JP2012118517A - 手振れ補正ユニット - Google Patents

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Tetsuya Haruyama
哲也 春山
Yusuke Kitada
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Abstract

【課題】補正レンズを広い範囲でかつ高い位置決め精度を確保しつつ移動することができる手振れ補正ユニットを提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒内に設けられる固定部材と、光軸方向から見て固定部材に対向するように配置され、補正レンズを支持する可動部材と、ヨークと永久磁石を有する磁石部材と空芯コイルを含み、可動部材を光軸と直交する平面内で移動させる複数のボイスコイルモータと、可動部材の位置を検出するために固定部材に設置されたホール素子とを備え、固定部材には、磁石部材に対向して空芯コイルが固着されるとともに、固定部材には、光軸方向において空芯コイルよりも永久磁石から遠ざかる位置にホール素子が存在する凹部を有し、ホール素子が実装される配線基板が固定部材に固定される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、手振れによる被写体像の振れを防止するために、ボイスコイルモータにより補正レンズを移動させるレンズシフト方式の手振れ補正ユニットに関する。
デジタルカメラなどの撮像用光学機器では、高画質の写真を撮影するために、機器の内部に手振れ補正機構を搭載することが一般的であり、通常、この手振れ補正は、撮影準備中(レリーズボタンの半押動作)及び撮影中を通して継続される。例えばデジタル一眼レフカメラでは、撮影レンズの長焦点化及び高倍率ズーム化によっても高画質の写真を撮影可能とするとともに、ファインダー上で被写体を観察中にも手振れ防止機能を視認できるようにするために、交換レンズに、回転振れを検知するジャイロセンサと、このジャイロセンサの出力に応答して、撮影光学系を構成する複数のレンズ群の一部(補正レンズ)を光軸に直交する面内でシフトさせるボイスコイルモータを備えた手振れ補正ユニットが内蔵されている。
上記の手振れ補正ユニットにおいては、光軸に直交する平面上で補正レンズ又は撮像素子を並進運動させ、さらに回転運動させることにより、ガイド機構を省略して、簡単な機構としたアクチュエータが提案されている。例えば特許文献1には、補正レンズ(画像安定化レンズ)を含む可動部を並進運動させるための駆動手段を回転させるための駆動手段として共用させるとともに、駆動磁石を磁気的中立線が補正レンズの光軸を中心とする円周のほぼ半径方向に向くように配置することにより、回転方向の駆動ができ、回転制御が可能になるようにしたアクチュエータが記載されている。
また、特許文献2には、特許文献1と同様のアクチュエータを有する手振れ補正ユニットにおいて、駆動用コイルの巻線の内側に駆動用磁石の位置を検出する磁気センサを設けるとともに、駆動用コイルによって生成される磁界が磁気センサに与える影響を除去するために、磁気センサによって検出された位置信号を補正する手段を設けることが記載されている。
特許文献3には、休止状態において補正レンズを自動的にセンタリングできるようにするために、ベース、可動保持部材、可動保持部材をレンズの光軸に垂直な平面内で移動自在に支持する支持機構、可動保持部材を駆動する駆動手段、位置検出手段、可動保持部材を休止位置に復帰させる復帰手段を備え、駆動手段は、ベースに固定されたコイル及び可動保持部材に固定された駆動磁石を含み、復帰手段は、駆動磁石と対向すべくベースに固定された復帰磁石を含み、支持機構は、ベースに設けられた複数の凹部、凹部に転動自在に配置され光軸方向に突出する複数の球体、可動保持部材に設けられて球体に当接する複数の当接面を含む像振れ補正装置が記載されている。
特許文献4には、駆動力を低下することなくホール素子出力のリニアリティを確保できる領域を拡大するために、補正レンズを保持する可動部材と、ユニットの基部を構成するベース部材と、ベース部材に対して可動部材を、補正レンズの光軸と略直交する平面上で並進及び回転自在に支持する支持手段と、補正レンズの位置を検出する位置検出手段と、可動部材を、光軸に略直交する方向に移動させる3つの駆動手段と、を備え、駆動手段は少なくとも、ベース部材に固定される基板に実装されるコイルと、可動部材において、コイルに対向する位置に設けられる磁石と、を有し、位置検出手段は、基板のコイルが実装されない側の面に設けた光学補正ユニットが記載されている。
特許第4133990号公報 特許第3952207号公報 特開2010−164671号公報 特開2010−197519号公報
特許文献1及び特許文献2に記載されたアクチュエータは、位置センサが駆動磁石の磁極面に近接しているので、駆動磁石の磁極間の境界(N極からS極に反転する部分)における磁界分布が非直線的に変化することにより、センサ出力も非直線的に変化する。その結果狭い範囲でしか正確な位置検出ができず、手振れ補正範囲が限定されるといった問題がある。さらに、位置センサをコイルの空芯部に設けるので、コイル端末の配線作業(半田付け)を可能とするために、コイルの内径を大きくする必要があり、アクチュエータの大型化を招来するといった問題もある。
特許文献3に記載された手振れ補正ユニットは、位置センサ(ホール素子)をコイルの内側に設けずに、駆動磁石に対向する位置で位置センサをベースの嵌合凹部に固定しているが、フレキシブル配線板にコイルを接続するための接続部と磁気センサに接続される接続部を設けるので、フレキシブル配線板の形状が複雑となり、コストアップになるといった問題がある。
特許文献4に記載された手振れ補正ユニットは、位置センサを基板のコイルが実装されている面とは反対側の面に設けて駆動磁石の磁極面に近接させているので、次のような問題がある。
(a)基板の一方の面にコイルの端末をはんだ付けし、かつ基板の他方の面には位置センサの端末をはんだ付けするために、両面にパターン配線を有する回路基板が必要となる。そのため、両面基板及び基板製造用金型を含む初期費用が高騰し、またスルーホールの形成工程や基板の張り合わせ工程が発生するので、基板の製造コストが増加する。
(b)補正レンズを高精度で位置決めするために、位置センサの基板への取付位置を所定の位置に設置することが必要で、基板の位置決め個所は両面の張り合わせ位置の寸法で決まり、通常の製造工程では高い位置精度が得られず、位置センサの位置精度が低下するといった問題がある。また基板を貼り合せるため、コイルを基板の所定位置に接着する際に、位置決め穴の位置精度が低下し、コイルの位置精度が低下するといった別の問題がある。さらに磁石と位置センサとの位置関係を調整するために、基板を移動して位置センサの取付位置を調整すると(磁石位置を調整できないので)、コイル位置が変化するという別の問題を伴う。
(c)磁石と可動ヨークとの間に基板を設けるため、基板は固定用ねじの座の部分以外は中空に浮く構造となるので、基板の撓み防止のために、裏打板(ガラスエポキシ板)で補強する必要があり、コストが増大する。裏打板を省略すると、基板の平坦度を厳密に管理する、平坦度を高めるために追加工が必要になる、あるいは組立後に磁石と基板との摺れがわからなくなるといった問題がある。
(d)ホール素子の半田付け(チップマウント)のために裏打ち板のホール素子部は開口させる必要がある。その為に裏打ち板からホール素子ハンダ面までの面には段差が出来るため、チップマウントでのクリームハンダ印刷工程では通常のメタルマスクが使用できない。特殊なハンダ印刷手法(例えば特開2006−213000号参照)を採用する必要があるが、対応メーカが限られることと、特殊なクリームハンダを使うためにコスト増大を招く。またクリームハンダをディスペンサで塗布するなどのハンダ手法も知られているが、これも専用の塗布機が必要になるなどの障害がある。
したがって本発明の目的は、補正レンズを広い範囲でかつ高い位置決め精度を確保しつつ移動することができる手振れ補正ユニットを提供することである。
本発明の他の目的は、適正なコストで製造可能な手振れ補正ユニットを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の手振れ補正ユニットは、
レンズ鏡筒内に設けられる固定部材と、
光軸方向から見て前記固定部材に対向するように配置され、補正レンズを支持する可動部材と、
磁石部材と空芯コイルを含み、前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動させる、円周方向に沿って配置された複数のボイスコイルモータと、
前記可動部材の位置を検出するために前記固定部材に設置される複数の磁界検出素子とを備えた手振れ補正ユニットにおいて、
前記可動部材は、ヨークと半径方向に一対の磁極が並ぶ永久磁石からなる前記磁石部材を有し、
前記固定部材は、前記磁石部材に対向して前記空芯コイルを支持するコイル支持部と、光軸方向において前記空芯コイルよりも前記永久磁石から遠ざかる位置に前記磁界検出素子が存在する凹部を有し、
前記固定部材に前記磁界検出素子が実装される配線基板が固定されることを特徴とするものである。
前記コイル支持部に、コイル内周面に当接する位置決め部を設けることができる。あるいは、前記コイル支持部のコイル内周面に当接する部分にコイルの位置決め用の空孔を設けてもよい。
本発明において、前記配線基板は、前記固定部材の前記磁石部材と反対側の面に固定するとともに、前記固定部材に前記空芯コイルの端末を前記配線基板に半田付けするための空孔を設けることができる。
本発明において、前記配線基板は、前記固定部材の前記磁石部材と対向する側の面に固定するとともに、前記固定部材に形成された凹部は前記空芯コイルの端末が前記配線基板に半田付けするための大きさをもつことができる。
本発明において、前記磁界検出素子は、120°の角度間隔で前記固定部材に固定されたホール素子であることが好ましい。
本発明において、前記永久磁石は、厚さ方向に磁化した一対の永久磁石を組合せて使用することができる。
本発明の手振れ補正ユニットは、
レンズ鏡筒内に設けられる固定部材と、
光軸方向から見て前記固定部材に対向するように配置され、補正レンズを支持する可動部材と、
磁石部材と空芯コイルを含み、前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動させる、円周方向に沿って等角度間隔で配置された複数のボイスコイルモータと、
前記可動部材の位置を検出するために前記固定部材に設置された磁界検出素子とを備え、
前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動するようにした手振れ補正ユニットにおいて、
前記可動部材は、ヨークと半径方向に一対の磁極が並ぶ永久磁石からなる前記磁石部材を有し、
前記固定部材は、前記可動部材の一部が差し込まれる円筒部と、前記永久磁石に対向して前記空芯コイルを支持するコイル支持部と、光軸方向において前記空芯コイルよりも前記永久磁石から遠ざかる位置でかつ前記補正レンズの可動範囲において出力電圧が直線的に変化する位置に前記磁界検出素子が保持された配線基板を有し、
前記配線基板は、前記円筒部に外装される基部と、そこから放射状に伸びて前記磁界検出素子が実装される支持部を有する形状とすることができる。
本発明の手振れ補正ユニットは、
レンズ鏡筒内に設けられる固定部材と、
光軸方向から見て前記固定部材に対向するように配置され、補正レンズを支持する可動部材と、
ヨークと永久磁石からなる磁石部材と空芯コイルを含み、前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動させる複数のボイスコイルモータと、
配線基板に実装されて前記可動部材の位置を検出する磁界検出素子と、を備えた手振れ補正ユニットにおいて、
前記配線基板は、光軸方向において前記空芯コイルよりも前記永久磁石から遠ざかる位置に前記磁界検出素子が実装される磁界検出素子支持部と、光軸方向から見て前記磁界検出素子とそれに対向する前記永久磁石との相対位置関係が個別に調整可能な位置調整部を有し、
前記補正レンズの可動範囲において前記磁界検出素子の出力電圧が直線的に変化する構成とすることができる。
本発明によれば、補正レンズを駆動するためのモータの可動部を構成する永久磁石と磁界検出素子との距離が適切な範囲に設定されるので、磁界検出素子の出力が永久磁石の磁極間の非直線的な磁界分布の影響を受け難くなり、出力電圧の直線性が向上する。したがって広い範囲にわたって補正レンズの位置を高精度で検出することができる。
磁界検出素子をコイルの空芯部から離間した位置に設けるので、コイルから発生する磁界の影響を受けにくくなり、位置検出信号を補正する手段を設ける必要性が少なくなる。またコイルの大きさは磁界検出素子と無関係に設定できるので、手振れ補正ユニットの小型化が可能となる。
配線基板の一方の面に磁界検出素子と空芯コイルを設置できるので、片面基板の使用が可能となり、手振れ補正ユニットの製造コストを低減することができる。
また前記永久磁石を厚さ方向に磁化した一対の永久磁石を組合せた構造とすることにより、VCMの高推力化を図るために永久磁石の厚さを増大した場合でも、フル着磁することができる(大きな着磁電流を流せる)ので、磁極境界のダレを防止することができる。したがって磁界検出素子の出力の直線性が向上して検出精度が向上し、さらに高精度の手振れ補正を実現することができる。
特に配線基板を、前記円筒部に外装されるリング部と、そこから放射状に伸びて前記磁界検出素子が実装される支持部を有する形状とすることにより、位置決めがし易くなり、しかも配線基板の取り数が増大するので、部品コストを低減できる。
本発明の手振れ補正ユニットが搭載されるデジタルカメラのシステム構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係わる手振れ補正ユニットを示す分解斜視図である。 図2をA方向から見た分解斜視図である。 図2をB−B線で切断したときの断面図である。 本発明の手振れ補正ユニットの他の例を示す要部断面図である。 本発明を構成するVCMの配置を模式的に示す平面図である。 図4をC−C線で切断した時のVCMとホール素子の位置関係を模式的に示す断面図である。 本発明の手振れ補正ユニットの制御部を示すブロック図である。 制御部の位置検出回路を示す図である。 VCMとホール素子とのギャップを変化させた場合の磁束密度分布を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる手振れ補正ユニットを示す分解斜視図である。 図10をD方向から見た分解斜視図である。 図11をE−E線で切断したときの断面図である。 図11をF−F線で切断したときの断面図である。
本発明の詳細を添付図面により説明する。
{カメラ}
図1に示すデジタル一眼レフカメラ10は、光学フィルタ(不図示)を介して被写体の光学像を結像する固体撮像素子13(例えばCCD又はCMOS)を有するボディ11と、補正レンズ15を含み、収差補正効果を得るために負のレンズ群と正のレンズ群を交互に組合せた複数のレンズ群14を有するレンズ鏡筒12とを備えている。
レンズ鏡筒12の内部には、縦方向の手振れ量(ピッチ振れ)と横方向の手振れ量(ヨー振れ)を検出するために、例えば2つのジャイロセンサ16a、16bが設けられている。ジャイロセンサ16a、16bで検出された手振れ量(角加速度)は制御部17に入力されて、ハイパスフィルタ(不図示)によりパニングの際に発生する過大信号を除去された後、手振れ量に応じた位置指令信号と補正レンズの位置信号との差信号に対して位相補償がなされて、駆動回路(例えばPWM回路)でアナログ変換された駆動信号が手振れ補正ユニット1に組み込まれたボイスコイルモータ5(図2参照)の空芯コイルに供給されて補正レンズの位置が制御される。手振れの周波数帯域は1〜15Hz程度の狭い帯域なので、制御回路では通常のフィードバック制御(PID制御)を行うことによりVCMの駆動が制御されて、入射光軸が偏移されて手振れの少ない画像を得ることができる。この手振れ補正ユニット1は、補正光学系の倒れを防止するために、手振れ補正ユニットの駆動部であるボイスコイルモータは補正光学系の重心に近い位置に設けられることが好ましい。
<第1の実施の形態>
[手振れ補正ユニット]
(全体構成)
図2及び図3に示すように、手振れ補正ユニット1は、補正レンズ15(図1参照)を保持する可動部材2と、可動部材2をレンズ鏡筒12(図1参照)内に支持するための固定部材3と、フレキシブル配線板(FPC)等の回路基板4と、可動部材2を光軸Zに対して直交する平面内で駆動する3つのボイスコイルモータ(以下「VCM」という。)5a、5b、5cと、可動部材2と固定部材3との間に介装された、強磁性体からなる複数の転動体(以下「鋼球」という。)6a、6b、6cを備えている。Z軸方向において可動部材1と固定部材2との間に3個の鋼球6a、6b、6cを介装することにより、可動部材2が固定部材3に対してZ軸に対して垂直な平面内で任意方向に移動することができるので、摺動(摩擦)抵抗が低減され、微小な角度振れを補正することが可能となる。しかも後述するように、鋼球はZ軸方向に磁気的に吸引・保持されるので、鋼球の非所望な動きを抑制することができる。図示を省略するが、手振れ補正ユニット1は、非撮像時に補正レンズを光軸と一致する位置に静止しておく係止機構部を有することができる。係止機構部は、手振れ補正レンズを動作させるスイッチが動作しない手振れ補正オフ状態では、無通電で補正レンズを中立状態(光軸と同軸状態)に保持し、手振れ補正が可能な手振れ補正オン状態では、光軸Zに対して直交する平面内で任意の方向に移動できるようにする。この手振れ補正ユニット10の各部の詳細は次の通りである。
(可動部材)
可動部材2は、エンジニアリングプラスチック等の非磁性体からなり、円周方向に沿って等角度間隔(120°)をおいて磁石保持部20a、20b、20cが形成された略円環状部材であり、各磁気回路保持部の中間には、鋼球の一部が受容される第1収容溝22a、22b、22c(図3参照)を有する第1保持部21a、21b、21cが形成されている。各第1保持部21a、21b、21cの内部には、各第1収容溝22a、22b、22cの背面側に、吸引用バックヨーク23a、23b、23c(図2参照)とZ軸方向に磁化された吸引磁石(不図示)が埋め込まれている。また磁石保持部20a、20b、20cには、手振れ補正動作を行わない場合に、補正レンズをロック用の係止ピン(不図示)を受取るための係止溝24a、24b、24cが形成されている。
(固定部材)
固定部材3は、エンジニアリングプラスチック等の非磁性体からなり、可動部材2の一部が差し込まれるとともに、VCM5a、5b、5cの空芯コイル53a、53b、53cが固定される略円環状部材である。固定部材3において、各偏平コイルの中間には、鋼球の一部が受容される第2収容溝31a、31b、31c(図2参照)と各第2収容溝の背面側に形成された第2保持部32a、32b、32cが形成されている。各第2保持部32a、32b、32cの内部には、各第2収容溝31a、31b、31cの背面側に、Z軸方向(但し第1吸引磁石とは逆方向)に磁化された第2吸引磁石7a、7b、7cが埋め込まれている。
(VCM)
可動部材2及び固定部材3には、補正レンズを光軸と直交する平面内で任意の方向に駆動するために、光軸Z方向から見て、光軸Zを中心として3つのVCM5a、5b、5cを構成するための部材が等角度間隔(120°)で配置されている。VCM5aは、可動部材1に固設されたバックヨーク51a及び永久磁石52aを含む磁石部材50aと、固定部材2に設けられた空芯コイル53aとを有し、磁石部材により空芯コイルと鎖交する磁界を発生させる。各永久磁石は、円周方向の長さが半径方向の幅よりも大であってかつ偏平コイルの円周方向の有効長さと一致し、さらに一対の異極性の磁極が半径方向に沿って並ぶ(磁極境界線が光軸を中心とする円周の接線方向に向く)ように設置されている(図6参照)。VCM5b及びVCM5cもVCM5aと同様に、可動部材1側に固設されたバックヨーク51b、51c及び永久磁石52b、52cを含む磁石部材50b、50cと、固定部材2に設置された偏平な空芯コイル53b、53cとを有する。したがって、各VCMにより異なる方向の推力が発生するので、各VCMに供給する電流の向きと大きさを調整することにより、各推力を合成した推力は、光軸と垂直な平面で任意の方向に向かうことが可能となる。
永久磁石52a、52b、52cはいずれも厚さ方向(光軸方向)に磁化されている。各永久磁石は、空芯コイルと対向する側の面に極性の異なる一対の磁極が存在し、かつ磁極の境界(磁化中立線)が可動部材の中心軸(光軸と一致)を中心とする円の接線方向を向くように磁化されている。従って永久磁石から発生する磁束と鎖交して推力の発生に寄与するコイルの有効導体部は、コイルの直線部となるように構成されている。
上記の永久磁石としては、単一の永久磁石(ブロック状永久磁石)に1回の着磁作業で、偏平コイルと対向する側の面に一対の磁極(N極及びS極)を形成したものを使用することが可能である。この場合、着磁性のよい永久磁石(保磁力が20KOe以下)の場合は、着磁ヨークの巻線に通常のパルス電流を流すことにより、フル着磁を行うことができる。但し、巻線が小径で大きな着磁電流を流せない場合は、厚さ方向に磁化した一対のブロック状永久磁石(単極磁石)を準備し、これらの磁石を磁化方向が異なるようにバックヨークに固定することにより、磁気回路部を形成することも可能である。この単極磁石を着磁する場合は、着磁ヨークの巻線を太くできるので、大きな着磁電流を流すことが可能である。したがってN極からS極に反転する部分における磁界変化は直線的になり、正確な位置検出を行うことができる。
上記永久磁石としては、公知の永久磁石(例えば希土類磁石)を使用することができるが、コイルに供給する駆動電流(直流電流)を低減しかつ高推力を得るために、希土類・鉄・ボロン系永久磁石で形成することが好ましく、特に45MGOe以上の最大エネルギー積を有する希土類・鉄・ボロン系永久磁石を使用することが好ましい。また各ヨークは磁路となる部材であり、強磁性体、例えばSS材等の鉄鋼材料で形成することができる。
各空芯コイル53a、53b、53cは、光軸方向から見て長円形状(レーストラック状)に巻回されたコイルであり、図2の例では円周方向に沿って等角度間隔(120°間隔)で固定部材3に設置されている。
(VCMの動作)
上記のVCM5の空芯コイル53a、53b又は53cの1つ又は2つ以上に給電すると、フレミングの左手則により、各磁気回路部50a、50b、50cには、光軸方向と垂直な平面において、図6に示すように、光軸(Z軸)に向かう半径方向の推力Fa、Fb、Fcが発生する。各空芯コイルのうち永久磁石の磁束と鎖交する部分(図6にハッチングで示す。)の巻線が推力に寄与する有効導体部である。各コイルに供給する電流を調整することにより、光軸に対して垂直な平面において、任意の方向に推力を発生することができる。
ここで、空芯コイルに供給する電流の極性及び/又は大きさを変えることにより、推力の大きさと向きを調整することができる。例えば図6において、3つの空芯コイルのうち1つのコイルの通電パターンを他のコイルの通電パターンと異なる(電流の大きさは同じで電流の向きを変える)ようにする(コイル53a及びコイル53c流す電流=−I、コイル53bに流す電流=I)ことにより、各VCMの発生推力(光軸から半径方向に向かう)は同じ値(Fa=Fb=Fc)となるが、X方向の推力FxはFcとFbのcos成分の和(Fx=Fc+Fb・cosθ1)となり、Y方向の推力FyはFa及びFbのcos成分の和(Fy=Fa・cosθ2+Fb・cosθ2)となる。したがって、補正レンズをX方向及びY方向に移動することができる。但し、原理的に補正レンズを光軸周り(Z軸方向)に回転制御することはできないが、非撮像時に補正レンズを光軸と同じ位置に支持しておく構造とすれば、実用上不具合が生じることはない。なお、図6において、ハッチングで表示した部分は、空芯コイル53a、53b、53cの有効巻線部(永久磁石から発生する磁束と鎖交して推力に寄与する部分)を示す。
(位置検出手段)
本発明においては、図2〜図4に示すように、永久磁石の磁力により、補正レンズの位置情報を検出してその検出信号を電圧として出力する位置検出手段が固定部材側に設置されている。図2の例では、配線基板4の空芯コイルが設置されている側の面でかつ各コイルの空芯部に対応する位置にホール素子8a、8b、8cが固定されている。すなわち図4に示すように、固定部材3は、永久磁石側の面に空芯コイル53cを支持する凹部30cとコイルの内周面に当接する位置決め段部36cが形成されるとともに、ホール素子8cが収容される貫通穴34cとコイルの端末(始端又は終端)が挿入される切欠き33cが形成される。固定部材3の裏面には、複数のねじ9により配線基板(例えばFPC)4が取付けられる。切欠き33c(図4参照)に挿入されたコイルの端末530cは配線基板4に半田付けされる。また、この他の位置決め段部35a、35b(図2参照)、貫通穴34a、34b(図3参照)及び切欠き33a、33b(図3参照)も図4と同様の形状を有する。なお、図2では、理解を容易にするために、図4の凹部及び位置決め段部は省略されている。
本発明において、磁界検出素子は、固定部材の空芯コイルが取付けられている側の面に固定されていれば、図5に示すように固定することもできる。すなわち固定部材3の永久磁石と対向する側の表面に、空芯コイル53cが支持(戴置)される段部36cを設けかつこの段部の内側に空芯コイル53cの内周面に当接する突起部37cを設けるとともに、空芯コイル53cの空芯部に対応する位置にホール素子8cとコイルの端末530cが収容される溝部39cを設ける。さらに固定部材3の表面に、配線基板4をセットし、ねじ9により固定する。固定部材3の溝部39cにおいて、配線基板4の表面にホール素子8cが固定されるとともに、コイルの端末530cが半田付けされる。また、図示を省略するが、この他の段部36a、36b、突起部37a、37b及び溝部38a、38bも図5と同様の形状を有する。
これらのホール素子により、N極とS極との境界で法線方向(光軸方向)の磁界を測定すると、正弦波状の磁束密度分布となるので、ホール素子と永久磁石とのギャップが狭い場合は、磁束が線形的に変化する領域は補正レンズの最大移動量(1mm程度)よりも狭くなる。これに対して、ホール素子を図4に示すように、配線基板4の一方の面でしかも空芯コイルから遠ざかるように設置することにより、ホール素子と永久磁石との間隔が広がり(1.3mm以上)、磁束密度分布の非線形性が緩和されて、出力電圧は略直線的に変化するので、高精度で可動部(永久磁石)の位置情報を検出することができる。但しギャップが広すぎるとホール素子の出力電圧が低下するので、2.0mm以下が好ましい。従来と同程度の感度を確保するために、出力電圧の増幅度を高めるとともに、さらにノイズフィルタを付加してノイズを除去できるようにした回路構成を採用することが好ましい。
図7に示すように永久磁石52cの磁極境界がホール素子の感磁面の中央80c(原点Sp)に位置する場合は、永久磁石の磁界はゼロなので、ホール素子の出力電圧は略ゼロとなる。ホール素子が原点Spから矢印R1方向又はR2方向に移動すると、ホール素子から移動距離に比例した電圧が出力される。この出力電圧に基づいてホール素子の移動距離が算出されて補正レンズの移動量が求められる。ホール素子の感度中心が磁極境界(極性が反転する位置)に存在すると、出力電圧はゼロであるが、ホール素子がX方向及び/又はY方向に駆動されると、出力電圧は磁束密度に比例して変化するので、この出力電圧を位置指令信号と比較することにより、駆動電流を制御することができる。すなわち図8に示すようにホール素子8(8a、8b、8c)によって検出された位置信号は、制御部17に出力され、位置検出回路18によって所定の倍率に増幅され、次いでジャイロセンサ16a、16bからの角速度が角速度検出回路160で処理されて位置指令信号が生成され、制御回路19にて位置指令信号とホール素子の出力電圧(現在位置信号)との差が演算されて、駆動回路190から目標位置信号と現在位置信号との差に比例した駆動電流がコイルに供給される。
本発明において、磁界検出素子としては、上記の通り、ホール素子のような磁束密度に比例したアナログ信号電圧を出力する(リニア出力)形式の磁気センサを使用することができる。ホール素子の出力電圧は、材料の電子移動度やホール係数に依存し、通常はGaAs、InSb、InAs等のIII−V族化合物からなるN型半導体の薄膜(厚さ数μm)で形成されたホール素子が使用される。本発明では、高精度の位置制御を可能とするために、ホール係数の温度係数が小さい(約−0.06%/℃)GaAsで形成されたホール素子を使用することが好ましい。また化合物系以外でも、Siからなるホール素子を使用し、ホール素子とオペアンプ等の信号処理回路を一体化したホールICを使用することができるが、ホール素子の感度が低いので、ホール素子及びオペアンプのオフセット電圧を低減し、かつ温度補償機能をもつ回路構成とすることが必要である。なお磁界検出素子としては、ホール素子以外にも、磁気抵抗効果を利用したMR素子、磁気インピーダンス効果を利用したMI素子なども使用できるが、コストなども考慮すると、ホール素子が好適である。
本発明においては、ホール素子(4端子)を駆動して、磁束密度に比例した出力電圧を得るために、ホール素子の入力側端子に駆動回路を接続し、ホール素子の出力側端子に差動増幅回路を接続した回路構成とすることができる。ホール素子は定電流又は定電圧で駆動されるが、GaAsホール素子は、定電圧で駆動すると温度特性が悪くなる(約−0.3%/℃)ので、通常は定電流で駆動される。本発明においては、例えば、図9に示すようにホール素子610aの入力側に、非反転入力端子に電源(Vc=基準電圧)が接続されたオペアンプOP1と電流制限抵抗R1からなる定電流駆動回路910を接続して、制御電流Ic=Vc/R1となる定電流動作で駆動することができる。
ホール素子の出力を受ける差動増幅回路911においては、抵抗R3が負帰還接続されたオペアンプOP2と、オペアンプOP2の反転入力端子に接続された抵抗R2及びオペアンプOP2の非反転入力端子に接続された抵抗R2、R3により、ホール素子の出力電圧は差動増幅される。この差動増幅回路のゲインGはR3/(R2+Rout)となるので、R2及びR3を調整することにより、補正レンズの位置を適切な電圧信号として出力することができる。なお、他のホール素子8b及び8cの出力電圧も上記と同様に処理されるので、その説明を省略する。
ホール素子(等価回路は4つのエレメントからなるブリッジ回路で表わされる)においては、各エレメントの抵抗値は製造上の理由などでばらつき、磁界がゼロの場合でも出力電圧がゼロにならず、オフセット電圧(不平衡電圧)が出力される。そこで信号処理回路に、オフセット調整回路(例えば可変抵抗)を付加することにより、オフセット電圧をキャンセルすることができる。
[実験例]
図2に示す手振れ補正ユニット1において、ホール素子8aの表面における法線方向(光軸方向)の磁束密度分布をシミュレーションにより算出した結果を図10に示す。
(解析条件)
空芯コイル:線径1.0mm、220ターン、抵抗:20.3Ω、厚さ(tc)1.06mm、幅(W2=W3)3.8mm、空芯幅(W1−W2−W3)2.0mm
永久磁石:希土類ボロン系焼結磁石(日立金属株式会社製NMX-S49CH)、厚さ(tm)2.0mm、幅(Lm)9.6mm
バックヨーク:SS材、厚さ(ty)1.0mm、幅(Lm)9.6mm
磁気空隙の厚さ(g1):0.3mm
永久磁石とホール素子表面との間隔(g1):0.8〜2.2mm
ストローク(永久磁石52cの原点Spからの移動距離):±1.0mm
図10から、ギャップgが0.8mm(曲線S1)及び1.1mm(曲線S2)の場合は、原点からの距離が0.4mm程度までは磁束密度は略直線的に変化するが、それ以上の距離になると、磁束密度は略直線的に変化せず、出力電圧の直線性が低下することがわかる。ギャップgが1.3mm(曲線S3)、1.5mm(曲線S4)及び1.7mm(曲線S5)の場合は、原点からの距離が1.0mm程度までは磁束密度は略直線的に変化することがわかる。ギャップgが2.0mm(曲線S6)及び2.2mm(曲線S7)の場合も、原点からの距離が1.0mm程度までは磁束密度は略直線的に変化するが、磁束密度が小さいので、出力電圧が低下すると言える。したがって図10から、補正レンズの移動量が光軸から1.0mm以内の場合では、永久磁石とホール素子とのギャップは、1.1mmを超え、2.0mm未満の範囲に設定することが好ましく、1.3mm以上、1.7mm未満の範囲に設定することが好ましいことがわかる。
[第1の実施の形態の効果]
(1)ホール素子をコイルの内側に設けないため、磁石からホール素子までの距離は直進性が長く確保できる領域での設定が可能である。しかもホール素子はコイルから発生する磁界の影響を受けにくく、磁界をキャンセルのための信号補正手段を設ける必要性が低くなる。
(2)ホール素子はコイルの内側に存在しないため、コイルの大きさ(特にコイル内径側の大きさ)はホール素子とは無関係に設定出来ることから、手振れ補正ユニットの小型化が可能となる。
(3)配線基板[例えばフレキシブル配線板(FPC)]の同一面にコイルの端末を半田付けしかつホール素子を配置することが出来るため、基板の片面化が可能になり、もって基板コスト(イニシャル費及び製造コスト)を削減することができる。
(4)コイルの位置決め精度は配線基板の精度には依存しない構造となるため、配線基板の寸法精度の向上や、配線基板を特別な製造工程で製作することなどが不要になり、手振れ補正ユニットの製造コストを削減することができる。
(5)ホール素子の位置精度は配線基板のパターン精度に依存するが、ホール素子を実装後(手振れ補正ユニット組立後)でも、コイル位置を変えることなく、ホール素子と磁石との相対位置を調整可能であるため、手振れ補正ユニットの分解調整などの余分な工数を削減できる。
(6)配線基板は剛性の大なる固定枠に直接機械的に固定可能で、配線基板に高い平坦度、強度が要求されないので、ガラスエポキシ板などの補強板で裏打ちすることが不要になるため、コストダウンが可能になる。また補強板が省略できるので、配線基板のホール素子が実装される面は凹凸が無いフラットな面になるため、通常のメタルマスクによる印刷により実装が可能となるため、特殊なクリームハンダの使用や、ディスペンサなどの専用装置なども排除できることで、実装メーカの選択肢も増えることやコストダウンに繋がる。
<第2の実施の形態>
本発明において、手振れ補正ユニット1は、上記の構成に限らず図11〜14に示す構成とすることができる。図11〜14において、図2〜4と同一機能部分は同一の参照符号で示す。
(可動部材)
可動部材2は、エンジニアリングプラスチック等の非磁性体からなり、円周方向に沿って等角度間隔(120°)をおいて磁石保持部20a、20b、20cが形成された略円環状部材であり、各磁石保持部の中間には、鋼球6a、6b、6cの一部が受容される第1収容溝22a、22b、22cを有する第1保持部21a、21b、21cが形成されている。各第1保持部21a、21b、21cの内部には、Z軸方向に磁化された吸引磁石(不図示)とバッククヨーク70a、70b、70cが埋め込まれており、吸引磁石はバックヨークよりも固定部材3側に位置する。磁石保持部20a、20b、20cには、手振れ補正動作を行わない場合に、補正レンズを所定位置に保持しておくために、例えばリング状の係止部材(図示を省略)の一部を受取るための係止溝24a、24b、24cが形成されている。
(固定部材)
固定部材3は、エンジニアリングプラスチック等の非磁性体からなり、可動部材2の一部が差し込まれるとともに、VCM5a、5b、5cの空芯コイル53a、53b、53cが固定される略円環状部材である。空芯コイル53a、53b、53cを速やかに所定位置に取付けるために、固定部材3は、コイルの空芯部に嵌め込まれる位置決め用段部35a、35b、35cを有する。円周方向に沿って各空芯コイルの中間には、鋼球6a、6b、6cの一部が受容される第2収容溝31a、31b、31cと各第2収容溝の背面側に設けられた第2保持部32a、32b、32cが形成されている。各第2保持部32a、32b、32cの内部には、可動部材2側の吸引磁石とともに、鋼球からなる転動体6a、6b、6cを磁気的に保持するために、各第2収容溝31a、31b、31cの背面側に、Z軸方向(但し可動部材2側の吸引磁石とは逆方向)に磁化された吸引磁石7a、7b、7cが埋め込まれている。固定部材3には、例えばFPCからなる配線基板4が装着され、各空芯コイル53a、53b、53cの端末が接続されるとともに、各磁石部材に対向する位置にホール素子8a、8b、8cが実装されている。各空芯コイルに隣接して、係止部材を押えるためのリング状部材(図示を省略)を支持するためのスペーサ39a、39b、39cが固着されている。
(VCM)
可動部材2及び固定部材3には、補正レンズを光軸と直交する平面内で任意の方向に駆動するために、光軸Z方向から見て、光軸Zを中心として3つのVCM5a、5b、5cを構成するための部材が等角度間隔(120°)で配置されている。各VCMはいずれも同様の構成を有するので、VCM5cについて説明する。VCM5cは、可動部材2に固設された磁石部材50cと、固定部材2に設けられた偏平な空芯コイル53cとを有し、磁石部材により空芯コイルと鎖交する磁界を発生させる。磁石部材50cは、コ字形のヨーク510cと、その内周側にバックヨーク511cを介して固着された永久磁石52cを有する。永久磁石52cは、円周方向の長さが半径方向の幅よりも大であってかつ空芯コイルの円周方向の有効長さと一致し、さらに一対の異極性の磁極が半径方向に沿って並ぶ(磁極境界線が光軸を中心とする円周の接線方向に向く)ように設置されている(図14参照)。しかも、永久磁石52cは、Z軸方向にかつ互いに逆方向に磁化された一対の永久磁石を所定の間隔をおいて配置することにより、磁極が反転する部分において磁束密度に比例した電圧がホール素子から出力電圧されるように構成されている。各空芯コイル53a、53b、53cは、光軸方向から見て長円形状(レーストラック状)に巻回されたコイルであり、円周方向に沿って等角度間隔(120°間隔)で固定部材3に設置されている。したがって、各VCMにより異なる方向の推力が発生するので、各VCMに供給する電流の向きと大きさを調整することにより、各推力を合成した推力は、光軸と垂直な平面で任意の方向に向かうことが可能となる。
上記のVCM5cにおいて、ヨーク510cはコ字形に形成されしかもヨーク510cと永久磁石52cとの間にバックヨーク511cが介装されているので、永久磁石から発生する磁束は、有効に空芯コイル53cと鎖交し、漏洩磁束が少なくなり、もって少ない消費電力で所定の推力を発生できる。
配線基板4は、図13及び図14も参照すると、固定部材3の円筒部300に外装されるリング状の基部41と、そこから光軸と直交する方向に延出する矩形状の支持部42a、42b、42c(ホール素子が実装される磁界検出素子支持部で且つホール素子と永久磁石との相対位置を調整するため位置調整部)からなり、各支持部42a、42b、42cには各々、ホール素子8a、8b、8cが実装される。図13に示すように、支持部42cには空芯コイル53cの端末(始端又は終端)530cが接続される(支持部42a、42bも同様)。補正レンズ15の位置情報を高精度で検出するために、初期状態では光軸方向から見て、各ホール素子8a、8b、8cは感磁面の中央が各永久磁石52a、52b、52cの磁極境界線に一致する位置に設置することが必要となる。この配線基板4によれば、例えば前記支持部42a、42b、42cを光軸と直交する方向(円周の径方向)に調整することにより、各ホール素子8a、8b、8cと各永久磁石52a、52b、52cとの位置関係を個々に調整することができるので、ホール素子の位置決め工数が低減され、手振れ補正ユニットの組立工数を低減することができる。さらに配線基板4を上記の形状とすることにより、平板状の素材から櫛歯状の配線基板を切り出し、支持部42a、42b、42cを直角に折り曲げてから(図14参照)、基部をリング状にまるめて(図13、14参照)、固定部材3に装着すればよいので、素材から配線基板を無駄なく切り出すことができ、配線基板の製作コストを低減することができる。
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態によれば、さらに次の効果を得ることができる。
(1)ホール素子の位置決め工数が低減され、手振れ補正ユニットの組立工数を低減することができる。
(2)素材から配線基板を無駄なく切り出すことができ、配線基板の製作コストを低減することができる。
1:手振れ補正ユニット、
2:可動部材、
20a、20b、20c:磁石保持部、
21a、21b、21c:第1保持部、
22a,22b、22c:第1収容溝、
23a、23b、23c:吸引用バックヨーク、
24a、24b、24c:係止溝、
3:固定部材、
30a、30b、30c:凹部、
31a、31b、31c:第2収容溝、
32a,32b、32c:第2保持部、
33a、33b、33c:切欠き、
34a、34b、34c:貫通穴
35a、35b、35c:位置決め段部、
36a、36b、36c:段部、
37a、37b、37c:突出部、
38a、38b、38c:溝部
39a、39b、39c:ステイ部
300:円筒部、
4:配線基板、41:基部、42a、42b、42c:支持部
5a、5b、5c:VCM、
50a、50b、50c:磁石部材、
51a、51b、51c:ヨーク、
510a、510b、510c:コ字形ヨーク、
511a、511b、511c:バックヨーク
52a、52b、52c:永久磁石、
53a、53b、53c:空芯コイル、
6a、6b、6c:転動体
7a、7b、7c:吸引磁石、70a、70b、70c:バックヨーク
8a、8b、8c:ホール素子、
9:ねじ、
10:カメラ、
11:ボディ、
12:鏡筒、
13:撮像素子、
14:レンズ群、
15:補正レンズ、
16a、16b:ジャイロセンサ
17:制御部
18:位置検出回路、181:定電流回路、182:増幅回路、
160:角速度検出回路、
19:制御回路、
190:駆動回路、

Claims (8)

  1. レンズ鏡筒内に設けられる固定部材と、
    光軸方向から見て前記固定部材に対向するように配置され、補正レンズを支持する可動部材と、
    磁石部材と空芯コイルを含み、前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動させる、円周方向に沿って等角度間隔で配置された複数のボイスコイルモータと、
    前記可動部材の位置を検出するために前記固定部材に設置された磁界検出素子とを備え、
    前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動するようにした手振れ補正ユニットにおいて、
    前記可動部材は、ヨークと半径方向に一対の磁極が並ぶ永久磁石からなる前記磁石部材を有し、
    前記固定部材は、前記永久磁石に対向して前記空芯コイルを支持するコイル支持部と、光軸方向において前記空芯コイルよりも前記永久磁石から遠ざかる位置でかつ前記補正レンズの可動範囲において出力電圧が直線的に変化する位置に前記磁界検出素子が存在する凹部を有し、
    前記固定部材に前記磁界検出素子が実装される配線基板が固定されることを特徴とする手振れ補正ユニット。
  2. 前記コイル支持部はコイル内周面に当接する位置決め段部を有することを特徴とする請求項1に記載の手振れ補正ユニット。
  3. 前記配線基板は、前記固定部材の前記磁石部材と反対側の面に固定されるとともに、前記固定部材は前記空芯コイルの端末を前記配線基板に半田付けするための空孔を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の手振れ補正ユニット。
  4. 前記配線基板は、前記固定部材の前記磁石部材と対向する側の面に固定されるとともに、前記固定部材に形成された凹部は前記空芯コイルの端末が前記配線基板に半田付けされるための大きさをもつことを特徴とする請求項1又は2に記載の手振れ補正ユニット。
  5. 前記磁界検出素子は、光軸を中心として120°の角度間隔で前記固定部材に固定されたホール素子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の手振れ補正ユニット。
  6. 前記永久磁石は、厚さ方向に磁化された一対の永久磁石を異極性の磁極が前記空芯コイルに対向するように組み合わされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の手振れ補正ユニット。
  7. レンズ鏡筒内に設けられる固定部材と、
    光軸方向から見て前記固定部材に対向するように配置され、補正レンズを支持する可動部材と、
    磁石部材と空芯コイルを含み、前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動させる、円周方向に沿って等角度間隔で配置された複数のボイスコイルモータと、
    前記可動部材の位置を検出するために前記固定部材に設置された磁界検出素子とを備え、
    前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動するようにした手振れ補正ユニットにおいて、
    前記可動部材は、ヨークと半径方向に一対の磁極が並ぶ永久磁石からなる前記磁石部材を有し、
    前記固定部材は、前記可動部材の一部が差し込まれる円筒部と、前記永久磁石に対向して前記空芯コイルを支持するコイル支持部と、光軸方向において前記空芯コイルよりも前記永久磁石から遠ざかる位置でかつ前記補正レンズの可動範囲において出力電圧が直線的に変化する位置に前記磁界検出素子が保持された配線基板を有し、
    前記配線基板は、前記円筒部に外装される基部と、そこから放射状に伸びて前記磁界検出素子が実装される支持部を有することを特徴とする手振れ補正ユニット。
  8. レンズ鏡筒内に設けられる固定部材と、
    光軸方向から見て前記固定部材に対向するように配置され、補正レンズを支持する可動部材と、
    ヨークと永久磁石からなる磁石部材と空芯コイルを含み、前記可動部材を光軸と直交する平面内で移動させる複数のボイスコイルモータと、
    配線基板に実装されて前記可動部材の位置を検出する磁界検出素子と、を備えた手振れ補正ユニットにおいて、
    前記配線基板は、光軸方向において前記空芯コイルよりも前記永久磁石から遠ざかる位置に前記磁界検出素子が実装される磁界検出素子支持部と、光軸方向から見て前記磁界検出素子とそれに対向する前記永久磁石との相対位置関係が個別に調整可能な位置調整部を有し、
    前記補正レンズの可動範囲において前記磁界検出素子の出力電圧が直線的に変化することを特徴とする手振れ補正ユニット。
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