JP2017072720A - 表示体、および、表示体の真贋判定方法 - Google Patents

表示体、および、表示体の真贋判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロパターンが拡大された拡大像を表示する表示体において、拡大像以外の情報を付加することのできる表示体、および、表示体の真贋判定方法を提供する。【解決手段】複数のマイクロパターン31を含むパターン層11と、レンズ層12とを備える。レンズ層12は、複数のマイクロレンズ21と撥液部22とを第2面12b上に含み、パターン層11とレンズ層12とが積み重なる方向において、各マイクロレンズ21には互いに異なるマイクロパターン31が1つずつ重なり、複数のマイクロレンズ21は、各マイクロレンズ21が拡大したマイクロパターン31の像の集合によって第1情報を形成するように構成されている。撥液部22は、第2面12bのうち、撥液部22以外の部分よりも高い撥液性を有し、撥液部22上で撥液された液体の外形によって第2情報を形成するように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、複数のマイクロレンズを備える表示体、および、表示体の真贋判定方法に関する。
紙幣、クレジットカード、および、商品券などの有価証券の偽造防止、および、商品のブランドプロテクションを目的として、特殊な視覚効果を有する表示体が用いられている。こうした表示体には、マイクロレンズアレイと、文字や図柄などのマイクロパターンとを備え、マイクロパターンに対してマイクロレンズが積み重ねられた構成を有する表示体が知られている。
この表示体では、マイクロレンズが、マイクロパターンを拡大して表示することにより、マイクロパターンが拡大された像に対して、立体感や奥行きが与えられる。また、表示体を観察する角度が連続的に変わることによって、表示体に対するパターンの位置が動いているように観察者に視認される(例えば、特許文献1参照)。
マイクロレンズとマイクロパターンとを備える表示体には、第1のマイクロパターンを有する第1の層と、第1のマイクロパターンとは異なる第2のマイクロパターンを有する第2の層とを備える構成も知られている。この表示体では、表示体を視認する方向に対する表示体の傾斜によって、第2のマイクロパターンが拡大された像の位置に対して、第1のマイクロパターンが拡大された像の位置が変わる。また、第1のマイクロパターンのピッチと、第2のマイクロパターンのピッチとが互いに異なることで、第1のマイクロパターンが拡大された像と、第2のマイクロパターンが拡大された像とが、表示体を視認する方向において、互いに異なる位置に表示される(例えば、特許文献2参照)。
マイクロレンズとマイクロパターンとを備える表示体は、上述した偽造防止やブランドプロテクションを目的とする表示体に限らず、表示体の付された物品を装飾する目的で用いられてもいる(例えば、特許文献3参照)。
特表2009−536885号公報 特表2013−521158号公報 特開2012−91447号公報
上述したマイクロレンズとマイクロパターンとを備える表示体には、偽造を防止する効果や、物品を装飾する効果をより高める上で、マイクロパターンが拡大された像による情報だけでなく、それ以外の情報がさらに付加されることが望まれている。
本発明は、マイクロパターンが拡大された拡大像を表示する表示体において、拡大像以外の情報を付加することのできる表示体、および、表示体の真贋判定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための表示体は、複数のマイクロパターンを含むパターン層と、前記パターン層に接する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを含み、光透過性を有するレンズ層を備える。前記レンズ層は、複数のマイクロレンズと撥液部とを前記第2面上に含み、前記パターン層と前記レンズ層とが積み重なる方向において、前記各マイクロレンズには互いに異なる前記マイクロパターンが1つずつ重なる。前記複数のマイクロレンズは、前記各マイクロレンズが拡大した前記マイクロパターンの像の集合によって第1情報を形成するように構成されている。前記撥液部は、前記第2面のうち、前記撥液部以外の部分よりも高い撥液性を有し、前記撥液部上で撥液された液体の外形によって第2情報を形成するように構成されている。
上記構成によれば、マイクロパターンの拡大像である第1情報に加えて、撥液部によって形成される第2情報が、表示体に付加される。
上記表示体において、光透過性を有し、複数の前記マイクロレンズの一部を覆うとともに、第3情報を含むインキ部をさらに備えることが好ましい。
上記構成によれば、表示体には、インキ部が含む第3情報がさらに付加される。
上記表示体において、前記第3情報は、第1の単語であり、前記第2情報は、前記第3情報に付加されることによって、前記第3情報とともに前記第1の単語とは異なる第2の単語を第4情報として形成してもよい。
上記構成によれば、表示体は、撥液部上にて液体が撥液されていない状態では、第1の単語を外部に表示する一方で、撥液部上にて液体が撥液された状態では、第2の単語を外部に表示することができる。このように、表示体では、撥液部が液体に曝されるか否かによって、表示する情報が変わるため、液体によって、表示体の表示する情報が第1の単語から第2の単語に変わるか否かによって、表示体の真贋を判定することができる。
上記表示体において、1つのカテゴリは、複数の要素の集まりであり、前記第2情報は、前記複数の要素に含まれる1つの要素を表現する情報であり、前記第1情報、および、前記第3情報の少なくとも一方が、前記第2情報が表現する前記要素と同じ要素を表現する情報であってもよい。
上記構成によれば、表示体が、液体の撥液によって形成される第2情報として、第1情報および第3情報の少なくとも一方と同じ要素を表現する情報を有するか否かによって、表示体の真贋を判定することができる。
上記表示体において、前記パターン層と前記レンズ層とが積み重なる方向において、前記マイクロレンズと、前記マイクロレンズに重なる前記マイクロパターンとの間の距離は、屈折率が1.0である媒質の中において、複数の前記マイクロレンズの焦点が前記マイクロパターンに合うように設定された距離であってもよい。前記インキ部の屈折率は1.0以外の値であり、かつ、前記マイクロレンズの屈折率とは異なる値であってもよい。
上記構成によれば、第1情報のうち、インキ部に覆われていないマイクロレンズによって拡大された部分に対して、インキ部に覆われたマイクロレンズによって拡大された部分はぼやけた像である。つまり、1つの第1情報が鮮明さの異なる部分を含むため、第1情報の全体における鮮明さが同じである構成と比べて、表示体はより複雑な第1情報を表示することができる。
上記表示体において、前記撥液部は、前記第2面から突き出た複数の凸部から構成され、前記各マイクロレンズは、前記第2面から突き出た凸レンズであり、前記レンズ層は、樹脂製の一体物であってもよい。
上記構成によれば、マイクロレンズと撥液部とが互いに共通する樹脂から形成されている。そのため、マイクロレンズと撥液部とが互いに異なる樹脂から形成される構成や、有機材料と無機材料との組み合わせのように互いに異なる材料から形成される構成と比べて、レンズ層を形成する工程の簡素化を図ることができる。
上記表示体において、前記レンズ層の形成材料は、屈折率が1.2以上1.4以下の樹脂であってもよい。
上記構成によれば、表示体の第2面のうち、マイクロレンズに水が付着したとき、水の屈折率は1.33であるため、マイクロレンズの機能が消失することで、マイクロパターンが拡大された像が表示されない、あるいは、マイクロレンズの機能が低減されることで、マイクロパターンが拡大された像がぼやける。すなわち、像の鮮明さが低くなる。それゆえに、水の付着前と付着後との間で、第1情報の鮮明さが変わるか否かによって、表示体の真贋を判定することができる。
上記表示体において、前記複数のマイクロレンズは、第1の焦点距離を有する第1焦点レンズと、前記第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離を有する第2焦点レンズと、を含み、前記パターン層と前記レンズ層とが積み重なる方向において、前記マイクロレンズと前記マイクロレンズに重なる前記マイクロパターンとの間の距離は、前記第1の焦点距離であってもよい。
上記構成によれば、マイクロパターンが拡大された像のうち、第1焦点レンズによって拡大された部分は鮮明である一方で、第2焦点レンズによって拡大された部分はぼやける。つまり、第1情報が鮮明さの異なる部分を含むため、第1情報の全体における鮮明さが同じである構成と比べて、表示体はより複雑な第1情報を表示することができる。
上記表示体において、前記パターン層は、前記マイクロパターンが位置し、前記第1面に接する面を含む層形状を有した本体部であって、前記本体部の形成材料が紙である前記本体部を備え、前記レンズ層の形成材料は樹脂であり、前記レンズ層は前記本体部の全体を覆っていてもよい。
上記構成によれば、本体部の全体がレンズ層で覆われているため、本体部がレンズ層によって覆われていない構成と比べて、本体部に傷がついたり、本体部が破れたりすることが抑えられる。また、表示体に液体が塗布されたとき、本体部に液体が接することで、本体部が劣化することが抑えられる。
上記表示体において、前記マイクロパターンは第1マイクロパターンであり、前記マイクロレンズは第1マイクロレンズである。前記本体部は、前記本体部の厚さ方向において前記本体部を貫通する貫通孔を有し、前記レンズ層において、前記本体部に対して前記第2面と反対側の面が第3面であり、前記レンズ層は、前記第2面を含む第1レンズ部と前記第3面を含む第2レンズ部とから構成されてもよい。そして、前記第2面と対向する平面視において、前記第1レンズ部と第2レンズ部との各々のうち、前記貫通孔と重なる部分が、前記貫通孔内に向けて窪んで互いに接してもよい。前記レンズ層は、前記第2面の中で前記貫通孔に向けて窪む部分に位置する複数の第2マイクロレンズと、前記第3面に位置し、前記レンズ層の厚さ方向において、前記第2マイクロレンズに対して1つずつ重なる複数の第2マイクロパターンと、をさらに備え、前記複数の第2マイクロレンズは、前記各第2マイクロレンズが拡大した前記第2マイクロパターンの像の集合によって第5情報を形成するように構成されてもよい。
上記構成によれば、表示体のうち、第2面と対向する平面視において、パターン層が位置しない部分においても、第2マイクロレンズによって拡大された像である第5情報を形成することができる。
上記課題を解決するための表示体の真贋判定方法であって、前記表示体は、上記表示体であり、前記表示体の前記第2面のうち、少なくとも前記撥液部が位置する部分を液体に曝すことと、前記液体に曝すことによって、前記第2情報が形成されるか否かを判断することと、を含む。
上記構成によれば、第2情報の形成の有無によって、表示体の真贋を判定することができる。
上記課題を解決するための表示体の真贋判定方法であって、前記表示体が、上記表示体であり、前記表示体の前記第2面のうち、少なくとも複数の前記マイクロレンズに水を付着させることと、前記水の付着によって、付着後の前記第1情報における鮮明さが、付着前の前記第1情報における鮮明さよりも低いか否かを判断することと、を含む。
上記構成によれば、水が付着した後の第1情報における鮮明さが、水が付着する前の第1情報における鮮明さよりも低いか否かを判断することによって、表示体の真贋を判定することができる。
上記課題を解決するための表示体の真贋判定方法であって、前記表示体が、上記表示体であり、前記表示体の前記第2面のうち、少なくとも前記第1焦点レンズおよび前記第2焦点レンズに、前記第2焦点レンズの焦点を前記マイクロパターンに合わせ、かつ、前記第1焦点レンズの焦点を前記マイクロパターンからずらすように構成された液状体を付着させることと、前記第1情報のうち、前記第1焦点レンズによって拡大された部分が第1部分であり、前記第2焦点レンズによって拡大された部分が第2部分であり、前記液状体の付着によって、付着後の前記第1部分の鮮明さが付着前の前記第1部分の鮮明さよりも低く、かつ、付着後の前記第2部分の鮮明さが付着前の前記第2部分の鮮明さよりも高いか否かを判断することと、を含む。
上記構成によれば、液状体の付着によって、第1部分における鮮明さが付着前よりも低くなり、かつ、第2部分における鮮明さが付着前よりも高くなるか否かを判断することによって、表示体の真贋を判定することができる。
本発明によれば、マイクロパターンが拡大された拡大像を表示する表示体において、拡大像以外の情報を付加することができる。また、こうした表示体の真贋判定方法を提供することができる。
第1実施形態における表示体の斜視構造を示す斜視図である。 図1におけるI−I線に沿う断面構造を示す断面図である。 マイクロパターンの平面構造を示す平面図である。 パターン層の一部斜視構造とレンズ層の一部斜視構造とを分解して示す部分分解斜視図である。 マイクロパターンの平面構造を拡大して示す拡大平面図である。 撥液部の一例における斜視構造を示す斜視図である。 撥液部の一例における斜視構造を示す斜視図である。 撥液部の一例における斜視構造を示す斜視図である。 撥液部の機能を説明するための模式図である。 表示体の断面構造の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 表示体の作用を説明するための作用図である。 表示体の作用を説明するための作用図である。 第1実施形態の変形例における表示体の一部平面構造を模式的に示す概略平面図である。 変形例の作用を説明するための作用図である。 変形例の作用を説明するための作用図である。 第1実施形態の変形例における表示体の一部断面構造を示す部分断面図である。 第2実施形態における表示体の平面構造を示す平面図である。 表示体の作用を説明するための作用図である。 第3実施形態における表示体の平面構造を示す平面図である。 表示体の作用を説明するための作用図である。 第4実施形態の表示体の一例における一部断面構造を示す部分断面図である。 表示体の一例における一部断面構造を示す部分断面図である。 表示体の一例における一部断面構造を示す部分断面図である。 表示体の一例における作用を説明するための作用図である。 表示体の一例における作用を説明するための作用図である。 第5実施形態における表示体の斜視構造を示す斜視図である。 図26におけるII−II線に沿う断面構造を示す断面図である。 第5実施形態の変形例における表示体の斜視構造を示す斜視図である。 図28におけるIII−III線に沿う断面構造の一例を示す断面図である。 図28におけるIII−III線に沿う断面構造の一例を示す断面図である。
[第1実施形態]
図1から図12を参照して、表示体の第1実施形態を説明する。以下では、表示体の構成、表示体の作用、および、表示体の真贋判定方法を順番に説明する。
[表示体の構成]
図1から図10を参照して表示体の構成を説明する。図1では、図示の便宜上から、ドットによってレンズ層に位置するマイクロレンズが示され、かつ、ドットによってパターン層に位置するマイクロパターンが示されている。
図1が示すように、表示体10は、パターン層11とレンズ層12とを備えている。レンズ層12は、パターン層11に接する第1面12aと、第1面12aとは反対側の第2面12bとを含み、光透過性を有している。レンズ層12は、複数のマイクロレンズ21と撥液部22とを第2面12b上に含んでいる。撥液部22は、第2面12bのうち、撥液部22以外の部分よりも高い撥液性を有し、撥液部22上で撥液された液体の外形によって第2情報を形成するように構成されている。
図2が示すように、パターン層11は、複数のマイクロパターン31を含んでいる。パターン層11とレンズ層12とが積み重なる方向において、各マイクロレンズ21に対して互いに異なる1つのマイクロパターン31が重なり、複数のマイクロレンズ21は、各マイクロレンズ21が拡大したマイクロパターン31の像の集合によって、第1情報を形成するように構成されている。
こうした表示体10によれば、マイクロパターン31の拡大像である第1情報に加えて、撥液部22によって形成される第2情報が、表示体10に付加される。なお、第1情報は、複数の拡大像を含み、各拡大像は、1つのマイクロパターン31と相似な形状を有した像であるが、第1情報は、1つの拡大像から構成されていてもよい。
表示体10は、光透過性を有し、複数のマイクロレンズ21の一部を覆うとともに、第3情報を含むインキ部23をさらに備えている。そのため、表示体10には、インキ部23が含む第3情報がさらに付加される。
第1情報、第2情報、および、第3情報の各々は、文字、数字、記号、および、図形のいずれであってもよく、これらの群から選択される2つ以上を含んでいてもよい。本実施形態では、第2情報は、三日月形状を有した図形であり、第3情報は、アルファベットの「A」および「T」である。
レンズ層12の第2面12bと対向する平面視において、インキ部23は、複数のマイクロレンズ21の一部に重なっている一方で、撥液部22は、第2面12bのうち、複数のマイクロレンズ21が位置する領域とは異なる部位に位置している。なお、撥液部22は、第2面12bのうち、複数のマイクロレンズ21が位置する領域の内部、例えば、複数のマイクロレンズ21によって囲まれる領域内に位置していてもよい。
表示体10は、2つの撥液部22と、2つのインキ部23とを有しているが、表示体10は少なくとも1つの撥液部22を有していればよく、また、少なくとも1つのインキ部23を有していればよい。
以下では、マイクロレンズ21およびマイクロパターン31の構成、撥液部22の構成、および、インキ部23の構成をより具体的に説明する。
[マイクロレンズおよびマイクロパターンの構成]
図2から図5を参照して、マイクロレンズ21およびマイクロパターン31の構成を説明する。
図2が示すように、複数のマイクロパターン31は、複数のマイクロレンズ21の焦平面上に位置するように並べられる。このとき、レンズ層12における第1面12aと第2面12bとの間の距離が、各マイクロレンズ21の焦点距離であり、焦点距離が所定の値に設定されることで、マイクロレンズ21の形状、すなわち、マイクロレンズ21の曲率半径が所定の値に定まる。一般に、マイクロレンズ21において、曲率半径と焦点距離との関係は、以下の式(1)によって表される。
1/f=(n2−n1)(1/a+1/b) … 式(1)
上記式(1)において、fは焦点距離であり、n1はマイクロレンズ21を取り囲む媒質の屈折率であり、n2はマイクロレンズ21の屈折率であり、aはマイクロレンズ21の前面における曲率半径であり、bはマイクロレンズ21の後面における曲率半径である。なお、表示体10の備えるマイクロレンズ21は片側レンズであるため、曲率半径b、すなわち、マイクロレンズ21の後面における曲率半径bを無視することができる。したがって、マイクロレンズ21の前面における曲率半径aは、以下の式(2)によって表される。
a=(n2−n1)f … 式(2)
マイクロレンズ21の曲率半径aが上記式(2)から導かれる値に設定されることによって、複数のマイクロパターン31は、屈折率が上記n2である材料から形成されたマイクロレンズ21の焦平面上に並べられる。
本実施形態では、表示体10が大気中にて観察される構成であるため、媒質の屈折率n1は1.0である。パターン層11とレンズ層12とが積み重なる方向において、各マイクロレンズ21と、各マイクロレンズ21に重なるマイクロパターン31との間の距離は、屈折率n1が1.0である媒質の中において、複数のマイクロレンズ21の焦点が各マイクロパターン31に合うように設定された距離である。
レンズ層12の形成材料は、例えば光透過性を有する樹脂であり、1.2以上1.4以下の範囲に含まれる屈折率を有することが好ましく、1.28以上1.38以下の屈折率を有することがより好ましい。すなわち、マイクロレンズ21の屈折率n2は、1.2以上1.4以下であることが好ましく、1.28以上1.38以下であることがより好ましい。
こうした構成であれば、水の屈折率が1.33であるため、レンズ層12の第2面12bに水が付着したとき、マイクロレンズ21の機能が消失することで、マイクロパターン31が拡大された像が表示されない。あるいは、マイクロレンズ21の機能が低減されることで、マイクロパターン31が拡大された像がぼやける。すなわち、像の鮮明さが低くなる。それゆえに、水の付着前と水の付着後との間で、第1情報の鮮明さが変わるか否かによって、表示体10の真贋を判定することができる。
なお、マイクロレンズ21の屈折率n2と水の屈折率との差が小さいほど、マイクロレンズ21の焦点がマイクロパターン31に合わなくなることで、像が視認されにくくなる。それゆえに、マイクロレンズ21の屈折率n2は、1.28以上1.38以下であることが好ましい。
また、上述した水を含む液体を用いて表示体10の真贋判定を行う上では、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ21に対して液体が付着したとき、互いに隣り合うマイクロレンズ21の間の隙間に液体が保持される程度の濡れ性を発現するような形状を有することが好ましい。
マイクロレンズ21の曲率半径aは、20μm以上240μm以下であることが好ましい。このとき、マイクロレンズ21の屈折率n2が、例えば1.3以上1.6以下であり、かつ、媒質の屈折率n1が1.0であれば、焦点距離fは、33.3μm以上800μm以下である。
なお、マイクロレンズ21の屈折率n2が小さいほど、また、マイクロレンズ21の曲率半径aが大きいほど、焦点距離fは大きくなる。そのため、表示体10の用途に応じて、表示体10の全体における厚さが所定の値となるように、マイクロレンズ21の屈折率n2、および、マイクロレンズ21の曲率半径aを適宜設定することが好ましい。
例えば、表示体10が紙幣として用いられる場合には、表示体10の全体における厚さが100μm程度になるように、マイクロレンズ21の屈折率n2、および、マイクロレンズ21の曲率半径aが設定されることが好ましい。また例えば、表示体10が各種のカードとして用いられる場合には、表示体10の全体における厚さが200μm以上500μm以下になるように、マイクロレンズ21の屈折率n2、および、マイクロレンズ21の曲率半径aが設定されることが好ましい。
図3は、複数のマイクロパターン31の平面構造を示している。図3では、図示および説明の便宜上から、マイクロパターン31に重なるマイクロレンズ21を仮想線によって示している。
図3が示すように、マイクロレンズ21は、1つの方向であるX方向に沿って並び、かつ、X方向に直交する方向であるY方向に沿って並んでいる。すなわち、マイクロレンズ21は正方配置され、1つのマイクロレンズ21の位置する領域が単位領域R1である。複数の単位領域R1は、X方向に沿って第1レンズピッチBxで並び、かつ、Y方向に沿って第2レンズピッチByで並んでいる。
パターン層11とレンズ層12とが積み重なる方向がZ方向であり、複数のマイクロパターン31は、Z方向において、1つの単位領域R1に対して1つのマイクロパターン31が含まれるように規則的に並んでいる。複数のマイクロパターン31は、X方向に沿って第1パターンピッチAxで並び、かつ、Y方向に沿って第2パターンピッチAyで並んでいる。すなわち、マイクロパターン31は正方配置されている。
マイクロパターン31は、例えば、印刷によってパターン層11に形成され、各マイクロパターン31は、他の全てのマイクロパターン31と同じ形状を有している。マイクロパターン31は、例えば、所定の色を有した印刷用インキで形成されている。本実施形態では、マイクロパターン31は、太陽を表現する図形であり、そのため、第1情報に含まれる複数の図形の各々も、太陽を表現する図形である。
第1パターンピッチAxと第1レンズピッチBxとは互いに異なる値であり、かつ、第2パターンピッチAyと第2レンズピッチByとは互いに異なる値である。第1パターンピッチAxの値と第1レンズピッチBxの値との間にわずかな差を生じさせ、かつ、第2パターンピッチAyの値と第2レンズピッチByの値との間にわずかな差を生じさせることで、マイクロパターン31と、マイクロレンズ21との間にモアレ効果を生じさせる。これにより、各マイクロレンズ21によって拡大されたマイクロパターン31の一部が合成されて、マイクロパターン31の拡大像、すなわち第1情報が表示される。
以下、第1パターンピッチAxと第2パターンピッチAyとが等しい値であって、パターンピッチAである。また、単位領域R1が正方形形状を有し、すなわち、複数のマイクロレンズ21が正方配置され、第1レンズピッチBxと第2レンズピッチByとが等しい値であって、レンズピッチBである。
パターンピッチAがレンズピッチBよりも大きいとき、拡大像は、観察者側に浮き出て見え、言い換えれば、拡大像は、Z方向において、観察者の視点と表示体10との間の空間に位置しているように視認される。このとき、マイクロパターン31の拡大率αは以下の式(3)によって導かれる。
一方で、パターンピッチAがレンズピッチBよりも小さいとき、拡大像は、表示体10の奥に沈んで見え、言い換えれば、拡大像は、Z方向において、レンズ層12の第2面12bに対して観察者の視点とは反対側に位置しているように視認される。このとき、マイクロパターン31の拡大率αは以下の式(4)によって導かれる。
α=B/(A−B) … 式(3) (A>Bのとき)
α=B/(B−A) … 式(4) (B>Aのとき)
レンズピッチBがパターンピッチAの0.84倍以上1.0倍未満であるとき、式(3)から導かれるように、拡大率αは5倍以上である。また、レンズピッチBがパターンピッチAよりも大きく、かつ、1.25倍以下であるとき、式(4)から導かれるように、拡大率αは5倍以上である。
なお、式(3)および式(4)から明らかなように、パターンピッチAとレンズピッチBとの差が小さいほど拡大率αは大きくなる。そのため、マイクロパターン31の大きさに依存するものの、観察者が十分に視認できる程度の大きさで拡大像を表示する上では、パターンピッチAとレンズピッチBとの差をできる限り小さくすることが好ましい。
パターンピッチAは、例えば、10μm以上300μm以下であることが好ましい。パターンピッチAが10μm以上であれば、印刷プロセスなどの高精度なパターン形成技術によって、マイクロパターン31を形成することができる。また、パターンピッチAが300μm以下であれば、各マイクロパターン31の大きさを肉眼によっては容易には視認できない程度の大きさにすることができる。ちなみに、表示体10の偽造を防止する効果を高める上では、パターンピッチAは、10μm以上300μm以下の範囲において、小さいほど好ましい。
複数のマイクロレンズ21は、上述したように正方配置されているが、六方配置されてもよい。複数のマイクロレンズ21が六方配置された構成では、互いに隣り合う2つのマイクロレンズ21の間の隙間が、正方配置された構成と比べて小さくなる。これにより、複数のマイクロレンズ21が六方配置された構成によれば、各マイクロレンズ21によって拡大されたマイクロパターン31の一部、すなわち、拡大像を構成する画素がより密に並ぶため、拡大像をより鮮明に表示させることができる。
図4は、レンズ層12のうち、マイクロレンズ21が位置する部分と、パターン層11のうち、マイクロパターン31が位置する部分のみを分解して示す斜視構造とともに、マイクロレンズ21によって拡大された1つの像を示している。図5は、1つのマイクロパターン31の平面構造を拡大して示している。
図4が示すように、1つのマイクロパターン31に対応する拡大像が部分的に欠けないように拡大像を表示するためには、表示体10は、所定の面積を有したレンズ領域R2であって、複数のマイクロレンズ21が並ぶ領域を備える必要がある。
レンズ領域R2の大きさは、パターンピッチA、レンズピッチB、および、マイクロパターン31の大きさによって定まり、以下の式(5)および式(6)から導かれる。
Lm=(lm/|B−A|)×B … 式(5)
Ln=(ln/|B−A|)×B … 式(6)
なお、Lmはレンズ領域R2におけるY方向に沿う長さであり、Lnはレンズ領域R2におけるX方向に沿う長さである。また、図5が示すように、lmはマイクロパターン31におけるY方向に沿う長さであり、lnはマイクロパターン31におけるX方向に沿う長さである。
各式のうち、右辺におけるかっこ内の数式は、1つの拡大像を表示するために必要なマイクロパターン31の数を求めるための式であり、この式にレンズピッチBを乗ずることによって、レンズ領域R2におけるY方向に沿う長さ、あるいは、X方向に沿う長さを導くことができる。
[撥液部の構成]
図6から図9を参照して、撥液部22の構成を説明する。なお、図6から図8では、図示の便宜上から、レンズ層12のうち、撥液部22の位置する部分のみが示されている。
撥液部22は、レンズ層12の第2面12bから突き出た複数の凸部から構成されている。複数のマイクロレンズ21の各々は、同じく第2面12bから突き出た凸レンズである。レンズ層12は、樹脂製の一体物である。
マイクロレンズ21と撥液部22とが、互いに共通する樹脂から形成されている。そのため、マイクロレンズ21と撥液部22とが互いに異なる樹脂から形成される構成や、有機材料と無機材料との組み合わせのように互いに異なる材料から形成される構成と比べて、レンズ層12を形成する工程の簡素化を図ることができる。
なお、撥液部22がレンズ層12における他の部分とは互いに異なる樹脂で形成されていてもよいし、マイクロレンズ21がレンズ層12における他の部分とは互いに異なる樹脂で形成されていてもよい。
撥液部22は、複数の凸部から構成され、各凸部において、底面の面積に対する先端面の面積の比は1以下であることが好ましい。
図6が示すように、各凸部22a1は円柱形状を有してもよいし、四角柱形状などの多角柱形状、すなわち、第2面12bから離れる方向に向けて延びる柱形状であって、かつ、先端部に平坦面を有する形状であってもよい。
あるいは、図7が示すように、各凸部22a2は円錐形状を有してもよいし、図8が示すように、各凸部22a3は三角錐形状を有してもよいし、四角錐形状などの多角錐形状を有してもよい。すなわち、各凸部は第2面12bから離れる方向に向けて延びる錐形状であって、かつ、先鋭な先端部を有した形状であってもよい。
なお、各凸部の高さは10μm以下であることが好ましく、底面の大きさは、底面が円形状を有するときには直径が10μm以下であることが好ましく、底面が多角形状を有するときには、長辺の長さが10μm以下であることが好ましい。また、複数の凸部は、20μm以下のピッチで並ぶことが好ましい。
ちなみに、各凸部は、図7および図8を参照して先に説明した形状、すなわち、第2面12bから離れる方向に向けて延びる錐形状であって、先鋭な先端部を有した形状であることが好ましい。
図9が示すように、物体40の表面40Sが第1物質41と第2物質42とから構成された複合面であるとき、物体40の表面40Sに対する第1物質41の面積の比が第1面積比A1であり、物体40の表面40Sに対する第2物質42の面積の比が第2面積比A2である。そして、第1物質41の表面41Sにおける接触角が第1接触角θ1であり、第2物質42の表面42Sにおける接触角が第2接触角θ2である。このとき、複合面における接触角θ0は、以下の式(7)、すなわち、Cassieの式で表される。
cosθ0=A1cosθ1+A2cosθ2 … 式(7)
第1物質41が所定の固体であり、第2物質42が空気であるとき、第2接触角θ2は180°(θ2=180°)である。また、第1面積比A1と第2面積比A2との和が1(A1+A2=1)であることから、上記式(7)から以下の式(8)が得られる。
cosθ0=A1(cosθ1+1)−1 … 式(8)
したがって、第1物質41の第1面積比A1を小さくするほど複合面の接触角θ0は180°に近付き、複合面が超撥液性を有する。すなわち、撥液部22を構成する各凸部は、柱形状よりも錐体形状を有することが好ましい。
[インキ部の構成]
図10を参照してインキ部23の構成を説明する。
上述したように、Z方向において、各マイクロレンズ21と、各マイクロレンズ21に重なるマイクロパターン31との間の距離は、屈折率が1.0である媒質の中において、複数のマイクロレンズ21の焦点が各マイクロパターン31に合うように設定された距離である。すなわち、各マイクロパターン31は、Z方向においてマイクロパターン31が重なるマイクロレンズ21の焦平面であって、屈折率が1.0である媒質、例えば、大気中における焦平面上に位置している。
そして、インキ部23の形成材料は、光透過性を有した透明インキであり、インキ部23の屈折率は1.0以外の値であり、かつ、マイクロレンズ21の屈折率とは異なる値であってもよい。第1情報のうち、インキ部23に覆われていないマイクロレンズ21によって拡大された部分に対して、インキ部23に覆われたマイクロレンズ21によって拡大された部分はぼやけた像である。つまり、第1情報が鮮明さの異なる部分を含むため、第1情報の全体における鮮明さが同じである構成と比べて、表示体10はより複雑な第1情報を表示することができる。
あるいは、インキ部23の屈折率は1.0以外の値であり、かつ、マイクロレンズ21の屈折率と等しい値であってもよい。インキ部23によって覆われたマイクロレンズ21は、レンズとして機能しないため、第1情報のうち、インキ部23によって覆われたマイクロレンズ21によって拡大されるべき部分が表示されない。
図10が示すように、複数のマイクロレンズ21は、インキ部23によって覆われていないマイクロレンズ21である第1レンズ21Aと、インキ部23によって覆われているマイクロレンズ21である第2レンズ21Bとから構成されている。
各マイクロレンズ21に入射した光の焦点距離fは、上述した式(2)から導かれる以下の式(9)によって求めることができる。
f=a/(n2−n1) … 式(9)
なお、上述したように、aはマイクロレンズ21の前面における曲率半径であり、n1はマイクロレンズ21を取り囲む媒質の屈折率であり、n2はマイクロレンズ21の屈折率である。
第1レンズ21Aにおける曲率半径aと第2レンズ21Bにおける曲率半径aとが等しく、かつ、第1レンズ21Aにおける屈折率n2と第2レンズ21Bにおける屈折率n2とが等しいとき、各マイクロレンズ21における焦点距離fは、媒質の屈折率n1が大きいほど大きくなる。
ここで、第1レンズ21Aにおける焦点距離が第1焦点距離f1であり、第2レンズ21Bにおける焦点距離が第2焦点距離f2である。表示体10が大気中にて観察されるとき、第1レンズ21Aを取り囲む媒質は大気であるため、第1レンズ21Aを取り囲む媒質の屈折率n1は1.0である。上記式(9)のn1に1.0を代入することで、第1焦点距離f1は以下の式で表される。
f1=a/(n2−1.0) … 式(10)
これに対して、第2レンズ21Bの第2焦点距離f2は、第2レンズ21Bを取り囲む媒質、すなわち、インキ部23の屈折率n1に応じて、以下のように変わる。すなわち、インキ部23の屈折率n1が1.0よりも大きく、かつ、第2レンズ21Bの屈折率n2よりも小さいとき(1.0<n1<n2)、第2焦点距離f2は第1焦点距離f1よりも大きく(f2>f1)。また、インキ部23の屈折率n1が1よりも小さく(n1<1.0)、かつ、第2レンズ21Bの屈折率n2と異なる値であるとき、第2焦点距離f2は第1焦点距離f1よりも小さい(f2<f1)。
このように、インキ部23の屈折率が1.0以外の値であるとき、マイクロパターン31に対して第2レンズ21Bの焦点が合わないため、複数のマイクロレンズ21によって表示される拡大像のうち、第2レンズ21Bによって拡大された部分が、他の部分と比べてぼやける。第2レンズ21Bによって拡大された部分がぼやける度合い、すなわち、第2レンズ21Bによって拡大された部分における鮮明さが低くなる度合いは、インキ部23の屈折率n1と1.0との差が大きくなるほど大きい。
なお、インキ部23の屈折率n1が第2レンズ21Bの屈折率n2よりも大きいときには(n1>n2)、第2焦点距離f2が0よりも小さくなり(f2<0)、第2レンズ21Bに入射した光が発散する。そのため、マイクロレンズ21の焦点は、マイクロレンズ21の下側、すなわち、Z方向において、レンズ層12の第2面12bに対して観察者の視点とは反対側に位置しない。それゆえに、複数のマイクロレンズ21が表示する拡大像のうち、第2レンズ21Bによって拡大された部分が極度にぼやける。
また、インキ部23の屈折率n1が第2レンズ21Bの屈折率n2と等しいとき、第2レンズ21Bに入射した光は直進するため、マイクロレンズ21はレンズとして機能しない。結果として、複数のマイクロレンズ21が表示する拡大像のうち、第2レンズ21Bによって拡大されるべき部分が表示されない。
[表示体の作用]
図11および図12を参照して、表示体10の作用を説明する。なお、以下では、表示体10の一例として、マイクロレンズ21の形成材料が、1.2以上1.4以下の屈折率を有する構成における作用を説明する。また、図11および図12では、図示の便宜上から、表示体10の表示する第1情報として、マイクロパターン31と相似な形状を有する1つの拡大像のみを示している。
図11が示すように、表示体10は、大気中において、マイクロレンズ21によって拡大されたマイクロパターン31の像の集合である第1情報51を形成し、かつ、第3情報53を含むインキ部23を備えている。そのため、観察者が大気中にて表示体10を観察するとき、第1情報51と第3情報53とが観察される。
図12が示すように、レンズ層12の第2面12bが例えば水に曝されると、第2面12b上に形成された撥液部22は、第2面12bにおける他の部分よりも高い撥液性を有するため、撥液部22上にて水を撥水する。そして、撥液部22は、撥液部22の形状に沿って、撥液部22上にて水を凝集させて液滴を形成する。これにより、撥液部22は、撥液部22上で撥水された水の外形によって第2情報52を形成する。
一方で、複数のマイクロレンズ21に水が付着すると、複数のマイクロレンズ21のうち、インキ部23に覆われていない部分では、マイクロレンズ21の周囲を取り囲む媒質の屈折率が、1.0から1.3に変わる。そのため、各マイクロレンズ21の焦点が、Z方向において各マイクロレンズ21と重なるマイクロパターン31には合わなくなる。それゆえに、第2面12bに水が付着した後の第1情報51は、第2面12bに水が付着する前の第1情報51と比べてぼやけた像になる。
このように、表示体10によれば、水の撥水によって撥液部22が第2情報52を形成するか否か、および、水の付着によって第1情報51の状態が変わるか否かによって、表示体10の真贋を判断することができる。そのため、表示体10の真贋が、第1情報51および第2情報52のいずれか一方のみに基づいて判断される構成と比べて、表示体10の真贋判定の精度が高まる。
すなわち、こうした表示体10の真贋は、第2面12bのうち、少なくとも複数のマイクロレンズ21に水を付着させることと、水の付着によって、付着後の第1情報51における鮮明さが、付着前の第1情報51における鮮明さよりも低いか否かを判断することとによっても判定することができる。
[表示体の真贋判定方法]
図12を参照して表示体の真贋判定方法を説明する。
表示体10の真贋判定方法は、レンズ層12の第2面12bのうち、少なくとも撥液部22が位置する部分を液体に曝すことと、液体に曝すことによって第2情報52が形成されるか否かを判断することとを含む。
図12が示すように、本物の表示体10であれば、レンズ層12の第2面12bのうち、少なくとも撥液部22が位置する部分を液体に曝すと、撥液部22上にて液体が撥液されることによって第2情報52が形成される。
ここで、撥液部22は、液体に曝される前の表示体10において、目視では視認されにくいため、表示体10を取り扱う者が、予め表示体10が撥液部22を備えていることを知らなければ、表示体10が撥液部22を備えていることには気付きにくい。それゆえに、表示体10を偽造する者が、表示体10の有する撥液部22に気付かない可能性が高く、結果として、偽物の表示体10は、撥液部22を備えていてない可能性が高い。
こうした理由から、液体に曝しても第2情報52が形成されない表示体10であれば、偽物の表示体10であると判断することができる。
なお、液体に曝すことによって表示体10の真贋判定を行うため、真贋判定を行った後には、液体を表示体から揮発させる、あるいは、エアブローによって液体を表示体10から除去することによって、真贋判定を行う前の状態に表示体10の状態を戻すことができる。
それゆえに、液体を用いた真贋判定方法は、表示体10の用途が、例えば、紙幣、IDカード、パスポート、および、金券などであって、複数回の真贋判定が行われる可能性のある物品である場合に有効な方法である。
表示体10を液体に曝すときには、表示体10の全体を液体に浸すことによって表示体10を液体に曝してもよいし、レンズ層12の第2面12bの全体、あるいは、第2面12bの一部に液体を塗布する、あるいは、噴霧することによって、表示体10を液体に曝してもよい。なお、塗布あるいは噴霧によって第2面12bを液体に曝すときには、互いに隣り合うマイクロレンズ21の間の隙間に液体が保持される程度の濡れ性を第2面12bが発現するような液体を選択することが好ましい。
また、レンズ層12の第2面12bに触れる液体は、人体に有害な物質でなければ水以外の他の液体であってもよい。ただし、水は、真贋判定を行う人、および、真贋判定を行う場所を選ばない点で、また、真贋判定に必要な費用を抑えられる点で好ましい。
以上説明したように、第1実施形態の表示体10によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)マイクロパターン31の拡大像である第1情報51に加えて、撥液部22によって形成される第2情報52が、表示体10に付加される。
(2)表示体10には、インキ部23が含む第3情報53がさらに付加される。
(3)第1情報51のうち、第1レンズ21Aによって拡大された部分に対して、第2レンズ21Bによって拡大された部分はぼやけた像である。つまり、第1情報51が鮮明さの異なる部分を含むため、第1情報51の全体における鮮明さが同じである構成と比べて、表示体10はより複雑な第1情報51を表示することができる。
(4)マイクロレンズ21と撥液部22とが、互いに共通する樹脂から形成されている。そのため、マイクロレンズ21と撥液部22とが互いに異なる樹脂から形成される構成や、有機材料と無機材料との組み合わせのように互いに異なる材料から形成される構成と比べて、レンズ層12を形成する工程の簡素化を図ることができる。
(5)水の屈折率は1.33であるため、レンズ層12の第2面12bに水が付着したとき、マイクロレンズ21の機能が消失することで、マイクロパターン31が拡大された像が表示されない、あるいは、マイクロレンズ21の機能が低減されることで、マイクロパターン31が拡大された像がぼやける、すなわち、像の鮮明さが低くなる。それゆえに、水の付着前と付着後との間で、第1情報51の鮮明さが変わるか否かによって、表示体10の真贋を判定することができる。
(6)第2情報52の形成の有無によって、表示体10の真贋を判定することができる。
[第1実施形態の変形例]
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・レンズ層12の形成材料、すなわち、マイクロレンズ21の形成材料の屈折率は、マイクロレンズ21を取り囲む媒質の屈折率n1と等しい値でなければ、1.2よりも小さくてもよいし、1.4よりも大きくてもよい。
・撥液部22は、レンズ層12における撥液部22以外の部分よりも撥液性の高い材料で形成されていれば、複数の凸部から構成されていなくてもよく、例えば、第2面12bの一部を構成する平坦面であってもよい。あるいは、撥液部22は、レンズ層12の第2面12bに対して、レンズ層12における撥液部22以外の部分よりも撥液性の高い撥液剤が塗布された部分であってもよい。
・撥液部22は、撥液部22上にて撥液された液体が撥液部22に留まるように撥液部22が構成されているが、撥液部22は、第2面12bの一部であって、撥液された液体が撥液部22以外の部分に留まるように構成されていてもよい。こうした構成であっても、撥液部22が、撥液部22上で撥液された液体の外形によって第2情報を形成するように構成されていれば、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・Z方向におけるマイクロレンズ21とマイクロパターン31との間の距離は、マイクロレンズ21の焦点が、屈折率が1.0以外の媒質の中においてマイクロパターン31に合うように設定された距離であってもよい。こうした構成では、インキ部23の屈折率は、媒質の屈折率およびマイクロレンズ21の屈折率の両方と異なる値であってもよいし、媒質の屈折率とは異なる値である一方で、マイクロレンズ21の屈折率とは同じ値であってもよい。
・表示体10はインキ部23を備えていなくてもよく、表示体10がインキ部23を備えていない構成であれば、マイクロレンズ21の焦点が、マイクロパターン31に合う媒質中において、マイクロパターン31の拡大像の全体が、高い鮮明さを有した状態で形成される。
・マイクロパターン31は、所定の色を有した印刷用のインキに限らず、例えば、機能性インキから形成されていてもよい。機能性インキは、表示体10を照らす光源が1つの光源から他の光源に変わることによって、インキの色が1つの色から他の色に変わったり、インキの光沢の度合いが変わったりするインキである。また、機能性インキは、レンズ層12の第2面12bと視線方向とが形成する角度である観察角度が1つの角度から他の角度に変わることによって、インキの色が1つの色から他の色に変わったり、インキの光沢の度合いが変わったりするインキである。
光源によって色が変わるインキは、例えば、蓄光インキおよびフォトクロミックインキなどであり、観察角度によって色が変わるインキは、例えば、パールインキおよびカラーシフトインキなどである。
このうち、蓄光インキは、太陽光や蛍光灯の光などの光エネルギーを吸収して蓄積し、暗闇にて徐々に発光する機能を有している。フォトクロミックインキは、紫外線に反応して発色するインキであり、インキに照射された紫外線の量に応じて、レッド、ブルー、パープル、および、イエローなどの異なる色を発現する機能を有している。パールインキは、インキにパール顔料を混ぜたインキであって、観察角度に応じてインキの光沢が変わる。なお、パール顔料として偏光パールを用いることにより、観察角度に応じてインキの色調を変えることもできる。
こうした機能性インキを用いれば、マイクロパターン31の拡大像における色や光沢が変わるか否かによって表示体10の真贋判定を行うこともできる。
・マイクロパターン31は、微細な凹凸構造から構成された回折格子や散乱構造などであってもよい。ただし、マイクロパターン31の拡大像に回折格子や散乱構造による光学的な効果を付与するためには、回折格子や散乱構造を構成している凹凸構造の配向を調整する必要がある。
例えば、回折格子が1つの方向に沿って延びる複数の凸部と、2つの凸部間に形成される凹部とから構成される場合には、凸部の延びる方向に対して垂直な方向から表示体10が観察されたときには虹色のパターンが視認される。一方で、凸部の延びる方向に対して平行な方向から表示体10が観察されたときには虹色のパターンが視認されない。虹色のパターンが特定の方向のみから視認される状態を解消するためには、Z方向において各マイクロレンズ21に重なる回折格子が、1つの方向に沿って延びる複数の凸部に加えて、他の方向に沿って延びる複数の凸部を備える構成とすることが好ましい。
なお、微細な凹凸構造は、例えば、フォトリソグラフィ法を用いて形成することができる。フォトリソグラフィ法では、ガラス基板などの基板の1つの面に感光性レジストを均一に塗布し、感光性レジストの任意の領域を電子線やレーザーなど用いて露光した後に、感光性レジストを現像することによって、所定のパターンを形成することができる。
感光性レジストの種類には、露光された部分が現像によって溶解するポジ型レジストと、露光されていない部分が現像によって溶解するネガ型レジストとが存在し、感光性レジストの種類に応じて、感光性レジストを露光する際のパターンを設計する必要がある。
感光性レジストの現像によって形成した基板は、樹脂製のフィルムなどに凹凸構造を形成するための原版として用いられるが、感光性レジストによって形成された凹凸構造は脆いため、凹凸構造を有したパターン層を量産するためのスタンパには適さない。そのため、原版に対する電気鋳造などにより、感光性レジストが有する凹凸構造が転写された金属製のスタンパを作製する。
電気鋳造は、電解液中に原版を浸し、電気分解によって析出した金属イオンを原版の表面に電着させる方法であるため、電気鋳造によれば、原版が有する微細な凹凸構造を忠実に再現することができ、かつ、1μm以下の厚さを有するスタンパを形成することができる。
なお、電気鋳造では、金属イオンを原版の表面に電着させるため、原版は通電性を有する必要がある。しかしながら、一般に、凹凸構造が形成された感光性レジストは通電性を有していないため、電気鋳造を実施する前に、感光性レジストで形成された原版の表面に対して、スパッタリングや真空蒸着などにより、金属薄膜を形成することが必要である。
次いで、電気鋳造で作製した金属製のスタンパを母型として、凹凸構造の転写を行う。凹凸構造を転写するときには、まず、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)や、ポリカーボネート(PC)などから形成された基材を準備し、基材の1つの面に熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂を塗布する。そして、塗布した樹脂の表面に金属製のスタンパを押し当てた状態で、樹脂に対して熱または光を与えることで樹脂を硬化させ、硬化した樹脂からスタンパを離型する。これにより、微細な凹凸構造を有した樹脂層を得ることができる。
転写方式には、ステップアンドリピート方式、および、ロールツーロール方式などを用いることができる。このうち、ステップアンドリピート方式は、スタンパと樹脂とを平行に配置し、スタンパの全体を樹脂に対して一度に押し付ける方法である。そのため、スタンパの面積が大きくなると、スタンパの全体に対して均一に圧力がかかりにくくなり、スタンパと樹脂との間に気泡が生じやすくなる。
これに対して、ロールツーロール方式は、金属製のロールにスタンパを巻き付けた状態で、ロールを回転させながら樹脂に対して線圧でスタンパを押し付ける。そのため、ステップアンドリピート方式と比べて、より均一な圧力で樹脂に対してスタンパを押し付けることができる。ロールツーロール方式によれば、ロールを繰り返し回転させることによって、樹脂に対して連続して凹凸構造を転写することが可能であるため、ロールツーロール方式は、凹凸構造を有したパターン層の量産に適している。
凹凸構造を形成した樹脂層および基材は、一般に透明であるため、凹凸構造に対して光を反射する特性を与えるためには、凹凸構造に対して蒸着法などを用いてアルミニウムなどから形成された金属層、あるいは、誘電体層を堆積させる必要がある。金属層あるいは誘電体層は、単層構造を有してもよいし、多層構造を有してもよい。
例えば、多層構造を有する誘電体層であれば、高屈折率を有する誘電体層と、低屈折率を有する誘電体層とを交互に積層することで、特定の波長域の光を強く反射する誘電体層とすることができる。また、多層構造を有する誘電体層では、層の厚さ、層の数、および、層の構成を変えることによって、誘電体層の構成に応じた色を誘電体層に発現させることが可能である。このように、多層構造を有する誘電体層によれば、誘電体層の構成によって、マイクロパターン31に対して種々の視覚効果を与えることができる。
・撥液部22は、レンズ層12の第2面12bにおいて、複数のマイクロレンズ21が位置する領域の内部に位置していてもよい。すなわち、複数のマイクロレンズ21によって囲まれていてもよい。なお、以下で参照する図14では、図示の便宜上から、観察者によって視認される第1情報51がレンズ層12の第2面12bの一部と重なるように図示されている。
上述したように、第2面12bのうち、複数のマイクロレンズ21が位置する領域には、複数の単位領域R1が区画され、1つの単位領域R1は、1つのマイクロレンズ21が位置することが可能な大きさを有している。複数の単位領域R1は正方形形状を有し、X方向に沿って並び、かつ、Y方向に沿って並んでいる。
そして、図13が示すように、複数の単位領域R1は、複数の第1単位領域R1aと複数の第2単位領域R1bとから構成され、第1単位領域R1aには、1つのマイクロレンズ21が位置する一方で、第2単位領域R1bには、撥液部22を構成する複数の凸部22aが位置している。
複数のマイクロパターン31は、パターン層11のうち、Z方向において第1単位領域R1aと重なる部分にのみ位置していてもよいし、Z方向において第1単位領域R1aと重なる部分、および、第2単位領域R1bと重なる部分の両方に位置していてもよい。
複数の単位領域R1の中で、第1単位領域R1aが位置する部分は、複数のマイクロレンズ21によって、マイクロパターン31の拡大像である第1情報51を形成するように設定されればよい。また、複数の単位領域R1の中で、第2単位領域R1bが位置する部分は、複数の第2単位領域R1b上にて撥液した液体によって第2情報52を形成するように設定されればよい。
そして、マイクロレンズ21とマイクロパターン31とによって形成される第1情報51が、複数のマイクロレンズ21が位置する領域の直上に形成されるように、マイクロレンズ21およびマイクロパターン31が構成されている。これに対して、撥液部22は、撥液部22上にて撥液された液体が、撥液部22に留まり、かつ、液体の外形によって第2情報52を形成するように構成されているため、第2情報52の位置は、撥液部22の形成された位置によって決まる。それゆえに、レンズ層12の第2面12bと対向する平面視において、第1情報51が形成される位置と、第2情報52が形成される位置とが重なる。
図14が示すように、マイクロレンズ21の屈折率とほぼ等しい屈折率を有した液体にレンズ層12の第2面12bが曝されていない状態では、複数のマイクロレンズ21と、複数のマイクロパターン31とによって、第1情報51が形成される。そのため、表示体10の観察者は、第1情報51を視認することができる。
これに対して、図15が示すように、マイクロレンズ21の屈折率とほぼ等しい屈折率を有した液体にレンズ層12の第2面12bが曝された状態では、各マイクロレンズ21におけるレンズとしての機能が失われるため、第1情報51が形成されない。しかも、撥液部22が、第2面12bと対向する平面視において、表示体10のうち、液体に曝される前に第1情報51が形成される位置と重なる位置に第2情報52を形成する。
このように、表示体10によれば、第2面12bを液体に曝すことによって、第2面12bと対向する平面視において、表示体10の所定の位置に形成される情報が、第1情報51から第2情報52に変わる。
・図16が示すように、レンズ層12の第2面12bが段差面であってもよい。第2面12bは、第2面12bの中で、マイクロレンズ21が位置する第1部分12b1と、マイクロレンズ21が位置しない第2部分12b2とを有する面であり、第1部分12b1と第2部分12b2との間の段差が、マイクロレンズ21の高さよりも大きい。こうした構成では、第2面12bが平坦面である構成と比べて、マイクロレンズ21が摩耗しにくいため、摩耗によってマイクロレンズ21の形状が変わったり、マイクロレンズ21の機能が低下したりすることが抑えられる。
なお、図16では、図示の便宜上から撥液部22が示されていないが、撥液部22は第1部分12b1に位置することが好ましい。撥液部22が複数の凸部22aから構成されるときには、第1部分12b1と第2部分12b2との間の段差は、マイクロレンズ21の高さと、凸部22aの高さとの両方よりも大きいことが好ましい。こうした構成によれば、撥液部22が摩耗することも抑えられる。
[第2実施形態]
図17および図18を参照して、表示体の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、インキ部が含む第3情報と、撥液部が形成する第2情報との関係が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明するとともに、第2実施形態において第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。また、以下では、表示体の構成、および、表示体の作用を順番に説明する。
なお、図17および図18では、図示の便宜上から、マイクロレンズおよびマイクロパターンの各々の構成、および、マイクロレンズとマイクロパターンとによって形成される第1情報の図示が省略されている。
[表示体の構成]
図17を参照して表示体60の構成を説明する。
図17が示すように、表示体60は、第1実施形態の表示体10と同様、第2情報を形成する撥液部61と、第3情報72を含むインキ部62を備えている。インキ部62の含む第3情報72は、第1の単語であり、撥液部61の形成する第2情報は、第3情報72に付加されることによって、第3情報72とともに第1の単語とは異なる第2の単語を第4情報として形成する。
表示体60は、撥液部61上にて液体が撥液されていない状態では、第1の単語を外部に表示する一方で、撥液部61上にて液体が撥液された状態では、第2の単語を外部に表示することができる。このように、表示体60では、撥液部61が液体に曝されるか否かによって、表示する情報が変わるため、液体によって、表示体60の表示する情報が第1の単語から第2の単語に変わるか否かによって、表示体60の真贋を判定することができる。
インキ部62が含む第3情報72は、1つの単語である「ONE」であり、第3情報72は、表示体60が液体に曝されているか否かに関わらず、観察者によって視認される情報である。第3情報72は、表示体60が表示するべき複数の情報の中の1つを単独で示している。
第3情報72が、複数の情報の中の1つを単独で示すとき、表示体60が、第3情報72とともに第4情報を構成する第2情報を備えることを知らない観察者は、表示体60が、第3情報72に付加される他の情報を含んでいることに気付きにくい。それゆえに、表示体60が偽造されたとしても、第2情報を有した表示体60は偽造されにくい。
撥液部61は、文字「H」を第2情報の一部として形成する第1部分61aと、文字列「STY」を第2情報の残りの部分として形成する第2部分61bとから構成されている。1つの方向において、第1部分61aと第2部分61bとの間に、インキ部62が位置している。本実施形態では、1つの方向において、インキ部62が撥液部61を構成する第1部分61aと第2部分61bとによって挟まれているが、インキ部62と撥液部61とは、1つの方向に沿って並ぶ構成であってもよい。
液体の撥液によって撥液部61が形成する第2情報は、表示体60が表示するべき複数の情報の中の1つにおける一部を示す情報であり、第2情報は、第3情報72に付加されることによって第4情報を形成する。なお、第2情報は、表示体60が表示するべき複数の情報の中の1つを示す情報であって、かつ、第3情報72に付加されることによって第4情報を形成する情報であってもよい。
第2情報と第3情報72とが構成する第4情報は、第3情報72とは異なる単語である「HONESTY」であって、第4情報は、表示体60が表示するべき複数の情報の中の1つの情報である。
なお、第2情報、第3情報72、および、第4情報は、上述した複数のアルファベットから構成される単語に限らず、他の文字、例えば、ひらがな、カタカナ、および、漢字などの文字によって構成される単語であってもよい。
[表示体の作用]
図17および図18を参照して表示体の作用を説明する。
図17が示すように、レンズ層12の第2面12bが液体、例えば水に曝される前の状態では、インキ部62が第3情報72を含むため、観察者は第3情報72を視認することができる。
これに対して、図18が示すように、レンズ層12の第2面12bが水に曝された状態では、撥液部61が撥液部61上にて液体を撥液し、撥液された液体の外形が第2情報71を形成する。そのため、観察者は、第2情報71と第3情報72とによって構成される第4情報73を視認することができる。
それゆえに、表示体60が水に曝されることによって、表示体60の表示する情報が、第3情報72から第4情報73に変わるか否かによって、観察者は、表示体60の真贋を判定することができる。
上述したように、第2実施形態の表示体60によれば、上述した(1)から(6)の効果に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(7)表示体60では、液体によって、表示体60の表示する情報が第1の単語から第2の単語に変わるか否かによって、表示体60の真贋を判定することができる。
[第3実施形態]
図19および図20を参照して表示体の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第1実施形態と比べて、インキ部が含む第3情報と、撥液部が形成する第2情報との関係が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明するとともに、第3実施形態において第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。また、以下では、表示体の構成、および、表示体の作用を順番に説明する。
なお、図19および図20では、図示の便宜上から、マイクロレンズおよびマイクロパターンの各々の構成、および、マイクロレンズとマイクロパターンとによって形成される第1情報の図示が省略されている。
[表示体の構成]
図19を参照して表示体の構成を説明する。
図19が示すように、表示体80の備える撥液部81が、撥液部81上での液体の撥液により第2情報を形成し、インキ部82が第3情報92を含んでいる。1つのカテゴリは、複数の要素の集まりであり、第2情報は、複数の要素に含まれる1つの要素を表現する情報である。第3情報72は、複数の要素の中で、第2情報が表現する要素と同じ要素を表現する情報である。
そのため、表示体80が、液体の撥液によって形成される第2情報として、第3情報と同じ要素を表現する情報を有するか否かによって、表示体80の真贋を判定することができる。
本実施形態において、カテゴリは「英単語」であり、第2情報および第3情報92は、英単語を構成する複数の要素の中の1つの要素、すなわち、複数の英単語の中での1つの単語を表現する情報である。具体的には、インキ部82が含む第3情報92は、1つの単語である「SECURITY」であり、第3情報92は、表示体80が液体に曝されているか否かに関わらず、観察者によって視認される情報である。
液体の撥液によって撥液部81が形成する第2情報は、1つの単語である「SECURITY」であり、第2情報は、第3情報92と同じ情報を表現する。
なお、カテゴリは英単語に関わらず、例えば、日本語や他の言語における単語であってもよく、この場合には、各言語における所定の単語が1つの要素である。カテゴリは、数字であってもよく、この場合には、所定の数字が1つの要素である。また例えば、カテゴリは、「国旗」や「トランプのスート」などの図形であってもよく、カテゴリが「国旗」であるときには、日本国の国旗や米国の国旗などの各々が1つの要素であり、カテゴリが「トランプのスート」であるときには、ハート、ダイヤ、クローバー、および、スペードの各々が1つの要素である。
レンズ層12の第2面12bと対向する平面視において、撥液部81は、撥液部81の全体がインキ部82に重ならない部位に位置している。第2面12bと対向する平面視において、撥液部81の全体がインキ部82に重ならないため、撥液部81の少なくとも一部がインキ部82に重なる構成と比べて、撥液部81の形成する第2情報と、インキ部82の含む第3情報92とが視認されやすい。
なお、レンズ層12の第2面12bと対向する平面視において、撥液部81の一部がインキ部82の一部に重なっていてもよいし、撥液部81の一部がインキ部82の全体に重なっていてもよい。あるいは、撥液部81の全体が、インキ部82の全体に重なっていてもよい。これらの構成であっても、第2情報と第3情報とが各別に認識することが可能であればよい。
[表示体の作用]
図19および図20を参照して、表示体80の作用を説明する。
図19が示すように、レンズ層12の第2面12bが液体、例えば水に曝される前の状態では、インキ部82が第3情報92を含むため、観察者は第3情報92を視認することができる。
そして、図20が示すように、レンズ層12の第2面12bが水に曝された状態では、撥液部81が第2情報91を形成するため、観察者は、第3情報92と第2情報91との両方を視認することができる。
そのため、表示体80の表示する第2情報91と第3情報92とが、1つのカテゴリに含まれる互いに同じ要素を表現する情報であるか否かによって、観察者は、表示体80の真贋を判定することができる。
以上説明したように、第3実施形態の表示体80によれば、上述した(1)から(6)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8)表示体80が、液体の撥液によって形成される第2情報91として、第3情報92と同じ要素を表現する情報を有するか否かによって、表示体80の真贋を判定することができる。
[第3実施形態の変形例]
なお、上述した第3実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・撥液部81の形成する第2情報91が、マイクロパターンの拡大像である第1情報と同じカテゴリに属する同じ要素を表現する情報であってもよい。こうした構成であっても、撥液部81が、レンズ層12の第2面12bが液体に曝されることによって、第1情報と同じ要素を表現する第2情報91を形成するか否かに基づいて、表示体80の真贋を判定することができる。
なお、マイクロレンズの屈折率、および、第2面12bに付着した液体の屈折率によっては、第2面12bに液体が付着したとき、第1情報が形成されない場合もある。これに対して、インキ部82が含む第3情報92であれば、第2面12bに液体が付着した後であっても、表示体80は第3情報92を含んでいる。そのため、第2情報91と他の情報とが同じカテゴリに属する同じ要素であるか否かを判断する上では、他の情報は、インキ部82が含む第3情報92であることが好ましい。
・マイクロパターンの拡大像である第1情報、インキ部82の含む第3情報92、および、撥液部81の形成する第2情報91の全てが、同じカテゴリに属する同じ情報を表現する情報であってもよい。こうした構成であっても、レンズ層12の第2面12bが液体に曝されたとき、撥液部81が、液体の撥液によって、第1情報および第3情報92と同じ要素を表現する第2情報91を形成するか否かに基づいて、表示体80の真贋を判定することができる。
[第4実施形態]
図21から図23を参照して、表示体の第4実施形態を説明する。第4実施形態は、第1実施形態と比べて、複数のマイクロレンズが、焦点距離が互いに異なる2種以上のマイクロレンズを含む点が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明するとともに、第4実施形態において第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。また、以下では、第4実施形態に含まれる第1の形態、第2の形態、および、第3の形態を順番に説明する。
第4実施形態において、表示体の備える複数のマイクロレンズは、第1の焦点距離を有する第1焦点レンズと、第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離を有する第2焦点レンズとを含んでいる。パターン層とレンズ層とが積み重なる方向において、マイクロレンズとマイクロレンズに重なるマイクロパターンとの間の距離は、第1の焦点距離である。
マイクロパターンが拡大された像のうち、第1焦点レンズによって拡大された部分は鮮明である一方で、第2焦点レンズによって拡大された部分はぼやける。つまり、第1情報が鮮明さの異なる部分を含むため、第1情報の全体における鮮明さが同じである構成と比べて、表示体はより複雑な第1情報を表示することができる。
以下、第1の形態、第2の形態、および、第3の形態を、図面を参照して順番に説明する。
[第1の形態]
図21を参照して第1の形態を説明する。図21では、複数のマイクロレンズにおいて、屈折率が互いに異なることを示す目的で、屈折率が互いに異なるマイクロレンズに対して、濃度が互いに異なるドットが付されている。
図21が示すように、表示体100Aの備える複数のマイクロレンズ110は、第1屈折率naを有する第1レンズ111、第2屈折率nbを有する第2レンズ112、および、第3屈折率ncを有する第3レンズ113を含んでいる。第1屈折率naから第3屈折率ncのうち、第1屈折率naが最も小さい値であり、第3屈折率ncが最も大きい値である。すなわち、第1屈折率naから第3屈折率ncは、以下に示される関係を満たす。
na<nb<nc
第1レンズ111の曲率半径、第2レンズ112の曲率半径、および、第3レンズ113の曲率半径は互いに等しい値であり、複数のマイクロレンズ110では、屈折率が小さいマイクロレンズ110ほど焦点距離が大きい。第1レンズ111の焦点距離が第1の焦点距離であり、第2レンズ112の焦点距離が第2の焦点距離であり、第3レンズ113の焦点距離が第3の焦点距離であり、第1の焦点距離が最も大きく、第3の焦点距離が最も小さい。
複数のマイクロパターン31は、第1レンズ111の焦平面上に位置している。すなわち、パターン層11とレンズ層12とが積み重なる方向において、マイクロパターン31とマイクロレンズ110との間の距離は、第1の焦点距離である。第1レンズ111が第1焦点レンズの一例であり、第2レンズ112および第3レンズ113が、第2焦点レンズの一例である。
第1の形態において、第2レンズ112および第3レンズ113の各々では、焦平面上にて結像する領域が大きくなり、すなわち、第2レンズ112および第3レンズ113の各々によって拡大された像の解像度が、第1レンズ111によって拡大された像の解像度よりも低くなる。結果として、マイクロパターン31の拡大像である第1情報のうち、第1レンズ111によって拡大された部分は鮮明である一方で、第2レンズ112によって拡大された部分、および、第3レンズ113によって拡大された部分の各々はぼやける。
[第2の形態]
図22を参照して第2の形態を説明する。
図22が示すように、表示体100Bの備える複数のマイクロレンズ120は、第1曲率半径a1を有する第1レンズ121、第2曲率半径a2を有する第2レンズ122、および、第3曲率半径a3を有する第3レンズ123を含んでいる。第1曲率半径a1から第3曲率半径a3のうち、第1曲率半径a1が最も小さい値であり、第3曲率半径a3が最も大きい値である。すなわち、第1曲率半径a1から第3曲率半径a3は、以下に示される関係を満たす。
a1<a2<a3
第1レンズ121の屈折率、第2レンズ122の屈折率、および、第3レンズ123の屈折率は互いに等しい値であり、複数のマイクロレンズ120では、曲率半径が大きいマイクロレンズ120ほど焦点距離が大きい。第1レンズ121の焦点距離が第1の焦点距離であり、第2レンズ122の焦点距離が第2の焦点距離であり、第3レンズ123の焦点距離が第3の焦点距離であり、第3の焦点距離が最も大きく、第1の焦点距離が最も小さい。
複数のマイクロパターン31は、第2レンズ122の焦平面上に位置している。すなわち、パターン層11とレンズ層12とが積み重なる方向において、マイクロパターン31とマイクロレンズ120との間の距離は、第2の焦点距離である。第2レンズ122が第1焦点レンズの一例であり、第1レンズ121および第3レンズ123が第2焦点レンズの一例である。
第2の形態において、第1レンズ121および第3レンズ123の各々では、焦平面上にて結像する領域が大きくなり、すなわち、第1レンズ121および第3レンズ123の各々によって拡大された像の解像度が、第2レンズ122によって拡大された像の解像度よりも低くなる。結果として、マイクロパターン31の拡大像である第1情報のうち、第2レンズ122によって拡大された部分は鮮明である一方で、第1レンズ121によって拡大された部分、および、第3レンズ123によって拡大された部分の各々はぼやける。
[第3の形態]
図23から図25を参照して第3の形態を説明する。図24および図25の各々は、レンズ層12の第2面12bと対向する平面視における平面構造であって、第2面12bのうち、複数のマイクロレンズが位置する領域を示している。また、図24および図25では、図示の便宜上から、複数のマイクロレンズの一部を覆うインキ部の図示が省略され、かつ、表示体の平面構造とともに、表示体が表示する第1情報が示されている。
図23が示すように、複数のマイクロレンズ130は、複数の第1レンズ131と複数の第2レンズ132とから構成され、第1レンズ131は第1屈折率を有し、第2レンズ132は、第1屈折率とは異なる第2屈折率を有している。第1レンズ131は第1焦点レンズの一例であり、第2レンズ132は第2焦点レンズの一例である。複数のマイクロパターン140は、複数の第1パターン141と複数の第2パターン142とから構成され、各第1レンズ131は第1パターン141に1つずつ重なって、第1パターン141の一部を拡大し、各第2レンズ132は第2パターン142に1つずつ重なって、第2パターン142の一部を拡大する。第1パターン141および第2パターン142は、第1レンズ131の焦平面上に位置している。
なお、複数のマイクロレンズ130において、複数の第1レンズ131が第1レンズ群131Gを構成し、複数の第2レンズ132が第2レンズ群132Gを構成している。表示体100Cは、複数の第1レンズ群131Gを含み、各第1レンズ群131Gが、1つの第1パターン141の拡大像を形成する。また、表示体100Cは、複数の第2レンズ群132Gを含み、各第2レンズ群132Gが、1つの第2パターン142の拡大像を形成する。つまり、表示体100Cの形成する第1情報には、第1パターン141の拡大像であり第1部分の一例である第1パターン情報と、第2パターン142の拡大像であり第2部分の一例である第2パターン情報とが含まれる。
図24が示すように、表示体100Cのうち、各第1レンズ群131Gが、相対的に鮮明な1つの第1パターン情報151を形成し、各第2レンズ群132Gが、相対的にぼやけた第2パターン情報152を形成する。そのため、表示体100Cの観察者には、複数の第1パターン情報151が視認されやすい一方で、複数の第2パターン情報152は視認されにくい。本実施形態において、第1パターン情報151は、太陽を示す図形であり、第2パターン情報152は、三日月形状を有する図形である。
なお、第2レンズ132における第2屈折率は、任意に設定することが可能であるが、第2屈折率は、第1パターン情報151に比べて、第2パターン情報152が大幅に不鮮明になるように設定されることが好ましい。
図25が示すように、第1レンズ131の屈折率と等しい屈折率を有した液体中に表示体100Cを浸す、あるいは、第1レンズ131の屈折率と等しい屈折率を有した液体をレンズ層12の第2面12bに塗布または噴霧して、複数のマイクロレンズ130に液体を付着させる。これにより、各第1レンズ131は、レンズとしての機能を失うため、各第1パターン情報151が表示されない。
一方で、各第2レンズ132は、レンズとしての機能を保持しているため、複数の第2パターン情報152が表示される。第2レンズ132は、液体が付着したときに第2パターン142に対して焦点が合うように構成されている。言い換えれば、液体は、第2レンズ132の焦点を第2パターン142に合わせ、かつ、第1レンズ131の焦点を第1パターン141からずらすように構成されている。
これにより、複数のマイクロレンズ130に対して第1レンズ131の屈折率と等しい屈折率を有した液体が付着したとき、複数の第1パターン情報151は表示されない。すなわち、付着後の第1パターン情報151の鮮明さが、付着前の第1パターン情報151の鮮明さよりも低い。一方で、複数の第2パターン情報152は、鮮明な状態で表示される。すなわち、付着後の第2パターン情報152の鮮明さが、付着前の第2パターン情報152の鮮明さよりも高くなる。
こうした表示体100Cの真贋判定方法では、第2面12bのうち、少なくとも複数のマイクロレンズ130に上述した液体を付着させる。そして、付着後の第1パターン情報151の鮮明さが、付着前の第1パターン情報151の鮮明さよりも低く、かつ、付着後の第2パターン情報152の鮮明さが、付着前の第2パターン情報152の鮮明さよりも高いか否かを判断する。
なお、表示体100Cの真贋判定方法では、液体ではなく、液状の樹脂であって、第1レンズ131の屈折率と等しい屈折率を有した樹脂を用いて行うこともできる。なお、液体および液状の樹脂の各々が液状体の一例である。樹脂は、熱硬化性樹脂、および、紫外線硬化性樹脂などであればよい。
樹脂を用いた表示体100Cの真贋判定方法では、液状の樹脂をレンズ層12の第2面12bに付着させ、樹脂を付着させる前と樹脂を付着させた後との間において、表示体100Cの表示する情報が変わるか否かを判断する。このとき、液状の樹脂の中に表示体100Cを浸すことによって、レンズ層12の第2面12bに樹脂を付着させてもよいし、樹脂をレンズ層12の第2面12bに塗布してもよい。
表示体100Cに付着した樹脂は、溶剤で樹脂を溶解することによって、表示体100Cから取り除くことができる。ただし、表示体100Cのレンズ層12の形成材料も樹脂であるため、第2面12bに付着した樹脂とともに、レンズ層12も溶解する場合がある。
そのため、表示体100Cの真贋判定に樹脂を用いる場合には、以下の方法によって表示体100Cの真贋を判定してもよい。すなわち、液状の樹脂をレンズ層12の第2面12bに付着させた後、第2面12bに付着させた樹脂を加熱することによって、または、樹脂に対して紫外線を照射することによって樹脂を硬化させる。
次いで、樹脂を付着させる前と樹脂を付着させた後との間において、表示体100Cの表示する情報が変わるか否かを判断する。なお、第2面12bに付着させた樹脂を硬化させた場合には、表示体100Cの状態を第2面12bに対して樹脂を付着させる前の状態に戻すことはできない。そのため、樹脂を用いた表示体100Cの真贋判定は、表示体100Cが真贋判定を一度のみ行われればよい表示体100Cであるとき、例えば、表示体100Cがブランドプロテクション用の表示体であるときなどに有効である。
以上説明したように、第4実施形態の表示体によれば、上述した(1)から(6)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(9)マイクロパターンが拡大された像のうち、第1焦点レンズによって拡大された部分は鮮明である一方で、第2焦点レンズによって拡大された部分はぼやける。つまり、第1情報が鮮明さの異なる部分を含むため、第1情報の全体における鮮明さが同じである構成と比べて、表示体はより複雑な第1情報を表示することができる。
(10)液状体の付着によって、第1情報のうち、第1焦点レンズによって拡大された部分である第1部分における鮮明さが付着前よりも低くなり、かつ、第2焦点レンズによって拡大された第2部分における鮮明さが付着前よりも高くなるか否かを判断することによって、表示体の真贋を判定することができる。
なお、上述した第4実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第1の形態では、複数のマイクロレンズ110は、屈折率が互いに異なる2種のみのマイクロレンズから構成されてもよいし、屈折率が互いに異なる4種以上のマイクロレンズを含んでいてもよい。
・第2の形態では、複数のマイクロレンズ120は、曲率半径が互いに異なる2種のみのマイクロレンズから構成されてもよいし、屈折率が互いに異なる4種以上のマイクロレンズを含んでいてもよい。
・第3の形態では、表示体100Cは、1つの第1レンズ群131Gと、1つの第2レンズ群132Gとを備える構成であってもよい。
・第3の形態では、複数のマイクロレンズ130は、屈折率が互いに異なる3種以上のマイクロレンズを含んでいてもよく、こうした構成では、屈折率が等しい複数のマイクロレンズが、1つのレンズ群を構成していればよい。
[第5実施形態]
図26および図27を参照して、表示体の第5実施形態を説明する。第5実施形態は、第1実施形態と比べて、レンズ層の構成が異なる。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明するとともに、第5実施形態のうち、第1実施形態と共通する構成には、第1実施形態と同じ符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。
[表示体の構成]
図26を参照して表示体の構成を説明する。
図26が示すように、表示体160が備えるパターン層161は、マイクロパターン31が位置し、レンズ層162の第1面162aに接する面を含む層形状を有した本体部161aを備えている。本体部161aの形成材料は紙である。レンズ層162の形成材料は樹脂であり、レンズ層162は本体部161aの全体を覆っている。
図27が示すように、レンズ層162のうち、パターン層161に接する第1面162aとは反対側の面であって、第1面162aに対する本体部161aとは反対側に位置する面が第2面162bである。第2面162b上には、複数のマイクロレンズ21が位置し、第2面162bのうち、複数のマイクロレンズ21が位置する部分とは異なる部分の上には、撥液部22が位置している。複数のマイクロレンズ21、および、撥液部22を含むレンズ層162の形成材料は、光透過性を有する樹脂である。複数のマイクロレンズ21の一部は、インキ部23で覆われている。
レンズ層162において、第1面162aと第2面162bとの間の距離、すなわち、レンズ層162において、マイクロレンズ21を除くパターン層161を覆う部分の厚さは、各マイクロレンズ21の焦点が、各マイクロレンズ21と重なるマイクロパターン31に合うように設定されている。
表示体160が紙幣であるとき、本体部161aの厚さは、100μm程度であることが好ましく、レンズ層162を含む表示体160の全体における厚さは、100μmよりも大きく、120μm以下程度であることが好ましい。
なお、マイクロレンズ21の屈折率や曲率半径によって、マイクロレンズの焦点距離、すなわち、レンズ層162における第1面162aと第2面162bとの間の距離が変わる。そのため、本体部161aの厚さは、マイクロレンズ21の屈折率および曲率半径に応じて、表示体160の全体の厚さが上述した範囲内に含まれるように設定されればよい。
以上説明したように、第5実施形態の表示体によれば、上述した(1)から(6)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(11)本体部161aがレンズ層162で覆われているため、本体部161aがレンズ層162によって覆われていない構成と比べて、本体部161aに傷が付いたり、本体部161aが破れたりすることが抑えられる。また、表示体160が液体に曝されたとき、本体部161aに液体が接することで、本体部161aが劣化することが抑えられる。
[第5実施形態の変形例]
なお、上述した第5実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・図28および図29を参照して、第5実施形態における1つの変形例を説明する。
図28が示すように、表示体160Aにおいて、本体部161aは、本体部161aの厚さ方向において本体部161aを貫通する貫通孔161bを有している。
図29が示すように、本体部161aに位置するマイクロパターンは第1パターン163Aであり、第1パターン163Aに重なるマイクロレンズは、第1レンズ164Aである。レンズ層162において、本体部161aに対して第2面162bとは反対側の面が第3面162cである。
レンズ層162は、第3面162cを含む第1レンズ部162Aと、第2面162bを含む第2レンズ部162Bとから構成され、第2面162bと対向する平面視において、第1レンズ部162Aと第2レンズ部162Bとの各々のうち、貫通孔161bと重なる部分が、貫通孔161b内に向けて窪んで互いに接している。
第1レンズ部162Aのうち、貫通孔161bに向けて窪む部分が第1窪み部162A1であり、第2レンズ部162Bのうち、貫通孔161bに向けて窪む部分が第2窪み部162B1である。第1窪み部162A1と第2窪み部162B1とは、貫通孔161bの内部において互いに接している。
レンズ層162は、第2面162bの中で、貫通孔161bに向けて窪む部分に位置する複数の第2レンズ164Bを備えている。複数の第2レンズ164Bは、第2面162bのうち、第2窪み部162B1が含む部分に位置し、かつ、第2レンズ164Bの曲率半径は、第1レンズ164Aの曲率半径よりも大きい。
レンズ層162は、さらに、第3面162cに位置し、レンズ層162の厚さ方向において、第2レンズ164Bに対して1つずつ重なる第2パターン163Bを備えている。第2パターン163Bの形状は、第1パターン163Aの形状と異なっている。
複数の第2レンズ164Bは、各第2レンズ164Bが拡大した第2パターン163Bの像の集合によって、第1情報とは異なる第5情報を形成するように構成されている。すなわち、第2レンズ164Bの焦点距離は、第2レンズ164Bの焦点が第3面162cに合うように設定され、第2パターン163Bが第3面162cに位置することにより、モアレ効果によって、第2パターン163Bの拡大像が表示される。
上記構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(12)表示体160Aのうち、第2面162bと対向する平面視において、パターン層161が位置しない部分においても、第2マイクロレンズによって拡大された像である第5情報を形成することができる。
(13)表示体160が、モアレ効果による拡大像として第1情報とは異なる第5情報を表示することができる分、表示体160の表示することができる情報がより複雑になる。
・表示体160Aを形成するとき、本体部161aの全体を覆うレンズ層162は、以下のように形成される。すなわち、第1レンズ部162Aを含む第1樹脂層と、第2レンズ部162Bを含む第2樹脂層であって、複数の第1レンズ164Aおよび複数の第2レンズ164Bを有する第2樹脂層とを準備する。次いで、本体部161aの1つの面に対して第1樹脂層を貼り付け、かつ、本体部161aの1つの面とは反対側の他の面に対して第2樹脂層を貼り付ける。その後、第1樹脂層のうちで本体部161aから外側にはみ出す部分と、第2樹脂層のうちで本体部161aから外側にはみ出す部分とを貼り合わせることによって、本体部161aの全体を覆うレンズ層162が形成される。
第2パターン163Bは、第1樹脂層と第2樹脂層とによってレンズ層162が形成される前に第1樹脂層に形成されてもよいし、レンズ層162が形成された後にレンズ層162の第1窪み部162A1に形成されてもよい。
ただし、第2パターン163Bが第1樹脂層に予め形成されているときには、貫通孔161bにおける第1窪み部162A1の窪み量と、第2窪み部162B1の窪み量とに応じて、第2レンズ164Bの位置に対する第2パターン163Bの位置が変わる。
そのため、第2レンズ164Bの焦点の位置が、第2パターン163Bにおいて本来重なるべきではない部分に重なる場合もある。そして、第2パターン163Bの拡大像である第5情報が、所定の像の繰り返しであれば、表示体160Aに対する第5情報の位置がずれるのみである一方で、第5情報が1つの像であれば、第5情報の一部が欠ける場合がある。
これに対して、第2パターン163Bが、レンズ層162が形成された後にレンズ層162の第1窪み部162A1に形成されるときには、第2レンズ164Bの位置に合わせて第2パターン163Bを配置することができる。それゆえに、表示体160Aに対する第5情報の位置がずれることや、第5情報の一部が欠けることを抑えることができる。
・図28および図29を参照して先に説明された表示体では、図30が示すように、第2パターン163Bが、貫通孔161bの内部であって、第1窪み部162A1と第2窪み部162B1との間に位置していてもよい。こうした表示体160Bでは、第2レンズ164Bは、第1レンズ164Aと同じ焦点距離を有するマイクロレンズであればよい。
・表示体160Bを形成するときには、上述した第1樹脂層と第2樹脂層との少なくとも一方に第2パターン163Bを予め形成し、本体部161aに対して第1樹脂層と第2樹脂層とを貼り付け、かつ、第1樹脂層と第2樹脂層とを貼り合わせればよい。ただし、第2パターン163Bは、複数のマイクロレンズを有する第2樹脂層に形成することが好ましい。これにより、表示体160Bにおいて、第2レンズ164Bに対する第2パターン163Bの位置が、第1樹脂層と第2樹脂層とを本体部161aに貼り付ける工程、および、第1樹脂層と第2樹脂層とを貼り合わせる工程に影響されにくい。
・図28から図30を参照して先に説明された表示体160A,160Bにおいて、第1パターン163Aの色と、第2パターン163Bの色とは互いに異なることが好ましい。例えば、第1パターン163Aの色と第2パターン163Bの色とは、インキや顔料を用いて互いに異なる色とすることができる。また、第1パターン163Aと第2パターン163Bとが回折格子および散乱構造などの微細な凹凸構造であるときには、以下の構成により、第1パターン163Aの色と、第2パターン163Bの色とを互いに異なる色とすることができる。
すなわち、第1パターン163Aにおける凹凸構造と、第2パターン163Bにおける凹凸構造とを互いに異ならせることにより、第1パターン163Aの色と、第2パターン163Bの色とを互いに異なる色とすることができる。こうした構成によれば、第1パターン163Aの拡大像と第2パターン163Bの拡大像との差異がより顕著になる。
・図28から図30を参照して先に説明された表示体において、第1パターン163Aと第2パターン163Bとは、同じ形状を有したパターンであってもよい。
10,60,80,100A,100B,100C,160,160A,160B…表示体、11,161…パターン層、12,162…レンズ層、12a,162a…第1面、12b,162b…第2面、12b1,61a…第1部分、12b2,61b…第2部分、21,110,120,130…マイクロレンズ、21A,111,121,131,164A…第1レンズ、21B,112,122,132,164B…第2レンズ、22,61,81…撥液部、22a,22a1,22a2,22a3…凸部、23,62,82…インキ部、31,140…マイクロパターン、40…物体、40S,41S,42S…表面、41…第1物質、42…第2物質、51…第1情報、52,71,91…第2情報、53,72,92…第3情報、73…第4情報、113,123…第3レンズ、131G…第1レンズ群、132G…第2レンズ群、141,163A…第1パターン、142、163B…第2パターン、151…第1パターン情報、152…第2パターン情報、161a…本体部、161b…貫通孔、162A…第1レンズ部、162A1…第1窪み部、162B…第2レンズ部、162B1…第2窪み部、162c…第3面。

Claims (13)

  1. 複数のマイクロパターンを含むパターン層と、
    前記パターン層に接する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを含み、光透過性を有するレンズ層であって、前記レンズ層は、複数のマイクロレンズと撥液部とを前記第2面上に含み、前記パターン層と前記レンズ層とが積み重なる方向において、前記各マイクロレンズには互いに異なる前記マイクロパターンが1つずつ重なり、前記複数のマイクロレンズは、前記各マイクロレンズが拡大した前記マイクロパターンの像の集合によって第1情報を形成するように構成され、前記撥液部は、前記第2面のうち、前記撥液部以外の部分よりも高い撥液性を有し、前記撥液部上で撥液された液体の外形によって第2情報を形成するように構成された前記レンズ層と、を備える
    表示体。
  2. 光透過性を有し、複数の前記マイクロレンズの一部を覆うとともに、第3情報を含むインキ部をさらに備える
    請求項1に記載の表示体。
  3. 前記第3情報は、第1の単語であり、
    前記第2情報は、前記第3情報に付加されることによって、前記第3情報とともに前記第1の単語とは異なる第2の単語を第4情報として形成する
    請求項2に記載の表示体。
  4. 1つのカテゴリは、複数の要素の集まりであり、
    前記第2情報は、前記複数の要素に含まれる1つの要素を表現する情報であり、
    前記第1情報、および、前記第3情報の少なくとも一方が、前記複数の要素の中で、前記第2情報が表現する前記要素と同じ要素を表現する情報である
    請求項2に記載の表示体。
  5. 前記パターン層と前記レンズ層とが積み重なる方向において、前記マイクロレンズと、前記マイクロレンズに重なる前記マイクロパターンとの間の距離は、屈折率が1.0である媒質の中において、複数の前記マイクロレンズの焦点が前記マイクロパターンに合うように設定された距離であり、
    前記インキ部の屈折率は1.0以外の値であり、かつ、前記マイクロレンズの屈折率とは異なる値である
    請求項2から4のいずれか一項に記載の表示体。
  6. 前記撥液部は、前記第2面から突き出た複数の凸部から構成され、
    前記各マイクロレンズは、前記第2面から突き出た凸レンズであり、
    前記レンズ層は、樹脂製の一体物である
    請求項1から5のいずれか一項に記載の表示体。
  7. 前記レンズ層の形成材料は、屈折率が1.2以上1.4以下の樹脂である
    請求項6に記載の表示体。
  8. 前記複数のマイクロレンズは、第1の焦点距離を有する第1焦点レンズと、前記第1の焦点距離とは異なる第2の焦点距離を有する第2焦点レンズと、を含み、
    前記パターン層と前記レンズ層とが積み重なる方向において、前記マイクロレンズと前記マイクロレンズに重なる前記マイクロパターンとの間の距離は、前記第1の焦点距離である
    請求項1から7のいずれか一項に記載の表示体。
  9. 前記パターン層は、前記マイクロパターンが位置し、前記第1面に接する面を含む層形状を有した本体部であって、前記本体部の形成材料が紙である前記本体部を備え、
    前記レンズ層の形成材料は樹脂であり、
    前記レンズ層は前記本体部の全体を覆っている
    請求項1から8のいずれか一項に記載の表示体。
  10. 前記マイクロパターンは第1マイクロパターンであり、
    前記マイクロレンズは第1マイクロレンズであり、
    前記本体部は、前記本体部の厚さ方向において前記本体部を貫通する貫通孔を有し、
    前記レンズ層において、前記本体部に対して前記第2面と反対側の面が第3面であり、
    前記レンズ層は、前記第2面を含む第1レンズ部と前記第3面を含む第2レンズ部とから構成され、
    前記第2面と対向する平面視において、前記第1レンズ部と第2レンズ部との各々のうち、前記貫通孔と重なる部分が、前記貫通孔内に向けて窪んで互いに接し、
    前記レンズ層は、前記第2面の中で前記貫通孔に向けて窪む部分に位置する複数の第2マイクロレンズと、前記第3面に位置し、前記レンズ層の厚さ方向において、前記第2マイクロレンズに対して1つずつ重なる複数の第2マイクロパターンと、をさらに備え、
    前記複数の第2マイクロレンズは、前記各第2マイクロレンズが拡大した前記第2マイクロパターンの像の集合によって第5情報を形成するように構成されている
    請求項9に記載の表示体。
  11. 表示体の真贋判定方法であって、
    前記表示体は、請求項1から10のいずれか一項に記載の表示体であり、
    前記表示体の前記第2面のうち、少なくとも前記撥液部が位置する部分を液体に曝すことと、
    前記液体に曝すことによって、前記第2情報が形成されるか否かを判断することと、を含む
    表示体の真贋判定方法。
  12. 表示体の真贋判定方法であって、
    前記表示体が、請求項7に記載の表示体であり、
    前記表示体の前記第2面のうち、少なくとも複数の前記マイクロレンズに水を付着させることと、
    前記水の付着によって、付着後の前記第1情報における鮮明さが、付着前の前記第1情報における鮮明さよりも低いか否かを判断することと、を含む
    表示体の真贋判定方法。
  13. 表示体の真贋判定方法であって、
    前記表示体が、請求項8に記載の表示体であり、
    前記表示体の前記第2面のうち、少なくとも前記第1焦点レンズおよび前記第2焦点レンズに、前記第2焦点レンズの焦点を前記マイクロパターンに合わせ、かつ、前記第1焦点レンズの焦点を前記マイクロパターンからずらすように構成された液状体を付着させることと、
    前記第1情報のうち、前記第1焦点レンズによって拡大された部分が第1部分であり、前記第2焦点レンズによって拡大された部分が第2部分であり、前記液状体の付着によって、付着後の前記第1部分の鮮明さが付着前の前記第1部分の鮮明さよりも低く、かつ、付着後の前記第2部分の鮮明さが付着前の前記第2部分の鮮明さよりも高いか否かを判断することと、を含む
    表示体の真贋判定方法。
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