JP6672974B2 - ラミネートシート - Google Patents
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Description
また、セル画、写真、ブロマイド、アミューズメント関連のシール(例えばプリクラ(登録商標)等)にラミネート加工した場合、光透過性基材の表面が光沢を有するため、表面が反射して色見再現性が悪いことがあった。
[1]ラミネートシートであって、
ラミネートシートであって、
第1のフィルム及び第2のフィルムを有し、
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムとの間に物品を挟むことを可能とするように、縁近傍において少なくとも一部が接合されており、
前記第1のフィルムは、光透過性フィルムであり、前記第2のフィルムと対向する面に、可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凸部からなる微細凹凸構造が形成された第1の領域を有し、
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムの少なくとも一方は、前記第1のフィルムと第2のフィルムを固定可能とする粘着部が形成された第2の領域を有するラミネートシート。
[2]前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、矩形状であり、該矩形状の一辺の縁近傍の少なくとも一部において、前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムが接合されていることを特徴とする、[1]に記載のラミネートシート。
[3]前記第2の領域は、前記第2のフィルムの前記第1のフィルムと対向する表面全体に設けられている、[1]〜[2]に記載のラミネートシート。
[4]前記第2の領域は、前記第2のフィルムの全縁部近傍に設けられている、[1]〜[2]に記載のラミネートシート。
[5]前記第1のフィルムおよび/または第2のフィルムの表面に機能層が設けられている、[1]〜[2]に記載のラミネートシート。
[6]前記第1のフィルムは、前記第1の領域の周囲であって、前記第1のフィルムの全縁部近傍に前記第2の領域を有する、[1]〜[2]に記載のラミネートシート。
[7]前記第1のフィルムは、前記第2のフィルムと対向する面の全体に前記第1の領域が形成されている、[3]または[4]に記載のラミネートシート。
[8]前記第2のフィルムが、可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凸部からなる微細凹凸構造が形成された第3の領域をさらに有する、[1]に記載のラミネートシート。
[9]前記第2の領域に剥離可能に積層された、第3のフィルムをさらに備える[1]〜[8]に記載のラミネートシート。
本明細書における「光透過性」「透明」とは、少なくとも波長400〜1170nmの光を透過することを意味する。
また、本明細書における「活性エネルギー線」とは、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
また、本明細書における「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の総称であり、「(メタ)アクリロニトリル」は、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルの総称であり、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの総称である。
<ラミネートシート>
本発明の第一の実施形態に係るラミネートシートは、第1のフィルム及び第2のフィルムを有し、第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムとの間に印刷物等の物品を挟むことを可能とするように、縁近傍において少なくとも一部が接合されており、第1のフィルムは、光透過性フィルムであり、第2のフィルムと対向する面に、可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凸部からなる微細凹凸構造が形成された第1の領域を有し、第1のフィルム及び前記第2のフィルムの少なくとも一方は、前記第1のフィルムと第2のフィルムを固定可能な粘着部が形成された第2の領域を有するラミネートシートである。なお、以降の説明において、印刷物を保護する場合を具体的に説明するが、本発明において、第1のフィルム及び第2のフィルムの間に挟まれる物品は印刷物に限定されない。例えば、絵画や布など、印刷物以外の物品を、本発明に係るラミネートシートを用いて保護しても構わない。
上述のごとく構成されたラミネートシートにおいては、第1のフィルム10と、印刷物20の印刷面22とが粘着固定されない。従って、印刷面22と第1のフィルム10との間に気泡等が固定されてしまい、印刷物20の視認性が低下することを抑制し、色見再現性に優れたラミネートシートと印刷物との積層体を提供することができる。また、第1のフィルム10と印刷面22とを粘着固定しない場合、第1のフィルム10と印刷面22との間に空気が介在してしまい、第1のフィルム10の裏面と空気層との界面で、光が反射して印刷物20の視認性が低下することが懸念されるが、上述のごとく構成されたラミネートシートにおいては、第1のフィルム10の印刷面22と対向する領域に、微細凹凸構造が設けられる。これにより、第1のフィルム10の裏面と、印刷面22との間に空気が介在したとしても、第1のフィルム10の裏面と空気との界面で光が反射することを抑制することができる。従って、印刷物20の視認性が低下することを抑制でき、色見再現性に優れた積層体を提供することができる。
次いで、第1のフィルム10について図2を参照しながら詳細に説明する。図2に示されるように、第1のフィルム10は、光透過性基材12と、光透過性基材の一方の面に形成され、表面に複数の凸部14aを有する硬化樹脂層14とが形成されている。
(光透過性基材)
光透過性基材12の材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン、ナイロン、ガラス等が挙げられる。耐熱性に優れて適度な剛性があり、透明性があればどのような材料でも使用できる。アクリル系の具体例としては、アクリプレンHBS010P、HBS006、HBA002P(三菱レイヨン製)、テクノロイS000、S020、S001G、S014G、TSF001、TSF002、MX001M30、MXS001M60(エスカーボシート製)、サンデュレンSD009、SD010(カネカ製)、アクリビュアFZ、FV、HV(日本触媒製)等が挙げられる。
ポリカーボネートの具体例としては、パンライトPC−1151、PC−2151、PC−1141、PC−2141、NJ−5100、NK−5101(帝人製)、C000、C001、C003、C101、C103、C010(エスカーボシート製)等が挙げられる。
ポリエステルの具体例としては、ダイアホイルT910E、T600E(三菱樹脂製)、ルミラーU343、U483,U403,U413、UD03、UH13、UF83、QTH0、SF20(東レ製)、コスモシャインA4300、A2330、TA017、TA015、TA042、TA044、TA048、ソフトシャインTA009(東洋紡製)等が挙げられる。セルロース系の具体例としては、フジタックTD80U、TD80UL、T80UZ、T80SE、TD60ULP(富士フイルム製)、TACフィルムKC4UA(コニカミノルタ製)等が挙げられる。
脂環式ポリオレフィンの具体例としては、ゼオノアZF14、ZF16(日本ゼオン製)、アートンフィルム(JSR製)、TOPAS(ポリプラスチックス製)等が挙げられる。
光透過性基材12の表面には、密着性の向上や屈折率の調整等の特性の改良を目的として、プライマーコーティングが施されてもよい。
プライマーは熱可塑性樹脂を主成分とすることが好ましい。熱可塑性樹脂の平均分子量は5,000以上100,000以下が好ましく、20,000以上50,000以下が好ましい。熱可塑性樹脂の平均分子量が5,000以下では、熱可塑性樹脂からなるプライマー層と微細凹凸構造層との密着性が悪くなり、熱可塑性樹脂の平均分子量が100,000より大きいと溶剤への溶解性が低下し、プライマー層が白化し積層フィルムの視認性が低下しやすくなる。
して0.1質量部以上であれば層間で圧着(ブロッキング)が発生せず、20質量部以下であればプライマー層の白化による積層フィルムの視認性低下が起こらない。
ポリエステル樹脂の具体例としては、バイロン(東洋紡製)、
ポリエステルウレタン樹脂の具体例としては、バイロンUR(東洋紡製)、
変性アクリル樹脂の具体例としては、アクリット(大成ファインケミカル製)等があげられる。
プライマー層は、必要に応じて、帯電防止剤、架橋剤、少量の溶剤を含んでいてもよい。
光透過性基材は着色されていてもよい。また、該フィルムの表面は平坦であってもよいし、凹凸があってもよい。
紫外線吸収剤としては、具体的には2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン−2−イル]−5−[3−(ドデシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]フェノール、または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンが挙げられる。
紫外線吸収剤の市販品としては、例えばBASF社製の「チヌビン」シリーズの400、479、もしくは109;または共同薬品社製の「Viosorb」シリーズの110等が挙げられる。
光安定剤としては、具体的にはビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セパケート、またはメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセパケートが挙げられる。光安定剤の市販品としては、BASF社製の「チヌビン」シリーズの152、または292等が挙げられる。
硬化樹脂層14は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、複数の凸部14aからなる微細凹凸構造を表面に有する。
凸部14a間の平均間隔Pは、凸部14aの形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましく、80nm以上がより好ましい。
凸部14a間の平均間隔Pは、電子顕微鏡観察によって、隣接する凸部14a間の間隔(凸部14aの中心から隣接する凸部14aの中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部14aの平均高さHは、電子顕微鏡観察によって、凸部14aの最頂部と、凸部14a間に存在する凹部の最底部との間の距離を50点測定し、これらの値を平均したものである。
複数の細孔(図示略)を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状のモールド50の表面と、モールド50の回転に同期してモールド50の表面に沿って移動するフィルム状の光透過性基材12との間に、タンク52から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物54を供給する。
剥離ロール32により、硬化樹脂層14が形成された光透過性基材12を剥離することによって、光透過性基材12上に硬化樹脂層14が積層した第1のフィルム10を得る。
モールド50は、特に限定されず、リソグラフィ法やレーザー加工によって凹凸構造を設けたモールド、陽極酸化アルミナを表面に有するモールド等が挙げられるが、安価に大面積化することを考えると、陽極酸化アルミナを表面に有するモールドが好ましい。陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、大面積化が可能であり、作製が簡便である。
(a)アルミニウム基材を電解液中、陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)アルミニウム基材を電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)工程(d)の後、電解液中、再度陽極酸化する工程。
(f)前記工程(d)と工程(e)を繰り返し行う工程。
図5に示すように、アルミニウム基材40を陽極酸化すると、細孔48を有する酸化皮膜44が形成される。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等が挙げられる。
図5に示すように、酸化皮膜44を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点46にすることで細孔の規則性を向上することができる。なお、酸化皮膜44は完全に除去してもよく、図5の工程(b´)に示されるように、一部を除去しても構わない。
図5に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム基材40を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔46を有する酸化皮膜48が形成される。
電解液としては、工程(a)と同様のものが挙げられる。
図5に示すように、細孔46の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
図5に示すように、再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔46の底部から下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔46がさらに形成される。
電解液としては、工程(a)と同様のものが挙げられる。
図5に示すように、工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔46を有する陽極酸化アルミナ(アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト))が形成されたモールドが得られる。最後は工程(d)で終わることが好ましい。
細孔36の平均深さは、100nm以上が好ましく、130nm以上がより好ましい。細孔36の平均深さは、400nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が内部離型剤を含むことによって、連続転写性を高めることができる。
内部離型剤は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物と、金型(モールド)表面との離型性を向上するものであり、かつ活性エネルギー線硬化性樹脂組成物との相溶性があれば、特にその組成は制限されない。
(HO)3-t(O=)P[−O−(R2O)s−R1]t ・・・(1)。
ただし、R1はアルキル基を表し、R2はアルキレン基を表し、sは1〜20の整数を表し、tは1〜3の整数を表す。
R2としては、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。
sは、1〜10の整数が好ましい。
城北化学社製:JP−506H(t≒1〜2,s≒1,R1=ブチル基,R2=エチレン基)、
アクセル社製:モールドウイズINT−1856(構造非公開)、
日光ケミカルズ社製:TDP−10(t≒3,s≒10,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、TDP−8(t≒3,s≒8,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、TDP−6(t≒3,s≒6,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、TDP−2(t≒3,s≒2,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、DDP−10(t≒2,s≒10,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、DDP−8(t≒2,s≒8,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、DDP−6(t≒2,s≒6,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、DDP−4(t≒2,s≒4,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、DDP−2(t≒2,s≒2,R1=C12〜15,R2=エチレン基)、TLP−4(t≒3,s≒4,R1=ラウリル基,R2=エチレン基)、TCP−5(t≒3,s≒5,R1=セチル基,R2=エチレン基)、DLP−10(t≒3,s≒10,R1=ラウリル基,R2=エチレン基)。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物、帯電防止剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤、微粒子、少量の溶媒を含んでいてもよい。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
R11 xSi(OR12)y ・・・(2)。
ただし、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
R21O[Si(OR23)(OR24)O]zR22 ・・・(3)。
ただし、R21〜R24は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
凹凸構造の表面に、撥水性(具体的には水の接触角が90°以上であること)が求められる場合には、疎水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
フッ素含有化合物としては、下記式(4)で表されるフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。
−(CF2)n−X ・・・(4)。
ただし、Xは、フッ素原子または水素原子を表し、nは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
CH2=C(R41)C(O)O−(CH2)m−(CF2)n−X ・・・(5)。
ただし、R41は、水素原子またはメチル基を表し、Xは、水素原子またはフッ素原子を表し、mは、1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、nは、1〜20の整数を表し、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
(Rf)aR51 bSiYc ・・・(6)。
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、R52C(O)O(ただし、R52は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
R52C(O)Oとしては、CH3C(O)O、C2H5C(O)O等が挙げられる。
−(OR61)p− ・・・(7)。
ただし、R61は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、pは、2以上の整数を表す。R61としては、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−等が挙げられる。
シリコーン系化合物としては、(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーン系シランカップリング剤等が挙げられる。(メタ)アクリル酸変性シリコーンとしては、X−22−1602(信越化学工業社製)等のシリコーン(ジ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
凹凸構造の表面に、親水性(具体的には水の接触角が25°以下であること)が求められる場合には、親水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート、2官能以上の親水性(メタ)アクリレート、必要に応じて単官能モノマーを含む組成物を用いることが好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、5官能以上の多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
また、単官能モノマーとして、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン等の粘度調整剤、基材への密着性を向上させるアクリロイルイソシアネート類等の密着性向上剤等を用いてもよい。
<ラミネートシート>
図6は、本発明の第二の実施形態のラミネートシートの一例を示す断面図である。この例の積層本は、印刷物20が第4のフィルム30および第5のフィルム36に挟まれて構成されている。印刷物の両面に印刷面22を備え、印刷物と接する第4のフィルム30および第5のフィルム36の各面上に、複数の凸部14aからなる微細凹凸構造を表面に有する硬化樹脂層14を備えて構成されている。
また、第4のフィルム30および/または第5のフィルム36は、印刷面22の周囲に、第4のフィルム30および第5のフィルム36を固定可能な粘着部17を備えている。第4のフィルム30および第5のフィルム36を構成する光透過性基材12、硬化樹脂層14、粘着部17を構成する粘着材は、本発明の第一の実施形態のラミネートシートの光透過性基材、硬化樹脂層、粘着材と同じであってよい。第一の実施形態と同様に、矩形状であることが好ましく、矩形状の一辺の縁近傍の少なくとも一部において、第4のフィルム及び第5のフィルムが接合されていることが好ましい。さらに好ましくは、第4のフィルム30および第5のフィルム36は、矩形状の一辺が接合されていないことが好ましい。このような構成とすることで、印刷物を自由に差し替えることが可能となり、簡単に視認性を向上できる。
上述のごとく構成されたラミネートシートは、第4のフィルム30と、印刷物20の印刷面22とが粘着固定されない。また、第5のフィルム36と、印刷物20の裏面の印刷面22とが粘着固定されない。従って、印刷面22と第4および第5のフィルムとの間に気泡等が固定されてしまい、印刷物20の視認性が低下することを抑制し、色見再現性に優れたラミネートシートを提供することができる。また、印刷面22と、第4のフィルム30との間に空気が介在しても、第4のフィルム30の裏面で光が反射されることが抑制されるため、従来のようにフィルムと印刷物とを熱融着させて印刷物とフィルムとを密着させる必要がない。従って、常温で第4のフィルム30および第5のフィルム36とを粘着固定できる粘着剤を用いて、上述のごとくラミネートシートを構成することができる。これにより、ラミネート加工の専用機を用いなくとも、視認性に優れ、表面が保護された積層体を簡便に提供することができる。しかも、粘着材を貼り合せたときに外周部から空気を抜くことができ、波打ちおよび気泡が発生しない積層体を製造ですることが可能である。
各種測定および評価方法、モールドの製造方法、各例で用いた成分は以下の通りである。
(モールドの細孔の測定)
モールドの一部を切り取って、表面および縦断面に白金を1分間蒸着し、電解放出型走査電子顕微鏡(日本電子社製、「JSM−7400F」)を用い、加速電圧3.00kVで観察し、隣り合う細孔同士の間隔(細孔の中心から隣接する細孔の中心までの距離)を50点測定し、その平均値を隣り合う細孔の平均間隔とした。
また、モールドの縦断面を観察し、細孔の最底部と、細孔間に存在する凸部の最頂部との間の距離を50点測定し、その平均値を細孔の平均深さとした。
硬化樹脂層の縦断面に白金を10分間蒸着し、電解放出型走査電子顕微鏡(日本電子社製、「JSM−7400F」)を用い、加速電圧3.00kVで観察し、隣り合う凸部同士の間隔(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を50点測定し、その平均値を隣り合う凸部の平均間隔とした。
また、測定サンプルの断面を観察し、凸部の最底部と、凸部間に存在する凹部の最頂部との間の距離を50点測定し、その平均値を凸部の平均高さとした。
印刷物の印刷面に用いる樹脂インキと、ラミネートシートに印刷物を挟み積層体を構成した後に、第1のフィルムを介して観察した(すなわち、第1の領域を介して観察した)印刷物の表面色とを、JIS Z 8723:2000に準じて評価した。
○:知覚できない程度の差(0号)、または、ごくわずかでやっと知覚できる最小の差(1号)
△:わずかであるが、明らかに知覚できる差(2号)
×:はっきりと知覚できる差(3号以下)
積層体を蛍光灯下で目視観察し、積層体の表面の波打ちおよび気泡の発生を評価した。
○:波打ち、気泡がない。
△:わずかに波打ち、気泡がある。
×:明らかに波打ち、気泡がある。
第1のフィルムは、光透過性基材の裏面に微細凹凸構造を有する硬化樹脂層が形成されており、第2のフィルムは、光透過性基材の裏面に粘着部を備えているフィルムである。
(モールドaの製造)
上述した工程(a)〜(f)を行い、平均間隔160nm、平均深さ250nmの略円錐形状の複数の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成された板状のモールドaを得た。
モールドaを、オプツールDSX(ダイキン工業社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、陽極酸化アルミナの表面を離型剤で処理した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、「カヤラッドDPHA」)の25質量部、
ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬社製、「PET−3」)の25質量部、
EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、「カヤラッドDPEA−12」)の25質量部、
ポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成社製、「アロニックスM260」)の25質量部、
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル化合物(日光ケミカルズ社製、「NIKKOL TDP−2」)の0.1質量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製、「イルガキュア184」)の1質量部、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、「イルガキュア819」)の0.5質量部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを得た。
紫外線照射機(フュージョンランプDバルブ)を用いて、積算光量1000mJ/cm2でフィルム越しに紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った後、モールドaから分離し、円錐台形状の複数の凸部からなる微細凹凸構造を表面に有する厚さ10μmの硬化樹脂層が、光透過性基材の表面に形成された第1のフィルム(サイズ:309mm×222mm)を得た。
凸部間の平均間隔は160nmであり、凸部の平均高さは240nmであり、凸部の底部の幅は160nmであった。
光透過性基材として厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、「コスモシャインA4300」)と、粘着材としてノンキャリアフィルム(リンテック社製、「M4」粘着材 厚み25μm)を準備した。2枚のフィルムをローラーで加圧しながら貼り合することによって、全面に粘着材を有する第2のフィルム(サイズ:309mm×222mm)を得た。
上述のようにして得られた第1のフィルムおよび第2のフィルムの長辺一辺に対応する縁部を接合し、間に印刷物を挟み込むことができるラミネートシートを得た。
基材として、A4サイズの紙(カウネット社製、コピーペーパー スタンダード 高白色タイプ)、樹脂インキとして、キヤノンNPG−45がセットされたカラー複合機(キヤノン社製、「C5045F」)を用いて、印刷物Aを得た。
上述したラミネートシートの、第1のフィルムの微細凹凸構造が形成されている面と、第2のフィルムの粘着材層の面との間に、印刷物Aの印刷面が第1のフィルムを向いた状態で挟持して、第1のフィルムと第2のフィルムとを貼り合せ、積層体を製造した。
得られた積層体について、色見再現性、外観を評価した。結果を表1に示す。
第1のフィルムを2枚準備し、片方の第1のフィルムの最外周部5mmに、粘着材としてノンキャリアフィルム(リンテック社製、「M4」粘着材 厚み25μm)を貼り合せた。その後、2枚の第1のフィルムの長辺一辺に対応する縁部を接合し、ラミネートシートを得た。2枚の第1のフィルムの微細凹凸構造が形成されている面同士を対向するように対峙させ、該2枚の第1のフィルムの間に印刷物Aを挟持して、第1のフィルム同士を貼り合せることによって、積層体を製造した。
得られた積層体について、色見再現性、外観を評価した。結果を表1に示す。
片面にAR反射防止コーティング(東山フイルム社製)、もう一方の面に微細凹凸構造が形成されている第1のフィルムを2枚準備し、片方の第1のフィルムの最外周部三辺5mmに、粘着材としてノンキャリアフィルム(リンテック社製、「M4」粘着材 厚み25μm)を貼り合せた。その後、2枚の第1のフィルムの微細凹凸構造が形成されている面同士を対向するように対峙させ、長辺一辺および短辺二辺の縁部を接合し、一辺が接合されていないラミネートシートを得た。
得られたラミネートシートの間に印刷物Aを挟持し、色見再現性、外観を評価した。結果を表1に示す。
第1のフィルムに代えて、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、「コスモシャインA4300」)を用いた以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
得られた積層体について、色見再現性、外観を評価した。結果を表1に示す。
第1のフィルムに代えて、第2のフィルムを用いた(すなわち、両面全面に粘着部が形成されたフィルムを用いた)以外は、実施例1と同様にして、積層体を製造した。
得られた積層体について、色見再現性、外観を評価した。結果を表1に示す。
一方、比較例1で得られた積層体は、色見再現性に劣っていた。また、比較例2で得られた積層体は、印刷物上に多くの気泡が確認され、外観が悪かった。また、比較例2で得られた積層体は、全体的に波うちが発生していた。
光透過性基材 12
複数の凸部 14a
硬化樹脂層 14
第1の領域 15
第2のフィルム 16
粘着部 17
第2の領域 18
第3のフィルム19
印刷物 20
印刷面 22
第4のフィルム 30
第5のフィルム 36
アルミニウム基材40
酸化皮膜 44
細孔発生点 46
細孔 48
モールド 50
タンク 52
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 54
空気圧シリンダ 56
ニップロール 58
活性エネルギー線照射装置 60
Claims (9)
- ラミネートシートであって、
第1のフィルム及び第2のフィルムを有し、
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムとの間に物品を挟むことを可能とするように、縁近傍において少なくとも一部が接合されており、
前記第1のフィルムは、光透過性フィルムであり、前記第2のフィルムと対向する面に、可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凸部からなる微細凹凸構造が形成された第1の領域を有し、
前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムの少なくとも一方は、前記第1のフィルムと第2のフィルムを固定可能とする粘着部が形成された第2の領域を有するラミネートシート。 - 前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムは、矩形状であり、該矩形状の一辺の縁近傍の少なくとも一部において、前記第1のフィルム及び前記第2のフィルムが接合されていることを特徴とする、請求項1に記載のラミネートシート。
- 前記第2の領域は、前記第2のフィルムの前記第1のフィルムと対向する表面全体に設けられている、請求項1または2に記載のラミネートシート。
- 前記第2の領域は、前記第2のフィルムの全縁部近傍に設けられている、請求項1または2に記載のラミネートシート。
- 前記第1のフィルムおよび/または第2のフィルムの表面に機能層が設けられている、請求項1または2に記載のラミネートシート。
- 前記第1のフィルムは、前記第1の領域の周囲であって、前記第1のフィルムの全縁部近傍に前記第2の領域を有する、請求項1または2に記載のラミネートシート。
- 前記第1のフィルムは、前記第2のフィルムと対向する面の全体に前記第1の領域が形成されている、請求項3または4に記載のラミネートシート。
- 前記第2のフィルムが、可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凸部からなる微細凹凸構造が形成された第3の領域をさらに有する、請求項1記載のラミネートシート。
- 前記第2の領域に剥離可能に積層された、第3のフィルムをさらに備える請求項1〜8のいずれか一項に記載のラミネートシート。
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