以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る洗濯乾燥機の斜視図である。図2は、図1に示される洗濯乾燥機の正面図である。図1及び図2に示す本実施形態に係る洗濯機1は、縦軸形であり、洗濯処理機能と乾燥処理機能を備えた洗濯乾燥機である。なお、本実施形態では、衣類処理装置として縦軸型の洗濯乾燥機を例示して説明するが、衣類処理装置は、乾燥処理機能を備えない縦軸型の洗濯機や洗濯処理機能を備えない縦軸型の乾燥機であってもよく、また、ドラム式の洗濯機や洗濯機乾燥機や乾燥機であってもよい。
図1において、外箱2は矩形箱状をなしていて、この外箱2と、当該外箱2の上部に装着されたトップカバー3とにより、洗濯乾燥機の外殻が形成されている。外箱2の下面には脚部4が設けられている。外箱2の内部には、水槽5と、この水槽5内に配設された回転槽6とが設けられている。
これら水槽5と回転槽6は、共に有底円筒状をなしていて、それぞれの軸中心線が上下方向に指向する縦軸状に配置されている。水槽5は、吊り棒7aを主体とする弾性吊持機構7を介して外箱2に弾性的に吊持されている。水槽5は、貯水が可能な構成となっている。
回転槽6の底部6aは、プラスチックにより形成された主底部と鋼板製の底板部とから椀状に形成されている。この底部6aの上部には円筒状の胴部6bが連結されている。この胴部6bはステンレス鋼板などの金属板により円筒状に形成されており、周壁部に多数の孔部8を有している。
回転槽6内には、図示しない洗濯物が収容される。回転槽6は、洗い時には洗濯槽として、脱水時には脱水槽として、そして乾燥時には乾燥槽として機能する。回転槽6は縦軸状の回転中心軸を回転中心として回転可能である。
回転槽6内の底部6aの内部には撹拌体10が回転可能に配設されている。この撹拌体10の裏面にはポンプ羽根10aが形成されている。又、撹拌体10と回転槽6の底部6aとの間はポンプ室10bを構成している。
前記水槽5の底部6aには、排水口5aが形成されており、この排水口5aには、排水弁11及び排水管12が接続されている。さらに水槽5には、排水口5aに連通して水位検知用のエアトラップ5bが形成されている。
水槽5の外底部にはモータ13が配設されている。このモータ13はアウターロータ形であり、モータ13の内部にクラッチ14が配設されている。クラッチ14は、撹拌体10に連結された撹拌軸10cと回転槽6に連結された回転軸6cとを一体的に回転させる場合(回転槽・撹拌体連結モード)と、回転軸6cは固定して撹拌軸10cのみを回転させる場合(撹拌体モード)とを切り替える構成となっている。また、クラッチ14は、前記排水弁11と共通の駆動源であるクラッチモータ(不図示)の動作によって排水弁11の開閉と連動する。
水槽5の上面には、環状をなす槽カバー18が設けられていて、この槽カバー18に、二つ折りの内蓋19が開閉可能に設けられている。内蓋19は、回転槽6の上面開口部の上方に位置しており、透視可能である。
上記トップカバー3には、内蓋19の上方に位置させて、回転槽6に対して洗濯物を出し入れするための洗濯物出入口20(図2参照)が形成されているとともに、この洗濯物出入口20を開閉する二つ折りの蓋21が設けられている。この蓋21も透視可能であり、前記内蓋19及び当該蓋21を閉じた状態でも、回転槽6内部を視認できるようになっている。
トップカバー3の後部には、乾燥用の温風供給装置22(乾燥手段)が配設されている。この温風供給装置22は、機外の空気を吸い込んで吐出部22aから回転槽6内に吐出するファン23(図4参照)と、回転槽6内に吐出する空気を加熱するヒータ24(図4参照)などを備えて構成されている。前記ファン23及びヒータ24により生成された温風は、前記吐出部22aから主に回転槽6内に供給された後、孔部8を通して、回転槽6と水槽5との間にも供給される。そして、水槽5内の温風は、詳しい温風経路は図示しないが、水槽5の側壁に形成された排出ダクト(図示せず)から外部に出て、一部は回転槽6内に戻され、残りは機外に排出されるようになっている。
トップカバー3の前部の上面には、図3に示す操作パネル25が設けられている。この操作パネル25には、それぞれ使用者により操作される操作入力部として機能するものである。具体的には、電源の入りスイッチ26、切りスイッチ27、スタートと一時停止を兼ねるスタートスイッチ28、全自動コースのうち洗濯コースを選択するための洗濯コース選択スイッチ29、洗濯・乾燥コースを選択するための洗乾コース選択スイッチ30、乾燥コースを選択するための乾燥コース選択スイッチ31、洗い運転の実行時間などを設定するための洗い運転設定スイッチ32、すすぎ回数などを選択するためのすすぎ運転設定スイッチ33、脱水時間などを設定するための脱水運転設定スイッチ34、水流の強さを5段階で設定するための水流設定スイッチ35、水位を設定するための水位設定スイッチ36、風呂水を使用するか否かを設定するための風呂水スイッチ37が設けられている。
また、この操作パネル25には、各種選択、設定内容、運転状況などを表示する第1表示部41と、後述する繊維製品の取り扱いに関する表示記号を表示する第2表示部42とが設けられている。前記スタートスイッチ28は、運転停止状態でオン操作されると、運転スタートスイッチとして機能し、運転状態でオン操作されると一時停止スイッチとして機能する。
電気的構成を示す図4において、制御装置46は、マイクロコンピュータを主体に構成されたもので、洗濯機の作動全般を制御する制御手段として機能するようになっている。この制御装置46には、入力側の機器として、前記各スイッチ26〜37、水槽5内の水位を検知する水位センサ47、蓋21の開閉(開放と閉鎖)を検知する蓋開閉センサ48、モータ13の回転速度を検知する回転センサ49、モータ13に流れる電流を検知する電流センサ55が接続されている。
制御装置46は、上記入力側の機器からの各入力信号、並びにメモリ46aに予め記憶された制御プログラムに基づいて、出力側の機器である、前記第1表示部41、前記第2表示部42、前記モータ13、回転槽6内へ給水するための給水弁50、前記排水弁11及びクラッチ14を作動させるクラッチモータ15、前記ファン23、前記ヒータ24、風呂水ポンプ52、報知用のブザー53を、それぞれ駆動回路54を介して制御するようになっている。なお、この駆動回路54は夫々対応する機器の駆動回路を総称している。
本実施形態の洗濯機1は、洗濯コース(洗濯運転)、乾燥コース(乾燥運転)、及び洗濯・乾燥コース(洗濯・乾燥運転)が全自動コースとして設定されている。
洗濯コースは、洗い行程とすすぎ行程とを行う洗濯処理と、脱水行程を行う脱水処理とを順に実行するコースである。
洗濯機1では、洗い行程、すすぎ行程、及び脱水行程の行程内容が異なり回転槽6に収容された衣類に与える機械力(負荷)が異なる複数種類の洗濯コースが設定されており、例えば、図5に示すような、「標準」、「つけおき」、「スピーディ」、「メモリ」、「デリケート」、「毛布」の6つの洗濯コースが設定されている。
「標準」コースは、洗い行程の行程内容として水流が「3」で洗い時間が「8分」に設定され、すすぎ行程の行程内容として水流が「3」ですすぎ回数が「2回」に設定され、脱水行程の行程内容として脱水時間が「7分」に設定されるコースである。なお、水流は、強弱を5段階に設定することができ、「1」が最も良く、「5」が最も強い。
「つけおき」コースは、洗い行程の行程内容として水流が「3」で洗い時間が「60分」に設定され、すすぎ行程の行程内容として水流が「3」ですすぎ回数が「4回」に設定され、脱水行程の行程内容として脱水時間が「9分」に設定されるコースである。
「スピーディ」コースは、洗い行程の行程内容として水流が「2」で洗い時間が「5分」に設定され、すすぎ行程の行程内容として水流が「2」ですすぎ回数が「1回」に設定され、脱水行程の行程内容として脱水時間が「5分」に設定されるコースである。
「メモリ」コースは、予め使用者が設定した行程内容(洗い時間、洗いの水流の強さ、すすぎ回数、すすぎの水流の強さ、脱水時間等)を実施するコースである。
なお、「標準」、「つけおき」、「スピーディ」、「メモリ」の各コースは、洗い行程において水流の強度と洗い時間を、すすぎ行程において水流の強度とすすぎ回数を、脱水行程において脱水時間を変更することで各行程の運転強度(負荷)を変更することができ、その他の条件(例えば、洗い行程及びすすぎ行程における撹拌体10を回転・停止する時間や、脱水行程における回転槽6の回転速度など)が各コースの間で同一に設定されている。
「デリケート」コースは、洗い行程の行程内容として「デリケート洗い」で洗い時間が「7分」に設定され、すすぎ行程の行程内容として「デリケートすすぎ」ですすぎ回数「2回」に設定され、脱水行程の行程内容として「デリケート脱水」で脱水時間が「5分」に設定される。ここで、「デリケート洗い」及び「デリケートすすぎ」は、他のコースで行われる洗い行程やすすぎ行程に比べて撹拌体10の回転時間が短く衣類に与える機械力が小さい行程となっている。また、「デリケート脱水」は、他のコースで行われる脱水行程に比べて回転槽6の回転数が低く衣類に与える機械力が小さい行程となっている。
「毛布」コースは、洗い行程の行程内容として洗い時間が「12分」に設定され、すすぎ行程の行程内容としてすすぎ回数が「2回」に設定され、脱水行程の行程内容として脱水時間が「7分」に設定されるコースである。なお、「毛布」コースの脱水行程は、「標準」、「つけおき」、「スピーディ」及び「メモリ」の脱水行程と脱水時間以外の条件は同一に設定されているが、「毛布」コースの洗い行程及びすすぎ行程は、撹拌体10の回転・停止時間等の条件が他のコースと異なっている。
乾燥コースは、乾燥処理(乾燥行程)を実行するコースであり、該乾燥処理で実行される乾燥行程の行程内容が異なる複数種類のコースが設定されており、例えば、「標準(強)」、「標準(弱)」、「念入り」、「アイロン」、「タイマー(30分)」、「そのまま」の6つの乾燥コースが設定されている。乾燥コースのうち、「標準(強)」、「念入り」及び「アイロン」は、排気温度が60℃より高温となる高温乾燥を行い、「標準(弱)」、「タイマー(30分)」及び「そのまま」は、排気温度が60℃以下となる低温乾燥を行う。
洗濯・乾燥コースは、洗濯処理(洗い行程及びすすぎ行程)、脱水処理(脱水行程)、及び乾燥処理(乾燥行程)を順に実行するコースであり、上記した洗濯コースと乾燥コースとを組み合わせて設定されるコースである。
洗濯機1では、上記した全自動コース以外にも、洗い行程やすすぎ行程における水流の強弱や、洗い行程や脱水行程の実行時間や、すすぎ行程の繰り返し回数などを変更して各行程において運転強度(衣類に与える機械力)を使用者が任意に設定するマニュアル運転も設定することができる。
このような洗濯機1では、洗濯機1で実行する処理とその処理で行う行程内容が、JIS L 0001:2014に規定された繊維製品の取扱いに関する表示記号(以下、単に「表示記号」ということもある)に対応付けて制御装置46に設けられたメモリ46aに記憶されている。なお、以下に述べる「記号番号」とは、JIS L 0001:2014において表示記号毎に規定された番号をいう。
具体的には、図6(a)に例示するように、記号番号140,130,141,131,142,132,110,100の複数の洗濯処理記号M140,M130,M141,M131,M142,M132,M110,M100からなる洗濯処理記号群MAが洗濯処理に対応付けてメモリ46aに記憶されている。
洗濯処理で実行する洗い行程及びすすぎ行程の行程内容は、その行程内容が回転槽6に収容された衣類に与える機械力に対応する1又は複数の洗濯処理記号が洗濯処理記号群MAから選ばれ、選ばれた洗濯処理記号と対応付けてメモリ46aに記憶されている。
洗濯処理記号M140は、洗濯処理記号M141、M142、M110よりも衣類に与える機械力(負荷)の強い行程内容に対応付けられ、洗濯処理記号M140,M141,M142,M110の順で漸次弱い行程内容に対応付けられている。洗濯処理記号M130は、洗濯処理記号M130、M131、M132よりも衣類に与える機械力の強い行程内容に対応付けられ、洗濯処理機構M130,M131,M132の順で漸次弱い行程内容に対応付けられている。また、洗濯処理記号M140、M141、M142、M110は、洗濯処理記号M130、M131、M132より高温の洗濯水による洗い行程及びすすぎ行程に対応付けられている。
例えば、洗い行程及びすすぎ行程の水流が「1」に設定された場合、図7(a)に示すように、洗濯処理で実行する洗い行程及びすすぎ行程の行程内容に表示記号が対応付けられている。
すなわち、洗い行程の時間(洗い時間)が0〜6分、すすぎ回数が2回以下に設定された行程内容には、2つの洗濯処理記号M142,M132が対応付けられている。
洗い行程の時間が7〜10分ですすぎ回数が3回以下に設定された行程内容、洗い行程の時間が1〜9分ですすぎ回数が3回に設定された行程内容、及び、洗い行程の時間が1〜8分ですすぎ回数が4回に設定された行程内容には、洗濯処理記号M141,M131が対応付けられている。
洗い行程の時間が11〜12分ですすぎ回数が2回以下に設定された行程内容、洗い行程の時間が10〜12分ですすぎ回数が3回に設定された行程内容、及び、洗い行程の時間が9〜12分ですすぎ回数が4回に設定された行程内容には、洗濯処理記号M140,M130が対応付けられている。
洗い行程及びすすぎ行程の水流が「2」〜「5」に設定された場合は、図7(b)〜(e)に示すように、水流が「1」の場合と同様、洗い行程の洗い時間とすすぎ行程のすすぎ回数の組合せに応じて洗濯処理記号が対応付けられている。
洗濯コースの「デリケート」で設定される「デリケート洗い」及び「デリケートすすぎ」には、洗い時間やすすぎ回数に関わらず洗濯処理記号M110が対応付けられている。
洗濯コースの「毛布」で設定される洗い行程及びすすぎ行程には、洗い時間やすすぎ回数に関わらず洗濯処理記号M142、M132が対応付けられている。
なお、この例では、洗い時間、すすぎ回数、及び水流強さに基づいて洗濯処理記号群MAから対応する洗濯処理記号を設定する場合について説明するが、洗い時間、すすぎ回数、及び水流強さの少なくともいずれか1つに基づいて洗濯処理記号を設定してもよく、また、風呂水の使用の有無やすすぎ行程の種類(溜めすすぎ、シャワーすすぎ)などに基づいて洗濯処理記号を設定してもよい。
脱水処理には、図6(b)に例示するように、記号番号440,445,430,435,420,425,410,415の複数の脱水処理記号M440,M445,M430,M435,M420,M425,M410,M415からなる脱水処理記号群MBが対応付けてメモリ46aに記憶されている。
脱水処理で実行する脱水行程の行程内容は、その行程内容が回転槽6に収容された衣類に与える機械力に対応する1又は複数の脱水処理記号が脱水処理記号群MBから選ばれ、選ばれた脱水処理記号と対応付けてメモリ46aに記憶されている。
脱水処理記号M440は、脱水処理記号M420,M430,M410よりも衣類に与える機械力の強い行程内容に対応付けられ、脱水処理記号M440,M420,M430,M410の順で漸次弱い行程内容に対応付けられている。脱水処理記号M445は、脱水処理記号M425、M435、M415よりも衣類に与える機械力の強い行程内容に対応付けられ、洗濯処理記号M445、M425、M435、M415の順で漸次弱い行程内容に対応付けられている。
例えば、図8に示すように、脱水行程の実行時間(脱水時間)が1〜4分の場合、脱水処理記号M420,M425が対応付けられ、脱水行程の実行時間(脱水時間)が5〜9分の場合、脱水処理記号M440,M445が対応付けられ、洗濯コースの「デリケート」で設定される「デリケート脱水」の場合、脱水処理記号M410,M415が対応付けられる。
なお、この例では、脱水時間及び脱水時の回転槽6の回転数に基づいて脱水処理記号群MBから対応する脱水処理記号を設定する場合について説明するが、脱水時間又は脱水時の回転槽6の回転数のいずれか1つに基づいて洗濯処理記号を設定してもよい。
乾燥処理には、図6(c)に例示するように、記号番号320,310,300の複数のタンブル乾燥処理記号M320,M310,M300からなるタンブル乾燥処理記号群MCが対応付けてメモリ46aに記憶されている。
乾燥処理で実行する乾燥行程の内容は、その行程内容が回転槽6に収容された衣類に与える機械力に対応する1又は複数の脱水処理記号がタンブル乾燥処理記号群MCから選ばれ、選ばれたタンブル乾燥処理記号と対応付けてメモリ46aに記憶されている。
タンブル乾燥処理記号M320は、タンブル乾燥処理記号M310,M300よりも衣類に与える機械力が強い行程内容に対応付けられ、タンブル乾燥処理記号M320,M310,M300の順で漸次弱い行程内容に対応付けられている。なお、タンブル乾燥処理記号M300はタンブル乾燥処理ができないことを示す記号である。
例えば、図9に示すように、前記低温乾燥を行う「標準(弱)」、「タイマー(30分)」、及び「そのまま」の乾燥コースに対してタンブル乾燥処理記号M310が対応付けられ、前記高温乾燥を行う「標準(強)」、「念入り」、及び「アイロン」の乾燥コースに対してタンブル乾燥処理装置M320が対応付けられている。
なお、洗濯処理記号群、脱水処理記号群、及び乾燥処理記号群を構成する洗濯処理記号、脱水処理記号、及び乾燥処理記号は、JIS L 0001:2014に規定された全ての表示記号であっても、その一部の表示記号であってもよい。
次に、上記構成の洗濯機1の代表的な動作について説明する。
まず、電源入りスイッチ26が押圧操作された電源投入時の初期状態では、制御装置46は、予め定められたコースを設定するとともに、設定したコースにおいて実行する行程の内容を予め定められた所定の行程内容に設定する。
この例では、電源投入直後時の初期状態において、制御装置46は、洗濯コースの「標準」コースを設定し、設定したコースと当該コースにおいて実行する各処理の行程内容を第1表示部41に表示する(図3参照)。これに加えて、制御装置46は、設定したコース(ここでは、「標準」コース)において実行する処理の行程内容に対応する表示記号と、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する表示記号とをメモリ46aから取得し、取得した表示記号を第2表示部42に表示する。
具体的には、洗濯コースの「標準」の洗濯処理で実行される洗い行程及びすすぎ行程の行程内容(洗い行程の行程内容:水流「3」、洗い時間「8分」、すすぎ行程の行程内容:水流「3」、すすぎ回数「2回」)に対応する表示記号として、制御装置46は、洗濯処理(洗い行程及びすすぎ行程)に対応付けられた洗濯処理記号群から、当該行程内容に対応する2つの洗濯処理記号M141,M131を取得する(図7(c)参照)。
また、「標準」コースの脱水処理で実行される脱水行程の行程内容(脱水時間「7分」)に対応する表示記号として、制御装置46は、脱水処理に対応付けられ脱水処理記号群MBから、当該行程内容に対応する2つの脱水処理記号M440,M445を取得する(図8参照)。
つまり、洗濯コースの「標準」コースが設定されると、制御装置46は、このコースに対応付けられた表示記号として洗濯処理記号M141,M131と脱水処理記号M440,M445とをメモリ46aから取得する(図5参照)。
更に、制御装置46は、「標準」コースにおいて実行する洗濯処理及び脱水処理の行程内容より衣類に与える機械力(負荷)が大きく運転強度の強い行程内容に対応付けられた表示記号も合わせて洗濯処理記号群及び脱水処理記号群から取得する。言い換えれば、制御装置46は、洗濯処理記号群及び脱水処理記号群の中から「標準」コースに対応する表示記号よりも衣類に与える機械力(負荷)が大きい処理を表す表示記号、ここでは洗濯処理記号M140,M130も合わせて取得する(図5参照)。
そして、制御装置46は、メモリ46aから取得した洗濯処理記号M140,M130,M141,M131と、脱水処理記号M440,M445を操作パネル25に設けられた第2表示部42に表示する。この例では、図3に示すように、第2表示部42は、洗濯処理記号を表示する洗濯表示領域(第1領域)42aと、脱水処理記号を表示する脱水処理表示領域(第2領域)42bと、タンブル乾燥処理記号を表示するタンブル乾燥表示領域(第3領域)42cに区画されている。制御装置46は、取得した処理記号のうち洗濯処理記号M140,M130,M141,M131を洗濯表示領域42aに表示させ、脱水処理表示記号M440,M445を脱水処理領域42bに表示する。
上記した「標準」コースの状態から洗濯コース選択スイッチ29を押圧操作すると、操作される毎に洗濯コースが、「標準」、「つけおき」、「スピーディ」、「メモリ」、「デリケート」、「毛布」の順に設定され、「毛布」から更に洗濯コース選択スイッチ29を操作すると「標準」に戻る。
このように洗濯コース選択スイッチ29の操作によって設定されるコースが変更する毎に制御装置46はそのときに設定されているコースに対応付けられた表示記号と、そのコースにおいて実行する洗濯処理及び脱水処理の行程内容より運転強度の強い行程内容に対応付けられた表示記号とを取得し、取得した表示記号を第2表示部42に表示する(図5参照)。つまり、洗濯コースを変更する毎に、第2表示部42に表示され表示記号も変化する。
また、いずれか1つの洗濯コースが設定されている状態から、洗い運転設定スイッチ32、すすぎ運転設定スイッチ33、脱水運転設定スイッチ34、水流設定スイッチ35、及び風呂水スイッチ37を操作すると、操作するスイッチに応じて洗い行程、すすぎ行程、及び脱水行程における水流の強弱や実行時間や繰り返し回数が変更されたり、あるいは、洗濯処理における給水源が変更され各行程の行程内容が変更される。制御装置46は、行程内容が変更される毎にそのときに設定されている行程内容に対応する表示記号と、当該表示記号より運転強度の強い行程内容に対応付けられた表示記号とを取得し、取得した表示記号を第2表示部42に表示する。
図3に示すような洗濯コースの「標準」コースが設定されている状態から水流設定スイッチ35を押圧操作すると、水流以外の行程内容を保持したまま水流が「1」〜「5」の間で順に変更設定される。例えば、水流の設定が「3」から「5」に変更され、洗い行程の行程内容が水流「5」で洗い時間「8分」に、すすぎ行程の行程内容が水流「5」ですすぎ回数「2回」に設定されると、制御装置46は、第1表示部41における水流の表示を変更する。合わせて制御装置46は、当該行程内容に対応する洗濯処理記号M140,M130を取得する。この場合、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する洗濯処理記号が存在しないため、洗濯処理記号M140,M130を第2表示部42の洗濯表示領域(第1領域)42aに表示する(図10参照)。なお、上記のように水流の設定が変更されても脱水処理の行程内容は変更されていないため、第2表示部42の脱水処理表示領域42bには、「標準」コースが設定された時に表示された脱水処理記号M440,M445が継続して表示される。
風呂水スイッチ37を押圧操作すると、洗濯処理における水流、洗い時間、すすぎ回数や、脱水処理における脱水時間を保持したまま、洗濯処理中の給水源を水道水と風呂水との間で切り替える。例えば、図11に示すような「標準」コースの水流が「5」に変更された状態から、風呂水スイッチ37の操作によって洗濯処理中の給水源として風呂水が設定されると、制御装置46は、第1表示部41における風呂水の表示を変更する。合わせて制御装置46は、高温の水が水槽5に供給され高温水による洗い行程及びすすぎ行程が実行される可能性があるとして、当該行程内容に対応する表示記号として洗濯処理記号M140を取得する。この場合、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する洗濯処理記号が存在しないため、洗濯処理記号M140を第2表示部42の洗濯表示領域(第1領域)42aに表示する(図11参照)。なお、上記のように洗濯処理中の給水源が変更されても脱水処理の行程内容は変更されていないため、第2表示部42の脱水処理表示領域42bには、「標準」コースが設定された時に表示された脱水処理記号M440,M445が継続して表示される。
また、図3に示すような洗濯コースの「標準」コースが設定されている状態から洗い運転設定スイッチ32を押圧操作すると、水流「3」で洗い行程のみを行う行程内容が設定され、更に洗い運転設定スイッチ32の押圧操作を繰り返すことで洗い行程の実行時間(洗い時間)が所定範囲(1〜12分間)で設定される。
例えば、図12に示すように、洗い行程の行程内容として水流が「3」で洗い時間が「1分」に設定され、すすぎ行程、脱水行程、及び乾燥行程が設定されていない場合、制御装置46は、洗い行程の行程内容に対応する洗濯処理記号M142,M132と(図7(c)参照)、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する洗濯処理記号M140,M130,M141,M131とをメモリ46aから取得する。そして、取得した洗濯処理記号M140,M130,M141,M131,M142,M132を洗濯表示領域42aに表示する。
更に、図12に示すような洗い行程のみが設定されている状態からすすぎ運転設定スイッチ33を押圧操作すると、すすぎ行程のすすぎ回数が所定範囲(1〜4回)で設定される。例えば、図13に示すように、すすぎ回数が4回に設定されると、制御装置46は、洗い行程及びすすぎ行程の行程内容に対応する洗濯処理記号M141,131と(図7(c)参照)、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する洗濯処理記号M140,M130とをメモリ46aから取得する。そして、取得した洗濯処理記号M140,130,M141,M131を洗濯表示領域42aに表示する。
なお、本実施形態では、洗濯処理が洗濯処理記号群MAに対応付けられ、脱水処理が脱水処理記号群MBに対応付けられ、乾燥処理が乾燥処理記号群MCに対応付けられており、1つの処理が1つの処理記号群に対応付けられている場合について説明するが、1つの処理が複数の処理記号群に対応付けられても良い。
例えば、洗濯処理のすすぎ行程において、回転槽6を一方向に高速度で回転させて衣類を遠心脱水する中間脱水行程と、水槽5内に水道水や風呂水を供給するとともに回転槽6を低速度で正逆回転させるすすぎ行程とを実行し、洗濯処理において洗い行程及びすすぎ行程と脱水行程とを複合的に実行する場合、洗濯処理を洗濯処理記号群MA及び脱水処理記号群MBに対応付け、洗濯処理で行われる洗い行程及びすすぎ行程の行程内容に洗濯処理記号を対応付け、洗濯処理で行われる中間脱水行程及び脱水処理で行われる脱水行程の行程内容に脱水処理記号を対応付けて、第2表示部42に表示する表示記号を決定してもよい。
洗濯コースの「標準」コースが選択されている初期状態から洗濯・乾燥コースを設定するには、洗乾コース選択スイッチ30を押圧操作する。すると、制御装置46は、洗濯コースの「標準」コースと、当該洗濯コースの後に続いて実行する乾燥コースの「標準(強)」コースを設定する。そして、制御装置46は、図14に示すように、設定したコースと当該コースにおいて実行する各処理の行程内容を第1表示部41に表示する。これに加えて、設定したコース(ここでは、洗濯コースの「標準」コースと乾燥コースの「標準(強)」コース)において実行する処理の行程内容に対応する表示記号と、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する表示記号とをメモリ46aから取得し、取得した表示記号を第2表示部42に表示する。
具体的には、制御装置46は、上記したように洗濯コースの「標準」コースに対応する表示記号として、洗濯処理記号M141,M131と脱水処理記号M440,M445とをメモリ46aから取得するとともに、これらの表示記号よりも強い処理を表す洗濯処理記号M140,M130も合わせて取得する(図5参照)。
また、制御装置46は、乾燥コースの「標準(強)」コースに対応する表示記号として、乾燥処理に対応付けられた乾燥処理記号群からタンブル乾燥処理記号M320を取得する。あわせて、取得したタンブル乾燥処理記号M320より強い処理を表す表示記号があれば制御装置46はこれを取得するが、ここでは、運転強度の強い行程内容に対応するタンブル乾燥処理記号が存在しないため、タンブル乾燥処理記号M320のみを取得する。
そして、制御装置46は、図14に示すように、取得した処理記号のうち洗濯処理記号M140,M130,M141,M131を洗濯表示領域42aに表示させ、脱水表示記号M440,M445を脱水処理表示領域42bに表示させ、乾燥処理記号M320をタンブル乾燥領域42cに表示させる。
そして、洗濯コースの「標準」コースと乾燥コースの「標準(強)」コースとを実行する洗濯・乾燥コースが設定された状態から、洗乾コース選択スイッチ30を押圧操作すると、洗濯コースの「標準」コースを維持したまま、乾燥コースを「標準(強)」から「標準(弱)」へ設定が変更される。これに伴い、図15に示すように、各処理の行程内容を示す第1表示部41の表示が変更されるとともに、乾燥コースの「標準(弱)」に対応するタンブル乾燥処理記号M310とこの記号よりも強い処理に対応するタンブル乾燥処理記号M320とを第2表示部42のタンブル乾燥表示領域42cに表示させる。なお、上記した操作では、洗濯コースが変更されないため、第2表示部42の洗濯表示領域42aと、脱水処理表示領域42bの表示は変更されない。
更に、洗乾コース選択スイッチ30を押圧操作すると、操作される毎に乾燥コースが、「標準(弱)」、「念入り」、「アイロン」、「タイマー(30分)」、「そのまま」の順に設定され、「そのまま」から更に洗乾コース選択スイッチ30を操作すると「標準(強)」に戻る。
このように洗乾コース選択スイッチ30の操作によって設定される乾燥コースが変更する毎に制御装置46は、そのときに設定されているコースと対応付けられたタンブル乾燥処理記号と、そのコースにおいて実行する乾燥処理の行程内容より運転強度の強い行程内容に対応付けられた表示記号とを取得し、取得した表示記号を第2表示部42のタンブル乾燥処理記号をタンブル乾燥表示領域42cに表示する。
洗濯コースの「標準」コースが選択されている初期状態から乾燥コースを設定するには、乾燥コース選択スイッチ31を押圧操作する。すると、制御装置46は、乾燥コースの「標準(強)」コースを設定する。そして、制御装置46は、図16に示すように、設定したコースと当該コースにおいて実行する各処理の行程内容を第1表示部41に表示する。これに加えて、制御装置46は、乾燥コースの「標準(強)」コースにおいて実行する乾燥処理の行程内容に対応するタンブル乾燥処理記号M320をメモリ46aから取得するとともに、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する表示記号があれば制御装置46はこれを取得するが、ここでは、運転強度の強い行程内容に対応するタンブル乾燥処理記号が存在しないため、タンブル乾燥処理記号M320を第2表示部42のタンブル乾燥表示領域42cに表示する。
更に、乾燥コース選択スイッチ31を押圧操作すると、操作される毎に乾燥コースが、「標準(強)」、「標準(弱)」、「念入り」、「アイロン」、「タイマー(30分)」、「そのまま」の順に設定され、「そのまま」から更に洗乾コース選択スイッチ30を操作すると「標準(強)」に戻る。
このように乾燥コース選択スイッチ31の操作によって設定される乾燥コースが変更する毎に制御装置46は、そのときに設定されているコースと対応付けられたタンブル乾燥処理記号と、そのコースにおいて実行する乾燥処理の行程内容より運転強度の強い行程内容に対応付けられた表示記号とを取得し、取得した表示記号を第2表示部42のタンブル乾燥処理記号をタンブル乾燥表示領域42cに表示する。
そして、洗濯機1で実行する処理及び各処理において行われる行程内容の設定が完了した後は、スタートスイッチ28を押圧操作することで、設定した行程内容に基づいて洗濯機1の運転が開始する。
以上のような本実施形態の洗濯機1によれば下記の効果を奏する。すなわち、本実施形態の洗濯機1では、洗濯処理、脱水処理、及び乾燥処理で行う行程内容を設定すると、設定した行程内容に対応する表示記号が第2表示部42に表示されるため、衣類に付された表示記号と第2表示部42に表示された表示記号とを対比することで、使用者が衣類に適合した処理及び行程内容を簡単に選択することができる。
制御装置46は、行程内容が変更される毎に変更後の行程内容に対応する表示記号を表示するため、使用者が各処理の行程内容を変更しながら衣類に適合した処理及び行程内容を探し出すことができる。
また、第2表示部42が、洗濯処理記号を表示する洗濯表示領域42aと、脱水処理記号を表示する脱水処理表示領域42bと、タンブル乾燥処理記号を表示するタンブル乾燥表示領域42cに区画されているため、各処理毎に表示記号を整理して第2表示部42に表示することができ、視認性に優れている。
また、本実施形態では、制御装置46が、設定した処理の行程内容に対応する表示記号だけでなく、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する表示記号も第2表示部42に表示させるため、つまり、実際に洗濯機1に設定された行程内容より強い行程内容に対応する表示記号が付された衣類も処理可能であることを使用者に知らしめることができ、使用者が選択できる行程内容の種類が増え使い勝手を向上させることができる。
(変更例1)
上記した実施形態では、設定された処理に対応する表示記号を第2表示部42に表示させ、設定されていない処理に対応する表示記号を第2表示部42に表示しない場合について説明したが、設定されていない処理は衣類が負荷を受けない最も運転強度の弱い行程内容として、当該処理に対応する表示記号群に属する表示記号をすべて第2表示部42に表示させてもよい。
例えば、洗濯コースのように洗濯処理及び脱水処理が設定され、乾燥処理が設定されていない場合、洗濯処理及び脱水処理の工程内容に対応する洗濯処理記号及び脱水処理記号と、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する洗濯処理記号及び脱水処理記号を第2表示部42に表示するとともに、乾燥処理に対応付けられたタンブル乾燥処理記号群MCの全ての乾燥処理記号を第2表示部42に表示してもよい。
このような場合、洗濯機1に設定された処理及び工程内容によって処理可能な衣類を、その衣類に付された表示記号に即して表示することができ、使い勝手を向上することができる。
(変更例2)
上記した実施形態では、制御装置46は、設定した処理の行程内容に対応する表示記号と、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する表示記号とを第2表示部42に表示する場合について説明したが、当該行程内容より運転強度の強い行程内容に対応する表示記号を表示せず、設定した処理の行程内容に対応する表示記号のみを第2表示部42に表示してもよい。
(変更例3)
上記した実施形態では、表示記号を表示する第2表示部42が、操作パネル25に設けられている場合について説明したが、例えば、携帯端末など洗濯機1の外部に設けられた表示端末に表示させてもよい。
(変更例4)
上記した実施形態では、表示記号としてJIS L 0001に規定された表示記号を採用する場合について説明したが、表示記号としてJIS L 0217などの他の規格に基づく表示記号であってもよい。また、切替スイッチなどを設け複数の規格に基づく表示記号を相互に関連づけてメモリ46aに記憶させ、切替スイッチなどの操作によって異なる複数の規格に基づく表示記号を第2表示部42に切り替えて表示させてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。