JP6683642B2 - ウシ個体における屠畜後の肉中イノシン酸含量の判定方法 - Google Patents
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Description
(1) 配列番号1における1028番目(配列番号4では149番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(2) 配列番号1における2773番目(配列番号7では158番目)の塩基がチミンからアデニンになる変異
(3) 配列番号1における2824番目(配列番号7では209番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
(4) 配列番号1における7793番目(配列番号10では82番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(5) 配列番号1における7831番目(配列番号10では120番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
また、本発明は、ウシゲノム上のNT5E遺伝子領域内の少なくとも1つの変異部位を含む領域を増幅する少なくとも1組のプライマーセットを含む、屠畜後の肉中イノシン酸含量の判定試薬であって、前記少なくとも1つの変異部位は、配列番号1における1028番目(配列番号4では149番目)の塩基、配列番号1における2773番目(配列番号7では158番目)の塩基、配列番号1における2824番目(配列番号7では209番目)の塩基、配列番号1における7793番目(配列番号10では82番目)の塩基、及び配列番号1における7831番目(配列番号10では120番目)の塩基から選択される少なくとも1つである、試薬を提供する。
さらに、本発明は、上記本発明の試薬を含む、屠畜後の肉中イノシン酸含量の判定キットを提供する。
さらに、本発明は、ウシ個体から分離された核酸試料について、NT5E遺伝子領域における変異の有無を検出することを含む、屠畜後の肉中イノシン含量及びヒポキサンチン含量を判定する方法であって、下記の少なくともいずれか1つがヘテロ又はホモで検出された場合、屠畜後の肉中イノシン含量及びヒポキサンチン含量が低いと判定される、方法を提供する。
(1) 配列番号1における1028番目(配列番号4では149番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(2) 配列番号1における2773番目(配列番号7では158番目)の塩基がチミンからアデニンになる変異
(3) 配列番号1における2824番目(配列番号7では209番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
(4) 配列番号1における7793番目(配列番号10では82番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(5) 配列番号1における7831番目(配列番号10では120番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
(1) 配列番号1における1028番目(配列番号4では149番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(2) 配列番号1における2773番目(配列番号7では158番目)の塩基がチミンからアデニンになる変異
(3) 配列番号1における2824番目(配列番号7では209番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
(4) 配列番号1における7793番目(配列番号10では82番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(5) 配列番号1における7831番目(配列番号10では120番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
(1) ウシNT5E遺伝子の塩基配列の決定
まず、肉中イノシン酸含量に関連するウシ染色体領域を同定すべく、屠畜後の牛肉中イノシン酸の測定値が得られている黒毛和種集団(571頭)について、全常染色体をカバーする40,657個のSNPを用いて解析を行なった結果、第9番染色体上に肉中イノシン酸含量と強い関連を示す領域(肉中イノシン酸含量制御領域)が同定された。この肉中イノシン酸含量制御領域内に存在する遺伝子について、タンパク質コード領域、プロモーター領域、各遺伝子の発現制御に関与し得る3'-及び5'-UTRの領域の塩基配列を解読し、肉中イノシン酸含量と変異との関連性を調査したところ、NT5E遺伝子領域中に特に肉中イノシン酸含量の差を生じる特異的な一塩基置換変異を5カ所見出した(表1)。これら5カ所の一塩基置換変異は、配列番号1における1028番目、2773番目、2824番目、7793番目、及び7831番目の塩基であり、NCBIのdbSNPに登録されている一塩基置換変異であった。
検出された5カ所の一塩基置換変異について、一塩基置換変異間の連鎖の程度を示す連鎖不平衡係数r2値(%)(値は0〜100の範囲であり、100に近いほど連鎖の程度が高い)を求めたところ、一塩基置換変異間のr2値の範囲は80〜100と高い連鎖の関係を示していた(図1)。配列番号1における1028番目ではチミン、2773番目ではアデニン、2824番目ではグアニン、7793番目ではチミン、及び7831番目ではグアニンの5つのアリルは非常に高い連鎖の関係にあった。また、配列番号1における1028番目ではシトシン、2773番目ではチミン、2824番目ではアデニン、7793番目ではシトシン、及び7831番目ではアデニンの5つのアリルについても同様に非常に高い連鎖の関係にあった。
NT5E遺伝子変異の遺伝子型と牛肉中イノシン酸含量との関係を調べるため、上記で示した黒毛和種571頭の肉中イノシン酸含量と、高い連鎖の関係にある5カ所の一塩基置換のうちの第1028番の一塩基置換変異の遺伝子型との関係を比較した。その結果、表2に示す通り、当該第1028番塩基がホモでチミンであるウシ個体が最も肉中イノシン酸含量が高く、ホモでシトシンのウシ個体が最も肉中イノシン酸含量が低く、チミン/シトシンヘテロ型のウシ個体では肉中イノシン酸含量が中等度に高いことがわかった。すなわち、配列番号1における第1028番の一塩基置換変異のアリルであるチミンをゲノム上に多く有するウシ個体はシトシンを多く有するウシ個体に比べて屠畜後の肉中イノシン酸含量が有意に高いことがわかった。
ウシ個体における屠畜後の肉中イノシン酸含量に関連する変異部位を含むDNA断片を増幅するためのプライマーNT5E-1F、NT5E-1R、NT5E-2F、NT5E-2R、NT5E-3F、及びNT5E-3Rを合成した。配列表の配列番号2、3、5、6、8、及び9にそれぞれプライマーNT5E-1F、NT5E-1R、NT5E-2F、NT5E-2R、NT5E-3F、及びNT5E-3Rの塩基配列を示す。
Claims (7)
- ウシ個体から分離された核酸試料について、NT5E遺伝子領域における変異の有無を検出することを含む、屠畜後の肉中イノシン酸含量を判定する方法であって、下記の少なくともいずれか1つがヘテロ又はホモで検出された場合、屠畜後の肉中イノシン酸含量が高いと判定される、方法。
(1) 配列番号1における1028番目(配列番号4では149番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(2) 配列番号1における2773番目(配列番号7では158番目)の塩基がチミンからアデニンになる変異
(3) 配列番号1における2824番目(配列番号7では209番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
(4) 配列番号1における7793番目(配列番号10では82番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(5) 配列番号1における7831番目(配列番号10では120番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異 - 核酸試料がゲノムDNA試料である、請求項1記載の方法。
- ウシゲノム上のNT5E遺伝子領域内の少なくとも1つの変異部位を含む領域を増幅する少なくとも1組のプライマーセットを含む、屠畜後の肉中イノシン酸含量の判定試薬であって、前記少なくとも1つの変異部位は、配列番号1における1028番目(配列番号4では149番目)の塩基、配列番号1における2773番目(配列番号7では158番目)の塩基、配列番号1における2824番目(配列番号7では209番目)の塩基、配列番号1における7793番目(配列番号10では82番目)の塩基、及び配列番号1における7831番目(配列番号10では120番目)の塩基から選択される少なくとも1つである、試薬。
- 少なくとも1組のプライマーセットは、配列番号1における1028番目の塩基を含むウシゲノム上の領域を増幅するプライマーセット、配列番号1における2773番目の塩基及び/又は2824番目の塩基を含むウシゲノム上の領域を増幅するプライマーセット、配列番号1における7793番目の塩基及び/又は7831番目の塩基を含むウシゲノム上の領域を増幅するプライマーセットから選択される少なくとも1組のプライマーセットを含む、請求項3記載の試薬。
- 少なくとも1組のプライマーセットは、配列番号2に示す塩基配列のプライマーと配列番号3に示す塩基配列のプライマーとのセット、配列番号5に示す塩基配列のプライマーと配列番号6に示す塩基配列のプライマーとのセット、及び配列番号8に示す塩基配列のプライマーと配列番号9に示す塩基配列のプライマーとのセットから選択される少なくとも1組のセットを含む、請求項4記載の試薬。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載の試薬を含む、屠畜後の肉中イノシン酸含量の判定キット。
- ウシ個体から分離された核酸試料について、NT5E遺伝子領域における変異の有無を検出することを含む、屠畜後の肉中イノシン含量及びヒポキサンチン含量を判定する方法であって、下記の少なくともいずれか1つがヘテロ又はホモで検出された場合、屠畜後の肉中イノシン含量及びヒポキサンチン含量が低いと判定される、方法。
(1) 配列番号1における1028番目(配列番号4では149番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(2) 配列番号1における2773番目(配列番号7では158番目)の塩基がチミンからアデニンになる変異
(3) 配列番号1における2824番目(配列番号7では209番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
(4) 配列番号1における7793番目(配列番号10では82番目)の塩基がシトシンからチミンになる変異
(5) 配列番号1における7831番目(配列番号10では120番目)の塩基がアデニンからグアニンになる変異
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JP2018143146A JP2018143146A (ja) | 2018-09-20 |
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WO2023243660A1 (ja) * | 2022-06-15 | 2023-12-21 | 国立大学法人京都大学 | 魚類、魚類の生産方法、および熟成が促進された魚類の生産方法 |
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