JP6766860B2 - 表示体及び表示体の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、多層膜干渉による構造色は、相互に隣り合う薄膜の屈折率が互いに異なる多層膜層において、多層膜の各界面で反射した光が干渉することによって生じる構造色である。また、多層膜干渉は、モルフォ蝶の翅の発色原理の1つである。モルフォ蝶の翅では、多層膜干渉に加えて、翅の表面の微細な凹凸構造によって光の散乱や回折が生じる結果、鮮やかな青色が広い観察角度において視認される。
多層膜層において、干渉によって強められる光の波長は、多層膜層の各層にて生じる光路差によって変わり、光路差は各層の膜厚及び屈折率に応じて決まる。そして、干渉によって強められた光の出射方向は、入射光の入射角度に依存した特定の方向に限定される。したがって、平面に多層膜層が積層された構造では、視認される反射光の波長が観察角度によって大きく変化するため、視認される色が観察角度によって大きく変化する。
可変成形方式は、直交する第1及び第2の方向に沿った矩形形状を一括に描画することが可能であり、不規則な凹凸構造の凸部は、凹凸の形成された面から対向する方向から見て、各凸部にて共通な方向に延びる矩形形状を有しているため、可変成形方式を用いることで高速に描画し、作製することが可能である。
また、第2の目的は、波長より小さな矩形形状を組み合わせることにより、電子線の矩形形状の辺の方向と、凹凸構造の辺の方向を一致させながらも、擬似的に凸部の長辺方向を変えることで、観察角度により色の見え方の異なる意匠性の高い表示体を簡便な工程によって製造することが可能な製造方法を提供することにある。
更に、本発明の一態様によれば、波長より小さな矩形形状を組み合わせることにより、電子線の矩形形状の辺の方向と、凹凸構造の辺の方向を一致させながらも、擬似的に凸部の長辺方向を変えることで、観察角度により色の見え方の異なる意匠性の高い表示体を簡便な工程によって製造することが可能となる。
次に、図1〜4を参照して、表示体及びその製造方法について説明する。
なお、表示体に対する入射光及び反射光の波長域は特に限定されないが、以下の実施形態においては、一例として、可視領域の光を対象とした表示体について説明する。以下の説明において、可視領域の光とは、360nm以上830nm以下の波長域の光を指す。
図1に示すように、表示体10は基材の表面上に、複数の表示要素が形成される。なお、図1では、簡略のために、2つの表示要素しか例示されていないが、本実施形態に係る表示体10は、3つ以上の表示要素を含んでいても良い。また、図1では、2つの表示要素12(#1)、12(#2)は同じサイズとして例示されているが、複数の表示要素はそれぞれ異なるサイズや異なる輪郭形状であっても良い。
ここで、凹凸構造23は、図2のように、基材の一方の面側に形成され、凹凸層を構成する基材を、可視光波長領域の光を吸収する材料により形成しても良い。
その理由は、次の通りである。
すなわち、多層膜層を透過した光の少なくとも一部は吸収層によって吸収され、透過光が第1面側に返ってくることが抑えられる。したがって、凹凸層を有する面から表示体を観察した場合に、多層膜層からの反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられるため、反射光による色の視認性の低下を抑制することが可能である。
その理由は、次の通りである。
すなわち、多層膜層を透過した光の少なくとも一部は吸収層によって吸収され、透過光が第1面側に返ってくることが抑えられる。したがって、凹凸層を有する面から表示体を観察した場合に、多層膜層からの反射光とは異なる波長域の光が視認されることが抑えられるため、反射光による色の視認性が低下を抑制することが可能である。
多層膜層24は、隣接する層の屈折率が互いに異なる。本実施形態の多層膜層24は、高屈折率層22と低屈折率層21を交互に積層した構造を有する。高屈折率層22の屈折率は、低屈折率層21の屈折率よりも大きい。凹凸構造23における凸部上と凹部上とで、多層膜層24の構成、すなわち、多層膜層24を構成する各層の材料や膜厚や積層順序は一致している。
高屈折率層22と低屈折率層21とは、可視領域の光を透過する材料、すなわち、可視領域の光に対して透明な材料から構成される。高屈折率層22の屈折率が、低屈折率層21の屈折率よりも高い構成であれば、これらの層の材料は限定されないが、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差が大きいほど、少ない積層数で高い強度の反射光が得られる。こうした観点から、例えば、高屈折率層22と低屈折率層21とを無機材料から構成する場合、高屈折率層22を二酸化チタン(TiO2)から構成し、低屈折率層21を二酸化珪素(SiO2)から構成することが好ましい。ただし、高屈折率層22及び低屈折率層21の各々は、有機材料から構成されてもよい。
図3(a)は、基材をその表面と対向する方向(厚さ方向)から見た平面図であり、図3(b)は図3(a)のIII−III線に沿った基材の断面構造を示す図である。図3(c)は図3(a)の凸部31の一つを拡大した図である。
表示パターンとなる各凸部は、連続して並ぶ複数の図形要素Rから構成される。
この角度θは、表示要素毎に一定に設定される。
その理由は、凸部を特定の方向に異方性を持たせることにより、散乱光を特定の方向に反射させるためである。
図3(a)、(d)、(e)においては、凹凸構造を構成する凸部にドットを付している。
図3(a)が示すように、第1方向Dxと第2方向Dyとは、仮想的な矩形Fの辺に沿った平面に含まれる方向であり、第1方向Dxと第2方向Dyとは直交する。
図3(a)が示すように、基材をその表面と対向する方向(厚さ方向)から見て、凸部が構成するパターンは、連続した複数の図形要素Rに分割可能であり、図形要素Rに外接した仮想的な矩形Fは、矩形Fを構成する第1方向Dxに沿った辺を介して連続している。
矩形Fにおける第1方向に沿った辺d1の長さはサブ波長以下とする。
その理由は、虹色の分光が生じるのを防ぐためである。
一方、複数の矩形Fにおいて、第2方向Dyに沿った長さd2は、角度θが0°より大きく90°未満、又は90°より大きく180°未満の場合、tanθ=d2/Lを満たす。長さLは、第1方向Dxに沿った辺を介して隣接する2つの矩形の、左上の頂点を結んだ直線の長さをαとしたとき、αcosθ=Lを満たす長さのことを指す。長さLは、製造工程において必要な精度であれば良く、例えば、小数点以下は切り捨てても良い。
角度θ=0°又は180°の場合はL=αとなり、図3(d)に示す平面図になる。θ=90°の場合はL=0、α=d2となり、図3(e)に示す平面図となる。
矩形の第2方向に沿った辺の長さの和の1/2の標準偏差は、第1方向に沿った辺の長さの標準偏差より大きいことが好ましい。
その理由は、第一方向に沿った辺の長さまたは中心を通り第一方向に沿った直線の長さのばらつきが大きくなることにより、二次元全方位に反射光が散乱し、反射率の低下を防止するためである。
凸部の高さhは、表示体の表面で反射させる光の波長に応じて適切な高さに設計すれば良い。高さhの値は後述する多層膜層の表面粗さより大きい高さであれば回折効果を得ることができる。但し、高さhを過剰に大きくすると散乱効果が強まり、多層膜表面から反射される光の彩度が損なわれるため、対象となる波長帯が可視領域の表示体の場合は、高さhの値は、凸部の高さは415nm以下が好ましい。高さhの値は、10nm以上200nm以下の範囲にあることがより好ましい。
また、凸部の高さhは各表示要素内で一定であれば良く、表示要素ごとに異なっていても良い。
その理由は、構造高さが過剰に大きくなると、反射光の散乱効果が高くなりすぎて反射光の強度が弱くなるからである。
また、複数の図形要素の集合から成るパターンを構成する凸部が占める割合が40%以上60%以下であることが好ましい。
その理由は、多層膜層からの反射光の広がりを大きくするため、すなわち、反射光の散乱効果を高めるためには、凹凸の起伏が多いことが好ましいためである。
そして、本実施形態に係る表示体及びその製造方法によれば、光の広がり効果を誘起するために、凹凸構造に対向する方向から凹凸構造を見たときの凸部のパターンを、互いに直交する第1方向及び第2方向に沿った辺を有する複数の矩形形状にそれぞれ内接した図形要素で構成し、各凸部を構成する複数の図形要素の並びを上記第1方向及び第2方向とは異なる第3の方向に沿って並べることで、擬似的に長軸方向の異なる凹凸構造を作製し、観察角度によって色の見え方が異なる意匠性の高い表示体を得られる。
図4は、本実施形態に係る製造方法によって製造される表示体の画素要素の構成例を示す断面図である。これは、第1の実施形態における図2に対応している。
図4では、第1の実施形態で説明した部分と同一の部分については同一符号を付して示し、以下の記載では、重複説明を避け、第1の実施形態と異なる点について説明する。
すなわち、本実施形態に係る製造方法によって製造される表示体は、その断面図を図4に例示するように、多層膜層24と、基材11との間に形成された樹脂層32に凹凸構造が形成されている点が、第1の実施形態に係る表示体と異なっている。
樹脂層32は、例えば、光ナノインプリント法により凹凸構造23を形成する場合に、基材11の表面に塗布される光硬化性樹脂で構成される。
本実施形態に係る表示体の製造方法では、この光硬化性樹脂からなる樹脂層32の上面を加工して、凹凸構造23を形成する。この場合、光インプリント用モールドを用意する必要がある。
このような製造方法によっても、第1の実施形態で説明したような表示体10を製造することが可能となる。
実施例1における、表示体及びその製造方法について説明する。実施例1の表示体が有する表示要素は、図2のように、基材に凹凸構造が形成された表示要素から構成される。
はじめに、インプリント用モールドを作製した。光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いるため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、可変成形方式の電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは図3(a)に示した複数の図形要素の集合からなるパターンであり、図形要素に外接する仮想的な矩形形状と図形要素の形状は一致している。パターン領域(各表示要素)は一辺が50mmの正方形であり、図1に示すように表示要素を2つ作製するため、凹凸構造A(表示要素12(#1)の凹凸構造23)と、凹凸構造B(表示要素12(#1)の凹凸構造23)の2種類を形成した。凹凸構造Aの図3(a)における上記矩形の第1方向の長さd1は300nmであり、仮想的な矩形の左上の頂点を通る仮想的な直線と、第1方向に沿った辺のなす角度θ=30°とした。凹凸構造Bの図3(a)における上記矩形の第1方向の長さd1は300nmであり、θ=45°とした。
次に、塩素(Cl2)と酸素(O2)との混合ガスに高周波を印加して発生させたプラズマにより、レジストから露出した領域のCr膜をエッチングした。続いて、六弗化エタンガスに高周波を印加して発生させたプラズマによりレジスト及びCr膜から露出した領域の合成石英基板をエッチングした。これによりエッチングした合成石英基板の深さは80nmであった。残存したレジスト及びCr膜を除去することにより、凹凸構造が形成された石英モールドを得た。モールドの表面には、離型剤としてオプツールHD−1100(ダイキン工業製)を塗布した。
続いて、合成石英ウエハに対してO2ガスを用いたプラズマによるエッチングを実施し、凹凸構造の凹部に残存している光硬化性樹脂を除去した。この工程では、O2ガスを40sccm導入し、プラズマ放電させた。次に、オクタフルオロシクロブタン(C4F8)とアルゴン(Ar)との混合ガスを用いたプラズマによるエッチングを実施し、樹脂層の有する凹凸構造を合成石英ウエハに転写した。この工程では、C4F8ガスを40sccm、Arガスを60sccm導入し、プラズマチャンバー内の圧力を5mTorrに設定後、RIEパワー75W、ICPパワー400Wを印加して、プラズマ放電させた。合成石英ウエハに形成された凹凸構造における凸部の高さは80nmとした。
次に、上記合成石英ウエハの凹凸を有する表面に、真空蒸着によって、膜厚が60nmである高屈折率層としてのTiO2膜と、膜厚が80nmである低屈折率層としてのSiO2膜とを交互に成膜し、高屈折率層と低屈折率層との組を5組、すなわち、10層の層を有する多層膜層を形成した。これにより、実施例1の表示体が得られた。
実施例1の表示体を多層膜を積層した側から観察したところ、表示要素12(#1)は、表示要素に対して30°の方向から観察したとき、青色が最も明るく視認され、表示要素12(#2)では、表示要素に対して45°の方向から観察したとき、青色が最も明るく視認された。
実施例2における、表示体及びその製造方法を説明する。実施例2の表示体は、図5のように、基材上の樹脂層に凹凸構造が形成された表示要素から構成した。
はじめに、インプリント用モールドを作製した。光ナノインプリント法において照射する光として、365nmの波長の光を用いるため、この波長の光を透過する合成石英をモールドの材料として用いた。モールドの形成に際しては、まず、合成石英基板の表面に、クロム(Cr)からなる膜をスパッタリングによって成膜し、可変成形式の電子線リソグラフィによって電子線レジストパターンをCr膜上に形成した。形成したパターンは図3(a)に示した複数の図形要素の集合からなるパターンであり、図形要素に外接する仮想的な矩形形状と図形要素の形状は一致している。パターン領域は一辺が50mmの正方形であり、図1に示すように表示要素を2つ作製するため、凹凸構造A(表示要素12(#1)の凹凸構造23)と、凹凸構造B(表示要素12(#1)の凹凸構造23)の2種類を形成した。凹凸構造Aの図3(a)における上記矩形の第1方向の長さd1は300nmであり、仮想的な矩形の左上の頂点を通る仮想的な直線と、第1方向に沿った辺のなす角度θ=30°とした。凹凸構造Bの図3(a)における上記矩形の第1方向の長さd1は300nmであり、θ=45°とした。
次に、塩素(Cl2)と酸素(O2)との混合ガスに高周波を印加して発生させたプラズマにより、レジストから露出した領域のCr膜をエッチングした。続いて、六弗化エタンガスに高周波を印加して発生させたプラズマによりレジスト及びCr膜から露出した領域の合成石英基板をエッチングした。これによりエッチングした合成石英基板の深さは80nmであった。残存したレジスト及びCr膜を除去することにより、凹凸構造が形成された石英モールドを得た。モールドの表面には、離型剤としてオプツールHD−1100(ダイキン工業製)を塗布した。
次に、得られた基材と樹脂層との積層体の凹凸を有する面に、真空蒸着によって、膜厚が60nmである高屈折率層としてのTiO2膜と、膜厚が80nmである低屈折率層としてのSiO2膜とを交互に成膜し、高屈折率層と低屈折率層との組を5組、すなわち、10層の層を有する多層膜層を形成した。
11・・・基材
12(#1)、(#2)・・・表示要素
21・・・低屈折率層
22・・・高屈折率層
23・・・凹凸構造(基材)
24・・・多層膜層
32・・・樹脂層(凹凸層)
31・・・凹凸構造の凸部
Dx・・・第1方向
Dy・・・第2方向
R・・・図形要素
F・・・仮想的な矩形
Claims (11)
- 複数の表示要素を有する表示体であって、
上記複数の表示要素は、凹凸構造を有する凹凸層と、上記凹凸構造上に設けられた2層以上からなる多層膜層と、を備え、
上記多層膜層は、隣接する層の屈折率が互いに異なり、
上記凹凸層は、凸部によって構成されるパターンを有し、
上記凹凸層と対向する方向から見て、上記凸部で構成されるパターンは、複数の仮想的な矩形内にそれぞれ配置された図形要素に分割可能であり、
上記仮想的な各矩形内に配置される各図形要素は、配置された矩形に内接し、
上記仮想的な複数の矩形は、第1方向に沿った辺と、上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有し、
上記第1方向に沿った辺の長さはサブ波長以下であり、
上記第1方向に沿った方向と、上記複数の仮想的な矩形の並び方向とのなす角度をθとしたとき、
上記角度θは、各表示要素内で一定であり、
上記複数の表示要素の少なくとも一つの表示要素は、上記角度θが、0°より大きく90°未満、又は90°より大きく180°未満であり、
凸部を構成する上記図形要素の位置を特定する仮想的な矩形として、上記第1方向に沿った辺で繋がっている複数の矩形を有し、
上記第1方向に沿った辺で繋がっている複数の矩形の、第2方向に沿った辺の和の1/2の平均値は4.15μm以下であり、当該長さの標準偏差は1μm以下である、
ことを特徴とする表示体。 - 上記角度θが0°以上180°以下の表示要素と、0°より大きく90°未満、又は90°より大きく180°未満の表示要素とを有することを特徴とする請求項1に記載の表示体。
- 上記矩形の上記第1方向に沿った辺の長さは830nm以下であり、上記複数の図形要素の集合から成るパターンを構成する凸部の高さは415nm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示体。
- 上記矩形は、第2方向に沿った辺の長さの和の1/2の標準偏差が、上記第1方向に沿った辺の長さの標準偏差より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示体。
- 上記凹凸層の表面と対向する方向から上記凹凸構造を見たとき、上記表示要素を構成する領域内において、上記複数の図形要素の集合から成るパターンを構成する凸部が占める割合が40%以上60%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示体。
- 上記各表示要素において、上記複数の図形要素から成るパターンの凸部の構造高さが異なる表示要素を含み、その差が5nm以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の表示体。
- 上記各表示要素において、上記凹凸構造を構成する上記凸部の高さは各表示要素内で一定であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示体。
- 上記多層膜層のうち、上下に隣接する2つの層は、同じ波長領域の光を透過し、その波
長領域において異なる屈折率を持つ材料で構成されたことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の表示体。 - 上記凹凸構造は、基材の一方の面側に形成され、
上記基材を、可視光波長領域の光を吸収する材料により形成したことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の表示体。 - 上記凹凸構造は、基材の一方の面側に形成され、
上記基材の一方の面とは反対側の裏面を、可視光波長領域の光を吸収する材料により形成したことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の表示体。 - 複数の表示要素を有する表示体の製造方法であって、
凹版の有する凹凸をナノインプリント法を用いて樹脂を含む層に転写することにより、表面に凹凸層を形成する第1工程と、
上記凹凸層に沿って多層膜層を形成し、その際、当該多層膜層において相互に隣接する層の屈折率が互いに異なり、当該多層膜層への入射光のうちの特定の波長域での光の反射率が他の波長域での光の反射率よりも高くなるように形成する第2工程と、を含み、
上記第1工程では、上記凹凸層は、凸部によって構成されるパターンを有し、
上記凹凸層と対向する方向から見て、凸部の構成するパターンは複数の仮想的な矩形内にそれぞれ配置された図形要素に分割可能であり、
上記仮想的な各矩形内に配置される各図形要素は、配置された矩形に内接し、
上記仮想的な複数の矩形は、第1方向に沿った辺と、上記第1方向と直交する第2方向に沿った辺とを有し、
上記第1方向に沿った辺の長さはサブ波長以下であり、
上記第1方向に沿った方向と、上記複数の仮想的な矩形の並び方向とのなす角度をθとしたとき、
上記角度θは、各表示要素内で一定であり、
上記複数の表示要素の少なくとも一つの表示要素は、上記角度θが、0°より大きく90°未満、又は90°より大きく180°未満であり、
凸部を構成する上記図形要素の位置を特定する仮想的な矩形として、上記第1方向に沿った辺で繋がっている複数の矩形を有し、
上記第1方向に沿った辺で繋がっている複数の矩形の、第2方向に沿った辺の和の1/2の平均値は4.15μm以下であり、当該長さの標準偏差は1μm以下である、
ことを特徴とする表示体の製造方法。
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