JP6677556B2 - 熱処理装置 - Google Patents
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Description
図1に示される様に、熱処理装置は、熱処理チューブ1と、カンチレバーローダ2とを備える。この熱処理装置は、太陽電池や半導体用シリコンウエハ等の対象物に拡散処理等の熱処理を施す装置である。
本実施形態において、熱処理チューブ1は、横型の加熱炉であり、処理対象であるワークの搬入及び搬出に使用される開口端部11を有する。一例として、熱処理チューブ1は、石英から形成された円筒状の加熱炉である。熱処理時には、後述するドア部5により開口端部11が閉じられると共に、熱処理チューブ1内に雰囲気ガスが送り込まれる。本実施形態においては、雰囲気ガスとして、例えば腐食性のガスを用いることが可能である。尚、以下に詳述する熱処理装置の各部構成は、横型の加熱炉を備えた熱処理装置に限らず、加熱炉の開口部が蓋で閉じられる種々の熱処理装置にも適用することができる。
カンチレバーローダ2は、開口端部11を通じて熱処理チューブ1内へワークを搬送すると共に、熱処理チューブ1内の所定位置にワークを配置することを可能ならしめるものである。図1及び図2に示される様に、カンチレバーローダ2は、カンチレバー部3と、ローダ部4と、ドア部5と、第1シール機構6と、第2シール機構7と、保持機構8とを含んでいる。
図1に示される様に、カンチレバー部3は、ローダ部4に支持された基端部3aと、ワークが載置される載置台31が形成された先端部3bとを有する。ローダ部4によるカンチレバー部3の支持構造の詳細については後述する。本実施形態では、カンチレバー部3はパドル形状を呈し、先端部分が載置台31として利用されている。又、軸に相当する部分(以下、「軸部」と称す。)の断面は、四角形の角を丸めた形状を呈している(図4〜図7参照)。更に、カンチレバー部3は、高い耐熱性と高い硬度とを有した例えば炭化ケイ素や石英から形成されている。尚、カンチレバー部3の形状及び構成材料は、これらに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
ローダ部4は、カンチレバー部3を支持すると共に、開口端部11を通じてカンチレバー部3を熱処理チューブ1へ挿入することを可能ならしめる。図1に示される様に、ローダ部4は、カンチレバー部3を支持する支持台41と、支持台41の移動経路を規定するガイドレール42とから構成されている。本実施形態では、カンチレバー部3をその延在方向へ直線的に移動させることを可能ならしめると共に、その移動によりカンチレバー部3を熱処理チューブ1へ挿入することが可能となる様に、上記移動経路並びに支持台41へのカンチレバー部3の取付け状態が設定されている。
ドア部5は、所定位置へのワークの配置時に熱処理チューブ1の開口端部11を閉じる(図3参照)。具体的には、ドア部5は、第1シール機構6と保持機構8とを介してローダ部4に支持されており、開口端部11を閉じる位置(以下、「閉じ位置」と称す。)へ次の様な過程を経て導かれる。即ち、カンチレバー部3の前進に伴ってドア部5が開口端部11へ近づき、ワークが所定位置に到達するのと同時に、ドア部5は、閉じ位置にて開口端部11に接触する。これにより、ドア部5により開口端部11が閉じられる。
図2に示される様に、第1シール機構6は、カバー部61と、第1連結機構62と、第2連結機構63と、断熱材64と、シール材65〜67とを有する。
カバー部61は、カンチレバー部3のうちのドア部5から外側へ突き出た部分全体を覆うものである。具体的に、カバー部61は、第1筒部611と、第2筒部612とを含む。
第1筒部611は有底の金属管であり、第1筒部611は、カンチレバー部3の基端部3aが挿入された状態でその基端部3aを固持している。具体的には、図7に示される様に、上方、右方、及び左方の3方向の各々から第1筒部611の側壁に捻じ込まれたネジ613と、第1筒部611内にてカンチレバー部3の下方に位置する台座614とにより、カンチレバー部3の基端部3aが第1筒部611内に固定されている。そして、第1筒部611自体は、ローダ部4の支持台41に固定されている(図1参照)。この様に第1筒部611を介して、カンチレバー部3は支持台41に支持されている。
第2筒部612は、耐熱性を有したものであり、後述する第2連結機構63により第1筒部611に連結されると共に、カバー部61の端部61aを構成している(図2参照)。又、第2筒部612は、可撓性を有する。本実施形態において、第2筒部612は、その側壁に蛇腹が形成されたものであり、撓曲が自在である。尚、第2筒部612には、蛇腹が形成されたものに限らず、可撓性と耐熱性とを有した種々の筒状部材が適用されてもよい。
第1連結機構62は、カバー部61の端部61a(第2筒部612)をドア部5に連結固定させる機構である。具体的には、第1連結機構62は、以下の構成を有する。
第2連結機構63は、第1筒部611と第2筒部612とを互いに連結させる機構である。具体的には、第2連結機構63は、第1筒部611の開口端部611aに形成されたフランジ部631と、円環状の結合板632とを有する。この結合板632は、フランジ部631と対向する様に配されると共に、そのフランジ部631にネジ留め等により固定されている。本実施形態では、図7に示される様に、ネジ633を用いて3箇所でフランジ部631と結合板632とが互いに締結されている。
断熱材64は、ドア部5の蓋部51と鍔部53との間に介在している。これにより、ドア部5を通じて外部へ伝達された熱の更なる伝達が抑制される。即ち、断熱材64は、第1連結機構62とドア部5との間に介在することにより、熱処理チューブ1から第1連結機構62への熱伝達を抑制している。
上述した様に、第1連結機構62は、蓋部51から離れて配された鍔部53(即ち、熱処理チューブ1からの熱の影響を受け難い箇所)に固定されている。更に、熱処理チューブ1から外部への熱伝達を抑制するべく、ドア部5の構成材料として不透明石英が用いられ、又、ドア部5の蓋部51と鍔部53との間に断熱材64が介在している。よって、ドア部5の外側に位置する第1連結機構62及び第2連結機構63には熱が伝わり難く、従って、これらの機構内にシール材を用いることが可能である。即ち、第1連結機構62及び第2連結機構63にシール材を設けたとしても、それらのシール材は熱の影響を受け難い。
図2及び図4に示される様に、第2シール機構7は、環状溝71と、送入機構72とを有する。環状溝71は、ドア部5の蓋部51の内面51cのうち、熱処理チューブ1の開口端部11を閉じたときにその開口端部11と接触する環状領域51d(図3参照)に形成されている。送入機構72は、環状溝71に不活性ガスを送り込む機構である。具体的に、蓋部51には、その外面51bから環状溝71へ通じる通気路73が形成されている。そして、送入機構72は、通気路73を通じて外部から環状溝71に不活性ガスを送り込む。一例として、不活性ガスには窒素ガスが用いられる。
図2及び図6に示される様に、保持機構8は、支持機構81と、圧縮バネ機構82と、引張りバネ機構83とを有し、これらの機構が第2筒部612の周囲に配されている。本実施形態では、図6に示される様に、第2筒部612の右斜め下方及び左斜め下方の各々の位置に支持機構81が配され、第2筒部612の左方及び右方の各々の位置に圧縮バネ機構82が設けられ、第2筒部612の上方の位置に引張りバネ機構83が配されている。
上述した熱処理装置の変形例について説明する。
第1シール機構6は、図9に示される様に、カバー部61内に不活性ガスを注入する注入機構68を更に有していてもよい。この注入機構68は、熱処理チューブ1の開口端部11がドア部5で閉じられているときに(図3参照)、カバー部61内に不活性ガスを注入することにより、カバー部61内を不活性ガスで充満させる。一例として、不活性ガスには窒素ガスが用いられる。
熱処理チューブ1内で使用される雰囲気ガスが腐食性を有する場合、カバー部61の内周面61b(図2参照)は耐腐食コーティング層で覆われていることが好ましい。これにより、雰囲気ガスがカバー部61内へ流れ出たとしても、その雰囲気ガスによるカバー部61の腐食が防止される。
カバー部61は、第1筒部611と第2筒部612の2部品で構成されたものに限らず、1つの有底筒状の部品から構成されていてもよい。又、上記熱処理装置は、第2シール機構7がない構成を有していてもよい。
2 カンチレバーローダ
3 カンチレバー部
3a 基端部
3b 先端部
4 ローダ部
5 ドア部
5a 貫通孔
6 第1シール機構
7 第2シール機構
8 保持機構
11 開口端部
31 載置台
41 支持台
42 ガイドレール
51 蓋部
51a 開口
51b 外面
51c 内面
51d 環状領域
52 筒部
52a 内周面
52b 外周面
53 鍔部
61 カバー部
61a 端部
61b 内周面
62 第1連結機構
63 第2連結機構
64 断熱材
65、66、67 シール材
68 注入機構
71 環状溝
72 送入機構
73 通気路
81 支持機構
82 圧縮バネ機構
83 引張りバネ機構
611 第1筒部
611a 開口端部
612 第2筒部
612a、612b 開口端部
613 ネジ
614 台座
621 ベース板
622 留め具
623 結合板
623a 中央開口部
624 ネジ
631 フランジ部
632 結合板
632a 中央開口部
633 ネジ
811 支持ピン
812 ピン受け部
821 圧縮バネ
822 連結部
Claims (7)
- 開口端部を有する熱処理チューブと、
前記開口端部を通じて前記熱処理チューブ内へワークを搬送すると共に、前記熱処理チューブ内の所定位置に前記ワークを配置することを可能ならしめるカンチレバーローダと、
を備え、
前記カンチレバーローダは、
前記ワークが載置される先端部を有するカンチレバー部と、
前記カンチレバー部を支持すると共に、前記熱処理チューブへの前記カンチレバー部の挿入を可能ならしめるローダ部と、
前記所定位置へのワークの配置時に前記開口端部を閉じるドア部であって、貫通孔が設けられており、前記貫通孔にカンチレバー部が通された状態で前記ローダ部に支持されているドア部と、
第1シール機構と、
を含み、
前記第1シール機構は、
前記カンチレバー部のうちの前記ドア部から外側へ突き出た部分全体を覆うカバー部と、
前記カバー部の端部を前記ドア部に連結固定させる連結機構と、
を有し、
前記ドア部は、
前記開口端部を閉じる蓋部であって、前記貫通孔の一部を構成する開口が形成された蓋部と、
前記蓋部の外面に設けられ、前記貫通孔にカンチレバー部が通された状態で前記カンチレバー部の周囲を覆う筒部であって、その内周面により前記貫通孔の残りの部分を構成する筒部と、
を備え、前記筒部は、前記連結機構により前記カバー部の端部に連結固定される熱処理装置。 - 前記ドア部は、
前記筒部の外周面に設けられると共に、前記蓋部との間に所定の距離を空けて配された鍔部と、
を有し、
前記連結機構は、前記カバー部の端部を前記鍔部に連結固定させている、請求項1に記載の熱処理装置。 - 前記第1シール機構は、前記蓋部と前記鍔部との間に介在した断熱材を更に有する、請求項2に記載の熱処理装置。
- 前記カバー部は、
前記カンチレバー部の基端部が挿入された状態でその基端部を固持すると共に、前記ローダ部に支持された有底の第1筒部と、
前記第1筒部に連結されると共に前記カバー部の前記端部を構成し、且つ、可撓性を有した第2筒部と、
を含む、請求項1〜3の何れか1つに記載の熱処理装置。 - 前記第1シール機構は、前記カバー部内に不活性ガスを注入する注入機構を更に有する、請求項1〜4の何れか1つに記載の熱処理装置。
- 前記カバー部の内周面は耐腐食コーティング層で覆われている、請求項1〜5の何れか1つに記載の熱処理装置。
- 前記カンチレバーローダは、第2シール機構を更に含み、
前記第2シール機構は、
前記ドア部の内面のうち、前記開口端部を閉じたときにその開口端部と接触する環状領域に形成された環状溝と、
前記環状溝に不活性ガスを送り込む送入機構と、
を有する、請求項1〜6の何れか1つに記載の熱処理装置。
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