JP6907943B2 - 光学素子、および光学素子付き物品 - Google Patents

光学素子、および光学素子付き物品 Download PDF

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Description

本発明は、偽造防止効果、装飾効果、そして美的効果を提供する光学素子に関する。特に、紙幣などの有価証券類や、パスポートや各種身分証などのID分野、ブランドプロテクション分野などに用いられるセキュリティデバイスに応用することが可能な偽造防止効果を提供する光学素子に関する。
一般に、商品券および小切手などの有価証券類、クレジットカードやキャッシュカードおよびIDカードなどのカード類、並びにパスポートおよび免許証などの証明書類には、それらの偽造を防止するために、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する光学素子が貼付されている。また、近年、これらの有価証券類や証明書類以外の分野においても、偽造品の流通が社会問題化している。そのため、そのような物品に対しても、同様の偽造防止技術を適用する機会が増えている。
通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する光学素子としては、例えば、回折格子を備えた光学素子などが知られている(特許文献1)。この光学素子では、観察角度を変化させると、観察者の目に到達する回折光の波長が変化し、これにより、観察者は、光学素子が虹色に変化すると認識する。
しかし、この回折格子を備えた光学素子の作製技術が普及したことにより、全く同じものを作れないとしても、一見すると類似した印象を与える偽物が出現し、その偽造防止効果が小さくなりつつある。
特許文献2から5では、回折格子を備えた光学素子とは異なる光学効果を有する光学素子が提案されている。すなわち、この光学素子は、観察角度に依存した色変化が小さく、彩度の高い色を表示する。
特開平4−136810号公報 特許第4983899号公報 特許第4983948号公報 特許第5143855号公報 特許第5570210号公報
上記の彩度の高い色を表示する光学素子では、観察角度に依存した色変化を小さくするために、その色表示に起因する凹凸構造において、凸部(または凹部)が一定の間隔で配置されていないことが肝要である。このため、当該凹凸構造として、隣り合う凸部(または凹部)の中心間距離がランダムとなるように凸部(または凹部)を配置する試みがなされてきた。しかしながら、凹凸構造の全体にわたり、隣り合う凸部(または凹部)の中心間距離を完全にランダムにすることは、非常に困難である。例えば、コンピュータにより凸部の配置を決定する場合、データ生成におけるシステムへの負荷が大きくなるという問題が生じ得る。また、隣り合う凸部で、その中心間距離がランダムであっても、偶発的に、離れた場所に位置する凸部が一定の間隔で配置されることもあり得る。この場合には、観察角度に依存した色変化を生じる恐れがある。
このため、当該データ生成の負荷を軽減できるとともに、観察角度に依存した色変化を可能な限り生じない構造を見出すことが必要となる。
本発明の目的は、彩度の高い色(以下、「構造色」とも称する)を表示する光学素子において、データ生成の負荷を軽減できる構造を有し、観察角度に依存した色変化が小さい光学素子を提供することにある。
本発明の光学素子は、一方の面に凹凸構造を有する凹凸構造形成層と、前記凹凸構造形成層の凹凸構造面を少なくとも一部被覆している光反射層とを備え、前記凹凸構造形成層は、互いに凹凸構造が相違する複数のユニットから構成されるユニット群を備え、前記ユニットにおいて、平坦部と、複数の凸部または複数の凹部とを有し、前記凸部の上面または前記凹部の底面は前記平坦部の表面に対して略平行であり、隣り合う前記凸部または前記凹部の中心間距離が一定ではなく、前記凸部の高さまたは前記凹部の深さが一定であり、前記ユニット群に、凹凸構造が同一であるユニットが、150μm未満の周期で配列されていないことを特徴とする。
本発明の光学素子付き物品は、本発明の光学素子と、これを支持する物品とを含むことを特徴とする。
本発明の光学素子および当該光学素子を備えた物品は、データ生成の負荷を軽減できる構造を有し、観察角度に依存した色変化が小さく、彩度の高い色を表示する。
本発明に係る光学素子の一例を概略的に示す平面図である。 図1Aに示す一点鎖線の円で囲まれた部分を拡大した図である。 図1Bに示すIC−IC線に沿った断面図である。 ユニット内における凹凸構造の一例を概略的に示す斜視図である。 ユニット内における凹凸構造の他の一例を概略的に示す斜視図である。 ユニット内における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット内における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット内における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット内における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット内における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット群における凹凸構造の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット群における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット群における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット群における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット群における凹凸構造の他の一例を概略的に示す平面図である。 ユニット群に、凹凸構造が同一であるユニットが含まれる一例を概略的に示した平面図である。 図14Aに示すXIVB−XIVB線に沿った断面図である。 自己相関関数を説明するためのイメージ図である。 本発明の光学効果を説明するための概念図である。 本発明の光学効果を説明するための他の概念図である。 本発明に係る光学素子付き物品の一例を示す平面図である。 ユニットA〜Fにおける凹凸構造を概略的に示す図である。 実施例1において形成した凹凸構造形成層の凹凸構造の自己相関係数を示す図である。 実施例2において形成した凹凸構造形成層の凹凸構造の自己相関係数を示す図である。 実施例3において形成した凹凸構造形成層の凹凸構造の自己相関係数を示す図である。 実施例4において形成した凹凸構造形成層の凹凸構造の自己相関係数を示す図である。 比較例1において形成した凹凸構造形成層の凹凸構造の自己相関係数を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において適宜図面を参照するが、図面に記載された態様は本発明の例示であり、本発明はこれらの図面に記載された態様に制限されるものではない。なお、各図において、同様の、または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略することがある。
また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。さらに本明細書において、「〜」とは、その前後に記載されている数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
<光学素子>
本発明における光学素子は、一方の面に凹凸構造を有する凹凸構造形成層と、凹凸構造形成層の凹凸構造面を少なくとも一部被覆している光反射層とを備える。
図1Aは、本発明に係る光学素子の一例を概略的に示す平面図であり、図1Bは、図1Aの平面図において一点鎖線の円で囲まれた部分を拡大した図であり、図1Cは、図1Bに示すIC−IC線に沿った断面図である。なお、図1Aおよび図1Bにおいて、X方向およびY方向は表示面に対して平行であり且つ互いに対して垂直な方向である。またZ方向は、X方向およびY方向に対して垂直な方向である。
本発明に係る光学素子は、図1Bに示すように、凹凸構造形成層の面上に平坦部21および凸部22(あるいは凹部)からなる凹凸構造を備えたユニットUを複数配列したユニット群UGを備えている。本発明においては、凹凸構造形成層に、凸部22の代わりに凹部を設けてもよい。凸部22であるか、凹部であるかは、凹凸形成時の表面を基準として考える。表面にくぼみを形成する場合には、凹部となり、表面に出っ張りを設ける場合には、凸部22となる。
図1Cに示す光学素子の例では、光透過性基材11と、光透過性基材11とは反対側の面に凹構造を有する凹凸構造形成層12と、凹凸構造形成層12の凹構造面を被覆している光反射層13とを備えている。以下、光学素子の構成要素について説明する。
(光透過性基材11)
光透過性基材11は、典型的には透明、特に無色透明である。光透過性基材11は、本発明に係る光学素子において、省略することが可能である。
光透過性基材11の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、アクリルなどの樹脂から形成されるフィルムやシートを用いることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、用途に応じて任意に光透過性基材11の材料および形態を選定することが可能である。
また、光透過性基材11は、目的に応じて、易接着処理、防汚処理、帯電防止処理、耐摩処理、離型処理などの処理がなされていてもよい。
(凹凸構造形成層12)
凹凸構造形成層12は、典型的には光透過性を有する樹脂層から形成されている。 凹凸構造形成層12は、その凹凸構造を画定する領域として、複数のユニットUから構成されるユニット群UGを備えている。各ユニットUは、特定の凹凸構造を有し、当該凹凸構造は、平坦部21と複数の凸部22または凹部とを備えている。
凹凸構造形成層12は、ユニット群UGが有する凹凸構造とは異なる構造領域を有していてもよい。当該領域における構造は、ユニット群UGが有する凹凸構造と相違する構造であれば、特に制限されるものではない。例えば、回折格子構造、ホログラム、散乱構造、クロスグレーティング構造、モスアイ構造、各種レンズ構造、および/または平坦構造を挙げることができる。これらの構造は、ユニット群UGが有する凹凸構造と隣接ないし離れた領域に設けることができる。
尚、ユニット群UGが有する凹凸構造の詳細については、後ほど説明する。
凹凸構造形成層12の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂などを使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、またはこれらの混合物などを例として挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系ポリオール樹脂、ポリエステル系ポリオール樹脂などのポリオール系樹脂とイソシアネート化合物との架橋反応によって形成されるウレタン樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、またはこれらの混合物などを使用することができる。
放射線硬化樹脂としては、例えば、ラジカル重合が可能なネオペンチルグリコールアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、ペンタエリスリトールアクリラート、ペンタエリスリトールテトラアクリラート、ペンタエリスリトールペンタアクリラートおよびペンタエリスリトールヘキサアクリラート等のモノマー、エポキシアクリラート、ウレタンアクリラート、およびポリエステルアクリラート等のオリゴマー、またはウレタン変性アクリル樹脂およびエポキシ変性アクリル樹脂等のポリマーなどを使用することができ、またカチオン重合が可能なエポキシ基を備えたモノマー、オリゴマーもしくはポリマー、キセタン骨格含有化合物、またはビニルエーテル類などを用いることができる。
また、放射線硬化樹脂を用いる場合は、各種光開始剤等を組み合わせてもよい。
なお、凹凸構造形成層12には、光透過性基材11と同一の素材であってもよい。
(光反射層13)
光反射層13は、凹凸構造形成層12の凹凸構造が設けられた面の少なくとも一部を被覆している。ここで、光反射層13は、凹凸構造形成層12の凹凸構造に沿って、膜厚が略均一となるように被覆していてもよい。この場合、凹凸構造形成層12と接する面と反対側の光反射層13の面は、凹凸構造形成層12の凹凸構造と同様の形状となる。
あるいは、凹凸構造形成層12と接する面と反対側の光反射層13の面が平らになるように被覆していてもよい。この場合、膜厚は不均一となる。
光反射層13としては、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、クロム、およびそれらの合金などの金属材料からなる金属層を使用することができる。あるいは、光反射層13として、凹凸構造形成層12とは屈折率の異なる誘電体層を使用してもよい。あるいは、光反射層13として、隣り合うもの同士の屈折率が異なる誘電体層の積層体、即ち誘電体多層膜を使用してもよい。なお、誘電体多層膜を用いる場合には、凹凸構造形成層12と接触している誘電体層の屈折率は、凹凸構造形成層12の屈折率とは異なっていることが望ましい。
(その他の層)
本発明の光学素子10は、剥離層、接着剤層、樹脂層および印刷層などのその他の層を更に含んでいてもよい。
剥離層は、例えば、光透過性基材11と凹凸構造形成層12との間に設けることによって、光学素子を転写箔として用いる場合に有効となる。
剥離層の材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、もしくはトリアテチルセルロース(TAC)のようなセルロース系樹脂、またはこれらの混合物を挙げることができる。
また、剥離層には、カルナバワックス、パラフィンワックス、モンタンワックスなどの天然ワックス類、ポリエチレンワックスなどの合成ワックス類、あるいは金属石けん類、フッ素系もしくはシリコーン系の添加剤および粒子などが含まれていてもよい。
接着剤層は、例えば、光反射層13を被覆するように設けることができる。接着剤層を設けることにより、光反射層13の表面が露出することを防止でき、凹凸形状の偽造を目的とした複製が困難となる。
接着剤層の材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体、または塩素化ポリプロピレンもしくはこれらの混合物を挙げることができる。
また、接着剤層には、シリカ、硫酸バリウム、タルクなどの各種フィラー類が含まれていてもよい。
樹脂層は、例えば、光学素子10の表面に傷が付いてしまうのを防ぐことを目的としたハードコート層、光透過性基材11の表面で生じる光の反射を防ぐための反射防止層、帯電防止層、あるいは異なる材料間の密着性を向上させるための中間層などである。樹脂層は、光透過性基材11の表面や、光学素子10の何れかの層間に設けることができる。
印刷層は、文字、絵柄、記号等の画像を表示するために設けられる層である。印刷層は、光透過性基材11の凹凸構造形成層12が設けられた面とは反対側の面上に設けられていてもよいし、凹凸構造形成層12と光反射層13との間に設けられていてもよいし、あるいは光反射層13の背面に設けられてあってもよい。
印刷層には、その印刷方式に応じて、オフセットインキ、活版インキ、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ等様々なインキが用いられる。印刷に用いられるインキは、樹脂タイプインキ、油性インキ、水性インキ等組成による分類や、酸化重合型インキ、浸透乾燥型インキ、蒸発乾燥型インキ、紫外線硬化型インキ等乾燥方式による分類ができ、光透過性基材11の種類や印刷方式に応じて適宜選択される。
また、印刷層の材料としては、通常の有色インキのほかに特殊インキとして、蛍光等の発光インキ、コレステリック液晶インキ、パールインキなどを選択してもよい。
(凹凸構造形成層12のユニットUにおける凹凸構造)
次に、凹凸構造形成層12のユニットUにおける凹凸構造について説明する。
ユニットUにおける凹凸構造は、ユニット群における凹凸構造の基本単位となる。なお、以下、凹凸構造の説明において、凸部22に関する事項は凹部に関する事項として読み替えることができるものとする。
図2は、凹凸構造形成層12のユニットUにおける凹凸構造の一例を概略的に示した斜視図である。同図に示すように、ユニットUにおける凹凸構造は、平坦部21および凸部22を含む。図2の例では、凸部22の上面は、また、平面視で、正方形の形状をしているが、当該形状に限られず、任意の形状とすることができる。例えば、三角形、長方形および台形などの四角形、五角形、六角形などの多角形、円形、楕円形、星型、十字型、ならびにL字型を始めとする種々の形状を採用することができる。また、ユニットUにおいて、形状の相違するものが混在していてもよい。さらに、図3に示す例のように、各凸部22の上面の形状が、互いに大きさが異なる相似形であってもよい。さらに、隣り合う凸部22が一部重なりあっていてもよい。
以上のように、凸部22の上面は、任意の形状とすることができるが、製造の容易性からは、矩形、特に正方形が好ましい。
図2に示す例において、凸部22の数は、4つであるが、当該個数に限られず、任意の複数の個数とすることができる。
凸部22の上面の長辺および短辺の平均長さ(以下、単に「凸部の平均長さ」とも称する)は、例えば、0.3μm〜10μm、好ましくは、0.3μm〜5μmとすることができる。ここで、長辺および短辺は以下のように定義する。まず、凸部22の上面の輪郭上の2点を結ぶ線分のうち長さが最大のもの定め、これを長辺とする。そして、この長辺に平行な辺を有し、かつ凸部22の上面の輪郭に外接する矩形を描き、この短辺を凸部22の上面の短辺とする。凸部22の上面が、辺の長さおよび内角が全て等しい正方形である場合には、長辺と短辺の長さは等しくなる。
隣り合う凸部22の中心間距離は、一定ではなく(すなわちランダム)であり、その中心間距離の平均値は、1.0μm〜3.0μmであることが望ましい。ここで、隣り合う凸部22の中心間距離とは、隣り合う凸部22の上面の中心または重心を結んだ長さをいう。
各凸部22の上面は、平坦部21の表面に対して略平行であり、さらに凸部22の上面並びに平坦部21の表面は、典型的には平滑である。
ユニットUにおける凸部22は、隣り合う凸部22の中心間距離がランダムであれば、その配置を、任意に設定することができる。
先ず、複数の凸部22がランダムに配置された無指向性ユニットについて説明する。
図4は、複数の凸部22がランダムに配置された無指向性ユニットの一例を概略的に示す平面図である。同図に示す例では、上面の形状が正方形である凸部22の各辺の向きが凸部22間で一定ではない。このように、無指向性ユニットでは、凸部22間で、凸部22の各辺の向きが一定ではない。
図5は、複数の凸部22がランダムに配置された無指向性ユニットのもう一つの例を概略的に示す平面図である。同図では、凸部22の上面の形状は、長方形であり、凸部22間で、長辺および短辺のそれぞれの向きが一定ではない。なお、図5では、各凸部22は、長辺および短辺の向きがXまたはY方向に平行となるように配置されているが、これに制限されるわけではなく、長辺および短辺が任意の方向に向くように、配置されていてもよい。
次に、複数の凸部22が特定の方向に並んで配置されている指向性ユニットについて説明する。
図6は、複数の凸部22が特定の方向に並んで配置されている指向性ユニットの一例を概略的に示す平面図である。同図に示す例では、上面の形状が正方形である凸部22の各辺の向きは、凸部22間で一定である。ここで、「特定の方向」とは、XY平面内の予め定めた一つの任意の方向を意味している。このように、指向性ユニットでは、凸部22間で、凸部22の各辺の向きが一定である。
図7は、複数の凸部22が特定の方向に並んで配置されている指向性ユニットのもう一つの例を概略的に示す平面図である。同図では、凸部22の上面の形状は、長方形であり、凸部22間で、長辺および短辺のそれぞれの向きは一定である。すなわち、各凸部22において、長辺および短辺の向きはそれぞれ、YおよびX方向に平行である。
この様に指向性ユニットでは、複数の凸部22を特定の方向に並んで配列させることで、光の散乱方向を制御することができるため、配列した方向とそれに直交する方向とで観察した場合に、見え方に変化をつけることが可能となる。
更に、凸部22は、ユニットUの全体に渡って配置されている必要はなく、例えば、図8に示すように、ユニットU中に、凹凸構造形成部R1と凹凸構造非形成部R2とが形成されていてもよい。また、凹凸構造形成部R1は、単一のユニットU中に2つ以上存在していてもよい。
ユニットUにおいては、平坦部の表面を基準とした凸部22の高さまたは凹部の深さは一定であり、0.05μm〜0.5μmであることが望ましく、より好ましくは0.07〜0.4μmとすることができる。この高さ(あるいは深さ)が小さすぎると、凸部22(また凹部)と平坦部21とからなる高さ(あるいは深さ)に応じた特定の波長域における光の干渉が少なくなり、構造色を表示させることが困難となる。また、製造時の外的要因、例えば、製造装置の状態および環境の変動並びに材料組成の僅かな変化などが、凹凸構造の光学的性質に及ぼす影響が大きくなる。
その一方で、凸部22の高さ(あるいは凹部の深さ)が大きすぎると、観察角度によって、凸部22(あるいは凹部)と平坦部21とからなる高さ(あるいは深さ)に応じて干渉する光の波長の変化が大きくなりすぎ、観察方向の変化に伴う色変化が大きく、構造色を視認しづらくなる。さらに、凹凸構造を高い形状精度および寸法精度で形成することも難しくなる。
尚、ユニットUの平坦部21の表面を基準とした凸部22の高さ(あるいは凹部の深さ)が一定でないと、可視領域内のあらゆる波長の光による干渉が生じてしまう。このため、観察者の目には、様々な波長を有する光が均等に到達することとなり、観察者は凸部22の高さ(あるいは凹部の深さ)に応じた特定の色を知覚することができず、単に白色として知覚してしまうこととなる。
凸部22(あるいは凹部)の側面は、凸部22の上面(あるいは凹部の底面)に対して、略垂直である。
ユニットUにおける凹凸構造形成部R1において、凸部22の上面または凹部の底面の占有面積率は、例えば、20%〜80%、より好ましくは40%〜60%である。凸部22の上面または凹部の底面の面積と平坦部の面積が1対1の比率となる時に、構造色を表示できる領域が最大化されるため、凸部22または凹部の占有面積率が50%程度の時に最も明るい構造色の表示が得られる。また、20%〜80%程度であれば、十分に明るい表示が可能となる。
(凹凸構造形成層12のユニット群UGにおける凹凸構造)
次に凹凸構造形成層12のユニット群UGにおける凹凸構造について説明する。
凹凸構造形成層12のユニット群UGにおける凹凸構造は、上記に説明した凹凸構造を備えるユニットを複数配列することにより構成される。ユニット群UGは、互いに、凹凸構造が相違するユニットから構成されているが、同一の凹凸構造を備えるユニットを含んでいてもよい。なお、凹凸構造が相違するユニットとは、ユニット内における凸部22の配置が相違するユニットのことをいい、凹凸構造が同一であるユニットとは、ユニット内における凸部22の配置が同一であるユニットのことをいう。
このような凹凸構造を備える光学素子は、周期構造に起因する回折光を生じない一方で、凸部22の上面と平坦部21の表面とからなる高さに起因する干渉光による色(構造色)を発現する。
先ず、以下の説明において、互いに、凹凸構造が相違するユニットのみから構成されるユニット群UGにおける凹凸構造について、図9〜13を参照して説明する。
図9は、ユニット群UGにおける凹凸構造の一例を示した平面図である。ユニット群UGを構成しているユニットU11〜U14は互いに、ユニット内における凸部22の配置が相違している。一方、ユニットU11〜U14は、その外形が全て正方形であり、周期Udで規則的に配列して、ユニット群UGを形成している。ここで、ユニット周期Udは、好ましくは10μm〜500μmであり、より好ましくは30μm〜100μmである。ユニット周期Udを10μm以上とすることで、凹凸構造において、凸部が偶発的に一定の間隔で配列されることが低減される。また、ニット周期Udを500μm以下とすることで、データ生成の負荷も軽減される。このようなユニット周期Udの好適範囲は、以下で説明する何れのユニット配列にも当てはまる。
図10は、ユニット群UGにおける凹凸構造の別の一例を示す平面図である。図10においては、ユニット群UGは、複数の凸部22が特定の方向に並んで配列されている指向性ユニットであるU21〜U24から構成されている。すなわち、ユニット群UGは、上面の形状が正方形である凸部22の各辺の向きが全てXまたはY方向であるユニットU21〜U24から構成されている。このような構成を採用することにより、ユニット群UG全体で、光の散乱方向を制御することができ、凸部22の配列した方向とそれに直交する方向とで観察した場合に、見え方に変化をつけることが可能となる。
図11は、図8に示した凹凸構造形成部R1と凹凸構造非形成部R2とからなるユニットを配列させたユニット群UGにおける凹凸構造の一例を示した平面図である。図11に示す例では、各ユニットU31〜U34で、ユニット内における凹凸構造形成部R1の占める位置が異なっている。また、凹凸構造形成部R1における凸部22の配置も各ユニットU31〜U34で相違している。本発明では、ユニット間で、各ユニット内での凸部22の配置が相違していればよいため、図11に示す例において、ユニットU31〜U34間で、各ユニット内における凹凸構造形成部R1の占める位置が同じでもよい。
図12は、凹凸構造形成部R1を有しない凹凸構造非形成部R2のみからなるユニットを含むユニット群UGにおける凹凸構造の一例を示した平面図である。この例では、ユニットとして、凹凸構造形成部R1および凹凸構造非形成部R2が交互に配列されているが、この配列に制限されるわけではない。例えば、凹凸構造形成部R1および凹凸構造非形成部R2をランダムに配置してもよい。
ここまでの説明では、ユニットUの形状として、平面視で四角形である例を示してきたが、図13に示すように、六角形の形状でもよい。
ユニットUの形状は、配列可能な形状であれば、正方形、長方形、菱形、六角形、台形など何れの形状を有していてもよい。但し、製造の容易性から正方形や長方形などの矩形を採用することが好ましい。
尚、ユニット形状とは、ユニットUを画定するために設けられた仮想線により形成される形状を意味するものである。
添付の図面において、ユニットUの外形を明確にするために二点鎖線を用い、また凹凸構造形成部R1と凹凸構造非形成部R2の境界線を明確にするために二点鎖線を用いて示しているが、実際には、これらの線は存在しない。
また、ユニット群UGを構成するユニット数は、図9〜13に示すような数に制限されるわけではなく、必要に応じて適宜設定することが可能である。
以上、互いに、凹凸構造が相違するユニットのみから構成されるユニット群UGにおける凹凸構造について説明をした。次に、ユニット群UGに、同一の凹凸構造を備えるユニットが含まれている実施形態について説明する。
本発明に係る光学素子は、太陽光および蛍光灯などの平行光またはLEDライトなどの点光源の下で、周期構造に起因する色変化を生じない点に特徴を有する。このため、ユニット群UGにおける凹凸構造において、原則、周期構造を有していないことが肝要である。
上記に説明した、凹凸構造が相違するユニットのみから構成されるユニット群UGにおける凹凸構造では、一定の周期で配列される凸部22は存在しない。これは、ユニット群UGを構成しているユニットにおいて、隣り合う凸部22の中心間距離が一定でなく、さらに、ユニット間で凸部22の配置が相違しているためである。
他方、ユニット群UGに、凹凸構造が同一であるユニットが含まれる場合には、一定の周期で配列される凸部22が存在し得る。
図14Aは、ユニット群UGに、凹凸構造が同一であるユニットが含まれる一例を概略的に示した平面図である。ユニット群UGは、一辺の長さがUdの正方形状のユニットU11〜U16から構成されている。図14Aに示すとおり、ユニット群UGにおいて、ユニットU11は、X方向に3Udの周期で配列している。言い換えると、ユニットU11内の各凸部22は、X方向に3Udの周期で配列している。
ここで、周期構造に起因する色変化を認識するには、太陽光および蛍光灯などの平行光またはLEDライトなどの点光源の下で目視観察する場合、凸部22の配列周期が150μm未満であることが必要とされる。このため、図14Aに示す例において、周期構造に起因する色変化を生じさせないためには、ユニットU11内の各凸部22の配列周期3Udが150μm未満でないことが条件となる。なお、レーザー光の下で目視観察する場合には、凸部22の配列周期が300μm未満でないことが条件とされる。このように、光源としてレーザー光を用いる場合に、凸部22の配列周期が300μm未満となるのは、平行光および点光源を用いる場合と比較し、周期構造に起因する色変化を目視観察し易いためである。
図14Aに示す例では、ユニットはX方向にのみ配列しているが、通常、あらゆる方向に配列されている。したがって、凸部22の配列周期が150μm未満(レーザー光の下では300μm未満)でないことは、X方向だけでなく、Y方向その他のあらゆる面内方向において当てはまる。
ところで、図14Aでは、ユニット群UGを構成するユニットとして、2つのユニット16が隣接して配列されている。この場合、ユニット16は、X方向に、1Udの周期で配列していると考えることもできる。本発明では、凹凸構造が同一であるユニットが複数含まれる場合において、ユニット(ユニット16)が一定の周期で配列しているといえるには、当該ユニット(ユニット16)が、少なくとも500μmにわたり一定の間隔で配列されていることが必要である。言い換えれば、凹凸構造が同一であるユニットが150μm未満の間隔で複数配列されていても、その配列により形成される大きさ(範囲)が500μm未満である場合には、「ユニット群UGにおける凹凸構造において、凹凸構造が同一であるユニットが150μm未満の周期で配列されていない」に該当するとする。これは、500μm未満の範囲で、凹凸構造が同一であるユニットが複数配列していたとしても、通常、目視により周期構造に起因する色変化を認識することができないためである。したがって、図14Aに示す例において、1Udの周期が150μm未満の場合、ユニット16については、その配列により形成される大きさが500μm未満(より具体的には、ユニット16により形成される大きさが300μm未満)であるため、「ユニット群UGにおける凹凸構造において、凹凸構造が同一であるユニットが150μm未満の周期で配列されていない」に該当することとなる。
以上のように、「ユニット群UGにおける凹凸構造において、凹凸構造が同一であるユニットが150μm未満の周期で配列されていない」には、凹凸構造が同一であるユニットが150μm未満の周期で配列されているが、その配列により形成される大きさ(範囲)が500μm未満である場合も含まれる。
「ユニット群UGにおける凹凸構造において、凹凸構造が同一であるユニットが150μm未満の周期で配列されていない」ことは、自己相関係数を用いて特定することもできる。自己相関係数は、以下に示す自己相関関数AC(x)から導くことができる。
ユニット群UGにおける凹凸構造の、面内の任意の線分に沿った凹凸断面において、当該凹凸断面および当該凹凸断面の任意の一部分をそれぞれ、関数P(x’)およびp(x’)で表した場合に、自己相関関数AC(x)は、下記式(1):
Figure 0006907943
(式中、xは、任意の線分による切断方向での、関数P(x’)とp(x’)との隔てられた距離を示す)により表すことができる。ここで、凹凸断面および当該凹凸断面の任意の一部分を関数で表現するには、例えば、これら凹凸断面を走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)等を用いて撮影した顕微鏡写真からの情報に基づき凹凸断面のプロフィールを算出したものを用いて行うことができる。
次に、自己相関関数AC(x)から下記式(2):
Figure 0006907943
により自己相関係数を導く。
ここで、「ユニット群UGにおける凹凸構造において、凹凸構造が同一であるユニットが150μm未満の周期で配列されていない」場合には、自己相関係数が、150μm未満の周期で1とならない。ここで、「自己相関係数が、150μm未満の周期で1とならない」には、自己相関係数が、150μm未満の周期で1となるが、その周期を形成する大きさが500μm未満である場合も含まれる。 この自己相関係数について、図14Bおよび図15を参照して、より詳細に説明する。
図14Bは、図14Aに示すXIVB−XIVB線に沿った断面図である。当該断面図においては、簡便のため、凹凸構造形成層12のみを示している。
当該例において、図14Bの凹凸断面を形成する、図14Aに示すXIVB−XIVB線が、上記自己相関関数の説明中の「面内の任意の線分」に対応する。また、図14Bに示される凹凸断面が、「面内の任意の線分に沿った凹凸断面」である。さらに、上記「凹凸断面の任意の一部分」は、図14Bに示される凹凸断面から任意に選択される一部分である。例えば、「凹凸断面の任意の一部分」は、図14Bに示される凹凸断面の左端に位置するユニットU11に対応する凹凸断面部分であってもよい。そして、図14Bに示される凹凸断面および当該凹凸断面の任意の一部分(例えば、左端に位置するユニットU11に対応する凹凸断面部分)をそれぞれ、関数P(x’)およびp(x’)で表した場合に、上記のとおり、自己相関関数AC(x)は、下記式(1):
Figure 0006907943
により示すことができる。
上記の式(1)から理解できるとおり、自己相関関数AC(x)は、P(x’)と、p(x’)をxずらしたp(x’+x)とを乗じたものを、−∞から∞の範囲まで積分することにより得られる。積分区間を−∞から∞としているが、実質的には、積分区間は、任意の線分による切断方向での凹凸断面の大きさ(範囲)に対応する。
また、「凹凸断面の任意の一部分」を、図14Bに示す左端に位置するユニットU11の凹凸断面部分とすると、任意の線分による切断方向での、関数P(x’)とp(x’)との隔てられた距離xは、図15に示すように、ユニットU11を左端から右端に移動させたときの左端からの距離に対応する。図15は、図14Bに示される凹凸断面に対して、左端に位置するユニットU11を移動させた様子を示すイメージ図である。この例では、xは0から9Udまで変動する。
以上のようにして得られる自己相関関数AC(x)から以下の式(2):
Figure 0006907943
により自己相関係数を導くことができる。
このように導き出される自己相関係数が1となる場合、2つの関数P(x’)およびp(x’)は一致する。図15を参照して簡便に言えば、ユニットU11がX=0,3Ud,6Ud,および9Udの位置に存在する場合に、2つの関数P(x’)およびp(x’)が一致し、自己相関係数は3Udの周期で1となる。ここで、「ユニット群UGにおける凹凸構造において、凹凸構造が同一であるユニットが150μm未満の周期で配列されていない」を満たすためには、自己相関係数の周期3Udが150μm未満ではないこと、あるいは、自己相関係数の周期3Udが150μm未満であるが、その周期を形成する大きさ(左端のユニット11から右端のユニット11までの距離10Ud)が500μm未満であることが条件となる。
この説明では、「凹凸断面の任意の一部分」を、図14Bに示す左端に位置するユニットU11の凹凸断面部分としたが、150μmでの周期の有無を確認するという観点から、「凹凸断面の任意の一部分」を、「面内の任意の線分に沿った凹凸断面の任意に選択される長さ150μmの範囲」とすることが好ましい。また、各々の凸部22の周期をより正確に判断する観点から、「凹凸断面の任意の一部分」を、「面内の任意の線分に沿った凹凸断面の任意に選択される凸部または凹部の平均長さの10倍の範囲」とすることがさらに好ましい。なお、凸部22の平均長さをあまりに小さくすると、自己相関係数が1となる周期の判断が困難となる。
ユニット群UGに、同一の凹凸構造を備えるユニットが含まれている実施形態において、ユニット群UGを構成する、凹凸構造が相違するユニットの数は、特に制限されるわけではないが、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上とすることができる。ユニット群UGに、同一の凹凸構造を備えるユニットが含まれている場合は、凹凸構造が相違するユニットのみから構成される場合と比較し、ユニットの種類を低減することができる。このため、ユニット生成の手間を軽減することができる。
以上に説明した、凹凸構造形成層に設けられる凹凸構造は、凹凸構造が相違するユニットを一定の条件下で配列することにより形成される構造である。他方、従来の光学素子では、凹凸構造は、当該ユニットの配列という手法により形成されておらず、無数に存在する凸部22の配置を決定する際に、コンピュータシステム等へ大きな負荷を与え得るものであった。したがって、本発明の光学素子は、従来のものと比較し、データ生成の負荷を軽減できる凹凸構造を備えているといえる。
同一の凹凸構造を備えるユニットが含まれている実施形態のユニットの配置は、ディザ法等によるランダム化の手法を用いることで、前述の条件を満たす配置とすることができる。
また、0.5mm以上の距離において、連続して同一の凹凸構造を備えるユニットが並んでいないことが好ましい。これは、ユニットサイズによらず、0.5mm以上の距離で同一の凹凸構造を備えるユニットが並んでいると、ユニットの周期に起因する回折光が観察されやすくなるためである。
図1Aに示す例では、光学素子10は、「T」、「O」、「P」のパターン形成部20を表示しており、各パターン形成部20は、図1Bに示すように、複数のユニットUを配列したユニット群UGから構成されている。尚、パターン形成部20の輪郭部分は、必ずしもユニット形状に合わせる必要はなく、凹凸構造形成部R1と凹凸構造非形成部R2によって表現することが可能である。
パターン形成部20以外の領域は、典型的には平坦構造を備えているが、前述したように回折格子やホログラム、クロスグレーティング、レンズ構造など各種の構造物と並置されて設けられてあってもよい。
なお、本発明においては、文字やデザインを表示する区域毎に、異なるユニット群UGを設けて、凹凸構造を形成してもよい。例えば、文字やデザインを表示する区域毎に、凸部22の高さ(あるいは凹部の深さ)が異なるユニット群UGを設けてあってもよい。
また、文字やデザインを表示する区域毎に、凹凸構造の指向性を有するユニット群Uと指向性を有しないユニット群Uとを組み合わせたものや、凹凸構造の指向性の方向が異なる複数のユニット群Uを組み合わせて設けられてあってもよい。
これらのユニット群Uの組合せ例は、それらの2つ以上を組み合わせて適用することができる。
(光学素子の視覚効果)
本発明の光学素子10において、凹凸構造形成層12は、平坦部の表面を基準とした凸部22の高さまたは凹部の深さが一定である凹凸構造を有する。これにより、本発明の光学素子10は、彩度の高い色(構造色)を表示する。
以下、この構造色を発現する原理について説明する。
図16は、本発明の光学素子が散乱光を射出する様子を概略的に示す図である。図16に示す例では、凹凸構造は、平坦部21と凸部22(または凹部)とを有し、凸部22と平坦部21との中心間距離が一定にならないように配置されている。このような不規則に配置された凹凸構造に、照明光が入射すると、正反射光が射出されると共に、様々な方向に回折光が射出される。このため、観察方向が多少変化しても、観察される色の変化はさほど大きくはない。ここで、観察者は、凸部の高さまたは凹部の深さに応じた構造色を知覚することができる。
図17は、光学素子10において、凹凸構造形成層12に設けられた凹凸構造に対し、光透過性基材11側から照明光が入射し、凹部22の上面および平坦部21で反射する様子を概略的に示す概念図である。
図17に示すように、照明光ILが角度θで凹凸構造に入射する時、凹部22の上面によって反射された光RL2と平坦部21によって反射された光RL1との光路差は、式:光路差=2ndpcosθに示すように、平坦部21の表面を基準とした凸部21の高さdpと、cosθと、凹凸構造形成12の屈折率nの積の2倍となる。
従って、光RL1と光RL2との位相差は、光路差に2π/λを乗じたものとなることから、4πndpcosθ/λが位相差の値となる。
ここで、この位相差が2πの整数倍である場合、光RL1および光RL2は強め合う干渉を生じる。一方、位相差が2πに整数を乗じた値とπの和に等しい場合、光RL1および光RL2は弱め合う干渉を生じる。
そして、本発明に係るユニット群UGのように、凸部の高さまたは凹部の深さが一定である場合には、可視域の波長範囲内の一部の波長域における回折効率が、他の波長域における回折効率よりも十分に小さくなる。
以上のことから、本発明に係る光学素子における凹凸構造に対して照明光が照射される場合に、観察者は凸部の高さまたは凹部の深さに応じた特定の構造色を知覚する。
例えば、或る高さの凸部が設けられたユニット群UGを観察する場合に、青色(波長460nm)の光の回折効率が小さくなり、観察者の目に到達する回折光の波長成分が赤色(波長630nm)および緑色(波長540nm)であるとすると、観察される色は黄色である。また、別の高さの凸部が設けられたユニット郡UGを観察する場合に、赤色の光の回折効率が小さくなり、観察者の目に到達する回折光の波長成分が緑色および青色であったとすると、観察される色はシアン色である。
図1Aに示す例において、「T」、「O」、「P」の文字部分に配置された凸部22の高さ(あるいは凹部の深さ)を全て一定にすると、全ての文字を同一の構造色で表示することができる。あるいは、「T」、「O」、「P」の文字毎に高さ(あるいは深さ)が相違する凸部22(あるいは凹部)を配置させると、各文字を異なる構造色で表示することができる。また、各文字の中で部分的に高さ(あるいは深さ)を相違させることにより、さらに多様な色表現が可能となる。
以上のように、本発明の光学素子は、データ生成の負荷を軽減できる構造を有し、観察角度に依存した色変化が小さく、彩度の高い色を表示する。
(光学素子の製造方法)
次に、本発明の光学素子10の製造方法の一例を説明する。
まず、一方の面に凹凸構造を有する凹凸構造形成層12を形成する。
凹凸構造を形成するための型版として、フォトリソグラフィを用いて以下のように金属製のスタンパを作製する。
最初に、平滑な基板(ガラス基板が一般的に用いられる)に感光性レジスト材料を塗布し、均一な膜厚のレジスト材料層を形成する。感光性レジスト材料としては、公知のポジ型材料またはネガ型材料を用いることができる。次いで、荷電粒子ビームにより、所望のパターンをレジスト材料層に描画する。その後、このレジスト材料層を現像処理することにより、所望の凹凸構造を有する構造体を得る。
次に、この構造体を原版として用いて、この原版から、電鋳等の方法により金属製のスタンパを作製する。なお、電鋳とは、電鋳の対象物を所定の水溶液中に浸し、通電することで電子の還元力により、この対象物上に金属膜を形成する表面処理技術の一種である。
このような方法を用いることで、原版の表面に設けられた微細な凹凸構造を精度良く複製することができる。なお、電鋳の対象物の表面は、通電可能である必要があるが、一般に感光性レジストは電気を通さないので、電鋳を行なう前に、上記構造体の表面にスパッタリング、真空蒸着等の気相堆積法などにより、金属薄膜が予め設けられている。
次いで、このスタンパを用いて、凹凸構造を複製する。まず、例えばポリカーボネートまたはポリエステルからなる光透過性基材11上に熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂などを塗布する。次に、塗膜に金属製スタンパを密着させ、この状態で熱圧の付与や、光の照射を実施した。その後、金属製のスタンパを樹脂層から剥がすことで、凹凸構造を備える凹凸構造形成層12を得る。
上記において、原版の作製方法として、フォトリソグラフィを用いたが、その他の方法として、切削加工やエッチング加工等により金属等の表面を加工する手法などを採用することができる。このような方法を用いると、直接金属板の表面を加工することが可能であり、この場合、電鋳等の方法により金属製スタンパを作製することなく、直接金属製スタンパを得ることができる。
次に、凹凸構造形成層12上に、例えば、蒸着法によりアルミニウム等の金属または誘電体を単層あるいは多層に堆積させ、光反射層13を形成する。なお、凹凸構造形成層12の一部のみを光反射層13で被覆する場合には、例えば、気相堆積法により連続膜として光反射層13を形成した後、薬品などによりその一部を除去するなどの方法によって得ることができる。このような方法により、光学素子10を製造することができる。
<光学素子付き物品>
上述した本発明の光学素子10は、例えば、印刷物などの物品に支持させることにより、偽造防止用ラベルなどとして使用することができる。上記の通り、光学素子は比較的安価に、従来にない視覚効果を提供することから、多種多様な物品に対してより高い偽造防止効果を発揮する。
図18は、本発明の光学素子付き物品の一例を概略的に示す平面図である。
例えば、光学素子10を取り付ける物品40としては、磁気カード、ICカード、IDカードなどのカード類やパスポート、商品券などの有価証券類、あるいは真正品であることが確認されるべき物品に取り付けられるタグやラベルなどが考えられる。あるいは、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体またはその一部であってもよい。
光学素子付き物品50は、物品40の基材に、接着剤を介して光学素子10を固定したものであってもよい。例えば、光学素子10を粘着ステッカ、転写箔、またはホログラムシートなどとして準備しておき、これを基材に貼着したものであってもよい。転写箔は、その形状がストライプ状、あるいはパッチ状であってもよく、物品40の全面または一部に付与されていてもよい。
物品40がその基材上に例えば印刷層を備えている場合には、基材の印刷層上に光学素子10が固定されたものであってもよい。このような光学素子付き物品50は、光学素子10の光学効果を印刷層のそれと比較することにより、光学素子10の光学効果を際立たせることができる。
光学素子10を基材に固定する場合、例えば、基材として紙を使用するときには、光学素子10を紙に漉き込み、光学素子に対応した位置で紙を開口させてもよい。また、物品40の内部に光学素子10を埋め込んでもよい。このような場合、光学素子10をスレッドとして用いることができる。
また光学素子10は、偽造防止以外の目的で使用してもよい。例えば、光学素子10は、玩具、学習教材、および装飾品などとしても利用することができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。
<光学素子の製造>
(実施例1)
以下のようにして、本発明の光学素子を製造した。
まず、厚さが80μmであるポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)上に、膜厚が均一となるように紫外線硬化樹脂を塗布した。
次いで、この塗膜に、所定の凹凸構造が設けられたニッケル製スタンパを押し当てながら、PETフィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させた。
その後、ニッケル製スタンパを取り除くことにより、一方の面に所望の凹凸構造を有する凹凸構造形成層を得た。上記凹凸構造が設けられたニッケル製スタンパは、フォトレジストが塗布された均一な膜厚の層に、電子線描画装置で描画し、現像、電鋳を行うことにより形成した。
次に、凹凸構造形成層の凹凸面に、真空蒸着法によりアルミニウムを均一に堆積させて、光反射層を形成することにより光学素子を製造した。
なお、上記のように得られた凹凸構造形成層は、その一方の面に設けられた凹凸構造の領域として、6種のユニットA〜FをABCDEFADBECFDCABEFDAFDBECBAFCEの順に配列したユニット群を含んでいた。図19に示すように、ユニットA〜Fはそれぞれ、外形が一辺30μmの正方形状であり、一辺1μmの正方形状である上面を備える凸部を230個有していた。また、各ユニットA〜Fにおける、凸部の上面の占有面積率は、25.6%であった。
さらに、凹凸構造形成層の上記ユニット群に設けられた凹凸構造に対して、以下のようにして自己相関係数を算出した。詳細には、素子の断面の顕微鏡写真(SEM等)から凹凸断面のプロフィールを算出したものを用いて、下記式(1):
Figure 0006907943
から自己相関関数AC(x)を導き出し、下記式(2):
Figure 0006907943
を用いて自己相関係数を算出した。なお、式中、P(x’)およびp(x’)はそれぞれ、当該ユニット群のX方向に沿った線分による凹凸断面および当該ユニット群の左端から10μm(凸部の一辺の長さ1μmの10倍)に対応する凹凸断面を関数で表したものである。ここで、「当該ユニット群のX方向に沿った線分による凹凸断面」は、図19に示す各ユニットA〜Fの断面を、上記の配列(ABCDEFADBECFDCABEFDAFDBECBAFCE)で組み合わせたものとなる。また、xは、当該ユニット群の左端から10μmに対応する凹凸断面を、左端から右端に移動させたときの左端からの距離に対応している。そして、積分範囲は、0〜900μmである。
このように算出した自己相関係数の結果を、図20に示す。図20に示されるとおり、自己相関係数が1となるのは、0μm、180μm、420μm、570μm、および780μmの位置であった。これから、自己相関係数は、150μm未満の周期で1となっていないことが理解できる。
(実施例2)
実施例1で形成した凹凸構造形成層において、凹凸構造の領域に含まれるユニット群として、6種のユニットA〜FをABCDEFADBEABCDEFADBEABCDEFADBEの順に配列したユニット群を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学素子を製造した。
また、当該ユニット群に設けられた凹凸構造に対して算出した自己相関係数の結果を、図21に示す。図21に示されるとおり、自己相関係数が1となるのは、0μm、180μm、300μm、480μm、600μm、および780μmの位置であった。この結果から、自己相関係数は、150μm未満の周期で1となっていないことが理解できる。
(実施例3)
実施例1で形成した凹凸構造形成層において、凹凸構造の領域に含まれるユニット群として、6種のユニットA〜FをAACFDEBBEDEFCDEBFDBACFACCEFABEの順に配列したユニット群を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学素子を製造した。
また、当該ユニット群に設けられた凹凸構造に対して算出した自己相関係数の結果を、図22に示す。図22に示されるとおり、自己相関係数が1となるのは、0μm、30μm、570μm、660μm、および810μmの位置であった。この結果から、自己相関係数は、150μm未満の周期で1となっていないことが理解できる。
(実施例4)
実施例1で形成した凹凸構造形成層において、凹凸構造の領域に含まれるユニット群として、6種のユニットA〜FをACAEBADAFCAEABFADAEBAFACDABAEDの順に配列したユニット群を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学素子を製造した。
また、当該ユニット群に設けられた凹凸構造に対して算出した自己相関係数の結果を、図23に示す。図23に示されるとおり、自己相関係数が1となるのは、0μm、60μm、150μm、210μm、300μm、360μm、450μm、510μm、600μm、660μm、750μm、および810μmの位置であった。この中で、0μm、150μm、300μm、450μm、600μm、および750μmの位置に着目すると、自己相関係数は、150μmの周期で1となっている。このように、周期が150μm未満ではないため、自己相関係数は、150μm未満の周期で1となっていないことが理解できる。
(比較例1)
実施例1で形成した凹凸構造形成層において、凹凸構造の領域に含まれるユニット群として、6種のユニットA〜FをABCADEAFEADBADFAFEACBACDAEFABCの順に配列したユニット群を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学素子を製造した。
また、当該ユニット群に設けられた凹凸構造に対して算出した自己相関係数の結果を、図24に示す。図24に示されるとおり、自己相関係数が1となるのは、0μm、90μm、180μm、270μm、360μm、450μm、540μm、630μm、720μm、および810μmの位置であった。この結果から、自己相関係数は、90μmの周期で1となっている。このため、当該ユニット群に設けられた凹凸構造に対する自己相関係数は、150μm未満の周期で1となっていることが理解できる。
<光学素子の評価>
上記で製造した光学素子を、蛍光灯およびLEDライトの下で目視観察し、その視覚効果を確認した。
実施例1から4および比較例1の全ての光学素子において、彩度の高い色(構造色)を確認することができた。
角度を変えて光学素子を観察した場合、実施例1から4の光学素子では色変化(虹色変化)を確認することはできなかった。他方、比較例1の光学素子では、蛍光灯下では虹色の色変化を確認することができなかったが、LEDライトの下では色変化を確認することができた。
10 … 光学素子
11 … 光透過性基材
12 … 凹凸構造形成層
13 … 光反射層
20 … パターン形成部
21 … 平坦部
22 … 凸(あるいは凹)部
U … ユニット
UG … ユニット群
Ud … ユニット周期
R1 … 凹凸構造形成部
R2 … 凹凸構造非形成部
40 … 物品
50 … 光学素子付き物品

Claims (8)

  1. 一方の面に凹凸構造を有する凹凸構造形成層と、
    前記凹凸構造形成層の凹凸構造面を少なくとも一部被覆している光反射層と、
    を備える光学素子であって、
    前記凹凸構造形成層は、互いに凹凸構造が相違する複数のユニットから構成されるユニット群を備え、前記ユニット群には、さらに凹凸構造が同一であるユニットが含まれており、
    前記ユニットにおいて、平坦部と、複数の凸部または複数の凹部とを有し、前記凸部の上面または前記凹部の底面は前記平坦部の表面に対して略平行であり、
    隣り合う前記凸部または前記凹部の中心間距離が一定ではなく、
    前記凸部の高さまたは前記凹部の深さが一定であり、
    前記凸部の上面または前記凹部の底面の形状が、平面視で、正方形であり、隣り合う前記凸部または前記凹部の一部が重なり合っていてもよく、
    前記ユニット群に、前記凹凸構造が同一であるユニットが、150μm未満の周期で配列されていないことを特徴とする、光学素子。
  2. 前記ユニット群における凹凸構造の、面内の任意の線分に沿った凹凸断面において、前記凹凸断面および前記凹凸断面の任意に選択される長さ150μmの範囲をそれぞれ、関数P(x’)およびp(x’)で表した場合に、自己相関関数AC(x)は、下記式(1):
    Figure 0006907943
    (式中、xは、任意の線分による切断方向での、関数P(x’)とp(x’)との隔てられた距離を示す)
    により表すことができ、前記自己相関関数AC(x)から、下記式(2):
    Figure 0006907943
    により導き出される自己相関係数が、150μm未満の周期で1とならないことを特徴とする、請求項に記載の光学素子。
  3. 前記ユニット群における凹凸構造の、面内の任意の線分に沿った凹凸断面において、前記凹凸断面および前記凹凸断面の凸部または凹部の平均長さの10倍の範囲をそれぞれ、関数P(x’)およびp(x’)で表した場合に、自己相関関数AC(x)は、下記式(1):
    Figure 0006907943
    (式中、xは、任意の線分による切断方向での、関数P(x’)とp(x’)との隔てられた距離を示す)
    により表すことができ、前記自己相関関数AC(x)から、下記式(2):
    Figure 0006907943
    により導き出される自己相関係数が、150μm未満の周期で1とならないことを特徴とする、請求項に記載の光学素子。
  4. 隣り合うユニットにおいて、凹凸構造が相違していることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の光学素子。
  5. 前記ユニット群は、前記複数の凸部または複数の凹部がランダムに配置された無指向性ユニット、前記複数の凸部または複数の凹部が特定の方向に並んで配置されている指向性ユニット、または前記無指向性ユニットと前記指向性ユニットとの組み合わせから構成されていることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の光学素子。
  6. 前記隣り合う凸部または前記隣り合う凹部は、その中心間距離の平均値が1.0μm〜3.0μmであることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の光学素子。
  7. 前記凸部の高さまたは前記凹部の深さが0.05μm〜0.5μmであることを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の光学素子。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の光学素子と、これを支持する物品とを含むことを特徴とする、光学素子付き物品。
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