JP2013125316A - 静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体、静電容量方式タッチパネルおよび画像表示装置 - Google Patents

静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体、静電容量方式タッチパネルおよび画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】入力面が十分な撥水性および低反射性を有する静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体、これを用いた静電容量方式タッチパネル、およびこれを備えた画像表示装置を提供する。
【解決手段】入力面Sに接近または接触した導電体の位置を静電容量の変化として検出する静電容量方式タッチパネルに用いられる導電性透明積層体10であって、最表面に入力面Sを有し、入力面Sが、水の接触角が90°以上の、微細凹凸構造を有する面である。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体、静電容量方式タッチパネルおよび表示装置に関する。
タッチパネルは、液晶パネル等の画像表示装置本体の前面に配置され、画像表示装置本体に表示されたボタン等に相当する領域を指等で押さえることで、タッチパネルおよび画像表示装置本体が接続された各種機器(パーソナルコンピュータ、携帯電話、ATM等)を操作する入力装置である。
タッチパネルとしては、入力面を有する透明部材(カバーガラス等)と、透明部材を挟んで入力面の反対側に配置され、透明絶縁層を介して離間した第1の透明電極および第2の透明電極と、第1の透明電極および第2の透明電極に電気的に接続した検出部とを備え、最表面である入力面に接近または接触した導電体(指、金属等)の位置を、導電体と、第1の透明電極および第2の透明電極との間の静電容量の変化として、第1の透明電極および第2の透明電極を介して検出部にて検出する静電容量方式タッチパネルが知られている。
ところで、静電容量方式タッチパネルには、入力面が水に濡れてしまうと、入力面に導電体が接近または接触した際の静電容量の変化量が小さくなり、入力面に接近または接触した導電体の位置の検出感度が低下するという問題がある。
また、静電容量方式タッチパネルには、画像表示装置本体に表示された画像等の視認性の低下を抑えるため、入力面に低反射性を付与することが要求されることがある。
タッチパネルの表面に撥水性を付与したものとしては、抵抗膜方式タッチパネルの最表面に特定のアルコキシシラン化合物からなる防汚膜を形成したものが提案されている(特許文献1)。
しかし、防汚膜は低反射性を有するものではないため、静電容量方式タッチパネルの入力面に防汚膜を形成した場合、画像表示装置本体に表示された画像等の視認性が低下するという問題がある。
特開2005−048135号公報
本発明は、入力面が十分な撥水性および低反射性を有する静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体、これを用いた静電容量方式タッチパネル、およびこれを備えた画像表示装置を提供する。
本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体は、入力面に接近または接触した導電体の位置を静電容量の変化として検出する静電容量方式タッチパネルに用いられる導電性透明積層体であって、最表面に前記入力面を有し、前記入力面が、水の接触角が90°以上の、微細凹凸構造を有する面であることを特徴とする。
前記微細凹凸構造は、陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成された複数の凸部からなることが好ましい。
また、前記微細凹凸構造は、複数の凸部からなり、前記凸部の高さが、120〜500nmであり、前記凸部間の平均間隔が、20〜400nmであり、前記凸部のアスペクト比(高さ/平均間隔)が、1.2〜5であることが好ましい。
本発明の静電容量方式タッチパネルは、本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体と、前記静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体の透明電極に電気的に接続し、前記入力面に前記導電体が接近または接触した際の静電容量の変化を検出する検出部とを備えたことを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、本発明の静電容量方式タッチパネルと、画像表示装置本体とを備えたことを特徴とする。
本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体は、入力面が十分な撥水性および低反射性を有する。
本発明の静電容量方式タッチパネルは、入力面に水がかかっても入力面に接近または接触した導電体の位置の検出感度が低下しにくく、かつ入力面が十分な低反射性を有する。
本発明の画像表示装置は、静電容量方式タッチパネルの入力面に水がかかっても入力面に接近または接触した導電体の位置の検出感度が低下しにくく、かつ静電容量方式タッチパネルによる画像の視認性の低下が抑えられる。
本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体の一例を示す断面図である。 本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体に用いる撥水性低反射フィルムの一例を示す断面図である。 撥水性低反射フィルムの製造装置の一例を示す構成図である。 陽極酸化アルミナを表面に有するモールドの製造工程を示す断面図である。 本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体に用いる電極基板の他の例を示す断面図である。 本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体に用いる電極基板の他の例を示す断面図である。 本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体に用いる電極基板の他の例を示す断面図である。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびまたはメタクリレートを意味する。
本明細書において、「活性エネルギー線」は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
<導電性透明積層体>
本発明の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体(以下、単に導電性透明積層体と記す。)は、入力面に接近または接触した導電体の位置を静電容量の変化として検出する静電容量方式タッチパネルに用いられる導電性透明積層体であって、最表面に入力面を有し、かつ入力面から離間して設けられた透明電極を有するものである。
導電性透明積層体としては、具体的には、入力面を有する透明部材(カバーガラス等)と、透明部材を挟んで入力面の反対側に配置され、透明絶縁層(ガラス基板、樹脂フィルム基板、絶縁性接着剤、樹脂塗膜等)を介して離間した第1の透明電極および第2の透明電極とを備えたものが挙げられる。
図1は、本発明の導電性透明積層体の一例を示す断面図である。導電性透明積層体10は、入力面Sを有する透明部材20と、透明部材20を挟んで入力面Sの反対側に、接着剤層12を介して貼り合わされた電極基板40とを備えたものである。
(接着剤層)
接着剤層12の接着剤としては、光学用途に用いられる公知の透明接着剤、透明粘着剤等が挙げられる。
(透明部材)
透明部材20は、透明部材本体22と、透明部材本体22の表面に接着剤層24を介して貼り合わされた、複数の凸部32からなる微細凹凸構造を入力面Sとなる最表面に有する撥水性低反射フィルム30とを備えたものである。
(透明部材本体)
透明部材本体22は、透明な板、フィルム、シート等からなる。透明部材本体22の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
(接着剤層)
接着剤層24の接着剤としては、光学用途に用いられる公知の透明接着剤、透明粘着剤等が挙げられる。
(撥水性低反射フィルム)
撥水性低反射フィルム30は、図2に示すように、基材フィルム34と、基材フィルム34の表面に形成された、複数の凸部32からなる微細凹凸構造を入力面Sとなる最表面に有する硬化樹脂層36とを有する。
(基材フィルム)
基材フィルム34は、透明フィルムからなる。基材フィルム34の材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
(硬化樹脂層)
硬化樹脂層36は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる透明膜であり、複数の凸部32からなる微細凹凸構造を入力面Sとなる最表面に有する。
略円錐形状、角錐形状等の凸部32が複数並んだ微細凹凸構造(いわゆるモスアイ構造)は、空気の屈折率から材料の屈折率に連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。また、複数の凸部32からなる微細凹凸構造は、疎水性の材料から形成されていればロータス効果によって撥水性を発現することが知られている。
微細凹凸構造を有する入力面Sの水の接触角は、90゜以上であり、110゜以上が好ましく、120゜以上がより好ましい。水の接触角が90゜以上であれば、入力面Sに水がかかっても、入力面Sに沿って水が濡れ広がることなく、水滴の状態となるため、入力面Sに導電体が接近または接触した際の静電容量の変化量が小さくなることなく、入力面Sに接近または接触した導電体の位置の検出感度が低下することがない。
微細凹凸構造は、後述する陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成されたものであることが好ましい。陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成された微細凹凸構造は、良好な撥水性および低反射性を発現できる。また、低コストで形成でき、かつ大面積化が可能である。
凸部32の高さHは、120〜500nmが好ましく、130〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。凸部32の高さHが120nm以上であれば、反射率が十分に低くなり、かつ反射率の波長依存性が少ない。凸部32の高さHが500nm以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。
凸部32の高さHは、電子顕微鏡観察によって、凸部32の最頂部と、凸部32間に存在する凹部の最底部との間の距離を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部32間の平均間隔Pは、可視光線の反射率が十分に低くなる点から、可視光線の波長以下、すなわち400nm以下が好ましい。陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して凸部32を形成した場合、凸部32間の平均間隔Pは100nm程度となることから、200nm以下がより好ましく、150nm以下が特に好ましい。
凸部32間の平均間隔Pは、凸部32の形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましい。
凸部32間の平均間隔Pは、電子顕微鏡観察によって、隣接する凸部32間の間隔(凸部32の中心から隣接する凸部32の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部32のアスペクト比(凸部32の高さH/凸部32間の平均間隔P)は、1.2〜5が好ましく、1.3〜4がより好ましく、1.5〜3が特に好ましい。凸部32のアスペクト比が1.2以上であれば、反射率が十分に低く、かつ撥水性が良好となる。凸部32のアスペクト比が5以下であれば、凸部32の耐擦傷性が良好となる。
凸部32の形状は、高さ方向と直交する方向の凸部断面積が最表面から深さ方向に連続的に増加する形状、すなわち、凸部32の高さ方向の断面形状が、三角形、台形、釣鐘型等の形状が好ましい。
(電極基板)
電極基板40は、基板本体42と、基板本体42の一方の表面に形成された、第1の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第1の透明電極44と、基板本体42の他方の表面に形成された、第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第2の透明電極46とを備えたものである。
(基板本体)
基板本体42は、透明な板、フィルム、シート等からなる。基板本体42の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
(透明電極)
第1の透明電極44および第2の透明電極46は、光を透過でき、かつ導電性を有する薄膜である。
第1の透明電極44および第2の透明電極46としては、導電性金属酸化物薄膜等が挙げられる。導電性金属酸化物としては、スズがドープされた酸化インジウム(以下、ITOと記す。)等が挙げられる。
(導電性透明積層体の製造方法)
導電性透明積層体10は、例えば、透明部材本体22の一方の表面に、接着剤層24を介して撥水性低反射フィルム30を、微細凹凸構造を有する入力面Sが最表面となるように貼り合わせて透明部材20とし、透明部材20の入力面Sとは反対側の表面に、接着剤層12を介して電極基板40を、第1の透明電極44が透明部材20の側となるように貼り合わせることによって製造できる。
(撥水性低反射フィルムの製造方法)
撥水性低反射フィルム30は、例えば、図3に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
複数の細孔(図示略)を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状のモールド50の表面と、モールド50の回転に同期してモールド50の表面に沿って移動する帯状の基材フィルム34の表面との間に、タンク52から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物54を供給する。
モールド50と、空気圧シリンダ56によってニップ圧が調整されたニップロール58との間で、基材フィルム34および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物54をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物54を、基材フィルム34とモールド50との間に均一に行き渡らせると同時に、モールド50の細孔内に充填する。
モールド50と基材フィルム34との間に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物54が挟まれた状態で、モールド50の下方に設置された活性エネルギー線照射装置60を用い、基材フィルム34側から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物54に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物54を硬化させることによって、モールド50の表面の複数の細孔が転写された、複数の凸部(図示略)からなる微細凹凸構造を表面に有する硬化樹脂層36を形成する。
剥離ロール62により、硬化樹脂層36が表面に形成された基材フィルム34を剥離することによって、撥水性低反射フィルム30を得る。
活性エネルギー線照射装置60としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が好ましい。積算光量は、100〜10000mJ/cmが好ましい。
(モールド)
モールド50は、陽極酸化アルミナを表面に有するモールドである。陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、大面積化が可能であり、作製が簡便である。
陽極酸化アルミナは、アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト)であり、複数の細孔を表面に有する。
陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、例えば、下記工程(a)〜(f)を経て製造できる。
(a)アルミニウム基材を電解液中、陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)アルミニウム基材を電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)工程(d)の後、電解液中、再度陽極酸化する工程。
(f)前記工程(d)と工程(e)を繰り返し行う工程。
工程(a):
図4に示すように、アルミニウム基材64を陽極酸化すると、細孔66を有する酸化皮膜68が形成される。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光線を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等が挙げられる。
工程(b):
図4に示すように、酸化皮膜68を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点70にすることで細孔の規則性を向上することができる。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
工程(c):
図4に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム基材64を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔66を有する酸化皮膜68が形成される。
電解液としては、工程(a)と同様のものが挙げられる。
工程(d):
図4に示すように、細孔66の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、1mol/L程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
工程(e):
図4に示すように、再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔66の底部から下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔66がさらに形成される。
電解液としては、工程(a)と同様のものが挙げられる。
工程(f):
図4に示すように、工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔66を有する陽極酸化アルミナ(アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト))が形成されたモールド50が得られる。最後は工程(d)で終わることが好ましい。
繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔の直径が減少するため、このような細孔を有する陽極酸化アルミナを用いて形成された硬化樹脂層36の反射率低減効果は不十分である。
陽極酸化アルミナの表面は、硬化樹脂層36との分離が容易になるように、離型剤で処理されていてもよい。処理方法としては、例えば、シリコーン樹脂またはフッ素含有ポリマーをコーティングする方法、フッ素含有化合物を蒸着する方法、フッ素含有シラン化合物をコーティングする方法等が挙げられる。
細孔66の形状としては、略円錐形状、角錐形状、円柱形状等が挙げられ、円錐形状、角錐形状等のように、深さ方向と直交する方向の細孔断面積が最表面から深さ方向に連続的に減少する形状が好ましい。
細孔66の深さは、120〜500nmが好ましく、130〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。
細孔66間の平均間隔は、可視光線の波長以下、すなわち400nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下が特に好ましい。細孔66間の平均間隔は、20nm以上が好ましい。
細孔66のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均間隔)は、1.2〜5が好ましく、1.3〜4がより好ましく、1.5〜3が特に好ましい。
図4に示すような細孔66を転写して形成された硬化樹脂層36の表面は、いわゆるモスアイ構造となる。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を含んでいてもよい。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、下記式(1)の化合物が挙げられる。
11 Si(OR12 ・・・(1)。
ただし、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、下記式(2)の化合物が挙げられる。
21O[Si(OR23)(OR24)O]22 ・・・(2)。
ただし、R21〜R24は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化反応を利用する場合、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、離型剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤;微粒子、少量の溶剤を含んでいてもよい。
(疎水性材料)
微細凹凸構造を有する入力面Sの水の接触角を90°以上にするために、疎水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
フッ素含有化合物:
フッ素含有化合物としては、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。
−(CF−X ・・・(3)。
ただし、Xは、フッ素原子または水素原子を表し、nは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フッ素含有化合物としては、フッ素含有モノマー、フッ素含有シラン化合物、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有ポリマー等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換ビニルモノマー、フルオロアルキル基置換開環重合性モノマー等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換開環重合性モノマーとしては、フルオロアルキル基置換エポキシ化合物、フルオロアルキル基置換オキセタン化合物、フルオロアルキル基置換オキサゾリン化合物等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレートが好ましく、下記式(4)の化合物が特に好ましい。
CH=C(R41)C(O)O−(CH−(CF−X ・・・(4)。
ただし、R41は、水素原子またはメチル基を表し、Xは、水素原子またはフッ素原子を表し、mは、1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、nは、1〜20の整数を表し、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
フッ素含有シラン化合物としては、フルオロアルキル基置換シラン化合物が好ましく、下記式(5)の化合物が特に好ましい。
(R51 SiY ・・・(5)。
は、エーテル結合またはエステル結合を1個以上含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基を表す。Rとしては、3,3,3−トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル基、3−トリフルオロメトキシプロピル基、3−トリフルオロアセトキシプロピル基等が挙げられる。
51は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。R51としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Yは、水酸基または加水分解性基を表す。
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、R52C(O)O(ただし、R52は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
52C(O)Oとしては、CHC(O)O、CC(O)O等が挙げられる。
a、b、cは、a+b+c=4であり、かつa≧1、c≧1を満たす整数を表し、a=1、b=0、c=3が好ましい。
フッ素含有シランカップリング剤としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤、フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)またはその金属塩、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有脂肪族一級、二級または三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、フルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。フッ素含有ポリマーは、共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体が好ましい。
ポリ(オキシアルキレン)基としては、下記式(6)で表される基が好ましい。
−(OR61− ・・・(6)。
ただし、R61は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、pは、2以上の整数を表す。R61としては、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)基は、同一のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよく、2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよい。2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)の配列は、ブロックであってもよく、ランダムであってもよい。
シリコーン系化合物:
シリコーン系化合物としては、(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーン系シランカップリング剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸変性シリコーンとしては、X−22−1602(信越化学工業社製)等のシリコーン(ジ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(電極基板の製造方法)
電極基板40は、例えば、ITO等を基板本体42の表面に蒸着させて透明導電膜を形成した後、所望の電極パターンにパターニングして第1の透明電極44および第2の透明電極46とすることによって製造できる。
(作用効果)
以上説明した導電性透明積層体10にあっては、最表面に入力面Sを有し、入力面Sが、水の接触角が90°以上の、微細凹凸構造を有する面であるため、ロータス効果が発揮されると同時に、微細凹凸構造によって反射率も低くなる。よって、入力面が十分な撥水性および低反射性を有する。
(他の形態)
なお、本発明の導電性透明積層体は、図1の導電性透明積層体10に限定はされない。
例えば、微細凹凸構造は、導電性透明積層体10においては、撥水性低反射フィルム30の硬化樹脂層36の表面に形成されているが、硬化樹脂層36を設けることなく基材フィルム34の表面に直接形成されていてもよく、撥水性低反射フィルム30を貼着することなく透明部材本体22の表面に形成されていてもよい。ただし、ロール状のモールド50を用いて効率よく微細凹凸構造を形成できる点、および微細凹凸構造が破損した際に撥水性低反射フィルム30を貼りなおすことができる点から、撥水性低反射フィルム30の硬化樹脂層36の表面に微細凹凸構造が形成されていることが好ましい。
また、撥水性低反射フィルム30を貼着することなく透明部材本体22の表面に微細凹凸構造を形成する場合、透明部材本体22の表面に微細凹凸構造を有する硬化樹脂層36を形成してもよく、透明部材本体22の表面にエッチング等によって微細凹凸構造を直接形成してもよい。
また、撥水性低反射フィルム30は、上述した製造方法で得られたものに限定はされず、公知の方法(ナノインプリント、切削加工、エッチング等)によって基材フィルムの表面に微細凹凸構造を形成することによって製造されたものであってもよい。
また、電極基板40は、図1に示すものに限定はされない。
例えば、図5に示すように、基板本体42と、基板本体42の表面に形成された、第2の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第2の透明電極46と、第2の透明電極46の上に製膜された樹脂塗膜からなる透明絶縁層48と、透明絶縁層48の表面に形成された、第2の方向に交差する第1の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第1の透明電極44とを備えた電極基板40であってもよい。
また、図6に示すように、第1の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第1の透明電極44が第1の基板本体42aの表面に形成された第1の電極基板40aと、第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第2の透明電極46が第2の基板本体42bの表面に形成された第2の電極基板40bとが、接着剤層49を介して透明電極側の表面同士が対向するように貼り合わせた電極基板40であってもよい。
また、図7に示すように、第1の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第1の透明電極44が第1の基板本体42aの表面に形成された第1の電極基板40aと、第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数の電極パターンからなるストライプ状の第2の透明電極46が第2の基板本体42bの表面に形成された第2の電極基板40bとが、接着剤層49を介して第1の基板本体42a側の表面と第2の透明電極46側の表面とが対向するように貼り合わせた電極基板40であってもよい。
<静電容量方式タッチパネル>
本発明の静電容量方式タッチパネルは、本発明の導電性透明積層体と、導電性透明積層体の透明電極に電気的に接続し、入力面に導電体(指、金属等)が接近または接触した際の静電容量の変化を検出する検出部とを備えたものである。
検出部は、例えば、透明電極に所定の電圧を印加しつつ、入力面に導電体が接近または接触した際の導電体と電極との間の静電容量の変化を検出し、いずれの箇所に導電体が接近または接触したかを検出するものである。
以上説明した本発明の静電容量方式タッチパネルにあっては、入力面が十分な撥水性を有する本発明の導電性透明積層体を備えているため、入力面Sに水がかかっても、入力面に沿って水が濡れ広がることなく、水滴の状態となる。そのため、入力面に導電体が接近または接触した際の静電容量の変化量が小さくなることなく、入力面に接近または接触した導電体の位置の検出感度が低下しにくい。
また、以上説明した本発明の静電容量方式タッチパネルにあっては、入力面が十分な低反射性を有する本発明の導電性透明積層体を備えているため、入力面が十分な低反射性を有する。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明の静電容量方式タッチパネルと、画像表示装置本体とを備えたものである。
静電容量方式タッチパネルは、最表面の入力面が画像表示装置本体側とは反対側となるように、画像表示装置本体の画像が表示される側に配置される。
画像表示装置本体としては、フラットディスプレイパネル(液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELディスプレイパネル等)、CRT等が挙げられる。
以上説明した本発明の画像表示装置にあっては、本発明の静電容量方式タッチパネルを備えているため、静電容量方式タッチパネルの入力面に水がかかっても入力面に接近または接触した導電体の位置の検出感度が低下しにくい。
また、以上説明した本発明の画像表示装置にあっては、入力面が十分な低反射性を有する本発明の静電容量方式タッチパネルを備えているため、静電容量方式タッチパネルによる視認性の低下が抑えられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(陽極酸化アルミナの細孔)
陽極酸化アルミナの一部を削り、断面にプラチナを1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて、断面を観察し、細孔間の間隔、細孔の深さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
(接触角の測定)
硬化樹脂層の表面に1μLのイオン交換水を滴下し、自動接触角測定器(KRUSS社製)を用いて、θ/2法にて接触角を算出した。
(硬化樹脂層の凸部)
硬化樹脂層の破断面にプラチナを10分間蒸着し、陽極酸化アルミナと同様に断面を観察し、凸部間の間隔、凸部の高さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
〔実施例1〕
(モールドの製造)
上述した工程(a)〜(f)を行い、平均間隔100nm、深さ190nmの略円錐形状の複数の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成された板状のモールドaを得た。
モールドaを、オプツールDSX(ダイキン工業社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、陽極酸化アルミナの表面を離型剤で処理した。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製)
コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物の45質量部、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)の45質量部、
ラジカル重合性シリコーンオイル(信越化学工業社製、X−22−1602)の10質量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)184)の3質量部、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)819)の0.2質量部
を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを得た。
(撥水性低反射フィルムの製造)
モールドaの表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを塗布し、この上に厚さ100μmのアクリル樹脂フィルムを被せた。
紫外線照射機(フュージョンランプDバルブ)を用いて、積算光量1000mJ/cmでフィルム越しに紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った後、モールドaから分離し、円錐台形状の複数の凸部からなる微細凹凸構造を表面に有する厚さ7μmの硬化樹脂層が表面に形成された撥水性低反射フィルムを得た。
得られた撥水性低反射フィルムの水接触角は142°であった。
凸部間の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは180nmであり、凸部の底部の幅は100nmであり、凸部の頭頂部の曲率半径は40nmであった。
(電極基板の製造)
アルゴンガスの98体積%および酸化スズの2体積%からなる0.4Paの雰囲気中で酸化インジウム97質量%および酸化スズ3質量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法によって、厚さ1mmのガラス板の両面に厚さ30nmのITO膜を形成した。
次いで、ストライプ状にパターン化されているフォトレジストをITO膜の表面に塗布し、乾燥、硬化した後、25℃、5質量%の塩酸に1分間浸漬して両面のITO膜のエッチングを行い、ITO膜をパターン化した透明電極を形成した。
(画像表示装置の製造)
撥水性低反射フィルム、電極基板、および厚さ3mmのカバーガラス用のガラス板を用いて、図1に示すような導電性透明積層体を作製した。
次いで、導電性透明積層体の透明電極に検出部を接続し、静電容量方式タッチパネルを組み立てた。
次いで、静電容量方式タッチパネルを、液晶パネルの前面に配置し、画像表示装置を組み立てた。
〔比較例1〕
撥水性低反射フィルムを用いない以外は、実施例1と同様にして導電性透明積層体を作製した。
次いで、導電性透明積層体の透明電極に検出部を接続し、静電容量方式タッチパネルを組み立てた。
次いで、静電容量方式タッチパネルを、液晶パネルの前面に配置し、画像表示装置を組み立てた。
〔評価〕
液晶パネルの輝度、入力面における室内光源からの照度、入力面に対する室内光源からの入射角が同一である条件にて、実施例1および比較例1の画像表示装置の入力面を目視比較した。その結果、実施例1の画像表示装置の方が、室内光の反射が少なく、画像の視認性が良好であった。
また、実施例1および比較例1の画像表示装置の入力面に1μLの水を滴下したところ、実施例1の画像表示装置では、入力面に沿って水が濡れ広がることなく、水滴の状態となった。一方、比較例1の画像表示装置では、入力面に沿って水が濡れ広がった。次いで、水を滴下した箇所に指を接触させたところ、実施例1の画像表示装置では、入力面に接触した指の位置を検出できた。一方、比較例1の画像表示装置では、入力面に接触した指の位置を検出できなかった。
本発明の導電性透明積層体は、静電容量方式タッチパネルの部材として有用である。
10 導電性透明積層体
32 凸部
44 第1の透明電極
46 第2の透明電極
66 細孔
68 酸化皮膜(陽極酸化アルミナ)
H 高さ
P 平均間隔
S 入力面

Claims (5)

  1. 入力面に接近または接触した導電体の位置を静電容量の変化として検出する静電容量方式タッチパネルに用いられる導電性透明積層体であって、
    最表面に前記入力面を有し、
    前記入力面が、水の接触角が90°以上の、微細凹凸構造を有する面である、静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体。
  2. 前記微細凹凸構造が、陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成された複数の凸部からなる、請求項1に記載の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体。
  3. 前記微細凹凸構造が、複数の凸部からなり、
    前記凸部の高さが、120〜500nmであり、
    前記凸部間の平均間隔が、20〜400nmであり、
    前記凸部のアスペクト比(高さ/平均間隔)が、1.2〜5である、請求項1または2に記載の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体と、
    前記静電容量方式タッチパネル用導電性透明積層体の透明電極に電気的に接続し、前記入力面に前記導電体が接近または接触した際の静電容量の変化を検出する検出部と
    を備えた、静電容量方式タッチパネル。
  5. 請求項4に記載の静電容量方式タッチパネルと、
    画像表示装置本体と
    を備えた、画像表示装置。
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