JP6676936B2 - 撮像装置および駆動装置の制御方法 - Google Patents

撮像装置および駆動装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、手振れ補正装置など可動体を所定方向に移動させる駆動装置に関し、特に、多方向に移動可能な可動体に対する駆動制御に関する。
デジタルカメラなどでは、手振れによる画質低下を防ぐため、手振れを相殺するように光学レンズあるいは撮像素子を移動させる手振れ補正機構が設けられている。撮像素子シフト型の手振れ補正機構では、撮像素子を搭載した可動体(ステージ)を光軸垂直平面に沿って移動させることが可能である。
可動体については、平面上に規定されるX軸、Y軸方向(水平方向、垂直方向)および光軸周りのθ方向に沿って移動させることが可能である。この場合、駆動装置を小型化するため、駆動力を発生させる永久磁石を共有化し、複数の駆動用コイルを使って2方向の移動制御を行う構成が知られている(特許文献1参照)。
具体的には、Y方向に沿って駆動力を発生させる一対のY方向用駆動コイルを、永久磁石と相対するように並列配置させ、駆動力を同じにすることでY方向に平行移動させる一方、駆動力を相違させることによって、可動体を光軸周りに回転させる。一対のY方向駆動コイルの配置に合わせて、一対のホールセンサが配置されている。
特開2007−25616号公報
駆動コイルを複数設置し、それに合わせて位置検出センサを複数配置した構成でフィードバック制御を行う場合、多変数の制御システムとなり、1つの駆動コイルによって生じる駆動力が複数の位置検出センサの出力に影響する。このような相互干渉が生じる制御システムでは、精度あるフィードバック制御を行うことが難しい。
したがって、複数の駆動コイルと複数の位置検出センサとを設けて位置制御を行う場合において、精度あるフィードバック制御を行うことが求められる。
本発明の撮像装置は、固定された支持部材に対し、光軸垂直平面に沿って互いに直交する2軸方向および中心周りの回転方向に相対移動可能な可動体と、磁石との相互作用により、可動体に対する駆動力をそれぞれ異なる方向に発生させる複数の駆動コイルと、複数の駆動コイルに応じて設けられ、可動体の位置を検出する複数の位置検出センサと、各駆動コイルとそれに対応する位置検出センサとの間でループを形成し、複数の駆動コイルそれぞれに対する電流値を調整することによって可動体の位置をフィードバック制御する制御部とを備える。
例えば、制御部は、電流値をPWM制御し、デューティー比を電流値として演算することができる。また、可動体は、イメージセンサもしくは光学レンズを有し、制御部が、光軸垂直平面に沿って可動体を移動させることによって、手振れ補正処理を実行すればよい。
本発明では、制御部が、相互干渉を打ち消すように、各位置検出センサの出力信号に基づいて演算された電流値を変換し、変換された電流値に対し、複数の駆動コイルの駆動力比に基づいた係数を乗じることを特徴とする。これによって、精度あるフィードバック制御を行うことができる。
例えば、複数の駆動コイルが、互いに直交する2軸の一方の軸方向に駆動力を発生させる軸方向駆動コイルと、回転方向に駆動力を発生させる回転方向駆動コイルとを有する構成とすることが可能である。この場合、制御部は、軸方向駆動コイルに応じた軸方向位置検出センサの出力信号に基づいて演算される電流値に対し、回転方向駆動コイルに応じた回転方向位置検出センサの出力信号に基づいて演算される電流値を加算する一方、回転方向位置検出センサの出力信号に基づいて演算される電流値から、軸方向位置検出センサの出力信号に基づいて演算される電流値を減じることが可能である。
例えば、制御部が、フィルタ機能を持つことが可能であり、例えば、加算した電流値と減じた電流値の平均値に対して1/2を掛けることができる。
制御部は、軸方向駆動コイルと回転方向駆動コイルとの推力比に基づいて、係数を乗じることができる。例えば、制御部は、軸方向駆動コイルと回転方向駆動コイルのコイル巻き数の比に基づいて、係数を乗じる。
本発明の他の態様における駆動装置の制御方法は、固定された支持部材に対し、光軸垂直平面に沿って互いに直交する2軸方向および中心周りの回転方向に相対移動可能な可動体と、磁石との相互作用により、可動体に対する駆動力をそれぞれ異なる方向に発生させる複数の駆動コイルと、複数の駆動コイルに応じて設けられ、可動体の位置を検出する複数の位置検出センサとを備えた駆動装置に対し、各駆動コイルとそれに対応する位置検出センサとの間でループを形成し、複数の駆動コイルそれぞれに対する電流値を調整することによって可動体の位置をフィードバック制御する制御方法であって、相互干渉を互いに打ち消す非干渉補償要素を設けることによって、各位置検出センサの出力信号に基づいて演算される電流値を変換し、変換された電流値に対し、複数の駆動コイルの駆動力比に応じて電流値を調整する。
このように本発明によれば、センサと駆動力が1対1対応でない場合においても、精度よく位置制御することができる。
第1の実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。 手振れ補正装置の前方(撮影レンズ側)から見た平面図である。 手振れ補正装置の下方(カメラ底面側)から見た平面図である。 手振れ補正装置の構成部品の概略的分解斜視図である。 図2のA−Aに沿った手振れ補正装置の断面図である。 図2のB−Bに沿った手振れ補正装置の断面図である。 θ方向駆動コイルを形成したFPCの平面図である。 Y方向駆動部、θ方向駆動部とホールセンサによって構成される位置制御システムのブロック線図である。 駆動力FR、FLに対する駆動コイルが別々に存在すると仮定した構成と、本実施形態のY方向駆動コイルとθ方向駆動コイルを設けた構成における駆動力を対比して示した図である。 第2の実施形態における手振れ補正装置のカメラ前方側から見た概略的平面図である。 第2の実施形態における制御システムのブロック線図である。
以下では、図面を参照して本実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。
デジタルカメラ10は、カメラ本体120と、カメラ本体120に着脱可能に装着される撮影レンズ130とを備え、DSP(Digital Signal Processor)などで構成されるシステムコントロール回路40は、モードダイヤル、レリーズボタン、電源ボタン(いずれも図示せず)などに対する入力操作に応じて、撮影動作、画像記録処理、再生表示処理などカメラ全体の動作制御を行なう。カメラ動作制御に関するプログラムは、ROM(図示せず)などのメモリに記憶されている。
電源ON状態で撮影モードが設定されると、スルー画像が表示される。複数のレンズ群から成る撮影光学系131と絞り132を通った光は、イメージセンサISの受光面に結像する。これにより、被写体像がイメージセンサISの受光面に形成される。システムコントロール回路40は、イメージセンサISから順次読み出される1フィールド又は1フレーム分の画素信号に対し、ホワイトバランス調整、色変換処理などの画像信号処理などを施し、カラー画像データを生成する。生成された画像データにより、リアルタイムの動画像がスルー画像としてLCD24に表示される。
レリーズボタンが半押しされると、システムコントロール回路40は撮影操作スイッチ26からの信号によって半押し操作を検出し、コントラスト方式によるAF処理を実行する。これにより、撮影光学系131に含まれるフォーカシングレンズ群が駆動されて焦点調整が行われる。また、生成される画像データから被写体像の明るさが検出されることにより、シャッタスピード、絞り値などの露出値が演算される。
さらにシステムコントロール回路40は、レリーズボタンの全押しを検出すると、絞り/シャッタ駆動回路23を制御し、演算された露出値に基づいて絞り132、シャッタ121等を駆動する。1フレーム分の画像信号がイメージセンサISから読み出されると、システムコントロール回路40は、イメージセンサISから読み出された1フレーム分の画素信号に基づいて静止画像データを生成する。静止画像データは、画像メモリ25に記録される。再生モードが設定されると、画像メモリ25に記憶された一連の記録画像のうちユーザによって選択された画像のデータが読み出され、記録画像がLCD24に再生表示される。
撮影レンズ130は、撮影光学系131の解像力、絞り132の開口径に関する情報などのデータを記憶する通信用メモリ33を備えている。撮影レンズ130がカメラ本体120に装着されると、記憶されたデータがシステムコントロール回路40へ送られる。
カメラ本体120内には、手振れ補正装置SRが光軸に沿って撮影光学系131の後方に配置されている。手振れ補正装置SRは、イメージセンサISを撮影光学系131の光軸に垂直な平面に沿ってカメラ横方向(水平方向)、それに垂直なカメラ縦方向(鉛直方向)に沿って移動させること可能であり、さらに、光軸周りに回転させることが可能である。
ジャイロセンサ28は、カメラ10の姿勢変動(ヨーイング、ピッチングなど)を検知し、角速度信号を出力する。また、ホールセンサH1〜H3は、磁界変化によってイメージセンサISの相対的位置の変化を検出する。システムコントロール回路40は、ジャイロセンサ28からの出力信号およびホールセンサH1〜H3の出力信号に基づき、像ブレ量(変位量)を演算してステージ駆動回路60へ制御信号を出力し、手振れ補正処理を実行する。
図2は、手振れ補正装置SRの前方(撮影レンズ側)から見た平面図である。図3は、手振れ補正装置SRの下方(カメラ底面側)から見た平面図である。そして、図4は、その構成部品の概略的分解斜視図である。以下、手振れ補正装置SRの構成について説明する。なお、カメラ横方向、縦方向をそれぞれX方向、Y方向とする。
図4に示すように、手振れ補正装置SRは、イメージセンサISを保持する可動体1と、そのカメラ前方側で可動体1と対向配置される前方側ヨーク板2と、カメラ後方側で可動体1と対向配置される後方側ヨーク板3とを備える。強磁性体材料によって成形された前方側ヨーク板2と後方側ヨーク板3は、カメラ本体120内で固定支持されている。
図2〜4に示すように、可動体1は、前方側ヨーク板2に設置された転動ボール20と、後方側ヨーク板3に設置された転動ボール30と接しており、ここでは、転動ボール20と転動ボール30が対向する位置で三か所設置されている。可動体1は、転動ボール20と転動ボール30によって保持されることで、光軸垂直平面に沿って移動することができる。
図4に示すように、前方側ヨーク板2は、イメージセンサISの撮像面に合わせて開口部を形成している。イメージセンサISと対向する裏面には、細長い矩形状の永久磁石対21、22が、カメラ後方から見て右側、下方側にそれぞれ配置されている。一方、矩形状である後方側ヨーク板3の前面には、カメラ後方から見て右側、下方側に永久磁石対31、32がそれぞれ配置されている。永久磁石対21、31、および永久磁石対22、32は、それぞれ互いに異なる磁極をもつ。
一方、可動体1には、導線を巻き回した駆動コイル11、12が永久磁石対21、32と対向する位置にそれぞれ配置されている(図4参照)。駆動コイル11、12は、可動体1に形成された矩形状の枠に埋設された状態で配置されており、駆動コイル11は永久磁石対21、31の磁界内に配置され、駆動コイル12は永久磁石対22、32の磁界内に配置されている。以下では、駆動コイル11をX方向駆動コイル、駆動コイル12をY方向駆動コイルという。
永久磁石対21、X方向駆動コイル11、永久磁石対31は、X方向に推力を発生させるボイスコイルモータ(以下、X方向駆動部という)5Xとして構成される。また、永久磁石対22、Y方向駆動コイル12、永久磁石対32は、Y方向に推力を発生させるボイスコイルモータ(以下では、Y方向駆動部という)5Yとして構成される。
X方向駆動部5X、Y方向駆動部5Yの駆動はPWM制御されており、ステージ駆動回路60(図示せず)は、システムコントロール回路40からの制御信号に基づき、X方向駆動コイル11、Y方向駆動コイル12に対して交流駆動信号を流す。
一方、可動体1のカメラ後方側裏面には、FPC(プリント回路基板)4が一体的に貼り付けられている(図4参照)。FPC4のカメラ前方側表面には、Y方向駆動コイル12と対向するようにθ方向駆動コイル41が配置されている。ここでは、プリント回路の一部としてθ方向駆動コイル41が形成されている。θ方向駆動コイル41は、一対の渦巻きコイル41a、41bによって構成されており、X方向に並んで配置されている。また、図4に示すように、FPC4の前面には磁界変化を検出するホールセンサH1〜H3が配置されている。
図5は、図2のA−Aに沿った手振れ補正装置SRの断面図である。図6は、図2のB−Bに沿った手振れ補正装置SRの断面図である。図2、5に示すように、ホールセンサH3は、永久磁石対21(永久磁石対31)の隙間にあって、X方向駆動コイル11の中心位置に配置されている。ホールセンサH1、H2は、図2、6に示すように、永久磁石対22(永久磁石対32)の隙間にあって、Y方向駆動コイル12の内側左右端付近に配置されている。図2に示すように、ホールセンサH1、H2は、X方向に沿って光軸Oxに関し対称的な位置に配置されている。
図7は、θ方向駆動コイル41を形成したFPC4の平面図である。θ方向駆動コイル41を構成する一対の渦巻きコイル41a、41bは、同一方向に巻き回されていて、直列に接続されている。θ方向駆動コイル41は、光軸Oxに沿ってY方向駆動コイル12と重なる位置にあり、前方側ヨーク板2の永久磁石対22と、後方側ヨーク板3の永久磁石対32の磁界内に配置されている。永久磁石対22、θ方向駆動コイル41、永久磁石対32は、θ方向に推力を発生させるボイスコイルモータ(以下では、θ方向駆動部という)5θとして構成される。
X方向駆動部5Xでは、X方向駆動コイル11に電流が流れることによってX方向に推力(ローレンツ力)が発生し、これによってイメージセンサISを搭載した可動体1がX方向に移動する。また、Y方向駆動部5Yでは、Y方向駆動コイル12に電流が流れることによってY方向に推力が発生し、これによって可動体1がY方向に移動する。なお、電流の向きを反転制御することにより、可動体1はX、Yの逆方向に移動する。また、電流値を制御することによって推力が調整される。一方、θ方向駆動部5θでは、θ方向駆動コイル41に電流が流れることによって、偶力が生じる(図7参照)。これにより、可動体1が光軸Ox周りに回転する。
以上のX方向駆動部5X、Y方向駆動部5Y、θ方向駆動部5θを制御することにより、手振れ、すなわちジャイロセンサ28からの出力信号によって求められた像ブレ量からイメージセンサISの移動すべき位置を目標位置として算出し、ホールセンサH1〜H3からの出力信号に基づいて可動体1の位置をフィードバック制御する。本実施形態では、Y方向駆動部5Y、θ方向駆動部5θによってフィードバック制御するとき、非干渉制御を行う。以下、これについて説明する。
図8は、Y方向駆動部、θ方向駆動部とホールセンサH1、H2によって構成される位置制御システムのブロック線図である。
図8に示すように、本実施形態の位置制御システムは、2つのフィードバックループを設け、ホールセンサH1、ホールセンサH2は、それぞれ異なるフィードバックループの位置検出部として機能する。第1の制御ループLP1は、PID制御器P1を備え、ホールセンサH1に対する目標位置が目標値(YR)として入力される。この目標値は、ジャイロセンサ28の出力信号から求められる値であり、ここでは1ms単位で更新される。
PID制御器P1では、ホールセンサH1からの出力値と目標値との差分に応じた補正値が演算され、図8では図示しないステージ駆動回路60によって電流値が操作量として求められる。上述したようにPWM制御が実行されることから、デューティー比が求められる。他方の制御ループLP2においても、ホールセンサH2の目標値(YL)がPID制御器P2に入力され、ホールセンサH2の出力値との差分値に基づいてデューティー比が出力される。
制御ループLP1、LP2によって制御される対象は共通の可動体1(イメージセンサIS)であり、ホールセンサH1、ホールセンサH2に対する駆動力をFR、FLとすると、駆動力FR、FLは、Y方向駆動コイル12、θ方向駆動コイル41によってそれぞれ生じる(図8では、Yコイル、Tコイルと表記している)。
ここで、手振れ補正装置SRの制御対象は、2対2の多変システムであり、一方の制御ループLP1におけるPID制御器P1からの操作量すなわちデューティー比は、他方の制御ループLP2のホールセンサH2の出力値に影響を与える。同様に、PID制御器P2における操作量もホールセンサH1の出力値に影響を与える。
このような相互干渉を打ち消すため、非干渉補償要素(デカップラ:decoupller)Gが設けられている。非干渉補償要素Gによって、制御ループLP1では、制御ループLP1のデューティー比と制御ループLP2のデューティー比とが加算される一方、制御ループLP2では、制御ループLP2のデューティー比から制御ループLP1のデューティー比が減じられる。
このことは、ホールセンサH1に対する駆動力FRとホールセンサH2に対する駆動力FLに対応するデューティー比を、Y方向駆動コイル12とθ方向駆動コイル41の駆動力に対するデューティー比に変換することに値する。以下、これについて説明する。
図9は、駆動力FR、FLに対する駆動コイルが別々に存在すると仮定した構成と、本実施形態のY方向駆動コイル12とθ方向駆動コイル41を設けた構成における駆動力を対比して示した図である。
ホールセンサH1、H2の目標位置YR、YLに対して駆動コイルが別々に存在するときの駆動力FR、FLは、それぞれ以下の式によって求められる。ただし、TR、TLは推力定数であり、基準となる電流値(ここでは1%のデューティー比)に対する駆動力を表す。また、Vは電圧値であり、RR、RLは抵抗値を表す。a、bは、操作量となるデューティー比である。

R=TR×V/RR×a/100
L=TL×V/RL×b/100
・・・(1)
一方、Y方向駆動コイル12とθ方向駆動コイル41による駆動力をFY、FTとすると、駆動力F’R、F’Lは、以下に示すようにFY、FTの式で表すことができる。ただし、TY、TTは推力定数であり、Vは電圧値であり、RY、RTは抵抗値を表す。c、dは、操作量となるデューティー比である。

F’R =FY−FT
=TY×V/RY×c/100−TT×V/RT×d/100
F’L =FY+FT
=TY×V/RY×c/100+TT×V/RT×d/100
・・・(2)
本実施形態では、F’R=FR、F’L=FLとなれば、駆動コイルが別々に存在するときの駆動力FR、FLと同等の駆動力を得ることができ、相互干渉を打ち消すことが可能となるという考えに基づき、F’R=FR、F’L=FLを満たすデューティー比c、dを求める。すなわち、非干渉補償要素Gによって、デューティー比a、bをデューティー比c、dに変換する。
非干渉補償要素Gによって得られたデューティー比c、dは、フィルタP3に、P4においてそれぞれ1/2が乗じられる。具体的には、デューティー比c、dに対して1/2が乗じられる。ただし、PID制御器P1、P2において1/2にしてもよく、また、1/2を乗じる非干渉補償器を非干渉補償要素Gの中に設けてもよい。
ところで、可動体1の回転力は、Y方向への駆動力に比べて比較的小さな力で実現可能であり、カメラ小型化などの観点からY方向駆動コイル12と比べて小さな推力が望ましい。そのため、Y方向駆動コイル12とθ駆動コイル41ではコイル巻き数が異なり、推力定数TY、TTも異なる。したがって、同じ電流値を流してもY方向駆動コイル12、θ駆動用コイル41の駆動力は一致しない。このような推力差を補償するため、1/2にされたデューティー比c、dの値を、補正部P5、P6によって補正する。
補正部P5、P6は、1/2にされたデューティー比c、dの値に対し、それぞれ係数を乗じる。係数は、Y方向駆動コイル12の巻き数WYとθ方向駆動コイル41の巻き数WTとの比に基づいて定められる。ここでは、コイル巻き数の比=WY:WTが10:1であるため、補正部P5はデューティー比cに対して1を乗じ、補正部P6はデューティー比dに対して10を乗じる。
このような非干渉制御システムを構築することにより、制御対象である可動体1の相互干渉を相殺し、発振させることなく高精度にサーボ制御を行うことができる。なお、フィルタ部P3、P4に関しては、非干渉補償要素Gによって求められたデューティー比c、dを1/2倍にすることに限定されず、θ駆動コイル41からYRまでの周波数応答特性、Y方向駆動コイル12からYLまでの周波数応答特性に基づき、相互干渉を打ち消すようなフィルタ機能を働かせればよい。
また、補正部P5、P6に関しては、コイル巻き数比に基づいて係数を乗じているが、これは、手振れ補正装置SRにおいて永久磁石対22、32の構成などその他の駆動力(ローレンツ力)を発生させる構成要素が駆動力発生に関して同じ条件であるということを前提としたものである。よって、基準となる電流値、例えばデューティー比1%の電流値をY方向駆動コイル12、θ方向駆動コイル41に流したときの駆動力の比に基づいて係数を乗じれば、より正確な位置制御を行うことができる。
次に、図10、11を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、YR側、YL側に駆動コイルが別々に設けられた手振れ補正装置が構成される。
図10は、第2の実施形態における手振れ補正装置のカメラ前方側から見た概略的平面図である。前方側ヨーク板2、後方側ヨーク板3は図示してない。
可動体1’の開口部54aから突出するイメージセンサISの下方側には、一対の駆動コイル(ボイスコイル)11’、12’が所定間隔離れて配置されている。また、イメージセンサISのカメラ前方から見て左側には、駆動コイル11Aが配置されている。図示していない前側ヨーク板の裏面には、駆動コイル11’、12’、11Aと対向する位置に永久磁石(図示せず)が配置されている。駆動コイル11Aは、X方向に駆動力を発生させる。一方、駆動コイル11’、12’は、Y方向およびθ方向回転時に駆動力を発生させる。
図11は、第2の実施形態における制御システムのブロック線図である。
R側では駆動コイル11’とホールセンサH1、YL側では駆動コイル12’とホールセンサH2とが対になってループを形成している。一方のデューティー比が他方のホールセンサの出力信号に影響を与えるのを防ぐため、非干渉補償要素G1が設けられている。ここでは、互いのデューティー比に0.05乗じた値を、補正値として減じている。これにより、精度ある位置制御を行うことが可能となる。なお、ここでは駆動コイル11’、12’の駆動力が同じであるが、異なる場合には第1の実施形態と同様に補正部を設ければよい。また、補正部を設けた構成にし、駆動コイル11’、12’の駆動力が同じである場合には両方に1を乗じるなど、駆動力比に応じて変換された電流値を調整するようにしてもよい。
第1、第2の実施形態では、Y方向とθ方向へ駆動力を発生させる駆動コイル間での制御システムを対象としているが、X方向とθ方向、あるいはX方向とY方向へ駆動力を発生させる駆動コイル間での制御システムを対象としてもよい。また、イメージセンサではなく補正レンズを駆動させるレンズ駆動型手振れ補正装置に適用することも可能であり、永久磁石などの配置は適宜そのカメラの構成に従って設置すればよい。
また、手振れ補正装置だけでなく、カメラで水準レベルを調整する場合などにも適用可能であり、駆動コイルと位置検出センサを用い、所定平面に沿って可動体を移動させる構成であれば、カメラ以外の装置においても上記制御システムを構築することが可能である。なお、ホールセンサ以外のセンサで位置を検出してもよい。
1 可動体
10 デジタルカメラ
12 Y方向駆動コイル
41 θ方向駆動コイル
SR 手振れ補正装置
IS イメージセンサ
G、G1 非干渉補償要素

Claims (8)

  1. 固定された支持部材に対し、光軸垂直平面に沿って互いに直交する2軸方向および中心周りの回転方向に相対移動可能な可動体と、
    磁石との相互作用により、前記可動体に対する駆動力をそれぞれ異なる方向に発生させる複数の駆動コイルと、
    前記複数の駆動コイルに応じて設けられ、前記可動体の位置を検出する複数の位置検出センサと、
    各駆動コイルとそれに対応する位置検出センサとの間でループを形成して各ループの位置検出センサの目標位置を目標値として入力し、前記複数の駆動コイルそれぞれに対する電流値を調整することによって前記可動体の位置をフィードバック制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、相互干渉を打ち消すように、各位置検出センサの目標値に対する駆動力に対して駆動コイルが別々に存在した場合の該駆動力に応じた電流値を、前記複数の駆動コイルそれぞれの駆動力に応じた電流値に変換し、変換された電流値に対し、前記複数の駆動コイルの駆動力比に基づいた係数を乗じることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記複数の駆動コイルが、互いに直交する2軸の一方の軸方向に駆動力を発生させる軸方向駆動コイルと、回転方向に駆動力を発生させ、光軸に沿って前記軸方向駆動コイルと重なる位置にある回転方向駆動コイルとを有し、
    前記制御部が、前記軸方向駆動コイルとループを形成する第1の位置検出センサの目標値に対する駆動力に応じた電流値に対し、前記回転方向駆動コイルとループを形成する第2の位置検出センサの目標値に対する駆動力に応じた電流値を加算する一方、前記第2の位置検出センサの目標値に対する駆動力に応じた電流値から、前記第1の位置検出センサの目標値に対する駆動力に応じた電流値を減じることを特徴とする請求項1に記載の像装置。
  3. 前記制御部が、加算した電流値と減じた電流値に対し、1/2を乗じることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記制御部が、前記軸方向駆動コイルと前記回転方向駆動コイルとの推力比に基づいて、係数を乗じることを特徴とする請求項2乃至3のいずれかに記載の撮像装置。
  5. 前記制御部が、前記軸方向駆動コイルと前記回転方向駆動コイルのコイル巻き数の比に基づいて、係数を乗じることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記制御部が、電流値をPWM制御し、デューティー比を電流値として演算することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の撮像装置。
  7. 前記可動体が、イメージセンサもしくは光学レンズを有し、
    前記制御部が、光軸垂直平面に沿って前記可動体を移動させることによって、手振れ補正処理を実行することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の撮像装置。
  8. 固定された支持部材に対し、所定の平面に沿って互いに直交する2軸方向および中心周りの回転方向に相対移動可能な可動体と、磁石との相互作用により、前記可動体に対する駆動力をそれぞれ異なる方向に発生させる複数の駆動コイルと、前記複数の駆動コイルに応じて設けられ、前記可動体の位置を検出する複数の位置検出センサとを備えた駆動装置に対し、各駆動コイルとそれに対応する位置検出センサとの間でループを形成して各ループの位置検出センサの目標位置を目標値として入力し、前記複数の駆動コイルそれぞれに対する電流値を調整することによって前記可動体の位置をフィードバック制御する制御方法であって、
    相互干渉を互いに打ち消すように、各位置検出センサの目標値に対する駆動力に対して駆動コイルが別々に存在した場合の該駆動力に応じた電流値を、前記複数の駆動コイルそれぞれの駆動力に応じた電流値に変換する非干渉補償要素を設け、変換された電流値に対し、前記複数の駆動コイルの駆動力比に応じて電流値を調整することを特徴とする駆動装置の制御方法。
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