JP2017122836A - 回折格子表示体及び回折格子表示体を備えた情報印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い偽造防止効果を備え、視認性の高いカラー階調画像の表示を行う回折格子表示体を提供する。【解決手段】回折格子表示体1であって、回折格子表示体1は、元となる一つのカラー階調画像データの各画素に対応するセルが、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応するサブセル5a_r、5a_g、5a_bに分割され整然配置された構成であり、各セル3は、R、G、Bのサブセルを一組としたサブセル群4a、4b、4cをそれぞれ複数有しており、サブセルに形成される回折格子の格子角度はサブセル群毎に変化しており、回折格子の空間周波数は、R、G、Bのサブセル毎に変化しており、各サブセルの面積は、カラー階調画像データの輝度情報に対応して変化させた。【選択図】図2

Description

本発明は、偽造防止効果を発揮する回折格子を利用した表示技術に関する。
一般に、紙幣や、商品券、小切手などの有価証券類、クレジットカード、キャッシュカード及びIDカードなどのカード類、並びにパスポート及び免許証などの証明書類には、それらの偽造を防止するために、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する回折格子表示体が貼り付けられている。また、近年、これら以外の物品についても、偽造品の流通が社会問題化している。そのため、そのような物品に対しても、同様の偽造防止技術を適用する機会が増えてきている。
通常の印刷物とは異なる視覚効果を有している回折格子表示体としては、(特許文献1)のように、回折格子の角度又は空間周波数(回折格子のピッチの逆数で定義される)が異なる複数の回折格子ドットを配置し、虹色に変化する画像を表示する表示体が知られている。
このような回折格子表示体では、断面が凹凸形状から成る、所謂レリーフ型の回折格子を使用することが一般的である。レリーフ型回折格子は、通常、フォトリソグラフィの技術を利用して製造した原版から複製することにより得られる。例えば、特許文献2には、回折格子を形成するために、一方の主面に感光性レジストを塗布した平板状の基板をXYステージ上に載置し、コンピュータ制御のもとでステージを移動させながら感光性レジストに電子ビームを照射することにより、感光性レジスト上にレリーフ型回折格子をパターン露光することが記載されている。
次に、レリーフ型の回折格子を複製する方法について説明する。上記のような方法により作製されたレリーフ型の回折格子の原版から、電鋳等の方法により金属製のスタンパを作製する。この金属製スタンパを母型として、ポリカーボネートやポリエステル等を原料とする透明基材上に熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂を塗布し、金属製スタンパを密着させ、熱や光を与え樹脂が硬化したのち、金属製スタンパと樹脂を剥離することでレリーフ型の回折格子を複製する。
そして、この複製されたレリーフ型の回折格子は通常透明であるので、アルミニウム等の金属や、誘電体の薄膜層を真空蒸着もしくはスパッタリング等の方法によりその構造表面に光反射層を設けた後、紙やプラスチックフィルム等の基材上に接着層ないしは粘着層を介して貼付され、有価証券類やカード類等の偽造防止機能を備えた情報印刷物が作製される。
しかし、偽造防止対策が必要な物品、特に有価証券類などの情報印刷物の多くで回折格子表示体が用いられるようになった結果、この技術が広く認知され、これに伴い、偽造品の発生も増加する傾向にある。そのため、回折光によって虹色の光を呈することのみを特徴とした回折格子表示体では十分な偽造防止効果を達成することが難しくなってきている。
より十分な偽造防止効果を達成し、アイキャッチ効果(人目をひき、視認性を上げる効果)を向上させるため、虹色に変化するだけではなく、より特徴的な視覚効果を実現する回折格子表示体が(特許文献3)によって公知となっている。この(特許文献3)では、回折格子セルとして、赤(R)、緑(G)、青(B)の色に対応する3種類の曲線状回折
格子のセルを用い立体像を表示するようにしたことを特徴とする光情報記録媒体が示されている。この光情報記録媒体では、元となる複数の視差画像の情報から立体像を表示するものであり、観察角度に応じて表示される像に立体感や奥行き感を感じることができ、通常の印刷物とは異なる視覚効果を実現している。
この光情報記録媒体では、立体感や奥行き感によって高いアイキャッチ効果が得られる反面、立体像を表示するための複数の視差画像を用意する必要がある。一方で、企業や商品のロゴマークや、肖像画などのデータは立体データ(視差画像)として存在しておらず、単体の平面(二次元)の画像である場合がほとんどである。このような平面の画像をより十分な偽造防止効果とアイキャッチ効果を備え、回折格子表示体で表示する技術が望まれている。
特許第2139127号公報 米国特許第5058992号明細書 特願平6−233696号公報
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、高い偽造防止効果を備え、視認性の高いカラー階調画像表示を行う回折格子表示体を提供することにある。
前記目的を達成するために第1の発明は、回折光によってカラー階調画像を表示する回折格子表示体であって、前記回折格子表示体は、前記カラー階調画像を表示するための各画素に対応するセルが、整然配置された構成であり、前記各セルは、R(赤)、G(緑)、B(青)のサブセルを一組としたサブセルセットをそれぞれ複数有しており、サブセルに形成される回折格子の格子角度はサブセルセット毎で異なり、回折格子の空間周波数は、前記R、G、Bのサブセル毎で異なり、かつ前記サブセルセットを有するセルにおいて、単一セル内における前記R、G、Bの各サブセルの面積が、R、G、B毎に、それぞれ略同じ面積であることを特徴とする回折格子表示体である。
また、第2の発明は、回折光によってカラー階調画像を表示する回折格子表示体であって、前記回折格子表示体は、前記カラー階調画像を表示するための各画素に対応するセルが、整然配置された構成であり、前記各セルは、R(赤)、G(緑)、B(青)のサブセルを一組としたサブセルセットをそれぞれ複数有しており、サブセルに形成される回折格子の格子角度はサブセルセット毎で異なり、回折格子の空間周波数は、前記R、G、Bのサブセル毎で異なり、かつ前記サブセルセットを有するセルにおいて、単一セル内における前記R、G、Bの各サブセルの輝度が、R、G、B毎に、それぞれ略同じ輝度であることを特徴とする回折格子表示体である。
また、第3の発明は、前記カラー階調画像の天地方向に対して水平方向に格子線が延びる回折格子から成るサブセルを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回折格子表示体である。
また、第4の発明は、前記サブセルセットが、各セルにそれぞれ3以上の奇数個で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の回折格子表示体である。
また、第5の発明は、前記サブセルセットが、各セルにそれぞれ2以上、且つ、9以下の個数で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の回折格子表示体である。
また、第6の発明は、サブセルセット毎の回折格子の角度の差が5°以上、且つ、45°以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の回折格子表示体である。
また、第7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の回折格子表示体を支持したカラー階調画像印刷層を備えた情報印刷物である。
本発明の構成とすることによって、第1の発明によると、回折格子表示体は、R、G、Bの波長の光を定点に対して射出する3種のサブセルから成る複数のセルから構成されている。複数のセルは回折格子表示体を作製するための元データに基づいて構成される画素に対応している。各セルに含まれるサブセルセットは複数あり、各サブセルに構成される回折格子の角度はサブセルセット毎に変化している。そのため、回折格子表示体を作製するための元データに基づく光を回折格子の角度に応じて複数の観察角度方向に射出することが可能であり、かつ前記サブセルセットを有するセルにおいて、単一セル内における前記R、G、Bに対応する各サブセルの面積が、R、G、B毎に、それぞれ略同じ面積であることから、カラー階調画像を観察可能な視域を広くすることができる。
また、第2の発明によると、回折格子表示体は、R、G、Bの波長の光を定点に対して射出する3種のサブセルから成る複数のセルから構成されている。複数のセルは回折格子表示体を作製するための元データに基づいて構成される画素に対応している。各セルに含まれるサブセルセットは複数あり、各サブセルに構成される回折格子の角度はサブセルセット毎に変化している。そのため、回折格子表示体を作製するための元データに基づく光を回折格子の角度に応じて複数の観察角度方向に射出することが可能であり、かつ前記サブセルセットを有するセルにおいて、単一セル内における前記R、G、Bに対応する各サブセルの輝度が、R、G、B毎に、それぞれ略同じ輝度であることから、カラー階調画像を観察可能な視域を広くすることができる。
また、第3の発明によると、回折格子表示体は、カラー階調画像データの天地方向に対して水平方向に格子線が延びる回折格子から成るサブセルを有している。それにより、回折格子表示体または、回折格子表示体を備えた情報印刷物などの物品を、もっとも観察される頻度が高い天地方向が正しい正面方向から観察した際に、水平方向に延びる回折格子からの回折光によってカラー階調画像を観察することができる。
また、第4の発明によると、回折格子表示体は、サブセルセットが、各セルにそれぞれ3以上の奇数個で構成されている。サブセルセットが奇数個であると、もっとも観察される頻度が高い天地方向が正しい正面方向に対し回折光を射出可能な角度で形成された回折格子を有するサブセルセットに加え、もっとも観察される頻度が高い天地方向が正しい正面方向の左右方向に回折光を射出しうる角度で形成された回折格子を有するサブセルセットを左右均等に設けることができる。それにより、正面方向を中心に左右方向に対して均等にカラー階調画像が観察可能な視域を設けることができる。
また、第5の発明によると、回折格子表示体は、サブセルセットが、各セルにそれぞれ2以上、且つ、9以下の個数で構成されている。各セルにサブセルセットが2つ構成されている場合は、カラー階調画像が観察可能な領域を2つ設けることができ、9つの場合は
、カラー階調画像が観察可能な領域を9つ設けることができる。サブセルセット毎に回折格子の角度は異なるため、サブセルセットの個数に応じて視域を増減させることができる。また、サブセルセットの個数が10個未満であることでサブセルセットが極端に小さくなり、内部に形成される回折格子が途切れ途切れに寸断されるのを防止することができる。
また、第6の発明によると、回折格子表示体は、サブセルセット毎の回折格子の格子角度の差は5°以上、且つ、45°以下である。サブセルセット毎の回折格子の格子角度の差が5°より小さい場合、複数のサブセルセットを用意することによる視域の拡張効果は十分に望めない。一方で、45°を超える場合、カラー階調画像が観察される複数の視域の間にカラー階調画像が観察されない視域が存在してしまう。サブセルセット毎の回折格子の格子角度の差は5°以上、且つ、45°以下とすることで、カラー階調画像が観察される視域を広く設けることができる。
また、第7の発明によると、情報印刷物は、回折格子表示体を支持し、且つ、カラー階調画像印刷層を備えている。回折格子表示体によって表示されるカラー階調画像は観察条件に応じて、回折光による表示色が見えたり、見えなくなったりする光学的な変化をもたらすのに対し、情報印刷物が備えている印刷によって表現されたカラー階調画像は観察条件によってその表示色が大幅に変化することはない。この対比によって真贋判定を行うことができ、情報印刷物に対してより高い偽造防止効果を付与することができる。
本発明の回折格子表示体の一例を概略的に示す平面図である。 図1の部分拡大図であり、回折格子表示体の回折格子の構成例を概略的に示す平面図である。 図2に示す回折格子表示体のA−A線に沿った断面図である。 空間周波数が低い回折格子が+1次回折光を射出する様子を概略的に示す模式図である。 空間周波数が高い回折格子が+1次回折光を射出する様子を概略的に示す模式図である。 回折格子表示体のカラー階調画像が観察可能な視域を概略的に示す俯瞰図である。 回折格子表示体を備えた紙幣例を概略的に示す平面図である。 図7に示す回折格子表示体および紙幣のB−B線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、全ての図面を通じて、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
(回折格子表示体の構成について)
図1は、本発明の回折格子表示体を概略的に示す平面図である。図において、x方向及びy方向は回折格子表示体の主表示面に対して平行であり、且つ、互いに対して垂直な方向である。また、z方向は、x方向及びy方向に対して垂直な方向であり、回折格子表示体の法線方向と一致する。以降の図において回折格子表示体を示す場合、同様にx、y、z方向を定義する。
図1は、回折格子表示体1の構成例であり、回折格子によって回折光が射出される領域に対してカラー階調画像2を表示する。回折格子表示体1は、図2に示される図1の部分拡大図のように、元となるカラー階調画像データの各画素に対応する整然配置された複数
のセル3から構成され、各セル3には3つのサブセルセット4a、4b、4cがあり、サブセルセット4aには3つのサブセル5a_r、5a_g、5a_bが、サブセルセット4bには3つのサブセル5b_r、5b_g、5b_bが、サブセルセット4cには3つのサブセル5c_r、5c_g、5c_bがそれぞれ形成されている。各サブセルにはそれぞれ空間周波数、及び/または角度が変化している回折格子が形成されている。
回折格子の空間周波数は後述する数式(1)に従って決定される値をとり、観察者がいる定点に対して、赤(R)、緑(G)、青(B)に相当する波長の光が到達するように設定される。
また、回折格子が形成されているサブセルは元のカラー階調画像データの各画素のR、G、Bの各色の輝度値に応じてその面積が決定される。輝度値が大きければ、サブセルの面積も大きく、輝度値が小さければ、サブセルの面積は相対的に小さくなる。元のカラー階調画像データの任意の画素のR、G、Bの輝度値が0である場合、それに該当するサブセルに回折格子は形成されない。回折格子が形成されないことで、その地点から射出される回折光を無くすことができる。
各サブセルは小さく、人間が肉眼で観察した場合には、その外形を認識することはできない。そのため、面積と空間周波数が様々に変化している多数の回折格子を観察することで、回折格子表示体全体としてカラー階調画像を表示することができる。
ここで、回折格子表示体は、各セル内にそれぞれ複数のサブセルセットを有している。典型的には、各サブセルセットはR、G、Bに対応する空間周波数から成る回折格子を有するサブセルによって構成されているが、各サブセルセットではサブセルに形成される回折格子の角度がそれぞれ異なっている。
サブセルセット4aのサブセル5a_rとサブセルセット4bのサブセル5b_rとサブセルセット4cのサブセル5c_rはそれぞれ同じ空間周波数の回折格子が形成されている。サブセル5a_g、5b_g、5c_g及びサブセル5a_b、5b_b、5c_bも同様である。
サブセルセット4aのサブセル5a_rとサブセルセット4bのサブセル5b_rとサブセルセット4cのサブセル5c_rはそれぞれ略同じ面積である。サブセル5a_g、5b_g、5c_g及びサブセル5a_b、5b_b、5c_bも同様である。
ここで、本発明において、単一セル内におけるR、G、Bの各サブセルの面積が、R、G、B毎に、それぞれ略同じ面積であるというのは、それぞれの面積差が20%以下であることが望ましい。これは、面積差が20%以下であれば、肉眼ではその差を認識することが困難であるためである。
それぞれの面積差が20%を超えると、回折格子表示体を観察する際の視域によって、観察される色の明るさ、すなわち回折光の輝度が変化してしまい、色のバラつきとして認識される可能性がある。
サブセルセット4aのサブセル5a_rとサブセルセット4bのサブセル5b_rとサブセルセット4cのサブセル5c_rはそれぞれ異なる角度の回折格子が形成される。サブセル5a_g、5b_g、5c_g及びサブセル5a_b、5b_b、5c_bも同様に異なる角度の回折格子から形成される。
なお、“サブセル”は回折格子が形成された領域であり、光学顕微鏡などで拡大観察し
た場合に、認識可能な領域であるが、“セル”は、複数のサブセルを内包する仮想の領域であり、外形状として明確な輪郭や認識可能な境界線を有する領域ではない。しかし、回折格子表示体は仮想の領域として定義される複数のセルが表示体の表示面の縦横の方向、図1や図2ではxyの方向に周期的に整然配置されることで、カラー階調画像を表示する。サブセルを内包する複数のセルはxyの方向に限らず、任意の方向に整然配置することができる。
図3は図2に示す回折格子表示体1のA−A線に沿った断面図であり、A−A線部分における層構成およびサブセル(回折格子)の断面を示している。回折格子表示体1は、光透過性の基材10と、基材の一方の面側に設けられた凹凸構造形成層11と、凹凸構造形成層11の少なくとも一部を被覆する光反射層12から構成される。回折格子は凹凸構造形成層11に構成される。回折格子表示体1は適宜接着剤層13等を介してカラー階調画像印刷層14を有する情報印刷物15に接着、貼付される。光透過性の基材10は省略することができる。
(回折格子表示体の作製方法について)
回折格子表示体の典型的な作製方法を示す。
本回折格子表示体は、例えば、フォトリソグラフィを利用して製造した原版(母型)から複製することにより得られる。例えば、一方の主面に電子線レジストを塗布した平板状のガラス基板をXYステージ上に載置し、コンピュータ制御のもとでステージを移動させながら電子線レジストに電子線を照射することにより、電子線レジストをパターン露光する。その後、現像プロセスによって電子線レジスト上に回折格子の凹凸構造を形成する。また、電子線レジストに替えてフォトレジストを用い、電子線に替えてレーザー光線を利用することもできる。
これらの方法により、回折格子を備えた原版を得る。そして、電鋳やメッキ等の方法により金属製のスタンパを作製する。次いで、この金属製スタンパを型として用いて、回折格子表示体を構成する回折格子を転写、複製する。
具体的には、まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)からなるフィルム又はシート状の薄い光透過性の基材上に、熱可塑性樹脂または熱硬化製樹脂、または光硬化性樹脂などの合成樹脂を塗布する。次いで、塗膜に金属製スタンパを密着させ、この状態で樹脂層に熱又は光を与える。樹脂が硬化した後、硬化した樹脂から金属製スタンパを剥離することにより、回折格子の凹凸形状が転写された凹凸構造形成層が得られる。光透過性の基材と凹凸構造形成層は密着しており、同一の材料を用いた場合、その境界は存在せず一体化した同一の層と見なすことができる。
また、凹凸構造形成層に設けられた回折格子に追従するように光反射層が形成される。光反射層は、回折格子に入射した光をより強く回折させるのに寄与し、カラー階調画像の視認性を向上させる。光反射層としては、例えばアルミニウム、銀、金、及びそれらの合金などの金属材料からなる金属層を使用することができる。或いは、硫化亜鉛ZnSや酸化チタンTiO2等の材料から成る誘電体層を使用してもよい。或いは、光反射層として、隣り合うもの同士の屈折率が異なる誘電体層の積層体、即ち誘電体多層膜を使用してもよい。光反射層は、例えば真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法により形成することができる。
ここで、光反射層の膜厚は、30nm以上且つ70nm以下であることが望ましく、さらに好ましくは50nmである。光反射層は気相堆積法によって薄膜状に成膜することが可能であるが、アルミニウムや金、銀などの金属は膜の表面に数百nm程度の粒状の凹凸
が生じやすい。この粒状の凹凸は、成膜された層が厚くなるほど肥大化しやすく、それにより入射する光を散乱させやすくする。入射した光が散乱し、十分に回折しなくなると、表示される画像は白濁し、表示像の彩度が低下してしまう。一方で、成膜された層が薄すぎると十分な回折性能が得られなくなる。実験によって得られた光反射層の理想的な膜厚は、30nm以上且つ150nm以下であった。このような範囲で光反射層の膜厚を設定することによって十分な回折性能が得られる。
光反射層は、回折格子表示体の凹凸構造形成層の全面を覆うように形成されていてもよく、その一部のみを覆っていてもよい。一部のみを部分的に被覆した光反射層はその有無によってカラー階調画像とは別の絵柄や文字、記号などの画像を表現することができる。
カラー階調画像とは別の絵柄や文字、記号などの画像が表現された光反射層は、例えば真空蒸着やスパッタリングにより連続膜としての光反射層を形成し、その後に薬品などによりその一部を溶解させることによって得られる。或いは、連続膜として形成した後に、凹凸構造形成層に対する光反射層の密着力と比較して光反射層に対する接着力がより高い接着材料を用いて、光反射層の一部を凹凸構造形成層から剥離することによっても得ることができる。或いは、マスクを用いて気相堆積を行う方法、またはリフトオフプロセスを利用する方法により得ることができる。
このように回折格子表示体は、凹凸構造形成層、光反射層を少なくとも含む構成によって実現される。表示体は別途、接着層あるいは粘着層を介して紙やプラスチックなどの材料から成るその他偽造防止効果が求められる情報印刷物などの物品に備えることができる。
なお、回折格子表示体は、表面保護のためのハードコート層や抗菌コート層などの他の機能を実現する層を更に含むことができる。
(回折格子の光学的性質について)
本回折格子表示体によって実現される視覚効果について説明するにあたり、まず、回折格子の空間周波数と、入射光(照明光)の波長と、入射光の入射角と、回折光の射出角との関係について説明する。
照明光源を用いて回折格子に照明光を照射すると、回折格子は、入射光である照明光の進行方向及び波長に応じて特定の方向に強い回折光を射出する。
m次回折光(m=0,±1,±2,・・・)の射出角βは、回折格子の溝の延伸方向に対して垂直な面内で光が進行する場合、下記の式(1)から算出することができる。
式(1)において、dは回折格子のピッチ(空間周波数の逆数)を表し、mは回折次数を表し、λは入射光及び回折光の波長を表している。また、αは0次回折光、即ち正反射光RLの射出角を表している。換言すれば、αの絶対値は照明光の入射角と等しく、反射型回折格子の場合には、照明光の入射方向と正反射光の射出方向とは、回折格子が設けられた界面の法線NLに関して対称である。
なお、回折格子が反射型である場合、角度αは0°以上で90°未満である。また、回折格子が設けられた界面に対して斜め方向から照明光を照射し、法線方向の角度、即ち0°を境界値とする2つの角度範囲を考えると、角度βは、回折光の射出方向と正反射光の射出方向とが同じ角度範囲内にあるときには正の値であり、回折光の射出方向と照明光の入射方向とが同じ角度範囲内にあるときには負の値である。
図4は、回折格子が1次回折光を射出する様子を概略的に示す図である。点光源LSは、波長が赤色域内にある光成分rと、波長が緑色域内にある光成分gと、波長が青色域内にある光成分bとを含んだ白色光ILを放射する。点光源LSが放射した光成分r、g及びbは、回折格子GR1に入射角αで入射する。回折格子GR1は、光成分rの一部として回折光DL_rを射出角β_rで射出し、光成分gの一部として回折光DL_gを射出角β_gで射出し、光成分bの一部として回折光DL_bを射出角β_bで射出する。ここで、観察者OBが定点より回折格子を観察した場合、到達する回折光はDL_rであるので、観察者OBは赤色の光を知覚する。
ここで、回折格子GR1より空間周波数が高い、すなわちピッチが狭い回折格子GR2に同様に点光源LSから光が入射した場合、射出される回折光の射出角が変化する。図5はその様子を概略的に示す図である。図4と同様に観察者OBが定点から回折格子GR2を観察した場合、到達する回折光はDL_bとなり、観察者OBは青色の光を知覚する。回折格子の空間周波数を適宜設定することで別の波長の光によって別の色を知覚することができる。
なお、図4及び図5にて図示していないが、回折格子は、他の高次の次数の回折光も数式(1)によって導出される角度で射出するが、回折格子を利用した表示体では表示体の表面方向に射出され、より観察が容易な一次回折光で表示像を表現するように設計するのが一般的である。
また、ここで説明のため入射される白色光の波長成分をR、G、Bに限定したが、実際にはその間の波長成分の光も含んでいる。上記説明は、光学的性質を示すために現象を簡単化したものである。
(回折格子表示体の構成と、実現されるカラー階調画像について)
次に、本回折格子表示体によって表示されるカラー階調画像の光学的な効果について説明する。
図2は、回折格子表示体1に採用可能な回折格子の構成例を概略的に示す平面図である。複数のセル3はそれぞれサブセルセット4a、4b、4cを含み、サブセルセット4a、4b、4cは空間周波数、角度が任意に設定された回折格子から構成されるサブセル5a_r、5a_g、5a_b、5b_r、5b_g、5b_b、5c_r、5c_g、5c_bを含む。回折格子から成るサブセルの外形状(輪郭)は典型的には長方形または正方形などの矩形であり、それらが各セル内に整然配置される。つまり、回折格子表示体1は、複数のセルを備え、各セルの内部に回折格子から成る複数のサブセルを内包する。
一つのサブセルセットは定点においてR、G、Bの光が知覚されるよう内包するサブセルに形成される回折格子の空間周波数が設定される。
回折格子が形成されたサブセルの面積は元となるカラー階調画像データの各画素のR、G、Bの明るさに応じて決定される。元となるカラー階調画像データの各画素のR、G、Bが明るいほど、サブセルの面積は大きく、暗くなるにつれてサブセルの面積は小さくなる。サブセルの面積に応じて形成される回折格子の大きさも変化し、それに伴い射出される回折光の光量も変化する。大きいサブセルから射出される回折光の光量は多く、相対的に明るくなり、小さいサブセルから射出される回折光の光量は少なく、相対的に暗くなる。
サブセルの面積は小さく、個々のサブセルの肉眼での判別は困難である。典型的には、
セルの大きさ、つまりセルの幅や高さは300μm以下であり、その内部に形成されるサブセルはさらに小さい。サブセルの大きさは典型的には100μm以下である。元となるカラー階調画像データの輝度値に応じて面積が変化している微小なR、G、Bのサブセルが整然配置されていると、各サブセルからの光は混ざり合い、混色として知覚される。例えば、R、G、Bのサブセルが同じ面積であると白色もしくは灰色を表示し、RのサブセルがG、Bのサブセルよりも大きい場合、赤みがかった表示色が得られる。このように元となるカラー階調画像データに応じて面積を制御したR、G、Bのサブセルを各セルに配置することで回折光が射出される領域(視域)に対してカラー階調画像を表示する回折格子表示体が得られる。
また、一つのサブセルセットは定点においてR、G、Bの光が知覚されるよう回折格子の角度が設定される。別のサブセルセットは空間周波数の設定は前出のサブセルセットと略同一であるが、回折格子の角度が異なっている。
図2においては、一例としてサブセルセット4aの回折格子は−20°、サブセルセット4bの回折格子は0°、サブセルセット4cの回折格子は20°となっている。ここで、各回折格子の角度は回折格子表示体の横方向(x方向)を0°とし、xy平面の極座標として表記している。
図6は、図2の回折格子表示体1から回折光が射出される視域(観察領域)を説明する概念図である。図2におけるサブセルセット4a、4b、4cにはそれぞれ異なる角度の回折格子が形成されているため、回折光が射出される角度が異なる。サブセルセット4aから射出される回折光が観察可能な視域が視域Va、サブセルセット4bから射出される回折光が観察可能な視域がVb、サブセルセット4cから射出される回折光が観察可能な視域がVcである。観察者OBが視域Va、Vb、Vcの範囲内において回折格子表示体を観察する場合、観察者OBは回折光によるカラー階調画像を観察することができる。
観察者OBがいる定点にR、G、Bの光を射出する回折格子の空間周波数は、前出の式(1)より、一意に定める事ができる。例えば、入射光が回折格子表示体の正面上方に位置し、入射光角度45°で入射する場合、回折格子表示体の正面方向にR(波長640nm)、G(波長510nm)、B(波長440nm)の光を射出するための回折格子の空間周波数は、それぞれ約1100本/mm、約1390本/mm、約1600本/mmとなる。入射光角度45°で入射する場合、回折格子表示体の正面方向にR(波長640nm)、G(波長510nm)、B(波長440nm)の光を射出するための回折格子の空間周波数は、それぞれ約780本/mm、約980本/mm、約1140本/mmとなる。
各サブセルセットにおける回折格子の角度は適宜設けることができる。各サブセルセットの回折格子の角度の差が少ない場合、視域は回折格子表示体の正面方向寄りに集まり、カラー階調画像が視認できる範囲が小さくなる。一方で、回折格子の角度の差が大きい場合、視域が大きくなり、カラー階調画像が視認できる範囲が大きくなる。
各セルに設けるサブセルセットの個数は適宜設けることができる。サブセルセットの個数を増やすことで、回折格子の角度の種類を増やすことができ、それにより視域を増やすことができる。
セルに内包されるサブセルセットの一つは回折格子の角度を、元となるカラー階調画像データの天地方向に対して水平方向にすると良い。回折格子表示体で表現されるカラー階調画像には通常、天地方向(上下方向)の絵柄の向きが決まっており、回折格子表示体を情報印刷物に貼付する場合にも、情報印刷物の天地方向に合わせるのが一般的である。つ
まり、回折格子表示体もしくは回折格子表示体を貼付した情報印刷物には通常、観察する向きがあらかじめ決まっている。また、通常、照明光源は回折格子表示体や観察者の上方に備えられていることが一般的である。観察者が回折格子表示体を観察する向き(回折格子表示体の正面方向)に対して、水平方向に延びる格子線群を形成することで、通常の観察の向きで観察した際に、上方からの入射光を観察者の方向に射出させることができる。
各セルに内包されるサブセルセットはそれぞれ3以上の奇数個とすると良い。奇数個にすることで、そのうちの一つを回折格子表示体の通常の観察の向きに対して、水平方向に延びる格子線群とし、残りの偶数個のサブセルセットによって、回折格子表示体の正面方向の左右からの観察に対して均等にカラー階調画像が観察できるよう、別の角度の回折格子を配置することができる。このような構成にすることで、回折格子表示体の正面方向からの観察を中心として左右からの観察でも同様にカラー階調画像の表示が可能になる。
また、各セルに内包されるサブセルセットは、各セルにそれぞれ2以上、且つ、9以下の個数で構成されていると良い。各セルにサブセルセットが2つ構成されている場合は、カラー階調画像が観察可能な領域を2つ設けることができ、9つの場合は、カラー階調画像が観察可能な領域を9つ設けることができる。サブセルセット毎に回折格子の角度は異なるため、サブセルセットの個数に応じて視域を増減させることができる。また、サブセルセットの個数が10個未満であることでサブセルセットが極端に小さくなり、内部に形成される回折格子が途切れ途切れに寸断されるのを防止することができる。
また、各単一セル内におけるR、G、Bに対応する各サブセルの面積が、R、G、B毎にそれぞれ同じ面積であるか、あるいはR、G、B毎にそれぞれ同じ輝度である。これにより、カラー階調画像が観察可能な各視域において、いずれの視域で観察した場合でも、色変化の無い均一なカラー階調画像を観察することができる。
また、サブセルセット毎の回折格子の格子角度の差は5°以上、且つ、45°以下とすると良い。サブセルセット毎の回折格子の格子角度の差が5°より小さい場合、複数のサブセルセットを用意することによる視域の拡張効果は十分に望めない。一方で、45°を超える場合、カラー階調画像が観察される複数の視域の間にカラー階調画像が観察されない視域が存在してしまう。サブセルセット毎の回折格子の格子角度の差は5°以上、且つ、45°以下とすることで、カラー階調画像が観察される視域を広く設けることができる。
回折格子からの回折光が到達しないような位置に観察者がある場合、カラー階調画像は観察されない。それにより通常の印刷物とは異なり、照明光源や観察者の位置によってカラー階調画像が認識できる状態とできない状態の2つの状態を実現することができる。これが、多くの範囲でほぼ同じ色が知覚できる通常の印刷技術によってカラー階調画像を印刷した印刷物とは異なる点である。
(回折格子表示体の実施形態)
回折格子表示体を、カラー階調画像印刷層を含む物品、特に情報印刷物に備えることで、偽造防止性を向上させることができる。カラー階調画像印刷層を含む情報印刷物の典型的な形態は、紙幣や商品券などの紙、クレジットカードやキャッシュカードなどのプラスチックフィルムやプラスチック板である。それらは、回折格子表示体を貼付する領域とは別の領域に各種情報を表示するためのカラー階調画像印刷層を備えている。カラー階調画像印刷層により、写真やデザインなどの各種画像情報を表示することができる。カラー階調画像印刷層に形成された印刷による画像は回折格子表示体とは異なり、観察条件に応じた色変化は生じないため、それらの差違によって一層視認効果が高くなり、高い偽造防止効果が得られる。
なお、情報印刷物表面に回折格子表示体を備えた後、情報印刷物表面だけでなく、回折格子表示体表面にも印刷を施しても良い。
回折格子表示体は、例えば、粘着材や接着剤等を介して情報印刷物やその他の物品に貼り付けて使用することができる。回折格子表示体の回折格子は印刷や他の微細構造体では実現することができない特有の色変化を伴うカラー階調画像の表示を行うことができ、高精度に再現することは困難であることから偽造は非常に難しい。この回折格子表示体を情報印刷物などの物品に貼付した場合、真正品であるこの回折格子表示体付き情報印刷物の偽造または模造もまた困難である。
図7は、回折格子表示体1を、紙幣20の表面に貼付させた一実施例を概略的に示す平面図である。図8は、図7に示す回折格子表示体付き紙幣20のB−B線に沿った断面図である。
図7及び図8に示す紙幣20は基材15及び基材15の表面に備えられたカラー階調画像印刷層14を含んでいる。基材15は、典型的には紙であり、またプラスチックや、それらの複層形態を採ることもできる。回折格子表示体1は、例えば転写箔やステッカーとして準備しておき、これを基材15上、もしくはカラー階調画像印刷層14上に接着層または粘着層13等を介して貼付することにより、紙幣20に固定する。
紙幣20は、回折格子表示体1を含んでいる。それゆえ、この紙幣の同一品を偽造または模造することは困難である。このように本実施形態によれば、紙幣20に回折格子表示体1を取り付けることにより、視覚的な偽造防止効果を実現することができ、コピー機やスキャナーなどでの偽造も防止することができる。
なお、図7及び図8には、回折格子表示体を含んだ情報印刷物として紙幣を例示しているが、回折格子表示体を含んだ情報印刷物はこれに限られない。例えば、回折格子表示体を含んだ印刷物は、商品券や小切手などの有価証券類であってもよい。或いは、回折格子表示体を含んだ情報印刷物は、クレジットカード、キャッシュカード、ICカード、磁気カード、無線カード及びID(identification)カードなどのカード類であってもよい。或いは、パスポート及び免許証などの証明書類であってもよい。或いは、真正品であることが確認されるべき物品に取り付けられるべきタグ類であってもよい。或いは、回折格子表示体を含んだ情報印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体またはその一部であってもよい。
(変形例)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
凹凸構造形成層に設けるセル、サブセル、回折格子は、記載した内容に限らず、更に他の構成、数、仕様から成るものであっても良い。また、実施形態では、光透過性の基材の上面を加工して凹凸構造形成層を形成したが、凹凸構造形成層とは別の光透過性の基材の上に凹凸構造形成層を設けるようにしても良い。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
1…回折格子表示体
2…カラー階調画像
3…セル
4a、4b、4c・・・サブセルセット
5a_r、5a_g、5a_b、5b_r、5b_g、5b_b、5c_r、5c_g、5c_b・・・サブセル
10・・・基材
11・・・凹凸構造形成層
12・・・光反射層
13・・・接着層
14・・・カラー階調画像印刷層
15・・・情報印刷物の基材
20・・・紙幣、
d…回折格子のピッチ
DL_r…回折光(赤)
DL_g…回折光(緑)
DL_b…回折光(青)
GR1、GR2…回折格子
IL…照明光
LS…白色光源
NL…回折格子表示体表示面の法線
RL…0次回折光(正反射光)
OB・・・観察者
Va、Vb、Vc・・・視域
α…入射角
β_r…波長成分Rの回折光の射出角
β_g…波長成分Gの回折光の射出角
β_b…波長成分Bの回折光の射出角

Claims (7)

  1. 回折光によってカラー階調画像を表示する回折格子表示体であって、
    前記回折格子表示体は、前記カラー階調画像を表示するための各画素に対応するセルが、整然配置された構成であり、
    前記各セルは、R(赤)、G(緑)、B(青)のサブセルを一組としたサブセルセットをそれぞれ複数有しており、
    サブセルに形成される回折格子の格子角度はサブセルセット毎で異なり、
    回折格子の空間周波数は、前記R、G、Bのサブセル毎で異なり、
    かつ前記サブセルセットを有するセルにおいて、単一セル内における前記R、G、Bの各サブセルの面積が、R、G、B毎に、それぞれ略同じ面積であることを特徴とする回折格子表示体。
  2. 回折光によってカラー階調画像を表示する回折格子表示体であって、
    前記回折格子表示体は、前記カラー階調画像を表示するための各画素に対応するセルが、整然配置された構成であり、
    前記各セルは、R(赤)、G(緑)、B(青)のサブセルを一組としたサブセルセットをそれぞれ複数有しており、
    サブセルに形成される回折格子の格子角度はサブセルセット毎で異なり、
    回折格子の空間周波数は、前記R、G、Bのサブセル毎で異なり、
    かつ前記サブセルセットを有するセルにおいて、単一セル内における前記R、G、Bの各サブセルの輝度が、R、G、B毎に、それぞれ略同じ輝度であることを特徴とする回折格子表示体。
  3. 前記カラー階調画像の天地方向に対して水平方向に格子線が延びる回折格子から成るサブセルを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回折格子表示体。
  4. 前記サブセルセットが、各セルにそれぞれ3以上の奇数個で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の回折格子表示体。
  5. 前記サブセルセットが、各セルにそれぞれ2以上、且つ、9以下の個数で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の回折格子表示体。
  6. サブセルセット毎の回折格子の角度の差が5°以上、且つ、45°以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の回折格子表示体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の回折格子表示体を支持したカラー階調画像印刷層を備えた情報印刷物。
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