JP2015108882A - 信号機器部材およびその製造方法、並びに信号機器 - Google Patents

信号機器部材およびその製造方法、並びに信号機器 Download PDF

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毅 瀧原
俊明 服部
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俊明 服部
竜子 池村
Tatsuko Ikemura
竜子 池村
英子 岡本
Hideko Okamoto
英子 岡本
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Abstract

【課題】着雪防止性能に優れ、且つ、反射防止性能に優れ、視認性が良好な信号機器部材およびその製造方法、並びに信号機器を提供する。【解決手段】表面に微細凹凸構造10を備える信号機器部材50および信号機器であり、微細凹凸構造の水接触角は135?または30?以下であることが好ましい。信号機器部材の製造方法は、表面に微細凹凸構造を有するモールドの表面と基材12との間に、硬化性樹脂組成物16を配置し、硬化性組成物を硬化した後、モールドを剥離する工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、信号機器部材およびその製造方法、並びに信号機器に関する。
屋外で使用される信号機器は、様々な気象現象下においても視認性が良好であることが求められる。特に、強い西日などの光の差し込みにより視認性が低下し点灯表示の判断がつきにくくなったり、着雪により点灯表示が見えなくなったりすることは交通安全上危険である。
これらの課題を解決するために、前傾させた灯器に光透過性を備えた平坦な着雪防止板を密着させて配置し着雪を防止する交通信号灯器が提案されている(特許文献1)。
また、照明灯カバーの表面に塗布することで、氷雪が付着しにくく、付着しても除去されやすい、ナノ微粒子を含有する着雪氷防止用組成物が提案されている(特許文献2)。
特開2012−248220号公報 特開2008−1781号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような交通信号灯器は前傾させることにより表示器表面の着雪を防止しようとするものの、交通信号灯器の上面および裏面の着雪の自重に耐え切れずに破損する可能性があった。また、特許文献2に記載のように組成物を塗布する着雪氷防止方法の場合、ナノ微粒子により光の散乱が抑えられ防眩性能を期待できるものの、効果を維持するためには塗布を繰り返し補修する必要があり、手間とコストがかかるものであった。
本発明は、着雪防止性能に優れ、且つ、反射防止性能に優れ、視認性が良好な信号機器部材およびその製造方法、並びに信号機器の提供を課題とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 表面に微細凹凸構造を備える信号機器部材。
[2] 信号灯器の視認側の表面に前記微細凹凸構造を備える[1]の信号機器部材。
[3] 前記微細凹凸構造の水接触角が135°以上である、[1]または[2]の信号機器部材。
[4] 前記信号灯器の内面に、水接触角が20°以下である微細凹凸構造を備える、[1]〜[3]の信号機器部材。
[5] [1]〜[4]の信号機器部材を備える、信号機器。
[6] 表面に微細凹凸構造を有するモールドの前記表面と基材との間に、硬化性樹脂組成物を配置し、前記硬化性組成物を硬化した後、前記モールドを剥離する工程を含む、[1]〜[4]の信号機器部材の製造方法。
[7] 表面に微細凹凸構造を有するシートの微細凹凸構造側の表面を成型用金型面に接するように配置し、前記成型用金型内に溶融状態の樹脂材料を射出、固化させて、樹脂材料からなる成形基材と、微細凹凸構造が形成された側とは反対側の表面を前記成形基材と一体化させ微細凹凸構造を有するシートを有する成形体を得る工程とを含む、[1]〜[4]の信号機器部材の製造方法。
[8] 両面に微細凹凸構造を有するシートを成型用金型面に接するように配置し、前記シートを真空引きする、または圧縮空気を送ることで型に押し当て、両面に微細凹凸構造を有する成形体を得る工程を含む、[1]〜[4]の信号機器部材の製造方法。
本発明の信号機器部材およびそれを備えた信号機器は、優れた着雪防止性能を有する。さらに、信号灯器の表示板の表面に適用すれば反射防止性能に優れ良好な視認性が得られる。本発明の信号機器部材の製造方法によれば、複雑な形状であっても低コスト且つ容易に信号機器部材を製造することができる。
本発明の信号機器部材の一例を示す断面図である。 本発明の信号機器部材に備わる微細凹凸構造を賦型するための金型の製造工程の一例を示す断面図である。 本発明の信号機器部材に備わる微細凹凸構造を有するシートの製造装置の一例を示す構成図である。 本発明の信号機器の一例を示す構成図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸およびメタクリル酸の総称であり、「(メタ)アクリロニトリル」はアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルの総称であり、「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミドおよびメタクリルアミドの総称であり、「(メタ)アクリロキシ」はアクリロキシおよびメタクリロキシの総称である。
本明細書において、「活性エネルギー線」は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
また、図1〜4において、同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。
「信号機器部材」
信号機器部材とは、信号機器を構成する各種構成部材のことをいう。表示板、表示ユニット筐体等の信号灯器を構成する部材、支柱、庇等が含まれる。
本発明の信号機器部材は、表面に微細凹凸構造を備えることを特徴とする。微細凹凸構造は、上述の各種構成部材に直接賦型されたものでもよいし、表面に微細凹凸構造を有するシートを貼り付けたものでもよい。
微細凹凸構造は、信号機器部材の表面全体に設けられていてもよいし、一部でもよい。着雪防止性能を十分に発揮するには、表面全体に設けることが好ましい。
本発明の信号機器部材は、信号灯器の視認側の表面に備えることが好ましい。
信号灯器の視認側の表面は、信号機器の中でも最も視認性が要求される部材であり、本発明の信号機器部材を備えることにより、降雪時の着雪を防止することで視認性を良好に保つことができ、さらには、反射防止効果に優れるため西日などの光の差し込みに対しても良好な視認性を保つことができる。
本発明の信号機器部材は、微細凹凸構造の表面が撥水性であることが好ましい。特に、水接触角が135°以上であることが好ましい。微細凹凸構造の表面の水接触角が135°以上の撥水性能を有していれば、着雪しにくく、少量着雪した場合でも滑り落ちやすい。含水率の低い雪や着雪した微細凹凸構造表面の温度が氷点下以下の場合には、微細凹凸構造の表面が撥水性であることにより着雪しにくい。一方、含水率の高い雪や着雪した微細凹凸構造表面の温度が氷点下より高い場合には、着雪した雪が微細凹凸構造表面で融けて水膜となり、微細凹凸構造の潤滑作用によりはじかれ、微細凹凸構造表面から流れ落ちる。
本発明の信号機器部材を信号灯器内面に用いる場合は、微細凹凸構造の表面が親水性であることが好ましい。特に、水接触角が30°以下であることが好ましい。微細凹凸構造の表面の水接触角が30°以下の親水性能を有していれば、信号灯器内側の水分が結露し信号灯器の視認側の表面に付着することを防ぐことができる。
「信号機器」
本発明の信号機器は、信号機器の一部または全部に本発明の信号機器部材を備える。備える部分は、信号機器の表面、信号灯器の内面等、特に限定されない。例えば、図4に示す信号機器60の信号灯器50、信号灯器カバー62、庇64、アーム66、支柱68、および制御盤72等、いずれの部分であってもよい。
信号機器における本発明の信号機器部材を備える部分が多いほど、信号機器全体に着雪防止効果が期待でき、好ましい。
<微細凹凸構造>
図1は、本発明の信号機器部材の一例を示す断面図である。この例の信号機器部材50は、信号灯器の表示板の表面、即ち視認側の表面に微細凹凸構造を有している。微細凹凸構造を有するシートは粘着剤18により貼り付けられている。
微細凹凸構造を有するシートの構成は限定されないが、例えば、図1に例示のような、基材シート12と、基材シート12の表面に形成された、複数の凸部14からなる微細凹凸構造を表面に有する硬化樹脂層16とを有するシート10である。
(基材シート)
基材シート12の材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ガラス等が挙げられる。基材は、シートに限定されず、フィルム、射出成形品等であってもよい。
(硬化樹脂層)
硬化樹脂層16は、後述の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、複数の凸部14からなる微細凹凸構造を表面に有する。
微細凹凸構造の形成方法は、特に限定されず、例えば直接成形体に形成する方法、微細凹凸構造を有するモールドから転写する方法等が挙げられる。転写法の場合、微細凹凸構造は、後述する陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成されたものであることが好ましい。陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して形成された微細凹凸構造は、低コストで形成でき、かつ大面積化が可能である。
凸部14間の平均間隔Pは、100μm以下が好ましい。着雪防止効果を発現させるには、凸部14間の平均間隔Pは10μm以下であることが好ましく、1000nm以下がより好ましく、400nm以下がさらに好ましい。
陽極酸化アルミナの複数の細孔を転写して凸部14を形成した場合、細孔間隔を大きくするには電圧を高くする必要があり、工業的には製造しづらくなることから、凸部14間の平均間隔Pは、200nm以下が特に好ましい。
凸部14間の平均間隔Pは、凸部14の形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましい。着雪を防止するためには、凸部14間の平均間隔Pは50nm超であることが好ましく、60nm以上がより好ましい。
凸部14間の平均間隔Pは、電子顕微鏡観察によって、隣接する凸部14間の間隔(凸部14の中心から隣接する凸部14の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部14の高さHは、10〜5000nmが好ましい。信号機器部材に反射防止効果および着雪防止効果を発現させるには、凸部14の高さHは10〜1000nmであることが好ましく、50〜500nmがより好ましく、150〜400nmが特に好ましい。凸部14の高さHが10nm以上であれば、反射防止効果が高くなる。凸部14の高さHが5000nm以下であれば、凸部14の耐擦傷性が良好となる。
凸部14の高さHは、電子顕微鏡観察によって、凸部14の最頂部と、凸部14間に存在する凹部の最底部との間の距離を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部14のアスペクト比(H/P)は、着雪防止効果が高くなる点から、0.05〜100が好ましく、0.25〜5がより好ましく、1.5〜3が特に好ましい、凸部14のアスペクト比が0.05以上であれば、着雪防止効果が高くなる。凸部14のアスペクト比が5以下であれば、凸部14の耐擦傷性が良好となる。
凸部14の形状としては、略円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、円柱形状等が挙げられる。特に、円錐形状、角錐形状等のように、高さ方向と直交する方向の凸部断面積が最頂部から深さ方向に連続的に増加する形状が好ましい。
<微細凹凸構造を有するシートの製造方法>
微細凹凸構造を有するシート10は、例えば、図2に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
複数の細孔(図示略)を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状のモールド30の表面と、モールド30の回転に同期してモールド30の表面に沿って移動する帯状の基材シート12の表面との間に、タンク32から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する。
モールド30と、空気圧シリンダ34によってニップ圧が調整されたニップロール36との間で、基材シート12および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、基材シート12とモールド30との間に均一に行き渡らせると同時に、モールド30の細孔内に充填する。
モールド30と基材シート12との間に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が挟まれた状態で、モールド30の下方に設置された活性エネルギー線照射装置38を用い、基材シート12側から、タンク32から供給される活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることによって、モールド30の表面の複数の細孔が転写された、複数の凸部(図示略)からなる微細凹凸構造を表面に有する硬化樹脂層16を形成する。
剥離ロール40により、硬化樹脂層16と硬化樹脂層16が表面に形成された基材シート12とからなるシートを剥離することによって、シート10を得る。
活性エネルギー線照射装置38としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、フュージョンUV等が好ましい。積算光量は、100〜10000mJ/cmが好ましい。
(モールド)
モールド30は、特に限定されず、リソグラフィ法やレーザー加工によって微細凹凸構造を設けたモールド、陽極酸化アルミナを表面に有するモールド等が挙げられるが、安価に大面積化することを考えると、陽極酸化アルミナを表面に有するモールドが好ましい。陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、大面積化が可能であり、作製が簡便である。また、陽極酸化アルミナのモールドから複製したフィルム状のモールドを使用してもよい。
陽極酸化アルミナは、アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト)であり、複数の細孔を表面に有する。
陽極酸化アルミナを表面に有するモールドは、例えば、下記工程(a)〜(f)を経て製造できる。細孔の配列の規則性はやや低下するが、工程(a)、(b)を行わず、工程(c)から行ったり、工程(a)のみを行ったり、工程(a)、(b)、(f)を行わず、工程(c)、(d)を行ったりしてもよい。
(a)アルミニウム基材を電解液中、陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)アルミニウム基材を電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)工程(d)の後、電解液中、再度陽極酸化する工程。
(f)前記工程(d)と工程(e)を繰り返し行う工程。
工程(a):
図3に示すように、アルミニウム基材20を陽極酸化することにより、細孔22を有する酸化皮膜24が形成される。
アルミニウム基材の形状としては、ロール状、円管状、平板状、シート状等が挙げられる。
アルミニウム基材は、所定の形状に加工する際に用いた油が付着していることがあるため、あらかじめ脱脂処理されることが好ましい。また、アルミニウム基材は、表面状態を平滑にするために、研磨処理されていることが好ましい。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上がさらに好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの微細凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりする場合がある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸、リン酸等が挙げられる。
シュウ酸を電解液として用いる場合、シュウ酸の濃度は、0.8M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.8M以下であれば、電流値の上昇を防ぎ、酸化皮膜の表面が粗くなるのを抑制することができる。
また、化成電圧が30〜100Vの時、周期が100nm〜200nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃以下であることにより、いわゆる「ヤケ」と呼ばれる現象の発生を防ぐことができ、細孔の破損や、表面が溶けて細孔の規則性が乱れることを抑制することができる。
硫酸を電解液として用いる場合、硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7M以下であれば、電流値の上昇を防ぎ、定電圧を維持することができる。
また、化成電圧が25〜30Vの時、周期が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がよりに好ましい。電解液の温度が30℃以下であることにより、いわゆる「ヤケ」と呼ばれる現象の発生を防ぐことができ、細孔の破損や、表面が溶けて細孔の規則性が乱れることを抑制することができる。
工程(b):
図3に示すように、酸化皮膜24の一部または全てを一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点26とすることにより、細孔の規則性を向上させることができる。酸化皮膜24は全てを除去せずに一部が残るような状態でも、酸化皮膜24のうち、すでに規則性が十分に高められた部分が残っているのであれば、酸化皮膜除去の目的を果たすことができる。
酸化皮膜24を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜24を選択的に溶解できる溶液に酸化皮膜24を溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
工程(c):
図3に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム基材20を再度、陽極酸化することにより、円柱状の細孔22を有する酸化皮膜24が形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行うことができる。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
工程(d):
図3に示すように、細孔22の径を拡大させる処理(以下、「細孔径拡大処理」という。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜24を溶解できる溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
工程(e):
図3に示すように、再度、陽極酸化を行うことにより、円柱状の細孔22の底部からさらに下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔22がさらに形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様の条件で行うことができる。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
工程(f):
図3に示すように、工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すことにより、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔22を有する酸化皮膜24が形成される。これにより、アルミニウム基材20の表面に陽極酸化アルミナ(アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト))を有するモールド28が得られる。最後は工程(d)で終わることが好ましい。
陽極酸化アルミナの表面は、硬化樹脂層16との分離が容易になるように、離型剤で処理されていてもよい。処理方法としては、例えば、シリコーン樹脂またはフッ素含有ポリマーをコーティングする方法、フッ素含有化合物を蒸着する方法、フッ素含有シラン化合物をコーティングする方法等が挙げられる。
細孔22の形状としては、略円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、円柱形状等が挙げられる。
細孔22間の平均間隔は、100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、1000nm以下がさらに好ましく、400nm以下が特に好ましく、200nm以下が最も好ましい。細孔22間の平均間隔は、20nm以上が好ましく、50nm超がより好ましく、60nm以上がさらに好ましい。
細孔22の深さは、10〜5000nmが好ましく、10〜1000nmがより好ましく、50〜500nmがさらに好ましく、150〜400nmが特に好ましい。
(硬化性樹脂組成物)
本発明の信号機器部材の表面に備わる微細凹凸構造を構成する材料は限定されないが、硬化性樹脂組成物を硬化させたものが製造しやすく好ましく、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が特に好ましい。また、信号灯器の視認側に用いるためには硬化後に光透過性を有するものが好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を含んでいてもよい。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、下記式(1)の化合物が挙げられる。
11 Si(OR12 ・・・(1)
ただし、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、下記式(2)の化合物が挙げられる。
21O[Si(OR23)(OR24)O]22 ・・・(2)
ただし、R21〜R24は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化反応を利用する場合、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、離型剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤;微粒子、少量の溶剤を含んでいてもよい。
また、着雪防止の点からは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物は撥水性であることが好ましい。また、信号灯器の内面に用いる場合は、結露を防ぐ点から親水性であることが好ましい。
(撥水性材料)
微細凹凸構造の表面に、撥水性(具体的には水接触角が135°以上であること)が求められる場合には、撥水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。また、長鎖アルキル基を有する化合物を用いてもよい。
フッ素含有化合物:
フッ素含有化合物としては、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。
−(CF−X ・・・(3)
ただし、Xは、フッ素原子または水素原子を表し、nは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フッ素含有化合物としては、フッ素含有モノマー、フッ素含有シラン化合物、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有ポリマー等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換ビニルモノマー、フルオロアルキル基置換開環重合性モノマー等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換開環重合性モノマーとしては、フルオロアルキル基置換エポキシ化合物、フルオロアルキル基置換オキセタン化合物、フルオロアルキル基置換オキサゾリン化合物等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレートが好ましく、下記式(4)の化合物が特に好ましい。
CH=C(R41)C(O)O−(CH−(CF−X ・・・(4)
ただし、R41は、水素原子またはメチル基を表し、Xは、水素原子またはフッ素原子を表し、mは、1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、nは、1〜20の整数を表し、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
フッ素含有シラン化合物としては、フルオロアルキル基置換シラン化合物が好ましく、下記式(5)の化合物が特に好ましい。
(R51 SiY ・・・(5)
は、エーテル結合またはエステル結合を1個以上含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基を表す。Rとしては、3,3,3−トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル基、3−トリフルオロメトキシプロピル基、3−トリフルオロアセトキシプロピル基等が挙げられる。
51は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。R51としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Yは、水酸基または加水分解性基を表す。
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、R52C(O)O(ただし、R52は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
52C(O)Oとしては、CHC(O)O、CC(O)O等が挙げられる。
a、b、cは、a+b+c=4であり、かつa≧1、c≧1を満たす整数を表し、a=1、b=0、c=3が好ましい。
フッ素含有シランカップリング剤としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤、フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)またはその金属塩、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有脂肪族一級、二級または三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、フルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。フッ素含有ポリマーは、共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体が好ましい。 ポリ(オキシアルキレン)基としては、下記式(6)で表される基が好ましい。
−(OR61− ・・・(6)
ただし、R61は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、pは、2以上の整数を表す。
61としては、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)基は、同一のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよく、2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよい。2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)の配列は、ブロックであってもよく、ランダムであってもよい。
シリコーン系化合物:
シリコーン系化合物としては、(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーン系シランカップリング剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸変性シリコーンとしては、X−22−1602(信越化学工業社製)、UV−3570(ビックケミー社製)、オプツールDAC、オプツールDSX(ダイキン工業社製)等のシリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
長鎖アルキル基を有する化合物:
長鎖アルキル基を有する化合物としては、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。イソシアヌル酸の2つのイソシアネート基は末端を(メタ)アクリロイル基で封止し、残る1つに炭素数8以上のアルキル基を導入した化合物などでも良い。
(親水性材料)
微細凹凸構造の表面に、親水性(具体的には水接触角が30°以下であること)が求められる場合には、親水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート、2官能以上の親水性(メタ)アクリレート、必要に応じて単官能モノマーを含む組成物を用いることが好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物、ウレタンアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL220、EBECRYL1290、EBECRYL1290K、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、KRM8200)、ポリエーテルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL81)、変性エポキシアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL3416)、ポリエステルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL450、EBECRYL657、EBECRYL800、EBECRYL810、EBECRYL811、EBECRYL812、EBECRYL1830、EBECRYL845、EBECRYL846、EBECRYL1870)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、5官能以上の多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。特にエトキシ変性された化合物を用いることが好ましい。
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートとしては、アロニックスM−240、アロニックスM260(東亞合成社製)、NKエステルAT−20E、NKエステルATM−35E(新中村化学社製)等の長鎖ポリエチレングリコールを有する多官能アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレングリコールジメタクリレートにおいて、一分子内に存在するポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位の合計は、6〜40が好ましく、9〜30がより好ましく、12〜20が特に好ましい。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が6以上であれば、親水性が十分となり、防汚性が向上する。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が40以下であれば、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとの相溶性が良好となり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が分離しにくい。
単官能モノマーとしては、親水性単官能モノマーが好ましい。
親水性単官能モノマーとしては、M−20G、M−90G、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステル基に水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート、単官能アクリルアミド類、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等のカチオン性モノマー類等が挙げられる。
また、単官能モノマーとして、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン等の粘度調整剤、基材への密着性を向上させるアクリロイルイソシアネート類等の密着性向上剤等を用いてもよい。
単官能モノマーは、1種または2種以上を(共)重合した低重合度の重合体として活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に配合してもよい。低重合度の重合体としては、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート類と、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートとの40/60共重合オリゴマー(MRCユニテック社製、MGポリマー)等が挙げられる。
「信号機器部材の製造方法」
本発明の信号機器部材の第一の製造方法は、表面に微細凹凸構造を有するモールドの前記表面と基材との間に、硬化性樹脂組成物を配置し、前記硬化性組成物を硬化した後、前記モールドを剥離する工程を含むことを特徴とする。
硬化した微細凹凸構造を有するシートを、該シートの微細凹凸構造を有する面が信号機器部材の表面になるように部材に密着させることで信号機器部材を製造できる。密着方法は限定されないが、該シートと該部材との間に粘着層を設けたり、接着剤で密着させたりすることができる。粘着層や接着剤等は、該シート全面に配置してもよいし、間欠的に配置してもよい。該部材が信号灯器である場合は、粘着剤層や接着剤等は光透過性のものを用いることが視認性を向上させるために好ましい。また、TOM工法のようなオーバーレイ成形をしてもよい。
本発明の信号機器部材に備わる微細凹凸構造の製造方法としては、上記方法の他に、例えば、硬化性組成物にモールドの微細凹凸形状を転写してからモールドを剥離し、その後活性エネルギー線を照射して硬化性組成物を硬化する方法等が挙げられる。微細凹凸構造の転写性、表面組成の自由度の点から、表面に微細凹凸構造を有するモールドの前記表面と基材との間に、硬化性樹脂組成物を配置し、前記硬化性組成物を硬化した後、前記モールドを剥離する方法が特に好ましい。この方法は、連続生産が可能なベルト状やロール状のモールドを用いる場合に特に好適であり、生産性に優れる方法である
本発明の信号機器部材の第二の製造方法は、表面に微細凹凸構造を有するシートの微細凹凸構造側の表面を成型用金型面に接するように配置し、前記成型用金型内に溶融状態の樹脂材料を射出、固化させて、樹脂材料からなる成形基材と、微細凹凸構造が形成された側とは反対側の表面を前記成形基材と一体化させ微細凹凸構造を有するシートを有する成形体を得る工程とを含むことを特徴とする。
上記製造方法について、さらに詳しく説明する。
(i)微細凹凸構造を有するシートの微細凹凸構造側の表面を成型用金型面に接するように金型内に配置する。
(ii)該金型と、射出機側の樹脂ゲートが設けられた他の金型とで型閉めして、樹脂ゲートより加熱溶融した樹脂材料を金型内に射出する。
(iii)両方の金型を型開きして、微細凹凸構造を有するシートを得る。
(i)の微細凹凸構造を有するシートを金型内に配置する方法は、成形体の形状によって異なるものであるが、溶融状態の樹脂材料を射出する際に、該シートが揺れ動かないように固定する必要がある。また、該シートは金型内に配置する都合上、若干小さめに成形されるのが一般的である。射出成形時に該シートは引き延ばされる。
本発明の製造方法においては、該成形体自体を信号機器部材としてもよいし、該成形体の外部に他の部材を組み合わせて信号機器部材としてもよい。
本発明の信号機器部材の第三の製造方法は、両面に微細凹凸構造を有するシートを成型用金型面に接するように配置し、前記シートを真空引きする、または圧縮空気を送ることで型に押し当て、両面に微細凹凸構造を有する成形体を得る工程を含むことを特徴とする。前記工程は、加熱・軟化させた状態で行うことが好ましい。両面に微細凹凸構造を有するシートは、どのような製造方法で得られたものでもよいが、前記第一の製造方法で得られた微細凹凸構造を有するシートの微細凹凸構造を有さない面に対して、引き続き同様の方法で微細凹凸構造を形成したもの等が挙げられる。一方の表面の微細凹凸構造と他方の表面の微細凹凸構造の凸部の形状、高さ、ピッチ、硬化性組成物等は同じでもよいし異なっていてもよい。
まず、両面に微細凹凸構造を有するシートを軟化温度まで加熱する。該シートの加熱方法としては、300℃程度に加熱されたヒーターを該シートの近くに設け、輻射熱で加飾シートを加熱する方法や、加熱された金属板などで該シートの両面を挟み込み加熱する方法、また該シートの片面のみに加熱された金属板を接触させて加熱する方法などが挙げられる。微細凹凸構造を損なう可能性が低い点から、輻射熱で加熱することが好ましい。
次いで、加熱され軟化した該シートに金型を押し付ける。金型に真空吸引機構を設け、真空ポンプ等で空気を吸引し該シートを金型にしっかりと密着させる方法(真空吸引)や、金型を配置した側と反対側から圧縮空気を送り込み、加飾シートを型に押し付け、密着させる方法(圧空押し付け)、また真空吸引と圧空押付けを併用する方法であっても良い。
該シートが金型に密着した後、該シートを型形状が転写された金型から外す。
上記作業を行う上で、該シートを固定枠等で適宜固定してもよい。真空成形を行う際の温度は、該シートを形成する樹脂によって適宜選択することができるが、該シートを形成する樹脂のガラス転移温度より10〜50℃程度、高い温度で行われるのが一般的である。
本発明の製造方法においては、該成形体自体を信号機器部材としてもよいし、該成形体の外部に他の部材を組み合わせて信号機器部材としてもよい。前記第三の製造方法においては、両面に微細凹凸構造を有する成形体が得られるため、成形体自体を信号灯器50、信号灯器カバー62や庇64などの形状に成形することができる。
本発明の信号機器部材を信号機器外面に用いる場合は、外面は着雪防止の効果を発揮するできる撥水性樹脂を用いることが好ましく、微細凹凸構造はアスペクト比が高いものであることが好ましい。アスペクト比が1.0〜4.0が好ましく、1.5〜3.0がより好ましい。本発明の信号機器部材を信号機器内面に用いる場合は、結露防止効果を発揮できる親水性の樹脂を用いることが好ましい。反射防止の効果を高める点からは微細凹凸構造の高さが高いことが好ましく、150nm以上が好ましい。
<作用効果>
以上説明した本発明の信号機器部材およびそれを備えた信号機器にあっては、優れた着雪防止性能を有する。さらに、図1のように、信号灯器の表示板の表面に本発明の信号機器部材を適用すれば、着雪が防止されるのみならず、反射防止性能に優れ良好な視認性が得られる。本発明の信号機器部材の製造方法によれば、複雑な形状であっても低コスト且つ容易に製造することができる。
<他の形態>
本発明の信号機器部材は、図示例の信号機器部材50に限定はされない。
また、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる微細凹凸構造を表面に有するシートは、図示例のシート10に限定されない。
また、凸部の形状は、図示例のような凸部14(突起)に限定されず、一定方向に延びる凸条であっても構わない。
また、シート10は、上述した製造方法で得られたものに限定はされず、公知の方法(ナノインプリント、切削加工、エッチング、樹脂の相分離、湿式製膜の過程過で結露し整列する水滴の自己組織化を用いる方法等)によって基材シートの表面に微細凹凸構造を形成することによって製造されたものであってもよい。
以下に本発明の実施例を示し、具体的に説明する。また、各種測定または評価方法は以下の通りである。
(1)モールドの細孔の測定:
陽極酸化ポーラスアルミナからなるモールドの一部の縦断面を1分間Pt蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、商品名JSM−7400F)により加速電圧3.00kVで観察し、隣り合う細孔の間隔(周期)及び細孔の深さを測定した。具体的にはそれぞれ50点ずつ測定し、その平均値を測定値とした。
(2)微細凹凸構造の凹凸の測定:
微細凹凸構造の縦断面を10分間Pt蒸着し、上記(1)の場合と同じ装置および条件にて、隣り合う凸部または凹部の間隔および凸部の高さを測定した。具体的にはそれぞれ50点ずつ測定し、その平均値を測定値とした。
(3)水接触角の評価:
微細凹凸構造を有する表面に1μLのイオン交換水を滴下し、自動接触角測定器(KRUSS社製)を用いて、θ/2法にて接触角を算出した。
(4)水滴転落性の評価:
微細凹凸構造を有する表面に50μLのイオン交換水を滴下し、20°に傾けたときの水滴の転落具合で評価した。
「○」:転がる。
「△」:衝撃を与えると転がる。
「×」:転がらない。転落後に、水滴が残る。
(5)着雪防止性の評価1
微細凹凸構造を有するシートの表面を上側に向けた状態で、水平から60°の角度をなすようにシートを傾けた。そして、降雪環境温度−5℃において、該シートの微細凹凸構造を有するシートの表面に、密度0.1〜0.2g/mLの人工雪を1時間降雪し、その際に該シート表面の着雪程度を目視にて観察した。該シートの全面積に対して60%以上の部分に着雪が認められなかった場合をA、30%以上60%未満の部分に着雪が認められなかった場合をB 、30%未満の部分に着雪が認められなかった場合をCと評価した。
(6)着雪防止性の評価2
微細凹凸構造を有するシートの表面を上側に向けた状態で、水平から60°の角度をなすようにシートを傾けた。そして、降雪環境温度5℃において、該シートの微細凹凸構造を有するシートの表面に、密度0.1〜0.2g/mLの人工雪を1時間降雪し、その際に該シート表面の着雪程度を目視にて観察した。該シートの全面積に対して60%以上の部分に着雪が認められなかった場合をA、30%以上60%未満の部分に着雪が認められなかった場合をB 、30%未満の部分に着雪が認められなかった場合をCと評価した。
(モールドaの製造)
上述した工程(a)〜(f)を行い、平均間隔100nm、深さ180nmの略円錐形状の複数の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成された板状のモールドaを得た。
モールドaを、オプツールDSX(ダイキン工業社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、陽極酸化アルミナの表面を離型剤で処理した。
(モールドbの製造)
上述した工程(a)〜(f)を行い、平均間隔180nm、深さ200nmの略円錐形状の複数の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成された板状のモールドaを得た。
モールドaを、オプツールDSX(ダイキン工業社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、陽極酸化アルミナの表面を離型剤で処理した。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの調製)
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製、商品名NKエステルATM−4E)90質量部、
ラウリルアクリレート(新中村化学社製、商品名ブレンマーLA)の10質量部、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(日本チバガイギー社製、商品名DAROCURE TPO)の0.5質量部、
内部離型剤(アクセル社製、商品名モールドウィズINT AM−121)の0.1部、
を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを得た。
(表面に微細凹凸構造を有するシートPの製造)
モールドaの表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを塗布し、この上に厚さ100μmのアクリルシート(三菱レイヨン社製、HBK003)を被せた。
紫外線照射機(フュージョンランプDバルブ)を用いて、積算光量1000mJ/cm2でフィルム越しに紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った後、モールドaから分離し、円錐台形状の複数の凸部からなる凹凸構造を表面に有する厚さ5μmの硬化樹脂層が表面に形成された表面に微細凹凸構造を有するシートPを得た。
凸部間の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは180nmであり、凸部の底部の幅は100nmであった。微細凹凸構造を有する表面の水接触角は137.9°であり、水転落性は○であり、着雪防止性は評価1、2共にAであった。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bの調製)
コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物の70質量部、
ポリエチレングリコールジアクリレート(東亜合成化学社製、アロニックスM260)の20質量部、
ヒドロキシエチルアクリレートの3質量部
メチルアクリレートの7質量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BAS社製、イルガキュア(登録商標)184)の1.0質量部
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、イルガキュア(登録商標)819)の0.1質量部、
を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを得た。
(表面に微細凹凸構造を有するシートQの製造)
モールドbの表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを塗布した以外はシートPと同様にして、シートQを得た。
凸部間の平均間隔は180nmであり、凸部の高さは200nmであり、凸部の底部の幅は200nmであった。微細凹凸構造を有する表面の水接触角は17°であり、水転落性は×であり、着雪防止性は評価2においてAであった。
(表面に微細凹凸構造を有するシートRの製造)
アクリルシートを厚さ100μmの超複屈折ポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名コスモシャイン)に変更した以外はシートPと同様にして、シートRを得た。
凸部間の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは180nmであり、凸部の底部の幅は100nmであった。微細凹凸構造を有する表面の水接触角は137.9°であり、水転落性は○であり、着雪防止性は評価1、2共にAであった。
(表面に微細凹凸構造を有するシートSの製造)
アクリルシートを厚さ500μmのポリカーボネート板(帝人化成社製、商品名PC1151)に変更した以外はシートPと同様にして、シートSを得た。
凸部間の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは180nmであり、凸部の底部の幅は100nmであった。微細凹凸構造を有する表面の水接触角は137.9°であり、水転落性は○であり、着雪防止性は評価1、2共にAであった。
(表面に微細凹凸構造を有するシートTの製造)
モールドbの表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを塗布し、この上にシートSの微細凹凸構造が形成されていない面が樹脂組成物に接するように被せた。
紫外線照射機(フュージョンランプDバルブ)を用いて、積算光量1000mJ/cm2でフィルム越しに紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bの硬化を行った後、モールドbから剥離し、円錐台形状の複数の凸部からなる微細凹凸構造を表面に有する厚さ5μmの硬化樹脂層が両面に形成された表面に微細凹凸構造を有するシートTを得た。
<実施例1>
表面に微細凹凸構造を有するシートPの微細凹凸構造を有さない表面に光透過性粘着剤を塗布し、アクリル板(三菱レイヨン社製「アクリライトL」)に貼り合わせた。さらに、表面に微細凹凸構造を有するシートQを該アクリル板のシートPを貼り合わせていない方の表面に貼り合わせ、アクリル板のシートP側を信号灯器視認側とする信号灯器表示板を作製した。該信号灯器表示板を備えた信号機器は、降雪シーズンにほとんど着雪せず、また、表示板内面が結露することもなく、視認性が良好であった。さらに、降雪シーズン以外には、西日が差し込む時間帯においても表示色および方向表示が明瞭であった。
<実施例2>
表面に微細凹凸構造を有するシートPを表面に微細凹凸構造を有するシートRに変更した以外は、実施例1と同様にして、信号灯器表示板を作製した。該信号灯器表示板を備えた信号機器は、降雪シーズンにほとんど着雪せず、また、表示板内面が結露することもなく、視認性が良好であった。さらに、降雪シーズン以外には、西日が差し込む時間帯においても表示色および方向表示が明瞭であった。
<実施例3>
表面に微細凹凸構造を有するシートSを信号灯器の表示板形状にカットし、微細凹凸構造を有する表面側を信号灯器視認側とする信号灯器表示板を作製した。該信号灯器表示板を備えた信号機器は、降雪シーズンにほとんど着雪せず、視認性が良好であった。さらに、降雪シーズン以外には、西日が差しこむ時間帯においても表示色および方向表示が明瞭であった。
<実施例4>
表面に微細凹凸構造を有するシートPの微細凹凸構造側の表面を信号機器の庇成型用金型面に接するように配置し、該成型用金型内に溶融状態である樹脂材料(三菱エンジニアプラスチックス社製ポリカーボネート「ユーピロンS2000」)を射出し、金型内で冷却、固化させて、樹脂材料からなる成形基材と、微細凹凸構造が形成された側とは反対側の表面を前記成形基材と一体化させ微細凹凸構造を有する庇を得た。該庇を備えた信号機器は、降雪シーズンにほとんど着雪せず、折れたり曲がったりしなかった。また視認性が良好であった。
<実施例5>
両面に微細凹凸構造を有するシートTを、信号機器部材成型用金型の上に配置し、380℃に加熱されたヒーターの輻射熱で10秒加温した後、圧縮空気によって、シートTを該成型用金型に押し当て、十分な冷却をした後に金型からシートTを外した。シートTを加熱成形して得られた信号機器部材を備えた信号機器は、降雪シーズンにほとんど着雪せず、また、表示板内面が結露することもなく、視認性が良好であった。さらに、降雪シーズン以外には、西日が差しこむ時間帯においても表示色および方向表示が明瞭であった。
本発明の信号機器部材および信号機器は優れた着雪防止性能を有するため、信号表示の視認性を良好に維持することができ、信号機器が着雪の自重に耐え切れずに破損することを防ぐことができる。また、反射防止性能に優れるため、信号灯器の表示板の表面に適用すれば西日などの差し込みがあっても良好な視認性を維持できる。本発明の信号機器部材の製造方法によれば、複雑な形状であっても低コスト且つ容易に信号機器部材を製造することができる。
10 微細凹凸構造を有するシート
12 基材シート
14 凸部
16 硬化樹脂層
50 信号機器部材(信号灯器)
52 筐体
54 LEDユニット
56 LED素子

Claims (8)

  1. 表面に微細凹凸構造を備える信号機器部材。
  2. 信号灯器の視認側の表面に前記微細凹凸構造を備える、請求項1に記載の信号機器部材。
  3. 前記微細凹凸構造の水接触角が135°以上である、請求項1または2に記載の信号機器部材。
  4. 前記信号灯器の内面に、水接触角が30°以下である微細凹凸構造を備える、請求項1〜3に記載の信号機器部材。
  5. 請求項1〜4に記載の信号機器部材を備える、信号機器。
  6. 表面に微細凹凸構造を有するモールドの前記表面と基材との間に、硬化性樹脂組成物を配置し、前記硬化性組成物を硬化した後、前記モールドを剥離する工程を含む、請求項1〜4記載の信号機器部材の製造方法。
  7. 表面に微細凹凸構造を有するシートの微細凹凸構造側の表面を成型用金型面に接するように配置し、前記成型用金型内に溶融状態の樹脂材料を射出、固化させて、樹脂材料からなる成形基材と、微細凹凸構造が形成された側とは反対側の表面を前記成形基材と一体化させ微細凹凸構造を有する成形体を得る工程を含む、請求項1〜4に記載の信号機器部材の製造方法。
  8. 両面に微細凹凸構造を有するシートを成型用金型面に接するように配置し、前記シートを真空引きする、または圧縮空気を送ることで型に押し当て、両面に微細凹凸構造を有する成形体を得る工程を含む、請求項1〜4に記載の信号機器部材の製造方法。
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