JP6676511B2 - カウンターの取付構造 - Google Patents
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Description
ところで、カウンターを浴室の壁面に着脱可能に取り付けたカウンターの取付構造も提案されているが、その強度を確保するためには、カウンターを壁面に沿った上下方向にスライドさせて着脱嵌合できるようにしていた。
しかも、一般的に浴室のカウンターは合成樹脂の射出成形等で成形されるが、射出成型時に金型の型ずれによって意図しないパーティングラインが形成されることがあった。このパーティングラインがカウンターの壁面に対向する面に形成されていると、取り付け時に壁面を擦過して傷つけることがあった。
本発明によれば、カウンターを浴室の壁面に設けた支持部材の係止部に対して装着する際、壁面に沿ってカウンターの係合部を支持部材の係止部にスライドさせて嵌合するとカウンターにおいて壁面側に突出する当接部が壁面に接触して傷をつけることがあるが、その場合でもカウンターの当接部から頂部までの長さMがスライド距離Lより大きいため、壁面の傷は装着されたカウンターの背面に隠れて目視できない。
浴室の壁面に対向するカウンターの当接部は壁面との間に間隙があるため、カウンターの係合部を支持部材の係止部に挿脱する際に壁面に沿ってスライドさせても壁面に当接したり傷つけりすることを防止できる。
図1乃至図11は第一実施形態による浴室Sのカウンター1の取付構造を示している。図1に示す浴室Sは底面に床パネルからなる洗い場2と浴槽3を設置し、底面を囲う四面の側壁において、正面の第1壁面4とその両側側壁をなす第2壁面5、第3壁面6とを備え、第1壁面4に対向する開口を有する第4壁面の図示は省略されている。側壁の上部に図示しない天井パネルを備えている。
浴室Sの正面の第1壁面4には浴槽3に隣接してカウンター1が着脱可能に設定されている。カウンター1の上部にはシャワー10が設置され、シャワー10のホース取付部には湯量と湯の温度を調整するハンドル等が取り付けられている。
天板8と底板9は例えばそれぞれ凹陥部形状を有しており、互いに嵌合した状態で内部に中空部を有する。また、天板8と底板9はその一方を凹陥部形状とし、他方を略蓋状に形成してもよく、いずれにしても嵌合状態で中空部を有していることが好ましい。或いは、天板8と底板9の両方を略板状に形成してもよい。
カウンター1は第1壁面4に所定間隔で固定された1または複数、例えば3基のブラケット7上に支持されている。カウンター1の一方の側部は浴槽3のエプロン3aに設けた受け部(図示せず)に当接させられ、他方の側部は図4に示すように第2壁面5に設けたステー部11との間にわずかな間隙が形成されている。図4において、ステー部11上の間隙にロックスペーサ13を嵌合することでカウンター1は位置決め保持される。
図2〜図8に示すように、カウンター1は天板8と底板9とが互いに嵌合して形成されている。天板8は物品を載置可能な載置面8aが第1壁面4側から洗い場2に臨む前側縁部15に向けて緩い水勾配を有する略水平面を形成している。
天板8の載置面8aは、図1及び図5に示すように、上面から見て第1壁面4側の奥側縁部16が第1壁面4に沿って直線状に延び、奥側縁部16に対向する前側縁部15が略S字状を描くように形成され、奥行き方向の幅が長手方向に沿って曲線状に変化している。カウンター1の両側部の側部縁部17a、17bは平行な直線状に形成されている。図5に示す例では、カウンター1は第2壁面5側の部分が幅広に形成されて物品等の載置面積を確保し、浴槽3側に向かう部分が次第に幅が小さくなる幅狭部に形成され、入浴者の浴槽3からの出入り空間を大きくしている。また、シャワー10に近づき易くなるため全身シャワーを行いやすい。
図5及び図6に示すように、天板8の裏面に形成された底板9はその前側縁部15に沿って凸曲部9aが裏面に形成されている。凸曲部9aは前側縁部15に沿ってS字状に湾曲して延びて形成されており、全長に亘って同一高さであることが好ましい。図6及び図7に示すように、凸曲部9aはその前面側が断面凸曲線状をなす凸曲面9bに形成され、裏面側は断面凹曲線状をなす凹曲面9cに形成されている。しかも凹曲面9cは急峻に立ち上がっている。
そのため、凸曲部9aは手の平で凸曲面9bと凹曲面9cを把持し易く、例えばカウンター1をブラケット7から外す際に凸曲部9aを掴み易い。
図6に示すように、突起部18の背面側にはカウンター1をブラケット7に係合するためのロック片19が突出して形成されている。ロック片19は例えば断面略逆U字状の突出部材であり、第1壁面4へのブラケット7の固定位置に対応して所定間隔で複数、例えば3個設置されている。
図8(a)、(b)は図7のB部、C部の拡大図である。底板9の外周面部21は天板8の前側縁部15と奥側縁部16と側部縁部17a、17bの内側に嵌合され、しかも天板8の第一段付き部20と底板9の第二段付き部22とが接着剤23によって全周に亘って接着・シールされている。或いは、第一段付き部20と第二段付き部22は接着剤に代えてパッキン等のシール部材を介して全周に亘ってシールされて嵌合されていてもよい。
図9は浴室Sの第1壁面4にねじ等で固定されるブラケット7であり、ブラケット7は側面視略L字状に形成されている。ブラケット7は上下に延びるブラケット本体7aの下端部にカウンター1の底板9に形成された突起部18を受ける第一係止溝25が断面略U字状に形成されている。第一係止溝25はカウンター1の突起部18の当接面がその溝方向に沿って上方に向けて凸曲面状に形成されていることが好ましい。
図10に示すように、所定間隔で設置された複数のブラケット7の上下に設けた第一係止溝25と第二係止溝28に対して、カウンター1の突起部18と係合部14がスライドするように直線状に連続してそれぞれ形成されている。これに対して、カウンター1の背面に設けられたロック片19はブラケット7に対応して複数個形成され、スライドするカウンター1はロック片19がブラケット7の係止受け部26に圧接されてストッパー部26aに当接することで位置決めされる。
ブラケット7の嵌め込み部材27は第二係止溝28の内側に略凸曲面状の隆起部27bを備えており、カウンター1の係合部14を第二係止溝28に嵌合する際に、係合部14が隆起部27bを乗り越えて第二係止溝28の入口である係り始め部に誘導される。
この場合、パーティングラインは例えば奥側縁部16の背面部16cと段差部16aとの角部である当接部16bに生じ易い。パーティングラインがなくても、カウンター1の反りや変形等によって当接部16bが第1壁面4側に最も突出していることがある。
本実施形態によるカウンター1の取付構造では、図11(a)において、カウンター1の係合部14の先端がブラケット7の第二係止溝28に係り始める当接受け部27aの上端入口にある点を基準として、当接部16bが降下して第二係止溝28に嵌合する(図11(b)の位置)までの距離をカウンター1のスライド距離Lとする。また、奥側縁部16の当接部16bから頂部までの高さをMとする。スライド距離Lが高さMより大きい場合には第1壁面4に生じた当接部16bの傷を目視可能であるが、スライド距離Lが高さMより小さい場合には第1壁面4に生じた傷はカウンター1の奥側縁部16に隠れて見えない。
当接部16bからの高さM>スライド距離L …(1)
に設定した。なお、当接部16bのスライドの始点をブラケット7の当接受け部27aより高い位置または低い位置にとったとしてもスライド距離Lが変化するので同様の結果を生じるが、スライド距離Lが長くなるとカウンター1の当接部16bから頂部までの高さMを超えてしまうので第1壁面4上の傷を隠しきれなくなる欠点が生じる。
なお、本実施形態においては、図7に示すようにカウンター1の突起部18がブラケット7の第一係止溝25に着座した状態で奥側縁部16の係合部14と段差部16aは第二係止溝28と当接受け部27aに対して所定の間隙が形成されているが、当接していてもよい。
先ず、浴室Sの第1壁面4に複数のブラケット7をねじ等で所定間隔に平行に固定する。カウンター1を第2壁面5側に寄せて第1壁面4側に押し込んだ後に下方にスライドすることで、図7に示すようにカウンター1の奥側縁部16の下方に設けた突起部18を各ブラケット7の第一係止溝25に嵌合すると共に奥側縁部16の係合部を第二係止溝28に嵌合させる。このとき、奥側縁部16の当接部16bが第1壁面4に接触し擦過して傷つける可能性があるが、この点については後述する。
そして、カウンター1を浴槽3側にスライドさせると、図10に示すように、カウンター1は下端部の突起部18がブラケット7の第一係止溝25に沿ってスライドし、上端部の奥側縁部16の係合部14が第二係止溝28に沿って水平方向にスライドする。カウンター1の背面に設けたロック片19もスライドして、ブラケット本体7aの係止受け部26の下側に挿入されて互いに当接される。
なお、カウンター1を第1壁面4から取り外すには、上述の動作と逆の動作をすればよい。取り外した状態で、カウンター1を丸洗い洗浄等できる。
また、カウンター1を上述の動作と逆の手順で移動させることで取り外しができる。取り外したカウンター1は汚れやカビ等が付着していても丸洗い洗浄することができる。しかも、カウンター1は、カウンター1の天板8と底板9とが全周に亘って第一段付き部20と第二段付き部22とで接着剤23によって水密に固着され、しかも内部が中空であるため軽量である。そのため、カウンター1の着脱動作と洗浄作業が容易である。
しかも、ブラケット7の上端部の第二係止溝28にカウンター1の奥側縁部16に設けた係合部14を挿脱する際、奥側縁部16の最も突出する当接部16bが第1壁面4側に傷をつけたとしても奥側縁部16の裏側に隠れるため露出せず、外観上の見栄えを損なうことがない。
この場合でも、奥側縁部16の当接部16bから頂部までの高さMが係り始めからのスライド距離Lより大きければ、第1壁面4に生じる傷は露出しない。
図13に示す第二実施形態において、カウンター1の奥側縁部16は係合部14がブラケット7の第二係止溝28内に嵌合した状態で、背面部16cと第1壁面4との間にわずかな間隙tが形成されている。
そのため、本第二実施形態では、カウンター1をブラケット7に着脱する場合、奥側縁部16の係合部14がブラケット7の第二係止溝28に対する係り始めから第二係止溝28内に嵌合するまでの間、第1壁面4を擦過して傷をつけることを防止できる。
1 カウンター
3 浴槽
4 第1壁面
5 第2壁面
7 ブラケット
8 天板
8a 載置面
9 底板
9a 凸曲部
9b 凸曲面
9c 凹曲面
14 係合部
15 前側縁部
16 奥側縁部
16a 段差部
16b 当接部
18 突起部
19 ロック片
23 接着剤
25 第一係止溝
26 係止受け部
28 第二係止溝
t 間隙
Claims (2)
- 浴室の壁面に取り付けた支持部材と、前記支持部材に着脱可能に装着したカウンターとを備えたカウンターの取付構造であって、
前記支持部材に設けられた係止部と、
前記カウンターに設けられていて前記壁面に沿ってスライドして前記係止部に嵌合可能な係合部と、
前記カウンターの前記壁面に対向する面に形成されていて前記壁面に接触可能な当接部とが設けられ、
前記カウンターの係合部の先端が前記支持部材の係止部に係り始める当接受け部の上端入り口にある点を基準として、前記係合部が降下して前記係止部に嵌合するまでの距離をスライド距離をLとし、前記カウンターの当接部から前記壁面に沿った頂部までの長さをMとして、長さMはスライド距離Lより大きく形成されていることを特徴とするカウンターの取付構造。 - 浴室の壁面に取り付けた支持部材と、前記支持部材に着脱可能に装着したカウンターとを備えたカウンターの取付構造であって、
前記支持部材に設けられた係止部と、
前記カウンターに設けられていて前記壁面に沿ってスライドして前記係止部に嵌合可能な係合部と、が設けられ、
前記カウンターの係合部が前記支持部材の係止部に嵌合された位置で、前記カウンターの背面部と前記壁面との間に間隙が形成され、
前記カウンターの係合部の先端が前記支持部材の係止部に係り始める当接受け部の上端入り口にある点を基準として、前記係合部が降下して前記係止部に嵌合するまでの距離をスライド距離をLとし、前記カウンターの前記壁面に対向する面の下端から前記壁面に沿った頂部までの長さをMとして、長さMはスライド距離Lより大きく形成されていることを特徴とするカウンターの取付構造。
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JP2016192862A JP6676511B2 (ja) | 2016-09-30 | 2016-09-30 | カウンターの取付構造 |
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