JP5560503B2 - 黒毛和種の成長に関わる遺伝子変異 - Google Patents
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上述のように、ラットの成長やヒトの肥満とのグレリン受容体遺伝子との関連が指摘されてきた一方で、ウシにおいてのグレリン受容体遺伝子の変異の解明、並びにその変異と枝肉重量等増体形質との関連に関する研究や技術開発はこれまでに報告されていない。
そこで本発明は、黒毛和種においてグレリン受容体遺伝子の変異を明らかにし、黒毛和種の枝肉重量等増体形質との関連性を統計学的に行い、黒毛和種の増体が良い効果をもつ遺伝子タイプを明らかにすることを目的とする。なお、本遺伝子のタイピングに際しては、容易に遺伝子型が判別できる技術であることが要求される。
まず、黒毛和種におけるグレリン受容体遺伝子のプロモーター領域、5’非翻訳領域、エキソン1領域、エキソン2領域、イントロン1領域、3’非翻訳領域の塩基置換変異並びに5’非翻訳領域の2塩基反復(マイクロサテライト)数の変異を解析し、5’非翻訳領域、エキソン1領域、並びに5’非翻訳領域の2塩基反復(マイクロサテライト)数の変異を見いだした。このような例はこれまでに報告されていない。また、本遺伝子座は第1染色体上にあり従来報告されている成長ホルモン遺伝子座位等とは異なる。
本発明の黒毛和種におけるグレリン受容体遺伝子の塩基レベルでの変異は、増体形質に影響を及ぼすものである。枝肉重量に良い効果のハプロタイプをヘテロ型に持つ個体は、通常の効果のハプロタイプをホモ型に持つ個体より約3%枝肉重量が増加し、枝肉重量に良い効果のハプロタイプをホモ型に持つ個体は、通常の効果のハプロタイプをホモ型に持つ個体より約5%枝肉重量が増加することが期待できる。
増体形質に良い影響をもつグレリン受容体遺伝子の頻度は、黒毛和種個体集団において約0.2と推定される。したがってこの優良遺伝子の頻度を増加させる余地は大きい。
〔1〕 被検ウシについて、グレリン受容体遺伝子上の変異を検出することを特徴とする、ウシ黒毛和種の産肉形質を判定する方法であって、以下の工程(a)から(d)の工程を含む方法。
(a)被検対象となるウシから、DNAを抽出する工程
(b)抽出したDNAにおいて、多型部位を含むDNA断片を増幅する工程
(c)増幅したDNA断片を解析し、多型を検出する工程
(d)(c)の工程において、検出された変異に基づき、産肉形質を決定する工程
〔2〕 産肉形質が、産肉量であることを特徴とする〔1〕に記載の方法。
〔3〕 産肉形質を決定するための対象形質が、枝肉重量、屠殺前重量、検定終了時体重、1日平均増体重、バラ厚、皮下脂肪厚、推定歩留のいずれかである、〔1〕または〔2〕に記載の判定方法。
〔4〕 多型がマイクロサテライト多型である、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕 配列番号:1に記載の塩基配列における2,429位から2,472位に相当する多型部位において、マイクロサテライト多型を検出することを特徴とする、〔4〕に記載の方法。
〔6〕 〔1〕に記載の工程(d)において、相同染色体のうち少なくとも一つのアリル反復数が、19、21、22、23、24、26、29または33である場合に、産肉量が多いと決定することを特徴とする、〔4〕に記載の方法。
〔7〕 〔1〕に記載の工程(b)において、塩基配列の増幅がPCR法によって行なわれることを特徴とする、〔4〕に記載の方法。
〔8〕 〔1〕に記載の工程(c)において、増幅されたDNA断片の長さを決定することにより、マイクロサテライト多型を検出することを特徴とする〔4〕に記載の方法。
〔9〕 〔1〕に記載の工程(c)において、増幅されたDNA断片の塩基配列を決定することにより、マイクロサテライト多型を検出することを特徴とする〔4〕に記載の方法。
〔10〕 多型が一塩基多型である、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕 多型部位において、ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)の塩基種がCである場合と比較してAである場合に、産肉量が多いと決定する〔10〕に記載の方法。
〔12〕 多型部位において、ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)の塩基種がAである場合と比較してCである場合に、産肉量が少ないと決定する〔10〕に記載の方法。
〔13〕 〔1〕に記載の工程(b)において、塩基配列の増幅がPCR法によって行なわれることを特徴とする、〔10〕に記載の方法。
〔14〕 〔1〕に記載の工程(c)において、制限断片長多型(RFLP)を検出することにより、一塩基多型の存在を検出することを特徴とする〔10〕に記載の方法。
〔15〕 制限酵素Msp Iを用いて、-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)の一塩基多型を検出することを特徴とする、〔14〕に記載の方法。
〔16〕 〔1〕に記載の工程(c)において、増幅されたDNA断片の塩基配列を決定することにより、一塩基多型を検出することを特徴とする〔10〕に記載の方法。
〔17〕 〔1〕に記載の工程(c)において、一塩基多型部位を含むDNAに特異的にハイブリダイズするプローブにより、一塩基多型を検出することを特徴とする、〔10〕に記載の方法。
〔18〕 ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)の多型部位を含むDNAに特異的にハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するプローブ。
〔19〕 以下の(a)または(b)に記載の多型部位を含むDNAを増幅するためのプライマーオリゴヌクレオチド。
(a)配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位の多型部位
(b)配列番号:1に記載の塩基配列における2,429位から2,472位の配列に相当する多型部位
〔20〕 〔18〕に記載のプローブ、または、〔19〕に記載のプライマーを含む、ウシ黒毛和種の産肉形質を判定するためのキット。
本発明は、黒毛和種における枝肉重量等の増体形質の遺伝的な改良のための候補種雄牛の選抜、生産現場での肥育子牛の選抜において、有効な遺伝子マーカーとして畜産分野で広範な利用が期待される。また、候補種雄牛の選抜にあっては、直接検定の効果をさらに上げることができる特色を有している。
本発明により見出された、ウシグレリン受容体遺伝子の5'非翻訳領域における、増体形質に関連するマイクロサテライト領域は、他の生物種の当該領域には見られない。したがって、本発明のマイクロサテライト多型および一塩基多型を組み合わせることにより、他の生物種と比較しても、黒毛和種の増体形質をより効率的に判定することが可能となった。
本発明者らは、黒毛和種においてグレリン受容体遺伝子の変異を明らかにし、黒毛和種の枝肉重量等増体形質との関連性を統計学的に行い、黒毛和種の増体に良い効果をもたらす遺伝子タイプを明らかにした。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明において、「産肉形質」とは肉用牛における産肉量または肉質等を客観的に評価する基準を示す。産肉形質を決定するための対象形質としては、検定開始日齢、検定開始体重、検定開始体高、検定終了体重、検定終了体高、1日平均増体重、屠殺前体重、枝肉重量、ロース芯面積、バラ厚、皮下脂肪厚、推定歩留、筋間脂肪厚、BMS番号(脂肪交雑番号)などが挙げられるが、本発明で見出された遺伝子変異で優劣を判定できる産肉形質として、好ましくは、枝肉重量、屠殺前重量、検定終了時体重、1日平均増体重、バラ厚、皮下脂肪厚、推定歩留が挙げられる。
産肉形質は当業者であれば、公知の方法、文献などを参照して、容易に測定することができる。例えば、和牛登録実務必携(平成17年度版、社団法人 全国和牛登録会編、第7章 種雄牛の産肉能力検定、第2編定款・規程類 III種雄牛の検定方法)などを参照することができる。
マイクロサテライト配列とは、ゲノム上に存在する短い単位配列の繰り返しからなる繰り返し配列をいう。ゲノム上の特定の位置にあるマイクロサテライト配列は個体により繰り返し数が異なる場合があり、多型が存在する。
本発明のマイクロサテライト多型としては、例えば、配列番号:1に記載の塩基配列における2,429位から2,472位に相当する多型部位における多型を挙げることができる。
本発明のマイクロサテライト配列の繰り返し配列の種類および単位数は個体によって異なるが、好ましくは相同染色体のうち少なくとも一つの染色体における、マイクロサテライトの2塩基(TGまたはTC)反復数が、各15、19、21、22、23、24、26、29または33、より好ましくは反復数が19の場合に、産肉形質が優れていると決定することができる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、上記マイクロサテライト配列を含むDNA領域を増幅しうる限り、該DNA領域に完全に相補的である必要はない。例えば、5'末端側に数ベース程度の他の塩基への置換変異を有する、もしくは5'末端側に任意の塩基が付加されたオリゴヌクレオチドであっても、本発明のオリゴヌクレオチドとして利用することが可能であるものと考えられる。
本発明の上記オリゴヌクレオチドは、当業者においては、通常、市販されたオリゴヌクレオチド合成機もしくは合成オリゴヌクレオチド受託サービスを利用して容易に取得することが可能である。
例えば、増幅されたDNA断片の塩基配列を決定することにより、当該DNA断片を解析することができる。増幅したDNA断片の塩基配列の決定は、当業者においては、DNAシークエンサー等を用いて容易に実施することができる。また、塩基配列の決定により、増幅されたDNA断片において、マイクロサテライト配列に含まれる対立遺伝子の種類および数を決定することもできる。
本発明の「一塩基多型部位」は、ウシグレリン受容体遺伝子もしくは該遺伝子の近傍DNA領域に存在する多型であれば、特に限定されない。具体的には、本発明の方法に用いる多型部位として、ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)または+70位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,773位)の多型部位に相当する多型部位を挙げることができる。
本発明において、多型部位を含む領域を増幅するためのプライマーには、多型部位を含むDNAを鋳型として、多型部位に向かって相補鎖合成を開始することができるプライマーも含まれる。該プライマーは、多型部位を含むDNAにおける、多型部位の3'側に複製開始点を与えるためのプライマーと表現することもできる。プライマーがハイブリダイズする領域と多型部位との間隔は任意である。両者の間隔は、多型部位の塩基の解析手法に応じて、好適な塩基数を選択することができる。たとえば、DNAチップによる解析のためのプライマーであれば、多型部位を含む領域として、20〜500、通常50〜200塩基の長さの増幅産物が得られるようにプライマーをデザインすることができる。当業者においては、多型部位を含む周辺DNA領域についての塩基配列情報を基に、解析手法に応じたプライマーをデザインすることができる。本発明のプライマーを構成する塩基配列は、ゲノムの塩基配列に対して完全に相補的な塩基配列のみならず、適宜改変することができる。
本発明の検査薬の他の一つの態様は、ウシグレリン受容体変異タンパク質を特異的に認識する抗体を含む、識別用試薬である。該抗体は、本発明の方法に用いることが可能な抗体であれば、特に制限されないが、例えばポリクローナル抗体やモノクローナル抗体が挙げられる。抗体は必要に応じて標識されていてもよい。
これらは本発明の多型部位を指標とする検査に使用される。これらの調製方法に関しては、当業者に公知の方法で行なうことができる。
〔実施例1〕 成長と枝肉重量等産肉形質に優れる個体に確認されているマイクロサテライトアリルの検出
(1)グレリン受容体遺伝子のゲノムDNA配列の5’-flanking領域の中で翻訳開始点から上流−275塩基(図2中2,429位)から−232塩基(図2中2,472位)の範囲に存在するマイクロサテライトに注目し(図1、図2)、このマイクロサテライトに変異が存在するか、黒毛和種1,285頭のゲノムDNAを用いて検討した。その検討に当たってはマイクロサテライト領域を増幅できるように塩基配列情報からPCRプライマーを作製した(図1)。なお、PCRの条件等は以下のように行った。
1)プライマー
・F-プライマー:F:1320(Fam 修飾)
配列番号:2:5’-gggCTgTgggTCACTCTgTC-3’
・R-プライマー:R:1449
配列番号:3:5’-gAggATgCTTggAAAggAAA-3’
増幅産物:180塩基対
2)PCR溶液
(使用したDNAポリメラーゼ: TOYOBO KOD Plus)
1サンプル当たり:
10 X Buffer 2μl
dNTP 2μl
MgSO4 1μl
プライマー(F)(10pmol/μl) 1μl
プライマー(R)(10pmol/μl) 1μl
KOD Plus(酵素) 0.3μl (0.3U)
蒸留水 11.7μl
DNA サンプル 1μl
計 20μl
3)PCR条件
(1) 94℃ 2 min
(2) 94℃ 30 sec
62℃ 45 sec
68℃ 30 sec
35 サイクル
(3) 68℃ 1 min
(4) 4℃ 保持
1×TAE bufferによる2.5%アガロースゲルで増幅を確認する。
PCR増幅を確認後、ABI社のシークエンサーで増幅サイズを決定する。
(1)マイクロサテライト領域以外のグレリン受容体遺伝子領域に一塩基置換(SNP)等の変異が存在し、ハプロタイプを形成し、このSNPの変異が肉質形質の影響を及ぼしている可能性が考えられる。そこで、グレリン受容体遺伝子中でマイクロサテライト部分以外に塩基レベルでの変異が存在するのかを検討した。
塩基レベルでの変異を検討するため、マイクロサテライト領域以外の5’UTR部分を含む5’フランキング領域、5’非翻訳領域、エキソン1部分、イントロン領域、エキソン2部分、3’フランキング領域(3’UTR部分)の塩基配列、約6.4キロベースペアーをカバーするプライマーセット9組を作製し、PCR法により増幅、塩基配列を決定した(図2および図3)。 遺伝子領域全体の塩基置換変異の検討に当たっては、9領域の全てにつき形質データをもつ全頭のサンプルで行うのは時間、費用と労力の点で現実的ではない。そこで、マイクロサテライトを変異マーカーとして捉え、黒毛和種で主要なマイクロサテライトのアリルであるアリル172、アリル180およびアリル182のホモ型(各1個体、2個体、2個体計5個体)並びに優良なアリルである172のヘテロ型3個体(アリル型:172/180,172/192,172/200)の計8個体を用いて、グレリン受容体遺伝子の塩基配列約6.4kbを決定した。
PCRの条件はいずれのプライマーセットにおいても、以下のように行った。
1)プライマー
各プライマーセットのF-プライマーとRプライマーの位置および配列は、それぞれ図2と図3および配列番号:4〜23に示した。
2)PCR溶液
(使用したDNAポリメラーゼ: Takara LA Taq)
1サンプル当たり:
2 X GC Buffer I 10μl
dNTP Mixture (2.5mM each) 3.2μl
プライマー(F)(10pmol/μl) 1μl
プライマー(R)(10pmol/μl) 1μl
Takara LA Taq (5U/μl) 0.2μl (1U)
蒸留水 3.6μl
ゲノムDNA サンプル(10ng/μl) 1μl
計 20μl
3)PCR条件
(1) 94℃ 4 min
(2) 94℃ 30 sec
60℃ 45 sec
72℃ 60 sec
35 サイクル
(3) 72℃ 2 min
(4) 4℃ 保持
1×TAE bufferによる2.5%アガロースゲルで増幅を確認した。
PCR増幅を確認後、PCR増幅産物をSephadex plateで精製後、これを鋳型としてBigDye Terminator v3.1 Cycle sequencing Kit (Applied Biosystems 社)を用い、Dye Terminator 法により行った。使用したプライマーはPCR増幅を行ったものと同一のプライマーを用いて両側から塩基配列を決定した。
多型塩基はシークエンス波形データを用いてPhred/phrap/PolyPhredソフトウエアおよびSEQUENCHER(Genecodes)ソフトウエアを用いて各塩基の精度(クオリティー値)の算出、アセンブルおよび多型塩基の検出を行った。ソフトウエアが検出した多型塩基については必ず目視確認し、明らかに多型波形のものを多型塩基として採用した。
黒毛和種8個体のマイクロサテライト型とグレリン受容体遺伝子約6.4kbの全塩基配列決定結果を表9に示した。この遺伝子領域には8個体間で20箇所の多型塩基を見出した。多型塩基が認められた領域の内訳は、5’フランキング領域が2箇所、5’非翻訳領域が1箇所、エキソン1領域が3箇所、イントロン1領域は14箇所であった。エキソン2および3’非翻訳領域には多型塩基は認められなかった。また、20箇所の多型塩基のうち1箇所(4,689位)は4塩基の挿入/欠損であった。
次に、これらの結果は解析したサンプル1,285個体全体としていえるのか、2,697位の一塩基多型をサンプル1,285個体で解析した。
解析方法は、多数検体のタイピングに適したPCR-SSP法によった(SSP:Sequence Specific Primer:配列特異的プライマー)。なお、別にRFLP法でも2,697位の一塩基多型解析を行える。
(A)PCR-SSP法の条件:
PCR-SSP法とは、PCR産物にアレル特異的プライマーを用いて伸張反応を行い、SNP型を判定する。本一塩基多型解析の場合には、2,697位の一塩基多型部分を含む198塩基対部分を第一回のPCRでまず増幅する。次に、この第1回PCR産物を鋳型にして、その内側に2,697位の一塩基多型部分がプライマーの3’末端に位置するように5’FAM 蛍光色素標識したR-プライマーをアリルごとにサイズを変えて(Aアリル:14塩基;Cアリル:17塩基)
作製する。F-プライマーは第一回のPCRと同様のプライマーある。
これら3種類(F-プライマー:2種類;R-プライマー:1種類)を用いて、第二回目のPCR(PCR-SSP)を行う。判定は、図5および7に示すようにAアリルは106塩基対産物、Cアリルは109塩基対産物となり、シークエンサーでPCR産物のピークパターンを判別することで簡単に遺伝子型を判定できる。
(1) 第1PCR用プライマー
F-プライマー:ACTCTTTTGCGCCTAACTAAGGA(配列番号:24)
R-プライマー:CTCGTCAGTCAGCGAGTCATT(配列番号:25)
PCR産物サイズ: 198 bp
(2) PCR反応溶液
QIAGEN multi Kit 5.0μl
10μM GhrelinR_F3 0.5μl
10μM GhrelinR_R3 0.5μl
減菌蒸留水 3.0μl
DNA 2.0μl
計 11.0μl
(3) PCR条件
(℃) Time Cycle(s)
94 15min 1
94 15sec 35
60 30sec
72 90sec
72 30min 1
10 ∞
PCR産物に減菌蒸留水70μlを加え、PCR-SSP反応用のPCR 反応の鋳型とする。
(4) PCR-SSP反応プライマー
2,697位の一塩基多型のCアリルのR-プライマー
(FAM) CATTCCACATGCTGCCG(配列番号:26)
PCR産物サイズ:109bp
2,697位の一塩基多型のAアリルのR-プライマー
(FAM) TCCACATGCTGCCT(配列番号:27)
PCR産物サイズ:106bp
(5) PCR反応溶液
QIAGEN multi Kit 5.0μl
1μM GhrelinR_SNP-7_C_3 0.4μl
1μM GhrelinR_SNP-7_A_3 1.2μl
減菌蒸留水 2.4μl
PCR Product 1.0μl
計 10.0μl
(6) PCR条件
(℃) Time Cycle(s)
94 15min 1
94 15sec 35
60 30sec
72 90sec
72 30min 1
10 ∞
PCR-SSPによる産物を、常法によりABI社のシーケンサーで増幅サイズを確認する。結果は波形データとして現れ、フラグメントの長さにより多型を判定する。例として2,697位のSNPを判定した結果を図7に示す。
2回(ネステッド)PCRを行い、制限酵素MspI(認識部位:C!CGG)で消化し、その切断DNA断片パターンからSNP型を判定する。
(1) 第1PCRプライマー(PCR産物:583bp)
F-プライマーbGhrR/FP(1484)/OD1:CTTTCCAAgCATCCTCCCTgAg(配列番号:28)
R-プライマーbGhrR/RP(2067)/OD1:gAAgCAgATggCgAAgTAgCg(配列番号:29)
(2) PCR溶液
使用するDNAポリメラーゼ:KOD plus
1サンプル当たり(全量 20μl)
10X KOD バッファー 2μl
dNTP(2.5mM) 2μl
MgSO4 (25mM) 1μl
F-プライマー (10pmol/μl) 1μl
R-Primer (10pmol/μl) 1μl
KOD Plus(酵素) 0.3μl
減菌蒸留水 11.7μl
DNA サンプル(10-50μg/ml) 1μl
計 20μl
(3) 第1PCR条件
(i) 94℃ 2 min. 1 cycle
(ii) 94℃ 30 sec 30 cycles
60℃ 45 sec
68℃ 30 sec
(iii) 68℃ 60 sec 1 cycle
(iv) 4℃ keep (1) 94℃ 4 min
(4) 第2PCR(PCR産物:191bp)
プライマー:
FP(2SNRF2666)-01: CAgTCgCgTCCCTgAACC(配列番号:30)
RP(2SNRF2856)-02: CACgCAggTggCTgTgAC(配列番号:31)
DNA サンプルは第1PCR産物減菌蒸留水で100希釈したもの1μl
(5) PCR溶液
使用するDNAポリメラーゼ:KOD plus
1サンプル当たり(全量 20μl)
10X KOD バッファー 2μl
dNTP(2.5mM) 2μl
MgSO4 (25mM) 1μl
F-プライマー(10pmol/μl) 1μl
R-プライマー(10pmol/μl) 1μl
KOD Plμs(酵素) 0.3μl
減菌蒸留水 11.7μl
DNA サンプル(第1PCRの100倍希釈) 1μl
計 20μl
(6) 第2PCR
(i) 94℃ 2 min. 1 cycle
(ii) 94℃ 30 sec 35 cycles
61.5℃ 45 sec
68℃ 30 sec
(iii) 68℃ 60 sec 1 cycle
(iv) 4℃ keep
(7) MspIによるRFLP:1サンプル当たり
第2 PCR 産物 5μl
10XTブッファー 2μl
0.1%BSA 2μl
MspI(制限酵素)10U/μl 0.5μl
減菌蒸留水 10.5μl
計 20μl
37℃ 1時間消化する。
15%アクリルアミドゲル電気泳動でバンドパターンを判定する。SNPのAアリルは112, 49, 21, 17 bpのバンドパターンとなる。また。SNPのCアリルは112, 35,21,17,14 bpバンドパターンとなる(図6および8)。
2,697位SNPと産肉形質との関連性に関する統計学的検討に関しては、統計モデルを、形質データ値=平均値 + 2,697位SNP型 + 誤差の一元配置として統計解析と分散分析を行った(表12、表13)。
統計解析の結果、AA型個体174頭の「枝肉重量」、「一日平均増体重」、「検定終了時体重」、「屠殺前重量」の平均値は、各355.4kg、0.924kg、604.25kg、598.97kg、AC型609頭の各平均値は、355.24kg、0.917kg、602.50kg、597.84kg、またCC型個体502頭の各平均値は、347.80kg、0.902kg、590.76kg、586.27kgであり、4形質全てにおいてAA型>AC型>CC型であった(表12)。また、これら3遺伝子型の平均値分散分析により、枝肉重量、1日平均増体重、検定終了時体重、屠殺前体重間の4形質ともF値は各6.466(有意水準:0.5%以下)、3.967(有意水準:5%以下)、7.056(有意水準:0.5%以下)、6.700(有意水準:0.5%以下)となり、AA型、AC型およびCC型の3アリル型間の平均値の差の効果は統計的に有意であった(表13)。
すなわち、核内でグレリン受容体遺伝子は5’UTR内にあるマイクロサテライトTGリピート部位を含めmRNAに転写され、イントロン1のスプラスアウト、成熟mRNAとなった後、成熟mRNAは細胞質へと移行し、タンパク質合成の場であるリボソームRNAに翻訳開始コドン部位が結合する。成熟mRNAとリボソームRNAの結合にさらに翻訳に関わる翻訳因子が結合し翻訳が開始する。その翻訳効率は、mRNAの5’UTRとしてコドンの上流にあるマイクロサテライト配列がコードしていたTGリピート反復構造によってmRNAの3次元構造は影響を受け、TGリピート数が19回であるアリル172のmRNAは、TGリピート数が各22回、23回、24回、29回、33回であるアリル178、アリル180、アリル182、アリル192、アリル200より転写効率が高く、合成されるグレリン受容体タンパク質生産量が多くなると推察される。
2,697位SNP位は5’非翻訳領域として必ずmRNAに転写される領域である。翻訳開始点-3位から+4位はKozak配列とよばれ、コンセンサス配列は(-3位)ACCAUGC(+4位)である(AUGはメチオニンの翻訳開始コドン)。このKozak配列は翻訳の際、mRNAとリボソームRNAが相互作用を行い、翻訳を開始する重要な配列である。この配列の中で、特に-3位のA(アデニン)と+4位のC(シトシン)が特に重要でこの部位の塩基の置換がおこると翻訳の効率が変化することが知られている。翻訳開始点2,697位は、Kozak配列で特に重要な-3位に近接しており、2,697位SNP位のアリルA(アデニン)とアリルC(シトシン)は塩基構造上、プリンとピリミジンで異なる。したがって、このアリルAとアリルCの置換により、グレリン受容体遺伝子から転写されたmRNAの翻訳効率は、先に述べたマイクロサテライトコード部分の19回のTGリピート数をもつ「172−A」ハプロタイプのmRNAの3次元構造はアリルAによって、さらに翻訳効率が向上すると推察される。したがって、本「172−A」ハプロタイプをもつ個体の脳下垂体等成長ホルモン放出細胞では、発現するグレリン受容体の分子数が多くなり、結果としてグレリンに対する感受性が高くなり、同一のグレリンの刺激でも、成長ホルモン分泌量は、172-A/172-A、172-A/172以外-A>172-A/172以外-Cのグループ>172以外-A/172以外-C>172以外-C/172以外-C>172以外-A/172以外-Aのグループになると考えられる。したがって、172-Aハプロタイプを持つ個体はもたない個体より成長ホルモンの分泌量が高く、これが枝肉重量等増体形質に良い影響を与えることが考えられる。
Claims (12)
- 被検ウシについて、グレリン受容体遺伝子上の変異を検出することを特徴とする、ウシ黒毛和種の産肉形質を判定する方法であって、以下の工程(a)から(d)の工程を含み、
(a)被検対象となるウシから、DNAを抽出する工程
(b)抽出したDNAにおいて、多型部位を含むDNA断片を増幅する工程
(c)増幅したDNA断片を解析し、多型を検出する工程
(d)(c)の工程において、検出された変異に基づき、産肉形質を決定する工程;
ここで、
i)ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から−275塩基から−232塩基(配列番号:1に記載の塩基配列における2,429位から2,472位)に相当する多型部位において、マイクロサテライト多型を検出し、グレリン受容体の相同遺伝子のうち少なくとも片方の遺伝子のアリル反復数が、21, 22, 23, 24, 26, 29 または33 である場合と比較して、アリル反復数が19である場合に、産肉量が多いと決定する、
ii)ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から−275塩基から−232塩基(配列番号:1に記載の塩基配列における2,429位から2,472位)に相当する多型部位において、マイクロサテライト多型を検出し、グレリン受容体の相同遺伝子のうち少なくとも片方の遺伝子のアリル反復数が、19である場合と比較して、アリル反復数が21, 22, 23, 24, 26, 29 または33 である場合に、産肉量が少ないと決定する、
iii)多型部位において、ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)の塩基種がCである場合と比較してAである場合に、産肉量が多いと決定する、または、
iv)多型部位において、ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)の塩基種がAである場合と比較してCである場合に、産肉量が少ないと決定する、
前記方法。 - 産肉形質を決定するための対象形質が、枝肉重量、屠殺前重量、検定終了時体重、1日平均増体重、バラ厚、皮下脂肪厚、推定歩留のいずれかである、請求項1に記載の判定方法。
- 請求項1に記載の工程(b)において、塩基配列の増幅がPCR法によって行なわれることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 請求項1に記載の工程(c)において、増幅されたDNA断片の長さを決定することにより、マイクロサテライト多型を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 請求項1に記載の工程(c)において、増幅されたDNA断片の塩基配列を決定することにより、マイクロサテライト多型を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 請求項1に記載の工程(c)において、制限断片長多型(RFLP)を検出することにより、一塩基多型の存在を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 制限酵素Msp Iを用いて、-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)の一塩基多型を検出することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
- 請求項1に記載の工程(c)において、増幅されたDNA断片の塩基配列を決定することにより、一塩基多型を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 請求項1に記載の工程(c)において、一塩基多型部位を含むDNAに特異的にハイブリダイズするプローブにより、一塩基多型を検出することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- ウシグレリン受容体遺伝子の翻訳開始点から-7位(配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位)の多型部位を含むDNAに特異的にハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するプローブであって、配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位を含む連続した部位と相補的な塩基配列からなるプローブ。
- 以下の(a)または(b)に記載の多型部位を含むDNAを増幅するためのプライマーオリゴヌクレオチドであって、配列番号:1おける該多型部位を含む塩基配列と相補的な塩基配列からなり、該多型部位を挟み込むように設定された、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチド。
(a)配列番号:1に記載の塩基配列における2,697位の多型部位
(b)配列番号:1に記載の塩基配列における2,429位から2,472位の配列に相当する多型部位 - 請求項10に記載のプローブ、または、請求項11に記載のプライマーを含む、ウシ黒毛和種の産肉形質を判定するためのキット。
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