3に示すように、腹側外壁絞り流線36a,36bと背側外壁絞り流線38a1 ,38b1 とを互いに結ぶチップ部40が傾斜状になる。これに伴って静翼28a,28bを支持するダイヤフラム外輪31は、その形状がジグザグ状に形成される。
【0046】
一方、腹側外壁絞り流線36および背側外壁絞り流線38のそれぞれの具体的な翼高絞り比の寸法を、図4を参照して説明する。
【0047】
図4は、子午面から観察したときの静翼28を、タービン軸の周方向で平面展開したときの相関関係を示している。
【0048】
静翼28は、主流Fに対し、整流域CAと増速転向域CBとに区分けされており、後縁39を基準とする軸コードをCxとするとき、増速転向域CBの長さCbをCb=Cx/2に、また整流域CAの長さCaをCa≧Cx/2にそれぞれ設定される。整流域CAの長さCaをCa≧Cx/2としたのは、例えば蒸気タービンの場合、蒸気の衝撃力に対し前縁41の剛性力を増すために延長する場合があるからである。
【0049】
また、他方の隣りの静翼28bの後縁39bを点Peとし、一方の静翼28aの背側37aとの間に内接円を画き、そのスロートS1 (主流が流路を通過する最小通路部)との交点Seとし、交点Seから他方の隣りの静翼28bの腹側35bに向って真直ぐに延びる直線S2 の交点Piとし、交点Piから静翼28aの背側37aへの内接円を画き、その接点Siとするとき、各点Pe,Pi,Siは、子午面から観察した静翼28aの腹側外壁絞り流線36および背側外壁絞り流線38の点Pet,Set,Pit,Sitのそれぞれに対応する。
【0050】
この場合、Pet,Set ,Pit,Sitのそれぞれのタービン軸の中心を通る半 径Rpet ,Rset ,Rpit ,Rsit とするとき、静翼28の腹側外壁絞り流線36および背側外壁絞り流線38の翼高絞り比は、
【数11】
Figure 0003883245
の範囲に設定される。
【0051】
次に作用を説明する。
【0052】
一方の静翼28aと他方の隣りの静翼28bとで形成する流路FPに流入した主流Fは、整流域CAを通過する際、圧力を回復させてその流れを一様化する。さらに、増速転向域CBに沿って流れる主流Fは、周方向(タービン軸周方向)の速度成分を伴うためダイヤフラム外輪31の側の圧力を高めようとするが、腹側外壁絞り流線36および背側外壁絞り流線38の押圧力により翼中央に圧力バランスさせる。さらにまた、腹側外壁絞り流線36および背側外壁絞り流線38の押圧力は、他方の隣りの静翼28bの腹側35bから一方の静翼28aの背側37aに向って流れる二次流れに伴う二次流れ渦を抑制する。
【0053】
また、流路FPは、一方の静翼28aの背側側外壁絞り流線38の翼高を、他方の隣りの静翼28bの腹側外壁絞り流線36の翼高にほぼ一致させ、図5で示すように、長方形に形成したので、図20で示した従来の空間領域Aがなくなり、このため二次流れFsの境界層の巻き込みに伴う逆流渦Rnの発生を防止する。
【0054】
したがって、本実施形態では、主流Fの二次流れ渦の抑制と逆流渦Rnの発生を防止したので、翼効率を従来よりも飛躍的に向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態では、増速転向域CBでの逆流渦Rnの発生を防止し、その逆流渦Rnを伴う主流Fの動翼29に与える影響をなくしたので、動翼29の翼効率も向上させることができる。
【0056】
図6は、図4で示した点Pitから点Petにおける腹側外壁絞り流線36の翼高絞り比Rpit /Rpet の翼効率と、従来の翼高絞り比1.0の場合の翼効率を比較したグラフである。
【0057】
図6からも理解できるように、翼高絞り比Rpit /Rpet が1.0を超えると、主流Fが増速するために翼壁面損失が少なくなり、翼効率を向上させるが、翼高絞り比が1.4を超えると翼効率を悪くさせる。これは、主流Fが後縁39から流出する際、腹側外壁絞り流線36により生成された翼中央に向う速度成分が未だ残っており、この速度成分の影響を受けて翼効率を低下させると考えられる。
【0058】
図7は、図4で示した点Pitから点Petにおける腹側外壁絞り流線36の翼高絞り比Rpit /Rpet=1.2にした場合の点Setから点Petにおける背側外壁 絞り流線38の翼高絞り比Rset /Rpet の翼効率と、従来の翼効率とを比較したグラフである。
【0059】
翼高絞り比Rset /Rpetが0.8〜1.2の範囲内で従来の翼効率よりも著 しく向上するのは、図20で示した空間領域Aがなくなり、二次流れFsの境界層の巻き込みに伴う逆流渦Rnの発生を防止したことによると考えられる。なお、翼高絞り比Rpit /Rset を、1.0≦Rpit /Rset ≦1.4の範囲に設定しておけば、翼効率は、上述と同様な好結果を得ることができる。
【0060】
図8は、本発明に係る軸流タービンの第2実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部品と同一部分には、同一符号を付す。また、図8も、図4と同様に、子午面から観察した静翼28を、タービン軸の周方向で平面展開したときの相関関係を示している。
【0061】
本実施形態は、静翼28のチップ部(翼頂部)およびルート部(翼根本部)の両方に、腹側外壁絞り流線36a、腹側内壁絞り流線36bおよび背側外壁絞り流線38a、背側内壁絞り流線38bをそれぞれ形成するとともに、背側外壁絞り流線38aの翼高を、腹側外壁絞り流線36aの翼高よりも下げ、また背側内壁絞り流線38bを腹側内壁絞り流線36bよりも翼高を高くしたものである。
【0062】
子午面で観察した静翼28を、タービン軸の周方向に沿って平面展開した場合、他方の隣りの静翼28bの後縁39bを点Peとし、一方の静翼28aの背側37aとの間に内接縁を画き、そのスロートS1 との交点Seとし、交点Seから他方の隣りの静翼28bの腹側35bに向って真直ぐ延びる直線S2 の交点Piとし、交点Piから一方の静翼28aの背側37aへの内接円を画き、その接点Siとするとき、各点Pe,Se,Pi,Siは、ダイヤフラム外輪31の側の腹側外壁絞り流線36a上の点Pet,点Pitに、また背側外壁絞り流線38a上の点Set,点Sitに対応する。
【0063】
また、各点Pe,Se,Pi,Siは、ダイヤフラム内輪30の側の腹側内壁絞り流線36b上の点Per,点Pirに、さらに背側内壁絞り流線38b上の点Ser,点Sirにそれぞれ対応する。
【0064】
この場合、各点Pet,Pit,Set,Sit,Per,Pir,Ser,Sirのそれぞれのタービン軸の中心を通る半径Rpet ,Rpit ,Rset ,Rsit ,Rper ,Rpir ,Rser ,Rsir とするとき、各点における静翼28の腹側外壁絞り流線36aおよび背側外壁絞り流線36bと、背側外壁絞り流線38aおよび背側内壁絞り流線38bとの翼高絞り比は、
【数12】
Figure 0003883245
の範囲に設定される。
【0065】
また、静翼28の軸コードをCxとし、前縁41の外周壁半径から後縁39の外周壁半径を引いた値ΔLt,前縁41の内周壁半径から後縁39の内周壁半径を引いた値ΔLrとするとき、静翼チップ部40aの絞り比ΔLt/Cxおよび静翼チップ部40bの絞り比ΔLr/Cxのそれぞれは、
【数13】
Figure 0003883245
の範囲に設定される。
【0066】
また、静翼チップ部40aの絞り比ΔLt/Cxと静翼チップ部40bの絞り比ΔLr/Cxとは、
【数14】
ΔLt/Cx≧ΔLr/Cx
の関係式を満たすように設定される。
【0067】
次に作用を説明する。
【0068】
静翼28の腹側35bを流れる主流Fは、腹側外壁絞り流線36aの入口点から点Pitおよび腹側内壁絞り流線36bの入口点から点Perの間で増速転向され、その際その速度ベクトルを翼高中央に向わせる。
【0069】
また、静翼28の背側37aを流れる主流Fも、上述と同様に背側外壁絞り流線38aの点Sitから点Setおよび背側内壁絞り流線38bの点SirからSerの間で増速転向され、その速度ベクトルを翼高中央に向わせる。
【0070】
このように、腹側35bおよび背側37aのそれぞれを流れる主流Fは、その速度ベクトルを翼高中央に向わせて流れている間に、圧力差に基づいて腹側35bから背側37aに向って流れる二次流れに伴う二次流れ渦を押圧して抑制する。さらに、主流Fは、腹側外壁絞り流線36aおよび腹側内壁絞り流線36bのそれぞれの点Pit,点Pet,点Pir,点Perで囲われる領域、および背側外壁絞り流線38aおよび背側内壁絞り流線38bのそれぞれの点Set,点Pet,点Ser,点Perで囲われる領域で、今迄、翼高中央に向わせていた速度ベクトルをほぼゼロにさせてタービン軸に平行な速度ベクトルに修正して動翼29に案内される。
【0071】
したがって、本実施形態では、腹側35bおよび背側37aのそれぞれの腹側外壁絞り流線36a、腹側内壁絞り流線36b、背側外壁絞り流線38a、背側内壁絞り流線38bの両側から主流Fに押圧力を与えているので、二次流れに伴う二次流れ渦をより一層抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態では、静翼チップ部40aの絞り比を、静翼ルート部40bのそれと同等もしくは大きくし、静翼チップ部40aの側を流れる主流Fの速度ベクトルを翼高中央に向わせるように強化しているので、翼高中央に主流Fがより多く集められ、翼効率を向上させることができる。
【0073】
また、本実施形態では、主流Fを後縁39から流出させる際、その速度ベクトルをタービン軸に平行にさせているので、主流Fの動翼29への流入に際し、動翼29の翼効率を向上させることができる。
【0074】
図9は、図8で示した点Pit,点Pir,点Pet,点Perにおける腹側外壁絞り流線36aおよび腹側内壁絞り流線36bの翼高絞り比(Rpit −Rpir )/(Rpet −Rper )の翼効率と、従来の翼高絞り比1.0の場合の翼効率とを比較したグラフである。
【0075】
図9からも理解できるように、主流Fは、腹側外壁絞り流線36aおよび腹側内壁絞り流線36bの両側から押圧力を受け、その速度ベクトルを翼高中央に向わせるようにしているので、翼効率を著しく向上させている。
【0076】
図10は、図8で示した点Set,点Ser,点Pet,点Perにおける背側外壁絞り流線38aおよび背側内壁絞り流線38bの翼高絞り比(Rset −Rser )/(Rpet −Rper )の翼効率と、従来の翼効率とを比較したグラフである。
【0077】
本実施形態に係る翼効率を、従来に較べて著しく向上させることができたのは、図20で示した空間領域Aがなくなり、これに伴って二次流れFsの境界層の巻き込みによる逆流渦Rnの発生を防止させたためによるものと考えられる。
【0078】
図11は、静翼チップ部40aの絞り比ΔLt/Cxおよび静翼ルート部40bの絞り比ΔLr/Cxのそれぞれの翼効率と従来の翼効率とを比較したグラフである。
【0079】
主流Fは、腹側外壁絞り流線36a,36bおよび背側外壁絞り流線38a,38bに沿って流れるとき、増速流となり、また各絞り流線36a,36b,38a,38bから受ける押圧力により二次流れに伴う二次流れ渦を抑制するので、翼効率を向上させる。
【0080】
しかし、静翼チップ部40aの絞り比ΔLt/Cxおよび静翼ルート部40bの絞り比ΔLr/Cxのそれぞれが0.1を超えると、後縁39の下流側に縮流の影響が残り、主流Fが動翼29に案内されるときには、動翼29に境界層剥離を発生させ、これに伴って逆流渦を発生させるため動翼29の翼効率を低下させる。このため、本実施形態では、静翼チップ部40aの絞り比ΔLt/Cxおよび静翼ルート部40bの絞り比ΔLr/Cxを0〜0.5の範囲内に設定したものである。
【0081】
また、静翼チップ部40aの絞り比ΔLt/Cxと静翼ルート部40bの絞り比ΔLr/Cxとの関係を、ΔLt/Cx>ΔLr/Cxとしたのは、腹側外壁絞り流線36a、腹側内壁絞り流線36bから主流Fに与える押圧を、背側外壁絞り流線38aおよび背側内壁絞り流線38bから主流Fに与える押圧力よりも相対的に高くして後縁39から流出する主流Fの旋回流れを少なくし、静翼チップ部40a側の圧力上昇を低く抑え、主流Fの動翼チップ部への通り抜けを防止するためである。
【0082】
図12は、本発明に係る軸流タービンの第3実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部品と同一部分には、同一符号を付し、その重複説明を省略する。
【0083】
本実施形態は、整流域CAにおける腹側外壁絞り流線36および背側外壁絞り流線38を、ともにダイヤフラム外輪31に向って凸状の湾曲に形成したものである。
【0084】
本実施形態は、整流域CAをタービン軸の半径方向に向って拡大させて主流Fの圧力を回復させるようにしているので、静翼28の入口を最初から拡大することが困難な、例えば蒸気タービン高中圧部の中間段落に適用すると有効である。
【0085】
図13は、本発明に係る軸流タービンの第4実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部品と同一部分には、同一符号を付す。
【0086】
本実施形態は、静翼28の後縁39から流出する主流Fの動翼29のチップ部への通り抜けを防止させたものである。
【0087】
静翼28における腹側外壁絞り流線36の点Petから延長した接線Pと動翼29の前縁42との交点P1 とし、その交点P1 から動翼29のシュラウド43までの高さをΔHpとし、また、静翼28における背側外壁絞り流線38の点Petから延長した接線qと動翼29の前縁42との交点q1 とし、その交点q1 から動翼29のシュラウド43までの高さをΔHsとし、動翼29のシュラウド43からのその植込み部44までの翼高Hbとするとき、腹側外壁絞り流線36における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHp/Hbおよび背側外壁絞り流線38における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHs/Hbのそれぞれは、
【数15】
Figure 0003883245
の範囲に設定される。
【0088】
一般に、腹側外壁絞り流線36に沿って流れる主流Fpと背側外壁絞り流線38に沿って流れる主流Fsとは、その流れの方向を異にする。腹側外壁絞り流線36に沿って流れる主流Fpは、後縁39から流出するとき、動翼29の植込み部44に向うのに対し、背側外壁絞り流線38に沿って流れる主流Fsは、後縁39から流出するとき、動翼29のシュラウド43に向うため、主流Fの動翼29に対する通り抜けを発生させる。
【0089】
しかし、本実施形態では、腹側外壁絞り流線36の翼高絞り比を、背側外壁絞り流線38の翼高絞り比より大きする一方、腹側外壁絞り流線36における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHs/Hbおよび背側外壁絞り流線38における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHs/Hbのそれぞれを0.0〜0.1の範囲に設定しているので、主流Fの動翼に対する通り抜けを確実に防止することができ、動翼29の翼効率を向上させることができる。
【0090】
ちなみに、腹側外壁絞り流線36における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHp/Hbおよび背側外壁絞り流線38における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHs/Hbを0.0〜0.1の範囲内に変化させた場合の動翼29の翼効率に与える影響を、図14を参照して説明する。
【0091】
図14は、腹側外壁絞り流線36における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHp/Hbを0.05に固定し、背側外壁絞り流線38における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHs/Hbを0.0〜0.05に変化させた場合、および背側外壁絞り流線38における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHs/Hbを0.05に固定し、腹側外壁絞り流線36における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHp/Hbを0.0〜0.05に変化させた場合の翼効率を示している。
【0092】
図14からも理解できるように、本実施形態に係る腹側外壁絞り流線36における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHp/Hbおよび背側外壁絞り流線38における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHs/Hbを0.0〜0.1の範囲内に変化させた場合、動翼29の翼効率を著しく向上させている。なお、本実施形態では、腹側外壁絞り流線36における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHp/Hbおよび背側外壁絞り流線38における主流Fの動翼チップ部通り抜け防止比ΔHs/Hbのいずれか一方を0.05に固定し、他方を変化させた動翼29の翼効率であるが、0.02〜0.08の範囲内で一方を固定し、他方を変化させても動翼29の翼効率を向上させることが実験で確認されている。
【0093】
このように、動翼29の翼効率が著しく向上するのは、ΔHs/Hb≦ΔHp/Hb、つまり腹側外壁絞り流線36の翼高絞り比の方が背側外壁絞り流線38のそれより大きくしているために、動翼29の植込み部44に向う主流Fの押圧力が相対的に高くなっていることによるものと考えられる。
【0094】
図15は、本発明に係る軸流タービンの第5実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部品と同一部分には同一符号を付す。
【0095】
本実施形態は、静翼28の整流域CAにおける腹側外壁絞り流線36a、腹側内壁絞り流線36bおよび背側外壁絞り流線38a、背側内壁絞り流線38bを、ともにダイヤフラム外輪31に向って凸状の湾曲に形成する一方、動翼ルート部49aの背側45を、破線で示すように、タービン軸に平行に形成する動翼背側内壁線46とするとき、この動翼背側内壁線46に対し、動翼腹側内壁線47を前縁50から後縁51に亘ってタービン軸に向って凸状の湾曲に形成するとともに、動翼29の腹側48および背側45の動翼チップ部49も前縁50から後縁51に亘ってタービン軸に向って凸状の湾曲に形成したものである。なお、符号BSは、動翼29の後縁51のスロートである。
【0096】
次に作用を説明する。
【0097】
静翼28の後縁39から流出する主流Fが、動翼チップ部49の背側45および腹側48のそれぞれに流千Fpts ,Fbtp として流れるとき、タービン軸に向って凸状に形成された湾曲面に沿って流れるので、動翼29の入口部における主流Fの圧力損失は低く抑えることができる。
【0098】
一方、動翼背側内壁線46に流千Fbrs として流れる主流Fと、動翼腹側内壁線47に流線Fbrp として流れる主流Fのそれぞれは、背側45の後縁51および腹側48の後縁51を流出するとき交差する。
【0099】
従来、動翼29も、圧力差に起因してその腹側48から他方の隣りの動翼の背側に向って二次流れが生じており、二次流れに伴って二次流れ渦が他方の隣りの動翼の背側に流れるため翼効率を低下させていた。
【0100】
本実施形態は、流線Fbrp としての主流Fを、動翼29の翼高方向に向わせているので、この主流Fの押圧力により二次流れ渦を抑制することができる。
【0101】
したがって、本実施形態では、流線Fbrp としての主流Fの押圧力により二次流れ渦を抑制しているので、動翼29の翼効率を従来よりもより一層向上させることができる。
【0102】
図16は、本発明に係る軸流タービンの第6実施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には、同一符号を付す。
【0103】
本実施形態は、第1実施形態に係る静翼28をガスタービンプラント52に適用したものである。
【0104】
ガスタービンプラント52は、複数個、例えば8〜32個の燃焼器(図示せず)を備え、燃焼器の個数に対応させたトランジションピース53を介して一つのガスタービン54に接続する構成になっている。
【0105】
また、トランジションピース53は、その入口を燃焼器の出口形状に合せた円筒状の燃焼ガス通路に形成する一方、その出口をガスタービン54の入口形状に合せた円環状の燃焼ガス通路に形成し、燃焼器で生成した燃焼ガスFgを静翼28に案内して膨張仕事をさせるようになっている。
【0106】
一般に、複数個のトランジションピース53から一つのガスタービン54に燃焼ガスFgを供給する場合、ガスタービン54の入口は、燃焼ガスFgの合流による合流損失が出る。この合流損失は、燃焼ガスFgの速度の2乗に比例する。
【0107】
本実施形態は、ガスタービン54の初段落の腹側外壁絞り流線36と背側外壁絞り流線38とを備えた静翼28を適用し、腹側外壁絞り流線36および背側外壁絞り流線38の押圧力を利用して合流損失に伴って発生する逆流渦を低く抑えるようにしたものである。
【0108】
したがって、本実施形態では、静翼28の前縁41側の比較的翼高の高い空間を利用して燃焼ガスFgの圧力損失を回復させ、また静翼28の後縁39側の腹側外壁絞り流線36および背側外壁絞り流線38の押圧力を利用して逆流渦を抑えたので、トランジションピース53からガスタービン54に供給される燃焼ガスFgの圧力損失を低く抑えることができ、ひいてはガスタービン54の燃焼効率を向上させることができる。
【0109】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係る軸流タービンは、静翼のチップ部およびルート部の少なくとも一方に腹側外壁絞り流線、背側外壁絞り流線および腹側内壁絞り流線、背側内壁絞り流線のいずれかを形成するとともに、タービン軸の中心を通る半径に対し、背側外壁絞り流線の翼高を腹側外壁絞り流線の翼高よりも低くし、さらに、主流の流れ方向から観察したとき、背側外壁絞り流線の翼高を他方の隣りの静翼の腹側外壁絞り流線の翼高とほぼ同一に形成する一方、タービン軸の中心を通る半径に対し、背側内壁絞り流線の翼高を腹側内壁絞り流線の翼高よりも高く形成したので、各絞り流線の押圧力により二次流れに伴う二次流れ渦を抑制することができ、さらに一方の静翼の背側外壁絞り流線と他方の隣りの静翼の腹側外壁絞り流線との間に逆流渦を発生させることもない。
【0110】
したがって、本実施形態では、二次流渦を抑制するとともに、逆流渦の発生を防止しているので、静翼の翼効率を従来よりも飛躍的に向上させることができる。
【0111】
また、本実施形態では、静翼の整流域をダイヤフラム外輪側に広く膨出させているので、主流の圧力を回復させて主流の流れの安定化を図ることができる。
【0112】
また、本実施形態では、静翼の腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線に沿って流れる主流が動翼のチップ側に通り抜けないように動翼の翼高を設定しているので、動翼の翼効率を向上させることができる。
【0113】
また、本実施形態では、動翼のルート部の動翼腹側内壁線をタービン軸側に広く膨出させ、動翼腹側内壁線から流出する主流の押圧力を利用して二次流れ渦を抑制しているので、動翼の翼効率を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る側外壁絞り流線の第1実施形態を示す概略図。
【図2】本発明に係る軸流タービンにおいて、主流の流れに交差した方向から観察した静翼の概略斜視図。
【図3】本発明に係る軸流タービンにおいて、後縁から観察した静翼の概略図。
【図4】本発明に係る軸流タービンにおいて、子午面から観察した静翼を、タービン軸の周方向に沿って平面展開をしたときの相関関係を示す図。
【図5】本発明に係る軸流タービンにおいて、静翼の翼列間を流れる二次流れの挙動を説明する図。
【図6】本発明に係る軸流タービンにおいて、静翼の腹側外壁絞り流線における翼高絞り比と翼効率との関係を示すグラフ。
【図7】本発明に係る軸流タービンにおいて、静翼の背側外壁絞り流線における翼高絞り比と翼効率との関係を示すグラフ。
【図8】本発明に係る軸流タービンの第2実施形態を示すもので、子午面から観察した静翼を、タービン軸の周方向に沿って平面展開をしたときの相関関係を示す図。
【図9】本発明に係る軸流タービンの第2実施形態において、静翼の腹側外壁絞り流線および腹側内壁絞り流線における翼高絞り比と翼効率との関係を示すグラフ。
【図10】本発明に係る軸流タービンの第2実施形態において、静翼の背側外壁絞り流線および背側内壁絞り流線における翼高絞り比と翼効率との関係を示すグラフ。
【図11】本発明に係る軸流タービンの第2実施形態において、静翼チップ部の絞り比および静翼ルート部の絞り比と翼効率との関係を示すグラフ。
【図12】本発明に係る軸流タービンの第3実施形態を示す概略図。
【図13】本発明に係る軸流タービンの第4実施形態を示す概略図。
【図14】本発明に係る軸流タービンの第4実施形態において、主流の動翼チップ部の通り抜け防止比と翼効率との関係を示すグラフ。
【図15】本発明に係る軸流タービンの第5実施形態を示す概略図。
【図16】本発明に係る軸流タービンの第6実施形態を示す概略図。
【図17】従来の二次流れおよび二次流れ渦の発生・挙動を説明する図。
【図18】従来の側外壁絞り流線を示す概略図。
【図19】従来の軸流タービンにおいて、主流の流れに交差した方向から観察した静翼の概略斜視図。
【図20】従来の軸流タービンにおいて、二次流れの挙動を説明する図。
【符号の説明】
1a,1b 入口境界層
2a,2b 主流
3a,3b,3c 翼
4a,4b 流路
5a,5b 前縁
6a,6b 渦
7a,7b 腹側馬蹄型渦
8a,8b,8c 背側馬蹄型渦
9a,9b,9c 背側
10a,10b,10c 後縁
11a,11b,11c 腹側
12a,12b 二次流れ
13a,13b 流路渦
14 段落
15 静翼(ノズル)
16 動翼
17 ダイヤフラム内輪
18 ダイヤフラム外輪
19 タービン軸
20 シュラウド
21 シールフィン
22 後縁
23 絞り壁面
24 腹側
25 背側
26 軸流タービン
27 段落
28 静翼(ノズル)
29 動翼
30 ダイヤフラム内輪
31 ダイヤフラム外輪
32 タービン軸
33 シュラウド
34 シールフィン
35 腹側
36 腹側外壁絞り流線
36a 腹側外壁絞り流線
36b 腹側内壁絞り流線
37 背側
38 背側外壁絞り流線
38a 背側外壁絞り流線
38b 背側内壁絞り流線
39 後縁
40 チップ部
40a 静翼チップ部
40b 静翼ルート部
41 前縁
42 前縁
43 シュラウド
44 植込み部
45 背側
46 動翼背側内壁線
47 動翼腹側内壁線
48 腹側
49 動翼チップ部
49a 動翼ルート部
50 前縁
51 後縁
52 ガスタービンプラント
53 トランジションピース
54 ガスタービン

Claims (11)

  1. 静翼と動翼を組み合せた段落をタービン軸の軸方向に沿って配置する一方、上記静翼を上記タービン軸の周方向に沿って環状列に配置し、上記動翼を、環状列に配置した上記静翼に対応させて配置した軸流タービンにおいて、上記静翼のチップ部に、タービン軸に向って凸状に湾曲する腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線を形成し、タービン軸の中心を通る半径に対し、上記背側外壁絞り流線の翼高を、上記腹側外壁絞り流線の翼高よりも低くするとともに、一方の静翼の背側外壁絞り流線の翼高を、他方の隣りの静翼の腹側外壁絞り流線の翼高に一致するように形成し、かつ子午面から観察した上記静翼を、上記タービン軸の周方向に沿って平面展開し、上記他方の隣りの静翼の後縁を点Peとし、その点Peから上記一方の静翼の背側に内接円を画き、そのスロートの交点Seとし、その交点Seから他方の隣りの静翼の腹側に真直ぐに延びた直線の交点Piとし、その交点Piから上記一方の静翼の背側に内接円を画き、その接点Siとし、各点Pe,Se,Pi,Siのそれぞれを、腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線の点P et ,S et ,P it ,S it のそれぞれに対応させ、各点P et ,S et ,P it ,S it のそれぞれがタービン軸の中心を通る半径R pit ,R set ,R pit ,R sit とするとき、腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線の翼高絞り比を、
    Figure 0003883245
    の範囲に設定したことを特徴する軸流タービン。
  2. 一方の静翼と他方の隣りの静翼とで形成する流路を、整流域と増速転向域とに区分けし、静翼の前縁から後縁までの軸コードをCxとし、上記増速転向域の上記後縁からの長さをCbとし、上記整流域の長さをCaとするとき、上記整流域の長さCaおよび上記増速転向域の長さCbのそれぞれは、
    Figure 0003883245
    に設定したことを特徴とする請求項1記載の軸流タービン。
  3. 一方の静翼と他方の隣りの静翼とで形成する流路を、整流域と増速転向域に区分けする一方、上記整流域を静翼を支持するダイヤフラム外輪側に向って凸状の湾曲に形成したことを特徴とする請求項2記載の軸流タービン。
  4. 静翼を支持するダイヤフラム外輪は、前記静翼の後縁から見ると、腹側外壁絞り流線と背側外壁絞り流線とを互いに結ぶチップ部がジグザグ状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の軸流タービン。
  5. 一方の静翼と他方の隣りの静翼とで形成する流路は、前記一方の静翼の背側表面と前記他方の隣りの静翼の腹側表面を長片とし、ダイヤフラム内輪とダイヤフラム外輪を短片とする前記一方の静翼の背側表面と前記他方の静翼の腹側表面を長片とし、ダイヤフラム内輪とダイヤフラム外輪を短片とする長方形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の軸流タービン。
  6. 静翼と動翼を組み合せた段落をタービン軸の軸方向に沿って配置する一方、上記静翼を上記タービン軸の周方向に沿って環状列に配置し、上記動翼を、環状列に配置した上記静翼に対応させて配置した軸流タービンにおいて、上記静翼のチップ部に、タービン軸に沿って凸状に湾曲する腹側外壁絞り流線および背側外壁絞り流線を形成し、タービン軸の中心を通る半径に対し、上記背側外壁絞り流線の翼高を、上記腹側外壁絞り流線の翼高よりも低くするとともに、一方の静翼の背側外壁絞り流線の翼高が、他方の隣りの静翼の腹側絞り流線の翼高に一致するよう形成する一方、上記静翼のルート部に、ダイヤフラム外輪に向って凸状に湾曲する腹側内壁絞り流線および背側内壁絞り流線のそれぞれを形成し、かつ子午面から観察した静翼を、タービン軸の周方向に沿って平面展開し、前記他方の隣りの後縁を点Peとし、その点Peから前記一方の静翼の背側に内接円を画き、そのスロートの交点Seとし、その交点Seから前記他方の隣りの静翼の腹側に 真直ぐ延びた直線の交点Piとし、その交点Piから前記一方の静翼の背側に内接円を画き、その接点Siとし、各点Pe,Se,Pi,Siのそれぞれを、前記腹側外壁絞り流線および前記背側外壁絞り流線の点P et ,S et ,P it ,S it のそれぞれに対応させる一方、前記腹側内壁絞り流線および前記背側内壁絞り流線の点P er ,S er ,P ir ,S ir のそれぞれに対応させ、各点P et ,S et ,P it ,S it ,P er ,S er ,P ir ,S ir のそれぞれがタービン軸の中心を通る半径R pit ,R set ,R pit ,R sit ,R per ,R ser ,R pir ,R sir とするとき、前記腹側外壁絞り流線、前記腹側内壁絞り流線、前記背側外壁絞り流線、前記背側内壁絞り流線の翼高絞り比を、
    Figure 0003883245
    の範囲に設定したことを特徴とする軸流タービン
  7. 静翼の前縁から後縁までの軸コードをCxとし、前縁の腹側外壁絞り流線の翼高から後縁の腹側外壁絞り流線の翼高を引いた値をΔLtとし、前縁の腹側内壁絞り流線の翼高から後縁の腹側内壁絞り流線の翼高を引いた値をΔLrとするとき、静翼チップ部の絞り比ΔLt/Cxおよび静翼ルート部の絞り比ΔLr/Cxのそれぞれは、
    Figure 0003883245
    に設定したことを特徴とする請求項6記載の軸流タービン。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、上記腹側外壁絞り流線の後縁における接線および上記背側外壁絞り流線の後縁における接線が、ともに動翼の翼高の範囲に収まることを特徴とする軸流タービン。
  9. シュラウドから植込部までの動翼の翼高をHbとし、静翼の腹側外壁絞り流線の後縁における接線を上記動翼の前縁に交差させる点が上記シュラウドからの高さΔHpとし、上記静翼の背側外壁絞り流線の後縁における接線を上記動翼の前縁に交差させる点が上記シュラウドからの高さΔHsとするとき、主流の上記シュラウドへの通り抜け防止比ΔHp/HbおよびΔHs/Hbのそれぞれは、
    Figure 0003883245
    の範囲に設定したことを特徴とする請求項8記載の軸流タービン。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、上記動翼ルート部の動翼背側内壁線をタービン軸に平行に形成したことを特徴とする軸流タービン。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、前記静翼をガスタービンの初段落に組み込んだことを特徴とする軸流タービン。
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