JP2016115258A - タッチパネル付き画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像表示装置本体とタッチパネルとを分離したいときに容易に分離でき、より効率よく製造可能な、画像の視認性に優れたタッチパネル付き画像表示装置の提供。
【解決手段】液晶パネル20(画像表示装置本体)と、液晶パネル20を支持する第1の枠体14と、タッチパネル40と、タッチパネル40を支持する第2の枠体16と、第1の枠体14および第2の枠体16を固定する粘着部材30とを備え、タッチパネル40は、粘着部材30により第1の枠体14および第2の枠体16が固定されることで、液晶パネル20の画像が表示される側に隙間を介して対向配置され、液晶パネル20に対向する表面に周期が400nm以下の微細凹凸構造を有する、タッチパネル付き画像表示装置10。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネル付き画像表示装置に関する。
タッチパネル付き画像表示装置は、液晶パネル等の画像表示装置本体の画像が表示される側にタッチパネルが配置されたものである。画像表示装置本体に表示されたボタン等に相当するタッチパネルの入力面の領域を指等で押さえることで、タッチパネルおよび画像表示装置本体が接続された各種機器(パーソナルコンピュータ、携帯電話、ATM等)を操作することができる。
タッチパネル付き画像表示装置においては、画像表示装置本体を保護するために、タッチパネルと画像表示装置本体との間にわずかな隙間(空気層)が設けられる。しかし、タッチパネルと空気層との界面、および画像表示装置本体と空気層との界面において光の反射が発生し、画像表示装置本体の画像の視認性が低下するという問題がある。
上述の視認性低下を抑制するため、画像表示装置本体およびタッチパネルが、それぞれの対向面に微細凹凸構造を有するタッチパネル付き画像表示装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2013−125317号公報
ところで、タッチパネルと画像表示装置本体とを固定する方法としては、それぞれの部材の間にスペーサを配置し、ネジ等の固定部材を用いてタッチパネルと画像表示装置本体とを所定の位置関係で固定する方法などがある。
近年、タッチパネル付き画像表示装置の画面枠(ベゼル)を狭くすることが求められている。例えば、不織布や発泡ポリウレタンなどの基材の両面に粘着剤層が設けられた粘着部材を用いて、タッチパネルと画像表示装置本体とを直接貼り合わせて固定すれば、画面枠を狭くすることができる。
このような粘着部材を用いた固定方法の場合、タッチパネルと画像表示装置本体との貼り付け位置がずれてしまったときには、固定したタッチパネルと画像表示装置本体とを分離し、所定の位置関係に修正した上で、粘着部材を用いてタッチパネルと画像表示装置本体とを再度貼り合わせなければならない。
また、タッチパネル付き画像表示装置を組み立てた後に、タッチパネルおよび画像表示装置本体のいずれかに欠陥が発見されたときにも、固定したタッチパネルと画像表示装置本体とを分離し、欠陥が発見された部材を交換して、再度タッチパネル付き画像表示装置を組み立てる必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載のように、画像表示装置本体やタッチパネルの表面に微細凹凸構造を設けた場合、この微細凹凸構造と粘着部材の粘着剤層とが接触することになり、接着強度が非常に強くなってしまう。特に、微細凹凸構造の周期が400nm以下の場合、接着強度が強くなる傾向にある。そのため、表面に微細凹凸構造を有するタッチパネルと、表面に微細凹凸構造を有する画像表示装置本体とを粘着部材を用いて固定すると、これらの部材を容易に分離できなくなることがあった。また、これらの部材を分離できたとしても、各部材の表面に粘着剤層や基材が残ってしまい、これらを除去することが困難となることがあった。また、粘着剤層や基材を除去する際に、各部材の表面を傷つけてしまうこともあった。
上述したように、タッチパネルと画像表示装置本体との貼り付け位置がずれてしまった場合、これら部材を分離した後、一度使用された粘着部材を除去し、新しい粘着部材を用いて再度タッチパネルと画像表示装置本体とを固定する必要がある。しかし、タッチパネルや画像表示装置本体の表面に微細凹凸構造が設けられている場合は、これらを分離することが困難であり、分離できたとしてもタッチパネルや画像表示装置本体の表面に残った基材や粘着剤層を除去することが困難となることがある。そのため、基材や粘着剤層を除去できなかった場合には、新しいタッチパネルや画像表示装置本体を用いてタッチパネル付き画像表示装置を組み立てる必要があった。
また、タッチパネル付き画像表示装置を組み立てた後に、例えば画像表示装置本体に欠陥が発見された場合、タッチパネルと画像表示装置本体とを分離し、別の画像表示装置本体にタッチパネルを貼り付ける必要がある。しかし、タッチパネルや画像表示装置本体の表面に微細凹凸構造が設けられている場合は、これらを分離することが困難であり、分離できたとしてもタッチパネルや画像表示装置本体の表面に残った基材や粘着剤層を除去することが困難となることがある。そのため、基材や粘着剤層を除去できなかった場合には、タッチパネルには特に不具合がないにもかかわらず、分離したタッチパネルを再度利用することができないことがあった。
このように、表面に微細凹凸構造を有するタッチパネルや画像表示装置本体を用いることで、視認性の低下が抑制されたタッチパネル付き画像表示装置を提供することが可能となったが、このようなタッチパネル付き画像表示装置を効率よく製造することは困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、画像表示装置本体とタッチパネルとを分離したいときに容易に分離でき、より効率よく製造可能な、画像の視認性に優れたタッチパネル付き画像表示装置を提供する。
本発明者らは鋭意検討した結果、タッチパネルと画像表示装置本体とを分離した後に、各部材の表面に残った基材や粘着剤層を十分に除去できない原因や、これらを除去する際に各部材の表面が傷ついてしまう原因が、分離や除去の際に粘着部材の基材が破断することにあることを突き止めた。そこで、タッチパネルと画像表示装置本体とを粘着部材で直接貼り合わせるのではなく、各部材をそれぞれ支持する枠体を介して粘着部材により固定することで、タッチパネルの表面に微細凹凸構造が設けられていても画像表示装置本体とタッチパネルとを容易に分離でき、タッチパネル付き画像表示装置をより効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] 画像表示装置本体と、前記画像表示装置本体を支持する第1の枠体と、タッチパネルと、前記タッチパネルを支持する第2の枠体と、前記第1の枠体および前記第2の枠体を固定する粘着部材とを備え、前記タッチパネルは、前記粘着部材により前記第1の枠体および前記第2の枠体が固定されることで、前記画像表示装置本体の画像が表示される側に隙間を介して対向配置され、前記画像表示装置本体に対向する表面に周期が400nm以下の微細凹凸構造を有する、タッチパネル付き画像表示装置。
[2] 前記第1の枠体の前記第2の枠体に対向する面の幅、および前記第2の枠体の前記第1の枠体に対向する面の幅は、前記粘着部材がはみ出さない大きさとされている、[1]に記載のタッチパネル付き画像表示装置。
本発明によれば、画像表示装置本体とタッチパネルとを分離したいときに容易に分離でき、より効率よく製造可能な、画像の視認性に優れたタッチパネル付き画像表示装置を提供できる。
本発明のタッチパネル付き画像表示装置の一例を示す断面図である。 本発明のタッチパネル付き画像表示装置に用いる低反射フィルムの一例を示す断面図である。 画像表示装置本体が第1の枠体に支持された状態の一例を模式的に示す上面図である。 タッチパネルが第2の枠体に支持された状態の一例を模式的に示す上面図である。 低反射フィルムの製造装置の一例を示す構成図である。 陽極酸化アルミナを表面に有するモールドの製造工程を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「細孔」とは、アルミニウム基材の表面の酸化皮膜に形成された微細凹凸構造の凹部のことをいう。
また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸およびメタクリル酸の総称であり、「(メタ)アクリロニトリル」はアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルの総称であり、「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミドおよびメタクリルアミドの総称である。
また、「活性エネルギー線」は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
また、「透明」とは、少なくとも波長400〜760nmの光を透過することを意味する。
「タッチパネル付き画像表示装置」
本発明のタッチパネル付き画像表示装置(以下、単に「画像表示装置」と記す。)は、画像表示装置本体と、画像表示装置本体を支持する第1の枠体と、タッチパネルと、タッチパネルを支持する第2の枠体と、第1の枠体および第2の枠体を固定する粘着部材とを備える。また、タッチパネルは、粘着部材により第1の枠体および第2の枠体が固定されることで、画像表示装置本体の画像が表示される側に隙間を介して対向配置され、かつ画像表示装置本体に対向する表面に周期が400nm以下の微細凹凸構造を有する。
図1は、本発明の画像表示装置の一例を示す断面図である。
この例の画像表示装置10は、画像表示装置本体として液晶パネル20と、液晶パネル20の画像が表示される側に隙間を介して対向配置されたタッチパネル40と、液晶パネル20の、タッチパネル40が配置された側とは反対側に配置されたバックライト12と、液晶パネル20およびバックライト12を取り囲んで支持する第1の枠体14と、タッチパネル40を取り囲んで支持する第2の枠体16と、第1の枠体14および第2の枠体16を固定する粘着部材30とを備えたものである。
以下、各部材について説明する。
<液晶パネル>
この例の液晶パネル20は、カラーフィルタ(図示略)、透明電極(図示略)、配向膜(図示略)等が形成された第1のガラス基板21と、透明電極(図示略)、配向膜(図示略)等が形成された第2のガラス基板22と、第1のガラス基板21と第2のガラス基板22とに挟まれた液晶層23と、液晶層23とは反対側の第1のガラス基板21の表面に接着剤層(図示略)を介して貼り合わされた第1の偏光フィルム24と、液晶層23とは反対側の第2のガラス基板22の表面に接着剤層(図示略)を介して貼り合わされた第2の偏光フィルム25とを備えたものである。
接着剤層の接着剤としては、光学用途に用いられる公知の透明接着剤、透明粘着剤等が挙げられる。
<タッチパネル>
この例のタッチパネル40は、入力面Sに接近または接触した導電体(指、金属等)の位置を静電容量の変化として検出する静電容量方式のタッチパネルであり、入力面Sを有するカバーガラス42と、カバーガラス42を挟んで入力面Sの反対側に、接着剤層44を介して貼り合わされた電極基板50と、電極基板50の透明電極に電気的に接続し、入力面Sに導電体が接近または接触した際の静電容量の変化を検出する検出部(図示略)と、電極基板50の表面に接着剤層46を介して貼り合わされた低反射フィルム60とを備えたものである。
(電極基板)
電極基板50は、基板本体52と、基板本体52の一方の表面に形成された、第1の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第1の透明電極54と、基板本体52の他方の表面に形成された、第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第2の透明電極56とを備えたものである。
基板本体52は、透明な板、フィルム、シート等からなる。基板本体52の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
第1の透明電極54および第2の透明電極56は、光を透過でき、かつ導電性を有する薄膜である。
第1の透明電極54および第2の透明電極56としては、導電性金属酸化物薄膜等が挙げられる。導電性金属酸化物としては、スズがドープされた酸化インジウム(以下、ITOと記す。)等が挙げられる。
(検出部)
検出部は、例えば、透明電極に所定の電圧を印加しつつ、入力面に導電体が接近または接触した際の導電体と電極との間の静電容量の変化を検出し、いずれの箇所に導電体が接近または接触したかを検出するものである。
(低反射フィルム)
低反射フィルム60は、図2に示すように、基材フィルム64と、基材フィルム64の表面に形成された、複数の凸部62からなる微細凹凸構造を表面に有する硬化樹脂層66とを有する。
基材フィルム64は、透明フィルムからなる。基材フィルム64の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
硬化樹脂層66は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる透明膜であり、複数の凸部62からなる微細凹凸構造を表面に有する。
略円錐形状、角錐形状等の凸部62が複数並んだ微細凹凸構造(いわゆるモスアイ構造)は、空気の屈折率から材料の屈折率に連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。
微細凹凸構造は、後述する陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成されたものであることが好ましい。陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成された微細凹凸構造は、良好な低反射性を発現できる。また、低コストで形成でき、かつ大面積化が可能である。
凸部62の平均高さHは、80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。凸部62の平均高さHが80nm以上であれば、反射率が十分に低くなり、かつ反射率の波長依存性が少ない。凸部62の平均高さHが500nm以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。
凸部62の平均高さHは、電子顕微鏡観察によって、凸部62の最頂部と、凸部62間に存在する凹部の最底部との間の距離を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部62の周期(すなわち、隣接する凸部62間の平均間隔)Pは、可視光線の反射率が十分に低くなる点から、可視光線の波長以下、すなわち400nm以下である。陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して凸部62を形成した場合、凸部62の周期Pは100nm程度となることから、200nm以下がより好ましく、150nm以下が特に好ましい。凸部62の周期Pは、凸部62の形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましい。
凸部62間の周期Pは、電子顕微鏡観察によって、隣接する凸部62間の間隔(凸部62の中心から隣接する凸部62の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部62のアスペクト比(凸部62の平均高さH/凸部62の周期P)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。凸部62のアスペクト比が0.8以上であれば、反射率が十分に低くなる。凸部62のアスペクト比が5.0以下であれば、凸部62の耐擦傷性が良好となる。
凸部62の形状は、高さ方向と直交する方向の凸部断面積が最表面から深さ方向に連続的に増加する形状、すなわち、凸部62の高さ方向の断面形状が、三角形、台形、釣鐘型等の形状が好ましい。
(接着剤層)
接着剤層44、46の接着剤としては、光学用途に用いられる公知の透明接着剤、透明粘着剤等が挙げられる。
<第1の枠体>
第1の枠体14は、液晶パネル20を支持するものである。この例の第1の枠体14は、液晶パネル20に加えて、バックライト12も支持している。
第1の枠体14の形状については、少なくとも液晶パネル20を支持できる形状であれば特に限定されない。この例の第1の枠体14の断面はU字状であり、図3に示すように、液晶パネル20の周囲全体を取り囲んで支持しているが、液晶パネル20を支持できれば、必ずしも液晶パネル20の周囲全体を第1の枠体14で取り囲む必要はない。また、バックライト12は第1の枠体14で支持されていなくてもよい。
第1の枠体14は、後述する粘着部材30を用いて第2の枠体16と貼り合わせた際に、第1の枠体14の第2の枠体16に対向する面(以下、「第1の枠体の対向面」ともいう。)の幅が、粘着部材30が第1の枠体14の外側や内側にはみ出さない大きさとされていることが好ましい。具体的には、第1の枠体14の対向面の幅は、粘着部材30と同じであること、または粘着部材30よりも広いことが好ましく、粘着部材30よりも広いことがより好ましい。
粘着部材30が第1の枠体14の外側にはみ出してしまうと、はみ出した部分の粘着部材30にゴミや埃等が付着するおそれがある。一方、粘着部材30が第1の枠体14の内側にはみ出してしまうと、はみ出した部分の粘着部材30によって液晶パネル20とタッチパネル40とが貼り合わされるおそれがある。上述したように、微細凹凸構造と粘着部材の粘着剤層とが接触すると接着強度が非常に強くなってしまい、液晶パネル20とタッチパネル40とを分離することが困難となる。第1の枠体14の対向面の幅が、粘着部材30が第1の枠体14の外側や内側にはみ出さない大きさとされていれば、ゴミや埃等が付着したり、液晶パネル20とタッチパネル40とが貼り合わされたりすることを防げる。
液晶パネル20やバックライト12を第1の枠体14に支持する方法としては、例えば嵌合固定、ネジ止め、貼付固定などが挙げられる。
<第2の枠体>
第2の枠体16は、タッチパネル40を支持するものである。
第2の枠体16の形状については、少なくともタッチパネル40を支持できる形状であれば特に限定されない。この例の第2の枠体16は、図4に示すように、タッチパネル40の周囲全体を取り囲んで支持しているが、タッチパネル40を支持できれば、必ずしもタッチパネル40の周囲全体を第2の枠体16で取り囲む必要はない。
第2の枠体16は、後述する粘着部材30用いて第1の枠体14と貼り合わせた際に、第2の枠体16の第1の枠体14に対向する面(以下、「第2の枠体の対向面」ともいう。)の幅が、粘着部材30が第2の枠体16の外側や内側にはみ出さない大きさとされていることが好ましい。具体的には、第2の枠体16の対向面の幅は、粘着部材30と同じであること、または粘着部材30よりも広いことが好ましく、粘着部材30よりも広いことがより好ましい。
粘着部材30が第2の枠体16の外側にはみ出してしまうと、はみ出した部分の粘着部材30にゴミや埃等が付着するおそれがある。一方、粘着部材30が第2の枠体16の内側にはみ出してしまうと、はみ出した部分の粘着部材30によって液晶パネル20とタッチパネル40とが貼り合わされるおそれがあり、液晶パネル20とタッチパネル40とを分離することが困難となる。第2の枠体16の対向面の幅が、粘着部材30が第2の枠体16の外側や内側にはみ出さない大きさとされていれば、ゴミや埃等が付着したり、液晶パネル20とタッチパネル40とが貼り合わされたりすることを防げる。
タッチパネル40を第2の枠体16に支持する方法としては、例えば嵌合固定、ネジ止め、貼付固定などが挙げられる。
なお、タッチパネル40を第2の枠体16に貼付固定する場合には、タッチパネル40の表面の微細凹凸構造に、粘着剤が貼りつかないようにする。
<粘着部材>
粘着部材30は、第1の枠体14および第2の枠体16を固定するものである。
粘着部材30により第1の枠体14および第2の枠体16が固定されることで、上述したタッチパネル40は液晶パネル20の画像が表示される側に隙間を介して対向配置される。
この例の粘着部材30は、基材32と、基材32の一方の表面に積層された第1の粘着剤層34と、基材32の他方の表面に積層された第2の粘着剤層36とを備えたものであり、第1の粘着剤層34が第1の枠体14に接触し、第2の粘着剤層36が第2の枠体16に接触することで、第1の枠体14および第2の枠体16を固定している。また、第1の枠体14および第2の枠体16が固定されることにより、液晶パネル20およびタッチパネル40も間接的に固定される。
粘着部材30は、第1の枠体14の対向面の全面、および第2の枠体16の対向面の全面に設けられていてもよいが、第1の枠体14および第2の枠体16を固定できれば、必ずしもこれら対向面の全面に粘着部材30を設ける必要はない。
上述したように、画像表示装置10を組み立てる際に、タッチパネル40および液晶パネル20の位置がずれてしまった場合や、タッチパネル40および液晶パネル20のいずれかに不具合があった場合に、タッチパネル40と液晶パネル20とを分離し、再度画像表示装置10を組み立てる必要がある。
本発明においては、タッチパネル40の液晶パネル20に対向する表面には、上述した低反射フィルム60が設けられている。周期Pが400nm以下の微細凹凸構造を表面に有する低反射フィルム60は、表面が平滑なフィルムと比較して粘着剤層を貼り付けた場合に接着強度が大きくなる。これは、微細凹凸構造の凸部が粘着剤層に食い込み、平滑なフィルムと比較して粘着剤層との接触面積が大きく増加するためであると考えられる。
そのため、粘着部材30を用いてタッチパネル40と液晶パネル20とを直接貼り合わせて固定すると、これらを分離することが困難であった。また、これらを分離できたとしても、粘着部材30の基材が破断するなどして、液晶パネル20の表面に破断した基材32と第1の粘着剤層34とが残り、タッチパネル40の表面に残りの破断した基材32と第2の粘着剤層36とが残ってしまう。
液晶パネル20の表面に破断した基材32と第1の粘着剤層34とが残ってしまったり、タッチパネル40の表面に破断した基材32と第2の粘着剤層36とが残ってしまったりした場合、アルコール等を含浸した布等で拭き取ろうとすると、破断した基材32の破片が液晶パネル20やタッチパネル40の表面を傷つけてしまうことがある。また、破断した基材32の一部がアルコール等を吸収し、第1の粘着剤層34や第2の粘着剤層36を十分に除去することが困難となる。特に、液晶パネル20はタッチパネル40よりも高価であるため、液晶パネル20からの粘着剤層や基材の除去を極力軽減し、表面を傷つけることなく再利用することが望まれる。
しかし、本発明においては、液晶パネル20を支持する第1の枠体14と、タッチパネル40を支持する第2の枠体16とが粘着部材30により固定され、液晶パネル20およびタッチパネル40は粘着部材30に触れることなく、間接的に固定されている。
このように、液晶パネル20およびタッチパネル40は粘着部材30によって直接貼り合わされていないので、タッチパネル40および液晶パネル20の位置がずれてしまった場合に液晶パネル20とタッチパネル40とを容易に分離することができ、両者の位置を修正できる。また、タッチパネル40および液晶パネル20のいずれかに不具合が発見された場合は、液晶パネル20とタッチパネル40とを容易に分離することができるので、欠陥が発見された部材を容易に交換することが可能となる。
しかも、分離後の液晶パネル20やタッチパネル40には粘着部材30が残らないので、粘着部材30を除去する手間がない。また、粘着部材30を除去する必要がないので、液晶パネル20やタッチパネル40が傷つくおそれもない。
粘着部材30を構成する基材32としては特に制限されないが、例えば不織布、発泡ポリウレタン基材、発泡ポリオレフィン基材、ポリエチレンテレフタレート基材(PET基材)、ポリカーボネート基材などが挙げられる。
第1の粘着剤層34、第2の粘着剤層36の粘着剤としては特に制限されないが、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
また、第1の粘着剤層34と第2の粘着剤層36とで粘着剤の種類を変更してもよいし、同じ種類の粘着剤を用いてもよい。
粘着部材30は、第1の枠体14および第2の枠体16を貼り合わせた際に、第1の枠体14および第2の枠体16の外側や内側にはみ出さない大きさとすることが好ましい。具体的には、粘着部材30は、第1の枠体14の対向面および第2の枠体16の対向面の幅と同じであること、または第1の枠体14の対向面および第2の枠体16の対向面の幅よりも狭いことが好ましく、第1の枠体14の対向面および第2の枠体16の対向面の幅よりも狭いことがより好ましい。粘着部材30が、第1の枠体14および第2の枠体16の外側や内側にはみ出さない大きさであれば、ゴミや埃等が付着したり、液晶パネル20とタッチパネル40とが貼り合わされたりすることを防げる。
<低反射フィルムの製造方法>
低反射フィルム60は、例えば、図5に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
複数の細孔(図示略)を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状のモールド70の表面と、モールド70の回転に同期してモールド70の表面に沿って移動する帯状の基材フィルム64の表面との間に、タンク72から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物74を供給する。
モールド70と、空気圧シリンダ76によってニップ圧が調整されたニップロール78との間で、基材フィルム64および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物74をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物74を、基材フィルム64とモールド70との間に均一に行き渡らせると同時に、モールド70の細孔内に充填する。
モールド70と基材フィルム64との間に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物74が挟まれた状態で、モールド70の下方に設置された活性エネルギー線照射装置80を用い、基材フィルム64側から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物74に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物74を硬化させることによって、モールド70の表面の複数の細孔が転写された、複数の凸部(図示略)からなる微細凹凸構造を表面に有する硬化樹脂層66を形成する。
剥離ロール82により、硬化樹脂層66が表面に形成された基材フィルム64を剥離することによって、低反射フィルム60を得る。
活性エネルギー線照射装置80としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が好ましい。積算光量は、100〜10000mJ/cmが好ましい。
(モールド)
モールド70は、陽極酸化アルミナを表面に有するモールドである。陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、大面積化が可能であり、作製が簡便である。
陽極酸化アルミナは、アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト)であり、複数の細孔を表面に有する。
陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、例えば、下記工程(a)〜(f)を経て製造できる。
(a)アルミニウム基材を電解液中、陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜の全部を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)アルミニウム基材を電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)工程(d)の後、電解液中、再度陽極酸化する工程。
(f)前記工程(d)と工程(e)を繰り返し行う工程。
工程(a):
図6に示すように、アルミニウム基材84を陽極酸化すると、細孔86を有する酸化皮膜88が形成される。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光線を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等が挙げられる。
工程(b):
図6に示すように、酸化皮膜88の全部を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点90にすることで、細孔の規則性を向上することができる。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
工程(c):
図6に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム基材84を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔86を有する酸化皮膜88が形成される。
電解液としては、工程(a)と同様のものが挙げられる。
工程(d):
図6に示すように、細孔86の径を拡大させる処理(以下、「細孔径拡大処理」と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、1mol/L程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
工程(e):
図6に示すように、再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔86の底部から下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔86がさらに形成される。
電解液としては、工程(a)と同様のものが挙げられる。
工程(f):
図6に示すように、工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔86を有する陽極酸化アルミナ(アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト))が形成されたモールド70が得られる。最後は工程(d)で終わることが好ましい。
繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔の直径が減少するため、このような細孔を有する陽極酸化アルミナを用いて形成された硬化樹脂層66の反射率低減効果は不十分である。
陽極酸化アルミナの表面は、硬化樹脂層66との分離が容易になるように、離型剤で処理されていてもよい。処理方法としては、例えば、シリコーン樹脂またはフッ素含有ポリマーをコーティングする方法、フッ素含有化合物を蒸着する方法、フッ素含有シラン化合物をコーティングする方法等が挙げられる。
細孔86の形状としては、略円錐形状、角錐形状、円柱形状等が挙げられ、円錐形状、角錐形状等のように、深さ方向と直交する方向の細孔断面積が最表面から深さ方向に連続的に減少する形状が好ましい。
細孔86の平均深さは、80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。
細孔86の周期(隣り合う細孔間の平均間隔)は、可視光線の波長以下、すなわち400nm以下であり、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。細孔86の周期隔は、20nm以上が好ましい。
細孔86のアスペクト比(細孔の平均深さ/細孔の周期)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
図6に示すような細孔86を転写して形成された硬化樹脂層66の表面は、いわゆるモスアイ構造となる。
なお、モールドの製造方法は上述した方法に限定されず、例えば、工程(b)に代えて、下記の工程(b’)を行ってもよい。
(b’)酸化皮膜の一部を除去する工程。
図6に示すように、工程(a)で形成された酸化皮膜88の細孔86は、間隔にバラつきがある。そこで、工程(b’)では、規則性の乱れた部分を除去する(すなわち、細孔86の間隔にバラつきがなくなるまで酸化皮膜88の表面を除去する。)。工程(b’)により表面に露出した細孔86が、工程(b)における細孔発生点90の役割を果たす。
酸化皮膜88の一部を除去する方法としては、クロム酸/リン酸混合液やリン酸溶液を用いて、酸化皮膜88を溶解すればよい。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を含んでいてもよい。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、下記式(1)の化合物が挙げられる。
11 Si(OR12 ・・・(1)。
ただし、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、下記式(2)の化合物が挙げられる。
21O[Si(OR23)(OR24)O]22 ・・・(2)。
ただし、R21〜R24は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化反応を利用する場合、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、離型剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤;微粒子、少量の溶剤を含んでいてもよい。
(疎水性材料)
微細凹凸構造の表面に、撥水性(具体的には水の接触角が90°以上であること)が求められる場合には、疎水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
フッ素含有化合物:
フッ素含有化合物としては、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。
−(CF−X ・・・(3)。
ただし、Xは、フッ素原子または水素原子を表し、nは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フッ素含有化合物としては、フッ素含有モノマー、フッ素含有シラン化合物、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有ポリマー等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換ビニルモノマー、フルオロアルキル基置換開環重合性モノマー等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換開環重合性モノマーとしては、フルオロアルキル基置換エポキシ化合物、フルオロアルキル基置換オキセタン化合物、フルオロアルキル基置換オキサゾリン化合物等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレートが好ましく、下記式(4)の化合物が特に好ましい。
CH=C(R41)C(O)O−(CH−(CF−X ・・・(4)。
ただし、R41は、水素原子またはメチル基を表し、Xは、水素原子またはフッ素原子を表し、mは、1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、nは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フッ素含有シラン化合物としては、フルオロアルキル基置換シラン化合物が好ましく、下記式(5)の化合物が特に好ましい。
(R51 SiY ・・・(5)。
は、エーテル結合またはエステル結合を1個以上含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基を表す。Rとしては、3,3,3−トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル基、3−トリフルオロメトキシプロピル基、3−トリフルオロアセトキシプロピル基等が挙げられる。
51は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。R51としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Yは、水酸基または加水分解性基を表す。
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、R52C(O)O(ただし、R52は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
52C(O)Oとしては、CHC(O)O、CC(O)O等が挙げられる。
a、b、cは、a+b+c=4であり、かつa≧1、c≧1を満たす整数を表し、a=1、b=0、c=3が好ましい。
フッ素含有シランカップリング剤としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤、フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)またはその金属塩、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有脂肪族一級、二級または三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、フルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。フッ素含有ポリマーは、共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体が好ましい。
ポリ(オキシアルキレン)基としては、下記式(6)で表される基が好ましい。
−(OR61− ・・・(6)。
ただし、R61は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、pは、2以上の整数を表す。R61としては、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)基は、同一のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよく、2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよい。2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)の配列は、ブロックであってもよく、ランダムであってもよい。
シリコーン系化合物:
シリコーン系化合物としては、(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーン系シランカップリング剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸変性シリコーンとしては、X−22−1602(信越化学工業社製)等のシリコーン(ジ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(親水性材料)
微細凹凸構造の表面に、親水性(具体的には水の接触角が25°以下であること)が求められる場合には、親水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート、2官能以上の親水性(メタ)アクリレート、必要に応じて単官能モノマーを含む組成物を用いることが好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物、ウレタンアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL220、EBECRYL1290、EBECRYL1290K、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、KRM8200)、ポリエーテルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL81)、変性エポキシアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL3416)、ポリエステルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL450、EBECRYL657、EBECRYL800、EBECRYL810、EBECRYL811、EBECRYL812、EBECRYL1830、EBECRYL845、EBECRYL846、EBECRYL1870)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、5官能以上の多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートとしては、アロニックスM−240、アロニックスM260(東亞合成社製)、NKエステルAT−20E、NKエステルATM−35E(新中村化学社製)等の長鎖ポリエチレングリコールを有する多官能アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレングリコールジメタクリレートにおいて、一分子内に存在するポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位の合計は、6〜40が好ましく、9〜30がより好ましく、12〜20が特に好ましい。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が6以上であれば、親水性が十分となり、防汚性が向上する。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が40以下であれば、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとの相溶性が良好となり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が分離しにくい。
単官能モノマーとしては、親水性単官能モノマーが好ましい。
親水性単官能モノマーとしては、M−20G、M−90G、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステル基に水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート、単官能アクリルアミド類、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等のカチオン性モノマー類等が挙げられる。
また、単官能モノマーとして、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン等の粘度調整剤、基材への密着性を向上させるアクリロイルイソシアネート類等の密着性向上剤等を用いてもよい。
単官能モノマーは、1種または2種以上を(共)重合した低重合度の重合体として活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に配合してもよい。低重合度の重合体としては、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート類と、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートとの40/60共重合オリゴマー(MRCユニテック社製、MGポリマー)等が挙げられる。
<電極基板の製造方法>
電極基板50は、例えば、ITO等を基板本体52の表面に蒸着させて透明導電膜を形成した後、所望の電極パターンにパターニングして第1の透明電極54および第2の透明電極56とすることによって製造できる。
<作用効果>
以上説明した画像表示装置10にあっては、タッチパネル40が、液晶パネル20(画像表示装置本体)に対向する表面に周期が400nm以下の微細凹凸構造を有するため、液晶パネル20およびタッチパネル40の対向面における光の反射が抑えられ、画像の視認性に優れる。
また、以上説明した画像表示装置10にあっては、液晶パネル20とタッチパネル40とが直接貼り合わされているのではなく、粘着部材30によって第1の枠体14と第2の枠体16とを固定することで、間接的に液晶パネル20とタッチパネル40とを固定している。よって、必要なときに液晶パネル20とタッチパネル40とを容易に分離できる。
これにより、タッチパネル40および液晶パネル20の位置がずれてしまった場合、タッチパネル40と液晶パネル20とを容易に分離し、タッチパネル40および液晶パネル20を廃棄することなく、所定の位置関係でタッチパネル40と液晶パネル20とを再度固定することが可能となる。
また、画像表示装置10の組立後に、タッチパネル40や液晶パネル20のいずれかに欠陥が発見された場合、固定されたタッチパネル40と液晶パネル20とを容易に分離し、欠陥が発見された部材を容易に交換することが可能となる。
このように、本発明によれば、液晶パネル20とタッチパネル40とを分離したいときに容易に分離でき、画像の視認性に優れた画像表示装置10を効率よく製造することが可能となる。
<他の形態>
なお、本発明の画像表示装置は、図示例の画像表示装置10に限定はされない。
例えば、画像表示装置本体は、液晶パネルに限定はされず、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル、CRT等であってもよい。
また、液晶パネルは、図示例の液晶パネル20に限定されず、液晶パネル20以外の公知の表示パネルであってもよい。
また、タッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルに限定されず、抵抗膜方式のタッチパネル等であってもよい。
また、静電容量方式のタッチパネルは、図示例のタッチパネル40に限定されず、タッチパネル40以外の公知の静電容量方式のタッチパネルであってもよい。
また、低反射フィルムをタッチパネル40の入力面に貼り合わせる等によって、タッチパネル40の入力面に微細凹凸構造を設けてもよい。
また、微細凹凸構造は、図示例においては、低反射フィルムの硬化樹脂層の表面に形成されているが、硬化樹脂層を設けることなく基材フィルムの表面に直接形成されていてもよく、低反射フィルムを貼着することなくタッチパネル40の表面に形成されていてもよい。ただし、図5に示すように、ロール状のモールド70を用いて効率よく微細凹凸構造を形成できる点、および微細凹凸構造が破損した際に低反射フィルムを貼りなおすことができる点から、低反射フィルムの硬化樹脂層の表面に微細凹凸構造が形成されていることが好ましい。
また、低反射フィルムを貼着することなくタッチパネル40の表面に微細凹凸構造を形成する場合、タッチパネル40の第2の透明電極の表面形状を微細凹凸構造にしてもよい。
また、液晶パネル20は、タッチパネル40に対向する表面に微細凹凸構造を有していてもよい。この場合、例えば第1の偏光フィルム24の表面に接着剤層を介して上述した低反射フィルムを貼り合わせてもよいし、第1の偏光フィルム24の表面形状を微細凹凸構造にしてもよい。
また、低反射フィルムは、上述した製造方法で得られたものに限定はされず、公知の方法(ナノインプリント、切削加工、エッチング等)によって基材フィルムの表面に微細凹凸構造を形成することによって製造されたものであってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<陽極酸化アルミナの細孔の測定>
陽極酸化アルミナの一部を削り、断面にプラチナを1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて、断面を観察し、細孔間の間隔、細孔の深さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
<硬化樹脂層の凸部の測定>
硬化樹脂層の破断面にプラチナを10分間蒸着し、陽極酸化アルミナと同様に断面を観察し、凸部間の間隔、凸部の高さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
「実施例1」
<モールドaの製造>
上述した工程(a)〜(f)を行い、周期(平均間隔)100nm、平均深さ190nmの略円錐形状の複数の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成された板状のモールドaを得た。
モールドaを、オプツールDSX(ダイキン工業社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、陽極酸化アルミナの表面を離型剤で処理した。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの調製>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製):25質量部、
ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬社製):25質量部、
エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製):25質量部、
ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製):25質量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製、「イルガキュア184」):1質量、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン社製、「イルガキュア819」):0.5質量部、
を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを得た。
<低反射フィルムXの製造>
モールドaの表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを塗布し、この上に厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを被せた。
紫外線照射機(フュージョンランプDバルブ)を用いて、積算光量1000mJ/cmでフィルム越しに紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った後、モールドaから分離し、円錐台形状の複数の凸部からなる微細凹凸構造を表面に有する厚さ7μmの硬化樹脂層が表面に形成された低反射フィルムXを得た。
凸部の周期(平均間隔)は100nmであり、凸部の平均高さは180nmであった。
<電極基板の製造>
アルゴンガスの98体積%および酸化スズの2体積%からなる0.4Paの雰囲気中で酸化インジウム97質量%および酸化スズ3質量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法によって、厚さ1mmのガラス板の両面に厚さ30nmのITO膜を形成した。
次いで、ストライプ状にパターン化されているフォトレジストをITO膜の表面に塗布し、乾燥、硬化した後、25℃、5質量%の塩酸に1分間浸漬して両面のITO膜のエッチングを行い、ITO膜をパターン化した透明電極を形成した。
(画像表示装置の製造)
低反射フィルムX、電極基板、および厚さ3mmのカバーガラス用のガラス板の順に積層し、透明電極に検出部を接続し、静電容量方式のタッチパネルを組み立てた。このようにして得られたタッチパネルを、該タッチパネルよりも一回りサイズの大きい第2の枠体に嵌合固定し、第2の枠体でタッチパネルの周囲を取り囲むように支持した。
別途、バックライト付きの液晶パネルを、該液晶パネルよりも一回り大きい第1の枠体に嵌合固定し、第1の枠体で液晶パネルおよびバックライトの周囲を取り囲むように支持した。
次いで、第2の枠体で支持されたタッチパネルの低反射フィルムXが、第1の枠体で支持された液晶パネルの画像が表示される側に隙間を介して対向配置されるように、第1の枠体と第2の枠体とを粘着部材を用いて貼付固定し、間接的にタッチパネルとバックライト付きの液晶パネルとを固定し、画像表示装置を組み立てた。
粘着部材としては、PET基材の両面にアクリル系粘着剤層(第1の粘着剤層および第2の粘着剤層)が形成された、第1の枠体の対向面および第2の枠体の対向面の幅よりも狭い粘着部材を用いた。
貼付位置は、第1の枠体の対向面の全面、および第2の枠体の対向面の全面に設けた。
得られた画像表示装置について、第2の枠体で支持されたタッチパネルと、第1の枠体で支持された液晶パネルおよびバックライトとを分離したところ、粘着部材の基材の破断等は発生せずにこれらを分離できた。
次いで、分離したタッチパネルとバックライト付きの液晶パネルとを再度固定した。具体的には、第2の枠体で支持されたタッチパネルの低反射フィルムXが、第1の枠体で支持された液晶パネルの画像が表示される側に隙間を介して対向配置されるように、第1の枠体と第2の枠体とを再度粘着部材を用いて貼付固定し、画像表示装置を組み立てた。タッチパネル、液晶パネルの動作ともに問題なく、また、反射が抑制されており鮮明な映像が得られることが確認された。
「比較例1」
タッチパネルを第2の枠体で支持せず、バックライト付きの液晶パネルを第1の枠体で支持せず、タッチパネルとバックライト付きの液晶パネルとを粘着部材を用いて直接貼り合わせて固定した以外は、実施例1と同様にして画像表示装置を組み立てた。貼付位置は、タッチパネルおよび液晶パネルの周縁とした。
得られた画像表示装置について、タッチパネルと液晶パネルとを分離したところ、粘着部材の基材の破断等は発生せず、粘着部材はタッチパネルに貼り付いたままとなっていた。
また、分離した液晶パネル表面を観察したところ、粘着部材が付着していた部分にかすかに第1の粘着剤層の痕跡(糊残り)を確認できたが、エタノールで液晶パネル表面を拭くことで糊残りを容易に除去できた。
次いで、タッチパネルから粘着部材を剥がしたところ、粘着部材の基材が破断してしまい、破断した基材の一部と第2の粘着剤層とをタッチパネルから分離することができなかった。
また、タッチパネル表面に残った破断した基材と第2の粘着剤層とをエタノールで除去しようとしたが、これらを除去することはできなかった。
なお、タッチパネルから破断した基材と第2の粘着剤層とを除去できなかったため、分離したタッチパネルと液晶パネルとを用いて画像表示装置を組み立てることができなかった。
本発明の画像表示装置は、前面にタッチパネルを配置した画像表示装置として有用である。
10 画像表示装置(タッチパネル付き画像表示装置)
14 第1の枠体
16 第2の枠体
20 液晶パネル(画像表示装置本体)
30 粘着部材
40 タッチパネル
62 凸部(微細凹凸構造)

Claims (2)

  1. 画像表示装置本体と、
    前記画像表示装置本体を支持する第1の枠体と、
    タッチパネルと、
    前記タッチパネルを支持する第2の枠体と、
    前記第1の枠体および前記第2の枠体を固定する粘着部材と
    を備え、
    前記タッチパネルは、前記粘着部材により前記第1の枠体および前記第2の枠体が固定されることで、前記画像表示装置本体の画像が表示される側に隙間を介して対向配置され、前記画像表示装置本体に対向する表面に周期が400nm以下の微細凹凸構造を有する、タッチパネル付き画像表示装置。
  2. 前記第1の枠体の前記第2の枠体に対向する面の幅、および前記第2の枠体の前記第1の枠体に対向する面の幅は、前記粘着部材がはみ出さない大きさとされている、請求項1に記載のタッチパネル付き画像表示装置。
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