JP2011003093A - 情報記録媒体およびその媒体検証方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】事前に観察条件などのデータを収集することなく、媒体を精度よく確認することが可能な情報記録媒体および媒体検証方法を提供する。
【解決手段】情報記録媒体10は、基材12と、基材の上にそれぞれ回折格子で形成された複数のパターン情報であって、少なくとも2個以上の同一パターン情報20a、20bを含む複数のパターン情報と、同一パターン情報の内の1つのパターン情報20bを覆って基材上に形成され、可視光波長範囲の光を吸収あるいは反射し、可視光波長以外の波長の光を透過する隠蔽層22と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】情報記録媒体10は、基材12と、基材の上にそれぞれ回折格子で形成された複数のパターン情報であって、少なくとも2個以上の同一パターン情報20a、20bを含む複数のパターン情報と、同一パターン情報の内の1つのパターン情報20bを覆って基材上に形成され、可視光波長範囲の光を吸収あるいは反射し、可視光波長以外の波長の光を透過する隠蔽層22と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、免許証、クレジットカード、会員証などの個人認証用媒体として使用可能な情報記録媒体、および、この情報記録媒体を検証する媒体検証方法に関する。
ホログラムは、免許証、クレジットカード、会員証などの個人認証用媒体の偽変造防止アイテムの1つとして採用されている。ホログラム供給メーカは、基本構造である回折格子と反射膜などに工夫を凝らすことで、意匠性が高いだけでなくセキュリティ性の高いホログラムの提供に努めている。
ホログラムのセキュリティ性は製造の困難度を根拠にしているが、市販のホログラムキットなどを利用することにより、正確な複製でなければ作製することは難しくない。また、ホログラムは照明の種別、方向、観察方向の組合せなどによりパターン、色調、強度が変化するため、観察環境を同一にしなければ真偽の比較が難しい。
近年、偽変造防止アイテムとしてホログラムを有する情報記録媒体でも偽造品が現れている。ホログラムの確認は主に目視確認によって行われている。そのため、正確な複製でなくても観察条件によるばらつきなどを考慮すると、本物であると識別されてしまう可能性が高い。したがって、より精度良く、簡単に目視比較を行う方法が求められている。
精度良くホログラムを比較する方法として、予め一定の観察条件でホログラムの画像を取得・保存しておき、該当するホログラム媒体を検査する際、保存しておいた一定の観察条件で観察を行い、取得・保存していた取得画像と比較する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、このような方法では、一定の観察環境下での比較画像を提供することにより、目視確認の精度を高める効果があるが、この方法は、既知のホログラムに対してのみ有効であり、未知のホログラムに対して適用することができないという問題がある。
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その目的は、事前に観察条件などのデータを収集することなく、媒体を精度よく確認することが可能な情報記録媒体および媒体検証方法を提供することにある。
この発明の態様によれば、情報記録媒体は、基材と、前記基材の上にそれぞれ回折格子で形成された複数のパターン情報であって、少なくとも2個以上の同一パターン情報を含む複数のパターン情報と、前記同一パターン情報の内の1つのパターン情報を覆って前記基材上に形成され、可視光波長範囲の光を吸収あるいは反射し、可視光波長以外の波長の光を透過する隠蔽層と、を備えている。
この発明の他の態様に係る媒体検証方法は、前記情報記録媒体に対して、隠蔽層を透過する波長の光を特定の方向から情報記録媒体に照射し、前記複数のパターン情報からの回折光を受光して撮像し、前記隠蔽層で覆われたパターン情報の画像と、前記隠蔽層で覆われていない同一パターン情報の画像とが同一であるか否かを比較して、前記情報記録媒体を検証することを特徴としている。
上記構成によれば、媒体内に比較対象となるパターン情報が隠されているため、事前に観察条件などのデータを収集することなく、媒体を精度よく確認することが可能な情報記録媒体および媒体検証方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る情報記録媒体および媒体検証装置について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係るIDカードを示し、図2は、回折格子で構成される第1パターン情報の構造を示す平面図および断面図、図3は、回折格子で構成される第2パターン情報の構造を示す平面図および断面図である。
図1は、第1の実施形態に係るIDカードを示し、図2は、回折格子で構成される第1パターン情報の構造を示す平面図および断面図、図3は、回折格子で構成される第2パターン情報の構造を示す平面図および断面図である。
図1に示すように、IDカード10は、合成樹脂等により矩形のカード状に形成された基材12を有している。基材12の一方の表面上には、IDカードの所持人のカラー顔画像14、所持人の氏名、生年月日等の個人情報、ID番号などの文字情報16が印刷されている。カラー顔画像14は、昇華型熱転写記録方式、インクジェット方式など種々の記録方式で形成可能であり、本実施形態では、昇華型熱転写方式で形成されている。文字情報16は溶融型熱転写方式、インクジェット記録方式など種々の記録方式で形成可能であり、本実施形態では溶融型熱転写方式で形成されている。
基材12の表面にはパターン情報を検証するホログラム検証領域18が設けられている。ホログラム検証領域18には、それぞれ回折格子で形成された複数のパターン情報、つまり、複数のホログラムが設けられている。本実施形態において、ホログラム検証領域18には、第1パターン情報20aおよび第2パターン情報20bの2つのホログラムが設けられている。
第1および第2パターン情報20a、20bは、同一パターンに形成され、例えば、「HANAKO」となっている。すなわち、検証領域18には、同一パターンのホログラムが2つ設けられている。一方のパターン情報、ここでは、第2パターン情報20bは、可視光波長領域の光を吸収し、赤外波長領域の光を透過する材料で構成される隠蔽層22により覆われ、隠されている。
図2に示すように、ホログラム検証領域18において、基材12上に接着層24、回折格子で形成された第1パターン情報「HANAKO」20aを形成するレリーフ層26が順に積層されている。この層構成を有する媒体に対し、ホログラムパターンの回折角に合致するような照明と観察角度にて観察することにより、回折格子で形成された第1パターン情報「HANAKO」を観察することができる。
図3に示すように、ホログラム検証領域18において、基材12上に接着層24、回折格子で形成された第2パターン情報「HANAKO」20bを形成するレリーフ層26が順に積層され、さらに、隠蔽層22が第2パターン情報に重ねて積層されている。隠蔽層22は、可視光波長範囲で800nm以下の光を吸収し、それ以上の波長の光を透過する特性を有している。また、隠蔽層22は、赤外波長帯域の光、例えば、700〜1100nmの範囲、あるいは、1100nm以上の赤外波長帯域の光を透過する特性を有している。
上記のように構成されたIDカード10のホログラム検証領域18を可視光下で観察した場合、図4に示すように、第1パターン情報20aは目視確認可能であるが、第2パターン情報20bを覆っている隠蔽層22は、可視光に対して吸収特性を示すため「黒」として見え、その下にある第2パターン情報「HANAKO」20bを目視確認することはできない。
次に、上記構成のIDカード10の真偽を検証する媒体検証装置について説明する。
図5に示すように、媒体検証装置は、IDカード10のホログラム検証領域18に特定の方向から赤外光を照射する照明部32と、第1および第2パターン情報からの回折光を捉える位置に設置され、回折赤外光を受光し撮像する撮像装置34と、撮像装置34によって撮像された画像を表示する像を表示する表示装置36と、を備えている。照明部32としては、例えば、波長900nmの赤外光を照射するLEDを用い、撮像装置34としては、上記波長に対して感度のあるCCDカメラを用いる。
図5に示すように、媒体検証装置は、IDカード10のホログラム検証領域18に特定の方向から赤外光を照射する照明部32と、第1および第2パターン情報からの回折光を捉える位置に設置され、回折赤外光を受光し撮像する撮像装置34と、撮像装置34によって撮像された画像を表示する像を表示する表示装置36と、を備えている。照明部32としては、例えば、波長900nmの赤外光を照射するLEDを用い、撮像装置34としては、上記波長に対して感度のあるCCDカメラを用いる。
図6は、前記媒体検証装置により取得したホログラム検証領域18の画像を示している。照明部32によってホログラム検証領域18の隠蔽層22のない部分に照射された赤外光は、波長、入射角度で第1パターン情報20aを構成する回折格子に入射し、波長、入射角度、回折格子の仕様で決まる方向に回折され、その方向にある撮像装置34にて撮像される。撮像された第1パターン情報20aの画像は表示装置36に表示される(図6上の「HANAKO」)。
また、照明部32によってホログラム検証領域18の隠蔽層22部分に照射された赤外光は、隠蔽層22を透過し、第2パターン情報20bを構成する回折格子に所定の入射角度で入射する。入射した赤外光は、波長、入射角、回折格子の仕様で決まる方向に回折され、その方向にある撮像装置34にて撮像される。撮像された第2パターン情報20bの画像はモニタに表示される(図6下の「HANAKO」)。つまり、第1パターン情報20aおよび第2パターン情報20bから、同じ形状および同じ向きの「HANAKO」の画像が得られる。
検証者は可視環境下で、図4に示すように、第1パターン情報20a「HANAKO」が隠蔽層22以外の領域で見えること、媒体検証装置で取得した画像を表示装置36上で確認したとき、図6に示すように、第2パターン情報20b「HANAKO」が隠蔽層22の下にも見えること、更に、第1および第2パターン情報が同一であるか比較すること、でIDカード10の真偽の検証を行う。
以上のように構成されたIDカードおよび媒体検証装置によれば、真偽の比較対象となるパターン情報が媒体内に予め隠蔽されているため、事前に観察条件などのデータを収集する必要がなく、IDカード単体を容易に検証することが可能となる。また、比較対象があるため、目視確認での検証精度を高めることができる。
上述した実施形態において、隠蔽層22は、可視光を吸収する特性を有するものとしたが、可視光波長範囲で光を反射し、赤外波長帯域の光を透過する特性を有する層としてもよい。この場合、IDカード10のホログラム検証領域18を可視光で観察すると、図7に示す画像が得られる。第1パターン情報20aは確認できるが、第2パターン情報20bは隠蔽層22が上層にあり確認することはできない。隠蔽層22は、可視光に対して反射特性を示すため、「白」として確認され、その下にある第2パターン情報20b「HANAKO」を確認することはできない。媒体検証装置により、ホログラム検証領域18に赤外光を照射することにより、この赤外光は隠蔽層22を透過して第2パターン情報20bを構成する回折格子に入射する。これにより、第1および第2パターン情報が確認される。
第2パターン情報を隠蔽する隠蔽層22は、矩形のシート状に限らず、他の形状としてもよい。隠蔽層22は、その下にある第2パターン情報(ホログラム)が隠れればよく、図8および図9に示すように、隠蔽層22を第2パターン情報と同一形状とし、第2パターン情報に重ねて設けるようにしてもよい。
この発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、情報記録媒体は、IDカードに限らず、免許証、クレジットカードなどの他の個人認証用媒体、あるいは、貯金通帳等の冊子体としてもよい。記録媒体に形成される回折格子のパターン情報は、2つに限らず、3つ以上設けられていてもよく、少なくとも2つが同一のパターン情報からなり、その内の1つが隠蔽層で隠蔽されていればよい。第1および第2パターン情報は、並んで設けることなく、互いに離間してもうけてもよい。情報記録媒体の各構成部材の形状、寸法、材質等は、前述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて、変更可能である。
例えば、情報記録媒体は、IDカードに限らず、免許証、クレジットカードなどの他の個人認証用媒体、あるいは、貯金通帳等の冊子体としてもよい。記録媒体に形成される回折格子のパターン情報は、2つに限らず、3つ以上設けられていてもよく、少なくとも2つが同一のパターン情報からなり、その内の1つが隠蔽層で隠蔽されていればよい。第1および第2パターン情報は、並んで設けることなく、互いに離間してもうけてもよい。情報記録媒体の各構成部材の形状、寸法、材質等は、前述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて、変更可能である。
10…IDカード、12…基材、14…顔画像、16…文字情報、
18…ホログラム検証領域、20a…第1パターン情報、20b…第2パターン情報、
22…隠蔽層、32…照明部、34…撮像装置、36…表示装置
18…ホログラム検証領域、20a…第1パターン情報、20b…第2パターン情報、
22…隠蔽層、32…照明部、34…撮像装置、36…表示装置
Claims (8)
- 基材と、
前記基材の上にそれぞれ回折格子で形成された複数のパターン情報であって、少なくとも2個以上の同一パターン情報を含む複数のパターン情報と、
前記同一パターン情報の内の1つのパターン情報を覆って前記基材上に形成され、可視光波長範囲の光を吸収あるいは反射し、可視光波長以外の波長の光を透過する隠蔽層と、
を備える情報記録媒体。 - 前記隠蔽層は、赤外波長帯域の光を透過する請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記同一のパターン情報は、同一の向きで並んで設けられている請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記隠蔽層は、前記隠蔽されるパターン情報全体を覆うシート状に形成されている請求項1に記載の情報記録媒体。
- 前記隠蔽層は、隠蔽されるパターン情報と同じ形状を有し、このパターン情報に重ねて設けられている請求項1に記載の情報記録媒体。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の情報記録媒体を検証する検証方法であって、
前記情報記録媒体に対して、前記隠蔽層を透過する波長の光を特定の方向から情報記録媒体に照射し、
前記複数のパターン情報からの回折光を受光して撮像し、
前記隠蔽層で覆われたパターン情報の像と、前記隠蔽層で覆われていない同一パターン情報の画像とが同一であるか否かを比較して、前記情報記録媒体を検証する媒体検証方法。 - 前記情報記録媒体を可視光環境下で、前記隠蔽層で覆われていない領域に、前記パターン情報が目視できるか否か検証し、更に、前記同一パターン情報が前記隠蔽層で隠されていることを確認する請求項6に記載の媒体検証方法。
- 赤外光波長帯域の光を照射し、特定の方向から前記情報記録媒体に照射し、前記複数のパターン情報からの回折光を受光して撮像する請求項6に記載の媒体検証方法。
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JP2009146792A JP2011003093A (ja) | 2009-06-19 | 2009-06-19 | 情報記録媒体およびその媒体検証方法 |
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JP2016078273A (ja) * | 2014-10-14 | 2016-05-16 | 大日本印刷株式会社 | 偽造防止媒体 |
JP2017072720A (ja) * | 2015-10-07 | 2017-04-13 | 凸版印刷株式会社 | 表示体、および、表示体の真贋判定方法 |
KR101824099B1 (ko) * | 2015-04-24 | 2018-02-01 | 대한민국 | 지폐 위조 방지 시스템 및 위조지폐 경보 시스템 |
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2009
- 2009-06-19 JP JP2009146792A patent/JP2011003093A/ja not_active Withdrawn
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