JP2008526253A - ウシにおける牛乳産生増大のためのdnaマーカー - Google Patents

ウシにおける牛乳産生増大のためのdnaマーカー Download PDF

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Abstract

本発明は、乳牛における改変された牛乳産生形質に関連する遺伝的多型を同定するための方法を提供する。本発明により提供される遺伝マーカー支援選択法によって、潜在的に費用のかかる表現型試験および伝統的交配スキームに関連する不正確さの回避、ならびに、乳牛群の改善が可能になる。

Description

1. 発明の分野
本発明は概して、哺乳動物遺伝学の分野に関する。より具体的には、本発明は、増大した牛乳産生形質および改変された牛乳品質形質のための遺伝的素因を有するウシの選択用遺伝マーカーに関連する。
発明の背景
本願は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる2005年1月14日出願の米国仮特許出願第60/644,056号の恩典および優先権を主張するものである。
2. 関連技術の記載
ウシの牛乳産生の遺伝的基盤は、乳業にとって非常に重要である。牛乳の量および内容の調整を行う能力は、農業の手法を改変する可能性、および、広範な需要を満たすようあつらえられた製品を産生する可能性を有する。特に、ウシを遺伝学的に評価して、例えば増大された牛乳産生および改善された牛乳組成などの、望ましい形質を発現するものを選択する方法が望ましい。
成功の一部は、第14染色体上の、牛乳の質および量に関連する量的形質遺伝子座(QTL)の同定である。ウシアシルCoAにおけるリジンからアラニンへの非保存的置換(K232A):ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT1)遺伝子は、ホルスタイン牛の牛乳収率および成分の形質の違いに影響する原因変異であることが示されている(Grisart et al, 2002, 2004; 米国特許出願公開第20040076977号)。アラニン対立遺伝子は、牛乳の全収率およびタンパク質の増大を生じるが、同時に乳脂肪を減少させる。アラニン対立遺伝子は、牛乳の全収率が主に選択される米国のホルスタイン個体群においては正の選択下であるが、リジン対立遺伝子は、乳脂肪の増大が主に経済的に重要であるニュージーランド乳牛個体群において選択されている(Spelman et al., 2002)。
第14染色体に加えて、ほぼ全ての乳牛ゲノムスキャンによって、第6染色体上のQTLが同定されている。いくつかの試験によってマーカーBM143近傍の乳タンパク質割合(PP)に影響するQTLが報告されている一方で、一部の試験では、様々な牛乳産生形質に影響するさらなるQTLの存在が示されており、このことは、近接して連鎖した遺伝子および/または多面発現のいずれかを示唆している。第6染色体の牛乳QTLの基礎となる遺伝子および原因変異は未だ同定されていないが、しかし、いくつかの最近の報告によってBM143近傍のタンパク質割合(PP)に影響するQTLに注目が集まっている。Ronら(2001)は、このQTLの場所をIsraeli Holstein個体群においてBM143(55.4cM)の近くの4cM領域とつきとめ、マーカーBM415(80.5cM)近傍の第二のQTLを同定した。Freyerら(2002)は、41および91cMの位置における牛乳収率(MY)に関する2つのQTL、44および67cMにおけるPPに関する2つのQTL、ならびに、70cMにおける脂肪収率およびタンパク質収率の両方に影響するQTLを報告した。Olsenら(2004)は、BM143近傍の脂肪割合(FP)およびPPのQTLの位置を、マーカーBMS2508およびFBN12が境界となっている7.5cM区間とさらに正確にしたが、これは、Ronら(2001)の位置決めと大変一致している。近年になって、彼らはマップを細かくすることができ、このQTLはABCG2遺伝子とLAP3遺伝子の間の420kb区間におかれた。しかし、このQTLに関する具体的な遺伝子は同定されていない。
以前の試験によってウシの遺伝学についての理解は深まったが、多くの重要な形質の基礎となる原因多型を同定する必要性が未だ残されたままである。そのような多型の同定によって、正確で安価な遺伝分析を実行することができ、かつ、不正確または高価な表現型分析および連鎖分析試験への依存の必要性を最小化することができる。
発明の概要
ある局面において、本発明は、牛乳産生形質、例えば牛乳収率、乳脂肪割合、および乳タンパク質割合の原因となる、ウシオステオポンチン遺伝子(OPN)多型のシーケンシングおよび同定に関する。本発明のある態様では、核酸塩基部位1406位、3379位、3490位、3492位、3907位、5075位、5896位、10043位、または11740位において1つまたは複数の多型を有するSEQ ID NO:1の核酸配列を含む単離された核酸分子が提供される。より具体的には、ある態様において、多型は、T1406C、G3379T、G3490A、A3492G、T3907del、C5075T、G5896A、T10043C、およびA11740Cとして定義されうる。これらのうちG5896A、T10043C、およびA11740Cを除く全てが、OPN遺伝子の非転写部分に存在する。G5896AおよびT10043Cは転写されるが、これらは成熟mRNAからプロセシングされて、翻訳されない。さらに、A11740Cは転写されるが翻訳されない。したがって、典型的な態様において、ゲノムDNAからの検出が最適な方法であろう。
さらにまた、本発明は、ウシオステオポンチン(OPN)遺伝子の上流調節領域における量的形質ヌクレオチド(QTN)を提供する。このQTNは、乳脂肪割合、乳タンパク質割合、および牛乳収率をもたらす。特に、このQTNは、SEQ ID NO:1の3907位でOPN遺伝子における多型に関する。特定の態様において、3907位の欠失を特徴とするOPN対立遺伝子は、9つのチミンを有する対立遺伝子を生じ、かつ、増大した牛乳収率、減少した乳脂肪割合、および減少した乳タンパク質割合の牛乳産生形質に関連する。3907位の欠失を包含しないOPN対立遺伝子は、10個のチミンを有する対立遺伝子を生じ、かつ、牛乳収率減少、乳脂肪割合増大、および乳タンパク質割合増大の牛乳産生形質に関連する。したがって、望ましい乳製品に応じて、望ましい製品に適した対立遺伝子を選択することが可能である。例えば、液体乳製品が望ましい場合、3907del対立遺伝子を選択することができ、また、非液状乳製品(例えばチーズまたはバター)が望ましい場合、対立遺伝子3907Tを選択することができる。
本発明の別の態様では、OPNに関する遺伝子型を決定するためにウシを遺伝子型同定する段階を含む、改変された牛乳産生形質に関してウシの遺伝的素因を決定する方法が提供される。遺伝子型同定は、多型の有無を決定するためのウシ由来の遺伝物質の分析によって行われうる。より詳細には、ある態様において、3907位における多型の有無を決定する。
このような多型は、当業者によって理解されるであろう任意の方法によって検出されうる。1つの簡便な検出法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR(商標))の使用が含まれる。本明細書において後述されるとおり、このおよびその他の技術は当業者に周知である。分析される遺伝物質は、典型的にはゲノムDNAで構成される。これは、誕生後のウシから入手することができ、または、ウシ胎仔から得ることもでき、これにはインビトロにおける胚からの入手も含まれる。第一の乳牛が胚から成長するように、選択には、胚の胚移植が含まれうる。本発明の方法は、任意の品種の乳牛と共に使用できる。
本発明の別の態様には、以下の段階を含む、改変された牛乳産生形質を有する乳牛を交配する方法が含まれる:(a) 改変された牛乳産生形質をもたらすOPNにおける遺伝的多型を含む第一の親乳牛を同定するために、少なくとも1頭の候補乳牛を分析する段階;ならびに(b) 該多型を有する、および、多型を欠く子孫に対して改変された牛乳産生形質を有する子孫乳牛を入手するために、第一の親乳牛と第二の親乳牛とを交配する段階。
ある態様において、本発明は、以下の段階を含む、改変された牛乳産生形質に関する遺伝的素因を含む乳牛を入手する方法を提供する:(a) 多型を含む雌乳牛における改変された牛乳産生形質に関連するOPNにおける遺伝的多型について、少なくとも第一の乳牛の遺伝子型同定を行う段階;および(b) 多型を有する乳牛を選択する段階。本発明の特定の態様において、遺伝的多型は、ウシOPN遺伝子における3907位でのチミンの欠失としてさらに定義されうる。OPNにおける遺伝的多型の存在に関する第一の親乳牛の遺伝子型同定には、親の直接試験に加えて、第一の親の遺伝子型を決定するための親の両親の一方または両方の試験が含まれうる。
さらに別の態様において、本発明は、以下の段階を含む、改変された牛乳産生形質に関する遺伝的素因を有する子孫を得る確率を増大させるためのウシの交配の方法を提供する:(a) 多型を含む雌乳牛における改善されたまたは改変された牛乳産生形質に関連するOPNにおける遺伝的多型の存在について、第一の親乳牛を選択する段階;および(b) 多型を含む少なくとも第一の子孫乳牛を入手するために、第一の親乳牛と第二の親乳牛とを交配する段階。本方法はさらに、OPNにおける遺伝的多型に基づいて第二の親乳牛を選択する段階を含む。OPNにおける遺伝的多型の存在についての第一または第二の親乳牛の選択には、親、ならびに、第一および/または第二の親の両親の一方または両方の直接試験が含まれうる。
本発明のある態様において、牛乳全収率の減少に関連するOPN遺伝子型、例えば対立遺伝子3907Tを選択するために、前述の技術を使用してもよい。そのような選択は、例えば、乳タンパク質割合または乳脂肪割合の増大を含む、その他の恩典を提供するために用いてもよい。減少した牛乳収量ならびに増大したタンパク質割合および脂肪割合を選択することによって、チーズおよびバターなどの牛乳からの水分の除去を必要とする乳製品の製造のためにこの牛乳組成が改善されうる。したがって本発明は、OPNの3907delまたは3907T対立遺伝子が選択される、本明細書に記載の方法のいずれかを包含する。
したがって、本発明のさらに別の態様において、以下の段階を含む方法が提供される:(a) OPNにおける3907del対立遺伝子について少なくとも第一の乳牛の遺伝子型同定を行う段階;および(b) 多型を有する乳牛を選択する段階。したがって、本発明はまた、以下の段階を含む方法も提供する:(a) 多型を含む雌乳牛における乳脂肪割合または乳タンパク質割合の増大に関連するOPNにおける遺伝的多型の存在について、第一の親乳牛を選択する段階;および(b) 多型を含む少なくとも第一の子孫乳牛を入手するために、第一の親乳牛と第二の親乳牛とを交配する段階。
本発明の方法において、第一の親乳牛および第二の親乳牛の一方または両方は、任意の品種の乳牛であってよい。また本方法はさらに、第二世代の子孫乳牛を生じるために子孫乳牛と第三の乳牛とを交雑させる段階を含むとして定義されうる。第三の乳牛は、子孫乳牛の親であってよく、または子孫乳牛とは血縁関係がなくてもよい。本発明の特定の態様において、前記の段階が、約2回〜約10回繰り返され、ここで、第一の親乳牛は、以前の段階(a)および段階(b)の反復に起因する子孫乳牛から選択され、かつ、第二の親乳牛は、牛乳産生形質の改変が望まれる選択されたウシ品種に由来する。したがってこの技術は、例えば、さもなくばその形質を欠くが他の望ましい形質を保有する遺伝的背景に、有益な特徴を導入することを可能にするであろう。
後述する本発明の詳細な説明がより良好に理解されるように、上記では、本発明の特徴および技術的利点を概説した。本発明のさらなる特徴および利点は、本明細書において後述され、これは、本発明の添付の特許請求の範囲の主題を形成する。当業者は、本発明の同様の目的を実行するための他の構造を修正または設計するための基盤として、開示された概念および具体的態様が容易に利用されうることを認識すべきである。当業者はまた、そのような同等の構築が、添付の特許請求の範囲に述べられる本発明の精神および範囲から逸脱しないことも理解すべきである。添付の図面と組み合わせて考慮される場合、さらなる目的および利点と共に、その構成および実施方法の両方に関して本発明に特徴的と考えられる新規の特徴は、以下の記載から良好に理解されよう。しかし、添付の図面のそれぞれが、例示および説明の目的のみで提供されており、本発明の範囲の定義としてみなされるべきでないことは明確に理解されるべきである。
例示的態様の説明
いくつかの試験は、乳タンパク質割合に対して大きな効果を有する、第6染色体上のBM143近傍のQTL(BTA6)を同定しようとしてきた(Ron et al., 2001, Freyer et al., 2002, Freyer et al., 2003 and Olsen et al., 2004)。この420kbの区間には、6つの既知のヒトオルソログが含まれ、そのうちの1つがオステオポンチン(OPN)である。本発明者らは、牛乳形質をもたらすOPN遺伝子内の多型を同定した。したがって、ある局面において、本発明は、乳牛における牛乳産生の改善のための方法および組成物を提供する。本発明者らは、大きな多世代Holstein血統、および、乳タンパク質割合に影響するQTLをBM143近傍のBTA6上の比較的小さな区間にマッピングするための標的化された密なマーカーマップを使用した。HSA4上のシンテニーが保存された領域内の遺伝子の調査によって、このQTLに関する理想的な機能的候補遺伝子としてオステオポンチン(OPN、SPP1、Eta-1)が同定された。OPNは、インテグリンおよびCD44受容体との結合を介して細胞-マトリクス相互作用および細胞性シグナル伝達を媒介することによって機能する分泌型糖タンパク質であり、多くの異なる組織内で発現される(Denhardt et al., 1993)。
OPN遺伝子(SEQ ID NO:1;GenBankアクセッション番号AY878328)のシーケンシングにより、例えば、T1406C、G3379T、G3490A、A3492G、T3907del、C5075T、G5896A、T10043C、およびA11740Cを含むがこれに限定されない、いくつかの多型が同定された。より詳細には、改変された牛乳収率、乳タンパク質割合、および乳脂肪割合をもたらす多型は、T3907del(SEQ ID NO:1)である。
本発明の別の局面では、OPN遺伝子における1つまたは複数の多型の有無を決定することによってウシの遺伝子型同定を支援するためのDNAマーカーとして、上記で列挙した多型が利用される。例えばT3907delなどの本発明の多型を用いたウシの遺伝子型同定を、牛乳収率および乳脂肪割合および乳タンパク質割合などの改変された牛乳産生形質に関連する遺伝子型を選択するために使用することができる。したがって、改変された牛乳産生形質に関連するとして本明細書中で同定された多型を同定するための遺伝分析の使用には、牛乳産生形質改変のために産生された乳牛の交配または選択における用途が見出されるであろう。したがって、本発明のある態様は、牛乳産生に適合化された乳牛品種における牛乳産生特性または形質の増大を目的とした交配計画を含む。牛乳収率が増大した群に加えて、そのような群に由来する牛乳組成もまた、タンパク質割合および脂肪割合が改変されてもまたは減少してもよい。
同様に、OPN遺伝子における多型を用いて、OPN多型を欠いたウシの群を産生するための雌ウシおよび雄ウシを選択することができ、それによって、減少した牛乳収率を特徴とする乳牛の群が生じる。牛乳の収率または量の減少に加えて、OPN多型を欠いたこれらの乳牛はまた、タンパク質割合または脂肪割合が増大した牛乳組成を産生することができる。タンパク質割合または脂肪割合が増大したそのような牛乳組成は、牛乳からの水分の除去を必要とするチーズおよびバターなどの乳製品を製造するために使用できる。
I. 遺伝分析および選択
動物交配に関する遺伝分析支援選択は、子孫の育成および表現型試験の必要性なしに選択を行うことができるという点で重要である。特に、そのような試験は、問題の形質を必ずしも示さず、かつ、遺伝子移入されるべき形質を含み望ましくないバックグラウンド形質を含まないように選択するための遺伝子移入ストラテジーにおいて使用可能である関連個体間で、選択を行わせる(Hillel et al, 1990)。しかし、特に、商業的系統において多くのそのような形質は分離されておらずすでに近傍の最適対立遺伝子と共に固定されているので、効果の大きな高遺伝性の形質をもたらす遺伝子座に関する遺伝分析を同定することは難しい。本発明は、乳牛個体群において分離されている対立遺伝子に関してそのような分析法を提供することによって、この困難を克服するものである。
本発明にしたがって、OPN対立遺伝子相違に基づき動物を分類および同定する任意の分析法が使用されうり、本発明の範囲に具体的に含まれる。特定の関連形質に関する原因多型の同定を行う当業者は、この多型に関して動物を遺伝子型同定する方法が本質的には無限に存在することを認識するであろう。このような代替的試験の設計は、単に、本明細書において提供される様々な技術を示すにすぎず、したがって、本明細書において完全に説明されたとおり、本発明の範囲に含まれる。例示的な手順を本明細書において以下で説明する。
多型の有無を同定するための方法の非限定的な例は、一本鎖高次構造多型(SSCP)分析、RFLP分析、ヘテロ二重鎖分析、変性勾配ゲル電気泳動、温度勾配電気泳動、リガーゼ連鎖反応、および遺伝子の直接シーケンシングを含む。PCR(商標)検出を用いる技術は、検出がより迅速で、労働集約性が低く、必要な試料サイズが小さいという点で有利である。この点に関して使用されうるプライマーは、例えばSEQ ID NO:1の領域およびその相補体を含んでもよい。OPN遺伝子のPCR(商標)増幅された部分を、例えば、増幅された部分の直接シーケンシングを用いて、増幅断片と多型によって改変された切断部位を有する制限酵素エンドヌクレアーゼとの接触によって産生される制限酵素断片長多型の検出によって、ならびに増幅領域のSSCP分析によって、多型に関してスクリーニングすることができる。また、一部の適用においてはより多くの作業が必要であるが、これらの技術を、PCR(商標)増幅の必要なしに、ゲノム核酸に対して直接行うこともできる。
ある分析形式を選択したら、選択は、核酸試料を乳仔期の動物などの個体から収集した後任意の時点で分析された、または、インビトロにおいて胚を試験するまたは胎児子孫を試験する場合にはそれよりも早く分析された遺伝子型に基づいて、明白に行われうる。核DNAの任意の供給源を、遺伝子型の記録のために分析してもよい。本発明のある態様において、分析されるウシの血液または精液から単離された核酸がスクリーニングされる。一般に、DNAの供給源としては、末梢血細胞が簡便に用いられる。記録が核酸の増幅により行われる場合、最小限の試料サイズしか必要ではないが、十分量の分析用DNAを提供するのに十分な量の細胞を得る。当技術分野で公知の標準的核酸単離技術によって、血液細胞からDNAを単離することができる。
遺伝分析支援交配において、選択された雌から卵子を回収し、選択された雄由来の精液を用いてインビトロにおいて受精させ、出産のために他の雌に移植してもよい。分析は、雄および雌のウシ両方を用いて有利に行うことができる。インビトロ受精を用いて、例えば、胚が4〜8細胞ステージに発達したらすぐに、PCR(商標)を用いて遺伝分析を行うことができ、それに応じて選択が行われる。したがって、胚移植前に、所望のマーカーにホモ接合性である胚を選択することができる。
遺伝子型支援選択の使用により、従来の方法よりも効率的かつ正確な結果が提供される。また、このことによって、同定された遺伝的マーカーに関連する特定の形質の特定の遺伝的背景への迅速な導入またはそこからの除去が可能になる。この場合、改変された牛乳の形質、例えば牛乳の量の増大ならびに/もしくはタンパク質および脂肪の濃度の減少、または牛乳の量の減少ならびに/もしくはタンパク質および脂肪の濃度の増大を付与するOPN対立遺伝子についてのスクリーニングを用いて、望ましいならば、種畜由来の改変された牛乳形質の遺伝子型の効率的な淘汰(culling)、ならびにこの形質が欠如した遺伝的背景への改変されていない牛乳形質の遺伝子型の導入が可能になりうる。
遺伝分析を用いて、重要な形質に影響する遺伝子についての情報を得ることができ、したがって交配作業を促進することができる。特定の形質に関してマーカーを開発するのに考慮される要素には、以下が含まれる:いくつの遺伝子が形質に影響するか;該遺伝子が染色体上のどこに位置するか(例えば、遺伝マーカー近傍);各遺伝子座がどのくらい形質に影響するか;コピー数が影響するかどうか(遺伝子量);多面発現;環境感受性;およびエピスタシス。
遺伝マップは、生物の各染色体に沿った、遺伝マーカーの相対的順序、および、互いからのその相対距離を示す。高等生物における有性生殖の際、各染色体対の2コピーは、互いに近接して整列する。染色体上で互いに近接して位置する遺伝マーカーは、ほとんど組換えを受けず、したがって、同じ子孫個体において通常一緒に見出される。互いに近接して位置するマーカーは低い割合の組換えを示し、これらは連鎖していると言われる。表現型効果を有する遺伝子座に連鎖するマーカーは、所望の形質を有する個体の選択のために使用されうるという点で、特に重要である。
したがって、通常親から子孫へ遺伝子と共に伝達される、近傍の遺伝マーカーを同定することによって、所与の対立遺伝子の同一性を決定することができる。この原理は、表現型に対して大きな効果を有する遺伝子(単なる遺伝形質)、および表現型に対して小さな効果を有する遺伝子の両方に当てはまる。したがって、特定の形質に連鎖したマーカーを同定することによって、形質間での遺伝連鎖による特定の多型を検出する必要なしに、連鎖する多型の直接選択が可能になるであろう。当業者はしたがって、本明細書においてOPNの遺伝分析に言及される場合、これは具体的には、OPN対立遺伝子の情報を与える(informative)遺伝連鎖した多型の検出を包含することを理解するであろう。このような多型は、これらが同様に形質に対する寄与遺伝子座にも連鎖する程度まで、形質に関する予知力を有する。したがってこのようなマーカーは、関心対象の形質に関する潜在的予知能力も有する。
動物の最も自然な個体群は、古典的連鎖マッピング個体群とは遺伝的に全く異なる。連鎖マッピング個体群は一般に、2親間での二世代交雑に由来するが、多くの自然個体群は、異なる親の組み合わせ間での多世代交配に由来し、これによって、遺伝子の大規模再シャッフリングがもたらされる。このような個体群内の個体は、個体群の多くの異なる創始者に由来する、遺伝子の複合モザイクを有する。全体としての個体群における遺伝子頻度は、自然もしくは人工の選択によって、または小さな個体群における遺伝的浮動(例えば偶然)によって、改変されうる。そのような複合個体群が優れた平均的発現の形質を有するとすれば、飼育者は、(1) 他の形質の所望のレベルを維持しながら、関心対象の形質の発現を維持または改善すること;および(2) 関心対象の形質に影響するまれな望ましい対立遺伝子が、選択によってその頻度が変更される前に喪失されない位、十分な遺伝的多様性を維持することを望むであろう。
有利な対立遺伝子を維持しながら個体群内の十分な遺伝的多様性を維持する際に、遺伝分析によって特定の有用性が見出されうる。例えば、有利な表現型(大体数種類の形質について;指標による選択を容易に用いることができる)に基づいて個体群のごく一部を選択し、その後これを本明細書に記載の遺伝分析にかけ、個体群内での対立遺伝子多様性のほとんどを示すサブセットを保存することができる。最大限の所望の表現型多様性を複合個体群から抽出するためのストラテジーには、交配ストラテジーの重要な領域が残っている。古典的表現型選択と遺伝マーカーに基づく分析とを合併した一体化アプローチは、異種起源の個体群から価値のある遺伝子を抽出する際の助けとなりうる。
本発明の技術は、Bos taurusおよびBos indicusを含む任意のウシと共に潜在的に使用されうる。本発明の特定の態様において、本明細書に記載の遺伝分析は乳製品などの動物製品の生産の最大化において有用性を見出すであろうことから、本明細書に記載の技術は特に乳牛の選択に適用される。本明細書で使用される「乳牛」という用語は、主に乳牛製品の生産のために育てられたまたは交配されたウシを指す。したがって、「一頭の乳牛」とは、乳牛製品の生産のために育てられたまたは交配された少なくとも第一のウシを指す。本発明と共に使用されうるウシの品種の例には、以下が含まれるが、これに限定されない:Ayrshire、Brown Swiss、Guernsey、Holstein、Jersey、Norwegian Red、Milking Devon、Kerry、Dutch Belted、Canadiene、Milking Shorthorn、Danish Jersey、Normandy、Montbeliarde、Danish Red、およびBritish Friesian、ならびに、これらから交配されたおよびこれらに関連するウシ。
II. OPN核酸
本発明の特定の態様は、OPNの「野生型」または「コンセンサス」配列である単離された核酸配列、例えばSEQ ID NO:1(GenBankアクセッション番号AY878328)をコードする、OPN核酸分子に関する。より詳細には、その他のOPN核酸分子には、多型を含む分子が含まれる。このような多型の例には、T1406C、G3379T、G3490A、A3492G、T3907del、C5075T、G5896A、T10043C、およびA11740Cが含まれるが、これに限定されない。特定の態様において、多型はT3907delである。
「核酸」という用語は一般に、例えば、DNA中で見出される天然のプリンまたはピリミジン塩基(例えばアデニン「A」、グアニン「G」、チミン「T」、およびシトシン「C」)などの少なくとも1つのヌクレオチド塩基を含む、少なくとも1つのDNA分子もしくはDNA鎖またはそれらの誘導体もしくは模倣体を指す。「核酸」という用語は、「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語を包含する。これらの定義は一般に、少なくとも1つの一本鎖分子を指すが、特定の態様においては、該一本鎖分子に対して部分的に、実質的に、または完全に相補的な少なくとも1つのさらなる鎖も包含するであろう。したがって、核酸は、分子の一本の鎖を含む特定の配列の1つまたは複数の相補鎖すなわち「相補体」を含む、少なくとも1つの二本鎖分子または少なくとも1つの一本鎖分子を包含してもよい。本発明において意図される「単離された核酸」は、他の天然核酸分子、調節配列、ポリペプチド、またはペプチドコード配列などの他のそのような配列から実質的に単離された、転写された核酸、調節配列、コード配列などを含んでもよい。
II. 核酸検出
核酸検出のための技術は、本発明の特定の態様において用途が見出されうる。例えば、そのような技術は、遺伝子型に関する個体の記録において、または、本明細書で同定された主要な効果的遺伝子座に連鎖する新規マーカーの開発において、用途が見出されうる。
1. ハイブリダイゼーション
13〜100ヌクレオチド長、好ましくは17〜100ヌクレオチド長、または本発明のいくつかの局面においては最長で1〜2キロベースもしくはそれ以上の長さである、プローブまたはプライマーを用いることにより、安定かつ選択的な二重鎖分子の形成が可能となる。得られるハイブリッド分子の安定性および/または選択性を高めるためには、20塩基長を上回る連続鎖にわたって相補配列を有する分子が一般に好ましい。20〜30ヌクレオチド長または望ましいならばさらに長い1つまたは複数の相補配列を有する、ハイブリダイゼーション用の核酸分子を設計することが、一般的に好ましいであろう。そのような断片は、例えば、化学的手段によって断片を直接合成することにより、または選択した配列を組換え体産生のために組換えベクターに導入することにより、容易に調製されうる。本発明はしたがって、SEQ ID NO:1に対応する、もしくはSEQ ID NO:1の相補体であるそのようなプローブまたはプライマーを、具体的に提供する。
したがって、相補的なDNA鎖と二重鎖分子を選択的に形成する能力、または、DNAを試料から増幅するためのプライマーを提供する能力のために、本発明によってヌクレオチド配列が用いられうる。想定される用途によっては、標的配列に対するプローブまたはプライマーの様々な程度の選択性を実現するための、種々のハイブリダイゼーション条件を用いることが望ましいと考えられる。
高い選択性を必要とする用途のためには、一般的に、ハイブリッドを形成させるために比較的高いストリンジェンシー条件を用いることが望ましいであろう。例えば、約50℃〜約70℃の温度で約0.02M〜約0.10M NaClにより得られるような、比較的低い塩および/または高温の条件である。このような高ストリンジェンシー条件は、プローブまたはプライマーと鋳型または標的鎖との間のミスマッチをあったとしてもほとんど許容せず、かつ、特定の遺伝子を単離するため、特に適していると考えられる。添加するホルムアミドの量を増やすことにより、条件をよりストリンジェントにできることは、一般に認められている。
特定の適用に関しては、低ストリンジェントな条件が好ましい可能性がある。これらの条件下では、ハイブリダイズしている鎖の配列が完全に相補的ではなく1つまたは複数の部位でミスマッチであるにもかかわらず、ハイブリダイゼーションが起こりうる。塩濃度を増大させるおよび/または温度を下げることによって、条件をより低ストリンジェントにできる。例えば、中程度のストリンジェンシー条件は、約37℃〜約55℃の温度で約0.1M〜0.25M NaClによって得られうり、一方、低ストリンジェンシー条件は、約20℃〜約55℃の範囲の温度で約0.15M〜約0.9M塩によって得られうる。ハイブリダイゼーション条件は、所望の結果に応じて容易に操作することができる。
他の態様において、例えば、約20℃〜約37℃の間の温度で50mM Tris-HCl(pH8.3)、75mM KCl、3mM MgCl2、1.0mMジチオトレイトールの条件下で、ハイブリダイゼーションを行ってもよい。用いられる他のハイブリダイゼーション条件には、約40℃〜約72℃の範囲の温度で、約10mMのTris-HCl(pH8.3)、50mM KCl、1.5mM MgCl2が含まれうる。
ある態様においては、本発明によって定義された配列の核酸を、ハイブリダイゼーションを決定するための適切な手段(例えば、標識)と組み合わせて用いることが有利であると考えられる。例えばそのような技術は、RFLPマーカー遺伝子型の記録に用いられ得る。多岐にわたる適切な指標手段が当技術分野で知られており、これには、検出が可能な、蛍光性リガンド、放射性リガンド、酵素性リガンドまたは他のリガンド(例えば、アビジン/ビオチン)が含まれる。ある態様においては、放射性試薬または他の環境的に望ましくない試薬の代わりに、蛍光標識または酵素タグ(例えば、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼ)を用いることが望ましいであろう。酵素タグの場合には、相補的核酸を含む試料との特異的ハイブリダイゼーションを同定するための、目視可能なまたは分光光学的に検出可能な検出手段を提供するために用いられうる比色指標基質が知られている。
一般に、プローブまたはプライマーは、固相を用いる態様においてと同様、核酸を検出するためのPCR(商標)などの溶液ハイブリダイゼーションにおける試薬として有用であることが想定される。固相を含む態様では、被験DNAを、選択されたマトリクスまたは表面に吸着させる、またはさもなくば固定する。この固定された一本鎖核酸を、続いて、所望の条件下で、選択されたプローブとのハイブリダイゼーションに供する。選択される条件は、個々の環境に左右される(例えば、G+C含量、標的核酸の種類、核酸の供給源、ハイブリダイゼーションプローブの長さなどに左右される)。関心対象の個々の用途に対するハイブリダイゼーション条件の最適化は当業者に周知である。ハイブリダイズした分子を洗浄して、非特異的に結合したプローブ分子を除去した後に、結合した標識の量を決定することにより、ハイブリダイゼーションを検出、および/または定量化する。代表的な固相ハイブリダイゼーション法は、米国特許第5,843,663号、第5,900,481号および第5,919,626号に開示されている。本発明の実施に用いられうるその他のハイブリダイゼーション法は、米国特許第5,849,481号、第5,849,486号および第5,851,772号に開示されている。本明細書の本章で特定された、これらおよび他の参考文献の関連部分は、参照により本明細書に組み入れられる。
2. 核酸の増幅
増幅用の鋳型として使用される核酸は、標準的な方法論に従い、細胞、組織、またはその他試料から単離されうる(Sambrook et al, 1989)。このような態様は、例えば、マイクロサテライトマーカーなどの反復長多型の検出において、本発明による個々の用途が見出されうる。本発明のある態様において、鋳型核酸の実質的な精製を行うことなく、細胞全体または組織ホモジネートまたは体液試料に対して増幅分析が実行される。
本明細書で用いられる「プライマー」という用語は、鋳型依存的プロセスにおいて新生核酸の合成のプライミングを行いうる任意の核酸を包含することを意味する。一般的には、プライマーは長さが10〜20および/または30塩基対のオリゴヌクレオチドであるが、より長い配列を用いることもできる。プライマーは二本鎖型および/または一本鎖型で提供されうるが、一本鎖型の方が好ましい。
核酸と選択的にハイブリダイズするよう設計されたプライマー対を、選択的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で鋳型核酸に接触させる。所望の用途に応じて、プライマーに対して完全に相補的な配列へのハイブリダイゼーションのみを可能にする、高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を選択することができる。その他の態様において、プライマー配列に対して1つまたは複数のミスマッチを含む核酸の増幅を可能にするため、低ストリンジェンシーでハイブリダイゼーションを行ってもよい。ハイブリダイズしたら、鋳型-プライマー複合体を、鋳型依存的核酸合成を促進する1つまたは複数の酵素と接触させる。十分量の増幅産物が作製されるまで、複数回(「サイクル」とも呼ばれる)の増幅を行う。
増幅産物を、検出または定量することができる。ある用途において、検出は可視的な手段によって行われる。または、検出には、化学発光、組み込まれた放射標識もしくは蛍光標識の放射性シンチグラフィーを介した、または、電気および/もしくは熱インパルスシグナルを用いるシステムを介した、産物の間接的同定を含めることもできる(Affymax technology)。典型的には、反復長多型の記録は、得られた増幅産物のサイズに基づいて行われるであろう。
いくつかの鋳型依存的プロセスを、所与の鋳型試料中に存在するオリゴヌクレオチド配列を増幅するために利用することができる。最もよく知られた増幅法の1つはポリメラーゼ連鎖反応(PCR(商標)と呼ばれる)であり、これは米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、および第4,800,159号に詳細に記載されており、このそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み入れられている。
別の増幅法は、その全体が参照により本明細書に組み入れられている欧州特許出願第320 308号に開示されているリガーゼ連鎖反応(「LCR」)である。米国特許第4,883,750号は、プローブ対を標的配列に結合させるためのLCRに類似した方法を記載している。PCR(商標)および米国特許第5,912,148号に開示されたオリゴヌクレオチドリガーゼ分析(OLA)に基づく方法を用いることもできる。
本発明の実施に用いられうる、標的核酸配列の増幅のための代替的な方法は、米国特許第5,843,650号、第5,846,709号、第5,846,783号、第5,849,546号、第5,849,497号、第5,849,547号、第5,858,652号、第5,866,366号、第5,916,776号、第5,922,574号、第5,928,905号、第5,928,906号、第5,932,451号、第5,935,825号、第5,939,291号および第5,942,391号、英国特許出願第2 202 328号、ならびにPCT出願第PCT/US89/01025号に開示されており、このそれぞれはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
制限部位の一方の鎖にヌクレオチド5'-[α-チオ]-三リン酸を含む標的分子の増幅を行うために制限エンドヌクレアーゼおよびリガーゼが用いられる等温増幅法も、本発明における核酸の増幅に有用でありうる(Walkerら、1992)。米国特許第5,916,779号に開示された鎖置換増幅法(Strand Displacement Amplification;SDA)は、核酸の等温増幅を行うもう1つの方法であり、これは複数回の鎖置換および合成、すなわちニックトランスレーションを含む。
3. 核酸の検出
任意の増幅の後、増幅産物を鋳型および/または過剰なプライマーから分離することが望ましい。1つの態様において、増幅産物を、標準的な方法を用いるアガロース電気泳動、アガロース-アクリルアミド電気泳動またはポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離する(Sambrook et al., 1989)。分離された増幅産物を、さらなる操作のために切断してゲルから溶出させることもできる。低融点アガロースゲルを用いて、分離されたバンドをゲルの加熱によって取り出し、その後に核酸を抽出することもできる。
核酸の分離はまた、当技術分野で公知のクロマトグラフィー技術によって行ってもよい。以下を含む、本発明の実施に用いられうる多くの種類のクロマトグラフィーが存在する:吸着クロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、分子篩クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィー、ならびにHPLC。
ある態様において、増幅産物は可視化されている。一般的な可視化の方法には、臭化エチジウムによるゲルの染色、およびUV光の下でのバンドの可視化が含まれる。または、増幅産物が放射標識または蛍光標識ヌクレオチドと一体的に標識されている場合には、分離された増幅産物をX腺フィルムに曝露してもよく、適当な興奮性スペクトルの下で可視化してもよい。
1つの態様において、増幅産物の分離後に、標識された核酸プローブを、増幅されたマーカー配列と接触させる。プローブは発色団と接合していることが好ましいが、放射標識されていてもよい。別の態様において、プローブは、抗体またはビオチンなどの結合パートナー、または検出可能な部分を有する別の結合パートナーと接合している。
特定の態様において、検出は、サザンブロット法および標識されたプローブを用いたハイブリダイゼーションによる。サザンブロット法に伴う技術は当業者に周知である(Sambrook et al., 1989を参照のこと)。前述したものの一例は、自動電気泳動および核酸の移行のための装置および方法を開示した米国特許第5,279,721号(参照によって本明細書に組み入れられている)に記載されている。この装置は、外部からゲルの操作を行わずに電気泳動およびブロット法を行うことを可能にし、本発明による方法を行うには理想的に適している。
本発明の実施に用いられうるその他の核酸検出法は、米国特許第5,840,873号、第5,843,640号、第5,843,651号、第5,846,708号、第5,846,717号、第5,846,726号、第5,846,729号、第5,849,487号、第5,853,990号、第5,853,992号、第5,853,993号、第5,856,092号、第5,861,244号、第5,863,732号、第5,863,753号、第5,866,331号、第5,905,024号、第5,910,407号、第5,912,124号、第5,912,145号、第5,919,630号、第5,925,517号、第5,928,862号、第5,928,869号、第5,929,227号、第5,932,413号、および第5,935,791号に開示されており、これのそれぞれは参照により本明細書に組み入れられる。
4. その他の分析法
遺伝的スクリーニングのためのその他の方法が、例えばゲノム核酸における多型の検出のために、本発明の範囲内で使用されうる。点変異を検出するために使用される方法には、変性勾配ゲル電気泳動(「DGGE」)、制限酵素断片長多型分析(「RFLP」)、化学的または酵素的開裂法、PCR(商標)により増幅された標的領域の直接シーケンシング(上記参照)、一本鎖構造多型分析(「SSCP」)、および当技術分野で周知のその他の方法が含まれる。
米国特許第4,946,773号では、一本鎖DNAまたはRNA被験試料のRNAプローブへのアニーリング、および、RNase Aによる核酸二重鎖のその後の処置を含む、RNase Aミスマッチ開裂分析が記載されている。ミスマッチの検出に関して、サイズに応じて電気泳動的に分離されたRNase A処置の一本鎖産物を、同様に処置された対照二本鎖と比較する。対照二本鎖には存在しないと思われる小さな断片(開裂産物)を含む試料は、陽性として記録される。
その他の研究者によって、ミスマッチ分析におけるRNase Iの使用が記載されている。ミスマッチ検出のためのRNase Iの使用は、Promega Biotech発行の文献に記載されている。既知のミスマッチ4つのうち3つを開裂することが報告されているRNase Iを含むキットが、Promegaにより市販されている。一塩基ミスマッチを検出するためにMutSタンパク質またはその他のDNA修復酵素を用いるその他のものも記載されている。
本発明の実施において使用されうる欠失、挿入、または置換変異を検出するための代替的方法は、米国特許第5,849,483号、第5,851,770号、第5,866,337号、第5,925,525号、および第5,928,870号に開示されており、そのそれぞれが全体として参照により本明細書に組み入れられている。
5. キット
本発明による遺伝マーカー遺伝子型に関するウシのスクリーニングに必要な必須材料および/または試薬の全てが、キット中に一緒に組み合わされる。これは通常、本発明の実施において関心対象の個体の核酸に特異的にハイブリダイズするように設計されたプローブまたはプライマー、例えばOPNを増幅するためのものなどのプライマー配列を含むであろう。様々なポリメラーゼ(逆転写酵素、Taqなど)を含む、核酸の増幅に適した酵素、デオキシヌクレオチド、および、増幅に必要な反応混合物を提供するための緩衝液もまた含まれうる。そのようなキットはまた、特定の核酸または増幅産物の検出に適した酵素およびその他の試薬を含んでもよい。そのような試薬は通常、適切な手段で、各個々の試薬または酵素のため、および各プローブまたはプライマー対のための別個の容器を含むであろう。
特定の態様において、本発明はまた、ウシ遺伝物質のOPN遺伝子型を決定するために使用できるキットを提供することもでき、例えば本キットは、遺伝物質の増幅のために使用されるプライマーセットを含みうる。キットは、本明細書に記載の多型の1つを含む遺伝物質の領域を増幅するためのヌクレオチド配列を含むプライマーを含むことができる。このようなキットはまた、正常なOPN遺伝子の対応する領域、すなわち多型を含まない配列を増幅するためのプライマーを含むこともできる。通常、そのようなキットはまた、該遺伝子のコード部分および/または非コード部分に相補的な関心対象の領域の上流または下流の別のプライマーも含みうる。これらのプライマーは、関心対象の変異すなわち多型を含むセグメントを増幅するために使用される。そのようなプライマーの例には、SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:3が含まれるがこれに限定されない。
IV. 定義
特記されない限り、本明細書で用いた技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本発明の目的に関して、以下の用語は以下で規定される。
添付の特許請求の範囲および/または明細書において「含む」という用語と共に用いられる場合、本明細書で使用される「1つの」または「ある」という用語の使用は、「1つの」を意味する可能性もあるが、「1つ以上の」、「少なくとも1つの」、および「1つまたは複数の」という意味にも一致する。またさらに、「有する」、「含む」、および「含有する」という用語は互換性があり、当業者は、これらの用語がオープン型の(open ended)用語であることを認識する。
本明細書で使用される「遺伝子」という用語は、機能的タンパク質、ポリペプチド、ペプチドをコードする単位、および、発現の調節に関与する非転写DNA配列として定義される。当業者に理解されるであろうとおり、この機能的な用語には、ゲノム配列、cDNA配列、ならびに、タンパク質、ポリペプチド、ドメイン、ペプチド、融合タンパク質、および変異体を発現するまたは発現するよう適合化されたより小さな操作された遺伝子セグメントが含まれる。
本明細書で使用される「遺伝子型」または「遺伝子型の」という用語は、対象の遺伝学的構成、例えば1つまたは複数の特異的遺伝子座に存在する対立遺伝子を指す。
本明細書で使用される「遺伝子型同定」という用語は、対象の遺伝子型を決定するのに使用されるプロセスを指す。
本明細書で使用される「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチド鎖として定義される。さらに、核酸とはヌクレオチドのポリマーである。したがって、本明細書で使用される核酸およびポリヌクレオチドは互換的である。当業者は、核酸がポリヌクレオチドであり、これが加水分解されて単量体の「ヌクレオチド」になることができるという一般的知識を有する。単量体のヌクレオチドは、加水分解されてヌクレオシドになることができる。本明細書で使用されるポリヌクレオチドには、組換え手段、すなわち、通常のクローニング技術およびPCR(商標)を用いた組換えライブラリまたは細胞ゲノム由来の核酸配列のクローニングなど、ならびに合成手段を非限定的に含む、当技術分野において利用可能な任意の手段によって得られる全核酸配列が含まれるが、これに限定されない。
本明細書で使用される「多型」という用語は、2つ(またはそれ以上)の対立遺伝子変種の集団内の存在を指す。このような対立遺伝子変種には、1つの塩基における配列変動、例えば一塩基多型(SNP)が含まれる。
本明細書で使用される「一塩基多型」または本明細書で使用される「SNP」という用語は、対象内で共通のDNA配列変動を指す。DNA配列変動は、典型的には、一塩基の変化または点変異であり、これは個体間に遺伝学的変動をもたらす。一塩基の変化は、1つの塩基の挿入または欠失でありうる。
本明細書で使用される「3907del」または「OPN3907del」という用語は、SEQ ID NO:1の3907位に対応するOPN遺伝子内の部位における「チミン」塩基すなわち「T」の欠失を指す。この欠失によって9つのチミンの対立遺伝子が生じる。本明細書において使用される「3907T」という用語は、同じ位置に「チミン」塩基すなわち「T」を含む10個のチミンを生じる対立遺伝子を指す。
V. 実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を示すために含まれるものである。当業者は、後述の実施例に開示される技術が本発明の実践において十分に機能するように本発明者らによって発見された技術を示すものであり、従ってその実践における好ましい様式を構成するとみなされることができることを認識すべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、開示される具体的態様に多くの変更を加えることが可能でありかつ、本発明の精神および範囲から逸脱することなく類似または同様の結果が得られることを認識すべきである。
実施例1
動物および形質
Holstein人工授精種雄由来のDNA試料は、45の半同胞家系(Ashwell and Van Tassell, 1999)について、Cooperative Dairy DNA Repository(CDDR)から得た。これらの半同胞家系それぞれは、L、M、およびNファミリーとして表される3つの拡大スーパーファミリーのうち1つに属する。各家系において遺伝子型同定されたウシの数を、表1に示す。標準的な血統命名法と同じく、種雄の識別名は、スーパーファミリーの文字(M〜N)、世代数(I〜V)、および、世代内の個体識別名からなる。LおよびNスーパーファミリーは、3世代の拡大半同胞家系を含み、Mスーパーファミリーは、5世代の半同胞家系を含む。全3頭の創始種雄(L-0、M-I-1、およびN-0)および、分析された半同胞家系と創始種雄とを結びつける中間の種雄全ての遺伝子型同定を行った。
(表1)家系によって遺伝子型同定されたウシの数。家系は、スーパーファミリー略号(L、M、またはN)、世代数(I〜V)、および世代内の種雄ID(1〜23)によって同定される。
Figure 2008526253
実施例2
遺伝子型同定
マイクロサテライトマーカー(N=38;表2)を、公開データベース(www.marc.usda.gov)から選択し、3種類の蛍光標識(6-FAM、HEX、またはNED)の1つを用いて各マーカーのフォワードプライマーを合成した。多重反応は、対立遺伝子の大きさの範囲、蛍光標識、および各マーカーの同時増幅能力に基づいて発展させた。各反応において4〜8個のマーカーが同時増幅された。PCR(商標)は、Schnabelら(2004)に基づくプロトコールを用いた、ABI 9700サーモサイクラー(Applied Biosystems)上で、5μl反応を用いて実行された。PCR(商標)産物は、ABI 3700自動シーケンサー上で分離され、GS400HD内部サイズスタンダード(Applied Biosystems)に対して大きさ順に並べられた。色素標識されたマイクロサテライトからの蛍光シグナルは、GENESCAN 3.1(Applied Biosystems)を用いて検出され、遺伝子型は、Genotyper 3.7(Applied Biosystems)を用いて割り当てられた。最初の遺伝子型同定は種雄が情報を与えた(informative)マーカーのみに焦点をあてていたため、全ての家系が全マーカーに対して遺伝子型同定されたわけではない。DGAT1 K232A変異に関して全ての家系を遺伝子型同定した(Grisart et al., 2002)。
実施例3
QTL Express
各形質に関するBTA6 QTLについての各種雄の分離状態を決定するため、QTL Express(Seaton et al., 2002)を用いた雌孫ウシ設計モデル(grand-daughter design model)の下で各家系をそれぞれ分析した。データ順列(5000反復(replicate))を用いて、各種雄について、染色体的(chromosome-wise)有意レベルを決定した(Churchill and Doerge 1994)。各種雄家系について、1対0、1対2、2対0のQTLの試験をそれぞれ行った。1つのQTLモデルについて、染色体的P <0.05レベルにおいて有意であった種雄を、形質やQTLの位置にかかわらず、分離型と分類した。分離型種雄全てを一緒にして、「分離型」データセットとした。さらに、2-QTLモデルについて有意であったまたは2つのQTLの証拠を示した種雄も、分離型データセットに加え、これは22家系を含んだ。次に、分離型データセットについて家系間分析(Across family analysis)を実行した。ブートストラップ(1,000反復)を実行して、家系間でのQTLの位置を推定した(Visscher et al., 1996)。計算の限界のため、QTL Expressの2-QTLモデルを用いる、データ順列を用いた有意性レベルの決定は、選択肢にない。したがって、2-QTLモデルにおける多重試験を説明するため、本発明者らは以下のアプローチを用いた。1-QTLモデルについては、データ順列に基づいてF統計量(F-statistics)を作製し、染色体的P <0.05およびP <0.01レベルを示した。例えば、雄仔93頭を有する種雄に関するデータ順列に基づく、染色体的P <0.05レベルは、F統計量6.33を必要とした。1/92のdfによるF分離の観測値としてのF=6.33に対応する正確なP値は、P=0.0136である。したがって、2-QTLモデルをP <0.05レベルで有意であるとみなすために、2-QTL F統計量に関連する非補正P値はP=0.0136未満であるべきである。1-QTLモデルについて有意であった種雄を、次に、2対1モデルについて評価し、1-QTLモデルについて有意でなかった種雄を、2対0 QTLモデルについて評価した。
実施例4
LOKI
家系間分析のための計算の複雑さを制限するため、分離型種雄家系に関するデータセットを用いる多点QTL分析に関してLOKI v2.4.5(Heath 1997)を用いた。LOKIはまた、各種雄についてQTLの数および位置の両方を推定するためにそれぞれの半同胞家系を分析するのにも使用された。始めのバーンイン(burn in)の1,000回の繰り返しの次に、501,000回の繰り返しを行い、ここで、パラメータ推定値を、合計500,000データポイントについて各繰り返しの際に収集した。
分析モデルおよびMCMCサンプリングプロセスの説明は、Heath(1997)に示されている。概説すると、形質は、k二対立遺伝子(biallelic)QTLによってモデル化され、ここで、i番目のQTLについて、遺伝子型A1A1、A1A2、およびA2A2はそれぞれ遺伝子型効果ai、di、および-aiを有する。形質yについてのモデル(n×1;n頭の動物がそれぞれ単一の観測値を有する)を、以下のように表現することができる:
Figure 2008526253
式中、μは全形質平均であり、βは固定効果および共変量の1つの(m×1)ベクターであり、αiはi番目のQTLについての対立遺伝子置換効果の(2×1)ベクターであり、uは無作為な正常分散された残差ポリジーン効果の相価値(random normally distributed additive residual polygene effect)の(n×1)ベクターであり、eは正常に分散された残差の(n×1)ベクターであり、kはモデル内のQTLの数であり、X(n×m)、Qi(n×2)、およびZ(n×n)はそれぞれ、固定効果、QTL効果およびポリジーン効果に関する既知の結合マトリクスである。DGAT1遺伝子型は、固定効果としてモデル内に含まれた。LOKIによって、全ゲノムを同時に分析しながらモデル内のQTLの数を変化させる、分析用平均値が提供される。この場合、たった1つの染色体が遺伝子型同定されたので、さらなる未連鎖QTLを適合させるため、全ゲノム長は2,900cMと設定された。
実施例3
マッピング
BTA6に関する連鎖マップは、CRI-MAP v.2.4を用いて構築した(Green et al., 1990)。遺伝子座の順番に関するサポートがLOD3であったマーカーのフレームワークマップを構築するために、項目(option)BUILDを用いた。項目ALLを用いて、情報を与える減数分裂のそれらの番号に従った順番で、残りのマーカーをマップに組み込んだ。項目FLIPSを用いて、マーカー順の局所的順列に関するサポートを評価した。最後に、偽の二重組換え体を同定し、遺伝子型同定エラーの補正を容易にするために、項目CHROMPICを用いた。
また、遺伝子型スコアの質を保証するために、Genoprob(Thallman et al., 2001 a,b)も用いた。米国Holstein個体群の完全な血統構造を利用するため、遺伝子型同定された全個体およびそれらの遺伝子型同定されていない母ウシを整理して単一の血統に組み立てた。利用可能な全情報(遺伝子型、遺伝マップ、および血統)に基づいて、各マーカー遺伝子型に関する遺伝子型および祖父母起源の(grand-parental origin)確率を、この血統のウシそれぞれについて推定した。遺伝子型確率0.95(Genoprobにおいて定義された)であった遺伝子型のみが、QTL分析に含まれた。
ウシ連鎖マップおよびヒト物理的マップを統合するために、2つの方法を用いてウシマイクロサテライトをヒト配列にマッピングした。まず、マーカーBMS2508およびBMS5015を包含するウシBACクローンを、overgoオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションを用いた高密度フィルターのスクリーニングによって同定した。これらの2つのマーカーは、これらがQTLに隣接する可能性によって選択した。陽性BACクローンをサブクローニングし、ショットガンシーケンスを行い、配列を、BLATを用いてヒトシーケンスアセンブリ(//genome.ucsc.edu/)に対してクエリーした。次に、BTA6上で遺伝子型同定された各マイクロサテライトマーカーの配列を、BLASTを用いてBos taurus トレースアーカイブ(www.ncbi.nih.gov/Traces/)に対してクエリーした。
性特異的なHolstein BTA6連鎖マップを、表2に示す。そのような大量のマーカーおよび減数分裂に関する計算上の限界のために、マップの完全なBUILDを実行することは不可能であった。したがって、最も情報を与えるマーカーを用いてLOD3のフレームワークマップをまず構築し、項目ALLを用いて情報量が少ないマーカーをそのマップに挿入し、5〜10マーカーのスライドウインドウおよびCri-Mapの項目FLIPSを用いて、局所的なマーカー順を試験した。マーカー順は、センチモルガン以下の距離で分離されたマーカーを除いて、以前報告されたマップと一致するが、これは、マーカーあたりの情報量がより少ない多くの減数分裂に基づいていた。ウシマイクロサテライトをヒトゲノム配列に整列させることによって(表2)、マーカーBM3026およびBMS483に関する連鎖割り当て順が正しくないことがわかった。しかし、これらマーカーの近接性(<500kb)および密接に連鎖した隣接マーカーの数を考慮すれば、これらのマーカー順を変化させることはQTL分析に対して認識可能な影響を全く有さないことが見出された。
(表2)BTA6連鎖マップならびにUSDA連鎖マップおよびヒト第4染色体物理的マップに対するマーカー位置
Figure 2008526253
1 Ihara et al., (2004)
2 2004年5月アセンブリ(http://genome.ucsc.edu)
3 LOD 3.0 未満のマーカー順に関するサポート
実施例4
QTL分析
牛乳産生表現型、雌仔収率偏差(daughter yield deviations;DYD)、および予測伝達能力(PTA)を、USDAのAnimal Improvement Programs Laboratoryより得た(2004年5月の評価)。分析された形質は、牛乳、脂肪、およびタンパク質の収率(MY、FY、およびPY)、ならびに割合の形質である、脂肪およびタンパク質の割合(FPおよびPP)であった。QTL分析のために、3つの別々のアプローチを用いた:1. QTL Express(Seaton et al., 2002)を用いた半同胞最小自乗回帰;2. LOKI(Heath 1997)を用いた全血統MCMC分析;および3. LDVCM(Blott et al., 2003)を用いた複合連鎖/連鎖不均衡分析。全QTL分析において、マーカー位置を含む雄特異的な遺伝マップ(Haldaneセンチモルガン)を使用した。
45家系(平均72頭)からの合計3,147頭の個体が、QTL分析のために利用可能であった。合計3つのスーパーファミリーを代表する26頭の種雄を、家系内分析に基づき、5つの牛乳産生形質のうち少なくとも1つに関して分離型であると決定した(表3)。11頭の種雄は、2-QTLモデルに関して統計学的に有意であった。これら26頭の種雄に基づく家系間F統計量プロフィールを、図1に示す。脂肪収率に関する結果は、家系間分析において、染色体的P <0.05では有意ではなかった。家系間分析におけるピーク試験統計量は、MYは59cMおよび67cMにおいて、FPは64cMにおいて、PYは61cMにおいて、および、PPは64cMにおいてであった。BTA6において牛乳形質に影響を及ぼす多重QTLが存在するので、図1における単一QTLモデル分析に関する被験統計量プロフィールは、分離型QTLの数またはその位置に関して情報を与えるものではない。同様に、QTL位置に関する信頼区間を推定するためにブートストラップを使用することによって単一分離型QTLが仮定されるが、しかし、ブートストラップ反復の分布の実験によって、形質間で一定である位置に対応するクラスターが示された:0cM(MY、FP、およびPY)、59〜61cM(MY、PY、およびPP)、64〜68cM(MY、FP、およびPP)、およびMYのみについて113cM。これらの領域へのQTLの局在化は、種雄がこれら全ての位置においてQTLについて分離型であると同定された個々の家系分析によって支持された(表3)。
(表3)QTL分析の結果
Figure 2008526253
*染色体全体でP <0.05
**染色体全体でP <0.01
Loc 1およびLoc 2は、2-QTLモデルからの2つのピーク試験統計量を指す。BF 1およびBF 2は、LOKI分析に関するLoc 1およびLoc 2に関連するベイズ因子を指す。
LOKIおよびLDVCMを用いたFPおよびPPに関する家系間の結果を、図2に示す。LOKIは、57cM(ベイズ因子(BF)=123)および60cM(BF=88)においてFPに関する2つのQTL、ならびに、59cM(BF=229)、89cM(BF=56)、および95cM(BP=86)においてPPに関する3つのQTLの存在を示した。57cMにおけるPPピークに関して95%高い後方の密度区間(posterior density interval)は、7.2cM(55.0cM〜62.2cM)であり、これは60cMを含んだ。LDVCMは、57cM(LOD=8.2)および62cM(LOD=9.6)においてFPに関する2つのQTL、ならびに、57cM(LOD=20.5)、62cM(LOD=22.5)、64cM(LOD=20.2)、68cM(LOD=12.7)、85cM(LOD=8.0)、および95cM(LOD=5.9)においてPPに関する6つのQTLの存在を示した。LOKIおよびLDVCMの両方が、QTL Expressからのブートストラップ分析によって同定されたのと同じ位置の多くにおけるQTLに関する証拠を提供した。しかし、LOKIおよびLDVCMの両方が、家系間分析においてこれらQTLを解明できたこともまた大変明確であった。
連鎖不均衡分析によっていくつかの別々のピークが生じたが、これは、PPに関する7cM区間内の3つを含む、多数のQTLの存在を示唆するものである。マーカー情報含量が、検出されるQTLの数に影響したかどうかを試験するため、情報を与える減数分裂が<1,000である全マーカー(表2)を除去し、LDVCMによって再分析した。得られたLODプロフィールは、図2のものと同一であり、このことは、これらのピークが、マーカー情報含量による人為的結果ではなかったことを示している。3,147頭のウシが56.0〜66.1cMの14マーカーについて遺伝子型同定されたことを考慮すると、これらの結果によって、この領域内に3つのQTLが存在することが強く示唆される。さらに、LOKIおよびLDVCM分析の両方によって、カゼインクラスター(90cM)近傍のPP QTL、および95cM近傍に位置するもう一つが示された。これらQTL両方の位置は、家系内分析(表3)から推定されたものと一致した。
実施例5
OPNのシーケンシング
オステオポンチン(OPN)遺伝子は、57cMに位置するPPに影響するQTLに関する強力な機能的候補遺伝子として同定された。
PCR(商標)プライマーは、TIGRコンセンサス配列TC152671に基づくOPNのエキソン内で開発され、これはその後TC26249と置換された(www.tigr.org)。イントロンをシーケンシングした後、各エキソンをシーケンシングするために、隣接するイントロン内でプライマーを設計した。遺伝子の5’および3’領域をシーケンシングするために、overgoハイブリダイゼーションを用いてBAC 263K19をCHORI-240ウシBACライブラリから同定した。シーケンシングプライマーを用いて、このクローンから、転写開始部位の上流でポリAシグナルから200bp前の、約5,000bpの配列を得た。各ウシにおけるOPNおよび隣接領域の完全シーケンシングを可能にするために、この配列から、PCT(商標)プライマーを開発した。合計8頭の種雄を、OPNを包含する全12.3kbの領域に関してシーケンシングしたが、種雄のうち4頭は、420kbの棄却域(critical region)において、QTLに関して分離型(Qq)であると同定され、4頭は、非分離型種雄(QQまたはqq)と同定された(Genbankアクセッション番号AY878328を参照されたい)。
これら8頭の種雄において、合計9つのSNPが見出された。SNPの位置は、AY878328内のコンセンサス配列内の部位に従って番号を付けたが、検出されたSNPハプロタイプを表4に示す。シーケンシング用に選択した4頭の分離型種雄は全て、同祖的な(IBD)PP減少型QTL対立遺伝子を共有していた。したがって、単一SNPは、PPにおける検出された変動の原因となっており、かつ、任意の検出されたSNPをQTN候補にするため、SNP遺伝子型は、分離型(ヘテロ接合型)種雄4頭および非分離型(ホモ接合型)種雄4頭全てのQTL遺伝子型と一致した。表4では、一致するSNPはT3907delのみであったことが示されており、これは、OPN転写開始部位の約1,240bp上流に位置するインデルであった。T3907delインデルは、チミン9個または10個いずれかの対立遺伝子を産生するポリT区域(tract)内に存在した。断片長多型としてこのSNPを遺伝子型同定するために、蛍光標識されたフォワードプライマーを用いてプライマーを設計した(SEQ ID NO:2:OPN3907F:5'-tccataattttctttcaaacacctt-3' およびSEQ ID NO:3:OPN3907R 5'-tctcaggatatataaaattccttactga-3')。G3379T、G3490A、およびA3492G SNPもまた、Drenkardら(2000)の手順の変法を用いて、対立遺伝子特異的PCR(商標)によって遺伝子型同定した。4つのSNP全てを、CDDRに含まれる全種雄系統の代表である種雄167頭の一団において遺伝子型同定した。
(表4)シーケンシングされた種雄8頭において検出されたOPN SNPハプロタイプ。各ハプロタイプにQTL対立遺伝子Qまたはqを割り当てることによって、BM143近傍に位置するQTLに関する分離ステータスを示す。SNPは、アクセッション番号AY878328内のコンセンサス配列における塩基の部位に従って番号付けされる。各種雄について、1行目は母系遺伝したハプロタイプを表し、2行目は父系遺伝したハプロタイプを表す。
Figure 2008526253
このパネルにおいて示された雄ウシは1952年〜1996年生まれであったため、遺伝的傾向によって、育種値の有意な増大、および、経時的なQTL対立遺伝子頻度における傾向がもたらされている。時間的傾向による偏りの可能性を排除するため、分析において、親の配偶子のMendelianサンプリングの1/2の推定値である等式を用いた(M = PTA雄ウシ - (1/2PTA種雄 + 1/2PTA母ウシ))。したがって、Mは、潜在的な両親の全配偶子の平均からの、両親から遺伝した2つの配偶子の平均値の偏差の1/2を示した。Mendelianサンプリング期間の分散は、主要な遺伝子に関して分離している家系内において、非分離型の家系よりも大きいと考えられ、かつこの期間は、個体群における遺伝的傾向の割合に非依存的である。3907Tおよび3907del対立遺伝子に関してヘテロ接合性のウシを3907T対立遺伝子に関してホモ接合性のウシ(3907del対立遺伝子に関してホモ接合性のウシは検出されなかった)と対比させることによって、ANOVAを用いてM値を分析した。任意の牛乳産生形質に対して有意な効果を有する唯一のSNPはT3907delであり、これはPPのみに影響した(P=0.04)。
T3907del SNPの頻度および効果をより良好に推定するために、家系M-III-9およびM-III-12を除くMスーパーファミリー(表1)の1,510頭について遺伝子型同定を行った。ハプロタイプを構築するためおよびこれら多型の効果を試験するために、5つの家系(M-II-1、M-III-10、M-IV-6、M-IV-8、およびM-V-14)は、G3379T、G3490A、およびA3492G SNPについても遺伝子型同定された。これら家系の全種雄(M-III-12を除く)は、T3907delにおいて、3907T対立遺伝子に関してホモ接合性であり、かつ、これらの子孫に存在する3907del対立遺伝子は母系遺伝しており、このことによって、ウシ個体群におけるこのSNPの効果の推定が可能になる。M値は、上述のANOVAを用いて分析した。結果および対立遺伝子頻度を表5に示す。
(表5)OPN遺伝子内で評価した、対立遺伝子頻度および、4つのSNPによるPTAに対する平均効果。推定される効果の下に、P値を示した。ハプロタイプは、G3379T-G3490A-A3492G-T3907delの順である。
Figure 2008526253
OPN 3907del対立遺伝子は、MYについて118.22 lbの増加を(P=0.014)、FYについて3.98 lbの減少を(NS)、PYについて2.06 lbの減少を(NS)、FPについて0.0354%の減少を(P=1.36E-6)、およびPPについて0.0242%の減少を(P=6.62E-14)生じた。
G3490A SNPは、PPに関して有意であった(P=0.005)。分離型種雄L-I-1、L-II-14、およびM-II-9の全てがこのSNPについてホモ接合性であったので、このSNPは原因QTNとして排除可能であり、また、T3907delにおける3907del対立遺伝子がG3490AにおいてG対立遺伝子を包含するハプロタイプのみにおいて生じたため、関連性は、連鎖不均衡によるもののようであった(表5)。45頭の評価された種雄家系のうち、13頭の種雄がG3490Aについてヘテロ接合性であった。これらの種雄13頭のうち、7頭ではOPN近傍の任意のQTLに関する分離の証拠が示されず、1頭はOPNについて動原体性のQTLに関して有意であり(M-IV-8)、2頭(N-II-6およびN-III-3)は67cM近傍のQTLに関して有意であり、3頭(L-II-15、L-II-17、およびL-II-4)は、領域内の2つのQTLに関する分離の証拠を示した(表3)。
本明細書において開示および主張されているすべての方法は、本発明の開示に鑑みて、不要な実験を行うことなく作成および実施されうる。本発明の組成物および方法は好ましい態様の観点から説明されているが、当業者には、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法の段階または一連の段階における方法に対して変更を加えることができることが明らかであろう。より詳細には、同じまたは同様の結果が得られると考えられる限り、化学的および生理学的に関連する特定の物質を、本明細書に記載されている物質と置き換えることができることは明らかであろう。当業者に明白なこのような同等の置換および修正はすべて、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神、範囲および概念の範囲内であると考えられる。
参考文献
以下の参考文献は、それらが例示的手順または本明細書の記載を補足するその他の詳細を提供する限り、参照により本明細書に具体的に組み入れられるものである。
Figure 2008526253
Figure 2008526253
Figure 2008526253
添付の図面は本明細書の一部を形成するものであり、本発明の特定の局面をさらに示すために含められる。本発明は、これらの図面の1つまたは複数を、本明細書に示される具体的態様の詳細な説明と併せて参照することによって、より適切に理解されうる。
図1A〜1Dは、QTL Express(Seaton et al. 2002)を用いた、分離型種雄家系の家系間分析からのF統計値プロフィールを示す。垂直のバーは、QTL部位のブートストラップ反復推定値であり、右側の軸に関する。マーカー位置は、三角で示す。水平線は、染色体的P <0.05およびP <0.01の限界値を表す。図1Aは牛乳収率を示す。図1Bはタンパク質収率を示す。図1Cは脂肪割合を示す。図1Dはタンパク質割合を示す。 図2Aおよび2Bは、LDVCM(LK連鎖のみ、LK/LD連鎖/連鎖不均衡)(Blott et al., 2003)およびLOKI(Heath, 1997)を用いた、分離型家系の共同分析(joint analysis)を示す。LDVCMの結果は、LODスコアである左の軸に関連し、LOKIの結果は、ベイズ因子である右の軸に関連する。マーカー位置は、三角で示す。図2Aは牛乳割合を示す。図2Bはタンパク質割合を示す。

Claims (24)

  1. 以下の少なくとも15個の連続した核酸を含む、プローブまたはプライマー:
    (a) SEQ ID NO:1の核酸配列もしくはその相補体;または
    (b) T1406C、G3379T、G3490A、A3492G、T3907del、C5075T、G5896A、T10043C、およびA11740Cからなる群より選択される核酸塩基部位における少なくとも1つの多型をさらに含むSEQ ID NO:1の核酸配列、もしくはその相補体。
  2. SEQ ID NO:1の核酸配列、または、T1406C、G3379T、G3490A、A3492G、T3907del、C5075T、G5896A、T10043C、およびA11740Cからなる群より選択される少なくとも1つの多型をさらに含むSEQ ID NO:1の核酸配列を含む、単離された核酸分子。
  3. 多型が、SEQ ID NO:1の3907位にある、請求項2記載の核酸分子。
  4. OPNに関する遺伝子型を決定するためにウシの遺伝子型同定を行う段階を含む、改変された牛乳産生形質に関してウシの遺伝的素因を決定する方法。
  5. ウシ由来の遺伝物質を分析することによって遺伝子型同定が行われる、請求項4記載の方法。
  6. 遺伝子型同定がPCR(商標)によって行われる、請求項4記載の方法。
  7. 遺伝子型同定が核酸ハイブリダイゼーションによって行われる、請求項4記載の方法。
  8. OPNに関してウシの両親の一方または両方の遺伝子型を決定することによって遺伝子型同定が行われる、請求項4記載の方法。
  9. 遺伝物質が生殖細胞由来である、請求項5記載の方法。
  10. 遺伝物質がゲノムDNAである、請求項5記載の方法。
  11. T1406C、G3379T、G3490A、A3492G、T3907del、C5075T、G5896A、T10043C、およびA11740Cからなる群より選択されるOPNにおける少なくとも1つの多型の存在を決定するためにウシの遺伝子型同定を行う段階を含む、請求項2記載の方法。
  12. 多型がT3907delである、請求項10記載の方法。
  13. 改変された牛乳産生形質が、牛乳収率の増大、タンパク質割合の減少、または脂肪割合の減少である、請求項4記載の方法。
  14. 改変された牛乳産生形質が、牛乳収率の減少、乳タンパク質割合の増大、または乳脂肪割合の増大である、請求項4記載の方法。
  15. 以下の段階を含む、改変された牛乳産生形質を有する乳牛を交配する方法:
    (a) 多型を含む雌ウシにおいて改変された牛乳産生形質をもたらすOPNにおける遺伝的多型を含む第一の親乳牛を同定するために、少なくとも1頭の候補乳牛を分析する段階;および
    (b) 多型を含む子孫乳牛を入手するために、第一の親乳牛と第二の親乳牛とを交配する段階。
  16. 改変された牛乳産生形質が、牛乳収率の増大、乳タンパク質割合の減少、および乳脂肪割合の減少である、請求項15記載の方法。
  17. 第二の親乳牛が該遺伝的多型を含む、請求項15記載の方法。
  18. 第二世代の子孫乳牛を生じるために該子孫乳牛と第三の乳牛とを交雑させる段階を含むとしてさらに定義される、請求項15記載の方法。
  19. 該第一の親乳牛が、以前の該段階(a)および該段階(b)の反復に起因する子孫乳牛から選択され、かつ、該第二の親乳牛が、該多型の出現の増加が望まれる選択されたウシ品種に由来する、請求項15記載の方法。
  20. 段階(a)および段階(b)を約2回〜約10回繰り返す段階を含むとしてさらに定義される、請求項19記載の方法。
  21. 以下の段階を含む、乳牛を交配する方法:
    (a) 多型を欠く乳牛の子孫中のOPNにおけるT3907del多型の不在について乳牛個体群を分析する段階;
    (b) T3907del多型を欠く個体群のメンバーを選択する段階;および
    (c) 多型を含む子孫乳牛を産生するために、選択された個体群メンバーを交配する段階。
  22. 請求項1記載の第一および第二のプライマーを含む、ウシOPN遺伝子における多型を検出するためのキットであって、プライマーが、改変された牛乳産生形質をもたらすウシOPN遺伝子における多型のそれぞれ上流および下流で、OPN遺伝子のヌクレオチド配列に相補的である、キット。
  23. 第一のプライマーがSEQ ID NO:2を含む、請求項22記載のキット。
  24. 第二のプライマーがSEQ ID NO:3を含む、請求項22記載のキット。
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